特許第6333188号(P6333188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333188
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20180521BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G07G1/00 301D
   G07G1/00 311E
   G06K7/10 252
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-17203(P2015-17203)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-143153(P2016-143153A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2016年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】大石 禎利
(72)【発明者】
【氏名】槌田 直
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−009704(JP,A)
【文献】 特開2014−006808(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/116452(WO,A1)
【文献】 特開2010−244431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
G06K 7/00 − 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電装置及びバーコードリーダを備えた端末から送信される第1のバーコード情報を受信し、また、前記端末から送信される第2のバーコード情報を受信する通信手段と、
前記第1のバーコード情報を受信した後であっても前記第2のバーコード情報を受信しない場合は前記第1のバーコード情報に基づく精算処理の実行指示を受け付けず、前記第2のバーコード情報を受信した場合に前記第1のバーコード情報に基づく前記精算処理の実行指示の受け付けを許可する制御手段と、
を備え、
前記第1のバーコード情報は、前記バーコードリーダによる商品の第1のバーコードの読み取りにより得られる情報であり、
前記第2のバーコード情報は、前記充電装置の充電可能位置に前記端末が置かれた場合に、前記端末の前記バーコードリーダにより読み取り可能な位置に設けられた第2のバーコードの読み取りにより得られる情報である情報処理装置。
【請求項2】
充電装置及びバーコードリーダを備えた端末から送信される第1のバーコード情報を受信した後であっても前記端末から送信される第2のバーコード情報を受信しない場合は、前記第1のバーコード情報に基づく精算処理の実行指示を受け付けない手順と、
前記第2のバーコード情報を受信した場合に、前記第1のバーコード情報に基づく前記精算処理の実行指示の受け付けを許可する手順と、
を備え、
前記第1のバーコード情報は、前記バーコードリーダによる商品の第1のバーコードの読み取りにより得られる情報であり、
前記第2のバーコード情報は、前記充電装置の充電可能位置に前記端末が置かれた場合に、前記端末の前記バーコードリーダにより読み取り可能な位置に設けられた第2のバーコードの読み取りにより得られる情報である情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の物品やサービスを提供する店舗では、POS(Point Of Sales)システムが普及している。例えば、POSシステムは、POS端末と複数の周辺機器を備え、POS端末と複数の周辺機器とは有線又は無線で接続される。これら複数の周辺機器としては、例えばタッチスキャナ、定置式バーコードスキャナ、レシートプリンタ、ドロワ、自動釣銭機、クレジットカード端末、暗証番号入力機、ポイントカード端末、キーボード、客面表示器などがある。
【0003】
これら周辺機器が使用された後、これら周辺機器が定位置に戻されず、適当な位置に置き忘れられると、円滑な業務に支障をきたすことがあるため、これら周辺機器の使用後、これら周辺機器を定位置に戻すことが奨励されている。
【0004】
有線接続の場合、例えば、POS端末と上記複数の周辺機器とが通信ケーブル(USB,RS−232Cなど)で接続され、さらには、これら複数の周辺機器の中には電源ケーブルを介して電力供給を受けるものもある。このように、POSシステムでは、通信ケーブル及び電源ケーブルが煩雑になり、店舗の美観を損ねる場合がある。また、多くの配線は周辺機器のメンテナンス性を低下させることがある。そこで、POS端末と複数の周辺機器とを無線で接続するPOSシステムが登場しているが、無線接続の場合、周辺機器の置き忘れが起きやすくなる。
【0005】
ワイヤレス装置の置き忘れを防止する技術として、警告音等により警告を行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−6808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有線又は無線で接続された周辺機器が定位置へ戻されず、適当な位置に置き忘れられると、その後の円滑な業務に支障をきたすことがある。そのため、置き忘れを防止する技術が望まれているが、例えば、一時的に警告音を発したとしても、多忙な店員が警告音を聞き流すことが考えられ、さらなる対策が望まれている。また、置き忘れ防止に特化した特別なハードウェアを追加するとなると、コスト増の問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、端末(周辺機器)の置き忘れ防止に優れた情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る情報処理装置は、通信手段と、制御手段とを備える。前記通信手段は、充電装置を備えた端末からデータを受信し、前記充電装置による受電開始又は受電中を示す受電情報を前記端末から受信する。前記制御手段は、前記データを受信した後であっても前記受電情報を受信しない場合は前記データに基づく所定処理の実行指示を受け付けず、前記受電情報を受信した場合に前記データに基づく前記所定処理の実行指示の受け付けを許可する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1〜第4の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの一例を示す斜視図。
図2A】第1〜第4の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの画面表示の一例を示す図。
図2B】第1〜第4の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの画面表示の一例を示す図。
図2C】第1〜第3の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの画面表示の一例を示す図。
図3】第1〜第3の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムのブロック図。
図4】第1の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムのフローチャート。
図5】第2の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムのフローチャート。
図6】第3の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの一例を示す斜視図。
図7】第3の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムのフローチャート。
図8】第4の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムのブロック図。
図9A】第4の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの画面表示の一例を示す図。
図9B】第4の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの画面表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの一例を示す斜視図である。本実施形態では、ケーブルレスでPOS端末と接続された周辺機器の置き忘れ防止について説明するが、ケーブルでPOS端末と接続された周辺機器の置き忘れ防止にも適用可能である。
【0013】
ケーブルレスPOSシステムは、POS端末100及び複数の周辺機器を備える。POS端末100は表示部101と入力部(タッチパネル)102とを備え、周辺機器としてのタッチスキャナ110、レシートプリンタ130、及び客面表示器140と無線通信により接続されている。なお、POS端末100はその他の周辺機器、たとえば定置式バーコードスキャナ、ドロワ、自動釣銭機、クレジットカード端末、暗証番号入力機、ポイントカード端末、キーボード、及び客面表示器と無線又は有線で接続される。タッチスキャナ110は充電台120の上に嵌合する構造であり、充電台120からタッチスキャナ110に給電される。給電方法は、電極による接触方式や、Qi(登録商標)(チー)などに代表される非接触給電方式でも良い。非接触給電方式を採用する場合、充電台120の近傍にタッチスキャナ110を置くだけで給電可能となる。
【0014】
図2A及び図2Bは第1の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの画面であり、商品登録時のアプリケーション画面の一例を示している。詳細は後述する。
【0015】
図3は第1の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムのブロック図を示している。図3では、POS端末100とタッチスキャナ110と充電台120の関係を示す図であり、その他の機器については省略している。
【0016】
POS端末100は、表示部101、入力部102、無線通信部104、CPU105、RAM106、HDD(ハードディスクドライブ)107を備え、CPU105は、表示部101、入力部102、無線通信部104、RAM106、HDD107と接続されている。POS端末100のプログラムはHDD107に格納され、必要に応じてRAM106に展開されCPU105により実行される。プログラムの実行結果は表示部101に表示され、店員はタッチパネルに代表される入力部102により各種情報を入力する。
【0017】
タッチスキャナ110は、制御部111、受電部112(充電装置)、電源部113、無線通信部114、バーコード読み取り部115を備えている。充電台120は、送電部121と電源部122を備え、送電部121は送電コイルと制御部(図示せず)により構成されている。タッチスキャナ110の受電部112は受電コイルと整流回路と制御部(図示せず)を備え、充電台120の送電部121に備えられた送電コイルと磁気結合することで、電力を受電し、受電した電力で電源部113を充電することができる。
【0018】
図4は、第1の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0019】
例えば、キャッシャーは、POS端末100の入力部102を介して、商品登録業務の開始を入力し(CPU105はこの入力に基づき商品登録業務を開始し)(ACT1)、続けて、キャッシャーは、タッチスキャナ110を用いて商品のバーコードをスキャンする(ACT2)。タッチスキャナ110のバーコード読み取り部115で読み取られたバーコード情報(ユニークな数値のデータ)は、制御部111に伝送され、無線通信部114から送信され、POS端末100の無線通信部104でバーコード情報が受信されると、CPU105はHDD107を参照して、受信されたバーコード情報に関連付けられた商品情報(商品名や金額)を抽出(ACT3)し、表示部101に前記商品名や金額を表示する(ACT4)。なお、バーコード情報から商品名や金額を読み出すACT3の動作をPLU(Price Look Up)と呼ぶ。また、受信されたバーコード情報に関連付けられた商品名や金額がHDDに登録されていない場合は、POS端末100の外部に設置されたホストコンピュータに問い合わせ、商品名や金額を取得するが、ここでは詳細説明を省略する。
【0020】
上記の商品登録は基本的に商品点数の数だけ繰り返す。即ち、タッチスキャナ110を用いて商品のバーコードがスキャンされる回数だけ繰り返す。例えば、タッチスキャナ110により商品Aのバーコードがスキャンされ、個数「3」が入力され、続いて、タッチスキャナ110により商品Bのバーコードがスキャンされ、続いて、タッチスキャナ110により商品Cのバーコードがスキャンされ、個数「3」が入力され、続いて、タッチスキャナ110により商品Dのバーコードがスキャンされ、タッチスキャナ110が充電台120に置かれるまでは、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を表示し、タッチスキャナ110が充電台120に置かれると、表示部101は図2Bに示すアプリケーション画面200を表示する。即ち、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を図2Bに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示する。
【0021】
ここで、タッチスキャナ110が充電台120に置かれた場合の制御について説明する。タッチスキャナ110が充電台120に置かれると、タッチスキャナ110の受電部112は受電コイルと充電台120の送電部121の送電コイルの磁気結合を検出し、充電台120の送電部121は送電を開始し、タッチスキャナ110の受電部112は受電を開始する。受電部112が受電した電力は電源部113に伝達されるが、同時に受電部112は受電開始又は受電中を制御部111に通知し、制御部111は無線通信部114を介して、POS端末100の無線通信部104に、受電開始又は受電中を示す受電情報を伝送する。
【0022】
ここで、受電情報を受信したことをCPU105が認識すると(ACT5のYES)、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を図2Bに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示し、CPU105は小計キー201aによる小計の指示を受け付ける(小計選択可)。即ち、CPU105はアプリケーション画面200の小計キー201を有効にして、商品情報に基づく精算処理の受け付けを許可し(ACT6)、精算処理を受け付けて、商品情報に基づく精算処理を実行する(ACT7)。
【0023】
タッチスキャナ110が充電台120に置かれるまでの間(受電情報をCPU105が認識するまでの間)は、つまり、タッチスキャナ110が充電台120に置かれていない場合(受電情報をCPU105が認識してない場合)は(ACT5のNO)、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を表示し、CPU105は小計キー201aによる小計の指示を受け付けない(小計選択不可)。例えば、アプリケーション画面200上で、小計キー201aはグレーアウトで表示され(小計キー201aは淡い灰色で表示され)、小計の指示を受け付けないことを視覚的に案内する。即ち、CPU105はアプリケーション画面200の小計キー201を無効にして、商品情報に基づく精算処理を受け付けない。これにより、POS端末100は精算処理ACT7に移行しない。
【0024】
従って、タッチスキャナ110が充電台120(定位置)に戻されず、適当な位置に置き忘れられた場合は、精算業務が完了しない。よって、必ずタッチスキャナ110を充電台120(定位置)に置く必要があるため、必然的に置き忘れを防止することができる。なお、定位置とは、タッチスキャナ110と充電台120とが充電可能な位置である。
【0025】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの動作の一例を示すフローチャートである。なお、機器の構成は第1の実施形態(図1および図2)と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0026】
例えば、例えば、キャッシャーは、POS端末100の入力部102を介して、商品登録業務の開始を入力し(CPU105はこの入力に基づき商品登録業務を開始し)(ACT11)、続けて、キャッシャーは、タッチスキャナ110を用いて商品のバーコードをスキャンする(ACT12)。タッチスキャナ110のバーコード読み取り部115で読み取られたバーコード情報は、制御部111に伝送され、無線通信部114から送信され、POS端末100の無線通信部104でバーコード情報が受信されると、CPU105はタイマーを起動する(ACT13)。次にCPU105はHDD107を参照して、バーコード情報に関連付けられた商品情報(商品名や金額)を抽出(ACT14)し、表示部101に前記商品名や金額を表示する(ACT15)。なお、バーコード情報から商品名や金額を読み出すACT14の動作をPLU(Price Look Up)と呼ぶ。また、商品情報がHDDに登録されていない場合は、POS端末100の外部に設置されたホストコンピュータに問い合わせ、商品名や金額を取得するが、ここでは詳細説明を省略する。
【0027】
上記の商品登録は基本的に商品点数の数だけ繰り返す。タッチスキャナ110が充電台120に置かれるまでの間で、情報未入力の状態が所定時間を経過していなければ、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を表示し、情報未入力の状態が所定時間を経過する前にタッチスキャナ110が充電台120に置かれると、表示部101は図2Bに示すアプリケーション画面200を表示する。タッチスキャナ110が充電台120に置かれるまでの間で、情報未入力の状態が所定時間を経過すると(タイムアウト)、CPU105は、警告情報の出力を指示し、表示部101は、警告情報を出力する。例えば、表示部101は図2Cに示すアプリケーション画面200を表示し、その後、タッチスキャナ110が充電台120に置かれると、表示部101は図2Bに示すアプリケーション画面200を表示する。即ち、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を図2B又は図2Cに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示したり、図2Cに示すアプリケーション画面200を図2Bに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示したりする。
【0028】
ここで、タッチスキャナ110が充電台120に置かれた場合の制御について説明する。タッチスキャナ110が充電台120に置かれると、タッチスキャナ110の受電部112は受電コイルと充電台120の送電部121の送電コイルの磁気結合を検出し、充電台120の送電部121は送電を開始し、タッチスキャナ110の受電部112は受電を開始する。受電部112が受電した電力は電源部113に伝達されるが、同時に受電部112は受電したことを制御部111に通知し、制御部111は無線通信部114を介して、POS端末100の無線通信部104に、受電開始又は受電中を示す受電情報を伝送する。
【0029】
ここで、受電情報を受信したことをCPU105が認識すると(ACT16のYES)、CPU105はタイマーを停止させ(ACT17)、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を図2Bに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示し、アプリケーション画面の小計キー201を有効にして(ACT18)、商品情報に基づく精算処理を実行する(ACT19)。
【0030】
タッチスキャナ110が充電台120に置かれるまでの間(受電情報をCPU105が認識するまでの間)は、つまり、タッチスキャナ110が充電台120に置かれていない場合(受電情報をCPU105が認識してない場合)は(ACT16のNO)、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を表示し、CPU105は小計キー201aによる小計の指示を受け付けない(小計選択不可)。さらに、CPU105はタイマーの値を監視し(ACT21)、入力がない状態で(例えばバーコード情報の受信がない状態で)所定時間が経過すると(ACT21のYES)、アプリケーション画面200にエラー表示または、タッチスキャナを充電台に置くように促すメッセージを表示する(ACT22)。例えば、表示部101は図2Cに示すアプリケーション画面200を表示する。
【0031】
ここで、タッチスキャナ110が充電台120に置かれ、図2Cに示すアプリケーション画面200の確認画面でOKが選択されると(ACT23のYES)、受電確認の状態に戻り(ACT16のYES)、ACT17〜ACT20の動作を行う(ACT18では図2Bに示すアプリケーション画面200が表示される)。
【0032】
なお、図2Cに示すアプリケーション画面200を介したOKの選択操作を省略するようにしてもよい。即ち、タッチスキャナ110が充電台120に置かれ、CPU105が受電情報を認識すると、OKの選択操作がなくとも、図2Bに示すアプリケーション画面200を表示するようにしてもよい。
【0033】
タイマーの値が所定の時間内であった場合(ACT21のNO)は、バーコードスキャン(ACT12)からの動作を継続する。この場合、図2Aに示すアプリケーション画面200が表示される。
【0034】
従って、タッチスキャナ110が充電台120(定位置)に戻されず、適当な位置に置き忘れられた場合は、図2Cに示すように、アプリケーション画面200にエラー表示または、タッチスキャナを充電台に置くように促すメッセージが表示され、精算業務が完了しない。よって、必ずタッチスキャナ110を充電台120(定位置)に置く必要があるため、必然的に置き忘れを防止することができる。
【0035】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの一例を示す斜視図である。なお、図6において図1と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0036】
充電台120の近傍には専用バーコード150が配置されているが、充電台120と一体に構成しても良い。なお、専用バーコード150は、タッチスキャナ110の受電部112による充電可能位置にタッチスキャナ110が置かれた場合に、タッチスキャナ110のバーコード読み取り部115により読み取り可能な位置に設けられたバーコードである(図6の専用バーコード150を参照)。
【0037】
図7は、第3の実施形態に係るケーブルレスPOSシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0038】
例えば、キャッシャーは、POS端末100の入力部102を介して、商品登録業務の開始を入力し(CPU105はこの入力に基づき商品登録業務を開始し)(ACT21)、続けて、キャッシャーは、タッチスキャナ110を用いて商品のバーコードをスキャンする(ACT22)。タッチスキャナ110のバーコード読み取り部115で読み取られたバーコード情報は、制御部111に伝送され、無線通信部114から送信され、POS端末100の無線通信部104でバーコード情報を受信すると、CPU105はHDD107を参照して、バーコード情報に関連付けられた商品情報(商品名や金額)を抽出(ACT23)し、表示部101に前記商品名や金額を表示する(ACT24)。なお、バーコード情報から商品名や金額を読み出すACT23の動作をPLU(Price Look Up)と呼ぶ。また、商品情報がHDDに登録されていない場合は、POS端末100の外部に設置されたホストコンピュータに問い合わせ、商品名や金額を取得するが、ここでは詳細説明を省略する。
【0039】
上記の商品登録は基本的に商品点数の数だけ繰り返し(ACT25のNO)、タッチスキャナ110が充電台120(定位置)に置かれ専用バーコード150が認識されるまでは、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を表示し、タッチスキャナ110が充電台120(定位置)に置かれ、タッチスキャナ110が専用バーコード150を読みると、CPU105はHDD107を参照して、読み取られた専用バーコード150を認識する(充電台120にタッチスキャナ110が置かれたことを示すバーコードと認識する)(ACT23)(ACT25のYES)。なお、この場合、新たな商品情報を追加表示しない(ACT24)。
【0040】
タッチスキャナ110が充電台120(定位置)に置かれ、専用バーコード150が認識されると(ACT25のYES)、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を図2Bに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示し、CPU105は小計キー201aによる小計の指示を受け付ける(小計選択可)。即ち、CPU105はアプリケーション画面200の小計キー201を有効にして、商品情報に基づく精算処理の受け付けを許可し(ACT26)、精算処理を受け付けて、商品情報に基づく精算処理を実行する(ACT27)。
【0041】
専用バーコード150が読み取られない場合は(ACT25のNO)、前記小計キー201が有効にならないため、キャッシャーは精算処理ACT27に移行しない。
【0042】
従って、タッチスキャナ110が充電台120(定位置)に戻されず、適当な位置に置き忘れられた場合は、精算業務が完了しない。よって、必ずタッチスキャナ110を充電台120(定位置)に置く必要があるため、必然的に置き忘れを防止することができる。
【0043】
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、1台のタッチスキャナ110(1台の周辺機器)の置き忘れ防止について説明したが、第1〜第3の実施形態は、複数台の周辺機器の置き忘れ防止にも適用できる。ここでは、説明を分かりやすくするために、図8に示すように、周辺機器110A(例えばタッチスキャナ)の充電台120A(例えばタッチスキャナ用の受電台又は周辺機器で共用の受電台)への置き忘れ、及び周辺機器110B(例えばクレジットカード端末)の充電台120B(例えばクレジットカード端末用の受電台又は周辺機器で共用の受電台)への置き忘れを防止するケースについて説明する。周辺機器110Aと充電台120A、及び周辺機器110Bと充電台120Bの基本構成は、タッチスキャナ110と充電台120の基本構成と実質同じであり、詳細説明は省略する。なお、周辺機器110Aがタッチスキャナであれば、周辺機器110Aはバーコード読み取り部115Aを備える。同様に、周辺機器110Bがタッチスキャナであれば、周辺機器110Bはバーコード読み取り部115Bを備える。
【0044】
周辺機器110Aには機器IDAが割り当てられ、周辺機器110Bには機器IDBが割り当てられる。例えば、POS端末100のHDDは、監視対象機器IDリストを記憶し、監視対象機器IDリストは、機器IDAと周辺機器名称A、及び機器IDBと周辺機器名称Bを記憶する。
【0045】
周辺機器110Aが充電台120A(定位置)に戻されると、周辺機器110Aの受電部112Aは受電コイルと充電台120Aの送電部121Aの送電コイルの磁気結合を検出し、充電台120Aの送電部121Aは送電を開始し、周辺機器110Aの受電部112Aは受電を開始する。受電部112Aが受電した電力は電源部113Aに伝達されるが、同時に受電部112Aは受電開始又は受電中を制御部111Aに通知し、制御部111Aは無線通信部114Aを介して、POS端末100の無線通信部104に、受電開始又は受電中を示す受電情報Aと機器IDAを伝送する。
【0046】
周辺機器110Bが充電台120B(定位置)に戻されると、周辺機器110Bの受電部112Bは受電コイルと充電台120Bの送電部121Bの送電コイルの磁気結合を検出し、充電台120Bの送電部121Bは送電を開始し、周辺機器110Bの受電部112Bは受電を開始する。受電部112Bが受電した電力は電源部113Bに伝達されるが、同時に受電部112Bは受電開始又は受電中を制御部111Bに通知し、制御部111Bは無線通信部114Bを介して、POS端末100の無線通信部104に、受電開始又は受電中を示す受電情報Bと機器IDBを伝送する。
【0047】
ここで、受電情報Aと機器IDA及び受電情報Bと機器IDBを受信したことをCPU105が認識し、CPU105が監視対象機器IDリストに基づき全ての周辺機器(このケースでは、周辺機器110Aと周辺機器110B)が定位置に戻されたと認識すると、表示部101は図2Aに示すアプリケーション画面200を図2Bに示すアプリケーション画面200へ切り替え表示し、CPU105は小計キー201aによる小計の指示を受け付ける(小計選択可)。即ち、CPU105はアプリケーション画面200の小計キー201を有効にして、商品情報に基づく精算処理の受け付けを許可し、精算処理を受け付けて、商品情報に基づく精算処理を実行する。
【0048】
例えば、受電情報Aと機器IDA及び受電情報Bと機器IDBを受信したことをCPU105が認識せず、情報未入力の状態が所定時間を経過すると、表示部101は図9Aに示すアプリケーション画面200を表示し、この画面200中で、周辺機器A、周辺機器Bを充電台へ戻すことを表示する。ここで、周辺機器110Aが充電台120Aに置かれ(受電情報Aと機器IDAを受信したことをCPU105が認識され)、図9Aに示すアプリケーション画面200の確認画面でOKが選択されると、表示部101は図9Bに示すアプリケーション画面200を表示し、この画面200中で、充電台へ戻されていない機器があること、充電台へ戻されていない機器が周辺機器Bであること、この周辺機器Bを充電台へ戻すことを表示する。
【0049】
なお、図9Aに示すアプリケーション画面200を介したOKの選択操作を省略するようにしてもよい。即ち、周辺機器110Aが充電台120Aに置かれ、CPU105が受電情報Aと機器IDAを認識すると、OKの選択操作がなくとも、図9Bに示すアプリケーション画面200を表示するようにしてもよい。
【0050】
その後、周辺機器110Bが充電台120Bに置かれ(受電情報Bと機器IDBを受信したことをCPU105が認識され)、図9Bに示すアプリケーション画面200の確認画面でOKが選択されると、表示部101は図2Bに示すアプリケーション画面200を表示する。
【0051】
従って、監視対象機器IDリストに含まれる全ての周辺機器が定位置に戻されず適当な位置に置き忘れられた場合は、例えば、図9A又は図9Bに示すように、アプリケーション画面200にエラー表示または、周辺機器を充電台に置くように促すメッセージが表示され、精算業務が完了しない。よって、必ず、監視対象機器IDリストに含まれる全ての周辺機器が定位置に置かれる必要があるため、必然的に置き忘れを防止することができる。また、受電台は、周辺機器毎の専用の受電台であってもよいし、汎用性のある共用可能な受電台であってよい。
【0052】
以上、第1〜第4の実施形態によれば、特別なハードウェアを追加することなく、確実に周辺機器の置き忘れを防止することができる。また、複数の周辺機器の置き忘れを防止する場合であっても、各周辺機器からの共通の信号の受信(受電情報と機器IDの組み合わせの受信)をトリガとするので、各周辺機器が定位置に戻されたか否かの判定プロセスを簡単化することができる。
【0053】
タッチスキャナや暗証番号入力機などの小型機器をワイヤレス化した場合、使用後に置き忘れる可能性があり、チェックアウト業務に支障が出る場合があるが、第1〜第4の実施形態によれば、このような不具合を防止することができる。また、第1〜第4の実施形態は、周辺機器を有線接続した場合にも、適用可能である。
【0054】
なお、上記第1〜第4の実施形態で説明した処理及び制御の手順は全てソフトウェアによって実行することが可能である。このため、上記処理及び制御の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムをケーブルレスPOSシステムにインストールして実行するだけで、上記処理及び制御を容易に実現することができる。
【0055】
例えば、ケーブルレスPOSシステム(CPU105等)が、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から上記プログラムを読み取り、HDD7等の記憶装置に読み取ったプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。或いは、ケーブルレスPOSシステムが、上記プログラムをダウンロードし、HDD7等の記憶装置にダウンロードしたプログラムを記憶し、プログラムのインストールを完了することができる。これにより、ケーブルレスPOSシステム(CPU105等)は、インストールされた上記プログラムに基づき、上記処理及び制御を容易に実現することができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載の発明を付記する。
[C1]
充電装置を備えた端末からデータを受信し、前記充電装置による受電開始又は受電中を示す受電情報を前記端末から受信する通信手段と、
前記データを受信した後であっても前記受電情報を受信しない場合は前記データに基づく所定処理の実行指示を受け付けず、前記受電情報を受信した場合に前記データに基づく前記所定処理の実行指示の受け付けを許可する制御手段と、
を備える情報処理装置。
[C2]
前記制御手段は、商品情報に対応する前記データを受信した後であっても前記受電情報を受信しない場合は前記商品情報に基づく精算処理の実行指示を受け付けず、前記受電情報を受信した場合に前記商品情報に基づく前記精算処理の実行指示の受け付けを許可し、前記精算処理の実行指示の受け付けにより前記商品情報に基づく前記精算処理を実行する[C1]の情報処理装置。
[C3]
前記データを受信してから次のデータを受信せず前記受電情報も受信せずに所定時間の経過を検出すると、警告情報を出力する出力手段を備える[C1]又は[C2]の情報処理装置。
[C4]
[C1]乃至[C3]の何れか1つの情報処理装置と、
前記充電装置からの受電に基づき前記受電情報を送信する前記端末と、
を備える情報処理システム。
[C5]
充電装置及びバーコードリーダを備えた端末から送信される第1のバーコード情報を受信し、また、前記端末から送信される第2のバーコード情報を受信する通信手段と、
前記第1のバーコード情報を受信した後であっても前記第2のバーコード情報を受信しない場合は前記第1のバーコード情報に基づく精算処理の実行指示を受け付けず、前記第2のバーコード情報を受信した場合に前記第1のバーコード情報に基づく前記精算処理の実行指示の受け付けを許可する制御手段と、
を備え、
前記第1のバーコード情報は、前記バーコードリーダによる商品の第1のバーコードの読み取りにより得られる情報であり、
前記第2のバーコード情報は、前記充電装置の充電可能位置に前記端末が置かれた場合に、前記端末の前記バーコードリーダにより読み取り可能な位置に設けられた第2のバーコードの読み取りにより得られる情報である情報処理装置。
[C6]
充電装置を備えた端末からデータを受信した後であっても前記充電装置による受電開始又は受電中を示す受電情報を前記端末から受信しない場合は、前記データに基づく所定処理の実行指示を受け付けない手順と、
前記端末から前記データを受信した後に、前記端末から前記受電情報を受信した場合に、前記データに基づく前記所定処理の実行指示の受け付けを許可する手順と、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0057】
100・・・POS端末、101・・・表示部、102・・・入力部(タッチパネル)、140・・・客面表示器、105・・・CPU、104・・・無線通信部、106・・・RAM、107・・・HDD(ハードディスクドライブ)、110・・・タッチスキャナ、111・・・制御部、112・・・受電部、113・・・電源部、114・・・無線通信部、115・・・バーコード読み取り部、120・・・充電台、121・・・送電部、122・・・電源部
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B