(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エラストマー製の筒形弾性部材(30)で側面を覆われたバルブステム(11)の前端部にバルブ本体(20)を備え、前記筒形弾性部材(30)の中間部分に備えた圧入部(33)が、車両用ホイール(90)のリム(91)に形成されたバルブ取付孔(92)に前記リム(91)の内側から圧入され、前記筒形弾性部材(30)の後端のボトム係止部(40T,40S)が前記バルブ取付孔(92)の開口縁に係止するタイヤバルブ(10,10V)において、
前記エラストマーより硬質な部材で構成されて、少なくとも一部が前記筒形弾性部材(30)に埋設された補強部材(40,40V)と、
前記補強部材(40,40V)に設けられ、前記圧入部(33)より側方に張り出した側方張出部(40T)と、
前記補強部材(40,40V)に形成されて、前方に向かって縮径し、前端部が前記バルブ取付孔(92)の内側に突入するテーパー部(41A)とを備え、
前記テーパー部(41A)の後端部が前記側方張出部(40T)になっていると共に、
前記ボトム係止部(40T,40S)が、前記側方張出部(40T)を含む構成になっていることを特徴とするタイヤバルブ(10,10V)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のタイヤバルブは、車両用ホイールの回転による遠心力を受けてバルブ取付孔に対して大きく傾動することで、筒形弾性部材が破損することが懸念されていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、バルブ取付孔に対する傾動を従来より抑えることが可能なタイヤバルブの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、エラストマー製の筒形弾性部材(30)で側面を覆われたバルブステム(11)の前端部にバルブ本体(20)を備え、前記筒形弾性部材(30)の中間部分に備えた圧入部(33)が、車両用ホイール(90)のリム(91)に形成されたバルブ取付孔(92)に前記リム(91)の内側から圧入され、前記筒形弾性部材(30)の後端のボトム係止部(40T,40S)が前記バルブ取付孔(92)の開口縁に係止するタイヤバルブ(10,10V)において、前記エラストマーより硬質な部材で構成されて、少なくとも一部が前記筒形弾性部材(30)に埋設された補強部材(40,40V)と、前記補強部材(40,40V)に設けられ、前記圧入部(33)より側方に張り出した側方張出部(40T)と
、前記補強部材(40,40V)に形成されて、前方に向かって縮径し、前端部が前記バルブ取付孔(92)の内側に突入するテーパー部(41A)とを備え、
前記テーパー部(41A)の後端部が前記側方張出部(40T)になっていると共に、前記ボトム係止部(40T,40S)が、前記側方張出部(40T)を含む構成になっていることを特徴とするタイヤバルブ(10,10V)である。
【0007】
請求項2の発明は、前記補強部材(40)は、前記バルブステム(11)と同心の円形をなしていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤバルブ(10)である。
【0009】
請求項
3の発明は、前記バルブステム(11)と平行な方向で前記補強部材(40,40V)を貫通する貫通孔(43)を設けて、前記筒形弾性部材(30)を構成するエラストマーを前記貫通孔(43)内及び前記貫通孔(43)の前後に配置したことを特徴とする請求項1
又は2に記載のタイヤバルブ(10,10V)である。
【0010】
請求項
4の発明は、前記補強部材(40)に形成され、前記バルブステム(11)に直動可能に嵌合した中心孔(40A)を有することを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1の請求項に記載のタイヤバルブ(10)である。
【0011】
請求項
5の発明は、前記圧入部(33)の前隣となる位置で、前記バルブステム(11)から側方に張り出し、全体が前記筒形弾性部材(30)に埋設された補強フランジ(14)を備えた請求項1乃至
4の何れか1の請求項に記載のタイヤバルブ(10,10V)である。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1及び2の発明]
請求項1のタイヤバルブ(10,10V)では、エラストマー製の筒形弾性部材(30)で側面を覆われ、車両用ホイール(90)におけるリム(91)のバルブ取付孔(92)に対して筒形弾性部材(30)の圧入部(33)が圧入されることでバルブ取付孔(92)を密閉し、筒形弾性部材(30)のボトム係止部(40T,40S)がバルブ取付孔(92)の開口縁に係止することで抜け止めされる。ここで、本発明のタイヤバルブ(10,10V)は、エラストマーより硬質な部材で構成されかつ少なくとも一部が筒形弾性部材(30)に埋設された補強部材(40,40V)を備えている。そして、その補強部材(40,40V)に圧入部(33)より側方に張り出した側方張出部(40T)を設けて、ボトム係止部(40T,40S)が側方張出部(40T)を含む構成になっているので、ボトム係止部(40T,40S)の剛性が従来より高くなり、バルブ取付孔(92)に対するタイヤバルブ(10,10V)の傾動を従来より抑えることができる。
また、補強部材(40,40V)に、前方に向かって縮径したテーパー部(41A)を設けて、そのテーパー部(41A)の前端部がバルブ取付孔(92)の内側に突入するようにしたので、バルブ取付孔(92)のエッジ部(91E)を補強部材(40,40V)で受け止めることができ、筒形弾性部材(30)の損傷を抑えることができる。
【0013】
ここで、補強部材(40V)を、バルブステム(11)の軸周りの一部のみに配置した構成にしてもよいし、請求項2のように、補強部材(40)をバルブステム(11)と同心の円形にして、バルブステム(11)の軸周りの全体に配置してもよい。請求項2の構成のようにすれば、タイヤバルブ(10)を、軸周りの任意の位置でバルブ取付孔(92)に取り付けることができる。
【0015】
[請求項
3の発明]
請求項
3のタイヤバルブ(10,10V)では、補強部材(40,40V)を貫通する貫通孔(43)を設け、貫通孔(43)内及び貫通孔(43)の前後に筒形弾性部材(30)を構成するエラストマーを配置したので、筒形弾性部材(30)に対する補強部材(40,40V)の固定が強固になり、バルブ取付孔(92)に対するタイヤバルブ(10,10V)の固定が安定する 。
【0016】
[請求項
4の発明]
誇求項
4のタイヤバルブ(10)では、補強部材(40,40V)がバルブステム(11)に対して直動することで、タイヤバルブ(10)の取り付け時に圧入部(33)を引っ張って縮径させることができ、タイヤバルブ(10)の取り付け作業が容易になる 。
【0017】
[請求項
5の発明]
請求項
5のタイヤバルブ(10,10V)では、リム(91)の外側でバルブ取付孔(92)の開口縁に対して、筒形弾性部材(30)内の補強フランジ(14)が臨んで、筒形弾性部材(30)を補強するので、このことによってもバルブ取付孔(92)に対するタイヤバルブ(10,10V)の傾動が抑えられる 。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を
図1〜
図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のタイヤバルブ10は、バルブステム11の内側にバルブコア20(本発明の「バルブ本体」に相当する)を備え、バルブステム11の外側をエラストマー製の筒形弾性部材30で覆った構造になっている。以下、特記しない限り、
図1の上方をタイヤバルブ10及びその構成部品の前方、
図1の下方をタイヤバルブ10及びその構成部品の後方と呼ぶこととする。
【0020】
バルブステム11は、バルブコア20を内側に収容した例えば金属製のステム本体11Hと、そのステム本体11Hの後端部に嵌合接続された例えば金属製の延長パイプ11Pとからなる。ステム本体11Hは、前端部が大径部12をなし、その大径部12の後端部がテ−パ−状に縮径し、その後側に小径部13が延び、さらに小径部13の後端部から側方に補強フランジ14が張り出した構造になっている。また、補強フランジ14は、前側に平坦面14Aを有する一方、後側にテーパー面14Bを有している。
【0021】
延長パイプ11Pは、軸方向の中間部より前側と後側とで外径が異なっていて、前側が小径部11P1、後側が大径部11P2になっている。そして、小径部11P1の前側の一部がステム本体11Hの小径部13内に後側から圧入され、その小径部13に形成されている位置決突部13Aに突き当てられている。
【0022】
バルブコア20は、筒形コア本体21の中心部を直動ロッド22が貫通した構造をなしている。そして、その筒形コア本体21が、ステム本体11Hの大径部12内面に形成された雌螺子部12Bに螺合し、その雌螺子部12Bより後側で筒形コア本体21とステム本体11Hとがメタルシールされるように当接している。
【0023】
直動ロッド22のうち筒形コア本体21から後方に突出した部分には弁体23が固定されている。また、筒形コア本体21に内蔵された図示しないコイルバネの弾発力によって通常は筒形コア本体21の後端開口に弁体23が押し付けられている。これにより、バルブステム11内を流体が通過できないようになっていて、直動ロッド22が前側から押されるか、或いは、バルブコア20より前側の圧力が後側の圧力より一定圧以上高くなった場合に、弁体23が筒形コア本体21の後端開口から離間し、バルブステム11内を流体が通過する 。
【0024】
ステム本体11Hの前端部の外周面には、雄螺子部12Aが形成され、そこにバルブキャップ25が螺合装着されている。バルブキャップ25は樹脂の成形品であって、その内側奥面にはエラストマー製のパッキン26が装着されている。そして、バルプキャップ25が雄螺子部12Aに締め付けられることでバルブステム11の前端部がパッキン26に密着している 。
【0025】
ステム本体11Hの後方では、延長パイプ11Pの中間部に補強部材40が嵌合されている。補強部材40は、例えば金属製であって全体が円錐台形状をなし、前側にテーパー面41を備えている。そして、補強部材40のうちテーパー面41が形成されている壁部が、本発明に係るテーパー部41Aになっている。また、補強部材40の中心部に中心孔40Aが形成され、そこに延長パイプ11Pが直動可能に貫通している。そして、通常は、延長パイプ11Pにおける小径部11P1の後端部から大径部11P2の前端部に亘る部分が補強部材40の中心孔40Aに収まっている。
【0026】
補強部材40の最大径は、ステム本体11Hの補強フランジ14の最大径より大きくなっている。また、補強部材40のテーパー面41と前端面44との境界円の外径は、補強フランジ14のテーパー面14Bと後端面14Cとの境界円の外径より大きくなっている。さらに、補強部材40の前端面44には、外縁部を除く全体を陥没させて陥没面45が形成されている。
【0027】
また、補強部材40には、中心軸方向と平行な複数の貫通孔43が、テーパー面41と後端面42との間を連絡するように形成されている。それら貫通孔43は、
図2に示すように、補強部材40の中心軸の周りを6等分する位置に配置されている。なお、
図1に示すように、テーパー面41の外縁部と後端面42の外縁部の間は、均一径の円筒面46になっている。
【0028】
筒形弾性部材30は、例えば先細りの筒状をなして、バルブステム11における大径部12の後端寄り位置から補強部材40の後端面42までの範囲を覆ってそれらバルブステム11及び補強部材40に加硫接着されている。また、延長パイプ11Pの外面のうちステム本体11Hと補強部材40に挟まれた部分と筒形弾性部材30との間には、クリアランス30Cが形成されている。これにより、筒形弾性部材30が伸縮可能な範囲で補強部材40がバルブステム11に対して直動する。
【0029】
筒形弾性部材30には、後端部を外側に拡径してボトム部39が形成されている。ボトム部39の前端部は、前方に向かって縮径したテーパー状をなし、そのテーパー部分より後側が円柱状の本発明に係る圧入部33になっている。また、圧入部33の後端部から、補強部材40のうち貫通孔43群より外側部分が側方が露出して張り出し、本発明に係る側方張出部40Tになっている。また、本実施形態では、側方張出部40Tのみで本発明に係る「ボトム係止部」が構成されている。さらには、筒形弾性部材30を構成するエラストマーは、貫通孔43群の内部を満たして補強部材40の後端面42に至り、貫通孔43群の後面開口を覆う円板部37になっている。
【0030】
なお、筒形弾性部材30のうちボトム部39より前側は、前方に向かって極めて緩やかに縮径した前側筒部31になっていて、その前側筒部31の前端寄り位置には、僅かに突出した第1係止突条31Aが形成されている。また、ボトム部39のうち円柱状部分の前端部には、僅かに側方に突出した第2係止突条35が形成されている。
【0031】
補強部材40から後方に突出した延長パイプ11Pの後端部には、タイヤ圧検出装置50が取り付けられている。タイヤ圧検出装置50は、圧力センサ、温度センサ及び無線回路を有し、タイヤ内の圧力及び温度を検出して、それら検出結果を車両本体に備えた図示しないタイヤ監視装置に無線送信する。タイヤ監視装置は、受信した検出結果に基づいてタイヤ内の圧力及び温度の異常の有無を監視する。
【0032】
本実施形態のタイヤバルブ10の構造に関する説明は以上である。次に、このタイヤバルブ10の作用効果について説明する。
図3に示すように、車両用ホイール90のリム91には、車両用ホイール90の回転中心(図示せず)に対して斜め外側に起立した部分にバルブ取付孔92が貫通形成されている。そして、タイヤバルブ10は、そのバルブ取付孔92にリム91の内側から圧入される。具体的には、バルブ取付孔92の開口縁に筒形弾性部材30のボトム部39における前側のテーパー部分が当接したところで、例えば、リム91の内側からタイヤバルブ10を押圧するか、リム91の外側でタイヤバルブ10を工具で把持して引っ張って、タイヤバルブ10の圧入部33をバルブ取付孔92に圧入する。これにより、バルブ取付孔92が密閉される。また、圧入部33の後端部から側方に張り出した補強部材40の側方張出部40Tとより、タイヤバルブ10がバルブ取付孔92に抜け止めされる。
【0033】
ここで、タイヤバルブ10の圧入がスムーズに行われず、例えば、バルブ取付孔92の中心軸に対してタイヤバルブ10の中心軸が傾いていた場合、タイヤバルブ10を工具で把持して引っ張ればよい。すると、補強部材40がバルブ取付孔92の開口縁に当接した状態でバルブステム11が引っ張られることになり、補強部材40がバルブステム11に対して相対的に後方にスライド移動し、圧入部33が伸ばされて縮径される。これにより、取り付け時におけるタイヤバルブ10の傾きを容易に修正することができる。
【0034】
そして、タイヤバルブ10が車両用ホイール90に取り付けられると、タイヤバルブ10に備えたタイヤ圧検出装置50によってタイヤ93内のガス圧及び温度が検出されてそれら検出結果が車両本体に無線送信され、これによりタイヤ93を車両本体側で監視することができる。
【0035】
さて、車両が走行するとタイヤバルブ10は遠心力を受ける。ここで、タイヤバルブ10の重心は、例えばバルブ取付孔92に支持されている圧入部33よりタイヤ圧検出装置50寄りに位置しており、このためタイヤバルブ10は傾動させられるように遠心力を受ける。しかしながら、本実施形態のタイヤバルブ10は、筒形弾性部材30のエラストマーより硬質で剛性が高い補強部材40の側方張出部40Tにてバルブ取付孔92に抜け止めしているので、エラストマー製の筒形弾性部材のみで抜け止めしていた従来のタイヤバルブに比べて、バルブ取付孔92に対する傾動が抑えられる。
【0036】
また、
図4に示すように、リム91の外側では、バルブ取付孔92の開口縁に対して、筒形弾性部材30内の補強フランジ14が臨んで、筒形弾性部材30を補強しているので、このことによっても、バルブ取付孔92に対するタイヤバルブ10の傾動を抑えられる。さらには、補強部材40のうち側方張出部40Tを構成しているテーパー部41Aの前端部がバルブ取付孔92の内側に突入して、リム91の内面側のバルブ取付孔92のエッジ部91Eを補強部材40で受けているので、エッジ部91Eによる筒形弾性部材30の損傷も抑えることができる。なお、テーパー部41Aの前端部分は、エラストマーの皮膜30Eによって覆われているが、バルブ取付孔92のエッジ部91Eによって皮膜30Eが切断されてもよいし、エッジ部91Eが皮膜30Eを介してテーパー部41Aに当接してもよい。
【0037】
[第2実施形態]
本実施形態のタイヤバルブ10Vは、
図5〜
図7に示されており、補強部材40Vが筒形弾性部材30の周方向の一部のみ配置されている点が第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態の補強部材40Vは、
図2と
図6とに比較して示すように、前記第1実施形態の補強部材40のうち1つの貫通孔43を挟んだ両側を平行に切断しかつ、それら切断面と直交する別の切断面で中心孔40Aを半分に分割してなる。そして、中心孔40Aの半分の半円溝40Bを延長パイプ11Pに宛がった状態で補強部材40Vが筒形弾性部材30に埋設されて加硫接着されている。また、
図5に示すように、補強部材40Vの一部が前述した側方張出部40Tをなし、筒形弾性部材30の外周面には、
図6に示すように、側方張出部40Tと周方向で連続する側方張出部30Aが形成されている。そして、これら側方張出部40Tと側方張出部30Aとから本発明に係るボトム係止部40Sが構成されている 。
【0038】
本実施形態のタイヤバルブ10Vの構成に関する説明は以上である。本実施形態のタイヤバルブ10Vは、
図7に示すように、リム91のバルブ取付孔92に取り付けられて、遠心力によるリム91からの負荷を最も受ける部分に補強部材40Vを配置することで、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0039】
[第3実施形態]
本実施形態のタイヤバルブ10Wは、
図8〜
図10に示されており、補強部材40Wがバルブステム11に一体形成されている点が第1実施形態と異なる。具体的には、
図8に示すように、このタイヤバルブ10Wのバルブステム11は、ステム本体11Hの小径部13が補強フランジ14より後方に延長されていて、その小径部13の後端部から側方に補強部材40Wが張り出している。なお、この補強部材40Wには、
図9に示すように、前記第1実施形態の補強部材40の貫通孔43より径が大きな貫通孔43Wが中心軸周りの6筒所に貫通形成されている。
【0040】
本実施形態のタイヤバルブ10Wも、前記第1実施形態のタイヤバルブ10と同様に、
図10に示すように、補強部材40Wの側方張出部40Tをバルブ取付孔92の開口縁に宛がい、バルブ取付孔92のエッジ部91Eの内側にテーパー部41Aを突入させた状態に取り付けられて、第1実施形態のタイヤバルブ10と同様の効果を奏する 。
【0041】
[第4実施形態]
本実施形態のタイヤバルブ10Xは、
図11〜
図13に示されており、補強部材40Xが筒形弾性部材30の周方向の一部のみ配置されている点が第3実施形態と異なる。具体的には、本実施形態の補強部材40Xは、
図9と
図12とに比較して示すように、前記第3実施形態の補強部材40Wのうち1つの貫通孔43Wを挟んだ両側を平行に切断しかつ、それら1対の切断面の間を中心孔40Aと同心の円弧状切断面40Kで切断した形状をなしている。そして、第2実施形態と同様に、
図11に示すように、補強部材40Xの一部が側方張出部40Tをなし、
図12に示すように側方張出部40Tと周方向で連続する側方張出部30Aが筒形弾性部材30に一体形成され、それら側方張出部40Tと側方張出部30Aとから本発明に係るボトム係止部40Sが構成されている 。
【0042】
本実施形態のタイヤバルブ10Xも、第2実施形態のタイヤバルブ10Vと同様に、
図13に示すように、リム91のバルブ取付孔92に取り付けられて、遠心力によるリム91からの負荷を最も受ける部分に補強部材40Xを配置することで、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0043】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0044】
(1)前記第1〜第4の実施形態のタイヤバルブ10,10V,10W,10Xでは、側方張出部40Tが筒形弾性部材30から露出していたが、
図14に示すタイヤバルブ10Yのように、側方張出部40Tが筒形弾性部材30の皮膜30Yによって覆われていてもよい。
【0045】
(2)前記第1〜第4の実施形態のタイヤバルブ10,10V,10W,10Xは、タイヤ圧検出装置50を備えていたが、タイヤ圧検出装置50を備えていなくてもよい。
【0046】
(3)前記第1〜第4の実施形態の補強部材40,40V,40W,40Xには、貫通孔43,43Wが形成されていたが、貫通孔を設けなくてもよい。