【文献】
Keiju Matsui et al.,Application of parallel Connected NPC-PWM Inverters with Multilevel Modulation for AC Motor Drive,IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS,IEEE,2000年 9月,VOL.15, NO.5,901-907頁
【文献】
David O. Boillat et al.,Modeling and Experimental Analysis of a Coupling Inductor Employed in a High Performance AC Power Source,PEOCEEDINGS OF THE INTERNATIONAL CONFERENCE ON RENEWABLE ENERGY RESEARCH AND APPLICATIONS (ICRERA 2012),IEEE,2012年,1-18頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通の磁心が、N個の相互接続したシリンダを備え、前記N個の巻線が、前記N個のシリンダに、同一の巻き方向でそれぞれ巻き付いている、請求項1に記載の電力変換回路。
前記マルチレベルブリッジアームのそれぞれが、Mレベルのブリッジアームであり、前記N個のマルチレベルブリッジアームが、(M-1)*N+1個のレベルを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換回路。
3相の交流と直流との間で電力変換を実行するように構成された3相電力変換回路であって、前記電力変換回路の各相が、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力変換回路である、3相電力変換回路を備える、3相電力変換器。
グリッドの中性点に接続するように構成された第1の中性点であって、前記第1の中性点が、前記3つのコンデンサの共に接続された前記端部に接続されている、第1の中性点をさらに備える、請求項10に記載の3相電力変換器。
交流と直流との間で電力変換を実行するように構成されたM個の電力変換回路であって、前記M個の電力変換回路の各電力変換回路が、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力変換回路である、M個の電力変換回路と、
前記M個の電力変換回路の各電力変換回路の第1の端子と第2の端子との間に接続され、前記直流の電圧をブリードダウンするように構成された、ブリーダ回路と、
第4の端子と、
結合インダクタであって、1つの共通の磁心によって結合されたM個の巻線を備え、互いに結合されたインダクタンスを形成するように構成され、前記M個の巻線の各巻線の一方の端部が、前記M個の電力変換回路のうちの1つの電力変換回路の第3の端子に接続され、前記M個の巻線の各巻線のもう一方の端部が、前記第4の端子に接続されている、結合インダクタと、
前記第4の端子に接続され、前記交流をフィルタリングするように構成され、Mが2より大きいかまたは2に等しい、フィルタ回路と
を備える、電力変換システム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発
明は、電力変換回路の制御ロジックを簡素化することができる、電力変換回路および電力変換システムを提供する。
【0005】
第1の態様によれば、直流に接続するように構成された第1の端子および第2の端子と、交流に接続するように構成された第3の端子と、第1の端子と第2の端子との間に並列に接続され、並列インターリーブ方式で作動するように構成されたN個のマルチレベルブリッジアームであって、並列インターリーブ方式で作動することが、位相インターリーブ方式で作動することを指し、複数の経時的に変化するレベルが、N個のマルチレベルブリッジアームの各マルチレベルブリッジアームの交流ノードで生成され、複数のレベルが、2以上のレベルである、N個のマルチレベルブリッジアームと、1つの共通の磁心によって結合されたN個の巻線を含み、互いに結合されたインダクタンスを形成するように構成された結合インダクタであって、N個の巻線の各巻線の一方の端部が、N個のマルチレベルブリッジアームの1つのマルチレベルブリッジアームの交流ノードに接続されており、N個の巻線の各巻線のもう一方の端部が、第3の端子に接続されており、Nが2より大きいかまたは2に等しい、結合インダクタとを備える、電力変換回路が提供される。
【0006】
第1の可能な実施方式において、共通の磁心は、N個の相互接続されたシリンダを有し、N個の巻線はN個のシリンダに、それぞれ同一の巻き方向で巻き付いている。
【0007】
第2の可能な実施方式において、N個の巻線は、同一の巻き数を有する。
【0008】
第3の可能な実施方式において、第1の態様による電力変換回路は、N個のマルチレベルブリッジアームが、電力変換回路の駆動信号の切り替えサイクル内で、360/N度の位相インターリーブ方式で作動するよう制御するために、駆動信号を生成するように構成された駆動回路をさらに備える。
【0009】
第3の可能な実施方式に関連して、第4の可能な実施方式では、駆動信号は、複数の設定範囲内のデューティサイクルを有し、複数の設定範囲は[(n-1)/N, n/N]を含み、n[(n-1)/N, n/N]である。
【0010】
第5の可能な実施方式において、マルチレベルブリッジアームは、Mレベルのブリッジアームであり、N個のマルチレベルブリッジアームが、(M-1)*N+1個のレベルを生成する。
【0011】
第6の可能な実施方式において、第1の態様による電力変換回路は、第3の端子に接続され、交流をフィルタリングするように構成されたフィルタ回路と、第1の端子と第2の端子との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成されたブリーダ回路とをさらに含む。
【0012】
第6の可能な実施方式に関連して、第7の可能な実施方式では、マルチレベルブリッジアームが、中性点クランプ型マルチレベルブリッジアームであり、ブリーダ回路の中性点が、N個のマルチレベルブリッジアームの各マルチレベルブリッジアームのクランプ中性点に接続されている。
【0013】
第6の可能な実施方式に関連して、第8の可能な実施方式では、フィルタ回路は、コンデンサである。
【0014】
第9の可能な実施方式において、マルチレベルブリッジアームは、コンデンサクランプ型マルチレベルブリッジアームである。
【0015】
前述の可能な実施方式のいずれか1つに関連して、第10の可能な実施方式では、電力変換回路はインバータであり、直流を交流に変換するように構成され、第1の端子および第2の端子が入力端子であり、第3の端子が出力端子である。
【0016】
第1の態様の第1〜第9の可能な実施方式のいずれか1つに関連して、第11の可能な実施方式では、電力変換回路は整流器であり、交流を直流に変換するように構成され、第3の端子が入力端子であり、第1の端子および第2の端子が出力端子である。
【0017】
第2の態様によれば、3相の交流と直流との間で電力変換を行うように構成された3相電力変換回路であって、電力変換回路の各相が、第1の態様による電力変換回路である、3相電力変換回路を含む、3相電力変換器が提供される。
【0018】
第1の可能な実施方式において、第2の態様による3相電力変換器は、電力変換回路の各相の第1の端子と第2の端子との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成されたブリーダ回路と、3つのコンデンサを有し、3相交流をフィルタリングするように構成された3相フィルタ回路であって、3つのコンデンサコンデンサのそれぞれの一方の端部が、3相電力変換回路のうちの1相の電力変換回路の第3の端子に接続され、3つのコンデンサのもう一方の端部が、共に接続されている、3相フィルタ回路とをさらに備える。
【0019】
第2の態様の第1の可能な実施方式に関連して、第2の可能な実施方式では、3つのコンデンサのもう一方の端部は、ブリーダ回路の中性点に共に接続されている。
【0020】
第2の態様の第2の可能な実施方式に関連して、第3の可能な実施方式では、第2の態様による3相電力変換器は、グリッドの中性点に接続するように構成された第1の中性点であって、第1の中性点が、共に接続されている3つのコンデンサの端部に接続されている、第1の中性点をさらに含む。
【0021】
第3の態様によれば、交流と直流との間で電力変換を行うように構成されたM個の電力変換回路であって、M個の電力変換回路の各電力変換回路が、第1の態様による電力変換回路である、M個の電力変換回路と、M個の電力変換回路の各電力変換回路の第1の端子と第2の端子との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成されたブリーダ回路と、第4の端子と、結合インダクタであって、1つの共通の磁心によって結合されたM個の巻線を含み、互いに結合されたインダクタンスを形成するように構成され、M個の巻線のそれぞれの一方の端部が、M個の電力変換回路のうちの1つの電力変換回路の第3の端子に接続され、M個の巻線のそれぞれのもう一方の端部が、第4の端子に接続されている、結合インダクタと、第4の端子に接続され、交流をフィルタリングするように構成された、フィルタ回路とを備え、Mは2よりも大きいかまたは2に等しい、電力変換システムが提供される。
【0022】
第1の可能な実施方式において、フィルタ回路は、第4の端子に接続されたコンデンサを備える。
【0023】
第2の可能な実施方式において、M個の電力変換回路の各電力変換回路のN個のマルチレベルブリッジアームが、電力変換回路の駆動信号の切り替えサイクル内で、360/(N*M)度で位相インターリーブする方式で、並列インターリーブで作動する。
【0024】
第4の態様によれば、第1の態様の第10の可能な実施方式による電力変換回路であって、直流を交流に変換するように構成
され、第1の端子および第2の端子が入力端子であり、第3の端子が出力端子である、第1の電力変換回路と、第1の態様の第10の可能な実施方式による電力変換回路であって、交流を直流に変換するように構成された、第2の電力変換回路とを備え、第1の電力変換回路の出力端子が、第2の電力変換回路の入力端子に接続されるか、または第2の電力変換回路の出力端子が、第1の電力変換回路の入力端子に接続される、電力変換システムが提供される。
【0025】
本発明の技術的解決策で、複数の並列インターリーブのマルチレベルブリッジアームを結合インダクタと組み合わせて使用することによって、複数の交流レベルを、各マルチレベルブリッジアームの交流ノードで生成することができ、結合インダクタに接続された交流端子で、より多くの交流レベルを生成することができる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。
【0026】
本発明
の技術的解決策をより明確に説明するために、
本発明の
実施形態を表す添付の図面について、以下で簡単に説明する。以下の説明
に添付
されている図面
は、単に本発明のいくつかの実施形態を示すのみであることは明らかで
ある。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明
の技術的解決策について、本発明の実施形態の添付の図面を参照しなが
ら明確
に説明する。説明されている実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、一部であることは明らかである
。
【0029】
並列インターリーブの技術は、電力変換器の電力容量を向上させるための効果的な解決策である。並列インターリーブによる解決策を用いて、変換器の電力クラスを都合よく上昇させ、入力および出力電流リプルを低減することができる。また、変換器の動的応答を加速し、回路内の磁気素子の体積を縮小し、変換器の自動的な均流を実施することができる。マルチレベルの出力トポロジーは、並列インターリーブの2レベルブリッジアームを結合インダクタと組み合わせて使用することによって実施できるが、この解決策は、出力マルチレベル波形をフィルタリングするフィルタ回路を必要とし、高次高調波の抑制には不利である。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による、電力変換回路100の概略ブロック図である。電力変換回路100は、第1の端子110と、第2の端子120と、第3の端子130と、N個のマルチレベルブリッジアーム140と、結合インダクタ150とを含む。
【0031】
第1の端子110および第2の端子120は、直流に接続されている。第3の端子130は、交流に接続されている。N個のマルチレベルブリッジアーム140は、マルチレベルブリッジアーム1、マルチレベルブリッジアーム2〜マルチレベルブリッジアームNを含み、第1の端子110と第2の端子120との間に並列に接続され、N個のマルチレベルブリッジアーム140は、並列インターリーブ方式で作動し、ここで、並列インターリーブ方式で作動することは、位相インターリーブ方式で作動することを指す。かつ、複数の経時的に変化するレベルが、N個のマルチレベルブリッジアーム140の各マルチレベルブリッジアームの交流ノードで生成され、ここで、複数のレベルは2つのレベルより多い。結合インダクタ150は、1つの共通の磁心によって結合されたN個の巻線を備え、互いに結合されたインダクタンスを形成するように構成され、N個の巻線の各巻線の一方の端部が、N個のマルチレベルブリッジアームのうちの1つのマルチレベルブリッジアームの交流ノードに接続され、N個の巻線の各巻線のもう一方の端部が、第3の端子130に接続されており、ここで、Nは2に等しいかまたは2より大きい。
【0032】
本発明の実施形態によれば、電力変換回路100は、整流回路またはインバータ回路であってもよい。例えば、第1の端子および第2の端子が入力端子であって、第3の端子が出力端子である場合、電力変換回路100は、インバータ回路である。逆に、第3の端子が入力端子であって、第1の端子および第2の端子が出力端子である場合、電力変換回路100は、整流回路である。
【0033】
マルチレベルブリッジアームもまた、マルチレベルのトポロジーと呼ばれ、複数のスイッチ管を有し、複数のスイッチ管は、マルチレベルブリッジアームの交流ノードで、複数の経時的に変化するレベルを生成するか、または交流ノードに、複数の経時的に変化するレベルが存在するように、駆動信号の制御下で相補的にオン/オフすることができる。並列インターリーブは、マルチレベルブリッジアームが並列で作動する状況に関し、複数のマルチレベルブリッジアームの駆動信号の位相は、例えば360/N度の設定角度によって間隔を空けられている。例えば、N個のマルチレベルブリッジアーム140は、設定された度数の角度によって、位相インターリーブの方式で作動することができる。例えば、3つの3レベルブリッジアームの駆動信号の位相は、120度の間隔を空けられており、5つの3レベルブリッジアームの駆動信号の位相は、72度の間隔を空けられている。
【0034】
本発明の実施形態によれば、N個の巻線は、結合インダクタを形成するように1つの共通の磁心に結合され、N個のマルチレベルブリッジアームは、結合インダクタを使用して、N個のマルチレベルブリッジアームの各マルチレベルブリッジアームによって生成された複数のレベルを、より多くのレベルと組み合わせるように、結合インダクタのN個の巻線に接続されている。例えば、3つの3レベルブリッジアームを含む電力変換回路は、結合インダクタに接続された第3の端子で、7つのレベルを生成することができる。別の例で、3つの5レベルブリッジアームを含む電力変換回路は、結合インダクタに接続された第3の端子で、13個のレベルを生成することができる。
【0035】
2つの隣接するマルチレベルブリッジアームの駆動信号の位相は、同一の角度、例えば、360/N度または異なる角度で、間隔を空けられることが理解されるべきである。本発明の実施形態において、同一の角度で間隔を空けるように位相を設定することによって、マルチレベルブリッジアームを制御する方法を簡素化する。
【0036】
本発明の技術的解決策で、複数の並列インターリーブのマルチレベルブリッジアームを結合インダクタと組み合わせて使用することによって、複数の交流レベルを、各マルチレベルブリッジアームの交流ノードで生成することができ、結合インダクタに接続された交流端子で、より多くの交流レベルを生成することができる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。
【0037】
さらに、本発明の実施形態では、交流レベルの数を増加させることができるため、交流の高次高調波の比率が低減され、それによって、高次高調波を効果的に抑制する。
【0038】
また、高次高調波が効果的に抑制されるので、大型のフィルタ回路を使用してフィルタリングを行う必要がなくなることによって、フィルタ回路のコストを削減する。
【0039】
本発明の実施形態によれば、マルチレベルブリッジアームは、中性点クランプ型マルチレベルブリッジアーム、またはコンデンサクランプ型マルチレベルブリッジアームである。本発明の実施形態において、マルチレベルブリッジアームは、2種類のマルチレベルブリッジアームに限定されることはなく、例えば、ハイブリッドマルチレベルブリッジアームであってもよい。
【0040】
本発明の実施形態によれば、マルチレベルブリッジアームは、Mレベルのブリッジアームであり、N個のマルチレベルブリッジアームは、(M-1)*N+1個のレベルを生成する。例えば、マルチレベルブリッジアームは、3レベルブリッジアームであり、N個のマルチレベルブリッジアームは、2N+1個のレベルを生成する。例えば、3つの3レベルブリッジアームは、7つのレベルを生成し、5つの3レベルブリッジアームは、13個のレベルを生成する。
【0041】
本発明の実施形態によれば、N個の巻線は、同一の巻き数を有する。N個の巻線を同一の巻き数に設定する解決策を用いることによって、リプル電流を削減することができ、それによって、高次高調波をさらに抑制する。
【0042】
本発明の実施形態によれば、共通の磁心は、N個の相互接続されたシリンダを有し、N個の巻線はN個のシリンダに、それぞれ同一の巻き方向で巻き付いている。言い換えれば、N個のマルチレベルブリッジアームは、それぞれ、N個の巻線のドット端子(dotted terminal)に接続することができる。このような結合インダクタの構造によって、漏れインダクタンスを生成することができるので、フィルタ回路にインダクタンスを設定する必要がなく、これによって、フィルタ回路のコストを削減する。
【0043】
本発明の実施形態によれば、
図1の電力変換回路100は、N個のマルチレベルブリッジアームが、電力変換回路の駆動信号の切り替えサイクル内で、360/N度の位相インターリーブ方式で作動するように制御するための、駆動信号を生成するように構成された駆動回路をさらに含む。言い換えれば、N個のマルチレベルブリッジアームは、同一の駆動波形(またはパルス)を有する駆動信号に従って作動することができるが、隣接するマルチレベルブリッジアームの駆動信号の位相は、360/N度異なる。例えば、駆動信号は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)信号であってもよい。
【0044】
本発明の実施形態によれば、駆動信号が、複数の設定範囲内でデューティサイクルを有し、複数の設定範囲が、[(n-1)/N, n/N]を含み、ここで、n[(n-1)/N, n/N]である。第3の端子の複数のレベルの出力状態は、デューティサイクルの設定範囲に基づく。駆動信号のデューティサイクルを調整することによって、各マルチレベルブリッジアームによって生成されたレベルは、第3の端子で、より多くのレベルに組み合わせられる。
【0045】
図2は、本発明の別の実施形態による、電力変換回路200の概略ブロック図である。電力変換回路200は、第1の端子210と、第2の端子220と、第3の端子230と、N個のマルチレベルブリッジアーム240と、結合インダクタ250とを含む。電力変換回路200は、
図1の電力変換回路100と同様であり、したがって、ここでは、詳細な説明は適宜に省略される。
【0046】
図2の電力変換回路は、ブリーダ回路260、基準電圧端子270、およびフィルタ回路280をさらに含む。フィルタ回路280の一方の端部は、第3の端子330に接続され、フィルタ回路280のもう一方の端部は、基準電圧端子270に接続され、フィルタ回路280は、交流をフィルタリングするように構成される。ブリーダ回路260は、第1の端子210と第2の端子220との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成される。基準電圧端子270は、基準電圧を受けるように構成される。例えば、基準電圧端子は、ブリーダ回路260の中性点に接続され、ブリーダ回路の中性点は、基準電圧を受けることができる。ブリーダ回路260の中性点は、マルチレベルブリッジアームのクランプ中性点にさらに接続される。インターリーブ位相の駆動信号の制御下で、マルチレベルブリッジアーム1、マルチレベルブリッジアーム2、〜マルチレベルブリッジアームNは、その交流ノードで、マルチレベルの交流V_1、V_2、〜V_Nをそれぞれ生成する。マルチレベルの交流V_1、V_2、〜V_Nは、結合インダクタを通過した後に、第3の端子でより多くのレベルの交流と組み合わせられる。
【0047】
本発明の
実施形態によれば、マルチレベルブリッジアームは、中性点クランプ型マルチレベルブリッジアームであり、ブリーダ回路の中性点は、N個のマルチレベルブリッジアームの各マルチレベルブリッジアームのクランプ中性点に接続されている。
【0048】
本発明の実施形態によれば、フィルタ回路280は、コンデンサである。本発明の実施形態で、結合インダクタによって生成された漏れインダクタンスは、コンデンサ280と共にフィルタ回路を形成するのに使用されるため、フィルタ回路にインダクタンスを設置する必要がなく、その結果、フィルタ回路のサイズおよびコストを縮小でき、それによって、電力変換回路のサイズを縮小し、電力変換回路のコストを削減する。
【0049】
必要に応じて、別の実施形態として、フィルタ回路は、インダクタを含んでもよい。例えば、インダクタ(図示せず)は、第3の端子230と結合インダクタ250との間に直列に接続することができる。
【0050】
本発明の実施形態によれば、電力変換回路200は、直流を交流に変換するように構成されたインバータであり、第1の端子および第2の端子は、直流の入力を受ける入力端子であり、第3の端子は、交流を出力する出力端子である。
【0051】
図3は、本発明のさらに別の実施形態による、電力変換回路300の概略ブロック図である。電力変換回路300は、第1の端子310と、第2の端子320と、第3の端子330と、N個のマルチレベルブリッジアーム340と、結合インダクタ350とを含む。電力変換回路300は、
図1の電力変換回路100と同様であり、したがって、ここでは、詳細な説明は適宜に省略される。
図3の電力変換回路は、ブリーダ回路360、基準電圧端子370、およびフィルタ回路380をさらに含む。フィルタ回路380の一方の端部は、第3の端子330に接続され、フィルタ回路380のもう一方の端部は、基準電圧端子370に接続され、フィルタ回路380は、交流をフィルタリングするように構成される。ブリーダ回路360は、第1の端子310と第2の端子320との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成される。基準電圧端子370は、基準電圧を受けるように構成される。例えば、基準電圧端子は、ブリーダ回路360の中性点に接続される。ブリーダ回路360の中性点は、マルチレベルブリッジアームのクランプ中性点にさらに接続される。インターリーブ位相の駆動信号の制御下で、交流電流が結合インダクタ350を通過した後に、マルチレベル交流電流V_1、V_2、〜V_Nは、マルチレベルブリッジアーム1、マルチレベルブリッジアーム2、〜マルチレベルブリッジアームNの交流電流ノードでそれぞれ生成される。
【0052】
図2の実施形態とは異なり、電力変換回路300は、交流を直流に変換するように構成された整流器であり、第3の端子330は、交流の入力を受けるように構成された入力端子であり、第1の端子310および第2の端子320は、直流を出力するように構成された出力端子である。
【0053】
図4は、本発明の実施形態による、結合インダクタの等価回路図である。
【0054】
本実施形態は、結合インダクタが3個の巻線を含む例を使用して説明される。3個の巻線は、マルチレベルブリッジアームA、マルチレベルブリッジアームB、およびマルチレベルブリッジアームCの出力端子にそれぞれ接続され、3個の巻線が1つの磁心を共有すると仮定する。マルチレベルブリッジアームA、マルチレベルブリッジアームB、およびマルチレベルブリッジアームCは、駆動信号の切り替えサイクル内で、360/3=120度の位相インターリーブ方式で作動、すなわち、位相が120度でインターリーブされる並列インターリーブ方式で作動する。この場合、結合インダクタは、
図4に示す作動モデルと同等とすることができ、Lab、Lbc、およびLcaは、同等の結合インダクタであり、Lcmは、漏れインダクタンスである。
図4の同等の結合インダクタの作動モデルによれば、これは、V_o=(V_1+V_2+V_3)/3で求められる。マルチレベルブリッジアームA、マルチレベルブリッジアームB、およびマルチレベルブリッジアームCは、駆動信号の切り替えサイクル内で、360/3=120度の位相インターリーブ方式で作動するため、結合インダクタは、インバータ回路で使用されるとき、複数の異なるレベル状態を得るために、V_1、V_2、およびV_3の異なる状態を組み合わせることができる。あるいは、整流回路で使用される際は、結合インダクタは、入力交流電流をマルチレベルの交流電流V_1、V_2、およびV_3に変換することができる。
【0055】
また、結合インダクタの磁心の各部分は、組み合わせを作るために、その磁束の変化量に基づいて、異なる磁心材料を選択することができる。
【0056】
図5Aは、本発明の実施形態による、マルチレベルブリッジアームの回路図である。
図5Bは、本発明の実施形態による、マルチレベルブリッジアームの駆動信号の概略シーケンス図である。
【0057】
図5Aを参照すると、この実施形態は、中性点クランプ型3レベルブリッジアームを一例として用いることによって説明される。中性点クランプ型3レベルブリッジアームは、第1のスイッチQ1〜第4のスイッチQ4、ならびに第1のダイオードD1〜第4のダイオードD4を含む。
【0058】
第1のスイッチ管Q1は、電力変換回路の第1の端子と、マルチレベルブリッジアームの交流ノードとの間に接続される。第1のダイオードD1は、第1のスイッチ管Q1に並列に接続され、第1のダイオードD1のアノードは、マルチレベルブリッジアームの交流ノードに接続される。第3のスイッチ管Q3の一方の端部は、マルチレベルブリッジアームの交流ノードに接続される。第3のダイオードD3は、第3のスイッチ管Q3に並列に接続され、第3のダイオードD3のアノードは、マルチレベルブリッジアームの交流ノードに接続される。第2のスイッチ管Q2の一方の端部は、ブリーダ回路の中性点に接続され、第2のスイッチ管Q2のもう一方の端部は、第3のスイッチ管Q3のもう一方の端部に接続される。第2のダイオードD2は、第2のスイッチ管Q2に並列に接続され、第2のダイオードQ2のアノードは、ブリーダ回路の中性点に接続される。第4のスイッチ管Q4は、電力変換回路の第2の端子と、マルチレベルブリッジアームの交流電流ノードとの間に接続される。第4のダイオードD4は、第4のスイッチ管Q4に並列に接続され、第4のダイオードD4のカソードは、マルチレベルブリッジアームの交流ノードに接続される。
【0059】
図5Bを参照すると、各3レベルブリッジアームの制御方法が説明されている。各切り替えサイクルの前半では、第3のスイッチ管Q3がオン、第4のスイッチ管Q4がオフ、第1のスイッチ管Q1は、第1のパルスによって駆動されてオン/オフ、第2のスイッチ管Q2は、第2のパルスによって駆動されてオン/オフであり、ここで、第1のパルスおよび第2のパルスは、逆相を有する。各切り替えサイクルの後半では、第1のスイッチ管Q1がオフ、第2のスイッチ管Q2がオン、第3のスイッチ管Q3は、第3のパルスによって駆動されてオン/オフ、第4のスイッチ管Q4は、第4のパルスによって駆動されてオン/オフであり、ここで、第3のパルスおよび第4のパルスは、逆相を有する。表1は、上記の4つのスイッチ管の切り替え状態と出力電圧との間の関係を示す。
【0061】
上記の表から、出力電圧は、スイッチの異なる状態に従って、Vdc/2、0、および-Vdc/2の3つのレベル状態を示すことが分かる。
【0062】
図5Aの3レベルブリッジアームは、中性点クランプ型3レベルブリッジアームの単なる一例であって、中性点クランプ型3レベルブリッジアームの他の変形例もあり得ることが理解されるべきである。
【0063】
図5Cは、本発明の別の実施形態による、マルチレベルブリッジアームの回路図である。3レベルブリッジアームを一例として用いて、
図5Cを参照すると、3レベルブリッジアームは、第1のスイッチ管Q1〜第4のスイッチ管Q4と、第1のスイッチ管Q1〜第4のスイッチ管Q4にそれぞれ接続された第1のダイオードD1〜第4のダイオードD4とを含んでいる。また、3レベルブリッジアームは、中性点クランプ型ダイオードD5およびD6をさらに含んでいる。
【0064】
本発明の実施形態によれば、本発明のスイッチ管は、これに限定されないが、金属酸化物半導体(Metal Oxide Semiconductor、MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)、および集積ゲート整流サイリスタ(Integrated Gate Commutated Thyristors、IGCT)
およびシリコン制御整流器(Silicon Controlled Rectifier、SCR)等の、動力装置または異なる動力装置の組み合わせを含むことができる。
【0065】
図6は、本発明の実施形態による、電力変換回路600の回路図である。電力変換回路600は、
図1、
図2、または
図3の実施形態の一例である。
【0066】
本実施形態は、電力変換回路が電力インバータ回路であり、電力インバータ回路が、3つの中性点クランプ型3レベルブリッジアームを含む例を用いて説明される。したがって、結合インダクタは3つの巻線を有するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、電力変換回路600は、2つの3レベルブリッジアーム、またはそれ以上の3レベルブリッジアームを含むことができる。別の数の3レベルブリッジアームを含む電力変換回路の回路トポロジーは、3つの3レベルブリッジアームを含む電力変換回路の回路トポロジーと同様であり、したがって、ここでさらに説明はされない。
【0067】
電力変換回路600は、直流バス(Bus)610と、ブリーダ回路620と、3つの3レベルブリッジアーム630と、結合インダクタ640と、フィルタ回路650とを含む。
【0068】
電力変換回路600の第1の端子は、直流バスのアノード(Bus_+)に接続され、電力変換回路600の第2の端子は、直流バスのカソード(Bus_-)に接続される。
【0069】
ブリーダ回路は、第1のコンデンサC1および第2のコンデンサC2を含み、第1のコンデンサC1は、Bus_+とブリーダ回路の中性点Bus_Nとの間に接続され、第2のコンデンサC2は、Bus_-とBus_Nとの間に接続される。
【0070】
3つの3レベルブリッジアーム630は、3レベルブリッジA、3レベルブリッジアームB、および3レベルブリッジアームCを含む。各3レベルブリッジアームの回路トポロジー
は図5Aに示され、駆動信号のシーケンス図
は図5Bに示されており、ここでさらに説明はされない。各3レベルブリッジアームの交流ノードは、結合インダクタの対応する巻線に接続される。各3レベルブリッジアームの第2のスイッチ管Q2、および第3のスイッチ管Q3は、Bus_Nと3レベルブリッジアームの交流ノードとの間に直列に接続される。各3レベルブリッジアームの第1のスイッチ管Q1は、直流バスのBus_+と、3レベルブリッジアームの交流ノードとの間に接続される。各3レベルブリッジアームの第4のスイッチ管Q4は、直流電流バスのBus_-と、3レベルブリッジアームの交流ノードとの間に接続される。各3レベルブリッジアームのクランプ中性点は、ブリーダ回路の中性点に接続される。ブリーダ回路の中性点は、基準電圧を受ける。
【0071】
結合インダクタ640の3つの巻線は、1つの磁心を共有する。磁心は、3つのシリンダを含み、3つのシリンダのそれぞれの両端は、磁気的に別々に接続される。3つの巻線は、3つのシリンダに同一の巻き方向でそれぞれ巻き付き、3つの巻線の3つの前端は、3つの3レベルブリッジアームの交流ノードにそれぞれ接続され、3つの巻線の3つの後端は、電力変換回路の第3の端子にそれぞれ接続される。
【0072】
フィルタ回路650は、コンデンサC3であってもよい。コンデンサC3は、電力変換回路の第3の端子と、ブリーダ回路の中性点との間に接続される。しかしながら、本発明による実施形態は、これに限定されない。例えば、フィルタ回路650は、また、インダクタによって形成されるLCフィルタ回路、コンデンサその他の形態のフィルタ回路であってもよい。フィルタ回路650は、交流負荷660に接続される。
【0073】
電力変換回路600が整流器であるとき、フィルタ回路650は交流電源(図示せず)に接続される。すなわち、フィルタ回路650は、交流入力を受ける。
【0074】
図7は、本発明の実施形態による、駆動信号の出力電圧のデューティサイクルの概略シーケンス図である。
【0075】
本発明の実施形態によれば、電力変換回路の駆動信号に適切なデューティサイクルを設定することによって、複数のマルチレベルブリッジアームが、経時的に変化する方式で、交流ノードで複数のレベルを生成し、より多くのレベル状態を得るために、結合インダクタで複数のレベルを組み合わせる。電力変換回路の駆動信号は、異なるグリッド周波数サイクルにおいて、異なるデューティサイクルDで設定することができる。例えば、3つの3レベルブリッジアームが使用されるとき、7つのレベル状態を得るために、デューティサイクルは、D≦1/3、1/3≦D≦2/3、および2/3≦D≦1に設定することができる。
【0076】
図4の実施形態から、V_o=(V_1+V_2+V_3)/3であることが分かる。経時的に変化する異なるレベル状態V_1、V_2、およびV_3によれば、電力変換回路のV_oの異なる出力電圧は、表2に示すように、駆動信号のグリッド周波数サイクルの正の半サイクルおよび負の半サイクル内で得られる。
【0078】
電力変換器の出力電圧V_oは、
図2に示すように、グリッド周波数サイクル全体のデューティサイクルの異なる状態に伴って変化する。正の半サイクルで、デューティサイクルの状態(あるいは変動範囲)が2/3≦D≦1の場合は、V_oはVbus/2であり、負の半サイクルで、デューティサイクルの状態が2/3≦D≦1の場合は、V_oは-Vbus/2である。
【0079】
図7を参照すると、グリッド周波数サイクルの正の半サイクルを一例として用いて、以下のことが説明される。デューティサイクルDが変化すると、V_1、V_2、およびV_3の組み合わせの状態は、それぞれ以下のようになる。
【0080】
デューティサイクルがD≦1/3のとき、出力電圧V_oは0またはVbus/6、1/3≦D≦2/3のとき、出力電圧V_oはVbus/6またはVbus/3、および2/3≦D≦1のとき、出力電圧V_oはVbus/3またはVbus/2である。
【0081】
したがって、グリッド周波数サイクルの正の半サイクルで、デューティサイクルDの変化に伴って、0、Vbus/6、Vbus/3、およびVbus/2の4つのレベルが生成され、同様に、グリッド周波数サイクルの負の半サイクルで、0、-Vbus/6、-Vbus/3、および-Vbus/2の4つのレベルが生成される。したがって、グリッド周波数サイクルで、合計7つのレベル状態が生成される。本発明の実施形態によれば、グリッド周波数サイクル全体で、デューティサイクルが0から2/3まで変化する場合は、結果として5つのレベルを生成することができる。したがって、第3の端子のマルチレベルの出力状態は、デューティサイクルの状態または変動範囲に基づくことが分かる。
【0082】
また、フィルタ回路650と連係する結合インダクタ640の漏れインダクタンスLcmは、出力フィルタリングの目的を果たすことができ、フィルタ回路のインダクタンスを使用しないで済ますことができる。したがって、フィルタ回路650は、コンデンサのみを含んでいてもよい。フィルタ回路650が、コンデンサのみで十分にフィルタリングの効果を達成することによって、出力フィルタ回路650のコストが削減され、これによって、出力高調波の抑制が容易になる。また、3つのマルチレベルブリッジアームがインターリーブ方式で作動することによって、マルチレベルブリッジアームの出力の高周波成分が、スイッチング周波数の3倍に変化する。言い換えれば、V_1はスイッチング周波数で変化し、V_oの変化周波数はV_1の3倍であって、高次高調波のカットオフ周波数を増加させ、フィルタ回路のコストを削減することによって、フィルタ回路後の設計を容易にする。
【0083】
図8は、本発明の別の実施形態による、電力変換回路800の回路図である。電力変換回路800は、
図1、
図2、または
図3の実施形態の一例である。
【0084】
本実施形態は、電力変換回路が電力インバータ回路であり、電力インバータ回路が、3つのコンデンサクランプ型3レベルブリッジアームを含む例を用いて説明される。したがって、結合インダクタもまた、3つの巻線を有するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、電力変換回路800もまた、2つの3レベルブリッジアーム、またはそれ以上の3レベルブリッジアームを含むことができる。別の数の3レベルブリッジアームを含む電力変換回路の回路トポロジーは、3つの3レベルブリッジアームを含む電力変換回路の回路トポロジーと同様であり、したがって、ここでさらに説明はされない。
【0085】
電力変換回路800は、直流バス(Bus)810と、ブリーダ回路820と、3つの3レベルブリッジアーム830と、結合インダクタ840と、フィルタ回路850とを含む。
【0086】
電力変換回路800の第1の端子は、直流バスのアノード(Bus_+)に接続され、電力変換回路800の第2の端子は、直流バスのカソード(Bus_-)に接続されている。
【0087】
ブリーダ回路は、第1のコンデンサC1および第2のコンデンサC2を含み、第1のコンデンサC1は、Bus_+とブリーダ回路の中性点Bus_Nとの間に接続され、第2のコンデンサC2は、Bus_-とBus_Nとの間に接続される。
【0088】
3つの3レベルブリッジアーム830は、3レベルブリッジアームA、3レベルブリッジアームB、および3レベルブリッジアームCを含む。各3レベルブリッジアームは、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、および第4のスイッチ管、ならびに第1のスイッチ管に並列に接続された第1のダイオード、第2のスイッチ管に並列に接続された第2のダイオード、第3のスイッチ管に並列に接続された第3のダイオード、および第4のスイッチ管に並列に接続された第4のダイオードを含む。各3レベルブリッジアームの交流ノードは、結合インダクタの対応する巻線に接続される。
【0089】
各3レベルブリッジアームで、第1のスイッチ管Q1および第2のスイッチ管Q2は、直流バスのBus_+と、3レベルブリッジアームの交流ノードとの間に並列に接続される。第3のスイッチ管Q3および第4のスイッチ管Q4は、直流バスのBus_-と、3レベルブリッジアームの交流ノードとの間に並列に接続され、第1のダイオードのカソードはBus_+に接続され、第2のダイオードのカソードは第1のダイオードのアノードに接続され、第4のダイオードのアノードはBus_-に接続され、第3のダイオードのアノードは第4のダイオードのカソードに接続される。クランプするためのコンデンサ(例えばフライングコンデンサ)は、第1のダイオードのアノードと、第4のダイオードのカソードとの間に架け渡されている。
【0090】
結合インダクタ840の巻線は、1つの磁心を共有する。磁心は、3つのシリンダを含み、3つのシリンダのそれぞれの両端は、磁気的に別々に接続される。3つの巻線は、3つのシリンダに同一の巻き方向でそれぞれ巻き付き、3つの巻線の3つの前端は、3つの3レベルブリッジアームの交流ノードにそれぞれ接続され、3つの巻線の3つの後端は、電力変換回路の第3の端子にそれぞれ接続される。
【0091】
フィルタ回路850は、コンデンサC3であってもよい。コンデンサC3は、電力変換回路の第3の端子と、ブリーダ回路820の中性点との間に接続される。しかしながら、本発明の実施形態は、これに限定されない。例えば、フィルタ回路850は、また、インダクタによって形成されるLCフィルタ回路、コンデンサその他の形態のフィルタ回路であってもよい。フィルタ回路850は、交流負荷860に接続されている。
【0092】
電力変換回路800が整流器であるとき、フィルタ回路850は交流電源(図示せず)に接続され、すなわち、フィルタ回路850は交流入力を受けることが理解されるべきである。
【0093】
図9は、本発明の実施形態による、電力変換システム900の概略ブロック図である。電力変換システム900は、第1の電力変換回路および第2の電力変換回路を有し、交流/交流(AC/AC)変換を実施するように構成される。第1の電力変換回路は、
図2に示す電力変換回路200であってもよく、直流を交流に変換するように構成される。第2の電力変換回路は、
図3に示す電力変換回路300であってもよく、交流を直流に変換するように構成される。電力変換回路200の入力端子は、電力変換回路300の出力端子に接続される。言い換えれば、第2の電力変換回路の直流出力は、 AC/AC変換を実施するように、第1の電力変換回路の直流入力に接続される。
【0094】
並列インターリーブのマルチレベルブリッジアームを結合インダクタと連係して用いることによって、より多くのレベルを出力することができる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。さらに、本発明の実施形態では、交流レベルの数を増加させることができるため、交流中の高次高調波の比率が低減され、それによって、高次高調波を効果的に抑制する。また、高次高調波が効果的に抑制されるので、大型のフィルタ回路を使用してフィルタリングを行う必要がなくなることによって、フィルタ回路のコストを削減する。また、第2の電力変換回路の直流出力を、第1の電力変換回路の直流入力に接続することによって、AC/AC変換が実施される。
【0095】
図10は、本発明の別の実施形態による、電力変換システム1000の概略ブロック図である。電力変換システム1000は、第1の電力変換回路および第2の電力変換回路を含み、直流/直流(DC/DC)変換を実施するように構成されている。第1の電力変換回路は、
図2に示す電力変換回路200であってもよく、直流を交流に変換するように構成される。第2の電力変換回路は、
図3に示す電力変換回路300であってもよく、交流を直流に変換するように構成される。電力変換回路200の出力端子は、電力変換回路300の入力端子に接続される。言い換えれば、第1の電力変換回路の交流出力は、 DC/DC変換を実施するように、第2の電力変換回路の交流入力に接続される。
【0096】
並列インターリーブのマルチレベルブリッジアームを結合インダクタと連係して用いることによって、より多くのレベルを出力することができる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。さらに、本発明の実施形態では、交流レベルの数を増加させることができるため、交流中の高次高調波の比率が低減され、それによって、高次高調波を効果的に抑制する。また、高次高調波が効果的に抑制されるので、大型のフィルタ回路を使用してフィルタリングを行う必要がなくなることによって、フィルタ回路のコストを削減する。また、第1の電力変換回路の交流出力を、第2の電力変換回路の交流入力に接続することによって、DC/DC変換が実施される。
【0097】
図11は、本発明の実施形態による、3相電力変換器1100の概略ブロック図である。3相電力変換器1100は、A相マルチレベル電力変換回路1130、B相マルチレベル電力変換回路1140、およびC相マルチレベル電力変換回路1150を含み、3相交流と直流との間の電力変換を実施するように構成されている。
【0098】
A相マルチレベル電力変換回路1130、B相マルチレベル電力変換回路1140、およびC相マルチレベル電力変換回路1150の電力変換回路の各相は、
図1に示す電力変換回路100である。
【0099】
本発明の実施形態では、並行インターリーブのマルチレベルブリッジアームを、3相電力変換器の電力変換回路の各相で結合インダクタと連係して用いることによって、より多くのレベルの3相交流出力を生成することができる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。さらに、本発明の実施形態では、交流レベルの数を増加させることができるため、交流の高次高調波の比率が低減され、それによって、高次高調波を効果的に抑制する。また、高次高調波が効果的に抑制されるので、大型のフィルタ回路を使用してフィルタリングを行う必要がなくなることによって、フィルタ回路のコストを削減する。
【0100】
必要に応じて、別の実施形態として、3相電力変換器1100は、ブリーダ回路1120と、3相フィルタ回路1160とをさらに含むことができる。ブリーダ回路1120は、電力変換回路の各相の第1の端子と第2の端子との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成される。3相フィルタ回路1160は、A相フィルタコンデンサC1、B相フィルタコンデンサC2、およびC相フィルタコンデンサC3を含み、3相交流をフィルタリングするように構成され、3つのコンデンサの各コンデンサの一方の端部が、3相電力変換回路のうちの1相の電力変換回路の第3の端子に接続され、3つのコンデンサのもう一方の端部は、共に接続される。3相電力変換器1100は、3相パワーインバータであってもよく、入力直流電圧1110を受け、および逆変換後に3相の交流電圧V_a、V_b、およびV_cを出力するように構成されている。
【0101】
3相電力変換器1100は、また、3相電力整流器であってもよく、3相の入力交流電圧V_a、V_b、およびV_cを受け、整流後に直流電圧を出力するように構成されることが理解されるべきである。
【0102】
図12は、本発明の別の実施形態による、3相電力変換器1200の概略ブロック図である。3相電力変換器1200は、A相マルチレベル電力変換回路1230、B相マルチレベル電力変換回路1240、C相マルチレベル電力変換回路1250、ブリーダ回路1220、および3相フィルタ回路1260を含む。これは、
図11の3相電力変換器1100AのA相マルチレベル電力変換回路1130、B相マルチレベル電力変換回路1140、C相マルチレベル電力変換回路1150、ブリーダ回路1120、および3相フィルタ回路1160と同様であり、したがって、ここでさらに説明はされない。
図11の実施形態とは異なり、
図12の3相電力変換器1200の3相フィルタコンデンサC1、B相フィルタコンデンサC2、およびC相フィルタコンデンサC3の各コンデンサのもう一方の端部は、共にブリーダ1220の中性点に接続される。
【0103】
本発明の実施形態では、並行インターリーブされたマルチレベルブリッジアームは、3相電力変換器の電力変換回路の各相で結合インダクタと連係して用いられる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。さらに、本発明の実施形態では、交流レベルの数を増加させることができるため、交流中の高次高調波の比率が低減され、それによって、高次高調波を効果的に抑制する。また、高次高調波が効果的に抑制されるので、大型のフィルタ回路を使用してフィルタリングを行う必要がなくなることによって、フィルタ回路のコストを削減する。
【0104】
3相電力変換器1200は、3相パワーインバータであってもよく、入力直流電圧1210を受け、逆変換後に3相の交流電圧V_a、V_b、およびV_cを出力するように構成される。
【0105】
3相電力変換器1200は、また、3相電力整流器であってもよく、3相の入力交流電圧V_a、V_b、およびV_cを受け、整流後に直流電圧を出力するように構成されることが理解されるべきである。
【0106】
図13は、本発明のさらに別の実施形態による、3相電力変換器1300の概略ブロック図である。3相電力変換器1300は、
図12の3相電力変換器1200と同様であり、3相電力変換器1300は、A相マルチレベル電力変換回路1330、B相マルチレベル電力変換回路1340、C相マルチレベル電力変換回路1350、ブリーダ回路1320、および3相フィルタ回路1360を含む。これは、
図12の3相電力変換器1200のA相マルチレベル電力変換回路1230、B相マルチレベル電力変換回路1240、C相マルチレベル電力変換回路1250、ブリーダ回路1220、および3相フィルタ回路1260と同様であり、したがって、ここでさらに説明はされない。
図12の実施形態とは異なり、3相電力変換器1300は、第1の中性点Nをさらに含み、これはグリッドの中性点に接続されるように構成されており、第1の中性点は、共に接続されている3相フィルタコンデンサC1、B相フィルタコンデンサC2、およびC相フィルタコンデンサC3の各コンデンサの端部に接続される。3相電力変換器1300は、3相パワーインバータであってもよく、入力直流電圧1310を受け、逆変換後に3相の交流電圧V_a、V_b、およびV_cを出力するように構成されている。
【0107】
本発明の実施形態では、並行インターリーブのマルチレベルブリッジアームを、3相電力変換器の電力変換回路の各相で結合インダクタと連係して用いることによって、より多くのレベルの3相交流出力を生成することができる。複数のマルチレベルブリッジアームは、位相インターリーブ作動方式で出力レベルを増加させることができるため、電力変換回路の制御ロジックが簡素化される。さらに、本発明の実施形態では、交流レベルの数を増加させることができるため、交流中の高次高調波の比率が低減され、それによって、高次高調波を効果的に抑制する。また、高次高調波が効果的に抑制されるので、大型のフィルタ回路を使用してフィルタリングを行う必要がなくなることによって、フィルタ回路のコストを削減する。
【0108】
3相電力変換器1300は、また、3相電力整流器であってもよく、3相の入力交流電圧V_a、V_b、およびV_cを受け、整流後に直流電圧を出力するように構成されていることが理解されるべきである。
【0109】
図14は、本発明の別の実施形態による、電力変換システム1400の概略ブロック図である。電力変換システム1400は、ブリーダ回路1420、M個の電力変換回路1430、結合インダクタ1440、フィルタ回路1450、および第4の端子1460を含む。
【0110】
本実施形態は、結合インダクタが2レベルの例を用いて説明されるが、当業者であれば、結合インダクタは、マルチレベルであってもよいことを理解することができる。2レベルの結合インダクタは、各電力変換回路1430の結合インダクタ、およびM個の電力変換回路1430によって共有される結合インダクタ1440を含む。
【0111】
結合インダクタ1440は、
図4の結合インダクタと同様であり、したがって、ここでさらに説明はされない。
【0112】
M個の電力変換回路1430の各電力変換回路は、
図1に示す電力変換回路100であって、交流と直流との間で電力変換を行うように構成されており、ここでさらに説明はされない。ブリーダ回路1420は、M個の電力変換回路1430の各電力変換回路の第1の端子と第2の端子との間に接続され、直流の電圧をブリードダウンするように構成されている。結合インダクタ1440は、1つの共通の磁心によって結合されたM個の巻線を含み、互いに結合されたインダクタンスを形成するように構成され、M個の巻線の各巻線の一方の端部が、M個の電力変換回路1430の1つの電力変換回路の第3の端子に接続され、M個の巻線の各巻線のもう一方の端部が、第4の端子1460に接続されている。フィルタ回路1450は、第4の端子1460に接続され、交流をフィルタリングするように構成され、Mは2より大きいかまたは2に等しい。
【0113】
本発明の実施形態によれば、M個の電力変換回路は、結合インダクタを用いて共に接続でき、より多くのレベルを出力するように並列インターリーブ方式で作動することによって、総電力をさらに拡張する。
【0114】
本発明の実施形態によれば、フィルタ回路1450は、第4の端子に接続されたコンデンサを含む。結合インダクタによって生成された漏れインダクタンスをフィルタリングに用いることができるため、フィルタ回路にインダクタンスを設定する必要がなく、3相電力変換器のフィルタ回路のコストを削減することができる。
【0115】
本発明の実施形態によれば、M個の電力変換回路1430の各電力変換回路のN個のマルチレベルブリッジアームは、電力変換回路の駆動信号の切り替えサイクル内で、360/(N*M)度で位相インターリーブする方式で、並列インターリーブで作動する。言い換えれば、各電力変換回路の駆動信号の位相は、360/M度の間隔を空けられ、各電力変換回路のN個のマルチレベルブリッジアームの駆動信号の位相は、360/(N*M)度の間隔を空けられる。
【0116】
本発明による実施形態では、2つのレベルを結合インダクタと連係して用いることによって、複数のレベルが生成される解決策と比較して、同一の出力レベルの場合は、結合インダクタの数が削減され、結合インダクタの設計および製造が簡素化されることによって、コストを削減する。
【0117】
本明細書に開示された実施形態で示される例を参照して説明されるユニットおよびアルゴリズム工程は、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの組み合わせによって実施できることは、当業者であれば認識することができる。ハードウェアとソフトウェアとの間の互換性を明確に説明するために、上述の説明で、各例の組成と工程について、機能に基づいて一般的に説明した。機能は、ハードウェアで実行されてもソフトウェアで実行されても、技術的解決策の特定の用途および設計の制約条件に基づく。当業者であれば、各特定用途に対して、説明した機能を実施するために異なる方法を用いることができるが、この実施が本発明の範囲を逸脱すると考えられるべきではない。
【0118】
本明細書で開示される実施形態を参照して説明した方法またはアルゴリズム工程は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはそれらの組み合わせによって実施される。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM、電気的に消去可能なプログラマブルROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、その他任意の形態の、当業者に知られている記憶媒体に配置される。
【0119】
本発明の実施形態のいくつかが示され説明されたが、本発明の原
理から逸脱することなく、本実施形態に様々な修正
が行われてもよいことが
、当業者には理解されるべきである。