(54)【発明の名称】ニューマチック式のブレーキ装置用の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムおよび電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを作動させる方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)が、第1の制御弁入力接続部(14)と第2の制御弁入力接続部(16)と制御弁出力接続部(18)とを有する制御弁装置(12)と、別の第1のシャトル弁入力接続部(22)と別の第2のシャトル弁入力接続部(24)と別のシャトル弁出口接続部(26)とを備えた別のシャトル弁(20)と、第1の弁装置入力接続部(30)と第2の弁装置入力接続部(32)と弁装置出力接続部(34)とを備えた弁装置(28)とを有し、
前記別の第1のシャトル弁入力接続部(22)が、前記制御弁出力接続部(18)に接続されており、
前記別の第2のシャトル弁入力接続部(24)が、前記弁装置出力接続部(34)に接続されており、
前記別のシャトル弁出力接続部(26)が、トレーラ制御モジュール(36)に接続可能である、
請求項1記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記弁装置(28)が、互いに対して並列に接続された2つの2ポート2位置弁として形成されている、請求項1または2記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記制御弁出力接続部(18)が、前記第1のシャトル弁入力接続部(40)に対して並列に前記別の第1のシャトル弁入力接続部(22)に接続されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記制御弁装置(12)が、弁座(46)と弁座シール部(48)とを有し、該弁座シール部(48)が、前記制御弁装置(12)の所定の切換位置で前記弁座(46)に密に接触している、請求項1から5までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記制御弁装置(12)が、別の弁座(50)と別の弁座シール部(52)とを有し、該別の弁座シール部(52)が、前記制御弁装置(12)の別の切換位置で前記別の弁座(50)に密に接触している、請求項5記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記制御弁装置(12)が、シールエレメント(54)と、チャンバ(56)内に配置された弾性的なエレメント(58)とを有し、前記シールエレメント(54)が、前記チャンバ(56)を前記制御弁装置(12)の切換室(60)に対してシールしている、請求項1から7までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記制御弁装置(12)が、チャンバ(56)内に配置された弾性的なエレメント(58)を有し、前記チャンバ(56)が、前記制御弁装置(12)の切換室(60)に接続されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記別のシャトル弁(20)が、ばね弾性的なエレメント(62)を有し、該ばね弾性的なエレメント(62)が、前記別のシャトル弁(20)の安定的な切換位置を規定している、請求項2から9までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記別のシャトル弁(20)が、第1の弁座(64)と第1の弁座シール部(66)と第2の弁座(68)と第2の弁座シール部(70)とを有し、前記別のシャトル弁(20)の第1の切換位置で前記第1の弁座シール部(66)が、前記第1の弁座(64)に密に接触しており、前記別のシャトル弁(20)の第2の切換位置で前記第2の弁座シール部(70)が前記第2の弁座(68)に密に接触している、請求項2から10までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
前記制御弁出力接続部(18)と前記第1のシャトル弁入力接続部(40)とに対して並列に接続部(122)が設けられており、該接続部(122)を介して、電気的に操作可能なパーキングブレーキを手動式に解除するために圧縮空気が供給されるようになっている、請求項1から11でのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)。
請求項1から12までのいずれか1項記載の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)を作動させる方法において、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)を解除するために、リレー弁(108)のリレー制御入力部(112)を通気することを特徴とする、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム(10)を作動させる方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューマチック式(空気圧式)のブレーキ装置用の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムであって、第1の制御弁入力接続部と第2の制御弁入力接続部と制御弁出力接続部とを有する制御弁装置と、前記第1の制御弁入力接続部に接続された供給弁と、前記第2の制御弁入力接続部に接続された制御・空気逃し弁装置とを備えた、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムに関する。
【0002】
本発明はさらに、本発明による電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを作動させる方法に関する。
【0003】
たとえば独国特許第102008007877号明細書に基づき公知であるような、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムは、所要の構成要素として、特に双安定性の制御弁装置と、セレクトロー弁とを有していてよい。この場合、セレクトロー弁は出力側で、制御弁装置のニューマチック式の制御入力部に接続されていてよい。これに相応して、従来の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムは、複雑な構造を有し、しかも製作が困難である。
【0004】
本発明の根底を成す課題は、同じ機能性を維持したまま、あまり複雑ではない構造を有し、かつ製作が容易にされているような、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを提供することである。
【0005】
この課題は、独立請求項の形の各請求項に記載の特徴によって解決される。
【0006】
本発明は、冒頭で述べた形式のパーキングブレーキシステムにおいて、制御弁出力接続部が、シャトル弁の第1のシャトル弁入力接続部に接続されており、シャトル弁のシャトル弁出力接続部が、リレー弁のリレー制御入力部に接続されていることにより構成される。これに関連して、接続は、特に直接に行われ得る。すなわち、間に介在する切換エレメントなしに、たとえば単純なニューマチック管路を用いて行なわれ得る。直接的な接続は、たとえばニューマチック式の接続管路内の単純な弁なしでも行なわれ得る。こうして、圧縮空気を制御弁出力接続部からリレー制御入力部へ導くことができる。この接続に基づき、セレクトロー弁は必要ではなくなり、そしてトレーラテスト機能が必要とされない場合には完全になくなることができる。
【0007】
さらに、別の態様では、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが、第1の制御弁入力接続部と第2の制御弁入力接続部と1つの制御弁出力接続部とを有する制御弁装置と、別の第1のシャトル弁入力接続部と別の第2のシャトル弁入力接続部と1つの別のシャトル弁出口接続部とを備えた別のシャトル弁と、第1の弁装置入力接続部と第2の弁装置入力接続部と1つの弁装置出力接続部とを備えた弁装置とを有し、前記別の第1のシャトル弁入力接続部が、前記制御弁出力接続部に接続されており、前記別の第2のシャトル弁入力接続部が、前記弁装置出力接続部に接続されており、前記別のシャトル弁出力接続部が、トレーラ制御モジュールに接続可能である。こうして、制御弁装置において、1つのニューマチック式の制御入力部を不要にすることができ、手間のかかるセレクトロー弁を、変えられた回路配置に基づいて別のシャトル弁により代えることができる。このシャトル弁は、トレーラテスト機能が所望される場合には、たとえばセレクトハイ弁として形成されていてよい。さらに、制御弁装置においてニューマチック式の制御入力部が不要となったことに基づき、より大きな構成自由度を得ることができる。特に、制御弁装置の制御ピストンを、少数の半径方向シール部材、すなわち特にOリングを用いるだけで、または半径方向シール部材なしに、弁ハウジング内でほぼ摩擦なしに案内することができる。これにより、切換時に克服しなければならない摩擦力を減少させることができ、制御弁装置の切換特性における、温度に関連したばらつきを減少させることができる。温度に関連したばらつきは、使用される半径方向シール部材の、温度に関連した熱膨張差が原因で生ぜしめられ得るので、半径方向シール部材の数が大きくなればなるほど、ばらつき可能性も増大し得る。
【0008】
本発明の有利な実施態様では、弁装置が、3ポート2位置弁として形成されている。弁装置として3ポート2位置弁を使用することにより、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの要求された切換状態の実現が簡単に可能となる。
【0009】
択一的な別の実施態様では、弁装置が、互いに対して並列に接続された2つの2ポート2位置弁として形成されている。このような構成によっても、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの要求された切換状態が実現可能となる。
【0010】
さらに別の実施態様では、制御弁出力接続部が、第1のシャトル弁入力接続部に対して並列に別の第1のシャトル弁入力接続部に接続されている。こうして、トラクタのパーキングブレーキの操作と、トレーラのパーキングブレーキの操作とが互いに別個に独立して実現され得る。この場合、トラクタのパーキングブレーキの制御はシャトル弁出力接続部を介して実現されていてよく、トレーラのパーキングブレーキの制御は別のシャトル弁出力接続部を介して実現されていてよい。
【0011】
さらに別の実施態様では、制御弁装置が、弁座と弁座シール部とを有し、該弁座シール部が、制御弁装置の所定の切換位置で前記弁座に密に接触している。特に半径方向で作用するシール部材ではない弁座シール部は、通常では摩擦力を発生させないので、弁座シール部は、切換特性のばらつきには寄与しない。
【0012】
付加的に、制御弁装置が、別の弁座と別の弁座シール部とを有し、該別の弁座シール部が、制御弁装置の別の切換位置で前記別の弁座に密に接触していてもよい。特に半径方向で作用するシール部材ではない弁座シール部は、通常では摩擦力を発生させないので、弁座シール部は、切換特性のばらつきには寄与しない。
【0013】
さらに別の有利な実施態様では、制御弁装置が、シールエレメントと、チャンバ内に配置された弾性的なエレメントとを有し、前記シールエレメントが、前記チャンバを制御弁装置の切換室に対してシールしている。こうして、制御弁装置の切換特性は、制御弁装置内部の明確に規定された制御面に基づいて決定され得る。
【0014】
また、制御弁装置が、チャンバ内に配置された弾性的なエレメントを有し、前記チャンバが、制御弁装置の切換室に接続されていることも考えられる。チャンバが切換室に接続されていることにより、チャンバと切換室との間のシールのためのシールエレメントを場合によっては不要にすることができるので、制御弁装置の切換特性に影響を与える恐れのある、シールエレメントにより生ぜしめられる温度に関連した摩擦も同じく生じなくなる。
【0015】
さらに別の有利な実施態様では、前記別のシャトル弁が、ばね弾性的なエレメントを有し、該ばね弾性的なエレメントが、前記別のシャトル弁の安定的な切換位置を規定している。こうして、別のシャトル弁の無圧の状態における規定された安定的な切換位置が確保され得る。さらに、こうして電気的に操作可能なパーキングブレーキの投入が加速され得る。なぜならば、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの空気逃しが、制御弁装置と弁装置とを介して同時に行われ得るからである。
【0016】
さらに別の有用な実施態様では、前記別のシャトル弁が、第1の弁座と第1の弁座シール部と第2の弁座と第2の弁座シール部とを有し、前記別のシャトル弁の第1の切換位置で前記第1の弁座シール部が、前記第1の弁座に密に接触しており、前記別のシャトル弁の第2の切換位置で前記第2の弁座シール部が前記第2の弁座に密に接触している。
【0017】
さらに別の実施態様では、前記制御弁出力接続部と前記第1のシャトル弁入力接続部とに対して並列に接続部が設けられており、該接続部を介して、当該電気的に操作可能なパーキングブレーキを手動により解除するために圧縮空気が供給され得る。こうして、故障時、すなわち特に電流消失時には、車両のパーキングブレーキを、付加的な機械的干渉なしに、外部の圧縮空気供給をベースにして、少なくとも一時的に解除することができる。パーキングブレーキの解除は、たとえば車両のレッカ移動のために必要となり得る。前記接続部の位置決めに基づき、考えられ得る構成では、たとえば、前記接続部は標準の作動時には閉じられていて、パーキングブレーキを手動式に解除する目的で、圧縮空気の手動式の供給を可能にするためにはじめて開放されるだけでよい。
【0018】
冒頭で述べた方法は、本発明によれば、トレーラテスト機能を実施するために、前記別のシャトル弁が、前記弁装置を介して圧縮空気接続部に接続されることにより改良される。こうして、本発明による電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの利点および特別な点は、方法の枠内においても実現される。
【0019】
以下に、本発明の特に好適な実施形態を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第1の切換状態で示す図である。
【
図2】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第2の切換状態で示す図である。
【
図3】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第3の切換状態で示す図である。
【
図4】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第4の切換状態で示す図である。
【
図5】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第5の切換状態で示す図である。
【
図6】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第6の切換状態で示す図である。
【
図7】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第7の切換状態で示す図である。
【
図8】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムを第8の切換状態で示す図である。
【
図9】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの別の実施形態を示す図である。
【
図10】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムのさらに別の実施形態を示す図である。
【
図11】電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムのさらに別の実施形態を示す図である。
【
図12】制御弁装置を第1の切換位置で示す図である。
【
図13】制御弁装置を第2の切換位置で示す図である。
【
図14】制御弁装置を第3の切換位置で示す図である。
【
図15】別の実施形態による制御弁装置を第1の切換位置で示す図である。
【
図16】別の実施形態による制御弁装置を第2の切換位置で示す図である。
【
図17】別の実施形態による制御弁装置を第3の切換位置で示す図である。
【
図18】シャトル弁を第1の切換位置で示す図である。
【
図19】シャトル弁を第2の切換位置で示す図である。
【0021】
以下の図面において、同一の構成部分または同形式の構成部分は同じ符号で示されている。
【0022】
図1には、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが第1の切換位置で図示されている。
図1に示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、制御弁装置12および/またはシャトル弁38および/または別のシャトル弁20および/または弁装置28および/または供給弁74および/または空気逃し弁76および/または制御・空気逃し弁装置102を有していてよい。弁装置28および/または供給弁74および/または空気逃し弁76および/または制御・空気逃し弁装置102は、たとえば電気的に操作可能な電磁弁として形成されていてよい。供給弁74は、たとえば電気的に操作可能な2ポート2位置弁として形成されていてよく、かつ供給弁74の休止位置を規定することのできる弾性的なエレメント、たとえばばねを有していてよい。供給弁74の休止位置は、たとえば
図1に図示した切換位置に相当していてよい。空気逃し弁76は、たとえば電気的に操作可能な2ポート2位置弁として形成されていてよく、かつ弾性的なエレメント、たとえばばねを有していてよい。空気逃し弁76の弾性的なエレメントは、空気逃し弁76の休止位置を規定することができる。空気逃し弁76の休止位置は、
図1に図示した空気逃し弁76の切換位置に相当していてよい。図示されていないが、空気逃し弁76と供給弁74とを、1つの3ポート2位置弁にまとめることができる。制御・空気逃し弁装置102は、たとえば電気的に操作可能な3ポート2位置弁として形成されていてよく、かつ弾性的なエレメント、たとえばばねを有していてよい。この弾性的なエレメントは、たとえば制御・空気逃し弁装置102の休止位置を規定することができ、この休止位置は
図1に図示した、制御・空気逃し弁装置102の切換位置に相当していてよい。図示されていないが、制御・空気逃し弁装置102を2つの2ポート2位置弁により代えることができる。弁装置28は、たとえば電気的に操作可能な3ポート2位置弁として形成されていてよく、かつ弾性的なエレメント、たとえばばねを有していてよい。弁装置28の弾性的なエレメントは、たとえば弁装置28の安定的な休止位置を規定することができ、この休止位置は、たとえば
図1に図示した切換位置に相当していてよい。制御弁装置12は、たとえばニューマチック式に操作可能な3ポート2位置弁として形成されていてよい。制御弁装置12は、弾性的なエレメント、たとえばばねを有していてよい。この弾性的なエレメントは、制御弁装置12の安定的な休止位置を規定することができる。たとえば電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の無圧状態において取られる制御弁装置12の安定的な休止位置は、制御弁装置12の、
図1に図示した切換位置に相当していてよい。別のシャトル弁20はセレクトハイ弁であってよく、弾性的なエレメントを有していてよい。この弾性的なエレメントは、無圧状態において別のシャトル弁20の規定された休止位置を規定する。弾性的なエレメントは、たとえばばねとして形成されていてよく、安定した休止位置は、別のシャトル弁20の、
図1に図示した切換位置に相当していてよい。シャトル弁38は同じくセレクトハイ弁として形成されていてよい。シャトル弁38は、別のシャトル弁20と同様に、シャトル弁38の無圧状態において規定された安定した切換位置を保証するために、
図1には図示されていない弾性的なエレメントを有していてよい。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10への圧力供給は、たとえば圧縮空気源を用いて圧縮空気接続部72において実現されていてよい。この圧縮空気接続部72には、たとえば8.5バールの供給圧が提供されていてよい。供給弁74と制御・空気逃し弁装置102と弁装置28とリレー弁108とは、並列に圧縮空気接続部72に接続されていてよい。供給弁74はさらに、供給管路区分82を介して制御弁装置12の第1の制御弁入力接続部(第1の制御弁入力ポート)14に接続されていてよい。制御・空気逃し弁装置102は、通気管路118を介して第2の制御弁入力接続部(第2の制御弁入力ポート)16に接続されていてよい。第1の制御弁入力接続部14および/または第2の制御弁入力接続部16における十分に高い圧力レベルにより、制御弁装置12は、
図1に図示されている第1の切換位置と、
図1には図示されていない第2の切換位置との間で切り換えられ、かつ/または保持され得る。このように圧力誘起された影響付与は、
図1に破線によりシンボリックに示されている。制御弁装置12に存在するニューマチック的な制御面は、第1の切換位置も第2の切換位置も安定的となり得るように寸法設定されていてよい。制御弁装置12の制御弁出力接続部(制御弁出力ポート)18は、たとえば別の第1のシャトル弁入力接続部(第1のシャトル弁入力ポート)22に接続されていてよい。別のシャトル弁20の別の第2のシャトル弁入力接続部(第2のシャトル弁入力ポート)24は、弁装置28の弁装置出力接続部(弁装置出力ポート)34に接続されていてよい。弁装置28は、第1の弁装置入力接続部(第1の弁装置入力ポート)30を介して圧縮空気接続部72に接続されていてよい。制御・空気逃し弁装置102の、
図1には詳しく図示されていない入力接続部は、空気逃し部104に接続されていてよい。同様に、第2の弁装置入力接続部(第2の弁装置入力ポート)32は、別の空気逃し部80に接続されていてよい。
図1に別個に図示されている空気逃し部は、必要に応じて1つの共通の空気逃し部にまとめられ得る。空気逃し部104はさらに、放圧管路106を介して制御弁装置12の弾性的なエレメントを負荷軽減することができる。別のシャトル弁出力接続部(別のシャトル弁出力ポート)26は、トレーラ制御管路分岐部88を介して、供給接続部94と制御接続部96とを有していてよいトレーラ制御モジュール36に接続されていてよい。トレーラ制御管路分岐部88には、圧力センサ90が配置されていてよい。別のトレーラ制御管路分岐部86は、供給管路区分82を起点として別のトレーラ制御モジュール92に通じていてよい。この場合、別のトレーラ制御モジュール92は別の供給接続部98と別の制御接続部100とを有していてよい。別のトレーラ制御管路分岐部86には、前記空気逃し弁76が配置されていてよく、この空気逃し弁76はさらに空気逃し部78に接続されていてよい。トレーラ制御モジュール36および/または別のトレーラ制御モジュール92は、オプショナル(選択的)である。別のトレーラ制御モジュール92なしにトレーラ制御モジュール36を有する、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、
図10に図示されている。トレーラ制御モジュール36なしに別のトレーラ制御モジュール92を有する、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、
図11に図示されている。トレーラ制御モジュール36が存在しない場合、トレーラ制御管路分岐部88は閉じられていてよい。別のトレーラ制御モジュール92が存在しない場合、別のトレーラ制御管路分岐部86は閉じられていてよい。トレーラ制御モジュール36および別のトレーラ制御モジュール92は、オプショナルな外部コンポーネントとみなすことができ、このような外部コンポーネントは選択的に、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10のコンポーネントに加えられ得る。別のシャトル弁20の別の第1のシャトル弁入力接続部22に対して並列に、シャトル弁38の第1のシャトル弁入力接続部(第1のシャトル弁入力ポート)40が制御弁出力接続部18に接続されていてよい。シャトル弁38の第2のシャトル弁入力接続部(第2のシャトル弁入力ポート)42は、接続管路120に接続されていてよく、この接続管路120は、たとえば常用ブレーキの常用ブレーキ圧で負荷されていてよい。シャトル弁出力接続部(シャトル弁出力ポート)44は、リレー弁108のリレー制御入力部112に接続されていてよい。リレー制御入力部112に圧力が加えられると、出力側でリレー弁108に接続されていてよく、かつたとえばトラクタ(けん引車)のパーキングブレーキシリンダ(図示しない)に通じていてよい管路分岐部114および/または別の管路分岐部116に、圧縮空気接続部72からリレー供給管路84を介して圧縮空気が供給され得る。管路分岐部114および別の管路分岐部116における圧力レベルは、たとえば別の圧力センサ110によって検出可能であってよい。必要に応じて、さらに別の圧力センサが、
図1に図示されている電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の種々異なる個所に設けられていてよい。以下に、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の機能について例示的に説明する。
【0023】
電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の
図1に示した第1の切換状態は、パーキング状態に相当していてよい。パーキング状態では、パーキングブレーキが閉じられていてよい。トラクタにとっては、このことは、たとえば無圧のスプリングローディッドブレーキシリンダに相当していてよい。
図1に示した切換状態では、リレー制御入力部112が、シャトル弁38と制御弁装置12と制御・空気逃し弁装置102とを介して空気逃し部104に接続されていてよいので、リレー弁108は、リレー弁108の空気逃し部を介して管路分岐部114と別の管路分岐部116とを空気抜きする。したがって、管路分岐部114と別の管路分岐部116とに接続されたスプリングローディッドブレーキシリンダは、無圧状態になり、すなわち閉じられていてよい。同様に、トレーラ制御管路分岐部88は別のシャトル弁20と弁装置28とを介して、別の空気逃し部80において空気抜きされていてよいので、トレーラ制御モジュール36は、ニューマチック的な圧力信号を受け取らなくなる。トレーラ制御モジュール36にニューマチック的な圧力信号が加えられていないと、このことは、トレーラ制御モジュール36に接続されたトレーラのパーキングブレーキの閉鎖をもたらすことができる。別のトレーラ制御モジュール92は、トレーラ制御モジュール36の制御ロジックに対して逆の制御ロジックを有していてよいので、別のトレーラ制御モジュール92がニューマチック的な圧力信号を受け取ると、この別のトレーラ制御モジュール92に接続されたトレーラは、閉じられたパーキングブレーキを有する。説明を簡単にするために、幾つかの切換状態において、ニューマチック的な制御信号の発生を、トレーラ制御モジュール36についてのみ具体的に説明する。別のトレーラ制御モジュール92は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の
図1に示した切換状態では、別のトレーラ制御管路分岐部86と供給管路区分82とを介して圧縮空気接続部72に接続されていてよい。なぜならば、供給弁74が開放されているからである。供給管路区分82に生ぜしめられる、圧縮空気接続部72からの供給圧は、通常、制御弁装置12を、
図1には図示していない切換位置に切り換えるためには不十分である。
【0024】
管路分岐部114と別の管路分岐部116とに接続されたスプリングローディッドブレーキシリンダを過負荷に対して保護するために、接続管路120は、スプリングローディッドブレーキシリンダに生ぜしめられた常用ブレーキ圧を、第2のシャトル弁入力接続部42に供給することができるので、常用ブレーキの操作は、リレー制御入力部112に生ぜしめられたニューマチック的な圧力信号によって、管路分岐部114と別の管路分岐部116とに接続されたスプリングローディッドブレーキシリンダの相応する開放を自動的にもたらす。こうして、スプリングローディッドブレーキシリンダは、二重負荷に対して、すなわち常用ブレーキと電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10とによる同時の緊締作動に対して、保護され得る。
【0025】
特に制御弁装置12において漏れが生じても、この漏れによって、構造的な原因に基づいて、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の望ましくない開放/切換が生ぜしめられることはない。なぜならば、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10のパーキング状態の間、圧縮空気は、空気逃し部104と別の空気逃し部80とを介して、パーキングブレーキシステムの操作/切換のために重要となる範囲から永続的に導出され得るからである。
【0026】
図2には、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムが、第2の切換状態で示されている。
図2に示した、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、
図1につき説明した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10にほぼ相当していてよい。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの
図2に示した切換状態は、パーキング状態から走行状態への切換プロセス、すなわち閉じられたパーキングブレーキから、開かれたパーキングブレーキへの切換プロセスを表していてよい。
図1に示した切換状態とは異なり、
図2に示した切換状態では、制御・空気逃し弁装置102が、その励磁された切換位置へ、つまり通電された非安定的な切換位置へ切り換えられている。これに相応して、
図2に示した切換状態では、第2の制御弁入力接続部16が、制御・空気逃し弁装置102を介して圧縮空気接続部72に接続されている。この接続の結果、制御弁装置12と別のシャトル弁20およびシャトル弁38との間の範囲に、圧縮空気が流入し得る。この圧力増大により、別のシャトル弁20はトレーラ制御管路分岐部88と別の空気逃し部80との間の接続を遮断し、それと同時に、制御弁装置12とトレーラ制御管路分岐部88との間の接続を解放することができるので、トレーラ制御モジュール36にニューマチック的な圧力信号が到達し得る。同様に、シャトル弁38はリレー制御入力部112に対して、増大する圧力を導くことができるので、リレー弁108は同じく管路分岐部114および別の管路分岐部116の通気を開始することができる。
【0027】
図3には、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの第3の切換状態が示されている。
図3に示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムは、
図1および
図2に基づき既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10にほぼ相当していてよい。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の、
図3に示した切換状態は、
図2に示した切換状態に続いて生ぜしめられ得る。
図2につき説明した、通気管路118を介して行われる圧力増大に基づき、圧力誘発されて、制御弁装置12が、
図3に示した切換位置へ切換られ得る。
図3に示した切換位置では、供給管路区分82が直接に制御弁出力接続部18に接続されている。制御弁装置12が第1の切換位置から第2の切換位置へ切り換えられることにより、利用可能な制御面は、制御弁装置12の、
図3に示した切換位置が安定しかつ自己保持性を有するように変化し得る。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の、
図3に示した切換状態は、開放されたパーキングブレーキに相当していてよく、つまり走行状態に相当していてよい。
【0028】
図4には、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の第4の切換状態が示されている。
図4に示した、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、
図1〜
図3に基づき既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10にほぼ相当していてよい。
図4に示した切換状態は、まず
図1から既知の閉じられたパーキングブレーキ、つまりパーキング状態における無圧のパーキングブレーキシステムを起点としている。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの、
図1から既知の切換状態とは異なり、
図4に示した弁装置28は、開放された切換状態、つまり励磁または通電された切換状態へ切り換えられている。弁装置28の開放により、別の第2のシャトル弁入力接続部24では、圧縮空気接続部72に供給された、たとえば8.5バールの供給圧が生ぜしめられ得るので、別のシャトル弁20は別の第2のシャトル弁入力接続部24とトレーラ制御管路分岐部88との間の接続を開放する。これに相応して、トレーラ制御モジュール36にニューマチック的な制御信号が提供され得る。この制御信号は、トレーラ制御モジュール36に接続されたトレーラのパーキングブレーキの開放をもたらすことができる。こうして、
図4に示した、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の切換状態では、トレーラテスト機能が実現されていてよい。なぜならば、トレーラ制御モジュール36に接続されたトレーラのパーキングブレーキの開放が、トラクタの、管路分岐部114と別の管路分岐部116とに接続されたスプリングローディッドブレーキシリンダの開放とは別個に独立して行なわれ得るからである。
【0029】
さらに、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の、
図4に示した切換状態では、供給弁74と空気逃し弁76とが、そのそれぞれ励磁された切換状態に切り換えられており、つまり通電された、非安定的な切換状態に切り換えられている。こうして、特に別のトレーラ制御管路分岐部86が空気逃し弁78を介して空気抜きされ得る。これにより、別のトレーラ制御モジュール92には、ニューマチック的な制御信号が提供されなくなる。別のトレーラ制御モジュール92の、
図1につき既に説明した、トレーラ制御モジュール36に対して逆の切換ロジックに基づき、このことは、別のトレーラ制御モジュール92に接続されたトレーラのパーキングブレーキの開放をもたらすことができる。この場合にも、別のトレーラ制御モジュール92に接続されたトレーラのパーキングブレーキの開放は、トラクタのパーキングブレーキとは別個に独立して行われ得る。
【0030】
トレーラテスト機能により、トラクタが、そのパーキングブレーキを用いるだけで、つまり第1の管路分岐部114および/または第2の管路分岐部116に接続されたスプリングローディッドブレーキシリンダを用いるだけで、接続されたトレーラを含めてトラクタを安全に保持し得るかどうかを検査することができる。
【0031】
図5には、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの第5の切換状態が示されている。
図5に示した、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、
図1〜
図4から既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10にほぼ相当していてよい。
【0032】
図5に示した、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムの切換状態は、
図3から既知の切換状態に続いて生ぜしめられ、たとえば電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の閉鎖を表していてよい。
図3から既知の切換状態とは異なり、
図5につき説明する切換状態では、供給弁74が遮断されていて、空気逃し弁76が開放されている。すなわち、供給弁74および空気逃し弁76は、それぞれ励磁され通電された、非安定的な切換状態に切り換えられているので、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10からの圧縮空気、特に制御弁出力接続部18の背後の範囲からの圧縮空気は、空気逃し弁78から逃出することができる。こうして、リレー制御入力部112とトレーラ制御管路分岐部88とに提供されたニューマチック的な圧力信号が減少され得るので、この圧力減少の結果、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10によるパーキングブレーキは閉鎖され得る。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10から全ての圧縮空気が排出されるやいなや、供給弁74と空気逃し弁76とは再びその安定的な切換位置へ切り換えられ得るので、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は再び、
図1につき説明した、たとえばパーキング状態を表すことのできる切換状態を取っている。
【0033】
図6、
図7および
図8に図示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、やはり
図1〜
図5から既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムにほぼ相当していてよい。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の、
図6、
図7および
図8に図示した切換状態は、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10によりパーキングブレーキを入れるための、
図5につき既に説明した切換状態の変化形であるとみなされ得る。開放されたパーキングブレーキにおいて、まず供給弁74が閉鎖されると、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の切換状態は、さしあたり維持される。たとえば空気逃し弁76を短時間開放することによって(このことは
図6において、たとえば空気逃し弁76の中間位置により概略的に示されている)、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10から空気逃し弁76を介して圧力が排出されると、リレー制御入力部112とトレーラ制御管路分岐部88とに提供されたニューマチック的な圧力信号および別のトレーラ制御管路分岐部86に提供されたニューマチック的な圧力信号とが、段階的に減少され得る。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10により提供されるニューマチック的な圧力信号を段階的に減少させることにより、パーキングブレーキの段階的な閉鎖が実現されていてよい。
【0034】
同様に、空気逃し弁76が閉鎖された状態のまま供給弁74を短時間開放することにより、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10によって提供されるニューマチック的な圧力信号を段階的に高めることができ、これによりパーキングブレーキを段階的に開放することができる。このことは、たとえば
図7において、空気逃し弁76が閉鎖された状態のまま供給弁74が中間位置をとることによって概略的に示されている。
【0035】
調節された可変の圧力レベルの保持、すなわち電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10により提供された可変のニューマチック的な圧力信号の保持は、たとえば
図8に示されている。前記の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10では、任意の可変の圧力が調節され得る。この圧力は、たとえば8.5バールの供給圧と、たとえば1.0バールの下限圧との間にあってよい。しかし、より低い下限圧が実現可能であってもよい。
【0036】
図9には、電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムのさらに別の実施形態が示されている。
図9に図示した別の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムは、
図1〜
図8から既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10にほぼ相当している。
【0037】
電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の
図9に示した切換状態は、たとえばパーキング位置、つまり閉じられたパーキングブレーキに対応され得る。電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の
図1から既知の構成とは異なり、付加的に接続管路142における接続部122が設けられていてよい。接続管路142は、制御弁出力接続部18と別の第1のシャトル弁入力接続部22との間の接続管路に開口していてよい。特に制御弁装置12と別のシャトル弁20とシャトル弁38との間で、接続管路142の択一的な別の開口位置が可能である。接続部122において圧縮空気を手動式に供給することにより、たとえば電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10の故障時、特に電流消失時に、パーキングブレーキを手動式に開放することができる。
【0038】
図10および
図11には、別の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10が示されている。
図10に図示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、別のトレーラ制御モジュール92なしにトレーラ制御モジュール36を有している。その他の点で、
図10に示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、構造的にも機能的にも、
図1〜
図9から既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムに相当していてよい。
図11に示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、トレーラ制御モジュール36なしに別のトレーラ制御モジュール92を有している。トレーラ制御モジュール36が不要にされ得るので、さらに別のシャトル弁20および/または弁装置28および/または圧力センサ90も不要にされ得る。その他の点で、
図11に示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10は、構造的にも機能的にも、
図1〜
図9から既知の電気的に操作可能なパーキングブレーキシステムに相当していてよい。トレーラテスト機能は、
図11に示した電気的に操作可能なパーキングブレーキシステム10においては、
図4につき既に説明したようにして形式的に実現可能であってよい。別のトレーラ制御モジュール92のニューマチック的な切換ロジックに基づき、パーキングブレーキの投入はこの実施形態ではいつも、制動されていないトレーラによって規定されていてよいので、トレーラテスト機能も不要にされ得る。別のトレーラ制御モジュール92のために提供されたニューマチック的な圧力信号は、圧力センサ144を介して検出可能であってよい。
【0039】
図12〜
図14には、制御弁装置12の第1の実施形態が示されている。図示の制御弁装置12は、第1の制御弁入力接続部14と、第2の制御弁入力接続部16と、制御弁出力接続部18と、放圧管路106とを備えたハウジング124を有する。ハウジング124の内部には、切換ピストン126が制御弁装置12の第1の切換位置と第2の切換位置との間で運動可能に配置されていてよい。切換ピストン126の第1の切換位置は、弁座シール部48が弁座46に密に接触することにより規定されていてよい。第1の切換位置は、
図12に図示されていてよい。第2の切換位置は、別の弁座シール部52が別の弁座50に密に接触することにより規定されていてよい。第2の切換位置は、
図14に図示されていてよい。第1の切換位置と第2の切換位置との間での移行過程では、中間位置が可能となる。中間位置は、たとえば
図13に図示されている。中間位置では、弁座シール部48も、別の弁座シール部52も、それぞれ弁座46もしくは別の弁座50に密に接触していない。この中間位置では、第1の制御弁入力接続部14と第2の制御弁入力接続部16と制御弁出力接続部18とが互いに接続されていてよい。切換ピストン126は、ハウジング124の内部をチャンバ56と切換室60と別の切換室132とに分割していてよい。チャンバ56は、たとえば切換室60に対して、たとえばOリングとして形成されていてよいシールエレメント54によってシールされていてよい。このシールエレメント54は、たとえば切換ピストン126に設けられた第1の突出部128と第2の突出部130とによって保持され得るとともに、切換ピストン126をハウジング124の内部で軸方向に案内することができる。切換ピストン126はさらに、弾性的なエレメント58によって軸方向で第1の弁座46に向かってプリロード(予荷重)をかけられていてよい。制御弁装置12の、
図12〜
図14に示した実施形態では、シールエレメント54だけが、軸方向において
図12に示した第1の切換位置と、
図14に示した第2の切換位置との間での切換ピストン126の移動時に摩擦を生ぜしめる。制御弁装置12の第1の切換位置では、第2の制御弁入力接続部16が制御弁出力接続部18に接続されている。なぜならば、切換ピストン126が上側の範囲においてハウジング124に密に接触しておらず、かつ切換室60を別の切換室132から密に分離していないからである。
図14に示した第2の切換位置では、第1の制御弁入力接続部14が制御弁出力接続部18に接続されている。なぜならば、弁座シール部48が弁座46から引き離されていると同時に、別の弁座シール部52が、別の弁座50に密に接触しているからである。制御弁装置12のこの第1の実施形態では、唯一つのシールエレメント54しか必要とならないので、シールエレメント54の伸長または収縮を生ぜしめる温度差は、制御弁装置12の切換特性にほとんど影響を与えない。
【0040】
図15〜
図17には、制御弁装置12の第2実施形態が3種類の切換位置で示されている。
図15〜
図17に図示した切換位置は、
図12〜
図14から既知の切換位置に相当していてよい。制御弁装置12の第2実施形態は、特に切換ピストン126におけるシールエレメント54が不要となる点で第1実施形態とは異なっている。チャンバ56を切換室60に対して密にシールする代わりに、第1の突出部128だけが維持され、そして
図16に示した中間位置では、非シール性による僅かな空気損失が許容される。こうして、切換ピストン126は軸方向においてほぼ摩擦なしにハウジング124内で運動可能であってよい。チャンバ56と切換室60との間の非シール性は、許容可能である。なぜならば、圧力損失が制御弁装置12の切換過程の間しか問題にならないからである。
【0041】
図18および
図19には、シャトル弁が2種類の切換位置で示されている。図示のシャトル弁は、たとえば
図1〜
図10から既知の別のシャトル弁20に相当していてよい。
図18および
図19に図示した別のシャトル弁20は、別のハウジング134を有する。この別のハウジング134は別の第1のシャトル弁入力接続部22と、別の第2のシャトル弁入力接続部24と、別のシャトル弁出力接続部26とを有する。別のハウジング134の内部には、別の切換ピストン136が軸方向運動可能に配置されていてよい。別の切換ピストン136は、たとえばばね弾性的なエレメント62によって、第1の弁座64に向かってプリロード(予荷重)をかけられていてよい。ばね弾性的なエレメント62は、たとえば単純なばねとして形成されていてよい。別のシャトル弁20の第1の切換位置は、第1の弁座シール部66が第1の弁座64に密に接触することにより規定されていてよい。第1の切換位置は
図18に図示されていてよい。第2の切換位置は、第2の弁座シール部70が第2の弁座68に密に接触することにより規定されていてよい。第2の切換位置は、たとえば
図19に図示されていてよい。別の切換ピストン136は、第1のガイド138および/または第2のガイド140を有していてよい。この第1のガイド138および/または第2のガイド140は、別のハウジング134の内部で別の切換ピストン136を軸方向に案内することができる。第1のガイド138および/または第2のガイド140は、特にシール部として設計されている必要はなく、したがって軸方向における別のシャトル弁20のほぼ摩擦なしの切換を可能にすることができる。第1の弁座シール部66および/または第2の弁座シール部70は、別の切換ピストン136の軸方向の運動時に摩擦なしとなり得る。なぜならば、第1の弁座シール部66および/または第2の弁座シール部70は、第1の弁座64および/または第2の弁座68から引き離されるやいなや、ハウジング134には接触しないからである。
【0042】
前記明細書、図面ならびに特許請求の範囲に記載の本発明の特徴は、それぞれ単独の形でも、任意に組み合わされた形でも、本発明を実現するために重要となり得る。