特許第6333228号(P6333228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000002
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000003
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000004
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000005
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000006
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000007
  • 特許6333228-バックラッシュ測定装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333228
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】バックラッシュ測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 3/22 20060101AFI20180521BHJP
   G01B 5/16 20060101ALI20180521BHJP
   G01M 13/02 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G01B3/22 Z
   G01B5/16
   G01M13/02
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-207041(P2015-207041)
(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公開番号】特開2017-78655(P2017-78655A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2017年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(72)【発明者】
【氏名】吉井 敏史
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3035507(JP,U)
【文献】 実開昭56−35004(JP,U)
【文献】 実開平1−165901(JP,U)
【文献】 実開平3−11164(JP,U)
【文献】 特開2001−296101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00− 3/08
3/11− 3/56
G01B 5/00− 5/30
G01B 21/00−21/32
G01M 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台、前記基台に回転可能に設けられた第1歯車および前記基台に回転可能に設けられ前記第1歯車と噛み合う第2歯車を備えたギア装置におけるバックラッシュを測定するバックラッシュ測定装置であって、
前記基台に固定される固定部と、
前記固定部に設けられ、前記第1歯車の回転を規制する歯車規制部と、
前記固定部に設けられ、前記第2歯車における回転方向についての変位量を測定するダイヤルゲージと
を備えているバックラッシュ測定装置。
【請求項2】
前記固定部は、磁性体から構成された前記基台に対して磁力を用いて固定されるマグネットベースを有している請求項1に記載のバックラッシュ測定装置。
【請求項3】
前記マグネットベースは、前記基台との間で磁力による吸引力が発生する固定位置と前記基台との間における磁力による吸引力が解除される解除位置との間で変位するマグネットと、前記マグネットを変位させるハンドルとを有している請求項2に記載のバックラッシュ測定装置。
【請求項4】
前記歯車規制部は、径方向についての前記歯車規制部と前記第1歯車の回転軸との間の寸法が変化可能となっている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のバックラッシュ測定装置。
【請求項5】
前記歯車規制部には、前記第1歯車に形成された歯部が挿入される溝が形成されている請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のバックラッシュ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ギア装置のバックラッシュを測定するバックラッシュ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1歯車を保持する第1歯車保持部と、第2歯車を保持する第2歯車保持部と、第1歯車保持部に保持されている第1歯車の回転を規制する規制部と、第1歯車の回転が規制されている状態で、第2歯車における回転方向についての変位量を測定するダイヤルゲージとを備えたバックラッシュ測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−11164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、基台、基台に回転可能に設けられた第1歯車および基台に回転可能に設けられ、第1歯車と噛み合う第2歯車を備えたギア装置におけるバックラッシュを測定する場合には、第1歯車および第2歯車を基台から取り外した後、第1歯車を第1歯車保持部に保持させ、第2歯車を第2歯車保持部に保持させなければならず、バックラッシュの測定作業の効率が悪いという問題点があった。
【0005】
この発明は、バックラッシュの測定作業の効率を向上させることができるバックラッシュ測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るバックラッシュ測定装置は、基台、基台に回転可能に設けられた第1歯車および基台に回転可能に設けられ第1歯車と噛み合う第2歯車を備えたギア装置におけるバックラッシュを測定するバックラッシュ測定装置であって、基台に固定される固定部と、固定部に設けられ、第1歯車の回転を規制する歯車規制部と、固定部に設けられ、第2歯車における回転方向についての変位量を測定するダイヤルゲージとを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るバックラッシュ測定装置によれば、基台に設けられている第1歯車を歯車規制部が規制し、第1歯車に噛み合う第2歯車における回転方向についての変位量をダイヤルゲージが測定するので、第1歯車および第2歯車を基台から取り外すことなく、ギア装置のバックラッシュを測定することができる。これにより、バックラッシュの測定作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係るバックラッシュ測定装置が取り付けられるギア装置を示す側面図である。
図2図1のギア装置を示す平面図である。
図3図1のギア装置に取り付けられるバックラッシュ測定装置を示す側面図である。
図4図3のバックラッシュ測定装置を示す平面図である。
図5図3の歯車規制部を示す拡大図である。
図6図3の歯車規制本体を示す底面図である。
図7図6の歯車規制本体の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るバックラッシュ測定装置が取り付けられるギア装置を示す側面図、図2図1のギア装置を示す平面図である。この例では、ギア装置1は、ヘリカルギア装置となっている。ギア装置1は、基台11と、基台11に設けられた一対の軸受12と、軸受12を介して基台11に回転可能に設けられた第1歯車13と、基台11に設けられた一対の軸受14と、軸受14を介して基台11に回転可能に設けられた第2歯車15とを備えている。
【0010】
基台11、第1歯車13および第2歯車15は、磁性体から構成されている。
【0011】
第1歯車13は、円柱形状の回転体131と、回転体131の軸線方向両端部に設けられ、それぞれの軸受12に回転可能に支持される一対の回転軸132と、回転体131の外周面に形成された複数の歯部133とを有している。歯部133は、回転体131の外周面に複数の溝134が形成されることによって、回転体131の外周面に形成されている。溝134は、軸線に垂直な方向に回転体131を視た場合に、軸線に対して傾斜するように形成されている。したがって、歯部133は、軸線に垂直な方向に回転体131を視た場合に、軸線に対して傾斜するように形成されている。
【0012】
第2歯車15は、円柱形状の回転体151と、回転体151の軸線方向両端部に設けられ、それぞれの軸受14に回転可能に支持される一対の回転軸152と、回転体151の外周面に形成された複数の歯部153とを有している。歯部153は、回転体151の外周面に複数の溝154が形成されることによって、回転体151の外周面に形成されている。溝154は、軸線に垂直な方向に回転体151を視た場合に、軸線に対して傾斜するように形成されている。したがって、歯部154は、軸線に垂直な方向に回転体151を視た場合に、軸線に対して傾斜するように形成されている。
【0013】
複数の歯部133の中の一部は、溝154に挿入されている。また、複数の歯部153の中の一部は、溝134に挿入されている。したがって、第1歯車13および第2歯車15の一方の回転力が、第1歯車13および第2歯車15の他方に伝達される。これにより、第1歯車13および第2歯車15の一方が回転することによって、第1歯車13および第2歯車15の他方も回転する。
【0014】
図3図1のギア装置1に取り付けられるバックラッシュ測定装置を示す側面図、図4図3のバックラッシュ測定装置を示す平面図である。図3および図4では、ギア装置1も示している。バックラッシュ測定装置2は、基台11に固定される固定部21と、固定部21に設けられ、第1歯車13の回転を規制する歯車規制部22と、固定部21に設けられ、第2歯車15における回転方向についての変位量を測定するダイヤルゲージ23とを備えている。
【0015】
固定部21は、第1歯車13を挟むようにして基台11に固定される一対のマグネットベース211と、第1歯車13の上方を通るようにそれぞれのマグネットベース211に渡って設けられた脚部212とを有している。
【0016】
それぞれのマグネットベース211は、筐体213と、筐体213の内部に設けられたマグネット(図示せず)と、筐体213に設けられ、マグネットを変位させるハンドル214とを有している。マグネットは、基台11との間で磁力による吸引力が発生する固定位置と、基台11との間における磁力による吸引力が解除される解除位置との間で変位する。マグネットベース211が基台11の上に載せられた場合であって、マグネットの位置が固定位置である場合に、マグネットベース211は、マグネットと基台11との間に発生する磁力による吸引力によって、基台11に固定される。一方、マグネットベース211が基台11の上に載せられた場合であっても、マグネットの位置が解除位置である場合には、マグネットベース211は、マグネットと基台11との間における磁力による吸引力が解除されているので、基台11に固定されない。この場合、小さな力で、マグネットベース211を基台11から離すことができる。
【0017】
脚部212は、一対の脚部本体215と、それぞれの脚部本体215の上端部に渡って設けられた連結部216とを有している。一対の脚部本体215は、第1歯車13を挟むようにしてマグネットベースに立てられる。この例では、一対の脚部本体215を有する脚部212の構成について説明するが、3本以上の脚部本体215を有する脚部の構成であってもよい。この場合、脚部本体215の数に対応して、マグネットベース211を配置する。例えば、4本の脚部本体215を有する脚部の場合には、2本ずつの脚部本体215が第1歯車13を挟むようにしてマグネットベース211に立てられる。これにより、固定部21をより確実に基台11に固定することができる。
【0018】
歯車規制部22は、脚部212に設けられた移動棒221と、移動棒221に設けられた歯車規制本体222と、移動棒221を移動させるハンドル223とを有している。
【0019】
図5図3の歯車規制部22を示す拡大図である。脚部212の上部には、上下方向に延びた貫通孔が形成されている。脚部212に形成された貫通孔の内周面には、ねじ溝が形成されている。移動棒221は、脚部212に形成された貫通孔に挿入されている。移動棒221の外周面には、ねじ溝が形成されている。移動棒221が回転することによって、移動棒221は、脚部212に対して上下方向に移動する。ハンドル223は、移動棒221の上端部に設けられている。ハンドル223が回転することによって、移動棒221が回転する。ハンドル223は、作業者によって操作される。
【0020】
歯車規制本体222は、移動棒221の下端部に設けられている。したがって、移動棒221が上下方向に移動することによって、歯車規制本体222も上下方向に移動する。歯車規制本体222は、上下方向に移動することによって、径方向についての歯車規制本体222と第1歯車13の回転軸132との間の寸法が変化する。
【0021】
図6図3の歯車規制本体222を示す底面図である。歯車規制本体222には、第1歯車13の歯部133が挿入される溝224が形成されている。歯部133が溝224に挿入されることによって、第1歯車13の回転がより確実に規制される。図6では、1本の溝224が形成された歯車規制本体222を示しているが、平行して形成された複数本の溝224が形成された歯車規制本体222であってもよい。なお、図7に示すように、歯車規制本体222には、第1歯車13の歯部133の形成に対応して、傾き角度が異なる複数の溝224が形成されてもよい。図7に示す歯車規制本体222では、第1歯車13の歯部133の向きが左右対称となっている。
【0022】
歯車規制本体222は、磁石から構成されている。したがって、歯車規制本体222が第1歯車13に接触する場合に、歯車規制本体222が第1歯車13に対して磁力により固定される。この例では、歯車規制本体222は、第1歯車13の外周面にのみ接触する構成となっているが、歯車規制本体222は、第1歯車13の外周面に限らず、さらに、第1歯車13の側面の一部にも接触する構成であってもよい。これにより、歯車規制本体222における第1歯車13と接触する面積が増加するので、歯車規制本体222が第1歯車13に対して磁力によってより強力に固定される。
【0023】
この例では、歯車規制本体222が第1歯車13に接触する構成について説明するが、歯車規制部22は、歯車規制本体222と第1歯車13との間に設けられるフェルト等の緩衝材を有する構成であってもよい。これにより、歯車規制本体222が第1歯車13に接触することによる第1歯車13の損傷を防止することができる。
【0024】
次に、バックラッシュ測定装置2を用いてギア装置1のバックラッシュを測定する手順について説明する。まず、第1歯車13を挟むようにして一対のマグネットベース211を基台11に載せ、ハンドル214を操作してマグネットベースのマグネットを解除位置から固定位置に変位させる。これにより、固定部21が基台11に固定される(固定工程)。
【0025】
その後、ハンドル223を操作することによって、歯車規制部22を上下方向に移動させ、第1歯車13の歯部133を溝224に挿入させる。これにより、第1歯車13の回転が規制される(回転規制工程)。
【0026】
その後、第2歯車15を回転させながら、ダイヤルゲージ23を用いて、第2歯車15における回転方向についての変位量を測定する。これにより、ギア装置1におけるバックラッシュが測定される(バックラッシュ測定工程)。以上により、バックラッシュ測定装置2を用いたギア装置1のバックラッシュの測定が終了する。
【0027】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るバックラッシュ測定装置2によれば、基台11に固定される固定部21と、固定部21に設けられ、第1歯車13の回転を規制する歯車規制部22と、固定部21に設けられ、第2歯車15における回転方向についての変位量を測定するダイヤルゲージ23とを備えているので、第1歯車13および第2歯車15を基台11から取り外すことなく、バックラッシュを測定することができる。これにより、バックラッシュの測定作業の効率を向上させることができる。また、歯車規制部22が第1歯車13の回転を規制するので、作業者が第1歯車13の回転を規制する場合と比較して、より正確にバックラッシュの測定を行うことができ、また、作業者が一人でバックラッシュの測定を行うことができる。歯車規制部22が第1歯車13の回転を確実に規制するので、100分の10ミリ以内の寸法となるバックラッシュであっても、より正確に測定することができる。
【0028】
また、固定部21は、磁性体から構成された基台11に対して磁力を用いて固定されるマグネットベース211を有しているので、簡単に固定部21を基台11に対して固定することができる。
【0029】
また、マグネットベース211は、基台11との間で磁力による吸引力が発生する固定位置と基台11との間における磁力による吸引力が解除される解除位置との間で変位するマグネットと、マグネットを変位させるハンドル214とを有しているので、ハンドル214を用いてマグネットを変位させることによって、ねじ等を用いて固定部21を基台11に着脱する場合と比較して、より簡単に固定部21を基台11に着脱することができる。
【0030】
また、歯車規制部22は、径方向についての歯車規制部22と第1歯車13の回転軸132との間の寸法が変化可能となっているので、第1歯車13の径方向の寸法が異なる複数のギア装置に対して、バックラッシュ測定装置2を用いてバックラッシュを測定することができる。
【0031】
また、歯車規制部22には、第1歯車13に形成された歯部133が挿入される溝224が形成されているので、歯車規制部22は、より確実に第1歯車13の回転を規制することができる。
【0032】
なお、上記実施の形態1では、ギア装置がヘリカルギア装置であるとして説明したが、ギア装置は、ヘリカルギア装置に限らず、その他のギア装置であってもよい。
【0033】
また、上記実施の形態1では、基台11、第1歯車13および第2歯車15が磁性体から構成されていると説明したが、基台11、第1歯車13および第2歯車15が、非磁性体から構成されてもよい。この場合、固定部21は、マグネットベース211を有さず、ボルト等によって基台11に固定される。
【符号の説明】
【0034】
1 ギア装置、2 バックラッシュ測定装置、11 基台、12 軸受、13 第1歯車、14 軸受、15 第2歯車、21 固定部、22 歯車規制部、23 ダイヤルゲージ、131 回転体、132 回転軸、133 歯部、134 溝、151 回転体、152 回転軸、153 歯部、154 溝、211 マグネットベース、212 脚部、213 筐体、214 ハンドル、215 脚部本体、216 連結部、221 移動棒、222 歯車規制本体、223 ハンドル、244 溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7