特許第6333361号(P6333361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333361
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】骨接合プレート及び骨接合術用システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20180521BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61B17/80
   A61B17/17
【請求項の数】24
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-513330(P2016-513330)
(86)(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公表番号】特表2016-517787(P2016-517787A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2014059726
(87)【国際公開番号】WO2014184175
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2016年12月5日
(31)【優先権主張番号】102013104887.0
(32)【優先日】2013年5月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512330477
【氏名又は名称】アーアーペー インプランターテ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ロウター,アンドレアス
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−024344(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02422783(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0089648(US,A1)
【文献】 特表平07−504593(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102010041564(DE,A1)
【文献】 国際公開第2012/135860(WO,A2)
【文献】 特表2002−507140(JP,A)
【文献】 特表2011−502574(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0090695(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
A61B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨ネジ(30)用の複数の通し穴(5)を有する骨プレートの形態の第1のセグメント(1)と、
骨ネジ(7)用の少なくとも1つの更なる通し穴(6)と、上半体(18)及び下半体(15)とを有する少なくとも第2のセグメント(2)とを備え、
前記第2のセグメント(2)は、前記第1のセグメント(1)に解除可能に結合可能であり、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとが互いに対して配置される角度を変更することができ、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとは、ネジを前記第2のセグメントの通し穴に挿入し前記上半体と前記下半体とを互いに向かって動かすことにより、互いに対して固定される、骨接合プレート。
【請求項2】
前記第2のセグメント(2)はクリップ状形態を有する、請求項1に記載の骨接合プレート。
【請求項3】
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとは、互いにスナップ係合する、請求項2に記載の骨接合プレート。
【請求項4】
クリップ状の前記第2のセグメント(2)はU字形である、請求項2又は3に記載の骨接合プレート。
【請求項5】
前記第2のセグメント(2)は、前記上半体と前記下半体とを互いに向かって動かすことにより、フォースロック結合によって前記第1のセグメント(1)のウェブ材(21)に締結することができる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の骨接合プレート。
【請求項6】
前記第2のセグメント(2)は、前記第1のセグメント(1)に枢着される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の骨接合プレート。
【請求項7】
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとは、ヒンジ(3)によって互いに可動に結合される、請求項6に記載の骨接合プレート。
【請求項8】
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとは、工具を使用せずに解除及び/又は結合される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の骨接合プレート。
【請求項9】
前記第1のセグメント(1)は、少なくとも1つのヒンジ翼(19)を受ける複数のウェブ材(21)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の骨接合プレート。
【請求項10】
複数のセグメント(1、2)は、ともにつなぎ合わせることができる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の骨接合プレート。
【請求項11】
前記第2のセグメント(2)は、ヒンジ翼(19)を受けるウェブ材(22)を有し、ヒンジ開口を更に有する、請求項10に記載の骨接合プレート。
【請求項12】
前記第1のセグメント及び/又は前記第2のセグメントの少なくとも1つの通し穴は、ネジ山、ネジ加工部、又は変形可能リブを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の骨接合プレート。
【請求項13】
上半体(18)及び下半体(15)を備える骨接合プレート用セグメント(2)であって、
前記骨接合プレート用セグメント(2)は、骨ネジ用の通し穴()を有し、前記骨接合プレート用セグメント(2)は、別のセグメント(1)に解除可能に結合可能であり、前記別のセグメントと前記骨接合プレート用セグメントとが互いに対して配置される角度を変更することができ、
前記骨接合プレート用セグメントは、ネジを前記通し穴に挿入し前記上半体と前記下半体とを互いに向かって動かすことにより、前記別のセグメントに対して固定される、骨接合プレート用セグメント
【請求項14】
別のセグメントのウェブ材(21)に係合するヒンジ翼(19)を備える、請求項13に記載の骨接合プレート用セグメント。
【請求項15】
前記骨接合プレート用セグメントは、ヒンジ翼を受けるウェブ材(22)を備える、請求項14に記載の骨接合プレート用セグメント。
【請求項16】
前記骨接合プレート用セグメントは、骨に当接する凹形下面を有し、及び/又は、
前記骨接合プレート用セグメントは、少なくとも2つの離間したヒンジ翼(19)を有し、及び/又は、
前記上半体(18)及び前記下半体(15)の間に凹部を有するように、前記骨接合プレート用セグメント(2)はU字形であり、前記凹部は前記骨接合プレート用セグメントの閉鎖側に弾性部を画定するように拡大し、及び/又は、
前記骨接合プレート用セグメント(2)は、U字形であり、前記通し穴は、骨に当接することが意図される側の下部にネジ加工がされると共に、反対側の上部に平滑壁(9)を有し、及び/又は、
前記骨接合プレート用セグメント(2)は、ヒンジ翼(19)として形成された開放側を有するU字形断面を有し、及び/又は、
前記骨接合プレート用セグメントは一体形成され、及び/又は、
前記骨接合プレート用セグメントは、金属、チタン、チタン合金、又はステンレス鋼から作られ、及び/又は、
前記骨接合プレート用セグメントはクリップ状形態を有する、請求項13〜15のいずれか1項に記載の骨接合プレート用セグメント。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の骨接合プレートを備えるとともに、前記通し穴に挿入可能であるとともに前記通し穴()に螺入されるネジ山(28)を有するドリルスリーブ(27)を更に備える、骨接合システムであって、
前記ドリルスリーブ(27)は、螺入されるときに前記ドリルスリーブの下端部が前記骨接合プレートの下面を越えて突出するように構成され、前記骨接合プレートととの間の間隔及び/又は前記骨接合プレートの2つのセグメント間の前記角度を調整することを可能にするように、前記通し穴への螺入範囲に応じて前記ドリルスリーブ(27)の前記下端部が前記骨に当接し、又は、
前記ドリルスリーブ(27)によって、セグメントの半体をともに引き寄せ、前記セグメントがフォースロック結合によってウェブ材に固定されている、骨接合システム。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の骨接合プレートと、螺入されるときに前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとを互いに固定する骨ネジ(7)とを備える、骨接合システム。
【請求項19】
前記骨ネジ(7)は、前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントとともに角度の安定した結合をもたらす、請求項18に記載の骨接合システム。
【請求項20】
記通し穴()は前記下半体(15)の少なくとも一部においてネジ加工されており
前記骨接合システムは、ネジ山(12)と支持面を有するネジ頭(24)とを備えるネジ(7)であって、前記ネジ山(12)と前記ネジ頭との間の頭ネジ山(13)を有する、ネジを備え
記頭ネジ山(13)は、前記通し穴の前記ネジ山に係合し、
前記上半体と前記下半体とがともに引き寄せられるように、螺入されるときに前記ネジの前記支持面が前記上半体(18)に当接する、請求項18又は19に記載の骨接合システム。
【請求項21】
前記通し穴に挿入可能なドリルスリーブ(27)を更に備え、
前記ドリルスリーブは、前記上半体と前記下半体とをともに引き寄せる手段を含む、請求項20に記載の骨接合システム。
【請求項22】
前記ネジ(7)は、骨に螺入されるネジ山(12)と、支持面を有するネジ頭(24)とを備え、
前記ネジ頭(24)と前記支持面との間に頭ネジ山(13)が設けられ、前記頭ネジ山の直径は、前記ネジ頭(24)の直径よりも小さく、かつ前記骨への螺入を意図された前記ネジ山(12)の直径よりも大きい、請求項18又は19に記載の骨接合システム
【請求項23】
前記支持面は円錐形である、請求項22に記載の骨接合システム
【請求項24】
前記ネジは骨ネジとして具体化される、請求項20に記載の骨接合システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨接合プレート、骨接合プレート用セグメント、及び骨接合術用システムに関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、プロテーゼ周囲骨折(periprosthetic fractures)の骨接合術及び骨粗鬆症の骨の骨折部に対する支持提供に用いられるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
骨プレートを備える骨接合術用システムが既知である。
【0004】
例えば、特許文献1が骨プレートを開示している。
【0005】
そのような骨プレートは、通常は剛性材料から作られ、特に金属すなわち外科用ステンレス鋼から作られる。骨プレートは、ネジを挿入することができる通し穴(passages)を有する。
【0006】
大抵の場合、骨プレートを骨片に締結するのにネジが使用される。ネジを確実に固定するには、ネジをバイコルチカルに(bicortically)配置するべきである。このために、骨接合システムは種々の長さのネジを備える。
【0007】
プロテーゼ周囲骨折の処置ではいくつかの問題に直面する。この場合、髄管がプロテーゼによって塞がっているので、ネジを皮質骨の両側を貫くように配置することが大抵の場合は不可能である。
【0008】
したがって、この場合、片側皮質骨ネジ(monocortical screws)が使用されることが多い。しかしながら、そのような結合部は機械的な耐久性がはるかに低い。多くの場合、骨プレートとプロテーゼとの間の距離が短いことにより、片側皮質骨ネジを使用することさえできない。したがって、骨の周囲に巻回されるセルクラージュワイヤ(cerclage wires)が利用される。そのような取付け具も優れた機械的安定性を提供せず、また骨膜の損傷を生じる可能性がある。
【0009】
特許文献2は、髄管を迂回して(past)案内されるように骨ネジを側面から挿入することができる、骨プレートに取付け可能な補助部品を備える骨接合システムを開示している。
【0010】
しかしながら、このシステムはかなり不便であり、多くの場合に患者のそれぞれの解剖学的部位に十分に適合せず且つかさばる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010025001号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0262194号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、患者のそれぞれの骨の形状に容易に適合することができる、特にプロテーゼ周囲骨折の処置に用いる骨接合プレート及び骨接合術用システムを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、独立請求項のいずれかに係る骨接合プレート及び骨接合術用システムによってもはや達成される。
【0014】
本発明は、第1のセグメント及び第2のセグメントを備える骨接合プレートに関する。両セグメントのうちの少なくとも一方、好ましくは両セグメントの双方は、骨ネジを通す穴を有する。
【0015】
両セグメントのうちの一方、特に第2のセグメントは、通し穴の代わりに、凹部又は突出部、特に例えばセルクラージュケーブル用の支持点(bearing point)として機能する小穴(eyelet)又は縁側凹部を有することもできる。
【0016】
本発明によれば、第2のセグメントは、第1のセグメントに解除可能に結合可能である。
【0017】
これは、特に差込み結合、スナップ結合、又はスライドオン結合によって第1のセグメントを第2のセグメントに結合することができることを意味する。これにより、適用場所に応じてセグメントを着脱することが可能になり、そのため、セグメントの付加又は除去により、セグメントによって画定される骨接合プレートの基本形状を変更することができる。
【0018】
セグメントは、工具を使用せずに取付け可能であることが好ましく、特に、セグメントを相互接続するのにいかなるネジも使用されないことが好ましい。
【0019】
さらに、第1のセグメントと第2のセグメントとが互いに対して配置される角度を変更することができる。ここで、角度とは、2つのセグメントの表面間の角度を指す。表面が湾曲している場合、この表面に対する任意の接平面を基準として用いることができる。
【0020】
角度は、プレートの平面に対して垂直に、すなわち、表面又は湾曲した表面の接平面に対して垂直に変更することができることが好ましい。
【0021】
角度は、少なくとも10度の範囲内、好ましくは少なくとも20度の範囲内で変えることができることが好ましい。
【0022】
したがって、第1のセグメント及び第2のセグメントが骨接合プレートの部分を形成することと、セグメントが骨の輪郭に適合することとが可能である。
【0023】
セグメントは、セグメント間の角度を変更するように軸に沿って可動であることが好ましい。
【0024】
第2のセグメントは、第1のセグメントに枢動可能に連結される(linked)ことが好ましい。この場合、枢動軸は、第1のセグメントの表面及び第2のセグメントの表面に対して実質的に平行に延び、そのため、第2のセグメントは、第1のセグメントに対して翼のように動くことができる。
【0025】
特に、第1のセグメントと第2のセグメントとは、ヒンジによって枢動可能に結合される。
【0026】
したがって、骨接合プレートの2つのセグメントは、少なくとも1つの自由度、好ましくは厳密に1つの自由度で可動であるように1つの縁に沿って結合される。
【0027】
これにより、剛性材料から作られたセグメントが骨の形状に合致することが可能になる。
【0028】
同時に、1つのみの自由度を有するヒンジ状結合部により、第1のセグメントが、動いたとしても、第2のセグメントに対して最大1つの方向にしか動くことができないことが確実になる。
【0029】
この可動方向は、例えば、その中の骨プレートが骨折部の安定化を意図する骨折部に対して横断方向に堅実な結合部が設けられるように、骨折部に対して平行に延びることができる。
【0030】
特に、第1のセグメントは、複数の通し穴を有する細長い骨プレートの形態で設けられることが考えられる。
【0031】
第1のセグメントの主延在方向から側方に突出するように、骨プレートを画定する細長いセグメントに更なるセグメントを可動に取り付けてもよい。
【0032】
第1のセグメントは、更なるセグメントを可動に取り付けることができる複数の取付け部位を有することが好ましい。したがって、患者の解剖学的状態に応じて、骨プレートを側面側に実質的に延ばすことが可能であり、それにより、例えば、固定時に髄管を回避するために又はより安定な骨構造部を呈する骨の部位にネジを締めるのを可能にするために、固定用のネジを骨プレートに隣接して挿入することができる。
【0033】
本発明の1つの実施形態において、第1のセグメントと第2のセグメントとは、工具を必要とせずに分離及び/又は結合することができるように構成される。
【0034】
特に、骨プレートとして構成されるとともに複数の通し穴を有する第1のセグメントは、ヒンジ開口を受ける複数のウェブ材を有することが考えられる。
【0035】
ウェブ材とは、ヒンジ用のベアリングとして機能することができる骨プレートの部分を指す。
【0036】
さらに、特に、第2のセグメントは、第2のセグメントを第1のセグメントに取り付けるように機能するクランプ状又はフック状のヒンジ開口を有することが考えられる。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態によれば、単純なフックの場合、フックは、骨プレートが骨に密接に支持された確実なフィット状態で第2のセグメントが保持されるように形成されることが考えられる。したがって、ヒンジ状結合部は、組立て状態において容易に解除することができる。これは、例えば、セグメントが互いに対して係合状態の角度に対応しない或る特定の角度に配置されている場合に可能である。ここで、セグメントを互いに対して回転させた場合、フックが第1のセグメントのウェブ材の背後に係合し、それによりセグメントがヒンジのように結合する。
【0038】
セグメントがクリップ状形態を有し、それによりセグメントをウェブ材に対して付勢することができ、セグメントがラッチされるか又は少なくともウェブ材上にクランプされることが更に考えられる。
【0039】
本発明のこの好ましい実施形態は、2つのセグメントが、非適用状態(non-applied state)であっても互いに対して任意の角度で結合されるという利点を有する。その一方で、クリップ型結合部は、使用者によって容易に係脱させることができる。
【0040】
そのようなクリップ状結合部の提供を可能にするには、それぞれのセグメント、好ましくは第2のセグメントをU字形とすることができ、このとき、U字形状の2つの半体を弾性とし、それによりクリップ状ヒンジ翼は、U字形状を拡げた後に適所にスナップ係合させる(snaps)ことによって、セグメントを取付け可能にする。
【0041】
本発明の1つの変更形態において、複数のセグメント、すなわち少なくとも3つのセグメントをともにつなぎ合わせてもよい。
【0042】
このために、第2のセグメントは、ヒンジ開口と、別のヒンジセグメントを取り付けるウェブ材との双方を備えることが特に考えられる。このようにして、履帯のように骨の輪郭に沿うセグメントを並置することにより、固定用領域を側方に拡げることができる。したがって、セグメントによって形成される骨接合プレートは、リンクチェーンのような形態となる。
【0043】
骨は、セグメントのこのようなリンク状チェーンによって全体的に又は部分的に巻回されることが考えられる。
【0044】
第1のセグメント及び/又は第2のセグメントの通し穴は、ネジ加工頭を有する適切なネジを用いて角度の安定した結合をもたらすために、少なくとも部分的にネジ加工されることが好ましい。
【0045】
本発明の1つの改良形態において、第1のセグメントと第2のセグメントとは、互いに対して固定可能である。すなわち、セグメントを互いに対して動かすことができないか又は労力を用いてしか動かすことができないように、セグメントのヒンジ状結合部を組付け状態において係止することができる。
【0046】
これは、1つのセグメントがU字形デザインを有し、骨ネジの螺入時に、U字を画定する半体が互いに押し付けられ、それによりウェブ材上へのフォースロック結合(force-locked connection)がもたらされる場合に特に達成することができる。
【0047】
本発明は、骨接合プレート用セグメント、特に上述した骨接合プレート用セグメントに更に関する。
【0048】
セグメントは、ヒンジ開口を受けるウェブ材を有する。特に、ウェブ材は、ピン状であり、ヒンジ開口を可動に収容するのに十分な空間がウェブ材の周囲にあるように骨プレートの凹部内に位置する。さらに、1つの実施形態において、ウェブ材の端におけるセグメントの材料は、軸方向、すなわちウェブ材の主延在方向において停止部として機能する。
【0049】
1つの実施形態において、セグメントのウェブ材は一体形成される、すなわちウェブ材は例えば固体材料から機械加工プロセスによって製造される。
【0050】
骨接合プレートの全てのセグメントを一体形成することが特に考えられる。これにより、生体適合性材料からの製造が容易になるとともに、いくつかの状況下で骨接合システムから部品が取り外れ得るとともに患者体内に留置され得るリスクが回避される。セグメントは、チタン等の固体材料から機械加工プロセスによって製造することが好ましい。
【0051】
代替的な一実施形態において、ウェブ材は、セグメントに取り付けたピンによって形成することができる。この変形形態では通常は製造がより安価であり、ウェブ材をセグメントの残りの部分とは異なる材料から作ることができる。
【0052】
ヒンジセグメントは上面及び下面を有し、本発明に関して、下面とは、意図した使用中に骨に面する表面を指す。
【0053】
骨の輪郭に近似するために、下面は凹形であることが好ましい。上面は凸形としてもよい。
【0054】
さらに、セグメントは、少なくとも2つの離間したヒンジ開口を有することができる。このようにして、一方のセグメントを他方のセグメントの少なくとも2つのウェブ材に取り付けることができる。
【0055】
これにより、この場合はウェブ材をより短く作製することができ、したがってウェブ材の破断リスクが低減するので、より安定した機械的な結合が可能になる。さらに、クリップ状セグメントの場合、その係合が容易になる。
【0056】
本発明の1つの改良形態において、セグメントはU字形であり、上半体と下半体との間の凹部が、U字の閉鎖側において弾性部を画定するように拡大する。
【0057】
そのため、セグメントの2つの半体間の凹部の高さがU字形部の端において増大する。断面に示されるように、これにより、材料が上半体から角部の周囲で下方へ延びることが可能になる。この延在方向が変化する部分は、下半体及び上半体の前方部分よりも薄い材料で形成され、したがって特にその長さに起因して弾性挙動を示す。
【0058】
骨ネジを締める場合にセグメントを固定するために、1つのセグメントが、U字形であることができるとともに、骨に当接することを意図された下端部がネジ加工された通し穴を有することができる。
【0059】
通し穴の反対側の上端が、骨ネジのネジ山に係合する手段を有しないことが好ましい。具体的には、通し穴の上端は平滑壁を有する。
【0060】
対応する骨ネジが、頭のネジ加工部と、ネジ加工部の上方にある特に円錐形又は球形の支持面とを有する。
【0061】
ここで、頭ネジ山がセグメントのネジ加工部に係合した場合、U字形セグメントは、頭のネジ加工部上方にある平滑壁形状によってともに押し付けられ、隣接するセグメントのウェブ材にクランプされる。
【0062】
ネジ山とは、ネジ型結合を可能にする形状を指す。これは、特に挿入されるネジの角度を変化させるために、ネジ自体によって切削されるか又はネジ山セグメントからなるネジ山を更に包含する場合がある。このようにして、角度の安定した多軸結合が可能になる。
【0063】
本発明に関する平滑壁形状とは、ネジ結合がもたらされない形状を指す。最も単純な場合、平滑壁形状は、ネジ頭が支持される平滑面としてもよい。しかし、好ましくは平滑壁面はテーパーになっており、特に円錐形又は球形のテーパーを有する。
【0064】
本発明は、上述した骨接合プレートと、骨ネジを締める際に骨接合プレートのセグメントが互いに対して固定されるように設計された骨ネジを備える骨接合システムを提供することを可能にする。
【0065】
本発明は、骨プレート又は骨プレートのセグメントを備える骨接合システムに更に関する。骨プレート又はセグメントは、少なくともその一部において2つの層を有し、上半体及び下半体を有する。上半体と下半体とは、互いに対して弾性的に結合され、したがって少なくとも初期状態において間隙によって離間していることが好ましい。セグメント又は骨プレートは、上半体及び下半体を貫通する少なくとも1つの通し穴を有する。
【0066】
通し穴は、骨ネジの挿入を可能にする。
【0067】
通し穴は、少なくともその一部にネジ山が設けられた下半体を有する。
【0068】
本発明に関して、ネジ山とは、軸方向において骨ネジの対応する形状との確実な係止結合をもたらす任意の係合形状を指す。
【0069】
したがって、ネジ山は、例えば単に稜線(ridge)として形成してもよい。
【0070】
さらに、ネジ山は、ネジを挿入する場合にのみ材料に切削加工されることが考えられる。
【0071】
下半体にある通し穴の最小径は、上半体にある通し穴の最小径よりも小さい。
【0072】
骨接合システムは、骨に螺入されるネジ山を有する骨ネジを更に備える。
【0073】
このネジ山は、特に、セルフタッピング先端を有するネジ山としてもよい。
【0074】
さらに、骨ネジはネジ頭を有する。
【0075】
ネジ頭は、骨ネジを螺入する操作具の係合を可能にする形状を有する。
【0076】
さらに、ネジ頭は支持面を有する。支持面は、上通し穴に隣接して又は上通し穴内に当接するように構成される。
【0077】
最も単純な場合、支持面は、通し穴の隣でセグメント又は骨プレートの上面に当接する平坦な表面としてもよい。
【0078】
しかしながら、支持面は、特に球形又は円錐形にテーパーになり、通し穴の上部の対応するテーパー面に当接することが好ましい。
【0079】
骨ネジが挿入された場合、頭ネジ山は、まず通し穴の上部を通過する。
【0080】
通し穴の上部は、頭ネジ山よりも大きい直径を有するので、この結果、軸方向に確実な相互係止結合をもたらさない。
【0081】
ネジが更に挿入されるにつれ、頭ネジ山が通し穴の下半体にあるネジ山に係合する。
【0082】
その後又は同時に、ネジ頭の支持面がセグメント又は骨プレートの上半体に当接し、そのため、螺入を継続するとセグメント又は骨プレートの2つの半体がともに引き寄せられる。
【0083】
2つの半体を互いに向かって付勢することにより、2つの半体は、例えば別のセグメントにクランプすることができる。
【0084】
しかしながら、セグメント間にセルクラージュケーブル等の別の部品をクランプすることも考えられる。
【0085】
骨接合システムは、通し穴に挿入することができるドリルスリーブを更に備えてもよい。
【0086】
そのようなドリルスリーブ自体は既知である。ドリルスリーブは、骨ネジを骨に螺入する前にドリルによって骨にチャネルをつくり出すために用いられる。多くの場合、そのようなドリルスリーブは、ドリル加工前にチャネルの意図した延在方向を正確に定めるのを可能にする照準装置の一部である。
【0087】
本発明はドリルスリーブに関し、それによって骨プレート又はセグメントの半体を互いに向かって動かすこと、すなわちともに押し付けることができる。
【0088】
このために、ドリルスリーブは、下半体に螺入されるネジ山を有することができる。
【0089】
さらに、ネジ山の上方にロックナットを配置することができる。ロックナットを締めることにより、セグメント又は骨プレートの半体をともに押し付ける。
【0090】
このようにして、ドリルスリーブにより、第1のセグメントと第2のセグメントとを互いに対して角安定性を有して固定することが特に可能である。
【0091】
本発明は、螺入により挿入可能なドリルスリーブを備える骨接合システムに関する。
【0092】
ドリルスリーブは、螺入された場合、ドリルスリーブの下端部が骨に当接して骨に支持される。これにより、セグメント又は骨プレートと骨との間の間隔をドリルスリーブの螺入範囲に応じて調整することが可能になる。
【0093】
上述したように少なくとも2つのセグメントを備える骨接合プレートの場合、セグメント間の角度は、このようにして容易に調整することができる。
【0094】
本発明は、特に上述した骨接合システムに適合された骨ネジに更に関する。
【0095】
骨ネジは、骨に螺入されるネジ山と、支持面を有するネジ頭とを備える。骨に螺入されるネジ山とネジ頭との間に、骨に螺入されるネジ山の最大径とネジ頭の最大径との間にある最大径を有する頭ネジ山が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
以下、本発明の主題を図1図30の図面を参照して記載する。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図1は、本発明の第1の例示的な実施形態の概略斜視図である。第1のセグメント1及び第2のセグメント2からなる骨接合プレート10が骨4に取り付けられているのを見て取ることができる。
【0098】
第2のセグメント2の反対側にまた別のセグメントが設けられている。
【0099】
第1のセグメント1は、従来技術から既知の骨プレート等の骨プレートとして実質的に構成され、主延在方向を有し、この主延在方向に沿って複数の通し穴5が設けられている。
【0100】
この例示的な実施形態では、通し穴5は、骨ネジ30により角度の安定した結合を可能にするとともに、骨折部の隙間を閉じるように圧迫を行うのに更に用いることができる通し穴である。そのようなシステムは、特許文献1に記載されている。
【0101】
本発明によれば、第2のセグメント2は、ヒンジ3によって第1のセグメント1に可動に取り付けられる。
【0102】
第2のセグメント2は、骨ネジ7を挿入するための2つの通し穴6を有するとともに、第1のセグメントの主延在方向に対して横断方向に延びる。
【0103】
ヒンジ3によって結合されることにより、セグメント1及び2によって画定される骨接合プレートは、骨4の湾曲した輪郭に沿うことが可能になる。
【0104】
さらに、セグメント2は、セグメント1に対して1つの自由度でのみ可動である、すなわちヒンジ3の回りに枢動可能である。
【0105】
しかしながら、骨4の破損の可能性がある縁に対して横断方向にある軸方向では、セグメント1及び2が可動でない。
【0106】
したがって、翼状に突出したセグメント2は、骨ネジ用の更なる追加の固定点として用いることができる。
【0107】
図2を参照すると、プロテーゼ周囲骨接合術の場合の機能が説明される。
【0108】
図2は、第1のセグメント1と2つの更なるセグメント2とからなる、図1に示す骨接合プレート10の細部を示している。ヒンジ3を介して翼状に突出したセグメント2は、骨の髄管の側方に延びてプロテーゼ8を迂回する骨ネジ7を挿入することを可能にする。
【0109】
また、脆弱な骨物質の場合に、特に高齢の患者のために、プロテーゼ周囲の処置に加えて更なるセグメント2を用いて更なる固定点を提供してもよい。
【0110】
図3は、第2のセグメント2の斜視図を示している。
【0111】
セグメント2は、U字形であり、上部の平滑壁セクション及び下部のネジ加工セクション11を含む通し穴5を有する。
【0112】
セグメント2は、図4に示す骨ネジと協働するようになっている。
【0113】
骨ネジ7は、骨に螺入されるネジ山12と、操作具を用いてネジを螺入する手段を含むネジ頭24とを有する。
【0114】
さらに、骨ネジ7は、ネジ山12の上方に頭ネジ山13を有し、この頭ネジ山の上方に、特に円錐形又は球形とすることができるテーパー部14として形成された支持面を有する。
【0115】
頭ネジ山13は、ネジ山12の直径とネジ頭24の直径との間にあるサイズの直径を有する。
【0116】
図5は、図3に示す第2のセグメントの断面図を示している。
【0117】
第2のセグメント2はU字形であることを見て取ることができるが、これは第2のセグメント2が下半体15と上半体18とに分割されることを意味する。
【0118】
下半体15は、骨の輪郭により良好に合致するように凹形の下面を有する。
【0119】
上半体18と下半体15とは、凹部16によって分離される。
【0120】
凹部16は、まず、ヒンジ翼19及び窪み部20を含む前方領域において僅かに幅広になり、そのため、この前方領域は、別のセグメント(図示せず)のピン状ウェブ材に押し込まれるようになっているクランプ形状を有する。
【0121】
ヒンジ翼19は、ウェブ材を少なくとも部分的に包囲することが可能であるように形成される。
【0122】
工具を必要とせずにウェブ材により容易にスナップ係合するのを可能にするために、前方領域の縁全体が丸みを帯びている。
【0123】
さらに、凹部16のクランプ状領域は下半体15に向かって傾斜し、そのため、矢印23によって示される挿入方向が、セグメント2の上面及び下面に対して斜めに延びる。
【0124】
ヒンジ翼19及び窪み部20によって形成されるクランプ状領域の後方では、凹部16は狭まるとともにセグメント2の上半体18に向かって上昇し、そのため上半体18が閉鎖端に向かってテーパーになっている。
【0125】
次に、凹部16はセグメント2の閉鎖端に向かって幅広になり、したがって曲部17を画定する。曲部17では、上半体18が下方に折れ曲がる、すなわち方向を変えて下半体に合体する。このため、セグメントは全体としてU字形である。
【0126】
このようにして、第2のセグメント2は、互いに対して弾性的に可撓である上半体18及び下半体15を有するクリップとして設計され、そのため、第2のセグメント2は、そのクランプ状の前方領域によってウェブ材上にスナップ係合することができる。
【0127】
図6は、骨ネジ7との協働を示す、セグメント2の更なる断面図を示している。
【0128】
セグメント2の通し穴に挿入される骨ネジ7は、セグメント2の下半体15にある通し穴のネジ山に対応する頭ネジ山13を有する。
【0129】
ネジ7は、ネジ山13の上方に、ネジ山よりも直径が大きい円錐部14を有する。
【0130】
円錐部14は、第2のセグメント2の上半体18の通し穴の平滑壁部9に係合する。
【0131】
ここでネジが更に螺入される場合、第2のセグメントの上半体18と下半体15とが互いに引き寄せられ、そのため、ヒンジ翼19と窪み部20とが互いに向かって動く。
【0132】
ウェブ材(図示せず)がヒンジ翼と窪み部との間に配置されている場合、第2のセグメントは、フォースロック結合によってこのウェブ材上に締結し、そのため、骨プレートのセグメントが互いに対して可動でない。
【0133】
さらに、対応するウェブ材への締結機能に加えて、クリップ状セグメント2を固定した結果、上半体と下半体とが互いから離れるように撓むことができなくなり、そのためセグメントがウェブ材から滑り抜けることが防止される。
【0134】
図7は、通し穴5を有する骨プレートとして実質的に形成された第1のセグメント1の細部を示している。
【0135】
骨プレートは、その側面に複数の凹部を有し、これらの凹部のそれぞれにウェブ材21が架け渡されている。
【0136】
図8の側面図に見て取ることができるウェブ材21は、略円形の断面を有し、骨プレートの上面及び下面の双方から離間している。
【0137】
ここで第2のセグメント(図示せず)を付加する場合、第2のセグメントは第1のセグメント1に対しておおよそ面一である。
【0138】
図9は、骨接合プレートの断面斜視図である。
【0139】
図9には第1のセグメント1を見て取ることができる。クリップ状形態を有する第2のセグメント2は、第1のセグメント1のウェブ材21に対して付勢されている。
【0140】
ここで、頭ネジ山を有する骨ネジ7を締めることにより、第1のセグメント1と第2のセグメント2とが互いに対して固定される。
【0141】
図10は、代替的な一実施形態の第2のセグメントを示している。
【0142】
第2のセグメント2は、この例示的な実施形態ではネジ加工された通し穴6を有するとともにフック状ヒンジ翼19を有する。
【0143】
フック状ヒンジ翼19の場合、第2のセグメント2は、前の図面に示す骨プレート上にスライドさせることができ、その骨プレートに掛止される。確実な係止結合がもたらされるが、この係合は、第2のセグメントを上方に枢動するとともに第2のセグメントを側方に引っ張ることにより解除することができる。
【0144】
この例示的な実施形態では、第2のセグメント2は、単一のウェブ材のみに係合する。
【0145】
図11は、図3に示す実施形態のヒンジ翼及び通し穴に略対応する2つのヒンジ翼19及び2つの通し穴6を有するクリップ状形態を有する、別の一実施形態の第2のセグメントを示している。
【0146】
図3に示す実施形態とは対照的に、図11のセグメントは、第2のセグメントがヒンジ翼の反対側に更なるセグメントを枢着することができる2つのウェブ材22を有するので、ダブルヒンジである。
【0147】
右側に示す断面図に明確に示されているように、ヒンジ翼19はクランプ状領域を画定し、セグメントは、凹部16によって分離される下半体と上半体18とに分割される。したがって、セグメントはU字形である。
【0148】
図12は、略全長にわたって離間したウェブ材を有する骨プレートの形態の第1のセグメント1を概略的に示しており、セグメント2a、2b、2c、2dを取り付けることができる。
【0149】
セグメント2a〜2dは、第1のセグメント1の様々な場所に取り付けることができることを見て取ることができる。
【0150】
さらに、指示に応じて様々なセグメントを取り付けることが可能である。例えば、セグメント2aは、より短く、1つのみの通し穴を有する。セグメント2bは、より長く、2つの離間した通し穴を有する。
【0151】
セグメント2c及び2dは、セグメント1とリンクチェーンを形成する。
【0152】
図13に示すように、セグメント2a〜2cはチェーンを形成してもよく、これを用いて骨4を全体的に又は部分的に巻回することができる。
【0153】
図14は、本発明の別の実施形態、すなわち、骨の表面に支持されるとともに、複数の通し穴を有する細長い骨プレートの形態のセグメント1と、セグメント1の側方に取り付けられるセグメント2a〜2cとからなる骨接合プレートを示している。
【0154】
図1に示す異なる実施形態とは対照的に、セグメント2cは、セグメント2a及び2bに対してオフセットして配置されている。
【0155】
このために、第1のセグメントは、更なるセグメントを取り付けることができる複数の場所を有する。
【0156】
図15は、図14の実施形態に略対応する更なる一実施形態を示している。
【0157】
図14とは対照的に、セグメント2aは、例えばセルクラージュケーブル用のガイド溝として機能することができる側方凹部25を有する。
【0158】
図16は、第1のセグメント1の更なる一変形形態を示している。
【0159】
セグメント1は、更なるセグメントを取り付けることができる複数の対向するウェブ材21a、21bを有する。
【0160】
さらに、第1のセグメント1は複数の通し穴5a〜5cを有する。
【0161】
これらの通し穴は、第1のセグメントの主延在方向に対して横断方向に、互いに対してそれぞれオフセットしている。
【0162】
図17は、第1のセグメント1の別の変形実施形態を示している。
【0163】
通し穴5a〜5cは、主延在方向に対して横断方向に、交互に右側と左側とに互いに対してオフセットして配される。
【0164】
各通し穴の隣に、第2のセグメントを取り付けるためのウェブ材21a〜21cが配置されている。そのため、ウェブ材21a〜21cも右側と左側とに、すなわち主延在方向に対して横断方向にオフセットしている。
【0165】
この実施形態は、特にスリムなデザインの第1のセグメント1を可能にする。
【0166】
図18に示す変形実施形態は、図17の実施形態に略対応するが、ウェブ材21a〜21cが、縁に対して厳密に平らではなく、第1のセグメント1の中央の方へオフセットして配置されている点が異なる。したがって、枢動点がプレートの中央の方へ移り、側方に更なるセグメントを取り付けられる、より一層スリムなデザインが可能になる。
【0167】
図19は、更なる一実施形態の第1のセグメントを示している。
【0168】
この変形実施形態も対向する側方ウェブ材21a及び21bを有するが、この場合、これらのウェブ材は骨プレートの長さの大部分を占める。
【0169】
したがって、この第1のセグメントに取り付けることができるセグメント(図示せず)を、ウェブ材21a、21bの軸方向に移動させることができる。
【0170】
したがって、この実施形態は、先に示した固定可能セグメントとの併用に特に好適である。
【0171】
図20は、更なる一実施形態の第1のセグメントを示している。
【0172】
この変形実施形態も対向する側方ウェブ材21a及び21bを有し、これらのウェブ材は、骨プレートの長さの大部分を占める。
【0173】
より良好な安定性を達成するために、特に、縁側ウェブ材21a及び21bとセグメントとの間に凹部状のエリアがなく、むしろレール26a、26bの形態のウェブ材が設けられている。
【0174】
結果として、角度の調整可能性を制限することができる、すなわち、第2のセグメント(図示せず)を比較的小さい角度範囲で調整可能とすることができる。
【0175】
安定性を向上させることに加えて、そのようなレール状システムの場合、クリップのようにスナップ係合するのではなく、レール上で第1のセグメントの主延在方向の方向に第2のセグメントをスライドさせることによって、第2のセグメントを取り付けることが更に容易に可能になる。
【0176】
図21を参照すると、ドリルスリーブによって、2つのセグメントを互いに対して角安定性を有して固定することができる方法が説明される。
【0177】
図3に示すセグメントに本質的に対応するセグメント2を見て取ることができる。
【0178】
セグメント2が取り付けられる別のセグメントは、明確さのために図示していない。
【0179】
ドリルスリーブ27が、セグメント2の通し穴に螺入される。
【0180】
このために、ドリルスリーブは、セグメント2の下半体のネジ山に螺入することができるネジ山28を有する。
【0181】
別様にはドリルスリーブは中央チャネルを有し、ドリル用の照準装置として機能する。
【0182】
ドリルスリーブは、ネジ山28に着座するロックナット29を更に含む。
【0183】
所望の角度が得られた場合、ロックナット29を締めることができ、次に、ロックナット29をセグメント2の上面に押し付け、セグメント2の2つの半体をともに押し付けて、それにより、セグメント2を別のセグメントに角安定性を有してクランプする。
【0184】
ドリルスリーブの螺入深さによって角度を調整しない別の変形形態において、セグメントの半体は、ドリルスリーブのネジ山によって直接ともに引き寄せられることが考えられる。この場合、図示のロックナット29は、ナットとしてではなく、ネジ山に比較してドリルスリーブの太くした部分として形成される。
【0185】
そのような一実施形態が図30に示されている。ドリルスリーブ27は、セグメントに螺入されるネジ山28を有する。ドリルスリーブ27を螺入する場合、この例示的な実施形態ではネジ山28の上方に配置されるとともに円錐形である支持面が、セグメントの上面に係合し、セグメントの半体をともに引き寄せる(図示せず)。
【0186】
図21に示す実施形態では対照的に、まず、ドリルスリーブの下端部が、異なる螺入深さ分だけセグメント2の下面から異なる範囲まで突出することにより、角度を調整することができる。
【0187】
セグメント2の骨までの距離及びひいては別のセグメント(図示せず)に対する角度をドリルスリーブの螺入深さに応じて調整することができるように、ドリルスリーブの下端部は骨(図示せず)に当接する。
【0188】
図21及び図30に示すドリルスリーブは、骨に穴を開けた場合、もはや角度の安定した結合を提供する。
【0189】
図22は、本発明の更なる一実施形態を示している。
【0190】
細長い骨プレートとして形成された第1のセグメント1を見て取ることができる。
【0191】
この例示的な実施形態では、骨に合致するために、骨プレートの形態の第1のセグメント1は、骨に対して平行の平面及び骨に対して垂直の平面の双方において湾曲している。
【0192】
さらに、第1のセグメント1は、骨のより太い端部に適用されるように用いる拡大頭33を有する。
【0193】
骨の骨幹用に意図された下方の部分とは対照的に、頭33には、骨ネジ用の複数の通し穴を並べて配置することができる。
【0194】
下領域42に、前の図面に既に示したように第2のセグメント2を固定するのに役立つ複数のウェブ材が設けられる。
【0195】
図23は、別の変形実施形態のセグメント2を示している。
【0196】
このセグメントは、骨プレートに取り付けられるようになっており、それ自体が骨ネジ用の2つの通し穴5を有する。
【0197】
図2に示すセグメントとは対照的に、上半体18を下半体と結合する結合部32は、その両端部に2つの凹部31を有する。
【0198】
上半体18と下半体15とを押し離すために印加するのに必要な力が、凹部を有しない実施形態に比較して小さくなるように、凹部31により結合部32が弱化している。
【0199】
結合部32を例えば上半体及び下半体よりも薄く形成した場合も、同様の効果を達成することができることが理解される。しかしながら、凹部31及び関連する必要に応じてより厚い形態の結合部32は、特にセグメント2を固体材料で作製する場合により容易な製造を可能にする。
【0200】
さらに、セグメント2はこのようにしてより堅牢である。
【0201】
特に、この実施形態では、上半体18と下半体15とを押し離す場合、主に結合部32において変形が生じるが、上半体18及び下半体15は結合部32よりも厚く、したがって弾性挙動には寄与しないか又は僅かにしか寄与しないことが理解される。
【0202】
したがって、上半体18及び下半体15が厚く、したがって特に通し穴5の領域において堅牢である。
【0203】
図24は、図23に示す変形実施形態の第2のセグメントの断面図を示している。
【0204】
図5に示す異なる実施形態とは対照的に、下半体15にある窪み部20はより顕著である。
【0205】
対向するヒンジ翼19及び窪み部20は、上半体18と下半体15との間に略円形の領域を画定し、この領域において、第1のセグメントのウェブ材がスナップイン状態に配置される。
【0206】
このセグメントも、好ましくは骨プレートとして形成された他方のセグメントに上方から斜めにスナップ係合される。
【0207】
図25は、更なる代替的な一変形実施形態の第2のセグメント2を示している。
【0208】
この変形実施形態では、セグメントの係止及び骨ネジの挿入は、互いに切り離されている。
【0209】
このセグメント2はここでも、クリップ状形態を有し、下半体15及び上半体18を有する。
【0210】
この変形実施形態では、骨ネジが挿入されるネジ山34は、下半体にのみ設けられている。必要に応じて、ネジ山の代わりに、ネジ山がない通し穴を設けてもよい。
【0211】
さらに、セグメント2は、セグメント2の係止用に意図された更なる通し穴35を有する。
【0212】
通し穴35は、下半体15に設けられたネジ山36と、上半体18にある支持面37とを有する。
【0213】
支持面37は、この例示的な実施形態では円錐形であるが、例えば、単純に上半体18の上面が支持面として機能することが同様に考えられる。
【0214】
クリップの形態のセグメントを骨プレートのウェブ材にスナップ係合することができ、その場合、適用前にクリップの形態のセグメントがすでに係止されてもよい。
【0215】
このために、図26に示すネジ28を用いてもよい。
【0216】
このネジは骨ネジではなく、これは、このネジが、骨に螺入されるネジ山を有しないことを意味する。
【0217】
むしろ、ネジ山39は、図25に示すセグメントの下半体にあるネジ山に螺入されるようになっている。ネジ頭にある支持面40は、図25に示すセグメントの支持面37に係合し、螺入される間にセグメントの上半体と下半体とをともに引き寄せ、それによりセグメントを骨プレートのウェブ材に係止する。
【0218】
図25に示すセグメントは、1つの中央ヒンジ翼19を有する。
【0219】
図27は、セグメント2が適用前にすでに係止されることができる更なる一変形実施形態を示している。
【0220】
図25に示す変形実施形態と同様に、セグメント2は、図25の変形実施形態の通し穴に対応する通し穴35を有し、通し穴35によって、適用前であって骨ネジを螺入する前にセグメント2を係止することができる。
【0221】
この例示的な実施形態では、通し穴41はそれぞれ、ネジ山を有し、骨ネジの挿入を意図されている。
【0222】
さらに、係止用の通し穴41を追加して使用すること、すなわち、骨ネジを螺入する場合に上半体と下半体とをともに更に引き寄せ、したがって係止を強化することが考えられる。しかし、これは必須ではない。
【0223】
この例示的な実施形態では、セグメント2は2つの離間したヒンジ翼19を有し、これらのヒンジ翼19間に、専ら係止用に用いられるネジの挿入を意図された通し穴35が位置する。
【0224】
図28は、更なる一実施形態のセグメントを示している。
【0225】
先に示したセグメントとは対照的に、このセグメントは、クリップ状形態を備えず、すなわち、スナップ係合によって取り付けることができず、上半体18と下半体15とはむしろ別個の部品である。
【0226】
別様には、セグメントは、図3に示すセグメントと同様の形態を有する。
【0227】
図28のセグメント2は、2つの離間したヒンジ翼19を有する。
【0228】
図29は、セグメント2がクリップのような形態ではない更なる一実施形態を示している。
【0229】
この変形実施形態では、骨ネジの係止と挿入とは図25の変形実施形態と同様に切り離されている。
【0230】
図29のセグメント2は、支持面37を有するとともに専らセグメント2の骨プレートに対する係止用に意図された中央挿入上部18を有する。
【0231】
この例示的な実施形態では、下部15は、上部18に隣接してより大きい厚さを有し、下部の端部において、その上面が上部18が挿入される中央領域と面一になるようになっている。
【0232】
本発明は、非常に単純な方法で、柔軟に適用される骨接合プレートを提供することを可能にする。特に、本発明は、プロテーゼ周囲骨折の骨接合術を向上させることを可能にする。
【符号の説明】
【0233】
1 第1のセグメント
2 第2のセグメント
3 ヒンジ
4 骨
5 通し穴
6 通し穴
7 骨ネジ
8 大腿骨プロテーゼ
9 平滑壁部
10 骨接合プレート
11 ネジ加工部
12 ネジ山
13 頭ネジ山
14 円錐部
15 下半体
16 凹部
17 曲部
18 上半体
19 ヒンジ翼
20 窪み部
21 ウェブ材
22 ウェブ材
23 矢印
24 ネジ頭
25 凹部
26 レール
27 ドリルスリーブ
28 ネジ山
29 ロックナット
30 骨ネジ
31 凹部
32 結合部
33 拡大頭
34 ネジ山
35 通し穴
36 ネジ山
37 支持面
38 ネジ
39 ネジ山
40 支持面
41 通し穴
42 下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30