(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出支持体に結合している前記10,000超の前記結合剤の分子が、前記対象の分析物を認識し、それに結合する抗体または抗体断片である、請求項1または2に記載の方法。
前記検出支持体上の前記10,000超の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる前記結合剤が、抗体または抗体断片である、請求項1に記載の方法。
前記検出支持体上の前記10,000超の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる前記結合剤が、前記対象の分析物を捕捉固体支持体に結合するために使用される捕捉結合剤を認識しない、請求項1に記載の方法。
前記検出支持体上の前記10,000超の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる前記結合剤が、可溶性結合剤を含む、請求項1に記載の方法。
対象の分析物をアッセイするためのキットであって、該対象の分析物を認識し、それに結合することができる10,000個超の結合剤の分子を含む固体支持体を含む検出支持体であって、検出可能な部分の複数の分子を含む、検出支持体と、
該捕捉支持体上の該対象の分析物を固定化するために、該対象の分析物を認識し、それに結合する少なくとも1種の捕捉支持体結合剤を含む捕捉支持体と
を含む、キット。
対象の分析物をアッセイするためのキットであって、該対象の分析物を認識し、それに結合することができる10,000個超の結合剤の分子を含む固体支持体を含む検出支持体と、
該捕捉支持体上の該対象の分析物を固定化するために、該対象の分析物を認識し、それに結合する少なくとも1種の捕捉支持体結合剤を含む捕捉支持体と、
前記検出支持体上の前記10,000個超の結合剤を認識し、それに結合することができる結合剤と
を含む、キット。
前記検出支持体上の前記10,000個超の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる前記結合剤が、可溶性結合剤を含む、請求項15に記載のキット。
前記検出支持体に結合した前記10,000個超の結合剤分子が、前記対象の分析物を認識し、それに結合することができる抗体または抗体断片である、請求項14または15に記載のキット。
前記検出支持体上の前記10,000個超の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる前記結合剤が、前記対象の分析物を認識し、それに結合することができる抗体または抗体断片である、請求項15に記載のキット。
前記検出支持体上の前記10,000個超の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる前記結合剤が、検出可能な部分を含む、請求項15に記載のキット。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において別段の定義がない限り、本発明に関連して使用される科学用語および専門用語は、当業者が一般に理解する意味を有するべきである。さらに、他に状況によって必要とされない限り、単数の用語は、複数を含むべきであり、複数の用語は、単数を含むべきである。一般に、本明細書に記載されている細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学およびタンパク質および核酸化学およびハイブリダイゼーションとの関連で使用される命名法、ならびにこれらの技術は、当技術分野で周知であり、一般に使用されるものである。公知の方法および技術は、他に示さない限り、当技術分野で周知の通常の方法によって、および本明細書を通して考察される様々な一般のおよびより特定の参考文献において記載されているように一般に行われる。酵素反応および精製技術は、当技術分野で一般に達成されるように、または本明細書に記載のように、製造元の仕様によって行われる。本明細書に記載されている実験室の手順および技術に関連して使用される命名法は当技術分野で周知のものであり、一般に使用される。
下記の用語は、他に示さない限り、下記の意味を有すると理解すべきである。
【0011】
本明細書において使用する場合、「a」、「an」、および「the」という用語は、他に特に留意しない限り、1つまたは複数を指すことができる。
【0012】
「または」という用語の使用は、代替物のみを言及することが明確に示されない限り、または代替物が相互排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。本明細書において使用する場合、「別の」は、少なくとも第2またはそれ超を意味することができる。
【0013】
本出願を通して、「約」という用語は、その値が、値を決定するために用いられているデバイス、方法についての固有の誤差の変動、または試料の間に存在する変動を含むことを示すために使用される。
【0014】
「固体支持体」または「支持体」という用語は、その上に生体分子が結合し得る基材を提供する構造物を意味する。例えば、固体支持体は、アッセイウェル(すなわち、例えば、マイクロタイタープレート)であり得、または固体支持体は、アレイ上の位置、または移動性の支持体、例えば、ビーズであり得る。
【0015】
「抗体」という用語は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、合成抗体およびキメラ抗体、例えば、コンビナトリアル変異誘発およびファージディスプレイによって生じたものを含む。「抗体」という用語はまた、抗体の模倣物またはペプチド模倣物を含む。ペプチド模倣物は、ペプチドおよびタンパク質に基づいた、またはペプチドおよびタンパク質に由来する化合物である。本発明のペプチド模倣物は典型的には、非天然アミノ酸、コンホメーション制限、アイソスター置換(isosteric replacement)などを使用した、公知のペプチド配列の構造的改変によって得ることができる。
【0016】
「結合剤」という用語は、第2の(すなわち、異なる)対象分子に特異的および選択的に結合することができる分子を指す。相互作用は、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、または静電相互作用もしくは疎水的相互作用の結果として非共有結合性であり得、あるいは相互作用は共有結合性であり得る。「可溶性結合剤」という用語は、固体支持体に会合(すなわち、共有結合または非共有結合)していない結合剤を指す。
【0017】
本明細書において使用する場合、「分析物」は、測定される分子または化合物を指す。いくつかの実施形態において、分析物は、結合剤と相互作用する。本明細書に記載のように、「分析物」という用語は、対象のタンパク質またはペプチドを指し得る。分析物は、アゴニスト、アンタゴニスト、またはモジュレーターであり得る。または、分析物は、生物学的効果を有し得ない。分析物は、小分子、糖、オリゴ糖、脂質、ペプチド、ペプチド模倣物、有機化合物などを含み得る。
【0018】
「検出可能な部分」または「検出可能な生体分子」または「レポーター」という用語は、定量的アッセイにおいて測定することができる分子を指す。例えば、検出可能な部分は、基材を、測定することができる産物(例えば、目に見える産物)に変換するために使用し得る酵素を含み得る。または、検出可能な部分は、定量化することができる放射性同位体であり得る。または、検出可能な部分は、フルオロフォアであり得る。または、検出可能な部分は、ルミネセンス分子であり得る。または、他の検出可能な分子を使用し得る。
【0019】
本明細書において使用する場合、「最適比域」という用語は、抗原および抗体の濃度が最大の沈降をもたらす沈降反応における領域を示す。このように、抗原または抗体のいずれかが過剰である場合、沈降は起こらない。
【0020】
シグナル増幅の方法
特定の態様において、本発明は、試料中に存在する低レベルの分析物(例えば、対象のタンパク質)を検出する手段として、固体支持体にカップリングしている高い特異性の生体分子を利用し、シグナルをさらに増幅する。特定の実施形態において、同定されるタンパク質が直接または捕捉抗体を通して不動態化した表面に結合している免疫化学(例えば、ELISAもしくはRIA)または免疫蛍光アッセイについて、少なくとも10,000倍のシグナル増幅を達成し得る。
【0021】
このように、特定の実施形態において、本発明は、対象の分析物を検出するための方法であって、対象の分析物に検出支持体を添加する工程であって、検出支持体が、対象の分析物を認識し、それに結合する結合剤の複数の分子を含む固体支持体を含む工程と;検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを検出する工程とを含む、方法を含む。特定の実施形態において、方法は、捕捉支持体を添加する工程をさらに含み得、捕捉支持体は、捕捉支持体上に対象の分析物を固定化するために、対象の分析物を認識し、それに結合する少なくとも1種の捕捉支持体結合剤を含む。一実施形態において、対象の分析物は、検出支持体と相互作用する前に、捕捉支持体に結合している。または、対象の分析物は、検出支持体と相互作用した後に、捕捉支持体に結合し得る。方法は、特定の実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤を添加する工程をさらに含み得る。一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、可溶性結合剤である。
【0022】
一実施形態において、捕捉固体支持体は、アッセイウェル(すなわち、例えば、マイクロタイタープレート)であり得る。または、捕捉固体支持体は、アレイ上の位置、または移動性の支持体、例えば、ビーズであり得る。一実施形態において、検出支持体は、移動性の支持体、例えば、ビーズである。特定の実施形態において、対象の分析物は、溶液中に存在し得る。または、固定によって、細胞中の巨大分子が捕捉支持体として機能するように、対象の分析物は、微生物および/または組織の内部のタンパク質であり得る。例えば、一実施形態において、免疫アッセイ増幅方法は、タンパク質のin situでの検出のために使用し得る。
【0023】
一実施形態において、対象の分析物を特異的に認識する結合剤の複数の分子を含む検出支持体を、対象の分析物を含む試料に過剰に添加する。また一実施形態において、検出支持体は、検出可能な部分を含む複数の分子を含む。代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤を使用する場合、可溶性結合剤は、検出可能な部分を含み得る。
【0024】
種々の結合剤を、本発明の方法において使用し得る。例えば、検出支持体に結合した複数の結合剤は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、捕捉支持体に結合した結合剤は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、抗体または抗体断片であり得る。あるいは、捕捉支持体もしくは検出支持体のいずれか上の結合剤、または検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、非タンパク質の標的を結合するタンパク質を含み得る(すなわち、例えば、対象の小分子分析物に特異的に結合するタンパク質、またはタンパク質に結合する受容体)。
【0025】
一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、対象の分析物を捕捉固体支持体に結合させるために使用される捕捉結合剤を認識しない。
【0026】
対象の分析物を認識する複数の結合剤を含む検出支持体の使用は、シグナルの増幅を提供する。代わりの実施形態において、検出支持体は、対象の分析物に対して特異的な、1,000個超、または10,000個超、または100,000個超、または500,000個超、または1,000,000個超の結合剤分子を含む。このように、代わりの実施形態において、本発明の方法は、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイ(unamplified immunoassay)において認められるシグナルの1,000、または10,000超、または100,000超、または500,000超、または1,000,000超倍の増幅を提供する。このように、代わりの実施形態において、本発明の方法は、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイにおいて認められるシグナルの、1,000〜1,000,000,000倍、または1,000〜100,000,000倍、または5,000〜10,000,000倍、または10,000〜1,000,000倍、または10,000〜500,000倍、または50,000〜500,000倍の範囲の増幅を提供する。または、これらの範囲内の範囲を達成し得る。
【0027】
特定の実施形態において、対象の分析物は、タンパク質であり、結合剤は、抗体である。このように、特定の実施形態において、本発明は、免疫アッセイによるタンパク質の検出のシグナル増幅のための方法を含む。
【0028】
検出支持体および/または捕捉支持体の使用は、種々のフォーマットを含み得る。
【0029】
例えば、いくつかの実施形態において、対象の分析物は最初に捕捉支持体に結合し、次いで、検出支持体と相互作用することを可能にし得る。このように、方法は、対象のタンパク質に特異的に結合することができる複数の結合剤を、捕捉支持体に結合させる工程を含み得る。方法は、捕捉支持体に対象の分析物を添加する工程をさらに含み得る。次に、方法は、捕捉支持体に結合している対象の分析物に、複数の検出結合剤の検出がシグナルの増幅を提供するように、対象の分析物に対して特異的な複数の検出結合剤を含む検出支持体を添加する工程を含み得る。
【0030】
また、特定の実施形態において、方法は、複数の検出結合剤を特異的に認識し、それに結合することができる第3の結合剤を添加する工程を含み得る。一実施形態において、複数の検出結合剤を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、可溶性結合剤である。第3の結合剤は、検出可能な部分を含み得る。このように、いくつかの実施形態において、方法の工程を行うことにより、捕捉支持体:捕捉結合剤:対象の分析物:検出結合剤:検出支持体:可溶性結合剤:検出可能な部分からなる複合体を生じる。
【0031】
図1Aは、上記のフォーマットによる本発明の増幅された免疫アッセイの一実施形態を示す。例えば、および
図1Aにおいて示すように、方法は、結合剤が対象のタンパク質206を特異的に認識および捕捉することができるように、捕捉固体支持体214に複数の結合剤208を固定する工程を含み得る。一実施形態において、タンパク質は、細胞膜から単離され、または対象の細胞から放出され、次いで、固相に添加し得る。一実施形態において、捕捉固体支持体に結合した捕捉結合剤は、タンパク質を認識する一次抗体、または抗体断片である。例えば、一実施形態において、捕捉支持体214は、対象のタンパク質206に対する抗体208(例えば、ウサギ抗体)でコーティングされたマイクロタイターウェルであり得る。または、他の結合剤、例えば、特定のリガンドを認識する受容体、相補的配列とハイブリッド形成し得る核酸分子、特定のリガンドを認識する多糖類、脂質、リポ多糖、タイコ酸、またはリポタイコ酸などを使用し得る。固定化された抗体208は、対象の分析物206を特異的に認識し得、一方、他のタンパク質または生体分子202、204は、結合していない。
【0032】
次に、対象の分析物206をまた認識する検出結合剤211の複数の分子でコーティングされている検出支持体216(例えば、ビーズ)を添加し得る。一実施形態において、検出支持体は、数千、数万、数十万の検出結合剤を含み得る。一実施形態において、検出結合剤は、抗体である。例えば、捕捉結合剤は、対象のタンパク質を認識するウサギ抗体であり得、一方、検出結合剤は、対象のタンパク質をまた認識するモルモット一次抗体であり得る。このようにして、対象のタンパク質206は、捕捉固体支持体214上に固定化された捕捉結合剤208に結合した対象のタンパク質206を認識する複数の検出結合剤分子211を含む検出支持体216を連結する。
【0033】
次に、検出結合剤211を認識する可溶性結合剤(例えば、二次抗体、例えば、抗モルモット抗体)212を添加し得る。一実施形態において、可溶性結合剤212は、検出可能な部分210(すなわち、レポーター)で標識される。例えば、可溶性結合剤は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識し得る。または、一実施形態において、第2の支持体上の検出結合剤は、このような検出可能な部分で標識し得る。このようにシグナルの非常に大きな増幅は、単一のタンパク質分子206に由来し得る。
【0034】
このように、
図1Aに示すように、タンパク質206は、一次抗体(すなわち、ビーズ216上のモルモット抗体211、および捕捉支持体214上のウサギ抗体208)の両方を認識することができるため、タンパク質206は、ビーズ216の少なくとも1つ、および固体表面214に結合した抗体208の間のサンドイッチ複合体の形成を促進することができる。次いで、あらゆる非結合ビーズ216を洗い流した後、対象のタンパク質206に結合したビーズを、ビーズに結合した一次抗体211を認識する二次抗体212を使用して検出することができる。一実施形態において、二次抗体は、検出可能な部分210、例えば、酵素、フルオロフォア、QDOTS(登録商標)などに結合している。
【0035】
このように、方法は、結合剤が対象の分析物を特異的に認識および捕捉することができるように、複数の結合剤を固体支持体(「捕捉支持体」)へと固定する工程を含み得る。次に、方法は、第1の支持体上に固定化された少なくとも1個の分子に特異的に結合することができる数万の第2の結合剤(「検出支持体」)でコーティングされた移動性の第2の支持体(例えば、ビーズ(複数可))を添加する工程を含み得る。方法は、第2の支持体上の複数の第2の結合剤の少なくともいくつかに特異的に結合する第3の結合剤−レポーター複合体(例えば、検出可能な部分とカップリングした可溶性結合剤)を添加する工程をさらに含み得る。次に、方法は、捕捉支持体:捕捉結合剤:対象の分析物:検出結合剤:検出支持体:可溶性結合剤:検出可能な部分からなる複合体を検出する工程を含み得る。
図1Aにおいて例示するように、レポーター分子210を有する可溶性結合剤212を結合させることができる検出支持体216に結合した多数の結合剤分子211によって、シグナル(すなわち、捕捉支持体214上の結合剤208に結合したタンパク質206)の増幅は劇的に増加する。
【0036】
図1Bは、比較のために、従来技術の非増幅免疫アッセイの例示を提供する。このように、
図1Bの免疫アッセイは、捕捉支持体214:第1の一次抗体208:対象の分析物206:第2の一次抗体211:二次抗体212:検出可能な部分210を含むサンドイッチの形成を含む。
【0037】
図2は、対象の分析物を検出するために使用し得る増幅された免疫アッセイのいくつかの代わりの実施形態を例示するが、様々な成分をアッセイに添加する順序は変化する。
【0038】
図2A(方法1)に示すように、いくつかの実施形態において、対象の分析物は、捕捉結合剤230に結合し、次いで、捕捉結合剤は捕捉支持体240に結合し得る。次いで、複数の検出結合剤211を含む検出支持体233を添加し得る。最後に、検出可能な部分210を含み、かつ検出結合剤211を認識する可溶性結合剤212を添加する。
【0039】
例えば一実施形態において、対象の分析物206(例えば、対象のタンパク質)に対して特異的であり、ビオチン205で標識された一次抗体の分子230(例えば、ウサギ)を、溶液中の分析物分子206に結合するように添加する。ビオチン化抗体230は、対象の分析物206を特異的に認識し得、一方、他のタンパク質または生体分子202、204は、結合していない。この時点で、ストレプトアビジンでコーティングした磁気「捕捉」ビーズ(複数可)240(例えば、直径が約1マイクロメートル)を添加して、ビオチン化抗体−タンパク質複合体を定量的に結合し得る。一実施形態において、方法は、ビオチンおよびウシ血清アルブミン(BSA)を添加することによって、ビーズ−タンパク質複合体をブロックする工程を含み得る。
【0040】
この時点で、対象のタンパク質206を認識するが、ビオチン化捕捉抗体230と異なる種(例えば、モルモット)において産生される第2の一次抗体211の数千個、数万個、数十万個の分子でコーティングした「検出」ビーズ(複数可)233を添加して、分析物206上のあいた占有されていないエピトープに結合させる。検出抗体211の量は、第2の一次抗体211を認識する二次抗体212(例えば、モルモット一次抗体に対する抗モルモット抗体)を使用して検出し得る。一実施形態において、二次抗体212は、検出可能な部分210で標識される。例えば、二次抗体は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)で標識し得る。このように、シグナルの非常に大きな増幅は、単一のタンパク質分子に由来することができる。
【0041】
図2B(方法2)は、方法1の増幅アッセイ(amplified assay)の代わりの形態を例示するが、ここでは、検出結合剤分子211を含む検出支持体(複数可)233を、捕捉結合剤230を認識する捕捉支持体240の添加の前に、捕捉結合剤230と共にアッセイウェルに添加する。捕捉支持体:捕捉結合剤:対象の分析物:検出結合剤:検出支持体の複合体(複数可)が形成されると、検出可能な部分210で標識した可溶性結合剤212の分子を添加し得る。
【0042】
図2C(方法3)は、方法1のアッセイの代わりの形態を例示するが、ここでは、複数の検出結合剤211を含む検出支持体(複数可)233はまた、別々の可溶性結合剤に結合するよりはむしろ、検出支持体の表面に(例えば、共有結合的結合または表面をコーティングすることによって)結合した検出可能な部分210の複数の分子を含む。一実施形態において、この方法は、検出支持体が複数の検出可能な部分を含む場合、より少ない検出結合剤の使用を可能とし得る。例えば、検出支持体上の検出可能な部分:検出結合剤の比は、1:1、または5:1、または10:1、または100:1、または500:1、または1000:1、または10,000:1またはそれ超であり得る。検出可能な部分は、蛍光性部分(例えば、QDOTS(登録商標))または酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)を含み得る。また、この実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識し、それに結合することができる結合剤(例えば、可溶性抗体212)を使用する必要はないことを認めることができる。
【0043】
図2D(方法4)は、方法3のアッセイの代わりの形態を例示するが、ここでは、検出結合剤211および複数の検出可能な部分210でコーティングされた検出支持体(複数可)233を、捕捉支持体240の添加の前に添加する。いくつかの実施形態において、検出結合剤211および複数の検出可能な部分210でコーティングされた検出支持体(複数可)233、ならびに捕捉結合剤230を同時に添加する。一実施形態において、これは、対象の分析物206および検出支持体233および捕捉結合剤230の間の複合体の形成を促進し得る。
【0044】
図2E(方法5)は、方法2の代わりの形態を例示するが、ここでは、検出支持体(複数可)233を、捕捉結合剤230および捕捉支持体240の添加の前に添加する。一実施形態において、これは、対象の分析物206および検出支持体233の間の複合体の形成を促進し得る。
【0045】
検出支持体および/または検出結合剤上の複数の結合剤分子の少なくともいくつかを特異的に認識および結合することができる結合剤は、捕捉支持体または捕捉支持体結合剤に結合せず、したがって、結合は、バックグラウンドをもたらすことができることは重要であり得る。このように、特定の実施形態において、検出の工程は、検出ビーズ上の検出一次抗体剤を認識する可溶性二次抗体の添加を含むが、可溶性二次抗体は、対象のタンパク質を捕捉支持体に結合するために使用される捕捉結合剤(例えば、第1の一次抗体)を認識しない。
【0046】
特定の実施形態において、捕捉および/または検出固体支持体は、不働化剤で処理し得る。例えば、特定の実施形態において、対象の分析物は、不動態化した表面(すなわち、非特異的結合を低減させるように処理されている表面)上に捕捉し得る。1種のこのような不働化剤は、BSAである。さらにおよび/または代わりに、使用される結合剤が抗体である場合、捕捉および/または検出固体支持体は、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、タンパク質L、または高親和性で結合剤抗体に結合する別の作用物質(agent)でコーティングし得る。これらのタンパク質は、抗体のFcドメインを結合し、このように対象のタンパク質(複数可)を認識する抗体の結合を配向させることができる。
【0047】
検出および/または捕捉支持体は、同様のまたは他の材料でできているポリスチレンビーズ(polystyrene beads or beads)であり得、ビーズはタンパク質でコーティングすることができるが、アッセイにおける他の成分と反応しない。特定の実施形態において、複数の抗体分子がビーズに結合し得るように、ビーズは十分に大きい。例えば、ビーズは、直径が約0.1〜50μm、または0.2〜40μm、または0.3〜30μm、または1〜20μm、または1〜15μmまたは約1〜3μmの範囲のサイズであり得る。ビーズのサイズは、行われるアッセイのサイズによって決まり得る。マイクロタイターウェルにおいて行われるアッセイについて、約1マイクロメートル(μm)のビーズを使用し得る。
【0048】
代わりの実施形態において、検出支持体は、複数の検出結合剤を含み得る。例えば、代わりの実施形態において、検出支持体上の結合剤の数は、検出結合剤の100個超、または500個超、または1,000個超、または5,000個超、または10,000個超、または20,000個超、または50,000個超、または100,000個超、または500,000個超、または1,000,000個超の分子であり得る。例えば、一実施形態において、検出支持体は、数万個または数十万個の抗体分子でコーティングされているビーズを含み得る。代わりの実施形態において、直径が約15μmである検出支持体ビーズについて、約10,000〜10,000,000個または約50,000〜500,000個、または約100,000〜1,000,000個の結合剤分子(例えば、一次抗体)が存在し得る。異なるサイズの検出支持体ビーズのために、対応する表面被覆率を使用することができる。または、これらの範囲内の範囲を達成し得る。
【0049】
上記のように、酵素または蛍光性材料(QDOTS(登録商標)もしくは他の蛍光性標識)と複合体化した結合剤を添加して、検出支持体上の検出結合剤として使用される多数の抗体に結合し得る。免疫化学(例えば、ELISA)アッセイ、または適切な発光イメージングシステムにおける蛍光性材料の励起および可視化を使用して、タンパク質を定量化し得る。一実施形態において、大きなシグナル増幅率への鍵は、検出結合剤の結合に適合することができる検出支持体の大きな表面積である。例えば、抗体について、約>10,000個および>100,000個の分子を使用して、それぞれ、1μmおよび2.8μmのビーズをコーティングし得る。
【0050】
捕捉支持体上の対象の分析物の分子によって占有される面積は、検出支持体の表面への到達しやすさを満足させるべきである。例えば、捕捉支持体として機能し、1μmのサイズを有する1,000,000個のビーズの二次元の集密的アレイは、約1mm
2を占有し得る。一実施形態において、対象の分析物の10
6個の分子を含有する試料の段階希釈は、各試料のアプライのための別々の位置を生じさせるために、固定した(例えば、マイクロタイターウェル)捕捉支持体にアプライし得る。移動性の捕捉支持体(例えば、ビーズ)について、結合することができる特定のサイズの検出支持体の数は、立体効果によって制限することができる。固定したまたは移動性の支持体について、それぞれ、>10
4個または>10
5個の一次抗体でコーティングされた1μmまたは2.8μmのビーズに結合することができる対象の分析物の個々の分子は、標識した二次抗体の結合によって、ELISA、RIAまたは免疫蛍光アッセイによりこの範囲内の増幅を提供し得る。
【0051】
例えば、一実施形態において、本発明は、間接的免疫化学または免疫蛍光アッセイにおいて、シグナルを約10,000倍に増幅させる方法であって、適切なスペーシングを有する不動態化した表面上に(直接、もしくは特定の捕捉抗体を通して)固定化したタンパク質分子への、または捕捉ビーズ上に固定化したタンパク質分子への、タンパク質A/Gおよび同定されるタンパク質に対して特異的な>10,000個の抗体分子でコーティングされたポリスチレン検出ビーズ(典型的には、直径が1マイクロメートル)の結合;洗浄による非結合ビーズ−抗体複合体の除去;例えば、酵素または蛍光性材料(QDOTS(登録商標))もしくは他の蛍光性標識)と複合体化された二次抗体の結合;ならびに例えば、ELISAによる、または適切な発光イメージングシステムにおける蛍光性材料の励起および可視化によるタンパク質の定量化を含む、方法を含み得る。
【0052】
さらにおよび/または代わりに、対象の分析物は、溶液中に存在していてもよく、アッセイは、分析物を検出する手段として複数の検出支持体を一緒に連結する分析物を有することを含み得る。例えば、溶液中のタンパク質を使用して、複数の検出ビーズ(例えば、直径が約15〜20μm)を連結し得、検出ビーズは、それぞれ、複数の抗体を有し、それによって2個のビーズ上の抗体への結合を介してビーズの集塊を促進する。ポリクローナル抗血清が使用される場合、抗血清は抗体が対象のタンパク質上の異なるエピトープを認識することを可能とするため、これは特に有効であり得る。抗体−ビーズおよびタンパク質の最適濃度、すなわち、最適比域を決定するために、タンパク質の段階希釈物を最大のビーズ凝集について試験し得る。抗体はビーズ上に固定化されているため、抗体過剰のプロゾン効果はありそうにない。
【0053】
対象の分析物が微生物または組織試料中にある別の実施形態において、試料中の細胞は、適切な孔径のフィルター(例えば、典型的には、細菌について0.45μmのスピンフィルター)の表面に濃縮することができる。濃縮されると、試料中の細胞は本明細書に記載のような少容量の緩衝液中に溶解し得、対象の分析物の分子を放出することができる。対象の分析物を含有する細胞ライセートを、フィルター表面から、スライドガラスに、またはマイクロタイタープレートのウェルに移すことができる。この時点で、対象の分析物(例えば、タンパク質)は、タンパク質G、タンパク質Aまたはタンパク質A/Gおよび特異的抗体でコーティングされた約300〜約1,000個の大きな(典型的には、直径が15〜20μm)ポリスチレンビーズの添加に続いて、格子の形成によって同定することができる。ビーズ集塊は、直接または50〜100倍の拡大率の助けにより可視化することができる。再び、ビーズ上の抗体の固定化は、プロゾン効果を不要にし得る。しかし、可能性のある抗原過剰によって、ビーズ集塊を観察するのに一定の数のビーズ−抗体複合体と混合したタンパク質の段階希釈物を必要とし得る。既知の量の対象の分析物と凝集(集塊)したビーズ−タンパク質G−抗体複合体は、陽性対照としての役割を果たし得、対象の分析物のいずれも伴わない(例えば、既知の陰性対照からのライセート)緩衝液中の凝集していないビーズ−タンパク質G−抗体複合体は、陰性対照としての役割を果たし得る。
【0054】
シグナル増幅のためのキット
代わりの実施形態において、本発明は、本発明の方法を行うためのキットを含み得る。一実施形態において、本発明は、検出支持体を含む対象の分析物をアッセイするためのキットであって、検出支持体は、対象の分析物を認識し、それに結合することができる複数の結合剤分子を含む固体支持体を含むキットを含み得る。一実施形態において、キットは、捕捉支持体を含み得、捕捉支持体は、対象の分析物を認識し、それに結合する少なくとも1種の捕捉支持体結合剤を含む。キットは、いくつかの実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤をさらに含み得る。一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、可溶性結合剤である。
【0055】
検出および/または捕捉支持体は、種々のフォーマットを含み得る。一実施形態において、捕捉固体支持体は、アッセイウェル(すなわち、例えば、マイクロタイタープレート)であり得る。または、捕捉固体支持体は、アレイ上の位置、または移動性の支持体、例えば、ビーズであり得る。一実施形態において、検出支持体は、移動性の支持体、例えば、ビーズである。
【0056】
種々の結合剤を、本発明のキットにおいて使用し得る。例えば、検出支持体に結合している複数の結合剤分子は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片の分子のいずれかであり得る。さらにおよび/または代わりに、捕捉支持体に結合している結合剤は、対象の分析物を認識する抗体または抗体断片であり得る。さらにおよび/または代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、抗体または抗体断片であり得る。一実施形態において、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、捕捉固体支持体に対象の分析物を結合させるために使用される捕捉結合剤を認識しない。または、捕捉もしくは検出支持体のいずれか上の結合剤、または検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、非タンパク質の標的を結合するタンパク質を含み得る(すなわち、例えば、対象の小分子分析物に特異的に結合するタンパク質、またはタンパク質に結合する受容体)。
【0057】
検出支持体は、複数の検出可能な部分の分子(a plurality of molecules of a detectable moiety)を含み得る。さらにおよび/または代わりに、検出支持体上の複数の結合剤分子を特異的に認識し、それに結合することができる結合剤は、検出可能な部分を含み得る。
【0058】
対象の分析物を認識する複数の結合剤を含む検出支持体の使用は、シグナルの増幅を提供する。代わりの実施形態において、検出支持体は、複数の検出結合剤を含み得る。例えば、代わりの実施形態において、検出支持体上の結合剤の数は、検出結合剤の100個超、または500個超、または1,000個超、または5,000個超、または10,000個超、または20,000個超、または50,000個超、または100,000個超、または500,000個超、または1,000,000個超の分子であり得る。例えば、一実施形態において、検出支持体は、数万個または数十万個の抗体分子でコーティングされたビーズを含み得る。代わりの実施形態において、直径が約15μmである検出支持体ビーズについて、約10,000〜10,000,000個または約50,000〜500,000個、または約100,000〜1,000,000個の結合剤分子(例えば、一次抗体)が存在し得る。異なるサイズの検出支持体ビーズについて、対応する表面被覆率を使用することができる。またはこれらの範囲内の範囲を達成し得る。
【0059】
このように、代わりの実施形態において、本発明の方法は、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイにおいて認められるシグナルの1,000、または10,000超、または100,000超、または500,000超、または1,000,000超倍の増幅を提供する。例えば、代わりの実施形態において、本発明のキットは、複数の検出結合剤を含む検出支持体を含まない標準的な非増幅免疫アッセイにおいて認められるシグナルの1,000〜1,000,000,000、または1,000〜100,000,000、または5,000〜10,000,000、または10,000〜1,000,000、または10,000〜500,000、または50,000〜500,000倍の範囲の増幅を提供する。または、これらの範囲内の範囲を達成し得る。
【0060】
このように、特定の実施形態において、キットは、ビーズをベースとする免疫アッセイのための試薬を含み得る。このように、一実施形態において、検出支持体は、対象のタンパク質を認識する抗体(または抗体断片)の分子でコーティングされたビーズを含み得る。ビーズは、特定の実施形態において、多種多様のサイズで市販されている(例えば、Life Technologies/Invitrogen、Carlsbad CA)、タンパク質G、タンパク質A、またはタンパク質A/Gでコーティングされたポリスチレンビーズであり得る。有用であり得る他のビーズは、これらの同じタンパク質でコーティングされた磁気シリカビーズを含む(AmsBio、Lake Forest、CAからのMagSiビーズ)。
【0061】
代わりの実施形態において、直径が約15μmである検出支持体ビーズについて、約10,000〜10,000,000個または約50,000〜1,000,000個、または約100,000〜500,000個の結合剤分子(例えば、一次抗体)が存在し得る。異なるサイズの検出支持体ビーズについて、対応する表面被覆率を使用することができる。特定の実施形態において、複数の結合剤分子はビーズに結合し得るように、検出支持体ビーズは十分に大きい。例えば、ビーズは、サイズが直径約0.1〜50μm、または0.2〜40μm、または0.5〜30μm、または1〜20μm、または1〜15μmまたは約1〜3μmの範囲であり得る。ビーズに結合させる結合剤が抗体である場合、タンパク質G、タンパク質A、またはタンパク質A/Gで事前コーティングされた市販のビーズを使用し得る。これらのタンパク質は、抗体のFcドメインを結合し、Fabドメインが抗原のエピトープを自由に結合するように抗体を配向するからである。
【0062】
ビーズをベースとする免疫アッセイのためのキットはまた、対象のタンパク質のためのさらなる一次抗体を含み得、このような抗体は、第2の種からのものである。これらの抗体は、二次抗抗体−レポーター分子複合体の特異的結合に適応するので、本明細書に記載のとおりの間接的アッセイにおいて特定の有用性を有する。さらに、これらの二次抗体−レポーター複合体は、標的タンパク質を固体表面に、またはタンパク質A/Gビーズに固定する第1の種からの一次抗体に結合せず、偽陽性反応を不要にする。さらに、二次抗体−レポーター複合体は、タンパク質A/Gビーズの表面に結合せず、それによって偽陽性反応を不要にする。
【0063】
キットはまた、検出可能なマーカー、または検出可能なマーカーと複合体化することができる結合剤で標識し得る、可溶性二次抗体を含み得る。例えば、特定の実施形態において、本発明のキットは、フルオロフォアに結合する二次抗体を含み得る。一実施形態において、フルオロフォアは、QDOT(登録商標)を含み得る。例えば、一実施形態において、抗抗体−QDOT(登録商標)コンジュゲートは、複数のビーズ結合一次抗体を認識する。
【0064】
本発明のキットにおいて使用される基材には、これらに限定されないが、ポリスチレンビーズ(Spherotech、Libertyville、Ill.)、磁気ビーズ(Invitrogen;AmsBio)、ラテックスコーティング、メンブランフィルター、繊維フィルター、遊離繊維または多孔性固体基材が挙げられる。磁気ビーズの使用のための方法は、例えば、Dynabeads Protein G 製造番号10003Dの添付文書と共に、Kalaら、Analytical Biochemistry、254巻:263〜266頁(1997年)およびDutton、Genetic Engineering News、第22巻、13号、2002年7月において見出すことができる。
【0065】
広範な粒子、特に、磁気およびポリスチレンビーズは、広範囲のサイズで市販されている。特定の実施形態のために、好ましい一連の粒子は、約1マイクロメートル(すなわち、ミクロン)の平均粒径(すなわち、粒子の最も大きな寸法)を有する。特定の実施形態のために、好ましい一連の粒子は、10マイクロメートル(すなわち、ミクロン)以上の平均粒径(すなわち、粒子の最も大きな寸法)を有する。例示的な市販のビーズは、Invitrogen、Carlsbad、CAから、またはSpherotech、Libertyville、Illから入手可能な、タンパク質Gで、タンパク質Aで、およびタンパク質A/Gでコーティングしたポリスチレンビーズ、ならびにストレプトアビジンでコーティングしたポリスチレンビーズである。ポリスチレンビーズおよび磁気ビーズの他のサプライヤーには、Thermo Scientific Pierce、Millipore、PolyscienceおよびNew England Biolabsが挙げられる。AmsBio、Lake Forest、ILは、上に示したタンパク質コーティングの全てと共に利用可能である磁気シリカビーズのサプライヤーである。Invitrogenはまた、抗体を共有結合するエポキシ表面磁気ビーズを供給する。ビーズは、ポリスチレン、シリカ、ガラス、またはその他、プレーン(plane)または特定の化学基への結合のために誘導体化したものであり得る。
【実施例】
【0066】
本発明の実施形態はまた、以下の非限定的実施例によって特徴付け得る。
【0067】
(実施例1)
ビーズをベースとするシグナル増幅によるタンパク質の検出
対象のタンパク質またはタンパク質サブユニットは、偽陽性を最小化するために不動態化した表面、例えば、Neutravidin上で固定化された対象のタンパク質に対して特異的な抗体(例えば、ビオチン化ウサギ一次抗体)によって捕捉し得る(例えば、Jainら、Nature、2011年、473巻:484〜488頁を参照されたい)。次に、サンドイッチアッセイにおいて、タンパク質A/G、および第2の種(例えば、モルモット)において産生された、上記タンパク質に対して特異的な別のタイプの抗体(典型的には、それぞれ、1μmおよび2.8μmのビーズについて、>10
4個および>10
5個)でコーティングされた1μmまたは2.8μmのポリスチレンビーズを添加して、固定化された標的タンパク質サブユニットに結合させる。次いで、酵素、放射性タグ、または蛍光性材料、例えば、QDOTS(登録商標)にコンジュゲートしている(例えば、共有結合している)二次抗体または抗体断片(例えば、抗モルモット抗体)を添加し、対象の分析物に対して特異的な複数のビーズ結合一次抗体に結合させる。非結合のタンパク質分子または抗体は、連続的添加の間の洗浄(2回)によって除去される。
【0068】
ELISA、RIAまたは免疫蛍光アッセイを使用して、対象のタンパク質またはタンパク質サブユニットを検出および定量化することができる。蛍光をアッセイするために、スポットを紫外線で励起し、カメラを有するハイパースペクトルイメージングシステムにおける適切な発光フィルターにより可視化する。
【0069】
(実施例2)
ビーズ増幅の様々なフォーマットを使用したリボソームタンパク質の捕捉
実験を行って、
図2、パネルB(すなわち、方法2)において示した様々なアッセイフォーマットを比較した。本質的に、E.coliライセート(500,000個の細胞)は、細菌細胞を溶解し、6M(10,000個の細胞/μl)のチオシアン酸グアニジン中でその中のリボソームをタンパク質構成物に解離することによって調製した。次いで、チオシアン酸グアニジンの濃度を、リン酸緩衝液中への希釈(例えば、450μl中への90,000個の細胞の希釈)によって0.12Mまたは0.6Mに低減させた。次いで、リボソームタンパク質は、
図2(表1)に示す捕捉検出方法の1つを使用して捕捉した。結果は、最初のインプット細胞、および細胞からの推定したリボソームタンパク質について示す。100個のE.coli細胞は、約2.7pgのリボソームタンパク質を有する。
【表1】
【0070】
パネル2Eにおいて示す方法を使用してさらなる実験を行った。この方法は、ライセートへのビーズ−Ab2(カルボキシビーズおよびウサギ抗リボソーム抗体)の添加を利用する。これによって、「捕捉」抗体が表面上に固定化される通常のサンドイッチELISAと同様に、リボソームタンパク質がビーズに結合することが可能となる。次いで、Ab1−ビオチン(モルモット)を、洗浄工程を伴わずに混合物に直接添加した。ビーズ−Ab2−タンパク質−Ab1複合体は、ストレプトアビジン(SA)ビーズを使用して捕捉し、Ab2に対する二次抗体を使用して検出する。ウサギAb−カルボキシビーズ(Ab2−ビーズ)およびビオチン、モルモット抗体(Ab1)が使用されたとき、このアプローチが作用したことが見出された。
【0071】
このように、この実験において、2,500個/5,000個/10,000個/20,000個の細胞からのライセートを、ウサギ抗リボソーム抗体(抗ribo Ab)を有する約1.3×10
8個のカルボキシビーズ(0.1μm)と共にインキュベートした。次いで、10ng(4×10
10個のIgG分子)ビオチン化モルモット、抗リボソーム抗体を添加し、さらにインキュベートした。ビーズ−Ab−riboタンパク質−Ab複合体を、約4×10
7個のC1 SA Dynabeadsによって捕捉した。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識した10ngの抗ウサギ抗体によって検出を行った。試料の5分の1をマイクロプレートにロードして、ルミノメーターでSirius HRP基質による検出を行った。シグナルは、約14pgのリボソームタンパク質に対応する僅か500個の細胞について検出されたことが認められ得る。
【0072】
本発明の好ましい実施形態が例示および記載されてきた一方、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更をその中で行うことができることを理解されたい。本出願において言及した全ての印刷された特許および刊行物は、この参照によってその内容全体が本明細書に組み込まれている。