(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
信号線に対し絶縁樹脂層を挟んでシールド導体を備えたフィルムケーブル、もしくは信号線の両面に絶縁樹脂層を有し、前記各絶縁樹脂層の両外側にシールド導体を備えたフィルムケーブルを用意し、
前記シールド導体に対して、前記信号線の延設方向に沿って、エッチングにより間欠的に開口部を形成する工程と、
前記開口部を形成したシールド導体をマスクとして利用し、前記絶縁樹脂層をエッチングにより部分的に削除して、絶縁樹脂層に前記シールド導体から前記信号線に達する中空部を形成する工程と、
を有し、前記中空部を前記信号線の延設方向に沿って形成したフィルムケーブルを得ることを特徴とする中空フィルムケーブルの製造方法。
【背景技術】
【0002】
例えばネットワクーク機器、サーバー、半導体試験装置、あるいは通信機器などのような電子機器においては、高周波信号の伝送のために、各種の同軸ケーブルが利用されている。その信号の周波数は数GHz〜数十GHzの領域まで使用されており、機器の小型化のために、パラレルの多芯伝送により細径の同軸ケーブルが必要とされている。
また最近のスマートフォンやタブレットPCなどのモバイル機器においても、機器の軽量化と小型化、さらに同時に大容量のデーターの送受信を可能にするために、薄型で高速に信号伝送が可能なケーブルが必要とされている。
【0003】
前記した分野においては、従来より同軸ケーブルが多用されており、その線径はサーバーや半導体試験装置ではφ1〜10mm程度、スマートフォンなどのモバイル機器ではφ0.3〜1.0mm程度のものが使用されている。
この同軸ケーブルは特性インピーダンスが一定で安定しており、外部からのノイズの影響を受けることもなく、ケーブル本体から外部に電磁放射することもないため、高周波信号の伝送の分野では好適に利用されている。
【0004】
そして、昨今における特にスマートフォンにおいては、アンテナからの信号の伝送にはφ0.6〜0.8mm程度の細径の同軸ケーブルが使用され、さらに細径化の傾向にある。しかし、細径化に伴って信号の伝送特性が劣る問題と、コネクタとのアセンブリが困難になる等の課題もある。
そこで、ケーブル内の絶縁性樹脂を発泡樹脂に代えたり、中空の多い構造に改良することも検討されている。
【0005】
周知のとおり、電磁場は真空中が最も伝送しやすく、次に空気、そして低誘電率及び低誘電正接の樹脂、さらにセラミックの順であるため、ケーブル内の絶縁性樹脂を前記した発泡樹脂や中空樹脂にすることにより伝送特性は改善される。
しかし現実には、前記した発砲樹脂や中空樹脂を用いた丸型ケーブルは、そのケーブルの機械的特性や曲げ耐久性、加工難度と製造コストの課題から、実用化されていない。
【0006】
一方、前記した同軸ケーブルに代えて、信号線と銅箔によるシールド導体(グランド層)との間に絶縁樹脂層を介在させたマイクロストリップ構造もしくはストリップ構造のFPC(フレキシブルプリント配線板)によるフィルムケーブルが提供されている。
【0007】
図1Aはマイクロストリップ構造によるFPCを示しており、これは信号線1に対して絶縁樹脂層2を挟んで銅箔3によるシールド導体(グランド層)が備えられている。また
図1Bはストリップ構造によるFPCを示しており、これは信号線1の両面に絶縁樹脂層2a,2bが存在し、絶縁樹脂層の両外側に銅箔3a,3bによるシールド導体が備えられている。そして従来よりこの種のFPCには、層間絶縁層としてポリイミドが用いられている。しかしポリイミドは、1GHzにおける比誘電率が約3.5で、誘電正接が約0.01と大きいため、1GHz以上の高周波伝送には信号ロスが大きいなどの問題を抱えている。
【0008】
このために、最近においては例えば特許文献1に開示されているようなLCP(液晶ポリマー)を層間絶縁材にし、その両面に銅箔を有するLCPケーブルのストリップ構造も一部において実用化されている。
このLCPは1GHzにおける比誘電率が約2.5で、誘電正接が約0.003と共に小さいため、アンテナモジュールや高速信号の伝送ケーブル、また最近では高速信号系の多層基板への用途で注目されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記したLCPは、高周波における比誘電率や誘電正接において優れた特性を有するものの、この樹脂の価格は高価である点、ケーブルの製造においてこれまでのポリイミド系のベースフィルムに比べて加工プロセスが複雑であり最終価格が高くなること、さらに厚さが0.3mm程度と厚くなり、屈曲性が良くないなど、実用化には課題もある。
【0011】
そこでこの発明は、前記した技術的な課題を解消すると共に、高周波伝送における電気信号のインサーションロス(挿入損失)が少なく、信号線の全長にわたり一定の特性インピーダンスを得ることができる薄型化した中空フィルムケーブ
ルの製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る中空フィルムケーブルの第1の製造方法は、信号線に対し絶縁樹脂層を挟んでシールド導体を備えたフィルムケーブル、もしくは信号線の両面に絶縁樹脂層を有し、前記各絶縁樹脂層の両外側にシールド導体を備えたフィルムケーブルを用意し、前記シールド導体に対して、前記信号線の延設方向に沿って、エッチングにより間欠的に開口部を形成する工程と、前記開口部を形成したシールド導体をマスクとして利用し、前記絶縁樹脂層をエッチングにより部分的に削除して、絶縁樹脂層に前記シールド導体から前記信号線に達する中空部を形成する工程とを有し、前記中空部を前記信号線の延設方向に沿って連続して形成したフィルムケーブルを得ることを特徴とする。
【0015】
また、前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る中空フィルムケーブルの第2の製造方法は、片面にシールド導体を備えた絶縁樹脂層の一部を、レーザ光もしくはエッチングにより溝状に削除することにより中空部を形成する工程と、前記絶縁樹脂層に形成された中空部内に、感光性樹脂の露光現象によりリブ部材を形成する工程と、溝状の中空部内にリブ部材を形成した一対の絶縁樹脂層を対向させて、その間に信号線を備えたシートを介在させる工程と、対向する前記リブ部材に沿って前記信号線を対峙させた状態で積層する工程とを有し、前記信号線を前記リブ部材の端面により線接触で支持したフィルムケーブルを得ることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る中空フィルムケーブルの第3の製造方法は、片面にシールド導体を備えた絶縁樹脂層の一部を、レーザ光もしくはエッチングにより溝状に削除することにより中空部を形成する工程と、前記絶縁樹脂層に形成された中空部内に、感光性樹脂の露光現象によりリブ部材を形成する工程と、前記リブ部材が形成された絶縁樹脂層に対向させて、信号線を備えたシートを配置する工程と、前記リブ部材に沿って前記信号線を対峙させた状態で積層する工程とを有し、前記信号線を前記リブ部材の端面により線接触で支持したフィルムケーブルを得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
前記
製造方法により製造された中空フィルムケーブルによると、ストリップ構造あるいはマイクロストリップ構造になされたフィルムケーブルおいて、信号線とシールド導体との間に存在する絶縁樹脂層(電気絶縁性誘電体樹脂)を化学的あるいは機械的に削除することにより、中空部を形成した構造になされる。
これによると、信号線とシールド導体(グランド層)の間の電磁界は、その大部分が空気中(中空部)を伝播していく伝送構造にされるので、高周波伝送における電気信号のインサーションロスが少なく、信号線の全長にわたり一定の特性インピーダンスを得ることができる薄型化した送受信ケーブルを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明
により製造される中空フィルムケーブルについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお以下に示す各図においては、同一部分を同一符号で示しているが、一部の図面においては紙面の都合により、代表的な部分に符号を付け、詳細な構成は他の図面に付けた符号を引用して説明する場合もある。
【0020】
図2は第1の実施の形態の基本構成を示したものであり、この
図2に示す例はストリップ構造の中空フィルムケーブルを示している。
すなわち、信号線11を中央にして、信号線11の両面に絶縁樹脂層12a,12bが備えられ、前記各絶縁樹脂層12a,12bの両外側にさらにシールド導体(グランド層)13a,13bが備えられている。
そして、この例においては絶縁樹脂層12a,12bとしてポリイミドが用いられており、前記信号線11およびシールド導体13a,13bに銅箔が用いられると共に、シールド導体13a,13bは、絶縁樹脂層12a,12bの面に沿ってベタ電極を構成している。
【0021】
図2に示す実施の形態においては、信号線11の延設方向に沿って、両面のシールド導体13a,13bに対して、エッチングにより破線状の開口部14が形成されている。
エッチングにより形成された破線状の開口部14は、後の製造方法の説明で記述するとおり、信号線11の延設方向に沿って、ポリイミドによる絶縁樹脂層の一部をエッチングにより削除するために利用される。
すなわち、両面のシールド導体13a,13bをマスクとして利用することで、エッチング液は、開口部14から絶縁樹脂層12a,12bに入り、絶縁樹脂層の一部をエッチングにより除去して、前記信号線11に達する中空部15を形成させるものとなる。
【0022】
このために、シールド導体13a,13bに形成された前記開口部14は、信号線11の延設方向に沿って、二筋に分けて形成されている。これにより
図2に示すように、ポリイミドによる絶縁樹脂層12a,12bに対して、信号線11の線幅方向の中央部を残して、線幅方向の両端部に達する中空部15がエッチングにより形成される。
前記した開口部14の配列パターンにより、信号線11とシールド導体13a,13bとの間の前記信号線の線幅の領域における絶縁樹脂層の空隙率は、50%以上に設定されており、この実施の形態においては、前記中空部15は前記信号線11の延設方向に沿って連続して(連通して)形成されている。
そして前記中空部15は、
図2に示すように信号線11の両面に対称となるように形成されている。
【0023】
図3は第2の実施の形態の基本構成を示したものであり、この
図3に示す例もストリップ構造の中空フィルムケーブルを示している。なお、
図3においては前記した
図2に示した各部と同一の機能を果たす部分を同一符号で示している。したがって、重複する説明は省略する。
この
図3に示す例は、シールド導体13a,13bに形成された開口部14の配列形態が、
図2に示した例と異なるものであり、したがって開口部14の配列形態が異なることによるエッチングにより成形される中空部15の形態も異なることになる。そして
図3に示す例は、前記した点を除いて
図2に示した第1の実施の形態と同様となる。
【0024】
この
図3に示す第2の実施の形態においては、信号線11の延設方向に沿って、両面のシールド導体13a,13bに対して、円形状の開口部14がエッチングにより間欠的に形成されている。
この円形状の開口部14は、信号線11の延設方向に沿って、左右一対に(2つ)形成されると共に、その隣は中央部に1つ形成され、この2つおよび1つの形成パターンが繰り返されている。
【0025】
また
図3に示すように、上面側のシールド導体13aにおいて一対の開口部14が形成された位置に対応する下面側のシールド導体13bには、中央部に1つの開口部14が形成されており、上面側および下面側において、開口部14の繰り返しパターンは相互にずらされている。
前記した円形状の開口部14の配列パターンにより、信号線11とシールド導体13a,13bとの間の前記信号線の線幅の領域における絶縁樹脂層の空隙率は、50%以上に設定されている。
【0026】
図4Aおよび
図4Bは、
図2に示した第1の実施の形態に係る中空フィルムケーブルについて、その製造工程を順に示したものである。
製造の前工程においては、
図4A(a)に示すように、第1基材Aとしてポリイミドによる絶縁樹脂層12bの両面に、それぞれ10μmの銅箔を有する積層板(両面銅張積層板)が用意される。
第1基材Aの一方の面の銅箔は、エッチングにより幅150μmの信号線11と、この信号線11に続くパッド接続領域11aが形成される。また他方の面の銅箔はベタ銅箔として利用され、前記したシールド導体13bになされる。
また第2基材Bとして、ポリイミドによる絶縁樹脂層12aの片面に10μmの銅箔を有する積層板(片面銅張積層板)が用いられ、銅箔はベタ銅箔として利用され、前記したシールド導体13aになされる。
【0027】
次に
図4A(b)に示すように、第1基材Aにおける前記信号線11が形成された面に対して、第2基材Bにおける絶縁樹脂層12aが対向して配置され、その間に厚さ12μmの接着シート17が介在されて、第1基材Aと第2基材Bは熱圧着により積層される。
図4A(c)は、接着シート17を間にして第1基材Aと第2基材Bが積層された状態を示している。
【0028】
図4B(a)は、
図4A(c)に続く製造工程を示すものであり、この工程においては、前記した積層シートにおける信号線11の配置位置を避けて、例えばドリルにより貫通穴18が適宜の位置に形成される。また前記したパッド接続領域11aのほぼ中央位置にも貫通穴19が形成される。そして、これらの貫通穴18,19には、銅によるビア(Via)メッキが施されて、これにより両外側のシールド導体13a,13bは電気的に接続され、ストリップ構造の中空フィルムケーブルになされる。
【0029】
続いて、
図4B(b)に示すように、積層シート両面の銅ベタ膜(シールド導体13a,13b)に対して、前記信号線11に沿って、破線ラインエッチングにより、破線状の開口部14が、二筋に分かれて形成される。
そして、破線状の開口部14が形成されたシールド導体13a,13bをマスクにして、内層のポリイミド(絶縁樹脂層12a,12b)のエッチングが行われる。この場合のエッチングは信号線11上のポリイミドのみを銅膜(シールド導体13a,13b)に対してオーバーエッチすることにより、ポリイミドの壁を残しながら信号線11上のポリイミドの70%以上をエッチングにより削除する。
【0030】
最後に
図4B(c)に示すように、積層シートの端部に信号線パッド21が形成される。この信号線パッド21は、前記したパッド接続領域11aを貫通する貫通孔19を中心にして、円形状のパッド21を残して、その外側の矩形状の領域の銅箔がエッチングにより削除されることで形成される。この時のエッチング領域を符号22で示している。
そして、貫通孔19に形成された前記ビアメッキを介して、絶縁樹脂層12a,12bの間に配置された前記した信号線11と信号線パッド21とが接続される。
なお、この信号線パッド21は、必要に応じて積層シートの反対面にも同様の形態で形成される。
【0031】
以上説明した工程により、
図2に示した第1の実施の形態に係る中空フィルムケーブルを得ることができる。
なお
図3に示した第2の実施の形態に係る中空フィルムケーブルは、前記したとおりシールド導体に形成される開口部14の形状が異なるのみであり、その製造に際しては、前記と同様の工程を採用することができる。
【0032】
次に
図5A〜
図5Cは、この発明に係る中空フィルムケーブルの第3の実施の形態について、これを製造工程にしたがって模式図で示したものである。なおこの第3の実施の形態も、ストリップ構造の中空フィルムケーブルを構成するものとなる。
【0033】
図5Aに示すようにポリイミドによる絶縁樹脂層31の片面に銅箔(シールド導体)32を有する積層板(片面銅張積層板)が用意される。この絶縁樹脂層31の厚さは100μmであり、この絶縁樹脂層31に対してレーザ光あるいはエッチングにより、溝33が形成される。この溝33は、中空フィルムケーブルの完成後において、信号線に沿う中空部として機能するものとなる。
【0034】
前記絶縁樹脂層31に形成された溝33内には、
図5Bに示すように感光性樹脂の露光現象によりリブ部材34が形成される。
このリブ部材34は、例えばドライフィルムレジスト(DFR)を利用することで、これを部分的に露光させた後に現像することで形成することができる。
すなわち、絶縁樹脂層31に形成された前記溝33内には、ドライフィルムレジスト(DFR)が埋め込まれ、このドライフィルムレジスト上には、図示せぬマスクフィルムが載置される。
【0035】
この状態で前記マスクフィルムを介してドライフィルムレジストに対して、UV光を投射することで、ドライフィルムレジストを部分的に感光させる。その後に、ドライフィルムレジストの未露光部分を、溶剤によって除去すること(現像)により、
図5Bに示すように蜂の巣状の六角柱壁面を有するリブ部材34を形成することができる。
このリブ部材34は、図に示す例においては六角柱壁面を構成しているが、前記したマスクフィルムの形成パターンに応じて、リブ部材34は任意の立体壁面構造とすることができる。
【0036】
ストリップ構造の中空フィルムケーブルを形成するには、リブ部材34が形成された積層シートが2つ用意され、
図5C(a)に示すように、リブ部材34を形成した面が対向するように配置される。なお
図5C(a)に示す下側の積層シートを第1基材Aと呼び、上側の積層シートを第2基材Bと呼ぶ。
この第1基材Aと第2基材Bとの間には、中央部に信号線36が形成された薄いポリイミド系シート37が配置され、このシート37の上下に接着シート38,39が介在されて、第1基材Aと第2基材Bは熱圧着により積層される。
【0037】
図5C(b)は、信号線36が形成されたシート37を間にして、接着シート38,39によって、第1基材Aと第2基材Bが積層された状態を示している。
図5C(b)に示されているように、第1基材Aと第2基材Bが積層された状態において、前記信号線36が形成されたシート37の幅の狭い端部37aが、積層シートから露出されている。この端部37aには前記信号線36に電気的に接続された信号線パッド36aが形成されている。
【0038】
次に
図5C(c)に示す工程においては、前記した積層シートにおける信号線36の配置位置を避けて、例えばドリルにより貫通穴41が適宜の位置に形成される。そして、これらの貫通穴41には、例えば銀ペーストを充填することで、両外側のシールド導体32は電気的に接続され、ストリップ構造の中空フィルムケーブルが形成される。
【0039】
前記した製造工程にしたがった中空フィルムケーブルによると、シート37に形成された信号線36は、対向するリブ部材34の端面により線接触で支持された状態となる。
そして、リブ部材34を備えたこの実施の形態によると、信号線36と両外側のシールド導体32との間の前記信号線の線幅の領域における絶縁樹脂層の空隙率は90%に達するものとなる。
【0040】
図6は、以上説明したこの発明に係る中空フィルムケーブルと、他の既存の同軸ケーブル等と比較した電気的な伝送特性を示したグラフである。
すなわち
図6における横軸は伝送信号の周波数を示しており、縦軸は信号の減衰量(dB)を示している。
【0041】
そして、
図6に示す特性aは、
図4Aおよび
図4Bに示した製造方法にしたがった中空フィルムケーブル(厚み0.2mm、幅0.8mm)の実測値である。この中空フィルムケーブルの特性インピーダンスZoは47Ωであり、その周波数特性は特性cとして示した既存のφ0.6mmの同軸ケーブルと同等の特性であった。
また
図6に示す特性bは、
図5A〜
図5Cに示した製造方法にしたがった中空フィルムケーブル(厚み0.2mm、幅0.8mm)の実測値である。この中空フィルムケーブルの特性インピーダンスZoは47Ωであり、その周波数特性は特性dとして示した既存のφ0.75mmの同軸ケーブルと同等の特性であった。
【0042】
なお
図6に示す特性eは、比較のために例示したものであり、これは冒頭の背景技術の欄において説明した既存のLCPを用いたフィルムケーブル(厚み0.3mm、幅1.5mm)の実測値である。
【0043】
以上説明した各実施の形態は、いずれもストリップ構造のフィルムケーブルを例にしているが、この発明は
図1Aに例示したマイクロストリップ構造のフィルムケーブルにも適用することができ、同様の作用効果を得ることができる。