(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象物の動きがある部位に設けられたセンサモジュールから、前記部位の動きのセンサ検出結果を受信する通信装置の処理回路で実行される動き検出用プログラムであって、
前記センサモジュールの所定期間内のセンサ検出結果を取得する第1の手順と、
前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールと前記通信装置との間の通信強度を取得する第2の手順と、
前記第1の手順で取得した前記センサ検出結果を基に、前記所定期間内に前記センサモジュールが移動した第1の距離を算出する第3の手順と、
前記第1の手順で取得した前記センサ検出結果を基に、前記センサモジュールの前記移動の向きを算出する第4の手順と、
前記所定期間の開始タイミングにおける前記センサモジュールの第1の位置と、前記第2の手順で取得した前記通信強度と、前記第3の手順で算出した前記第1の距離と、前記第4の手順で算出した前記移動の向きとを基に、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールの第2の位置を算出する第5の手順と
を前記通信装置の処理回路に実行させる
動き検出用プログラム。
前記通信装置が複数の前記センサモジュールから前記センサ検出結果を受信する場合に、前記複数のセンサモジュールの各々について、当該センサモジュールから受信した前記センサ検出結果と、当該センサモジュールとの間の前記通信強度と用いて、前記第1〜5の手順の処理を前記処理回路に実行させて前記第2の位置を算出し、
前記複数のセンサモジュールについて算出された前記第2の位置を基に、前記対象物の動きを特定する第6の手順
をさらに有する請求項1に記載の動き検出用プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のカメラを用いた方法では、カメラを設置する必要があり、プレイヤーがプレイ中に気軽に自分のフォームを確認することが難しいという問題がある。
また、カメラで取得した画像を分析するには画像処理が必要になり、服装等によっては正確な画像処理が難しく、正確な分析ができないという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物の動きを画像処理以外の簡単な方法で検出することができる動き検出用プログラム、対象物動き検出装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点は、対象物の動きがある部位に設けられたセンサモジュールから、前記部位の動きのセンサ検出結果を受信する通信装置の処理回路で実行される動き検出用プログラムに関するものである。この動き検出用プログラムは、前記センサモジュールの所定期間内のセンサ検出結果を取得する第1の手順と、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールと前記通信装置との間の通信強度を取得する第2の手順と、前記第1の手順で取得した前記センサ検出結果を基に、前記所定期間内に前記センサモジュールが移動した第1の距離を算出する第3の手順と、前記第1の手順で取得した前記センサ検出結果を基に、前記センサモジュールの前記移動の向きを算出する第4の手順と、前記所定期間の開始タイミングにおける前記センサモジュールの第1の位置と、前記第2の手順で取得した前記通信強度と、前記第3の手順で算出した前記第1の距離と、前記第4の手順で算出した前記移動の向きとを基に、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールの第2の位置を算出する第5の手順とを前記通信装置の処理回路に実行させる。
【0006】
この構成によれば、所定期間の終了タイミングにおけるセンサモジュールと通信装置との間の通信強度を基に、センサモジュールの終了タイミングにおける第2の位置が算出される。ここで、通信強度による位置解析の方が、センサ単独の位置解析にくらべて精度が高い。そのため、第2の位置が高精度に算出される。また、対象物の動き検出において、カメラ等を設置する必要がないため、作業負担が小さく、気軽に利用できる。さらには、対象物の外観に左右されずに安定して高精度な検出が可能になる。
【0007】
好適に、本発明の第1の観点に係る動き検出用プログラムは、前記通信装置が複数の前記センサモジュールから前記センサ検出結果を受信する場合に、前記複数のセンサモジュールの各々について、当該センサモジュールから受信した前記センサ検出結果と、当該センサモジュールとの間の前記通信強度と用いて、前記第1〜第5の手順の処理を前記処理回路に実行させて前記第2の位置を算出し、前記複数のセンサモジュールについて算出された前記第2の位置を基に、前記対象物の動きを特定する第6の手順をさらに有する。
この構成によれば、複数の前記センサモジュールから前記センサ検出結果を基に、当該複数のセンサモジュールの所定期間の終了タイミングにおける位置が算出され、当該複数のセンサモジュールが取り付けられた対象物の部位の移動軌跡が特定される。
【0008】
好適に、本発明の第1の観点に係る動き検出用プログラムは、前記第2の手順で取得した前記通信強度を基に、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールと前記通信装置との第2の距離を算出する第7の手順をさらに有してよい。前記第5の手順は、前記通信装置の位置である第3の位置を中心とし、前記第2の距離を半径とす
る仮想球上で、前記第1の位置との距離が前記第1の距離とな
る円を特定し、当該特定し
た円のうち、前記第4の手順で算出した前記移動の向きに対応した点を前記第2の位置として特定してよい。
【0009】
この構成によれば、前記第2の手順で取得した前記通信強度を基に、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールと前記通信装置との第2の距離が、通信強度の高い精度を基に高精度に算出される。そのため、当該第2の距離を用いた第2の位置の算出が高精度に行われる。
【0010】
好適に、前記センサ検出結果は、センサモジュールが検出した加速度でもよい。
好適に、前記センサ検出結果は、前記センサモジュールが検出した角速度をさらに含んでもよい。この場合、前記第5の手順は、前記角速度をさらに用いて前記第2の位置の算出を行ってもよい。
【0011】
この構成によれば、センサモジュールの加速度及び角速度を用いることで、センサモジュールの姿勢を考慮した高精度な処理が行われる。
【0014】
本発明の第2の観点に係る対象物動き検出装置は、対象物の動きがある部位に設けられたセンサモジュールと、前記センサモジュールから、前記部位の動きのセンサ検出結果を受信する通信装置とを有し、前記通信装置は、前記センサモジュールから所定期間内の前記センサ検出結果を取得し、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールと前記通信装置との間の通信強度を取得し、前記取得した前記センサ検出結果を基に、前記所定期間内に前記センサモジュールが移動した第1の距離を算出し、前記取得した前記センサ検出結果を基に、前記センサモジュールの前記移動の向きを算出し、前記所定期間の開始タイミングにおける前記センサモジュールの第1の位置と、前記取得した前記通信強度と、前記算出した前記第1の距離と、前記算出した前記移動の向きとを基に、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールの第2の位置を算出する。
【0015】
この構成によれば、所定期間の終了タイミングにおけるセンサモジュールと通信装置との間の通信強度を基に、センサモジュールの終了タイミングにおける第2の位置が算出される。ここで、通信強度による位置解析の方が、センサ単独の位置解析にくらべて精度が高い。そのため、第2の位置が高精度に算出される。また、対象物の動き検出において、カメラ等を設置する必要がないため、作業負担が小さく、気軽に利用できる。さらには、対象物の外観に左右されずに安定して高精度な検出が可能になる。
【0016】
本発明の第3の観点は、対象物の動きがある部位に設けられたセンサモジュールと、前記センサモジュールが検出したセンサ検出結果を前記センサモジュールから受信する通信装置とを用いた対象物動き検出方法に関するものである。この対象物動き検出方法は、前記センサモジュールの所定期間内のセンサ検出結果を前記センサモジュールから前記通信装置に送信する第1の工程と、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールと前記通信装置との間の通信強度を前記通信装置が取得する第2の工程と、前記第1の工程で取得した前記センサ検出結果を基に、前記所定期間内に前記センサモジュールが移動した第1の距離を前記通信装置が算出する第3の工程と、前記第1の工程で取得した前記センサ検出結果を基に、前記センサモジュールの前記移動の向きを前記通信装置が算出する第4の工程と、前記所定期間の開始タイミングにおける前記センサモジュールの第1の位置と、前記第2の工程で取得した前記通信強度と、前記第3の工程で算出した前記第1の距離と、前記第4の工程で算出した前記移動の向きとを基に、前記所定期間の終了タイミングにおける前記センサモジュールの第2の位置を前記通信装置が算出する第5の工程とを有する
【0017】
この構成によれば、所定期間の終了タイミングにおけるセンサモジュールと通信装置との間の通信強度を基に、センサモジュールの終了タイミングにおける第2の位置が算出される。ここで、通信強度による位置解析の方が、センサ単独の位置解析にくらべて精度が高い。そのため、第2の位置が高精度に算出される。また、対象物の動き検出において、カメラ等を設置する必要がないため、作業負担が小さく、気軽に利用できる。さらには、対象物の外観に左右されずに安定して高精度な検出が可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、対象物の動きを画像処理以外の簡単な方法で検出することができる動き検出用プログラム、対象物動き検出装置及びその方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る対象物動き検出装置1を説明するための図である。
図1の例に示す対象物動き検出装置1は、使用者のゴルフスウィングを分析するために、使用者の体の各部位における動きを検出する。
図1に示すように、対象物動き検出装置1は、センサモジュール11_1,11_2,11_3及び携帯型端末装置15を有する。
対象物動き検出装置1が本発明の対象物動き検出装置の一例であり、センサモジュール11_1,11_2,11_3が本発明のセンサモジュールの一例であり、携帯型端末装置15が本発明の通信装置の一例である。
【0021】
センサモジュール11_1は、使用者の眼鏡21に固定されている。センサモジュール11_2は使用者が使うゴルフクラブ22に固定されている。センサモジュール11_3は、使用者の腕首23に固定されている。携帯型端末装置15は、使用者のベルト25に固定されている。
使用者がゴルフクラブ22をスウィングすると、当該スウィングに応じて眼鏡21、ゴルフクラブ22及び腕首23が移動し、当該移動の軌跡が携帯型端末装置15によって算出される。
【0022】
図2は、センサモジュール11_1,11_2,11_3と携帯型端末装置15との間の通信を説明するための図である。
図2に示すように、センサモジュール11_1,11_2,11_3と携帯型端末装置15とは無線通信を行う。当該通信強度は、センサモジュール11_1,11_2,11_3と携帯型端末装置15との距離に応じたものになる。
また、センサモジュール11_1,11_2,11_3から携帯型端末装置15に、センサモジュール11_1,11_2,11_3で検出した加速度及び角速度が送信される。
【0023】
図3は、
図1に示すセンサモジュール11_s(s=1,2,3)の機能ブロック図である。
図3に示すように、センサモジュール11_sは、例えば、加速度センサ31_s、角速度センサ33_s及び通信部35_sを有する。
加速度センサ31_sは、x,y,z軸毎の加速度(センサ座標系)を検出し、当該検出した加速度を示す加速度信号S31_sを通信部35_sに出力する。
角速度センサ33_sは、基準軸に対してセンサモジュール11_sが1秒間に回転した角度を検出し、当該検出した角度を示す角速度信号S33_sを通信部35_sに出力する。
【0024】
通信部35_sは、加速度センサ31_sから入力した加速度信号S31_sと、角速度センサ33_sから入力した角速度信号S33_sとを、携帯型端末装置15に無線通信により、送信する。無線通信としては、例えば、Bluetooth(商標)等が用いられる。
【0025】
図4は、
図1に示す携帯型端末装置15の機能ブロック図である。
図4に示すように、携帯型端末装置15は、例えば、通信部41、操作部43、ディスプレイ45、加速度センサ47、角速度センサ49、メモリ51及び処理回路53等を有する。携帯型端末装置15は、例えば、使用者が所有するスマートフォン等である。
【0026】
通信部41は、センサモジュール11_1,11_2,11_3と無線通信を行う。
操作部43は、キーボード、マウス、タッチパネル等の操作手段であり、ユーザの操作に応じた操作信号を処理回路53に出力する。
ディスプレイ45は、処理回路53の処理結果等を表示する。
【0027】
加速度センサ47は、x,y,z軸毎の加速度(センサ座標系)を検出し、当該検出した加速度を示す加速度信号を処理回路53に出力する。
角速度センサ49は、基準軸に対して携帯型端末装置15が1秒間に回転した角度を検出し、当該検出した角度を示す角速度信号を処理回路53に出力する。
メモリ51は、処理回路53が実行する動き検出用プログラムPRG、並びに処理回路53の処理に使われるデータや処理結果のデータを記憶する。ここで、動き検出用プログラムPRGが本発明の動き検出用プログラムの一例である。
処理回路53は、上記動き検出用プログラムPRGを実行し、本実施形態で説明する携帯型端末装置15の動作を行う。
【0028】
以下、対象物動き検出装置1によるセンサモジュール11_sの位置検出原理について説明する。
センサモジュール11_s(s=1,2,3)と携帯型端末装置15との間の距離r(s)と、これらの間の通信強度RSSI(s)との間には下記式(1)の関係がある。
下記式(1)において、「A」、「B」は予め決められた定数である。
【0029】
[数1]
RSSI(s)=A−10Blog
10(r(s)) …(1)
【0030】
携帯型端末装置15の処理回路53は、動き検出用プログラムPRGを実行して以下の処理を行う。
処理回路53は、上記式(1)と、センサモジュール11_sとの間の無線通信の通信強度RSSI(x)を基に、センサモジュール11_sとの間の距離r(s)を算出する。
上記算出した距離r(s)は、携帯型端末装置15を中心とした仮想円あるいは仮想球上の半径r(s)を示す。
図5に示すように、センサモジュール11_sは、携帯型端末装置15を中心とした半径r(s)の仮想円あるいは仮想球上に位置することが分かる。
【0031】
処理回路53は、
図6に示すように、所定期間内にセンサモジュール11_sが移動した場合に、センサモジュール11_sから受信した加速度信号S35_sが示す加速度a(s)を基に、移動距離L(s)を下記式(2)を用いて算出する。下記式(2)において、tは時刻であり、携帯型端末装置15のタイマーによって計数される。V0は、センサモジュール11_sの上記所定期間内の開始タイミングt1での速度である。ここで、移動距離L(s)が本発明の第1の距離の一例である。
図6において、位置(x1(s),y1(s))が上記所定期間の開始タイミングt1におけるセンサモジュール11_sの位置である。また、位置(x2(s),y2(s))が上記所定期間の終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sの位置である。
なお、上記所定期間は一定であり、時間的に連続して所定期間が規定されている。
【0032】
[数2]
L(s)=V0×t+1/2×a(s)×t
2 …(2)
【0033】
処理回路53は、センサモジュール11_sから受信した加速度信号S31_sが示す加速度a(s)を基に、センサモジュール11_sの移動の向きを算出する。当該向きは、例えば、重力方向を基準とした向きとして算出される。
処理回路53は、センサモジュール11_sの上記所定期間の開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))と、上記所定期間の終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sとの間の通信強度RSSI(s)2と、上記算出した距離L(s)と、上記算出したセンサモジュール11_sの移動の向きとを基に、センサモジュール11_sの上記所定期間の終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))を算出する。
【0034】
このとき、上記所定期間の開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))としては、一つ前の所定期間について前回算出した位置(x2(s),y2(s))の値が用いられる。
また、処理回路53における位置算出処理では、処理回路53の位置を原点(0,0)とする座標系を用いる。ここで、原点(0,0)が本発明の第3の位置の一例であり、位置(x1(s),y1(s))が本発明の第1の位置の一例である。また、位置(x2(s),y2(s))が本発明の第2の位置の一例である。
【0035】
すなわち、処理回路53は、終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sと携帯型端末装置15との通信強度RSSI(s)2を基に、終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sと携帯型端末装置15との間の距離r(s)2を算出する。
処理回路53は、携帯型端末装置15の位置を中心とし、距離r(s)2を半径とする仮想円63上あるいは仮想球上で、センサモジュール11_sの開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))から距離L(s)となる2点65,67あるいは円を特定し、当該特定した2点あるいは円のうち、加速度信号S31_sが示す加速度a(s)を基に規定される方向に対応した点を、センサモジュール11_sの終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))として特定する。
図6に示す例では、仮想円63上の点65が位置(x2(s),y2(s))として特定する。
【0036】
このように、本実施形態では、所定期間の終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sとの間の通信強度RSSI(s)2を基に生成した距離r(s)2を用いて、センサモジュール11_sの終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))を算出する。ここで、通信強度RSSI(s)2による解析の方が、センサ単独の位置解析にくらべて精度は高い。そのため、位置(x2(s),y2(s))を高精度に算出できる。
【0037】
そして、処理回路53は、センサモジュール11_sの開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))、終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))、並びに加速度a(s)を基に、使用者の眼鏡21、ゴルフクラブ22及び腕首23の動きを特定する。
【0038】
処理回路53は、センサモジュール11_sとの間における通信強度RSSI(s)の感度に方向依存性(例えば、円から楕円)が生じた場合、センサモジュール11_sからの加速度信号S31_s及び角速度信号S33_sを基に、センサモジュール11_sの姿勢を特定し、楕円補正を強度で行った後に、当該楕円を上記円として用いて上記演算を行う。
【0039】
図7A,
図7Bは、対象物動き検出装置1の初期化処理を説明するための図である。
対象物動き検出装置1では、センサモジュール11_sを使用者の各部位に固定した後に、
図7A,
図7Bに示すように、センサモジュール11_sが直線配置になるようにし、初期化処理を行う。このとき、携帯型端末装置15の通信モジュール35_sは、センサモジュール11_sとの間の通信強度RSSI(s)を基に位置の初期化を行う。
【0040】
以下、対象物動き検出装置1の動作例を説明する。
図8は、対象物動き検出装置1の動作例を説明するためのフローチャートである。
以下に示す携帯型端末装置15の処理は、
図4に示す処理回路53が動き検出用プログラムPRGを実行することで実現される。
ステップST1:
図1に示すように、センサモジュール11_sを使用者の各部位に固定した後に、
図7に示すように、センサモジュール11_sが直線配置になるようにし、初期化処理を行う。このとき、携帯型端末装置15の通信モジュール35_sは、センサモジュール11_sとの間の通信強度RSSI(s)を基に位置の初期化を行う。
【0041】
次に、携帯型端末装置15は、使用者がプレイ中に、センサモジュール11_sの各々について以下のステップST2〜ST8の処理を行う。
ステップST2:
携帯型端末装置15は、センサモジュール11_sから加速度信号S31_sを受信し、所定期間内におけるセンサモジュール11_sの加速度a(s)を
図4に示すメモリ51に記憶する。
【0042】
ステップST3:
携帯型端末装置15は、上記所定期間の終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sとの間の通信強度RSSI(s)をメモリ51に記憶する。
【0043】
ステップST4:
処理回路53は、メモリ51から通信強度RSSI(s)を読み出し、上記式(1)に基づいて、センサモジュール11_sと携帯型端末装置15との間の距離r(s)を算出する。
【0044】
ステップST5:
処理回路53は、メモリ51から加速度a(s)を読み出し、上記式(2)に基づいて、上記所定期間内のセンサモジュール11_sの移動距離L(s)を算出する。
【0045】
ステップST6:
処理回路53は、加速度a(s)を基に、センサモジュール11_sの移動の向きを算出する。
【0046】
ステップST7:
処理回路53は、センサモジュール11_sの上記所定期間の開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))と、ステップST3で取得した通信強度RSSI(s)2と、ステップST4で算出した距離L(s)と、ステップST6で算出したセンサモジュール11_sの移動の向きとを基に、
図6を用いて説明した手法で、センサモジュール11_sの上記所定期間の終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))を算出する。
このとき、上記所定期間の開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))としては、一つ前の所定期間について前回算出した位置(x2(s),y2(s))の値が用いられる。
【0047】
ステップST8:
処理回路53は、センサモジュール11_sの上記所定期間の開始タイミングt1における位置(x1(s),y1(s))と終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))を基に、当該所定期間内におけるセンサモジュール11_sの動きを特定し、これを基に使用者のゴルフのフォームを特定する処理を行う。
処理回路53は、当該特定したフォームをセンサモジュール11_sの移動軌跡を示す表示をディスプレイ45に表示してもよい。また、処理回路53は、当該センサモジュール11_sの移動経路と、予め参照データとして用意した移動経路とを比較し、その差異を特定できる表示をディスプレイ45に表示する。
【0048】
以上説明したように、対象物動き検出装置1によれば、カメラの画像を基にした画像処理を行うことなく、対象物の各部位の動きを高精度に検出できる。
すなわち、携帯型端末装置15において、上述したように所定期間の終了タイミングt2におけるセンサモジュール11_sとの間の通信強度RSSI(s)2を基に生成した距離r(s)2を用いて、センサモジュール11_sの終了タイミングt2における位置(x2(s),y2(s))を算出する。ここで、通信強度RSSI(s)2による位置解析の方が、センサ単独の位置解析にくらべて精度は高い。そのため、位置(x2(s),y2(s))を高精度に算出できる。
また、対象物の動き検出において、カメラ等を設置する必要がないため、作業負担が小さく、気軽に利用できる。さらには、対象物の外観に左右されずに安定して高精度な検出が可能になる。
【0049】
また、対象物動き検出装置1では、センサモジュール11_1,11_2,11_3の動きを高精度検出できるため、使用者のゴルフフォームを高精度に分析できる。
【0050】
また、対象物動き検出装置1によれば、携帯型端末装置15として使用者が所有するスマートフォン等を用い、動き検出用プログラムPRGを携帯型端末装置15にダウンロードさせることで安価に実現できる。
【0051】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲又はその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した実施形態では、ゴルフスウィング時の人体の動きを検出するために対象物動き検出装置を用いた場合を例示したが、ゴルフ以外のスポーツにおける人体の動き、あるいはスポーツ以外の分野で対象物の動作を検出するために本発明を適用してもよい。
【0052】
また、上述した実施形態において、
図4に示す携帯型端末装置15の加速度センサ47で検出した加速度信号及び角速度センサ49で検出した角速度信号の少なくとも一方を処理回路53に出力し、これらを用いて処理回路53においセンサモジュール11_sあるいは携帯型端末装置15の位置算出を行ってもよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、3つセンサモジュールを用いた場合を例示したが、センサモジュールの数は任意である。
また、上述した実施形態では、センサモジュール11_s内に加速度センサ31_sと角速度センサ33_sとを収容した場合を例示したが、加速度センサ31_sのみを収容する場合にも本発明は適用可能である。
【0054】
また、センサモジュール11_sの相互間で通信強度RSSIを測定できるようにしてもよい。これにより、センサモジュール11_s間の位置補正や、センサの検出結果の補正が可能になり、より高精度な位置検出が可能になる。