【文献】
ANDRES DIAZ LANTADA ET AL,Development of Personalized Annuloplasty Rings: Combination of CT Images and CAD-CAM Tools,Annals of Biomedical Engineering,2010年 2月,Vol.38,No2,280-290
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータで実行可能な指示を保存するコンピュータで読み取り可能な媒体であって、当該指示は、コンピュータデバイスのプロセッサで実行されると、当該コンピュータデバイスに、請求項1から13のいずれか1項に記載の作動方法に含まれる前記各工程のいずれかを行わせる、コンピュータで読み取り可能な媒体。
【背景技術】
【0002】
ヒトの心臓は多くの動作部位を有する複雑な器官であり、それらの動作部位は、心臓が適切に機能し、ヒトの全身に血液循環を行わせるのに不可欠である。ヒトの心臓は通常、四つの中空の室、すなわち右心房、右心室、左心房、左心室から構成されている。適切に機能する心臓に欠かせないものの一つが、これらの室を通る血流の調節である。これらの室を介しての、これらの室の間の血流の調節は、弁によって行われる。例えば、右心房と右心室の間には、房室開口部がある。
【0003】
上記開口部には三尖弁があり、血液を右心房から右心室へ移動させる。心房側の血圧が心室側より高いと弁が開く。弁が開くと、血液が右心房から右心室へ流れる。心室側の血圧が心房側より高いと、弁は閉じる。弁が閉じると、血液は反対側へ逆流できない。
【0004】
健康な心臓では、血流は左心房と左心室の間でも調節されている。左心房が血液で満たされ左心房内の血圧が左心室の血圧より高くなると、僧帽弁が血液を左心房から左心室へ入らせる。僧帽弁が開くと、血液は左心房から左心室へ下向きに流れ、左心室から身体の残りの部分へ、より大きな循環プロセスの一環として押し出される。健康な僧帽弁が閉じると、二つの室の間の血流は止まり、このように閉じることにより血流の逆流を防ぐ。
【0005】
残念ながら、僧帽弁はいつも正常に機能するわけではない。僧帽弁が異常に機能すると、深刻な健康問題を引き起こす恐れがある。僧帽弁に関連する異常の一つに、僧帽弁閉鎖不全(MR)がある。僧帽弁閉鎖不全は、左心室の収縮の間、僧帽弁が適切に閉まらない疾患である。このため、左心房から左心室へ流入していた血液が左心房に戻ってしまう。
【0006】
僧帽弁閉鎖不全は外科的に治療してもよい。外科的な選択肢の一つは僧帽弁の交換であり、僧帽弁を生体人工装具の交換品と交換するか、人造の交換品と交換する。他の外科的な選択肢として、僧帽弁の修復がある。僧帽弁の修復は僧帽弁の交換よりも処置が非侵襲的なので、僧帽弁の交換よりも好ましいと一般的には見なされているが、現在のところ、どちらの選択肢も心臓切開手術を必要とする。僧帽弁交換や僧帽弁修復を受ける候補者の多くは心臓切開手術のストレスに耐えられないので、経カテーテル僧帽弁の開発に向けた研究が行われてきた。こうした経カテーテル僧帽弁は、カテーテルを用いたシステムによって導入することができるので、外科手術は必要ではなくなる。非侵襲的なカテーテルを用いたインプラント技術により、心臓切開手術に伴う肉体的外傷を最小限に抑えることができ、より多くの患者が僧帽弁閉鎖不全を効果的に治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書に開示されたさまざまな実施形態を実行するのに適したコンピュータ環境の一例を示すブロック図である。
【
図2】一または複数の実施形態に従って用いてもよいコンピュータシステムを示す高レベルシステム図である。
【
図3】一または複数の実施形態に従って僧帽弁の数量化を行う方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】一実施形態に係る、
図3の僧帽弁装置の解剖学的構造の特徴付けのより詳細な図を示すサブプロセスのフローチャートである。
【
図5】
図4に示すプロセスで記載した、僧帽弁輪を定めてもよいプロセスの一例を示すフローチャートである。
【
図6】一または複数の実施形態に係る、
図4の視覚向上プロセスのより詳細な図を提供するフローチャートである。
【
図7】
図4に記載した距離測定ステップのより詳細なフローチャートである。
【
図8A】
図3のブロック310で参照した、傷つきやすい解剖学的構造を評価するサブプロセスを示すフローチャートである。
【
図8B】一または複数の実施形態に係る、インプラントの最も適したサイズを決定する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図5に記載したプロセスに従って僧帽弁輪を定めるのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の一例である。
【
図10】
図4に記載したプロセスの諸態様に従って僧帽弁輪の3D表面積を計算し当該輪に平面を当てはめるのに用いることができるグラフィカルユーザーインタフェースの例を示す。
【
図11A】
図4に記載したプロセスの諸態様に従って僧帽弁輪の3D表面積を計算し当該輪に平面を当てはめるのに用いることができるグラフィカルユーザーインタフェースの例を示す。
【
図11B】
図4に記載したプロセスの諸態様に従って僧帽弁輪の3D表面積を計算し当該輪に平面を当てはめるのに用いることができるグラフィカルユーザーインタフェースの例を示す。
【
図12】
図4に記載したプロセスの諸態様に従って僧帽弁輪の3D表面積を計算し当該輪に平面を当てはめるのに用いることができるグラフィカルユーザーインタフェースの例を示す。
【
図13】
図6に記載したプロセスの諸態様に従って構築した、心臓の開口中空解剖学的構造の図解である。
【
図14】
図13の心臓の開口中空解剖構造に、本明細書で定めたさまざまな点間測定値を記したものである。
【
図15】
図8Aに関連して記載したプロセスのさまざまな態様の図解を示す。
【
図16】
図8Aに関連して記載したプロセスのさまざまな態様の図解を示す。
【
図17】上記
図8Bに関連して記載した基本体を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。
【
図18A】上記
図8Bに関連して記載した基本体を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。
【
図18B】上記
図8Bに関連して記載した基本体を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。
【
図19A】上記
図8Bに関連して記載した基本体を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。
【
図19B】上記
図8Bに関連して記載した基本体を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。
【
図19C】上記
図8Bに関連して記載した基本体を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記したように、インプラントデバイスのために適切な寸法を測定することは、インプラント処置の成功に重要な役割を果たしうる。経カテーテル僧帽弁修復の状況では、デバイスの大きさやサイズを適切に測ることは、経カテーテル僧帽弁修復処置の成功に重要な役割を果たす。僧帽弁の数量化の重要性を認めて、発明者らは僧帽弁を三次元的に数量化するシステムおよび方法を考案した。上記システムおよび方法は、通常、患者の心臓の血液容量の三次元モデルを提供する。上記三次元モデルから、心臓の心筋および主な解剖学的構造のモデルを再構成することもできる。こうして再構成された心臓を用いて、一連の測定を行い、それをもとにして、三次元コンピュータモデリングを用いた経カテーテル僧帽弁装置の仮想的な挿入をシミュレートできる。上記デバイスを三次元心臓モデル内に仮想的にインプラントすると、上記デバイスの物理的な特徴によって傷つけられる可能性のある解剖学的構造に対して上記デバイスが与えうる影響を分析することで、手術部位について評価することができる。この分析に基づけば、適切なサイズの僧帽弁装置を、修復処置に用いるために選ぶことができる。
【0012】
本明細書に記載されたシステムおよび方法は、さまざまな機能を提供するよう構成された一または複数のコンピュータデバイスを含むコンピュータ環境で実行してもよい。
図1は、本明細書に記載されたある実施形態を実行するのに適したコンピュータ環境100の一例である。コンピュータ環境100はネットワーク102を含んでいてもよい。ネットワーク102はさまざまな形態であってよい。例えば、ネットワーク102は、手術室に備えられたローカルエリアネットワークでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク102は、インターネットのような広域ネットワークでもよい。他の実施形態では、ネットワーク102は、ローカルエリアネットワークと広域ネットワークの組み合わせでもよい。通常、ネットワークは、安全な通信を可能にし、データがさまざまなコンピュータデバイス間で共有されるようにする。このようなコンピュータデバイスの一つとして、クライアントデバイス104がある。クライアントデバイス104は、既製のオペレーティングシステム(Windows(登録商標)、Mac OS、Linux(登録商標)、Chrome、あるいは他のオペレーティングシステム)を走らせる通常のパーソナルコンピュータデバイスであってよい。クライアントデバイス104は、コンピュータ環境100内のさまざまな他のモジュールやデバイスに保存された他のソフトウェアとネットワーク102を介してやり取りすることを可能にするアプリケーションソフトウェアをインストールしていてもよい。このアプリケーションソフトウェアは、遠隔のアプリケーションサービスにアクセスできるウェブブラウザの形態でもよい。あるいは、上記アプリケーションソフトウェアは、クライアントデバイス104のオペレーティングシステムにインストールされたクライアントアプリケーションでもよい。クライアントデバイス104はまた、特定用途向けコンピュータ、特別に設計された医療用画像デバイス、あるいは僧帽弁数量化用にさらに特殊化されたものでもよい。クライアントデバイス104はさらに、ネットワーク102を介して通信するよう構成され、さらに、一または複数のソフトウェアモジュールを走らせてユーザーが本明細書に記載されたさまざまな方法を実行できるように構成されたモバイルデバイスやタブレットコンピュータでもよい。
【0013】
コンピュータ環境100はさらに、画像データ記憶装置106を備えていてもよい。通常、画像データ記憶装置106は、スキャニングデバイス112によって撮られた画像ファイルを保存するよう設計された大容量データベースである。これらの画像は、DICOM画像または他の種類の画像であってよい。画像データ記憶装置106はスキャニングデバイス112の一部でもよいし、クライアントコンピュータデバイス104の一部でもよい。画像データ記憶装置106は、医療用画像データに最適化された専用記憶装置を有するスタンドアローンなデータベースであってもよい。コンピュータ環境100はスキャニングデバイス112を備えていてもよい。スキャニングデバイス112は通常、患者をスキャンしてその解剖学的構造の画像を生成する医療用画像装置である。
図1に示すコンピュータ環境100では、スキャニングデバイス112はCTスキャナまたはMRI装置であってよい。しかしながら、当業者であれば、三次元解剖学的構造モデルを生成するのに使いうる画像データを提供する他のスキャン技術を用いてもよいとわかるであろう。
【0014】
以下に詳述するように、スキャニングデバイス112は、患者の心臓の断面画像を生成するよう構成してもよい。これらの画像は画像データ記憶装置106に保存され、心臓の三次元モデルを作るのに用いられてもよい。この目的のため、コンピュータ環境100は、画像処理モジュール108を備えていてもよい。画像処理モジュール108は、画像データ記憶装置106から医療用画像データを検索し2D画像データの積み重ねを用いて三次元表面モデルを生成するコンピュータソフトウェア、ハードウェア、あるいは両者の組み合わせであってもよい。画像処理モジュール108は、Materialize NVのMimicsアプリケーションのような、三次元デザインおよびモデリング用の市販の画像処理ソフトウェアでもよい。しかしながら、他の画像処理ソフトウェアを用いてもよい。いくつかの実施形態では、画像処理モジュール108は、コンピュータ(例えば、クライアントデバイス104)によってネットワークを介してアクセスされるウェブベースのネットワークアプリケーションを介して提供されてもよい。あるいは、画像処理モジュールは、クライアントデバイス104に直接インストールされ、ネットワーク102を介して画像データ記憶装置106にアクセスするソフトウェアアプリケーションでもよい。概して、画像処理モジュール108は、画像データ記憶装置106に保存された画像データに対する画像処理能力を提供する、コンピュータ環境100内に配置されたソフトウェアおよび/またはハードウェアの任意の組み合わせであってもよい。
【0015】
コンピュータ環境は、三次元測定分析モジュール110(3D測定分析モジュール)を備えていてもよい。3D測定分析モジュール110は、画像処理モジュール108と相補的かつ/または一括化されたソフトウェアであってもよい。例えば、3D測定分析モジュール110は、Materialize NVからの3matic(登録商標)のような一括化されたプロジェクトであってもよい。3D測定分析モジュールは、例えば、AutoCADやSolidWorksのような一般的なCADおよびデザインソフトウェアの形態でもよい。いくつかの実施形態では、3D測定分析モジュールは、僧帽弁数量化目的のために特別に作られた特殊なアプリケーションでもよい。以下でさらに詳述されるように、3D測定分析モジュール110は、患者の解剖学的構造のさまざまな面の正確な寸法を測定し、手術用インプラントの適切な寸法を決定するために、一般的に用いられてもよい。以下に示す特定の例では、経カテーテル僧帽弁インプラントの適切な寸法を測るために心臓の解剖学的構造を測定する。画像処理モジュール108と同様、3D測定分析モジュール110は、一つまたは複数のクライアントデバイス104によってウェブブラウザを介してアクセスされるネットワークベースのアプリケーションでもよい。3D測定分析モジュール110は、例えばクライアントデバイス104のようなコンピュータのオペレーティングシステムにインストールされたネイティブアプリケーションでもよい。さらに他の実施形態では、3D測定分析モジュール110は、クライアント/サーバ実施として実行されるネットワークアプリケーションでもよい。
【0016】
本発明のさまざまな実施形態は、汎用および/または特殊用途のコンピュータデバイスを用いて実施してもよい。
図2に、本発明のさまざまな実施形態を実施するのに適したコンピュータデバイス200の一例を示す。コンピュータシステム200は通常、本明細書に記載した一または複数の実施形態のさまざまな態様に合わせて特定の処理および指示を実行するよう構成されたコンピュータハードウェアの形態でもよい。当該コンピュータハードウェアは、単一のコンピュータでもよいし、協働するよう構成された複数のコンピュータであってもよい。コンピュータデバイス200はプロセッサ202を有している。プロセッサ202は、Intel、Advanced Micro Devices、Apple、ARM、またはMotorolaによって設計され、かつ/または流通された一つまたは複数の標準的なパーソナルコンピュータプロセッサであってもよい。プロセッサ202は、画像処理および/または画像分析用に特別に設計されたより特殊化されたプロセッサであってもよい。コンピュータデバイス200はディスプレイ204を有してもよい。ディスプレイ204は、周知のLCDモニタのような標準的なコンピュータモニタであってもよい。ディスプレイ204は、例えばオールインワンのコンピュータデバイスやタブレットコンピュータのように、コンピュータデバイスの本体に組み込まれたディスプレイの形態でもよい。
【0017】
コンピュータデバイス200は、入力/出力デバイス206を有してもよい。入力/出力デバイス206は、例えば、キーボードや、マウスや、プリンタや、その他の基本的なI/Oソフトウェアおよびハードウェアのような標準的な周辺機器を含んでもよい。コンピュータデバイス200はさらに、メモリ208を有してもよい。メモリ208はさまざまな形態でもよい。例えば、メモリ208は揮発性メモリ210を含んでもよい。揮発性メモリ210は、ランダムアクセスメモリの一種でもよいし、実行可能なソフトウェアモジュールをメモリにロードして当該ソフトウェアモジュールがプロセッサ202によって本分野で周知のやり方で実行されるように一般的に構成されてもよい。これらのソフトウェアモジュールは非揮発性メモリ212に保存してもよい。非揮発性メモリ212は、ハードディスクドライブや、フラッシュメモリや、ソリッドステートハードドライブや、他の形態の非揮発性メモリであってもよい。非揮発性メモリ104Bも用いて非実行データ、例えばデータベースファイルなどを保存してもよい。
【0018】
コンピュータデバイス200はネットワークインタフェース214を有してもよい。ネットワークインタフェースは、ネットワークインタフェースカード、およびそれに対応し、システム200にネットワーク(例えばインターネット)へのアクセスを提供するよう構成されたソフトウェアドライバおよび/またはファームウェアであってもよい。ネットワークインタフェースカード214は、
図1に関連して上記したようなさまざまな異なる種類のネットワークにアクセスするよう構成してもよい。例えば、ネットワークインタフェースカード214は、パブリックにはアクセスできないプライベートネットワークにアクセスするよう構成されてもよい。ネットワークインタフェースカード214はまた、EVDOやWiMaxやLTEネットワークのようなワイヤレスデータ転送技術を用いたワイヤレスネットワークにアクセスするよう構成されてもよい。
図2には単独のネットワークインタフェース214を示すが、異なる種類のネットワークにアクセスするため複数のネットワークインタフェースカード214を備えてもよい。さらに、単独のネットワークインタフェースカード214で複数の異なる種類のネットワークにアクセスできるよう構成してもよい。
【0019】
通常、
図1に示すコンピュータ環境100は、概して、一つのコンピュータデバイス200、あるいは、協働して下記に記載するさまざまな実施形態を実行する二、三のもしくは多数の異なる種類のコンピュータデバイス200を有している。当業者ならば、さまざまな異なる種類のコンピュータデバイスおよびネットワーク構成を実行して本明細書に開示する本発明のシステムおよび方法を実施できると容易にわかるであろう。
【0020】
図3は、患者の解剖学的構造の特定部位の空間および/または容量の数量化を行うプロセスを示す高レベルフローチャートである。この例では、僧帽弁は、一つまたは複数の実施形態に従って実現される。プロセスはブロック302で始まり、ここで、患者の心臓の画像が取得される。画像は、
図1に示すスキャニングデバイス112、例えばCTスキャナやMRI装置を用いて取得してもよい。画像を取得する際は、心臓のさまざまな内的構造をより見えやすくするために造影剤を用いてもよい。スキャニングデバイス112を用いて取得した画像(または複数の画像)は、コンピュータネットワーク102を介してアクセスできる画像データ記憶装置106または他のコンピュータメモリに保存してもよい。それからプロセスはブロック304に移行する。ここで、取得された画像に基づき、血液容量の3Dモデルが計算される。前のステップで造影剤を用いたことで、血液容量の3Dモデル化が可能になる。3Dモデルは、画像処理モジュール108を用いて計算してもよいし、CTおよび/またはMRI画像データから3Dモデルを生成するよう設計された他のソフトウェアおよび/またはハードウェアを用いて計算してもよい。
【0021】
血液容量の3Dモデルを用いて、ブロック306において心臓の解剖学的構造が再構成される。通常、鮮明に見える造影剤からまず血液容量を取得し、続いてそれを用いて心筋を形成する方が容易である。しかしながら、当業者であれば、心筋モデルを直接形成することも可能だとわかるであろう。この再構成は、画像処理モジュール108を用いて行ってもよい。心臓の解剖学的構造の再構成は通常、心臓の左側の区分けで始まり、続いて、区分けされ再構成された3Dモデルを、ラッピング機能(wrapping functions)や平滑化機能のような最適化ツールを用いて最適化し、モデルの表面をきれいにする。
【0022】
プロセスは次にブロック308に移行する。ここで、僧帽弁装置の解剖学的構造は、制御点を定め関連する解剖学的構造を測定する点に特徴がある。通常、こうした測定は3D測定分析モジュール110を用いて行われる。上記したように、この3D測定分析モジュール110は、画像処理モジュール108と一括化された、あるいは画像処理モジュール108に組み込まれたソフトウェアであってもよい。これらの測定はさまざまなステップを含む。例えば、3D測定分析モジュール110を用いて、心臓の3Dモデルに制御点を配置し、それが僧帽弁輪を定めてもよい。これらの制御点は、3D測定分析モジュール110が提供するスプライン曲線描画機能(spline drawing function)を用いて定めてもよい。
【0023】
定められた僧帽弁輪とともに、前記測定はさらに、スプライン曲線に基づいた僧帽弁輪の3D表面領域の計算を含んでいてもよい。僧帽弁輪に関して、追加の測定と分析を行ってもよい。例えば、以下で論じるように、3D測定分析モジュールを用いて、一つまたは複数の平面を僧帽弁輪に当てはめることができる。このように定められた平面を用いて追加の測定を行えば、僧帽弁輪の実際の外形をより正確に定める助けとなる。
【0024】
測定を行ったら、プロセスは次にブロック310へと移行する。傷つきやすい解剖学的構造の評価が行われる。解剖学的構造が傷つきやすいのは、経カテーテル僧帽弁インプラントは通常、僧帽弁内に固定されないからである。むしろ、僧帽弁装置は非常に動きやすい。この動きは、当該装置からの衝突あるいは突出により、周囲の解剖学的構造を損傷する可能性がある。この評価は、前のステップで行われた測定に基づいて行ってもよい。さらに、前記評価は視覚的評価でもよい。最後に、ブロック312において、これまで行ってきた測定および評価された傷つきやすさに基づいて、適切なサイズの僧帽弁装置が選ばれてもよい。
【0025】
図3のブロック308に関連して上記で論じたように、ある実施形態では、僧帽弁数量化プロセスは、僧帽弁装置の解剖学的構造の特徴付けを含んでもよい。
図4は、ブロック308での僧帽弁装置の解剖学的構造の特徴付けを行うために実施してもよいサブプロセスの一例を示すフローチャートである。当該サブプロセスはブロック401で始まり、ここで、画像処理モジュールを用いて、再構成された心臓モデル内に僧帽弁輪を定める。どのように僧帽弁輪を定めるかについてのさらなる詳細は、
図5と関連させて以下で論じる。僧帽弁輪を定めたら、プロセスはブロック403に移行する。ここで、僧帽弁輪の3D表面積が計算される。プロセスは次にブロック405に移行し、ここで、平面が僧帽弁輪に当てはめられる。いくつかの実施形態では、前記平面は、画像処理モジュール108および/または3D測定分析モジュール110が提供するデータ平面生成機能(create datum plane function)を用いて生成してもよい。上記平面を僧帽弁輪に当てはめる際には、僧帽弁輪の3D表面積(僧帽表面)をフィッティングエンティティ(fitting entity)として用いてもよい。
【0026】
次に、プロセスはブロック407に移行する。ここで、3D心臓モデルに追加の解剖学的詳細を加え中空の心臓の解剖学的構造の図を生成することで、3D心臓モデルの視覚化を向上させる。視覚化のこの向上に関するさらなる詳細を、
図6と関連させて以下で述べる。3Dモデルの視覚化を向上させたら、プロセスは次にブロック409に移行する。ブロック409において、経カテーテル僧帽弁インプラントのサイズに影響を与えるかもしれないさまざまな寸法の特性を決定するために、3D心臓モデルに対して距離の測定が行われる。これらの距離の測定は、3Dモデルのさまざまな面に対して行われ、以下で
図8と関連させてさらに詳細に論じられる。
【0027】
上記したように、
図5は、3Dモデルにおける僧帽弁輪を定めるプロセスについてさらなる詳細を提供するフローチャートである。この特定の例では、僧帽弁輪は、心臓の3Dモデルをユーザーに対して画像として表示するユーザーインタフェースに制御点をまず配置することで定められる。制御点は、3D測定分析モジュール110によって提供されるスプライン曲線描画機能を用いて配置してもよい。定められた僧帽弁輪の各制御点が選択されたら、続いて最初の制御点を選択してブロック504でスプライン曲線を閉じる。スプライン曲線が閉じられたら、プロセスは次にブロック506へ移行し、ここで、スキャニングデバイス112によって最初に得られたデータから生成された再フォーマット画像に基づいて、制御点を検証し編集してもよい。例えば、ユーザーが選んだ制御点を、従来の軸方向像(axial view)と同様に冠状再構成像(coronal reformation)と矢状再構成像(sagittal reformation)のそれぞれに重畳してもよい。制御点が再フォーマット画像それぞれに示された解剖学的構造と一致しない場合は、制御点を編集して、それらがもともと取得された画像データと一致するようにしてもよい。制御点が再フォーマット画像に示された解剖学的構造と一致する場合は、プロセスは次にブロック508に移行し、ここで、スプラインオブジェクト(spline object)を3D心臓モデルで使用するために保存しエクスポートする。
【0028】
図6に示すより詳細なフローチャートが、
図4のブロック407の視覚化向上についてさらなる詳細を提供する。特に、
図6は一実施形態に係る視覚向上プロセスの一つの実行例を示す。当該プロセスはブロック601で始まり、ここで、3D心臓モデルに壁の厚みが加えられる。当初の3D心臓モデルは血液容量に基づいた画像を用いて生成されたので、それらの画像はモデルにおける壁の厚みを考慮していない。いくつかの実施形態では、心臓モデルに中空操作(hollow operation)を行い、その操作の一部として壁の厚みを指定することで、壁の厚みが加えられる。壁の厚みが加えられたら、プロセスは次にブロック603に移行し、ここで、心臓と交差する平面が定められてもよい。いくつかの実施形態では、上記平面を用いて心臓の解剖学的構造を区切り、左心側の構造の内部の視野を提供する。一実施形態では、三点法(three point method)を行って、中隔隔壁および上行大動脈と交差する平面を定めてもよい。しかしながら、当業者ならば、点の正確な位置は修正しうるものであることがわかるであろうし、当業者ならば、内側の構造の図を取得する他の方法を用いてもよいとわかるであろう。心臓と交差する平面を定めたら、次に、ブロック605において、切断機能(cut function)を中空の心臓の解剖学的構造に適用してもよい。切断機能を中空の心臓の解剖学的構造に適用する際、中隔上に定めた平面をカッティングエンティティ(cutting entity)として用いてもよい。切断機能を適用することで、心臓の解剖学的構造の内部の断面図が得られる。
【0029】
図7は、
図4のブロック409に示した距離測定ステップのより詳細なフローチャートである。この例では、3D測定分析モジュール110を用いて、さまざまな距離測定を行ってもよい。この特定の例では、プロセスはブロック702で始まり、ここで、乳頭筋の先端同士の距離が測られる。3D測定分析モジュール110を用いて、ユーザーは、
図6で適用された切断機能によって生成された断面図における二点を特定し選択してもよい。これら二点の選択された点は、乳頭筋の先端のそれぞれに対応してもよい。3D測定分析モジュール110は、これら二点の位置に基づいて、乳頭筋の先端間の距離を測ってもよい。
【0030】
次に、プロセスはブロック704に移行する。ここで、乳頭筋の先端から僧帽平面までの距離が計算される。この特定の例では、僧帽平面への垂線の距離が計算され、当該平面の構造的中心への距離は計算されない。また、さらなる測定を行ってもよい。プロセスは次にブロック706に移行し、ここで、乳頭筋の先端から僧帽弁輪の構造的中心までの距離が計算される。次に、プロセスはブロック708に移行し、ここで、心臓の頂点から僧帽弁輪の構造的中心までの距離が測られる。プロセスは次にブロック710に移行し、ここで、左心房天井部から僧帽弁輪の構造的中心までの距離が計算される。
【0031】
これらの距離測定を用いて、インプラント後にさまざまな解剖学的構造とぶつかるのを避けるインプラントデザインを選択することができる。経カテーテル僧帽弁インプラントは、さまざまな金属部品を含んでいてもよい。僧帽弁輪にインプラントされると、僧帽弁インプラントは特定の高さおよび形状を有する。インプラントされた装置の高さおよび形状は、患者の体内のいくつかの解剖学的構造と実質的に接触しうる。例えば、心房側で、インプラントが心房の薄い壁とぶつかり、接触し、おそらく損傷する可能性がある。特に、心房の壁面は収縮期と拡張期との間で大きく可動および変形するので、インプラントの外形が心房の壁面を傷つける可能性がある。さらに、心室側では、変形は非常に大きく、乳頭筋が弁のフレームを押すことによりデバイス上で弁と接触する可能性がある。加えて、乳頭筋は、金属構造に縫い込まれた新しい尖(leaflets)と接触する可能性すらある。これは、新しい弁が、この機械的で繰り返し生じうる接触のために、閉じることができないか、あるいはより早く摩耗するかもしれないことを意味する。したがって、距離の測定値を分析して、装置の動きを考慮し、これらの問題を避けるサイズを選択してもよい。
【0032】
図8Aに、
図3に示す傷つきやすい解剖学的構造を評価する詳細なプロセスの一例を示すより詳細なフローチャートを示す。このサブプロセスはブロック801で始まる。ここで、3D測定分析モジュール110を用いて、ユーザーは僧帽弁平面の上および下の解剖学的構造をスライスしてもよい。いくつかの実施形態では、平行移動機能(translate function)を用いて僧帽弁輪の上および下の僧帽弁平面をコピーしてもよい。一つの特定の実施では、平面を5mm刻みで20mmまで平行移動させてもよい。
【0033】
プロセスはブロック803に移行し、ここで、平行移動機能を用いて生成した各スライスによって、内腔(例えば、僧帽弁)の輪郭を取得する。いくつかの実施形態では、3Dモデルによって提供される血液容量の解剖学的構造と各平面との交差曲線を計算して、各スライスによる内腔の輪郭を取得する。プロセスは次にブロック805に移行し、ここで、システムが、断面ごとの平均直径測定値を抽出してもよい。一実施形態では、円弧または曲線を形成するのに用いることができるアーク法(arc method)または他の機能を用いて平均直径測定値を抽出してもよい。
【0034】
図3に関連して上記で論じたように、傷つきやすい解剖学的構造を評価したあと、経カテーテル僧帽弁インプラントに適したサイズが決定される。
図8Bは、一または複数の実施形態に係る、最も適したサイズを選択できるプロセスの一例である。プロセスはブロック811で始まり、ここで、基本体である円筒(primitive cylinder)を生成してインプラントをシミュレートしてもよい。基本体である円筒は、
図7に関連して決定した測定値に間接的に基づいて生成してもよいし、上記の
図8Aに関連して記載したプロセスを用いて得られた僧帽弁輪の内腔の形成された輪郭にさらに直接的に基づいて生成してもよい。基本体である円筒が形成されたら、プロセスは次にブロック813に移動し、ここで、対象の輪郭をもともとのスキャン画像に重ねて視覚化し、基本体である円筒インプラントが検証される。この例で生成された基本体(primitive)は円筒形だが、当業者ならば、任意の数の他の基本体を別個に、あるいは上記円筒形とともに、用いることができると容易にわかるであろう。
【0035】
図3に関連して記載した全体的なプロセスおよび
図4から
図8Bと関連して記載したサブプロセスは、コンピュータハードウェアおよび/またはソフトウェアのさまざまに異なる構成を用いて実行してもよい。
図9から
図14に、上記のプロセスを実行する際に用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェースおよびコンピュータで生成した画像の例を示す。
【0036】
図9に、
図5に関連して上記した僧帽弁輪を定めるのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の一例を示す。図示したように、患者の心臓の左側の3D表面モデルが提供される。画像処理モジュール108によって提供されるスプライン曲線描画機能を用いて形成されたスプライン曲線906を、心臓900の3D表面モデルに重ねる。スプライン曲線406は僧帽弁輪を定めるものであり、当該スプライン曲線は、ユーザーが最初の制御点を選択して、当該スプライン曲線を取り囲んで示される複数の上記制御点を入力することによって生成される。
【0037】
図10から
図12に、
図4のブロック403およびブロック405で上記したように僧帽弁輪の3D表面積を計算し平面を前記輪に当てはめるのに用いることができるグラフィカルユーザーインタフェース環境の一例を示す。
図10は、僧帽弁輪の3D表面積がどのように表示されるかを示す。図示したように、僧帽弁輪の表面積1002が参照され、計算された表面積1006を含むさまざまなプロパティ1004が示される。計算された表面積1006を用いて、インプラント装置のサイズを計算してもよい。計算された表面積に加えて、輪が突出した外周(annulus projected circumference)または他の測定値の組み合わせによって最終的な最適な装置を決めてもよい。
【0038】
図11Aと
図11Bに、データ平面生成機能(create datum plane function)を用いて平面を僧帽弁輪に当てはめることができるユーザーインタフェースの諸態様を図解したものを示す。図示したように、データ平面生成操作(create datum plane operation)1102が選択されている。データ平面(datum plane)を生成する適合平面法(fit plane method)1104が選択され、フィッティングエンティティ1106が選ばれている。この特定の場合では、
図10からの僧帽弁表面がフィッティングエンティティとして選択されている。
図11Bに、平面がどのように3D心臓モデルに当てはめられるかを図解する。図示したように、僧帽弁輪の構造的中心1108を適合平面(fit plane)1110の原点として、平面を僧帽弁輪に当てはめる。
【0039】
図6に関連して上記で論じたように、壁の厚みを3D心臓モデルに加えてもよく、心臓と交差する平面を定めて心臓を分割し中空の心臓の解剖学的構造を示してもよい。
図12に、交差平面をどのように定めるかを図解によって示す。ここで、三点法(three point method)を用いて、内心室中隔1205(左心室と右心室を隔てる)と上行大動脈1207と交差する交差平面1203を定める。
【0040】
図13に、
図6のブロック605に示したように切断機能を中空の心臓の解剖学的構造に適用したあとの3D心臓モデルの断面
図1302を示す。
図6に関連して論じたように、この特定の例では、
図12に示す定められた平面は、カッティングエンティティとして用いられている。
【0041】
図14に、
図7に記載したさまざまな測定が、グラフィカルユーザーインタフェース環境でどのように行われてもよいかを視覚的に示す。
図14は、
図13の断面
図1302を示す。断面
図1302は、点間測定ツール(point-to-point measurement tool)を用いて抽出したさまざまな測定値を示す。さまざまな測定値は、僧帽弁輪の構造的中心1403に関して示される。他の測定値としては、乳頭筋の先端同士の距離(37.42mm)、乳頭筋の先端から僧帽平面までの距離(18.02mmおよび13.99mm)、乳頭筋の先端から僧帽弁輪の構造的中心までの距離(26.12mmおよび23.16mm)、左心室の頂点から僧帽弁輪の構造的中心までの距離(110.21mm)がある。
【0042】
図15および16に、
図8Aに記載したプロセスの図解を示す。図示したように、三測定分析モジュール110の平行移動機能を用いて、僧帽弁輪の上および下の僧帽弁平面1504をコピーした。距離欄1506およびコピー回数欄1508の数値を反映するように、平面は5mm刻みで20mmまで平行移動する。
図8Aで上記したように、血液容量の解剖学的構造302と各平面1504との間で交差曲線を計算し、各スライスによる内腔の輪郭を取得してもよい。
図16に、断面図ごとの平均直径測定値がどのように抽出されるのかを図解する。上記で論じたように、これらの測定値は、これらの断面においてアークメソッドを用いて抽出してもよい。
【0043】
図17に、上記
図8Bに関連して記載した基本体である円筒を用いてインプラントをシミュレートするのに用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェース環境の図解を示す。図示したように、僧帽弁輪に当てはまる平面1704内に、僧帽弁輪曲線1702を投影させる。僧帽弁輪曲線をエクスポートして、扁平な輪1706とし、当該扁平な輪の直径を測定して、基本体であるインプラントのサイズを測るのに用いてもよい。
【0044】
図18Aと
図18Bに、シミュレートされたインプラントを生成するために用いることができる、基本体である円筒を用いてもよいグラフィカルユーザーインタフェースの例を示す。
図18Aに示すように、3D測定分析モジュール110の円筒生成操作(create cylinder operation)は、上記で得られた測定値を用いて適用される。
図18Bに、僧帽弁輪内に配置された、生成された円筒1801を示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記円筒形または他の種類の構造(例えば、上記のような装置の基本体の形状、CAD、またはスキャンファイル)を、
図19Aに示すように「仮想的に」インプラントしてもよい。ここで、解剖学的構造に対して、距離マッピングを行ってもよい。この距離マッピングにより、インプラントされた装置と解剖学的構造の各関連項目との間の利用可能な空間が測られてもよい。図示したように、基本体1902(この例では円筒形だが、他のさまざまな形状であってもよい)を、僧帽弁輪内部に仮想的に配置した。
図19Bでは、距離マッピングを用いて心臓の解剖学的構造(例えば、心房の壁)の位置を解剖学的に特定する。あるいは、
図19Cでは、距離マッピングを用いて、他の解剖学的特徴1908の位置を解剖学的に特定する。距離マッピングにより、提案されたインプラントとの間の間隔が明確に視覚化される。
【0046】
上記したシステムおよび方法を用いることにより、医師や研究者は標準化された方法を用いて、経カテーテル僧帽弁修復の開発研究のために僧帽弁装置とその周囲の数量化をすることができるとともに、患者および処置計画の状況でも適切なサイズを決めることができる。上記した特定の例は僧帽弁の数量化に関するものであるが、当業者ならば、上記した本質、システム、および方法は、他の種類の外科手術や解剖学的構造の他の領域と容易に組み合わせて応用することができるとわかるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、弁は肺動脈弁(pulmonary branch valve)でもよい。他の実施形態では、上記したシステムおよび方法は、肺動脈狭窄の治療に用いてもよい。他の実施では、先天的な心臓欠陥(例えば、心房中隔欠損症(ASD)あるいは心室中隔欠損症(VSD))に起因する孔の測定および数量化を行って、カテーテルインプラントまたはインプラント用の他の装置の適切なサイズを選択してもよい。
【0047】
任意の実施形態に関連して記載された任意の特徴は、単独で用いてもよいし、記載した他の特徴と組み合わせて用いてもよく、他の任意の実施形態の一または複数の特徴、または他の任意の実施形態の任意の組み合わせと組み合わせて用いてもよい。さらに、添付する請求項に定義した本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、上記していない等価物および変形例も採用することができる。