(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チャーン予測プログラムは、前記ソーシャル・ネットワーク分析モジュールから前記ソーシャル・メトリックを受信し、また前記チャーン予測を生成するチャーン予測モジュールを含む、請求項2に記載のシステム。
前記チャーン予測は、サービス使用メトリック、課金メトリック、顧客サポートに対するコールの数、不平の結果、または人口統計データのうちの少なくとも1つと組み合わせて、前記ソーシャル・メトリックから生成される、請求項3に記載のシステム。
前記少なくとも1つのソーシャル・メトリックは、正味のチャーン実施者の影響力と、チャーン実施者である隣接する加入者の数と、最も近いチャーン実施者に対するホップの数と、チャーン実施者に対するコールの数と、前記最も近いチャーン実施者に対するコールの数と、チャーン実施者に対するコールに対して費やされる時間とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
前記ソーシャル・ネットワーク分析モジュールは、前記結びつきの強さに基づいて加入者の間のチャーン実施者の影響力を伝搬させ、また加入者ごとに正味の影響力を決定する、請求項1に記載のシステム。
前記のチャーン実施者の影響力の前記伝搬は、接続された加入者からの各加入者によって受信される前記影響力が、前記加入者の間の前記結びつきについての前記結びつきの強さに比例しており、受信側主体のものである、請求項6に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、加入者チャーン予測を生成するためのシステムは、データ入力デバイスと、そのデータ入力デバイスに接続された少なくとも1つのプロセッサとを備えている。データ入力デバイスは、ネットワーク・オペレータの少なくとも1人の加入者についての通信を詳述するコール詳細レコードをネットワーク・オペレータから受信することができる。少なくとも1つのプロセッサは、チャーン予測プログラムを実行して、コール詳細レコードに少なくとも基づいて、加入者チャーン予測を生成することができる。
【0004】
一実施形態によれば、チャーン予測プログラムは、コール詳細レコードからソーシャル・メトリック(social metrics)を導き出すソーシャル・ネットワーク分析モジュールを含むことができる。
【0005】
一実施形態によれば、チャーン予測プログラムは、ソーシャル・ネットワーク分析モジュールからソーシャル・メトリックを受信し、またチャーン予測を生成するチャーン予測モジュールを含むことができる。
【0006】
一実施形態によれば、チャーン予測は、少なくとも1つの伝統的なメトリック(metric)と組み合わせてソーシャル・メトリックから生成される。
【0007】
一実施形態によれば、ソーシャル・ネットワーク分析モジュールは、コール詳細レコードの1つまたは複数のコーリング属性に基づいて、接続された加入者の間の結びつきの強さ(tie−strength)を決定することにより、少なくとも1つのソーシャル・メトリックを導き出すことができる。
【0008】
一実施形態によれば、少なくとも1つのソーシャル・メトリックは、正味のチャーン実施者の影響力と、チャーン実施者である隣接する加入者の数と、最も近いチャーン実施者に対するホップの数と、チャーン実施者に対するコールの数と、最も近いチャーン実施者に対するコールの数と、チャーン実施者に対するコールに対して費やされる時間とのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0009】
一実施形態によれば、ソーシャル・ネットワーク分析モジュールは、結びつきの強さに基づいて加入者の間のチャーン実施者の影響力を伝搬させ、また加入者ごとに正味の影響力を決定することができる。
【0010】
一実施形態によれば、チャーン実施者の影響力の伝搬は、受信側主体のものとすることができる。接続された加入者からの各加入者によって受信される影響力は、それらの加入者の間の結びつきについての結びつきの強さに比例していることができる。
【0011】
一実施形態によれば、加入者チャーンの予測を生成するためのコンピュータ化された方法は、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、ネットワーク・オペレータの少なくとも1人の加入者についての通信を詳述するコール詳細レコードを受信するステップと、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、コール詳細レコードに少なくとも基づいて、加入者チャーン予測を生成するステップとを含む。
【0012】
一実施形態によれば、コンピュータ化された方法はまた、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、コール詳細レコードからソーシャル・メトリックを導き出すステップを含むこともできる。
【0013】
一実施形態によれば、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、加入者チャーン予測を生成するステップは、チャーン予測のために少なくとも1つの伝統的なメトリックとソーシャル・メトリックを組み合わせるステップを含むことができる。
【0014】
一実施形態によれば、ソーシャル・メトリックを導き出すステップは、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、コール詳細レコードの1つまたは複数のコーリング属性に基づいて、接続された加入者の間の結びつきの強さを決定するステップを含むことができる。
【0015】
一実施形態によれば、ソーシャル・メトリックは、正味のチャーン実施者の影響力と、チャーン実施者である隣接する加入者の数と、最も近いチャーン実施者に対するホップの数と、チャーン実施者に対するコールの数と、最も近いチャーン実施者に対するコールの数と、チャーン実施者に対するコールに対して費やされる時間とのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0016】
一実施形態によれば、コンピュータ化された方法はまた、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、結びつきの強さに基づいて、加入者の間のチャーン実施者の影響力を伝搬させるステップと、加入者ごとに正味の影響力を決定するステップとを含むこともできる。
【0017】
一実施形態によれば、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、加入者の間のチャーン実施者の影響力を伝搬させるステップは、受信側主体のものとすることができる。接続された加入者からの各加入者によって受信される影響力は、加入者の間の結びつきについての結びつきの強さに比例していることができる。
【0018】
一実施形態によれば、加入者チャーン予測を生成するための方法を実行するためにコンピュータ・プロセッサによって実行されるように適合された命令を記憶する非一時的な、有形なコンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、ネットワーク・オペレータの少なくとも1人の加入者についての通信を詳述するコール詳細レコードを受信するステップを含むことができる。本方法はまた、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、コール詳細レコードに少なくとも基づいて、加入者チャーン予測を生成するステップを含むこともできる。
【0019】
一実施形態によれば、本方法は、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、コール詳細レコードからソーシャル・メトリックを導き出すステップをさらに含むことができる。
【0020】
一実施形態によれば、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、加入者チャーン予測を生成するステップは、チャーン予測のために少なくとも1つの伝統的なメトリックとソーシャル・メトリックを組み合わせるステップを含むことができる。
【0021】
一実施形態によれば、ソーシャル・メトリックを導き出すステップは、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、コール詳細レコードの1つまたは複数のコーリング属性に基づいて、接続された加入者の間の結びつきの強さを決定するステップを含むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、本方法は、コンピュータ・プロセッサの上で実行されるチャーン予測プログラムにより、結びつきの強さに基づいて、加入者の間のチャーン実施者の影響力を伝搬させるステップと、加入者ごとに正味の影響力を決定するステップとをさらに含むことができる。
【0023】
これらの実施形態および他の実施形態は、添付図面を参照して、本明細書における以下の詳細な説明を考慮すると明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、ネットワーク・オペレータ16からのコール詳細レコード14を使用して加入者チャーン予測12を生成するように適合されたコンピュータ化されたシステム10の一実施形態が、示されている。コンピュータ化されたシステム10は、ソーシャル・ネットワーク分析モジュール18と、チャーン予測モジュール20とを含む。ソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、コール詳細レコード14を使用して、ネットワーク・オペレータ16の1人または複数人の加入者22の間のソーシャル・ネットワーク接続を推定する。コンピュータ化されたシステム10は、チャーン・データ24を入力し、このチャーン・データ24は、ネットワーク・オペレータ16によって提供されることもあり、またチャーン予測モジュール20は、チャーン・データ24と、推定されたソーシャル・ネットワーク接続とに少なくとも部分的に基づいて、チャーン予測12を生成する。
【0026】
各コール詳細レコード14は、ネットワーク・オペレータ16の1人または複数人の加入者22の間の通信を詳述する1つまたは複数のコーリング属性25を含んでいる。これらのコール詳細レコード14は、課金目的のためなどにネットワーク・オペレータ16によって一般的に、生成され、また使用される。コール詳細レコード14のコーリング属性25は、例えば、呼び出し側および呼び出される側の識別子と、コール日付と、コール時間と、コール持続時間と、他の詳細のうちでもコール開始およびコール終了のためのセル・タワーのロケーションとを含むことができる。コール詳細レコード14はまた、メッセージの送信側および受信側の識別子と、メッセージ・タイプ(例えば、ショート・メッセージ・サービス(SMS)またはマルチメディア・メッセージ・サービス(MMS))と、メッセージ・サイズとを含むこともできる。
【0027】
上記で考察されるように、コンピュータ化されたシステム10のソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、コール詳細レコード14の中で提供される情報を使用して、ネットワーク・オペレータ16の1人または複数人の加入者22の間のソーシャル・ネットワーク接続の強さを推定することができる。例えば、
図2を参照すると、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、
図1に示されるコール詳細レコード14のうちの、
図1に示されるコーリング属性25に基づいて、加入者22の間の結びつきの強さ26を生成することができる。おのおのの結びつきの強さ26は、通信情報に基づいて、すなわち、
図1に示されるコール詳細レコード14の中で提供される、
図1に示されるコーリング属性25に基づいて、
図1に示されるネットワーク・オペレータ16の2人の加入者22の間の社会的つながりを定量化する。例えば、2人の加入者22の間の結びつきの強さ26は、2人の加入者22の間の、
図1に示される、加入者22の間のコール/メッセージの数、コールの持続時間、メッセージのサイズ、コール/メッセージの方向(例えば、コール/メッセージが、逆方向であったか否か)、コール/メッセージを互いにやりとりする時間、コール/メッセージの日付/時間、他の加入者22との共通接続の数、および/または他の類似した任意のコーリング属性25に基づいたものとすることができる。加入者22の間の結びつきの強さ26を生成するときに、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、
図1に示される1つのコーリング属性25だけでは、2人の加入者22の間の社会的つながりのよい表示を提供することができない場合の瞬間が存在する可能性があるので、複数のコーリング属性25を考慮することが好ましい。
【0028】
図3を参照すると、動作中に、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、ステップ28において、加入者22のおのおのの間のコーリング属性25を最初に正規化することにより、加入者22の間の結びつきの強さ26を生成することができる。これは、異なるスケールを使用して一般的に測定されるコーリング属性25が、無次元のやり方で、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18によって組み合わされることを可能にしている。例えば、コール持続時間は、数分で測定されることもあるが、コール頻度は、月当たりのコールの形で測定されることもある。したがって、コーリング属性25をもっと簡単に組合せ可能にするために、ソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、各コーリング属性25が単位長を有するようにスケーリングし直すことにより、コーリング属性25を正規化することができる。例えば、一実施形態において、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、属性x
iの各観察結果を|x
i|によって割り算することにより、コーリング属性25を正規化することができ、ここでは、すなわち、以下となる。
【0029】
【数1】
これは、単位長を有するように、各属性x
iをスケーリングし直すように動作する。ひとたびコーリング属性25が、ステップ28において正規化された後に、次いで、ステップ30において、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、加入者22のおのおのの間で、正規化された属性x
iの重み付けされた合計xを算出して、任意の2人の加入者22を接続する全体のコーリング属性25の尺度を提供することができる。例えば、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、式、すなわち、
x=α
1x
1+α
2x
2+・・・+α
nx
n;
を使用して、重み付けされた合計xを算出することができ、式中で、
nは、結びつきの強さ26を決定するために使用されているコーリング属性25の数であり、また
α
1、α
2、・・・、α
nは、例えば、履歴データなどから導き出され得る定数である。
【0030】
ステップ32において、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、次いで、加入者22の間の正規化された属性x
iの重み付けられた和xの関数w(x)として、加入者22の間の結びつきの強さ26を算出することができる。関数w(x)は、単調に増加する関数であることが好ましく、その結果、加入者22の間の結びつきの強さ26は、より大きな重み付けられた和xの場合に、より大きくなる。例えば、例示の一実施形態においては、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、
w(x)=1−exp(−x/ε
2)
によって与えられる単調に増加する関数w(x)を使用して、2人の加入者22の間の結びつきの強さ26を決定することができ、式中で、
w(x)は、区間[0,1]に制限され、また
εは、例えば、履歴データなどから導き出される可能性もある飽和のレートを制御する一定のパラメータである。
【0031】
この例示の関数w(x)は、ひとたび強い社会的つながりが2人の加入者22の間で明らかにされた後に、すなわち、結びつきの強さ26が高いことが明らかにされた後に、あるアイデアが、例えば、チャーンすることが、一方の加入者22から他方の加入者22へと伝達されることになるという高い確率が存在するという仮説に基づいている。しかしながら、当業者によって理解されるべきであるように、この例示の関数w(x)は、単に、例証の目的のために提供されているにすぎず、また当業者なら、様々な他の関数が、コーリング属性25を相互に関連づけ、また加入者22の間の結びつきの強さ26を決定するために適切である可能性があることを簡単に理解すべきである。
【0032】
図1に示される結びつきの強さ26と、チャーン実施者データ24とを使用して、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、34において、加入者22に対するチャーン実施者の影響力を決定する。上記で考察されるように、結びつきの強さ26の定量化は、どの複数の加入者22が、互いに親密につながりがあり、またそれゆえに、互いの振る舞いによって影響を受ける可能性がより高いかを測定するための基礎を提供する。
【0033】
例えば、
図4を参照すると、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、結びつきの強さ26を使用して、複数の加入者22の間の影響力Iの伝搬をモデル化して、どのようにして影響力Iが、チャーン実施者36からチャーン実施者36のソーシャル・サークル38へと移動するかと、影響力Iのどの部分が、影響力Iの受信側40によって保持されるかとを定量化することができる。ソーシャル・サークルを通して影響力の伝搬をモデル化するために、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、
図4のグラフの中のノードn
A、n
B、n
C、n
D、・・・、などによって示される加入者22の間の結びつきの強さ26を考慮する。特定のノードn
iと、隣接するノードn
jとの間で、結びつきの強さ26は、t
ijとして量子化されることもある。例えば、ノードn
Aと、ノードn
Bとの間の結びつきの強さ26は、t
ABとして量子化され、また上記で考察される単調に増加する関数w(x)を使用して、加入者ノードn
Aと、加入者ノードn
Bとの間の、
図1に示されるコーリング属性25の関数として算出されることもある。2人の加入者22の間の、
図1に示されるコーリング属性25が、それらの加入者22の間で方向性がないので、結びつきの強さ26は、方向性がなく、すなわち、t
ij=t
jiである。
【0034】
ひとたび結びつきの強さ26が、定量化された後に、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、式、すなわち、
【0035】
【数2】
を通して、ノードn
iに入るすべての結びつきについての結びつきの強さの量の合計T
iに対するノードn
iと、ノードn
jとの間の結びつきの強さの量t
ijの割合として、ノードn
jからのノードn
iによって受信される影響力I
ijを決定することができ、式中で、
I
jは、ノードn
jにおける影響力であり、
【0036】
【数3】
であり、また
N
iは、ノードn
iのすべての隣接ノードの組である。
【0037】
例えば、さらに
図4を参照すると、そこではノードn
Aは、影響力Iを有するチャーン実施者36であり、ノードn
Aからのノードn
Bによって受信される影響力は、以下、すなわち、
【0038】
【数4】
のように定量化されることもある。
【0039】
ノードn
iによって受信される全体の影響力I
iは、ノードn
iの隣接ノードのすべてから受信される影響力のすべての合計であり、また式、すなわち、
【0040】
【数5】
によって与えられる。それゆえに、
図4の例示の実施形態に沿って、ノードn
Bは、2つのやり方で、I
BAとしてノードn
Aから直接的に、I
CAとしてノードn
Aから影響力Iの一部分を受けるノードn
Cを通して間接的に、ノードn
Aから影響力Iの一部分を受けることになるので、ノードn
Bにおける全体の影響力は、I
B=I
BA+I
BCである。ノードn
Bが、ノードn
Aと、ノードn
Cとから受ける影響力の量は、ノードのおのおのの間の相対的な結びつきの強さ26のために、異なっている。受け取っている加入者22のおのおのは、上記で考察される式に従って、受け取られる影響力の一部分を保持し、また次いで、その保持された影響力を隣接する加入者22に対して渡すことになる。例えば、加入者ノードn
Eは、ノードn
Cとノードn
Dとを経由して、ノードn
Aのチャーン・イベントの影響力Iの一部分を受けることになる。影響力Iのこの伝搬は、保持された影響力が、無視可能な量に到達し、例えば、保持された影響力が、ゼロに近づくまで、または加入者22の間のホップの最大の所定の数が、到達されるまで、続くことになる。例えば、ホップの最大の所定の数は、加入者22の間の3つのホップ、または4つのホップに設定されることもある。いくつかの実施形態においては、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、ホップの数および/または時間とともに伝搬させられる影響力の量を減衰させるためのパラメータを含むこともできる。さらに、いくつかの実施形態においては、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、非対称な結びつきの強さ26を有する影響力の伝搬についての方向性を考慮することもできる。
【0041】
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18はまた、特定の加入者22が、1回よりも多く同じ隣接する加入者22からの同じチャーン・イベントによって影響を受けないように、影響力Iの伝搬を制限することもできる。さらに、当業者によって理解されるべきであるように、影響力Iを伝搬させるための他の制限および/または制約条件は、加入者22の間の社会的な結びつきの望ましいモデルに応じて、ソーシャル・サークル38を通して影響力Iを伝搬させるときに、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18を通して設定される可能性がある。
【0042】
影響力の伝搬の算出は、
図1に示されるネットワーク・オペレータ16について発生するあらゆるチャーン・イベントについて、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18によって反復される。伝搬プロセスの終わりに、それらの加入者22のおのおのは、ソーシャル・サークル38におけるチャーン・イベントのすべてに起因して収集される影響力I
iの正味の量を有することになる。
【0043】
上記で説明される例示の実施形態は、影響力伝搬についての受信側主体のモデルを提供しており、そこでは受信する加入者22によって保持される影響力は、有利なことに、受信する加入者22と、送信する加入者22との間の関係に依存している。例えば、受信する加入者22が、送信する加入者22の親密な友人である場合、受信する加入者22と、送信する加入者22との間の結びつきの強さ26は、同僚や知り合いなど、受信する加入者22の幾人かの他の隣人との結びつきの強さよりも大きくなる。このより大きな結びつきの強さ26は、他の隣人の、例えば、同僚または知り合いのアクションからよりも、送信する加入者22によるアクションからの大きな影響力を受信する加入者22においてもたらすことになる。
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、加入者22の間の結びつきの強さ26を定量化することにより、これらの社会的な違いを説明するように適合化されており、その結果、保持された影響力の全体の量は、すべての彼の隣接する加入者22との結びつきの強さ26に関連して、受信する加入者22が、送信する加入者22とともに有する結びつきの強さ26に対して相対的である。
【0044】
図3に戻って参照すると、ひとたび
図4に示される、加入者22ごとの影響力I
iの正味の量が決定された後に、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、チャーン予測12を決定するためのファクタとして、ステップ42において、チャーン予測モジュール20に対して、
図4に示されるソーシャル・サークル38に基づいて、
図4に示される、加入者22ごとの社会的に関連のあるメトリックを提供することができる。
図4に示される、加入者22ごとの社会的に関連のあるメトリックは、正味の影響力I
i、
図4に示される、チャーン実施者36である隣接するノードn
iの数、
図4に示される、最も近いチャーン実施者36に対するホップの数、
図4に示される、チャーン実施者36に対するコールの数/ボリューム、
図4に示される、最も近いチャーン実施者36に対するコールの数/ボリューム、
図4に示される、チャーン実施者36に対するコールに対して費やされる時間、または
図4に示される、ソーシャル・サークル38から導き出され得る他の類似したソーシャル・データと、
図1に示されるコール詳細レコード14とを含むことができる。
【0045】
さらに、いくつかの実施形態においては、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、ソーシャル・メディア・ウェブサイトからテキストを取り出して、加入者22が、
図1に示される彼らのネットワーク・オペレータ16に向かって有している気持ちについての情報を収集することができる。
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、チャーン予測12を生成するためのさらなるソーシャル・メトリックとして、ソーシャル・ウェブサイトの上で彼らのソーシャル・アイデンティティに対して各加入者22をリンクするこの情報を使用することができる。
【0046】
44において、チャーン予測モジュール20は、
図1に示される伝統的な加入者レベル・メトリック46に追加して、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18によって提供される社会的に関連のあるメトリックに基づいて、チャーン予測12を生成する。
図1に示される伝統的な加入者レベル・メトリック46は、例えば、サービス使用、課金、顧客関係管理データ(例えば、顧客サポートに対するコール、不平の結果、人口統計データなど)を含むことができる。チャーン予測12を生成するために、チャーン予測モジュール20は、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18によって提供される社会的に関連のあるメトリックと、
図1に示される任意の伝統的な加入者レベル・メトリック46とを顧客のチャーンを予測するための伝統的なマシン学習アルゴリズムまたはプロセスにおける予測変数として組み込むことができる。例えば、ロジスティック回帰、デシジョン・ツリー、ランダム・フォレストなど、いくつかの異なる分類アルゴリズムとプロセスとが、可能性のあるチャーン実施者として加入者22を分類するために使用されることもある。チャーン予測モジュール20の分類プロセスは、トレーニング・データ・セットを用いて開始することができ、ここでは、ターゲット変数の値は、加入者22について、すなわち、
図4に示される、各加入者が、チャーン実施者36であるか否かについて、知られている。それらのプロセスは、トレーニング・データを使用して、予測の間の関係を評価することができる。次いで、チャーン予測モジュール20は、学習されたモデルを使用して、予測変数を入力し、また評価して、特定の加入者が、チャーンする、より高い傾向、またはより低い傾向を有するか否かを示すチャーン予測12を生成することができる。
【0047】
チャーン予測12は、可能性のあるチャーン実施者、または非チャーン実施者として各加入者22をただラベル付けするのではなくて、各加入者22が、チャーンすることになる確率を示すことができ、その結果、加入者22は、チャーンする、高い可能性または傾向から低い可能性または傾向へと順序付けられることもある。そのような順序付けを用いて、ネットワーク・オペレータ16は、有利なことに、チャーンすべき最も高い可能性または傾向を有する限られた数の加入者22をターゲットにする残留キャンペーンを進展させることができる。
【0048】
本明細書において説明される、
図1に示されるコンピュータ化されたシステム10は、必要な電子機器と、ソフトウェアと、メモリと、ストレージと、データベースと、ファームウェアと、ロジック/状態機械と、マイクロプロセッサと、通信リンクと、ディスプレイまたは他のビジュアルもしくはオーディオのユーザ・インターフェースと、印刷デバイスと、本明細書において説明される機能を実行し、かつ/または本明細書において説明される結果を達成する他の任意の入出力インターフェースとを有する。例えば、
図5を参照すると、コンピュータ化されたシステム10の例示の一実施形態は、ネットワーク・インターフェース・ユニット48を通してネットワーク・オペレータ16に接続されて示されている。コンピュータ化されたシステム10は、少なくとも1つの中央演算処理装置(CPU:central processing unit)50と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)54およびリード・オンリー・メモリ(ROM:read−only memory)56を含む、システム・メモリ52と、入出力制御装置58と、1つまたは複数のデータ・ストレージ・デバイス60とを含むことができる。これらの後者の要素のすべては、CPU50と通信していて、上記で考察されるようにコンピュータ化されたシステム10のオペレーションを容易にしている。適切なコンピュータ・プログラム・コードが、両方が
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18、およびチャーン予測モジュール20に関連して上記で考察されるこれらの機能を含めて、非常に多数の機能を実行するために提供されることもある。コンピュータ・プログラム・コードは、CPU50が、入出力制御装置58を経由してコンピュータ周辺デバイス(例えば、ビデオ・ディスプレイ、キーボード、コンピュータ・マウスなど)とインターフェースすることを可能にする、オペレーティング・システム、データベース管理システム、「デバイス・ドライバ」などのプログラム要素を含むこともできる。
【0049】
CPU50は、1つまたは複数の従来のマイクロプロセッサや、数値演算コプロセッサなど、1つまたは複数の補助コプロセッサなどのプロセッサを備えていることができる。CPU50は、ネットワーク・インターフェース・ユニット48と通信しており、このネットワーク・インターフェース・ユニット48を通して、CPU50は、ネットワーク・オペレータ16および/または他のサーバやユーザ端末など、他のデバイスと通信することができる。ネットワーク・インターフェース・ユニット48は、例えば、他のプロセッサ、サーバ、またはオペレータとの同時通信のための複数の通信チャネルを含むことができる。互いに通信しているデバイスは、互いに絶えず送信している必要はない。それとは逆に、そのようなデバイスは、必要に応じて互いに送信する必要があるだけであり、実際には、ほとんどの時間にデータを交換することを控える可能性もあり、またデバイスの間で通信リンクを確立するために実行されるべきいくつかのステップを必要とする可能性もある。
【0050】
CPU50は、データ・ストレージ・デバイス60と通信している。データ・ストレージ・デバイス60は、磁気メモリ、光メモリ、および/または半導体メモリの適切な組合せを備えていることができ、また例えば、RAM、ROM、フラッシュ・ドライブ、コンパクト・ディスクなどの光ディスク、および/またはハード・ディスクもしくはハード・ドライブを含むことができる。CPU50と、データ・ストレージ・デバイス60とは、おのおの、例えば、単一のコンピュータまたは他のコンピューティング・デバイスの内部に完全に位置しており、あるいはUSBポート、シリアル・ポート・ケーブル、同軸ケーブル、イーサネット・タイプ・ケーブル、電話回線、無線周波数トランシーバ、他の類似したワイヤレスまたは有線の媒体、上記のものの組合せなどの通信媒体によって互いに接続されていることもある。例えば、CPU50は、ネットワーク・インターフェース・ユニット48を経由して、データ・ストレージ・デバイス60に接続されていてもよい。
【0051】
データ・ストレージ・デバイス60は、例えば、プログラムによって必要とされる情報を記憶するために利用され得る情報を記憶するように適合された1つまたは複数のデータベース、コンピュータ化されたシステム10のためのオペレーティング・システム、および/または
図1に示される、チャーン予測12を生成するようにCPU50に指示するように適合された1つまたは複数のプログラム(例えば、コンピュータ・プログラム・コードおよび/またはコンピュータ・プログラム製品)を記憶することができる。オペレーティング・システムおよび/またはプログラムは、例えば、圧縮されたフォーマット、コンパイルされていないフォーマット、および/または暗号化されたフォーマットで記憶されることもあり、またコンピュータ・プログラム・コードを含むこともできる。コンピュータ・プログラム・コードの命令は、ROM56から、またはRAM54からなど、データ・ストレージ・デバイス60以外のコンピュータ読取り可能媒体から、プロセッサのメイン・メモリへと読み取られることもある。プログラムにおける命令のシーケンスの実行が、本明細書において説明されるプロセス・ステップを実行するようにプロセッサにさせるが、ハード・ワイヤード回路は、本発明のプロセスの実装形態のためのソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、使用されることもある。したがって、本発明の実施形態は、ハードウェアと、ソフトウェアとのどのような特定の組合せに限定されることはない。
【0052】
プログラムはまた、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスなどのプログラマブル・ハードウェア・デバイスの形で実施されることもある。プログラムはまた、様々なタイプのコンピュータ・プロセッサによる実行のためのソフトウェアの形で実施されることもある。実行可能コードのプログラムは、例えば、コンピュータ命令の1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックを含むこともでき、これらのコンピュータ命令は、例えば、オブジェクト、プロシージャ、プロセスまたは関数として組織化されることもある。それにもかかわらず、識別されたプログラムの実行ファイルは、物理的に一緒に位置している必要はないが、論理的に一緒に結合されるときに、プログラムを含む異なるロケーションに記憶される別個の命令を含み、また
図1に示されるチャーン予測12を生成することなどのプログラムのための述べられている目的を達成することができる。一実施形態において、実行可能コードのアプリケーションは、多数の命令のコンパイル結果とすることができ、また異なるプログラムの間で、またいくつかのデバイスを通して、いくつかの異なるコードのパーティションまたはセグメントの上で配信されることさえもある。
【0053】
本明細書において使用されるような用語「コンピュータ読取り可能媒体」は、実行のためのコンピュータ化されたシステム10のCPU50(または本明細書において説明されるデバイスの他の任意のプロセッサ)に対して命令を提供し、または提供することに参加する任意の媒体のことを意味している。そのような媒体は、それだけには限定されないが、不揮発性媒体および揮発性媒体を含めて、多数の形態を取ることができる。不揮発性媒体は、例えば、メモリなど、光ディスク、磁気ディスク、または光磁気ディスクを含んでいる。揮発性媒体は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM:dynamic random access memory)を含んでおり、このダイナミック・ランダム・アクセス・メモリは、一般的に、メイン・メモリを構成している。コンピュータ読取り可能媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピー・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD−ROM、DVD、他の任意の光媒体、パンチ・カード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ)、フラッシュ−EEPROM、他の任意のメモリ・チップまたはメモリ・カートリッジ、あるいはコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
【0054】
様々な形態のコンピュータ読取り可能媒体は、実行するためのCPU50(または本明細書において説明されるデバイスの他の任意のプロセッサ)に対する1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを搬送する際に関与する可能性がある。例えば、命令は、最初に、リモート・コンピュータ(図示されず)の磁気ディスクの上に保持されていることもある。リモート・コンピュータは、命令をそのダイナミック・メモリへとロードし、またイーサネット接続、ケーブル回線、またはモデムを使用した電話回線の上でさえも、命令を送信することができる。コンピューティング・デバイス(例えば、サーバ)に対してローカルな通信デバイスは、それぞれの通信回線の上でデータを受信し、またCPU50のためのシステム・バスの上にデータを配置することができる。システム・バスは、データをメイン・メモリへと搬送し、このメイン・メモリから、CPU50は、命令を取り出し、また実行する。メイン・メモリによって受信される命令は、オプションとして、CPU50による実行の前に、または実行の後のいずれかに、メモリに記憶されることもある。さらに、命令は、電気信号、電磁気信号、または光信号として、通信ポートを経由して受信されることもあり、これらの信号は、様々なタイプの情報を搬送するワイヤレス通信またはデータ・ストリームの例示の形態である。
【0055】
コンピュータ化されたシステム10は、有利なことに、チャーン実施者がネットワーク・オペレータから会員登録を解除する前に、可能性のあるチャーン実施者を検出する努力の中で、伝統的なチャーン予測のシステムおよび方法とソーシャル・ネットワーク分析の概念を統合する、電気通信サービスにおける顧客チャーンを予測するシステムおよび方法を提供する。
図4に示される結びつきの強さ26と、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18によって開発される影響力伝搬モデルとは、
図1に示されるマシン学習ベースのチャーン予測モジュール20の中に有益に統合されて、チャーン予測精度を改善することができる。ひとたび可能性のあるチャーン実施者が識別された後に、彼らは、次いで、残留キャンペーンなどを用いてターゲットにされることもある。
【0056】
さらに、コンピュータ化されたシステム10のシステムおよび方法は、有利なことに、サービスのアップセリング、サービスのクロスセリング、アプリケーションのダウンローディングなど、
図1に示される、加入者22に影響を及ぼす可能性のある様々な社会的現象について、モデル影響力拡散に適用されることもある。例えば、
図1に示されるソーシャル・ネットワーク分析モジュール18は、新しいサービスおよび/またはアプリケーションの場合に、
図1に示される現在の加入者22をよりよくターゲットにするように実施されることもある。
【0057】
本発明は、その詳細な実施形態に関して示され、また説明されているが、その形態および詳細における様々な変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなしに、行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。