(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333354
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】多機能バルブを有する飲料抜き取り方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20180521BHJP
B67D 1/14 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
B67D1/04 A
B67D1/14 Z
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-500568(P2016-500568)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-510714(P2016-510714A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(86)【国際出願番号】US2014020081
(87)【国際公開番号】WO2014164035
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2017年2月6日
(31)【優先権主張番号】13/793,415
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512300506
【氏名又は名称】コラヴァン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ライダー,マイク
(72)【発明者】
【氏名】ディランツ,オットー
【審査官】
北村 一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0178801(US,A1)
【文献】
米国特許第03272404(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00− 3/04
B65D 83/00;83/08−83/76
F16K 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料抜き取り装置であって、
前記飲料抜き取り装置の構成要素を支持するための基部と、
前記基部に取り付けられた本体と、
近位端から遠位端まで延在する少なくとも1つのルーメンを有する少なくとも1つの針であって、前記針の前記近位端が前記本体に取り付けられ、前記少なくとも1つの針が、閉塞物に対する前記本体の移動によって飲料容器の開口部の前記閉塞物に挿入されるように配置される、少なくとも1つの針と、
前記本体に取り付けられ、前記針に流体結合され、及び、前記少なくとも1つの針の前記近位端で前記少なくとも1つのルーメンに加圧ガスを送達するように配置されたガス源と、
前記ガス源及び前記少なくとも1つの針に流体結合されたバルブであって、前記バルブが前記ガス源から前記少なくとも1つの針へのガス流を許容し且つ前記少なくとも1つの針を介して前記容器から出る飲料の流れを阻止するガス流れ状態と、前記バルブが前記ガス源から前記少なくとも1つの針へのガス流を阻止し且つ前記少なくとも1つの針を介して前記容器から出る飲料の流れを許容する飲料流れ状態と、前記バルブが前記ガス源から前記少なくとも1つの針へのガス流を阻止し且つ前記少なくとも1つの針を介して前記容器から出る飲料の流れを阻止する流れ停止状態と、を含む3つの流れ状態の間で移動可能な制御部分を有するバルブと、を備え、
前記制御部分が前記3つの流れ状態の間を直線経路に沿って移動可能であり、且つ、前記制御部分は、前記飲料流れ状態から、前記流れ停止状態へ、次に前記ガス流れ状態へ直線状に移動可能である、飲料抜き取り装置。
【請求項2】
前記本体に移動可能に取り付けられ、及び、前記3つの流れ状態の間で前記制御部分を移動させるように移動可能であるレバーをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バルブが、前記制御部分を前記飲料流れ状態に移動させるように付勢するばねを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記バルブが前記少なくとも1つの針と飲料出口との間の流れを制御するように動作することができるように前記少なくとも1つの針に流体連通する飲料出口をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
飲料容器ネック部をクランプし、及び、前記基部を前記飲料容器上に支持するために、前記基部に取り付けられて互いに移動可能であるクランプアームの対をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基部に対する前記本体の移動が前記基部に対して前記針を移動させるように前記本体が前記基部に移動可能に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ガス源が、前記少なくとも1つの針に提供されるガスの圧力を調整するために、加圧ガスシリンダ及びレギュレータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの針が、ワインボトルのコルクに挿入されるように、及び、ガスを前記ワインボトル内に送達するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの針が、ワインボトルのコルクに挿入されるように、及び、ワインを前記ボトルから送達するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの針が、ワインボトルのコルクに挿入されるように、ガスを前記ワインボトルに送達するように、及び、ワインを前記ボトルから送達するように構成された単一の針を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記バルブが、段付き内側表面を有するバルブ本体を含み、前記制御部分が、前記バルブを通る流れを制御するために前記バルブ本体の前記段付き内側表面と相互作用するように構成された複数のシールを有するスプールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記段付き内側表面が、第1直径を有する第1部分と、第3直径を有する第3部分と、前記第1及び前記第3部分の間の第2直径を有する第2部分と、を含み、前記第1直径が前記第2及び前記第3直径より大きく、前記第2直径が前記第3直径より大きい、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御部分が第1、第2及び第3シール要素を含み、前記第1、第2及び第3シール要素が、それぞれ前記第1、第2、及び第3部分の各々に接触し、シールを形成するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1部分に流体連通するガスポートと、前記第2部分に流体連通する針ポートと、をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2シール要素が前記ガスポートと前記針ポートとの間の流れを制御する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ワインをワインボトルから抜き取る方法であって、
飲料容器の開口部の閉塞物に少なくとも1つの針を挿入するステップと、
バルブ制御部分を、ばね付勢に対して直線経路に沿ってワイン流れ状態から流れ停止状態へ、次に、バルブが加圧ガス源から前記少なくとも1つの針を通り前記ワインボトル内に至るガスの流れを許容するガス流れ状態に移動させるステップと、
前記バルブ制御部分を、前記直線経路に沿って前記ガス流れ状態から前記流れ停止状態へ、次に、前記少なくとも1つの針を通るガスの流れが止められてワインが前記ボトルから前記少なくとも1つの針を通り飲料出口へ流れる前記ワイン流れ状態に移動させるステップと、
前記バルブ制御部分を、前記直線経路に沿って、前記少なくとも1つの針を通るガスの流れが止められて前記ボトルから前記少なくとも1つの針を通るワインの流れが止められる前記流れ停止状態に移動させるステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記バルブ制御部分を移動させる前記ステップが、飲料抜き取り装置のレバーをそれぞれの前記バルブの状態に対応する位置に位置付けるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記レバーを離して、前記レバーが前記ばね付勢によって前記ワイン流れ状態に移動することを許容するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、例えばワインボトルからのワインの分配における、容器内からの流体の分配又は抜き取りに関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の態様による1以上の実施形態は、使用者が、ワインなどの飲料を、コルク、栓、弾性隔膜又は他の閉塞物によって密封される容器内から、閉塞物を取り除くことなく引き出す又は抜き取ることを可能にする。場合によっては、そのような容器などからの液体の取り出しは1回又は複数回実行され得るが、容器の密封を維持するために、閉塞物は、各飲料抜き取り中及び抜き取り後、適所に残ったままであり得る。このようにして、飲料はボトルから複数回分配可能であり、また、飲料の品質にほとんど又は全く影響を及ぼすことなく各抜き取りの間の延長された期間にわたり貯蔵可能である。ある実施形態では、飲料に関して活性である空気などのガスは、容器内からの飲料の抜き取り中及び抜き取り後、ほとんど又は全く容器に導入されない場合がある。従って、いくつかの実施形態では、使用者は、コルクを取り除くことも損傷させることもなく、並びに、空気及び他の潜在的損傷ガス及び液体がボトルへ進入することを許容することなく、ワインボトルからワインを引き出すことができる。しかしながら、閉塞物がボトルを再密封するように抜き取り装置をコルク又は他の閉塞物から取り除く能力を全ての実施形態が必要とするわけではない。
【0003】
本発明の一態様では、飲料抜き取り装置は、飲料抜き取り装置の構成要素を支持するための基部と、基部に取り付けられた本体と、を含む。本体は、基部に対して可動であってもよく又は固定されてもよい。少なくとも1つのルーメンを有する少なくとも1つの針が、本体に取り付けられ、近位端から遠位端まで延在し得る。針の近位端は本体に取り付けられてもよく、及び、針は、閉塞物に対する本体の移動により飲料容器の開口で閉塞物を通して挿入されるように配置されてもよい。例えば、本体及び針は、容器にクランプされるか容器に係合され得る基部に対して移動されてもよく、その結果、針は閉塞物を通して挿入される。ガス源が、本体に取り付けられ、針に流体結合され、加圧ガスを針の近位端で少なくとも1つのルーメンに供給するように構成されてもよい。バルブが、ガス源及び少なくとも1つの針に流体結合され、及び、制御部分を有してもよく、制御部分は、ガス流れ状態、飲料流れ状態及び流れ停止状態を含む3つの流れ状態の間で移動可能である。ガス流れ状態では、バルブは、ガス源から少なくとも1つの針へのガス流を許容し且つ少なくとも1つの針を介して容器から出る飲料の流れを阻止する。飲料流れ状態では、バルブは、ガス源から少なくとも1つの針へのガス流を阻止し且つ少なくとも1つの針を介して、例えば本体の飲料出口へ、容器から出る飲料の流れを許容する。流れ停止状態では、バルブは、ガス源から少なくとも1つの針へのガス流を阻止し且つ少なくとも1つの針を介した容器から出る飲料の流れを阻止する。
【0004】
ある実施形態では、制御部分は、3つの流れ状態の間を直線経路に沿って移動可能であってもよく、例えば本体に移動可能に取り付けられたレバーが、制御部分を3つの流れ状態の間で移動させるために使用されてもよい。バルブは、例えば使用者がバルブに触れることなく飲料を分配することができるように、制御部分が飲料流れ状態に移動するように付勢するばねを含み得る。バルブの制御部分は、飲料流れ状態から流れ停止状態へ、次にガスオン状態へ直線状に移動可能であってもよく、それによって使用者によるバルブの簡単な操作が可能になる。
【0005】
装置は、基部に取り付けられたクランクアームの対を含んでもよく、クランクアームは、飲料容器ネック部をクランプし、基部を飲料容器上で支持するように互いに移動可能である。例えば、クランプアームは、ボトルネック部をクランプするようにばね付勢されてもよく、及び/又は、アームをネック部に係合した状態でロックするロック機構を含んでもよい。本体は、基部に対して移動可能に取り付けられてもよく、それによって、基部に対する本体の移動が基部に対して針を移動させるようにする。これは、基部がボトルにクランプされ得るので、コルク又は他の閉塞物に針を挿入するときに便利であり得る。
【0006】
ガス源は、少なくとも1つの針に提供されるガスの圧力を調整するために、加圧ガスシリンダ及びレギュレータを含んでもよい。従ってバルブがガスオン状態に置かれるとき、ガスは容器内部に提供され得るが、調整された圧力であり、その結果、使用者はガスの入力を厳密に制御しなくてもよい。上に記載されるように、少なくとも1つの針は、ガスをワインボトルに送達するために、及び、ボトルからワインを送達するために、ワインボトルのコルクに挿入されるように構成された単一の針を含んでもよい。
【0007】
バルブは、段付き内側表面を有するバルブ本体を含んでもよく、制御部分は、バルブを通る流れを制御するためにバルブ本体の段付き内側表面に相互作用するように構成された複数のシールを有するスプールを含んでもよい。例えば、段付き内側表面は、第1直径を有する第1部分と、第3直径を有する第3部分と、第1及び第3部分の間の第2直径を有する第2部分と、を含んでもよい。第1直径は第2及び第3直径より大きい場合があり、第2直径は第3直径より大きい場合がある。制御部分は第1、第2及び第3シール要素を含んでもよく、第1、第2及び第3シール要素は、それぞれ第1、第2、及び第3部分のそれぞれに接触しシールを形成するように構成される。従って、制御要素を移動させることによって、シールは、バルブの各部分に対して係合/分離し、バルブ内の流れを制御することができる。1つの構成では、ガスポートが第1部分に流体連通してもよく、針ポートが第2部分に流体連通してもよく、それによって第2シール要素がガスポートと針ポートとの間の流れを制御する。
【0008】
本発明の別の態様では、ワインをワインボトルから抜き取る方法は、飲料容器の開口部の閉塞物に少なくとも1つの針を挿入するステップと、バルブをガス流れ状態に操作するステップであって、ガス流れ状態でバルブは、加圧ガス源から少なくとも1つの針を通りワインボトルに至るガスの流れを許容するステップと、バルブをワイン流れ状態に操作するステップであって、ワイン流れ状態で少なくとも1つの針を通るガスの流れは止められ、ワインがボトルから少なくとも1つの針を通り飲料出口へ流れるステップと、バルブを流れ停止状態に操作するステップであって、流れ停止状態で少なくとも1つの針を通るガスの流れは止められ、少なくとも1つの針を通るボトルからのワインの流れは止められるステップと、を含む。
【0009】
上に記載したように、針は、ワインボトルのコルクに挿入されるように、及び、ガスをワインボトルに送達するように、及び/又は、ワインをボトルから送達するように構成されてもよい。例えばシステムは、針に流体結合され、加圧ガスを針の近位端で少なくとも1つのルーメンに送達するように構成された、加圧ガスシリンダなどのガス源を含んでもよい。容器へのガスの送達は、例えば加圧ガスに針のルーメンを通して飲料を押し出させることによって、飲料が容器から抜き取られることを可能にするか、飲料が容器から流れることを可能にしてもよい。
【0010】
針は、閉塞物から針を引き抜いた後で再密封可能な材料を含む閉塞物とともに使用されるように構成されてもよい。例えば典型的なワインボトルコルクは、ワインをボトルから抜き取るために針がコルクに通されることを許容し、次に針を取り除いた後にガス及び/又は液体がコルクを通って流れないように針を取り除いた後に再密封し得る。
【0011】
装置の様々な例示的な実施形態を以下でさらに示し記載する。
【0012】
本発明の態様を様々な実施形態及び図面を参照して記載する。図面は以下のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】針を飲料容器の閉塞物に導入する準備をした状態にある飲料抜き取り装置の側面断面図を示す。
【
図2】針が閉塞物に通された状態の
図1の実施形態を示す。
【
図3】ガスを容器に導入している
図1の実施形態を示す。
【
図4】容器から飲料を分配している
図1の実施形態を示す。
【
図5】説明的実施形態において装置を直立した向きに支持するためのクランプ装置を有する飲料抜き取り装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態を参照して本発明の態様を以下に記載するが、本発明の態様は、記載される特定の実施形態を考慮して狭く解釈されるべきでないことを理解すべきである。従って本発明の態様は、本明細書に記載される実施形態に限定されない。本発明の様々な態様は単独で及び/又は互いのいずれかの適切な組合せにおいて使用可能であり、従って、様々な実施形態は、特徴のいずれか特定の組合せを必要としていると解釈すべきでないことも理解すべきである。それよりもむしろ、記載される実施形態の1以上の特徴は、他の実施形態の他のいずれかの適切な特徴と組み合わせることができる。
【0015】
図1〜
図4は、本発明の1以上の態様を組み込み得る飲料抜き取り装置1の一実施形態を示す。この例示的なシステム1は、取り付けられた加圧ガス源100(圧縮ガスシリンダなど)を有する本体3を含み、加圧ガス源100は、圧力下(例えば、シリンダから分配される場合2600psi以下)のガスをレギュレータ600に供給する。この構成において、シリンダ100は、ねじ接続によって本体3及びレギュレータ600に固定されるが、以下に及び/又は米国特許第4,867,209号、米国特許第5,020,395号、及び、米国特許第5,163,909号に記載されるものなど、他の構成が可能であり、これらの特許は、ガスシリンダをシリンダレシーバに係合させるための機構に関するそれらの教示に関して参照することによって本明細書に組み込まれる。レギュレータ600は概略的に、細部を省略して示されているが、プリセットされた又は可変の出口圧力にガス圧を調整可能な、様々な市販の、又は、他の単段もしくは多段圧力レギュレータのいずれかであってもよい。レギュレータ600の主機能は、例えば、閉塞物730が押し出されないことを保証するレベルなど、容器700内で形成される圧力が所望のレベルを超えないように、容器700(ワインボトルなど)に送達するのに適切な圧力及び流速でガスを供給することである。
【0016】
この実施形態では、本体3は、レギュレータ600からのガスの流れを制御するように動作可能なバルブ300も含む。バルブ300は3方向トグルバルブであってもよく、3方向トグルバルブは1つの操作ボタンと、容器700へ加圧ガスを選択的に導入し、及び飲料710(ワインなど)を針200を介して容器700から抜き取る機能と、を含む。そのようなバルブ300の動作に関連する詳細は、米国特許第8,225,959号に提供されており、前記特許は参照することによってその全体が組み込まれる。しかしながら、加圧ガス及び飲料の流れを制御する他のバルブ構成が可能であり、それには以下に記載され及び本発明の態様を組み込むものが含まれる。
【0017】
ガスを容器700に導入し、及び、飲料を抜き取るために、本体3に取り付けられた針200が、容器700の開口を密封するコルク又は他の閉塞物730を通して挿入される。この例示的なシステム1は、針先端近くの針側壁に沿って針開口220を有するペン先状のノンコアリング針200を使用する。針200は様々な方法でコルク又は他の閉塞物730に挿入可能であるが、この実施形態では、システム1は、本体3の各レール31を受け入れてその移動を案内する一対のチャネル21を有する基部2を含む。従って、容器閉塞物730に対する本体3及び取り付けられた針200の移動は基部2によって案内可能であり、例えば、本体3は、針200を閉塞物730の内外へ移動するために基部2に対して摺動することができる。加えて、針200の移動は、基部2に取り付けられ且つ閉塞物730の上に配置された針案内部202によって案内されてもよい。基部2に対する本体3の移動を案内する他の構成が可能である。例えば、本体3のチャネル又は他の受入部分に係合する1以上のレールを基部2に設けること、本体又は基部の他方の対応する特徴部(例えばタブ)に係合して滑り移動を可能にする細長いスロット、チャネル又は溝を本体又は基部に設けること、本体と基部とを一緒に接続して針を閉塞物に挿入するための本体の移動を可能にする連結部、及びその他などである。さらに他の実施形態では、本体3は、基部2に対して可動でなくてもよく、互いに固定されてもよい。この場合、針の挿入は、本体及び基部を容器に対して一緒に移動することによって実行され得る。
【0018】
いくつかの実施形態は、基部2は、例えばクランプ、スリーブ、ストラップ又は容器700に係合する他の装置によって、容器700に対して適所に固定又は保持されてもよい。クランプ構成は、一時的すなわち着脱可能に装置1をワインボトルネック部又は他の容器700に固定するために使用され得る。容器700に対する基部2の移動を制限することによって、そのような構成は、閉塞物730に進入する、又は、閉塞物730から引き抜かれるとき、容器700に対する針200の移動を案内する助けとなり得る。あるいは容器700は装置1を掴み、操作することによって操作されてもよい。装置1を容器700に係合するクランプが装置1及び容器700を一緒に確実に保持し得るためである。
【0019】
針200を閉塞物730に挿入するために、使用者は、基部2と容器700とを互いに少なくともいくらか動かない状態に維持しながら、本体3を下方に押してもよい。針200は、基部2に対する本体3の案内される動きによって(例えばレール31及びチャネル21によって)少なくとも部分的にその動きを案内されながら、閉塞物730を通過する。針200が
図2に示されるように適切に挿入されると、針先端の針開口220を、閉塞物730の下及び容器700の密封された空間内に位置付けることができる。次に容器700を、例えば飲料710が閉塞物730の近くまで流れるように、及び、容器700内のあらゆる空気又は他のガス720が閉塞物から離れて流れるように、傾けることができる。次にバルブ300を作動させることによって、及び、シリンダ100からのガスをバルブ300及び針200に流し込み、
図3に示されるように針開口220から出すことによって、加圧ガス120を容器700に導入することができる。その後、加圧ガスの流れを停止し、飲料710が針開口220に流れ込み、針200を通って流れ、
図4に示されるようにバルブ300から分配されることを可能にするように、バルブ300を操作することができる。
【0020】
図5〜
図7は、本発明の態様を組み込む飲料抜き取り装置1の例示的な実施形態を示す。この実施形態は
図1〜
図4の実施形態と操作が似ているが、以下に詳細に記載されるガス及び飲料の流れを制御するためのバルブを含むいくつかの異なる特徴を有する。この実施形態では、本体3はハンドル33を含み、ハンドル33は、針200を容器700のコルク又は他の閉塞物に挿入するために本体3を基部2に対して上下運動で移動するために使用者が掴むことができる。同様に、例えば飲料を出口301から分配するように、及び/又は、ガスを針200を介して容器700へ供給するようにバルブ8を操作するためにレバー32が設けられる。基部2に対する本体3の移動を許容するために、本体3は、T字形断面を有し且つ基部2のT字形受入れスロット又はチャネル21内を移動するように配置されたレール31を含む。しかしながら、上で考察したように、針200の移動を許容しながら本体3及び基部2を係合させる他の構成が可能である。同様に、ガスシリンダカバー101が、シリンダ100を本体3に対して適所に係合及び保持するためにレギュレータ600で本体3にねじ式に係合される。(ガスシリンダカバー101はこの実施形態では、ガスシリンダ100を適所に保持するためにガスシリンダ100を覆い本体3の別の部分とねじ式に係合する一種のキャップである。)このガスシリンダカバー101の構成は、レギュレータ600とねじ式に係合せずカバー101によってレギュレータ600に係合して保持されるガスシリンダ100の使用を可能にする。
【0021】
同じくこの実施形態に含まれるのは、クランプアーム41の対を含むクランプ4であり、クランプアーム41は、装置1をテーブル天板又はカウンター天板などの平らで水平な表面10上で直立した向きに支持するように構成される。この実施形態では、クランプアーム41の最下部分は、本体3の最下部分(この例ではシリンダカバー101の最下部分である)と一緒に表面10に接触する。従って、クランプアーム41及びカバー101は、表面10との3つの接触点を提供し得るが、追加の接触点が提供されてもよい。この実施形態では、表面10に接触するクランプアーム41の最下部分はカバー101の近傍に、比較的近くに配置され、及び、クランプアーム41のより下の表面は、より下の表面の遠位端部が表面10から持ち上げられるように表面10と角度を形成することに留意されたい。この構成は、装置1が前方に倒れることを防止する助けとなり得る。例えば、装置1が直立しながら接触されその結果前方に傾き始めると、クランプアーム41のより下の表面は表面10に接触し、装置1の移動及び完全な転倒を拘束する助けとなり得る。同様に、カバー101は表面10に接触しなくてもよく、代わりに本体3又は基部2の他の部分が装置1を直立した向きに支持するために表面10に接触してもよい。別の構成では、クランプアーム41は単独で表面10に接触し装置1を支持し得る。例えば、クランプアーム41は、装置1の他の部分からの補助なしに装置1を適切に支持するべく表面10に接触する「足」又は他の構造を含み得る。
【0022】
この実施形態では、クランプアーム41は、本体3が基部2に対して最上位置にあるとき、すなわち本体3が基部2に対して可能な限り上方へ移動されるとき、装置1を直立した向きに維持するように配置される。しかしながら、クランプアーム41は、基部2に対する本体3のより上の位置(この位置で本体3は基部2に対してその移動範囲の上半分に位置付けられる)で、又は基部2に対する本体3のいずれかの適切な位置でなど、基部2に対する本体3の他の位置で、装置1を直立した向きに支持するように配置されてもよい。従ってクランプアーム41は、本体3が基部2に対して2つ以上の位置にあるとき装置1を直立した位置に保持することを補助するように配置されてもよい。
【0023】
本発明の態様によれば、1つのバルブが、針に至るガスの流れを制御するように、及び、針から飲料出口に至る飲料の流れを制御するように作動可能であり得る。一実施形態では、バルブは3つの流れ状態、
・バルブが、ガス源から1つの針へ至るガス流を許容し且つ少なくとも1つの針を介した容器から出る飲料の流れを防止するガス流れ状態、
・バルブが、ガス源から針へ至るガス流を防止し且つ針を介して容器から出る飲料の流れを許容する飲料流れ状態、及び
バルブが、ガス源から針へ至るガス流を防止し且つ針を介した容器からの飲料の流れを防止する流れ停止状態、を有し得る。
【0024】
この種の構成は、特に装置が、1つの操作レバー、ノブ又はバルブを制御する他の構成要素を有する場合、飲料抜き取り装置の便利な動作を可能にし得る。例えば、1つの要素の操作により、使用者は、ワインボトルに加圧ガスを充填し、その後ワインをボトルから分配するようにレバーを操作し、続いてワイングラスに分配されたとき、ワインの流れ及び加圧の両方を防止することができる。従って使用者は、ボトルのさらなる加圧及びあり得る「噴き出し(sputtering)」を回避しながら所望量のワインを分配することができる。噴き出しは、使用者が分配中ボトルを直立に回転することを試み、ボトル中の残留圧力が排出され、装置内の一切の残留ワインが排出ガスと道連れにされる場合に起こり得る。また流れ停止状態はガス流れ状態及び飲料流れ状態の間に位置付けられてもよく、その結果、使用者が、ガスを放出する又は飲料の流れを引き起こす危険性を低減した状態でガス又はワインの流れを便利に止めることができるようにする。
【0025】
一実施形態では、バルブは、ガス及び飲料の流れを制御するために直線経路に沿って移動する制御部分を含み得る。そのような構成は、バルブの簡単な操作及び組立てを実現し、並びに、より確実な操作を提供する。一実施形態では、バルブ本体は、異なる直径を有する3つの部分を有する段付き内側表面を含み得る。制御部分はOリングなどの3つのシール要素を有し、シール要素は、それぞれ段付き内側表面の各部分に接触してシールを形成する。この構成は、2つの作動部分を有する段付き内側表面を有するものなど他のバルブ構成より高い製造上の誤差に対する公差を提供し得る。例えば、一実施形態の段付き内側表面は、制御部分のシール要素間の距離の誤差を調整し、プラスチック材料又は他のより少ないクリープ抵抗性の又は変形抵抗性材料の使用を許容する。
【0026】
図8は、本発明の態様を組み込む飲料抜き取り装置1のバルブ8の断面図を示す。この実施形態では、バルブ8は、旋回ピン32aによって本体3に旋回可能に装着されたレバー32によって操作される。従って、操作者は、バルブ本体81内の制御部分82を移動するためにレバー32を、例えば示されるような位置A、B及びCの間で移動して、それによりバルブ8を流れ状態間で切り換えることができる。この実施形態では、レバーの位置Aは飲料流れ状態に対応し、位置Bは流れ停止状態に対応し、位置Cはガス流れ状態に対応する。流れ停止状態位置をガス流れ状態と飲料流れ状態との間に位置付けることによって、使用者は、飲料又はガスの流れを、望まない飲料又はガスの流れを引き起こす危険性を最小にした状態で、簡単に止めることができる。示されないが、レバー32は、レバー32が位置A、B又はCの1つの間で又はそれに対して移動されたときを示すために、戻り止め、インジケータ又は他の装置を含み得る。例えば、戻り止めは、離されると位置A、B又はCのいずれか1つ(又は全て)にレバー32を維持するように動作し得る。従って使用者はバルブ8を流れ状態に配置し、戻り止めは、使用者がレバー32を移動するまでバルブをその状態に維持し得る。あるいは、戻り止めは、レバーをオフ位置B及び/又は飲料流れ位置Aだけに維持するように作動し得るが、ガス流れ位置Cに維持するように動作し得ない。このように、装置1が、非使用時にガスを分配する状態のまま放置される可能性はない。別の実施形態では、レバー32が位置の間で移動されると、「クリッカー」要素(プラスチック又は金属製の弾性フィンガなど)が移動し、クリック音又はスナップ音を生成し得る。結果として、使用者は、バルブ流れ位置変化の可聴性指示を提供され得る。また、この実施形態ではレバー32は、バルブ8を制御するための使用者対話部分が提供されているが、1以上の押ボタン、ハンドル33内に配置されたトリガ(例えば多くの小火器で見られるようなもの)、電気制御式バルブアクチュエータ(ソレノイドなど)、サムホイール及び関連する歯車駆動装置等など、他の構成が可能である。
【0027】
この実施形態では、バルブ本体81は、第1部分81a、第2部分81b及び第3部分81cを有する段付き内側表面を含む。これらの部分81a〜81cは作動部分であり、それらは、流れを制御するために制御部分82のシール要素に接触し、シールを形成する。第1部分81aは、第2部分81b及び第3部分81cよりも大きい直径を有し、第2部分は、第3部分81cよりも大きい直径を有する。ガスポート88は、第1部分81a及びレギュレータ600に接続されたガス供給ライン601と流体連通する。従ってガスポート88は、加圧ガスを第1部分81aにおいてバルブ8に提供可能である。針ポート89は第2部分81b及び針200に流体連通し、従って針ポート89は、ガス流をバルブ8から針200へ導くことができ、及び、ワイン又は他の飲料の流れを針200からバルブ8へ導くことができる。
【0028】
この実施形態では、加圧ガスを容器700へ提供するために及び飲料を容器700から導くために1つの針200が使用されているが、2つ以上の針が使用されてもよく、及び、針はガス流れ又は飲料流れだけを運ぶように構成されてもよい。例えば、一実施形態では、2つの針が使用されて針ポート89に流体結合されてもよい。しかしながら、一方の針は、針ポート89からの流れ経路に、容器への流れ(すなわちガス流)をもっぱら許容する逆止弁を含み、他方の針は、容器から出る流れ(すなわち飲料流れ)をもっぱら許容する逆止弁を含んでもよい。従って、
図8に示されるバルブ8は二重又は多重針実施形態で使用可能である。他の実施形態では、しかしながら、バルブ8は、逆止弁を持たない二重針構成で動作するように修正可能である。代わりにバルブ8は針の中の流れを所望通りに制御可能である。例えば第2部分81bは、ガス針ポートが飲料針ポートと一緒に設けられるように長尺状であり且つ構成されることができる。制御部分82は、第2部分81bと相互作用する2つのシール要素を含むことができ、一方のシール要素は2つの針ポート間に配置され得る一方、他方のシール要素は、
図8のものと同様、ガスポートと第1部分81aとの間に配置され得る。従ってバルブ8はガス流をガス針ポートに提供するように操作可能であるが、追加のシール要素が飲料針ポートに至るガス流を阻止し得る。
図8の実施形態のように、第3シール要素86は飲料針ポートからの飲料の流れを制御し得る。
【0029】
流れ状態の間で移動するとき、スプール構造を有する制御部分82は、バルブ本体81内を直線経路に沿って摺動する。ばね83が、制御部分82を
図8に示される場合の左へ移動するように付勢し、その結果レバー32が離されると、制御部分82は、レバー32が飲料流れ位置Aにある状態で飲料流れ状態に移動するように付勢される。すなわち、レバー32が、
図8に示されるように飲料流れ位置Aにある状態で、第2シール要素85は、バルブ本体81の内側表面の第2部分81bとシールを形成し、その結果、ガスポート88と針ポート89との間の流れが阻止されるようにする。また、第3シール要素86は、第3部分81cとの接触から離れるように位置付けられ、針ポート89及び飲料出口301の間の流れを許容する。従って、レバー32が飲料流れ位置Aにある状態で、バルブ8は飲料が容器700を出ることを許容する。(第1シール要素84は、全ての制御部分82の位置に関し、第1部分81aとシールを形成し、それによりガスポート88からバルブ本体81を出て
図8に示される場合の右へ至る流れが常に阻止されるようにする。)
レバー32が位置Aからオフ位置Bへ移動すると、制御部分82は
図8の右へ摺動し、それにより第3シール要素86が第3部分81cに接触し、針ポート89と飲料出口301との間の流れを阻止するシールを形成するようにする。また、第2シール85は、第2部分81bに接触したままであり、ガスポート88と針ポート89の間の流れを阻止する。従って、針ポート89を出入りする及びガスポート88を出る全ての流れは、流れ停止状態において制御部分82によって阻止される。
【0030】
レバー32がオフ位置Bからガス流れ位置Cへさらに移動すると、第2シール要素85は右へ移動され、それによりシール要素85は第1部分81aに入り第2部分81bとの接触を失う。結果として、ガスポート88と針ポート89との間の流れは開放され、加圧ガスがガス源(レギュレータ600及びシリンダ100)から針200を介して容器700に流れ込むことが許容される。第3シール要素86は右へ第3部分81cに移動するが、第3シール要素86は、レバーがガス流れ位置Cにある(及び制御部分82がガス流れ位置にある)とき、第3部分81cとの接触を維持し、針ポート89から飲料出口301への流れを阻止する。使用者がレバー32を完全に離すことによりばね83が、制御部分82を
図8に示される場合の左へ移動させることが許容され、制御部分82を飲料流れ状態に戻し、レバー32を飲料流れ位置Aに戻す。
【0031】
従って使用者は、ワインなどの飲料を、コルクで栓をされたワインボトルから、最初に少なくとも1つの針を飲料容器の開口のコルク又は他の閉塞物に挿入することによって分配するように装置を操作し得る。上に記載したように、これは、抜き取り装置をワインボトルのネック部にクランプし、装置本体を押し下げ、針をコルクに挿入する必要があり得る。次に、装置バルブがガス流れ状態に移動され、ガス流れ状態でバルブは、ガスシリンダ及びレギュレータなどの加圧ガス源から針を通りワインボトルに至るガス流を許容する。上の例では、これは、レバー32をガス流れ位置Cに移動することによって実行され得る。
【0032】
ボトルが適切に加圧された状態で、バルブはワイン流れ状態に操作(例えば移動)されてもよく、ワイン流れ状態で、針を通るガスの流れは止められ、ワインがボトルから、針を通って装置の飲料出口へ流れる。ここでも、上の例では、これはレバー32を飲料流れ位置Aに移動することによって実行され得る。バルブは飲料流れ位置Aに到達する前にガス流れ位置Cからオフ位置Bに移動されるので、例えば使用者がワインをグラスへ注ぐためにボトルを傾けるとき、ボトルからのガスの放出は低減され得る。バルブが流れ状態間でシフトするとき、ガスポート及び針ポートの両方からの流れが遮断されるためである。
【0033】
所望量のワインが分配された後、バルブは流れ停止状態に操作されてもよく、流れ停止状態で針を通るガスの流れ及び針を通るボトルからのワインの流れの両方は止められる。例えば、ワインをグラスに注ぐ間、使用者はレバー32をオフ位置Bに押し、所望の時点でグラスへのワインの流れを止めてもよい。使用者は次にボトルを直立に回転させレバー32を離し、それによりバルブが飲料流れ状態に移動しボトル内の一切のガス圧を排出することを可能にしてもよい。あるいは、バルブ8を流れ停止状態のまま維持し、使用者が意図的にボトル内のガスを放出するまでガス圧をボトル内に捕捉してもよい。
【0034】
滑らかな壁の外面の、16ゲージ以上のペンシルポイント又はヒューバーポイント針を有する針が、飲料抜き取り中コルクと効果的に密封を形成してガス又は流体の流入又は流出を防止しながらワインボトルコルク又は他の閉塞物に貫入するのに効果的であることが分かっている。さらに、そのような針は、針を引き抜いた後コルクが再密封することを可能にし、そして飲料風味の異常な変化なしに容器及び残った一切の飲料が数か月又は数年間貯蔵されることを可能にする。さらに、そのような針は、ワインボトル及び他の容器で共通して見られるホイルカバー又は他のラッピングに貫入するために使用することができる。従って、針は、閉塞物ばかりでなくホイルカバー又は他の要素に貫入し得、飲料抜き取りの前にホイル又は他のラッピングを取り除く必要性を排除する。他の針プロファイル及びゲージもシステムで使用可能である。
【0035】
上の実施形態では、針案内部202及び針は、針を閉塞物730の中心に貫入させるように位置付けられているが、案内部202の下側開口又は貫通穴は、針をコルク730の中心からずれた位置で導入するように配置されてもよい。これは、システム1が飲料を容器から数回分配するために使用される場合に針が同じ位置で閉塞物730に貫入する可能性を低減し、また針を引き抜いた後、閉塞物730がより良く再密封することを可能にし得る。
【0036】
上の実施形態において使用者は、針を容器の閉塞物に対して挿入/除去するために本体3を基部2に対して真直ぐに移動させる間、手動又は電動駆動機構を使用して針を閉塞物に対して移動させてもよい。例えば、レール31は、歯付きラックを含んでもよく、一方で基部2は、ラックに係合し基部2に対して本体3を移動させる働きをする電動ピニオンギヤを含んでもよい。ピニオンは、使用者操作式ハンドル、モータ又は他の適切な装置によって動力供給されてもよい。別の実施形態では、針は、例えばガスシリンダ100又は他の源からの圧力によって動力供給される空気圧式又は液圧式ピストン/シリンダによって移動されてもよい。
【0037】
飲料抜き取り装置で使用される針は、コルクから材料を除去することなくコルクに通過させることができるノンコアリングチップを有する、滑らかな外壁の円筒状針であってもよい。1つのノンコアリングチップは、コルクを通して通路を拡張させるペンシルチップであるが、偏向チップ及びスタイレット針が適切に作用することも分かっており、代替実施形態で使用されてもよい。ペンシルチップ針は、ペンシルチップの反対側の端部の少なくとも1つの入口及びペンシルチップに近い少なくとも1つの出口からその長さに沿って延びる少なくとも1つのルーメンを好ましくは有する。上に示されるように針出口は、針の遠位端において、しかし針の最先端の近くで針の側壁に位置付け可能である。
【0038】
正しい針ゲージを用いると、針をコルクから取り除いた後に残る通路(ある場合)は標準的な貯蔵条件のもとで流体及び/又はガスの流入又は流出に対して自己密封することが分かっている。従って、針は飲料を抜き取るために閉塞物に挿入し、その後、閉塞物を貫く飲料及びガスの通過が阻止されるように閉塞物が再密封することを可能にしながら取り除くことができる。多数の針ゲージが機能し得るが、好ましい針ゲージの範囲は16〜22ゲージであり、いくつかの実施形態で最適な針ゲージは17〜20ゲージである。これら針ゲージは容器の内側の最少圧力で最適な流体流れを提供し得る一方、繰り返される挿入及び引抜きのあとでさえ許容される低レベルの損傷をコルクに与える。
【0039】
多数の針長さを様々な実施形態で適切に作用するために適合させることができるが、標準的なワインボトルコルクを通過するのに約1.5インチの最小針長さが一般に必要とされることが分かっている。9インチの長さの針を使用してもよいが、いくつかの実施形態の最適な長さの範囲は2〜2.6インチであることが分かっている。針はいずれかの標準的な継手(例えばNPT、RPT、Leur、クイック接続又は標準ねじ)を介して、慣習的な継手又はねじ構成を経由して、直接バルブに流体接続可能であり、又は柔軟性又は剛性チューブなどの介在要素を介してバルブに接続可能である。2つ以上の針が使用されるとき、針長さは同じ又は異なってもよく、0.25インチ〜10インチまで変化してもよい。針の入口/出口の間に距離を作ることは、泡の形成を防止することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、飲料を容器から抜き取るために適切なガス圧力が容器に導入される。例えば、いくつかのワインボトルでは、約40〜50psiの最大圧力を、コルクでの漏出又はコルクの放出の危険がない状態で、ボトルに導入することができることが分かっているが、約15〜30psiの圧力が上手く作用することが分かっている。これら圧力は、コルクの除去もコルク脇の液体及びガスの通過も引き起こすことなくボトル開口のコルク対ボトル密封部の最も弱い部分によってさえよく耐えられ、また比較的速い飲料抜き取りを提供する。いくつかの実施形態でのワイン抜き取りの間の容器内の低い方の圧力限界値は、約0〜20psiであることが分かっている。すなわち、ボトルからの飲料の適切に速い抜き取りを提供するために約0〜20psiの圧力がボトル内に必要とされることが分かっている。単一の17〜20ゲージ針を使用する一例では、ワインボトル内の初期圧力を形成するために30psiの圧力が使用され、初期圧力が約15〜20psiに低下したときでさえ迅速なワインの抜き取りが得られた。
【0041】
加圧ガス源は、多様な不活性ガスのいずれかで充填された多様な調整又は非調整加圧ガス容器のいずれかであることができる。好ましい実施形態では、ガスシリンダは約2000〜3000psiの初期圧力でガスを含有する。この圧力は、いくつかのワインボトルの中身の完全な抜き取りに対して、単一の比較的小型の圧縮ガスシリンダ(例えば長さ約3インチ及び直径0.75インチ)の使用を可能にすることが分かっている。多数のガスが、延長された貯蔵期間にわたり成功裏に試験され、好ましくは使用されるガスはワインなどの容器内の飲料に関して不活性であり、飲料酸化又は他の損傷を保護するように働くことができる。適切なガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオン及びその他を含む。ガスの混合物も可能である。例えば、アルゴンと別のより軽量のガスとの混合物は、ワイン又は他の飲料をアルゴンで覆うことができる一方、より軽量のガスがボトル内の容積を占め、おそらくガスの全体費用を低減することができる。
【0042】
上の実施形態、ガスを容器に導入し飲料を容器から抜き取るために、単一のルーメンを有する単一の針が使用される。しかしながら、他の実施形態では、2つ以上の針を使用してもよく、例えば1つの針はガス送達用であり、1つの針は飲料抜き取り用である。そのような実施形態では、バルブは、ガスの流れを容器に対して開放し、同時に飲料の流れを容器から開放するように作動し得る。針は、同じもしくは異なる直径を有してもよい、又は同じもしくは0.25〜10インチまで変化する異なる長さを有してもよい。例えば、ガスを送達する一方の針は、ボトルからワインを抜き取る他方の針よりも長くてもよい。あるいは、2つのルーメンを有する針を使用可能であり、ここでガスは一方のルーメン内を移動し、飲料は他方のルーメン内を移動する。各ルーメンは別々の入口及び出口を有することができ、出口はガスの循環を防止するためにボトル内で互いに離されてもよい。
【0043】
これら構成要素の多数を、多数の機能を提供する単一の部品又は構成要素に組み合わせてもよい。例えば、針案内部は容器クランプの一部にされてもよい。
【0044】
例示的な実施形態を参照して本発明の態様を示し記載したが、付随の請求項に網羅される本発明の範囲から逸脱することなく本発明において形態及び細部の様々な変更がなされてもよいことが当業者に理解される。