特許第6333471号(P6333471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイ・ティ・アンド・ティ インテレクチュアル プロパティ アイ,エル.ピー.の特許一覧

<>
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000002
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000003
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000004
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000005
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000006
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000007
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000008
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000009
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000010
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000011
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000012
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000013
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000014
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000015
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000016
  • 特許6333471-導波結合器及び導波結合方法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333471
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】導波結合器及び導波結合方法
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/08 20060101AFI20180521BHJP
   H01P 3/10 20060101ALI20180521BHJP
   H01P 3/16 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01P5/08 G
   H01P3/10
   H01P3/16
【請求項の数】15
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2017-511220(P2017-511220)
(86)(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公表番号】特表2017-532833(P2017-532833A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】US2015034827
(87)【国際公開番号】WO2016032592
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年4月20日
(31)【優先権主張番号】14/469,287
(32)【優先日】2014年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507220730
【氏名又は名称】エイ・ティ・アンド・ティ インテレクチュアル プロパティ アイ,エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー,ポール シャラ
(72)【発明者】
【氏名】バーニッケル,ドナルド ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ファルハード,バーゼガー
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ゲルツベルグ,アーウィン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス ザ サード,トーマス エム.
【審査官】 西村 純
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第4489601(US,A)
【文献】 米国特許第4745377(US,A)
【文献】 特開2000−278006(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0155054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/08−5/107
H01P 3/10
H01P 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路表面の少なくとも一部で第1の電磁波の伝播を促進する導波路を備えた装置であって、
前記導波路表面は導線の表面の全体又は実質的部分を包囲せず、前記導波路が前記導線に対して位置決めされることに応じて、前記第1の電磁波が前記導線の表面の少なくとも一部に結合し、かつ前記導線の表面の周囲の一部に第2の電磁波として伝播し、前記導線の表面は前記導線の外側表面であり、前記第2の電磁波は前記導線の前記外側表面に沿って進む表面波であり、前記表面波の電磁場は前記導線の実質的に外側に存在し、前記導波路は非導電性材料を含有し、及び、前記第2の電磁波は波伝播モードを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1の電磁波が前記導線と一部において結合するように、前記導波路の一部を前記導線と平行に配置することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記導線と平行に配置された前記導波路の前記一部が、前記導波路の端部であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記導波路の前記端部が前記導線と機械的に結合していることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記導波路は第1の端部と前記第1の端部とは反対側の前記第2の端部とを含み、前記導波路は前記第1の端部と前記第2の端部の間に彎曲部を有し、前記彎曲部の一部は前記導線と平行に配置された前記導波路の一部であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電磁波及び前記第2の電磁波のそれぞれの波長のそれぞれは、前記導波路の第1の周縁及び前記導線の第2の周縁よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の電磁波の前記波伝播モードは、前記導線の周縁を覆う場構造を有する基本モードを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の電磁波の前記導波モードは、前記導線の長手軸に関する回転角の関数として変化する大きさの場を有する非対称モードを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の電磁波の前記波伝播モードは、基本モードと非対称モードとの両方を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記導波路表面及び前記導線表面の一方又は両方が絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記導波路は誘電体材料を含む誘電体導波路であり、前記第1の電磁波は前記誘電体導波路の内部及び外部の両方において電磁場構造を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の電磁波は、30GHz乃至60GHzの範囲の周波数を有する搬送波信号を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記導波路表面は前記導線表面の実質的部分において180度以上の部分を包囲していないことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記導線は単一の導線送信線を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
導波路が導波路表面の少なくとも一部に第1の電磁波を伝播するステップであって、前記導波路表面は導線の表面の全体又は実質的部分を包囲せず、
前記導波路が前記導線に対して位置決めされることに応じて、前記第1の電磁波を前記導線の表面の少なくとも一部に結合し、前記導線の表面の周囲の少なくとも一部に伝播する第2の電磁波を発生するステップであって、前記導線の表面は前記導線の外側表面であり、前記第2の電磁波は前記導線の前記外側表面に沿って伝播する表面波であり、前記表面波の電磁波は前記導線の実質的に外側に存在し、前記導波路は非導電性材料を含有し、前記第2の電磁波は波伝播モードを有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は米国出願14/469,287に基づく優先権を主張するものである。米国出願14/469,287の内容は引用により全て記載されていたかの如く本出願に取り入れられるものとする。
【0002】
本発明は導波結合器及び導波結合方法に係わる。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン及びその他の携帯機器は益々普及しつつあり、データ利用は増加しつつあるので、増加した要求に対応するために、マクロセル・基地局デバイス及び既存の無線インフラ設備はより高い帯域幅能力が要求されることとなる。追加のモバイル帯域幅を供給するために、小セル配備が推進され、従来のマクロセルよりも著しく小さな領域をマイクロ・セル及びピコ・セルがカバーする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
追加の基地局デバイスへのネットワーク接続性を提供するために、通信セル(例えば、マイクロ・セル及びマクロ・セル)をコア・ネットワークのネットワーク・デバイスにリンクする帰還ネットワークは対応して拡張される。同様に、分散されたアンテナ・システムへのネットワーク接続性を提供するために、基地局デバイス及びそれらの分散された複数のアンテナをリンクする拡張された通信システムが望ましい。導波通信システムは、代替的、増加した或いは追加したネットワーク接続性の提供を、導線を介して可能とするために設置することが出来る。そして、導波結合システムは、導波(例えば、表面波)の送信及び/又は受信による通信を、導線を介して可能とするために設置することが出来る。導線は、単一の送信線(例えば、実用線)であり、導波路として機能し、及び/又は電磁波の送信を導くように機能する。一実施例では、導波結合システムに使用される導波結合器は誘電体材料又は他の低損失絶縁体材料(例えば、テフロン(登録商標)、ポリエチレン及びそれに類する材料)で生産可能であり、或いは導電材料(例えば、金属、非導電性、それに類する材料)又は上記材料の組み合わせによってさえ生産可能である。詳細な説明中で、「誘電性導波器」について言及したのは、説明目的であって、誘電性導波器だけによって構成されるものであると制限されるものではない。その他の実施例では、他の誘電体材料又は絶縁材料を使用可能である。種々の導線が、絶縁性かどうかに係わらず、一本鎖であるか多本鎖であるかどうかに係わらず、本発明の実施例から逸脱せずに導波通信に使用可能である。
【0005】
上記及び/又は他の留意点について、一又は複数の実施例において、装置は、導波路表面の少なくとも一部で第1の電磁波の伝播を促進する導波路を備え、導波路表面は導線の表面の全体又は実質的部分を包囲せず、導波路が導線に対して位置決めされることに応じて、第1の電磁波が導線の表面の少なくとも一部に結合し、かつ導線の表面の周囲の一部に第2の電磁波として伝播し、そして第2の電磁波は導波モードを有する。
【0006】
他の実施例では、装置は、導波路の断面を規定する導波路表面を有する導波路を備え、導線が導波路の断面の外側に配置され、それによって、導線の表面の一部において導線に沿って伝播する第1の電磁波が、導波路表面の少なくとも一部に結合し、導波路の表面の周囲の一部に第2の電磁波として伝播する。
【0007】
一実施例では、方法は、送信デバイスが導波路表面の少なくとも一部を伝播する第1の電磁波を放出することを備え、導波路は導線に対して同軸状に一列になっていない。その方法はまた、第1の電磁波の少なくとも1部と導線表面との結合を促進するように、導線の近傍に導波路を構成することと、導線表面の周囲の少なくとも一部で伝播する第2の電磁波を形成することとを含めることができる。
【0008】
他の実施例では、一つ又はそれ以上の態様において、装置は、非平行の対向する複数のスロット面によって形成されたスロットを有する導波路を有し、対向する複数のスロット表面はスロット内に導線を挿入できる距離だけ離間し、導波路は導波路表面の少なくとも一部での第1の電磁波の伝播を促進し、導波路が導線に対して配置されたことに応じて、第1の電磁波が導線の表面の少なくとも一部に結合し、導線表面の周囲の少なくとも一部に第2の電磁波として伝播し、その第2の電磁波は波伝播モードを有する。
【0009】
他の実施例では、一つ又はそれ以上の態様において、装置は導波路を有し、導波路は導電性ではなく導波路表面に電磁波を伝播するのに適した材料からなり、導波路は導波路表面の少なくとも一部で第1の電磁波の伝播を促進し、導波路が導線に対して配置されたことに応じて、第1の電磁波が導線表面の少なくとも一部に結合して、導線の周囲の少なくとも一部に第2の電磁波として伝播し、第2の電磁波は波伝播モードを有する。
【0010】
他の実施例では、導線に対して同軸状に一列にならないように近傍に配置された導波路を使用して電磁波を波伝播させる方法は、送信デバイスが導波路表面の少なくとも一部を伝播する第1の電磁波を放出することを備える。斯かる方法は、また、第1の電磁波の少なくとも一部を同軸状に一列にならない導波路を介して導線の表面に伝達することと、それによって、導線の表面の一部において導線に沿って伝播する第2の電磁波を形成することとを含む。
【0011】
本願で開示された種々の実施例は、導線からの導波(例えば、電磁波である表面波通信)の送信信号を発信及び抽出する誘電体導波路結合システムに関する。ミリ波周波数では、波長が装置サイズに比べて小さく、送信信号は誘電体材料片又は長手によって導かれる波として伝播する。導波の電磁場構造は導波路の内部と外部との両方に存在し得る。しかしながら、他の実施例では、導波の電磁場構造は主に導波路の内部に或いは主に外部に存在し得る。誘電体の導波路片を導線(例えば、実用線、又は他の送信線)の近傍に近接させた場合、導波の少なくとも一部が誘電体の導波路から分離し、導線と結合して、表面波等の導波として引き続き導線の表面の周囲を伝播する。例示的実施例では、表面波は導線の表面によって導かれる1種の導波である。その表面は、導線の外部又は外部表面を含む。或いは表面波は導線の他の表面によって導かれる。他の表面とは、異なる特性(例えば、誘電性の特性)を有する他のタイプの媒体に接近し又は露出した表面をいう。真に、例示的実施例では、表面波を導く導線の表面は、二つの異なるタイプの媒体間の転移表面となることが出来る。例えば、剥き出し又は非絶縁の導線の場合には、導線の表面は、剥き出し又は非絶縁の導線の外側又は外部導電表面となり、空気又は自由空間に露出する。他の実施例では、絶縁性導線の場合には、導線の表面は、導線の絶縁部分に接触した導線の導電部分であってもよく、空気又は自由空間に露出する導線の絶縁体表面であってもよく、又は導線の絶縁体表面と導線の絶縁体部分に接触する導線の導電体部分との間の何れかの材料であってもよく、絶縁体、空気及び/又は導電体の特性(例えば、誘電性特性)における相対的差に基づく。本願に記載の如く、絶縁された導線とは、その様な誘電体被覆等の意図した機能とは関連せずに、誘電体被覆や鞘を有する何れかの金属導線又はケーブルを指すものと言える。幾つかの実施例では、そのような絶縁された導線は、数あるバリエーションの中でも、ツリー・ガード(tree guard)絶縁及びヘンドリックス(Hendrix)絶縁を含み得る。
【0012】
ある例示的実施例では、表面波等の導波は、自由空間/空気中の無線伝送或いは導線中の導体を介して電力や信号の通常の伝播と対比することが出来る。実際、本願で開示の表面波又は導波システムを使用することにより、通常の電力や信号もまた導線中の導体を介して伝播或いは送信することが出来る一方、導波(表面波及びその他の電磁波を含む)は本例示的実施例に従って導線の表面の周囲で伝播又は送信される。一実施例では、表面波は場構造(例えば、電磁場構造)を有することが出来、斯かる場構造は、表面波を導くように作用する線又は導線の外側に主に或いは実質的に存在する。
【0013】
本発明の例示的実施例によると、導線に沿って伝播する電磁波及び導線の表面の周囲を伝播する電磁波は、導線の近傍の導波路に沿って伝播する他の電磁波によって誘導される。電磁波の誘導は、電気回路の一部としての導線を介して注入され、又は送信される電位、電荷又は電流のいずれからも独立している。導線を介しての電磁波の伝播に応答して、導線内に微小電流が発生しうる一方で、このことは導線表面に沿った電磁波の伝播に起因し得るものであって、電気回路の一部としての導線に注入された電位、電荷或いは電流に応答して発生するものではない。従って、導線上を伝播する電磁波は、導線表面に沿って伝播するための回路を必要とはしない。従って、導線は電気回路の一部ではない単一の導線である。また、幾つかの実施例では、導線を必要とはせず、電磁波は導線以外の単一の線状の送信媒体に沿って伝播し得る。
【0014】
例示的実施例では、導波(例えば、表面波)に関連して使用する導線の「周囲」との用語は、基本波伝播モードと、導線の周囲の少なくとも一部における環状の或いは実質的環状場分散(例えば、電場、磁場、電磁場及びその他)を有するその他の導波とを含み得る。更に、導波が導線の「周囲」を伝播する場合に、基本波伝播モード(例えば、0次モード)だけではなく、それに追加するか或いは代替して高次導波モード(例えば、1次導波モード、2次導波モード等)等の非基本波伝播モード、導線の周囲に分散する非環状場を有する非対称モード及び/又はその他の導波(例えば、表面波)を含む波伝播モードに従って、その導波は伝播する。例えば、非環状場分散は、比較的に高い場強度を特徴とする1つ又は複数の軸方向ローブ、及び/又は比較的に低い場強度、ゼロ場強度或いは実質的にゼロの場強度を特徴とする1つ又は複数のゼロ(null)又はゼロ領域となり得る。更に、場分散は、導線の周囲での長手軸の配向の関数として変化し得る。それによって、本実施例によると、導線の周囲での軸配向の1つ又は複数の領域は、他の軸配向の1つ又は複数の領域よりも、高い電場強度或いは磁場強度(電場及び磁場強度の組み合わせ)を有する。高次波モード又は非対称波モードの相対位置は導線を伝播する導波として変化する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】下記に示す種々の視点に従う導波通信システムの例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図2】下記に示す種々の視点に従う誘電体導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図3】下記に示す種々の視点に従う誘電体導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図4】下記に示す種々の視点に従う誘電体導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図5】下記に示す種々の視点に従う誘電体導波結合器及び送受信機の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図6】下記に示す種々の視点に従う2重誘電体導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図7】下記に示す種々の視点に従う双方向誘電体導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図8】下記に示す種々の視点に従う双方向誘電体導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図9】下記に示す種々の視点に従う双方向中継器システムの例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図10】下記に示す誘電体導波結合器を用いた送信方法の例示的な非制限的実施例を示す流れ図を示す。
図11】下記に示す種々の視点に従うコンピュータ環境の例示的な非制限的実施例を示す流れ図を示す。
図12】下記に示す種々の視点に従うモバイル・ネットワーク・プラットフォームの例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図13】下記に示す種々の視点に従うスロットを有する導波結合器の例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図14】下記に示す種々の視点に従う導波結合器システムの例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図15】下記に示す種々の視点に従う導波結合器システムの例示的な非制限的実施例を示すブロック線図を示す。
図16】下記に示す導波路を用いた電磁波を伝送する方法の例示的な非制限的実施例を示す流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、一又はそれ以上の実施例について図面を参照して説明する。ここで、同様の引用数字は一貫して同様の要素を示すために使用されている。下記の記載について、説明目的で、種々の実施例を通しての理解を与えるために、多岐に亘って詳細に説明する。しかしながら、詳細に説明するまでも無く(そして、特定のネットワーク環境又は標準を適用するまでも無く)種々の実施例が実施可能であることは明らかである。
【0017】
図1に、導波通信システム100の例示的、非制限的実施例のブロックダイアグラムを示す。導波通信システム100は、誘電体導波路結合システムを使用し得る環境を示す。
【0018】
導波通信システム100は、分散アンテナ・システムであっても良い。分散アンテナ・システムとは、1つ又は複数の基地局デバイス(例えば、基地局デバイス104)を含む。基地局デバイスは、マクロセル・サイト102又はその他のネットワーク接続に通信可能に結合されている。基地局デバイス104は導線(例えば、ファイバ及び/又はケーブル)、又は無線(例えば、マイクロウエーブ無線)接続によってマクロセル・サイト102に接続され得る。マクロセル・サイト102等のマクロセルはモバイル・ネットワークへの専用接続を有し、基地局デバイス104はマクロセル・サイト102の接続を共有し、又は他の形態で利用することが出来る。基地局デバイス104、電柱116に取り付け或いは設置することが出来る。他の実施例では、基地局デバイス104は、変圧器の近傍及び/又は送電線の近傍のその他の設置場所に設置され得る。
【0019】
基地局デバイス104は、モバイル・デバイス122および124のモバイル・ネットワークに対して接続を促進する。電柱118及び120に設置され或いはその近傍に設置されたアンテナ112及び114は、それぞれ、基地局デバイス104からの信号を受信し、そのアンテナ112及び114が基地局デバイス104又はその近傍に位置していた場合よりも極めて広い領域に亘ってモバイル・デバイス122及び124にその信号を送信することが出来る。
【0020】
図1は、説明を簡単化する趣旨で、3本の電柱と1個の基地局デバイスだけを示したことについて、御理解い頂きたい。他の実施例では、電柱116がより多くの基地局デバイスを有することも出来るし、一本又はそれ以上の電柱に複数のアンテナを分配することも可能である。
【0021】
誘電体導波結合デバイス106は、基地局デバイス104から電柱116、118及び120に接続する配電線又は送電線を介してアンテナ112及び114に信号を送信することが出来る。信号を送信するために、無線信号源及び/又は誘電体導波結合デバイス106は、基地局デバイス104からの(例えば、周波数混合を介して)信号をミリメーター波帯域まで高い周波数に変換する。そして、誘電体導波結合デバイス106がミリメーター波帯域波を放射し、ミリメーター波帯域波が導波(例えば、表面波又はその他の電磁波)として配線又はその他の導線に沿って伝播する。電柱118では、他の誘電体導波結合デバイス108が導波を受信し(及び、オプションとして必要に応じて又は好ましくは増幅し)、導波(例えば、表面波又はその他の電磁波)として、電柱又はその他の導線上でその先に信号を送信する。誘電体導波結合デバイス108もまた、ミリメーター波帯域導波から信号を抽出して、その信号の周波数を低くシフトして、最初のセルラー帯域周波数(例えば、1.9GHz又はその他の規定のセルラー周波数)又は更にその他のセルラー(又は非セルラー)帯域周波数にする。アンテナ112は周波数を低くシフトした信号をモバイル・デバイス122に(例えば、無線で)送信することが出来る。そのプロセスは、必要又は要望があれば、誘電体導波結合デバイス110、アンテナ114及びアンテナ114によって反復することが出来る。
【0022】
モバイル・デバイス122及び124からの送信は、アンテナ112及び114によってそれぞれ受信することが出来る。誘電体導波結合デバイス108及び110上の中継器がセルラー帯域信号をミリメーター波帯域まで高くシフト或いは変換して、その信号を導波(例えば、表面波、又はその他の電磁波)送信として電力線を介して基地局デバイス104に送信する。
【0023】
例示的実施例では、システム100は多様な経路を有する。2つ又はそれ以上の送電線又はその他の導線は電柱116、118及び120(例えば、電柱116及び120の間の2つ又はそれ以上の導線)の間に配設され、基地局デバイス104から冗長送信が送電線又はその他の導線の表面を下流への導波として送信される。送電線又はその他の導線は絶縁されていていても良いし、非絶縁であっても良い。伝送損失を生じる環境条件に応じて、結合デバイスは、絶縁又は非絶縁送電線又はその他の導線から選択的に信号を受信することが出来る。斯かる選択は、導線の信号対ノイズ比の測定に基づいて、又は規定の天候/環境条件(例えば、湿度計、天気予報等)に基づく。システム100は、多様な経路を使用することにより、代替の経路決定能力、負荷均衡、取り扱い負荷を増し、同時双方向又は同期通信、拡張スペクトル通信等(詳細については図8を参照)を可能にする。
【0024】
図1に示す誘電体導波結合デバイス106、108及び110の使用は、一例として示しているのであって、他の実施例ではその他のものを使用することも可能となる。例えば、誘電体導波結合デバイスは、基地局デバイスにネットワーク接続を与える帰還(backhaul)通信システム内で使用することも出来る。誘電体導波結合デバイスは、導線が絶縁されているか否かに係わらず、その導線を介して導波を送信することが望まれる多くの状況において使用されうる。誘電体導波結合デバイスは、導線と非接触又は制限的物理的及び/又は電気的接触に起因する他の接合デバイスに対する改善となる。誘電体導波結合デバイスを使用すると、装置が導線から離れて配置され(例えば、導線から間隔をあけて)、及び/又は誘電体が絶縁体として作用することによって装置が導線と電気的に接触しないように導線上に配置され、それによって装置の取り付けが安価、容易及び/又は複雑化せずに実現できる。
【0025】
本実施例では基地局デバイス104及びマクロセル・サイト102が説明されているが、他のネットワーク構成も同様に可能となる。例えば、アクセス・ポイント等のデバイスや他の無線ゲートウエイも同様に用いることが出来、802.11プロトコル、WIMAXプロトコル、UltraWidebandプロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、Zigbeeプロトコル、または他の無線プロトコル等の通信プロトコルに従って動作する無線ローカルエリア・ネットワーク、無線パーソナルエリアネットワークやその他の無線ネットワーク等の通信範囲を拡張することが出来る。
【0026】
次に、図2を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による誘電体導波結合システム200の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。誘電体導波結合システム200は誘電体導波路204を有し、誘電体導波路204の導波路表面の周囲では導波として波206が伝播する。一実施例では、誘電体導波路204は湾曲し、誘電体導波路204の少なくとも一部は導線202の近傍に配置することが出来、それによって、以下に説明するように誘電体導波路204と導線202との間の結合を促進する。誘電体導波路204の一部が導線202に平行に或いは実質的に平行になるように誘電体導波路204を配置することが出来る。導線202に平行な誘電体導波路204の一部は、彎曲部の頂点にあり、又は彎曲部の接線が導線202と平行になる何れかの点にある。誘電体導波路204がこの様に位置決め又は配置される場合には、誘電体導波路204に沿って伝播する波206は少なくとも部分的に導線202と結合し、導波208として導線202の周囲又はその表面の周囲を伝播する。導波208は表面波又はその他の電磁波としての特徴を有することが出来るが、導波208の他のタイプは実施例から逸脱することなく、良好に支持されうる。導線202と結合しない波206の一部は、誘電体導波路204に沿って波210として伝播する。誘電体導波路204は導線202に対して相対的に種々の位置に形成され又は配置され、それによって波206と導線202との間の所望のレベルの結合又は非結合を達成する。例えば、導線202に平行又は実質的に平行誘電体導波路204の曲率又は長さは、離間した距離(実施例によっては離間距離ゼロも含む)と同様に、実施例から逸脱することなく変更可能である。同様に、導線202に対して相対的な誘電体導波路204の配置は、導線202や誘電体導波路204それぞれの固有の特徴(例えば、厚さ、組成、電磁的特性等)と、同様に波206および208の特徴(例えば、周波数、エネルギーレベル等)との検討に基づいて変更しても良い。
【0027】
たとえ導線202が折れたり曲がったりしても、導波208は導線202に対して平行に又は実質的に平行のままである。導線202の折れは伝送損失を増加させ、伝送損失は導線の直径、周波数及び材料に依存する。誘電体導波路204の寸法は効率的に電力を送るように選択され、波206中の殆どの電力は波210に殆ど残すことなく導線202に送られる。導波208が(下記に説明するように)多様な性格を有し、非基本波又は非対称のモードを含み、導線202に平行に又は実質的に平行な経路に沿って伝播することについて理解されたい。一実施例では、非基本波又は非対称のモードを使用して、伝送損失を最小化し、及び/又は伝播距離の伸張を得る。
【0028】
用語「平行」は、一般的に幾何学的構造を示し、実際のシステムでは厳密にはしばしば達成できない構造を示す。従って、本願明細書で用いられている用語「平行」は、本願の実施例の説明で用いられる場合には、厳密に精確な構造というよりは、近似的構造を示す。実施例では、実質的に平行は、全ての方向に対しての真なる平行から30度以内で近似した範囲を含む。
【0029】
一実施例では、波206は、1つ又は複数の波伝播モードを示すことが出来る。誘電体導波路モードは、導波路204の形状及び/又は設計に依存し得る。波206の1つ又は複数の誘電体導波路モードは、導線202に沿って伝播する導波208の1つ又は複数の波伝播モードを発生させ、またはそれに影響を与え、またそれにインパクトを与える。一実施例では、導線202上の波伝播モードは誘電体導波モードに類似する。なぜなら、波206及び208は共に、それぞれ誘電体導波路204及び導線202の外側の周囲を伝播するからである。いくつかの実施例では、誘電体導波モードが導線202に結合するにつれて、誘電体導波路204及び導線202のサイズ、材料、及び/又はインピーダンスの違いに起因して、モードはその形を変える。波伝播モードは、基本横電磁モード(Quasi−TEM00)を含む。ここでは、小さい電場及び/又は磁場だけが伝播方向に伸び、電場及び磁場が外側へ向かって放射状に伸び、一方、導波は導線に沿って伝播する。導波モードはドーナッツ状となり、誘電体導波路204又は導線202内に存在する電磁場は少ない。波206及び208は、場が外側に向けて放射状に伸びる基本TEMモード及びその他の非基本(例えば、非対称、高レベル等)モードを含む。特定の波伝播モードを上記に示したが、その他の波伝播モード、例えば、横電気(TE)モード及び横磁気(TM)モードも採用する周波数、誘電体導波路204の設計、導線202の寸法及び組成、表面特性、オプションとしての絶縁性、表面環境の電磁的特性等に基づいて、同様に採用できる。周波数、導線202の電気的及び物理的特性、発生した特定の波伝播モード基づいて、酸化した非絶縁導線、非酸化非絶縁導線、絶縁導線の導電性表面に沿って、及び/又は絶縁導線の絶縁表面に沿って、導波208は伝播し得る。
【0030】
一実施例では、誘電体導波路204の直径は、導線202の直径よりも小さい。ミリメーター帯域の波長を使用する際には、誘電体導波路204は、波206を形成する単一導波モードを支持する。単一導波モードは、導線202とその表面で結合する際に変化する。誘電体導波路204を大きくした場合、1つ又は複数の導波モードを支持出来るが、それらの追加の導波モードが効率的には導線202には結合できないようにすると、結果として結合損失はより高くなる。しかしながら、幾つかの別の実施例では、誘電体導波路204の直径が導線202の直径以上になっている。例えば、より高い結合損失が望まれる場合や、結合損失を低減する他の技術(例えば、先細り化によるインピーダンス・マッチング等)と併せて使用する場合等である。
【0031】
一実施例では、波206及び208の波長は同等なサイズであり、誘電体導波路204及び導線202の周縁よりも小さい。例えば、導線202が直径0.5cmであり、対応する周縁が1.5cmである場合には、送信波長は1.5cm又はそれ以下となり、対応する周波数は20GHz又はそれ以上となる。他の実施例では、送信及び搬送波信号の適正な周波数は、30乃至100GHzの範囲、望ましくは30乃至60GHzの範囲であり、一実施例では38GHz前後となる。一実施例では、誘電体導波路204及び導線202の周縁のサイズが送信波長と同等か又は大きい場合には、波206及び208は、基本モード及び/又は非基本モード(例えば、対称及び/又は非対称モード)を含み、ここで説明する種々の通信システムを支持するために十分な距離を伝播する複合波伝播モードを示すことが出来る。波206及び208は、従って、1つ又は複数のタイプの電磁場構成を含むことが出来る。一実施例では、導波208が導線202に伝播するに従って、電磁場構造は導線202の一端から多端まで同じ構造を保つ。他の実施例では、導波208が送信損失に起因して干渉又はエネルギー損失を受けた場合には、電磁場構造は、導波208が導線202に伝播するにつれて変化する。
【0032】
一実施例では、誘電体導波路204は、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリアミド、又はその他のプラスチックで形成することが出来る。他の実施例では、他の誘電体材料も使用できる。導線202の導線表面は、露出した金属表面を有する金属であっても良いし、プラスチック、誘電体、絶縁物又はその他の鞘によって絶縁されたものであっても良い。一実施例では、誘電体かそうでなければ非導電性/絶縁性導波路が露出した/金属の導線又は絶縁導線と対を成す。他の実施例では、金属および/または導電性導波路が露出した/金属の導線または絶縁導線と対を成す。一実施例では、導線202の露出した金属表面上の酸化物層(例えば、露出した金属表面を酸素/空気に晒したことによって形成された)はまた何れかの絶縁物又は鞘によって提供されたものと同様の絶縁性又は誘電性特性を提供する。
【0033】
波206,208及び210のグラフ表示は、波206が導線202に導波208を誘起し又はそうではければ放出し、導線202が例えば単一の導線送信線として機能するとの原理を示しているだけである。波210は、波206の一部を示すものであり、波206は導波208が発生した後も誘電体導波路204に留まる。斯かる波伝播の結果として発生した実際の電磁場は、表面特性、そのオプションとしての絶縁性、周囲環境の電磁的特性等と同様に、採用した周波数、単数又は複数の特定の導波伝播モード、誘電体導波路204の設計、導線202の寸法及び組成に基づいて、変化させても良い。
【0034】
誘電体導波路204は、その端部に終端回路又はダンパー214を備え、波210の残余の放射物又はエネルギーを吸収することが出来る。終端回路又はダンパー214は、反射されて送信機回路212に向けて戻る波210からの残余の放射物を阻止及び/又は低減する。一実施例では、終端回路又はダンパー214は、終端抵抗、及び/又は反射を減衰させるインピーダンス・マッチングを実施するその他の素子を含むことが出来る。幾つかの実施例では、結合効率が十分に高い場合に、及び/又は波210が十分に小さい場合には、終端回路又はダンパー214を使用する必要がない。説明を単純化するために、それらの送信機及び終端回路又はダンパー212及び214は図に示していないが、それらの実施例では、それらの送信機及び終端回路又はダンパーを使用しても良い。
【0035】
更に、単一の導波208を発生する単一の誘電体導波路204を提供し、その一方で導線202に沿った異なる複数の位置に配置され及び/又は導線202に関して異なる複数の軸方向に配置された多数の誘電体導波路204を採用することにより、同一又は異なる周波数で、同一又は異なる位相で、同一又は異なる波伝播モードで、多数の導波208を発生することが出来る。単数又は複数の導波208は、位相シフト・キーイング、周波数シフト・キーイング、直交振幅変調、振幅変調、マルチ・キャリヤ変調等の変調技術、及び周波数分割多重、時分割多重、コード分割多重、複数の異なる波伝播モード及びその他の多重化及びアクセス・ストラテジー等のマルチアクセス技術を介して、変調されて、データを伝達する。
【0036】
次に、図3を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による誘電体導波結合システム300の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。誘電体導波結合システム300は誘電体導波路304及び導線302を有し、導線302の表面の周囲では導波として波306が伝播する。一実施例では、波306が表面波又は他の電磁波としての特徴を有する。
【0037】
一実施例では、誘電体導波路304が湾曲し、又は曲率を有し、導線302の近傍に配置され、それによって湾曲した誘電体導波路304の一部が導線302に平行に又は実質的に平行になる。導線302に平行な誘電体導波路304の一部は、彎曲部の頂点、又は彎曲部の接線が導線302に平行となる部分となる。誘電体導波路304が導線302の近傍にある場合には、導線302に沿って伝播する導波306は誘電体導波路304に結合し、誘電体導波路304の周囲を導波308として伝播する。導波306の一部は、誘電体導波路304に結合せずに、導線302に沿って導波310(例えば、表面波又はその他の電磁波)として伝播する。
【0038】
たとえ導線302及び誘電体導波路304が折れたり曲がったりしても、導波306及び308は、それぞれ導線302及び誘電体導波路304に平行なままに留まる。導線302の折れは伝送損失を増加させ、伝送損失は導線の直径、周波数及び材料に依存する。誘電体導波路304の寸法は効率的に電力を送るように選択され、導波306中の殆どのエネルギーは導波310に殆ど残すことなく誘電体導波路304に結合される。
【0039】
一実施例では、受信回路は、誘電体導波路304の端部に配置することにより、波308を受信する。誘電体導波路304の反対側の端部に終端回路を配置することにより、誘電体導波路304に結合した導波306とは反対の方向に伝播する導波を受信する。終端回路はこの様にして受信回路によって受信される反射を阻止及び/又は低減する。反射が小さい場合には、終端回路は必要が無い。
【0040】
導波306の選択された偏光が導波308として誘電体導波路304に結合するように誘電体導波路304は構成されることを理解されたい。例えば、導波306がそれぞれに偏光を有する導波又は波伝播モードとして形成された場合には、誘電体導波路304は選択された単数又は複数の偏光を有する1つ又は複数の導波を受信するように構成することが出来る。誘電体導波路304に結合した導波308は、この様にして、1つ又は複数の選択された偏光に対応する導波の組み合わせとなり、更なる導波310は選択された偏光に適合しない導波を含むことが出来る。
【0041】
誘電体導波路304は、誘電体導波路304は配設された導線302に対する角度/回転に基づく特定の偏光を有する導波を受信できるように構成することが出来る。例えば、導波306が水平に偏光している場合には、導波306の殆どが波308として誘電体導波路304を伝播する。誘電体導波路304が導線302の周りに90度回転することにより、波306の殆どのエネルギーが導線302に導波310として結合されたまま留まり、波306のわずかな部分だけが導線302に波308として結合する。
【0042】
図3及びその他の図及び明細書中では、波306、308及び310は3個の円形の記号によって示されていることは理解されたい。これらの記号は、一般的な導波を示すために用いられているのであって、波306、308及び310が円形偏光することやその他の円形配向を示すものではない。実際、波306、308及び310は、場が放射状に外側に向けて拡がる基本TEMモード及び他の非基本(例えば、高レベル等)モードを含むことが出来る。これらのモードは非対称(例えば、放射状、2極性、3極性、4極性等)の性格も有することが出来る。
【0043】
導線に亘っての導波通信は、全二重となり、双方向に同時通信を許容することも理解されたい。一方向への波伝播は反対方向への導波を介して通過させることが出来る。電磁場は、波に適用される重ね合わせの原理により、一部において短時間に相殺される。相反する方向に伝播する導波は、他の波がなかったかのように伝播され、観測者に対する合成された効果は静的定在波パターンとなる。複数の導波が相互に通過してしかも重ね合わせの状態ではなくなると、干渉がおさまる。導波(例えば、表面波、又はその他の電磁波)は、導波路に結合して、導線から離れ、他の導波(例えば、表面波、又はその他の電磁波)に起因する干渉は減少する。一実施例では、導波306(例えば、表面波、又はその他の電磁波)が誘電体導波路304に接近すると、導線302上を左から右に伝播する他の導波(例えば、図示しない表面波、又はその他の電磁波)は、局所的干渉を生じて通過する。導波306が誘電体導波路304と結合して波308になって導線302を離れると、導波の通過に起因する全ての干渉は低下する。
【0044】
波306、308及び310の図示は、導波306が誘電体導波路304に波308を誘起又は放出するとの原理を説明するものであることを理解されたい。導波310は、波308が発生した後に導線302に留まる導波306の一部を示す。その様な導波の伝播の結果として発生する実際の電磁場は、その表面特性、そのオプションとしての絶縁性、周囲環境の電磁的特性等と同様に、誘電体導波路の形状及び/又は設計、導線に対する誘電体導波路の相対位置、採用した周波数、誘電体導波路304の設計、導線302の寸法及び組成のうちの1つ又は複数に依存して変化する。
【0045】
次に、図4を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による誘電体導波結合システム400の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。誘電体導波結合システム400は誘電体導波路404を有し、誘電体導波路404の表面の周囲では導波として波406が伝播する。一実施例では、誘電体導波路404は湾曲して、導線402に拘束され、締め付けられ、又は機械的に結合することが出来る。誘電体導波路404の一端は導線402に拘束され、誘電体導波路404の他端は導線402に平行に、又は実質的に平行に配置される。或いは、端部を越える誘電体導波路の他の部分は導線402に拘束又は結合され、その結果拘束又は結合された部分は、導線402に平行に、又は実質的に平行に配置される。結合デバイス410は、ナイロン・ケーブルひも、又はその他のタイプの非導電性/誘電体材料であってもよい。誘電体導波路404は、導線402を包囲せずに導線402に隣接する。
【0046】
誘電体導波路404が導線402に平行な端部に配置されると、誘電体導波路404に沿って伝播する導波406は、導線402に結合し、導波408として導線402の表面の周囲を伝播する。一実施例では、導波408は、表面波又はその他の電磁波として特徴付けられる。
【0047】
波406及び408の図示は、例えば、単一の導線送信線として動作する導線402に導波406が導波408を誘起又は放出する原理を説明するものであることを理解されたい。その様な波の伝播の結果として発生した実際の電磁場は、表面特性、オプションとしての絶縁性、周囲環境の電磁的特性等と同様に、誘電体導波路の形状及び/又は設計、誘電体導波路の導線に対する相対的位置、採用した周波数、誘電体導波路404の設計、導線402の寸法及び組成の1つ又は複数に依存して変化する。
【0048】
一実施例では、誘電体導波路404の端部は導線402に向けて先細りとすることによって、結合効率を増すことが出来る。実際、本願の開示の一例に従って、誘電体導波路404の端部の先細りは、導線402に対するインピーダンス整合を提供することが出来る。例えば、誘電体導波路404の端部は次第に先細りとなることにより、図4に示す波406と波408との間の所望のレベルの結合を得ることが出来る。
【0049】
一実施例では、結合デバイス410と誘電体導波路404の端部との間で誘電体導波路404の長さが短くなるように結合デバイス410を配置することが出来る。結合デバイス410を越える誘電体導波路404の端部の長さが1つ又は複数の波長の長さであれば、送信すべき周波数が如何なるものであっても、結合効率の増加を実現することが出来る。
【0050】
次に、図5を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による誘電体導波結合及び送受信機システム500の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。システム500は、送信機/受信機デバイス506を含み、送信機/受信機デバイス506は基地局デバイス508から受信した信号及び基地局デバイス508に送信する信号に基づいて波(例えば、誘電体導波路502への導波504)を放射及び受信する。
【0051】
基地局デバイス508の出力は、周波数混合器510で、ローカル発振器512によって発生されたミリメーター波搬送波と結合することが出来る。周波数混合器510はヘテロダイン法又はその他の周波数シフト技術を用いて、基地局デバイス508からの信号を周波数シフトする。例えば、基地局デバイス508に送信される信号及び基地局デバイス508から送信される信号を、直交周波数分割多重(OFDM)信号等の変調信号とすることが出来る。斯かる変調信号は、ロング・ターム・エボリューション(LTE)無線プロトコル、その他の無線3G,4G又はより高い音声及びデータのプロトコル、ジグビー(Zigbee)、ワイマックス(WIMAX)、超広帯域(UltraWideband)又はIEEE 802.11の無線プロトコル、又はその他の無線プロトコルによってフォーマットされる。例示的実施例では、斯かる周波数変換は、アナログ領域で実施することが出来て、その結果、基地局デバイス508が使用する通信プロトコルのタイプと無関係に周波数シフトを実施することが出来る。実施例にしたがって、新規な通信技術が開発されると、基地局デバイス508がアップグレードされ、または置き換えられて、周波数シフト及び通信装置を残すことが出来て、アップグレードを単純化する。搬送波は、次に電力増幅器(「PA」)514に送信され、送受信デバイス506及びダイプレクサ(diplexer)516をそれぞれ介して送信することが出来る。
【0052】
送受信デバイス506から受信して基地局デバイス508に向けられる信号は、ダイプレクサ516を介する他の信号から分離することが出来る。送信信号は次に低ノイズ増幅器(「LNA」)518に送られて増幅される。周波数混合器520は、ローカル発振器512の支援を受けて、送信信号(幾つかの実施例ではミリメートル波帯域又は38GHz前後)をダウンシフトすることが出来る。次いで、基地局デバイス508が送信信号を受信してもよい。
【0053】
一実施例では、送受信デバイス506は円筒形(例えば、一実施例では中空)金属又は導電性の導波路であり、誘電体導波路502の端部は送受信デバイス506内又は送受信デバイス506に近接するように配置することが出来る。それによって、送受信デバイス506が送信信号を発生した場合に、導波が誘電体導波路502に結合して、導波504として誘電体導波路502の導波表面の周囲を伝播する。同様に、導波504が到来した(導線から誘電体導波路502に結合した)場合には、導波504は次に送受信デバイス506に入り、円筒形導波路又は導電性の導波路に結合する。
【0054】
一実施例では、誘電体導波路502は全体的に誘電体材料によって形成され、何れかの金属又はその他の導電材料を含まない。誘電体導波路502は、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリアミド、その他のプラスチック、又はその他の非導電性その様な材料の外表面上に電磁波を伝播させることを適正に促進する材料から形成することが出来る。他の実施例では、誘電体導波路502は、導電性/金属性のコアを含み、その外部誘電体表面を有する。同様に、誘電体導波路502と結合して誘電体導波路502に誘起された電磁波を伝播し、又は誘電体導波路502に電磁波を供給する送信媒体は、全体的に誘電体材料で形成され、何れの金属又はその他の導電材料を含まない。
【0055】
図5は、縮尺は正確には示していないが、送受信デバイス506の開口が誘電体導波路502よりもずっと広いことを示し、他の実施例では、誘電体導波路502の幅は中空導波路の開口と同等か又はそれよりもわずかに小さい。図には示していないが、一実施例では、送受信デバイス506に挿入される誘電体導波路502端部は、反射を減らして結合効果を増すために先細りになっている。
【0056】
送受信デバイス506は通信可能に基地局デバイス508に結合される。他の実施例では、送受信デバイス506はまた、図1に示す1つ又は複数の分散されたアンテナ11及び114に通信可能に結合しても良い。更に他の実施例では、送受信デバイス506は帰路ネットワークのリピーター・システムの一部を含んでいても良い。
【0057】
誘電体導波路502に結合する前に、送受信デバイス506によって誘起された導波の1つ又は複数の導波モードは、導波504の1つ又は複数の波伝播モードに結合することが出来る。波伝播モードは、中空金属導波路と誘電体導波路との特性の違いに起因して、中空金属導波モードとは相違させることが出来る。例えば、波伝播モードは基本横電磁モード(Quasi−TEM00)を含み、ここでは、小さな電気場及び/又は磁気場のみが伝播方向に伸び、電磁波は導線から放射方向に伸び、その一方で導波は導線に沿って伝播する。基本横電磁モード波伝播モードは、中空の導波路の内部には存在しない。従って、送受信デバイス506によって使用される中空金属導波路モードは、効果的に結合することが出来る導波路モードであり、かつ誘電体導波路502の波伝播モードに効果的に結合することが出来る導波路モードである。
【0058】
次に、図6を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による2重誘電体導波結合システム600の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。一実施例では、導波608を受信するために2又はそれ以上の誘電体導波路(例えば、604及び606)が導線602の周囲に配置される。一実施例では、導波608は、表面波又は他の電磁波としての特徴を有する。一実施例では、導波608を受信するには、単一の導波路で十分である。その場合には、導波608は誘電体導波路604に結合し、導波610として伝播する。導波608の場構造が種々の外的要因に起因して、導線602の周囲で振動した場合又は波のように動いた場合には、導波608が誘電体導波路606に結合するように、誘電体導波路606を配置することが出来る。幾つかの実施例では、導線602の周囲を振動又は回転する複数の導波を受信するために、4つの誘電体導波路を、例えば90度、又は互いに対して別の間隔で、導線602の一部の周囲に配置することが出来る。斯かる複数の導波は、異なる軸の方向に誘起され、例えば、又はロブ(lob)及び/又はヌル(null)又はその他の方向に依存する非対称性を有する非基本又は高次モードを有する。しかしながら、例示された実施例とは異なり、4以上又は4以下の誘電体導波路を導線602の一部の周囲に配置できることも理解されたい。幾つかの実施例では、複数の誘電体導波路を導線602の少なくとも一部の周囲に配置したが、この複数の誘電体導波路は、また、複数の誘電体導波路構成部品を有する単一の誘電体導波路システムの一部とみなすことが出来ることも理解されたい。例えば、2又はそれ以上の誘電体導波路を単一のシステムとして製造することが出来て、単一のシステムに従って2又はそれ以上の誘電体導波路が予め位置決めされるか相互に相対的に(手動又は自動で)調整されるように、斯かるシステムを導線の周りに一体的に設置することも出来る。誘電体導波路604及び606に結合した受信機は、ダイバーシチ合成を用いて、誘電体導波路604及び606の両方から受信した信号を結合して、信号品質を最大限に高めることも出来る。一実施例では、誘電体導波路604および606の一方または他方が、所定のしきい値を上回る送信信号を受信する場合、受信機は、使用する信号を決定する際に選択ダイバーシチを使用することができる。
【0059】
波608及び610のグラフ表示は、導波608が誘電体導波路604上に波610を誘起又は放出するとの原理を示すだけである。斯かる波伝播の結果として発生した実際の電磁場は、その表面特性、そのオプションとしての絶縁性、周囲環境の電磁的特性等と同様に、採用した周波数、誘電体導波路604の設計、導線602の寸法及び組成に基づいて、変化させても良い。
【0060】
次に、図7を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による双方向性誘電体導波結合システム700の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。システム700では、2つの誘電体導波路704及び714は、導線702の近傍に配置することにより、導線702に沿って伝播する導波(例えば、表面波又はその他の電磁波)が誘電体導波路704と結合して波706になり、次に、中継器デバイス710によって昇圧又は再現され、誘電体導波路714に導波716として放出される。導波716は、次に、導線702に結合し、導線702に沿って継続して伝播する。一実施例では、中継器デバイス710は、使用電力の少なくとも一部を受信して、電力線としての導線702に結合した磁場を介して昇圧又は再現をする。
【0061】
幾つかの実施例では、中継器デバイス710は、波706に付随する送信信号を中継し、他の実施例では、中継器デバイス710は、分散アンテナ・システム及び/又は中継器デバイス710の近傍に配置された基地局デバイスに付随することが出来る。受信導波路708は誘電体導波路704から波706受信することが出来て、送信導波路712は導波716を誘電体導波路714に放出することが出来る。受信導波路708と送信導波路712との間で、信号は増幅され、信号損失及びその他の導波通信に付随する非効率性が補正される。一実施例によると、信号が送信路から抽出され、処理され、中継器デバイス710に通信可能に結合した分散アンテナを介して付近のモバイル・デバイスに放出される。同様に、分散アンテナによって受信された信号及び/又は通信は、送信導波路712によって誘電体導波路714に発生され放出された送信信号に挿入される。従って、図7に示す双方向性誘電体導波結合システム700は、図1に示す誘電体導波結合デバイス108及び110と機能的には同等である。
【0062】
図7は、それぞれ左方から入来する送信導波706及び右方へ送信される送信導波716を示すが、これは記載内容を単純化することを意図しており、斯かる記載内容に本発明は制限されない。他の実施例では、受信導波路708及び送信導波路712はそれぞれ送信機及び受信機としても機能して、中継器デバイス710が双方性を持たせることが出来る。
【0063】
一実施例では、中継器デバイス710は導線702上の不連続性又は障害がある位置に配置することが出来る。障害には、変圧器、接続、電柱、及びその他の送電線デバイスが含まれる。中継器デバイス710は、(例えば、表面での)導波がライン上でそれらの障害を克服して、同時に送信電力を増すように支援することが出来る。他の実施例では、中継器デバイスを使用せずに、誘電体導波路を用いてかかる障害を克服することも出来る。その実施例では、誘電体導波路の両端部を導線に拘束或いは締め付け、それによって、障害にブロックされること無く、導波を伝播する経路を提供する。
【0064】
次に、図8を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点による双方向性誘電体導波結合システム800の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。2又はそれ以上の導線が電柱間に張り渡されている場合に、双方向性誘電体導波結合システム800は多様な経路を採用することが出来る。複数の導波送信は天候、降水、大気の状態に基づいて絶縁性導線及び非絶縁性導線に対して異なる伝送効率、及び結合効率を有するので、絶縁性導線又は非絶縁性導線の何れかに所定時間、選択的に送信してみることが望ましい。
【0065】
次に、図8に示す実施例では、中継器デバイスは、受信導波路808を用いて非絶縁性導線802に沿って伝播する導波を受信し、送信導波路810を用いて送信信号を、絶縁性導線804に沿って伝播する導波として中継する。他の実施例では、中継器デバイスは、絶縁性導線804から非絶縁性導線802にスイッチするか、又は同じ経路に沿って送信信号を中継することが出来る。中継器デバイス806は、送信信号に影響を及ぼす条件を示すセンサを含むか、或いは斯かるセンサと通信することが出来る。センサから受信したフィードバックに基づいて、中継器デバイス806は同じ導線に沿った送信信号を維持するか、或いは他の導線に送信信号を転送するか、何れにするのかの決定をすることが出来る。
【0066】
次に、図9を参照すると、そこに示されているのは、双方向性中継器システム900の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。双方向性中継器システム900は、導波結合デバイス902及び904を含み、導波結合デバイス902及び904は、分散アンテナ・システム又はバックハウル(backhaul)システム内に配置された他の結合デバイスに送信信号を送信及び受信する。
【0067】
種々の実施例では、導波結合デバイス902は他の導波結合デバイスからの複数の副搬送波を含む送信信号を受信することが出来る。ダイプレクサ906は、その送信信号を他の送信信号から分離して、その送信信号を低ノイズ増幅器(「LNA」)908に向かわせることが出来る。周波数混合器928は、ローカル発信器の支援を受けて、送信信号(種々の実施例では、ミリメートル波帯域又は約38GHs)を、それが分散アンテナ・システムのセルラー帯域(〜1.9GHz)、本来の周波数、又は帰還(backhaul)システム用のその他の周波数であろうと無かろうと、低周波数にダウンシフトすることが出来る。抽出装置932は、アンテナ又はその他の出力デバイス922に対応する副搬送波上の信号を抽出し、その信号を出力デバイス922に向けることが出来る。このアンテナ位置で抽出されなかった信号は、抽出装置932が他の周波数混合器936に再度指向させることが出来る。ここで、信号は、ローカル発振器914によって発生した搬送波を変調するために使用される。搬送波は、その副搬送波と共に、電力増幅器(「PA」)916に向けられ、導波結合デバイス904によって再送信され、ダイプレクサ920を介して他の中継器システムに送られる。
【0068】
出力デバイス922(分散アンテナシステムのアンテナ)において、PA924はモバイル・デバイスへの送信する信号を昇圧することが出来る。LNA926はモバイル・デバイスから受信した微弱な信号を増幅するために使用することが出来て、この信号はマルチプレクサ934に送られ、この信号はそこで導波結合デバイス904から受信した他の信号と混合される。導波結合デバイス904から受信した信号は、ダイプレクサ920によって分離され、次に、LNA918を通過し、周波数混合器938によって周波数をダウンシフトされる。マルチプレクサ934によって信号が混合されたときに、その信号は周波数混合器930によって周波数をアップシフトされ、次に、PA910によって昇圧され、ランチャーに戻されるか、或いは導波結合デバイス902によって他の結合器に送信される。一実施例では、双方向性中継器システム900は、アンテナ/出力デバイス922を有しない中継器である。幾つかの実施例では、双方向性中継器システム900は、2つの明確かつ分離した単方向性中継器を備えたものであっても良いことは理解されたい。他の実施例では、双方向性中継器システム900は、昇圧器又は、ダウンシフトもアップシフトもせずに再送信しても良い。真に、一実施例では、再送信は、信号又は導波の受信、幾つかの信号又は導波の処理又は再生、信号又は導波の再送信前のフィルタリング及び/又は増幅に基づくことが出来る。
【0069】
図10は、上記のシステムに関するプロセスを示す。図10に関するプロセスは、例えば、図1乃至9にそれぞれ記載されているシステム100、200、300、400、500、600、700、800及び900によって実施することが出来る。説明を簡単にするために、方法は一連のブロックとして示され、かつ記載されているが、本願特許請求の範囲に記載の発明はそのブロックの順序に制限されないということは理解されかつ認識されるべきである。なぜなら、幾つかのブロックは、記載され説明されている順序と異なる順序で実施されても良く、及び/又は同時に実施されても良い。更に、以下に説明する方法を実施するために必要とされるのは図示されたブロックが全てとは限らない。
【0070】
図10は、以下に記載されている誘電体導波結合器を用いて送信信号を送信する方法の例示的、非制限的実施例を示す流れ図を示す。方法1000は、1002で開始することが出来る。ここでは、第1の電磁波が送信デバイスによって放出される。その第1の電磁波の少なくとも一部は、導波路の表面を伝播する。導波路の表面は、導線の表面全体又はその大部分を包囲していない。送信機によって発生された送信信号は基地局デバイス、アクセス・ポイント、ネットワーク又はモバイル・デバイスから受信した信号に基づくことが出来る。
【0071】
1004では、導波路を導線の近傍に構成することに基づいて、次に、導波は、第1の電磁波の少なくとも一部を導線表面に結合させて、第2の電磁波(表面波)を形成し、第2の電磁波は導波路の近傍に配置された導線の表面の周囲の少なくとも一部を伝播する。このことは、誘電体導波路(例えば、誘電体導波路の曲部の接線)を導線の近傍又は導線に平行に配置することにより実現される。ここで、電磁波の波長は導線及び誘導体導波路の周縁より小さい。導波又は表面波は、たとえ導線が折れたり曲がったりしても、導線に対して平行に維持される。折れることによって伝送損失が増加する。伝送損失はまた、導線直径、周波数及び材料に依存する。導線と導波路との間の結合インターフェースは、所望のレベルの結合を達成するように構成する。ここで記載されているように、結合インターフェースは、導波路の端部を先細りとなるようにして、導波路と導線との間のインピーダンス・マッチング向上させることが出来る。
【0072】
送信機によって放出された送信信号は、1つ又は複数の導波モードを示すことが出来る。導波モードは導波路の形状及び/又は設計に依存し得る。導線の伝播モードは、導波路と導線の特性の違いに起因して、導波路のモードとは相違する。導線の周縁が、寸法が送信信号の波長と同程度か、又はそれ以上大きい場合には、導波は多重波伝播モードを示す。導波は、従って、1つ又は複数のタイプの電気場及び磁場構造となる。導波(例えば、表面波)が導線を下流に向けて伝播すると、電磁場構成は導線の一端から他端まで実質的に同一形態を維持してもよく、送信信号が回転、分散、減衰又はその他の効果によって波を横切るにつれて変化してもよい。
【0073】
次に、図11を参照すると、そこに示されているのは、種々の視点によるコンピュータ環境の例示的、非制限的実施例ブロック線図である。本願に記載の実施例の変更例についての追加の事情を解説するために、図11及び下記の記載は、適正なコンピュータ環境1100を手短に概説する。コンピュータ環境1100では、本願で開示の種々の実施例を実施できる。上記では、1つ又は複数のコンピュータ上で動作することが出来るコンピュータ実施可能なインストラクションとの関係で実施例を説明してきたが、当業者には、その実施例は、他のプログラム・モジュールとの組み合わせ及び/又はハードウエア及びソフトウエアとの組み合わせによっても実施可能であるということも理解されたい。
【0074】
一般的に、プログラム・モジュールは、複数のルーティーン(routines)、複数のプログラム、複数のコンポーネント、複数のデータ構造等を含み、特定のタスクを実施し、特定の抽象的データ・タイプを実現する。更に、当業者は、本発明の方法が、パーソナル・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、マイクロプロセッサ・ベースの又はプログラマブル家電製品などと同様にシングルプロセッサ又はマルチプロセッサのコンピュータ・システム、ミニ・コンピュータ、メインフレーム・コンピュータを含む他のコンピュータ・システム構成であって、1つ又は複数の関連デバイスに動作可能に結合できるものを用いて実施できることを理解されたい。
【0075】
明細書及び請求の範囲に記載の用語「第1」、「第2」、「第3」等は、特にそれらの関係が明示されない限り、明示的に示すことのみを目的として使用されており、特に明示したものでなければ時間的先後順序を示すものでもないしその様なことを意図したものでもない。例えば、「第1の決定」、「第2の決定」及び「第3の決定」については、「第1の決定」が必ずしも「第2の決定」より前に為されているとは限らないし、またその逆も同様である等である。
【0076】
記載されている実施例では、特定のタスクが通信ネットワークを介してリンクされた遠隔操作デバイスによって実施される分散コンピュータ環境で実施可能である。分散コンピュータ環境では、プログラム・モジュールは、ローカル・メモリ蓄積デバイス及び遠隔メモリ蓄積デバイスの両方に配置出来る。
【0077】
コンピュータ・デバイスは、典型的には、コンピュータ読み出し可能な蓄積媒体及び/又は通信媒体を含み、斯かる2つの用語は、ここでは、以下の様に異なる意味に用いる。コンピュータ読み出し可能な蓄積媒体は、コンピュータによってアクセス可能であり、揮発性及び不揮発性媒体、取外し可能及び取外し不可能媒体の両方を含む。例として、それには限定されないが、コンピュータ読み出し可能な蓄積媒体は、コンピュータ読み出し可能なインストラクション、プログラム・モジュール、構築されたデータ又は非構築のデータ等の情報を蓄積するための何れかの方法又は技術に関連して、実施される。
【0078】
コンピュータ読み出し可能な蓄積媒体は、それには限定されないが、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)、リード・オンリー・メモリー(ROM)、電子的削除可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、又はその他のメモリ技術、コンパクトディスク・リード・オンリー・メモリ(CD−ROM)、ディジタル多用途ディスク(DVD)、又はその他の光ディスク蓄積媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク蓄積媒体、又はその他の所望の情報を蓄積するために使用される有形の及び/又は不揮発性な媒体を含む。ここで、蓄積、メモリ又はコンピュータ読み出し可能な媒体について用いられる用語「有形の」又は「不揮発性」は、プログラム揮発性信号を本質的に変更することだけを排除することを意図しているのであって、プログラム揮発性信号を本質的に変更しない全ての標準的蓄積メモリ又はコンピュータ読み出し可能媒体についての権利を放棄することは意図していない。
【0079】
コンピュータ読み出し可能媒体は、例えば、アクセス要求、問合せ、又はその他のデータ問合せプロトコルを介して、1つ又は複数のローカル又は遠隔のコンピュータ・デバイスによってアクセスされて、媒体に蓄積された情報に関する種々の動作を実施する。
【0080】
通信媒体は、典型的に、データ信号中のコンピュータ読み出し可能なインストラクション、データ構造、プログラム・モジュール又はその他の構造化又は非構造化データを統合する。斯かる信号は、例えば搬送波又はその他の送信機構等の変調データ信号であり、通信媒体は、情報配信又は送信媒体を含む。ここで、「変調データ信号」は、1又はそれ以上の特徴の組み合わせを有する信号、又は情報を1又はそれ以上の信号に符号化する手法で変更を加えた信号を指す。例えば、それには制限されないが、通信媒体は、優先ネットワーク又は直接配線接続された導線媒体、及び音声、RF、赤外線及びその他の無線媒体等の無線媒体を含む。
【0081】
再び図11を参照すると、基地局(例えば、基地局デバイス104及び508)及び中継器デバイス(例えば、中継器デバイス710,806及び900)を介して信号を送受信する実施例の環境1100は、コンピュータ1102を含む。コンピュータ1102は、プロセッサ1104、システム・メモリ1106及びシステム・バス1108を含む。システム・バス1108は、システム・メモリ1106を含むがそれに限定されない複数のシステム・コンポーネントをプロセッサ1104に結合する。プロセッサ1104は、種々の商業的に入手可能なプロセッサであってもよい。デュアル・プロセッサ及びその他のマルチ・プロセッサ・アーキテクチャもまたプロセッサ1104として採用可能である。
【0082】
システム・バス1108は、種々のバス構造の何れでも可能であり、斯かるバス構造は更に(メモリ・コントローラを用いて或いは用いないで)メモリ・バスに相互接続可能であり、種々の商業的に入手可能なバス構造を有するローカル・バスに相互接続可能である。システム・メモリ1106は、ROM1110及びRAM1112を含む。ベイシック・インプット/アウトプット・システム(BIOS)は、ROM、削除可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM)、EEPROM等の不揮発性メモリに蓄積することが出来る。BIOSは、スタートアップ等の際に、コンピュータ1102内の複数の素子間で情報を転送することを支援するベーシック・ルーティーンを含む。RAM1112は、また、データをキャッシュメモリに保存するために、スタティックRAM等の高速RAMを含むことも出来る。
【0083】
コンピュータ1102は、内部ハードディスク・ドライブ(HDD)1114(例えば、EIDE、SATA)、磁気フロッピーディスク(FDD)1116(例えば、取外し可能なディスケット1118から読み出し、又はそれに書き込みをするため)及び光学ディスク・ドライブ1120(例えば、CD−ROMディスク1122から読み出しをするため、又はDVD等の他の高容量光学媒体からの読み出し又はそれに書き込みをするため)を含む。内部ハードディスク・ドライブ1114は、また適切なシャーシ(不図示)に内蔵された外部用途の構成であってもよい。ハードディスク・ドライブ1114、磁気ディスク・ドライブ1116及び光学ディスク・ドライブ1120は、ハードディスク・ドライブ・インターフェース1124、磁気ディスク・ドライブ・インターフェース1126及び光学ドライブ・インターフェース1128によってそれぞれシステム・バス1108に接続される。外部ドライブを実装するためのインターフェース1124は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)及び電気電子技術者協会(IEEE)1394インターフェース技術の一方又は両方を少なくとも含む。その他の外部デバイス接続技術は、開示の実施例で意図される範囲内である。
【0084】
これらのドライブ及びそれに関連するコンピュータ読み出し可能な蓄積媒体は、不揮発性蓄積データ、データ構造、コンピュータ読み出し可能なインストラクション等を提供する。コンピュータ1102のために、ドライブ及び蓄積媒体は全ての蓄積データを適正なディジタル・フォーマットに適合させる。上記のコンピュータ読み出し可能蓄積媒体の記載でハードディスク・ドライブ(HDD)、取外し可能なディスケット、CD又はDVD等の取外し可能な光学媒体に言及したが、当業者には、zipデバイス、磁気カセット、フラッシュ・メモリ・カード、カートリッジ等のコンピュータ読み出し可能な他のタイプの蓄積媒体も実施例の動作環境において使用可能であることを理解されたい。更に、その様な媒体の何れかが、本願で開示の方法を実施するためにコンピュータによって処理可能なインストラクションを含むことが出来る。
【0085】
オペレーティング・システム1130、1つ又は複数のアプリケーション・プログラム1132、その他のプログラム・モジュール1134及びプログラム・データ1136を含む多数のプログラムを、ドライブ及びRAM1112に蓄積することが出来る。オペレーティング・システム、アプリケーション、モジュール及び/又はデータの全部又は一部をRAM1112にキャッシュすることが出来る。本願で開示のシステム及び方法は、種々の商業的に入手可能なオペレーティング・システム又は複数のオペレーティング・システムによって実施可能となる。プロセッサ1104によって実施され、又は実行されるアプリケーション・プログラム1132の例は、中継器デバイス806によって実施される多様性の選択を含む。図5に示す基地局デバイス508もまた、多くのアプリケーション及びプログラムを、メモリに蓄積し、この例示的コンピュータ環境1100においてプロセッサ1104によって実行している。
【0086】
ユーザーは、例えばキーボード1138等の1つ又は複数の有線/無線入力デバイス及び例えばマウス1140等のポインティングデバイスを介して、コマンドや情報をコンピュータ1102に入力する。その他の入力デバイス(不図示)は、マイクロフォン、赤外線(IR)リモート・コントロール、ジョイスティック、ゲーム・パッド、スタイラス・ペン、タッチ・スクリーン等を含むことが出来る。これらの入力デバイスは、入力デバイス・インターフェース1142を介してプロセッサ1104に頻繁に接続される。入力デバイス・インターフェース1142は、システム・バス1108に結合することが出来るが、パラレル・ポート、IEEE 1394シリアル・ポート、ゲーム・ポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、IRインターフェース等のその他のインターフェースにも接続可能である。
【0087】
モニタ1144又はその他のタイプの表示デバイスも、ビデオ・アダプター1146等のインターフェースを介してシステム・バス1108に接続可能である。他の実施例では、モニタ1144が表示デバイス(例えば、他のコンピュータがディスプレイ、スマートフォン、タブレットコンピュータなどを有する)となることが出来て、インターネット及びクラウド・ベースのネットワークを含む何れかの通信手段を介して、コンピュータ1102に関係する情報を表示することが出来る。モニタ1144に加えて、コンピュータは、典型的にスピーカ及びプリンタ等の他の周辺出力デバイス(不図示)を含む。
【0088】
有線及び/又は無線通信を介して1つ又は複数の遠隔コンピュータ1148等の遠隔コンピュータへの論理的接続を用いたネットワーク環境内で、コンピュータ1102は動作可能である。遠隔コンピュータ1148は、説明を簡単にするためにメモリ/蓄積デバイス1150だけが示されているが、ワークステーション、サーバー・コンピュータ、ルーター、パーソナル・コンピュータ、ポータブr・コンピュータ、マイクロプロセッサ・ベースのエンターティンメント電化製品、同様のデバイス又は、他の共通ネットワーク・ノードであっても良く、典型的には、コンピュータに関連して説明した素子の幾つか又は全部を含む。示された論理的接続は、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)1152及び/又は大ネットワーク、例えばワイド・エリア・ネットワーク(WAN)1154への有線/無線の接続性を含む。その様なLAN及びWANネットワーク環境は、オフィスや会社には通常ある者であって、イントラネット等の企業の広域コンピュータネットワークを促進し、その全てがグローバル通信ネットワークであるインターネットに接続することが出来る。
【0089】
LANネットワーク環境で使用する際には、有線及び/又は無線通信ネットワークインターフェース又はアダプタ1156を介して、コンピュータ1102はローカル・ネットワーク1152に接続可能である。アダプタ1156は、LAN1152への有線又は無線通信を促進する。LAN1152もまた無線APが配置され、無線アダプタ1156との通信をする。
【0090】
WANネットワーク環境で使用する際には、コンピュータ1102は、モデム1158を含むか、WAN1154上の通信サーバーに接続するか、或いはWAN1154上でインターネット等の通信を確立する他の手段を備えることが出来る。モデム1158は、内部的又は外部的及び有線又は無線デバイスであっても良く、入力デバイス・インターフェース1142を介してシステム・バス1108に接続することが出来る。ネットワーク環境では、コンピュータ1102又はその一部に関連する示されたプログラム・モジュールは、遠隔メモリ/蓄積デバイス1150に蓄積することが出来る。図示されたネットワーク接続が一例に過ぎず、その他の手段を用いて複数のコンピュータ間に通信リンクを確立することも出来ることは理解されたい。
【0091】
コンピュータ1102は、無線通信のために動作可能に配置された何れかの無線デバイス又は対象物に対して通信するように動作可能である。無線デバイスは、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップ及び/又はポータブル・コンピュータ、ポータブル・データ補助器、通信衛星、ワイヤレス非接触タグに関連した用具又は位置の何らかの一片(例えば、kiosk、新聞売店、休憩所)及び電話機である。これは、ワイヤレス・フィディリティー(Wi−Fi)及びブルーツゥース(BLUETOOTH(登録商標))無線技術を含むことが出来る。このように、通信は、通常のネットワークと同様の所定の構造を有するか、或いは単純に少なくとも2つのデバイス間のアドホック無線通信であっても良い。
【0092】
Wi−Fiは、家庭内の長椅子、ホテルの部屋のベッド又は仕事場の会議室から、無線でインターネットへの接続を可能にする。Wi−Fiは、セルラー・フォンで使用されているものと同様の無線技術であり、例えばコンピュータ等のデバイスに対して基地局の範囲内のいずれにおいて屋内及び屋外とのデータのやり取りを可能にする。Wi−Fiネットワークは、安全性、信頼性、高速無線接続性を確保するために、IEEE802.11(a、b、g、n、ac、他)と称する無線技術を使用する。Wi−Fiネットワークは、コンピュータを他のコンピュータと接続したり、インターネットに接続したり、(IEEE802.3又はEthernetを使用する)有線ネットワークに接続するために使用可能である。Wi−Fiネットワークは、例えばライセンスされていない2.4及び5 GHz無線帯域、又はそれらを組み合わせて両方の帯域(デュアル・バンド)で動作する。それによって、ネットワークは、多くのオフィスで使用されるベーシック10BaseTの有線イーサーネットネットワークと同様の真世界性能を提供する。
【0093】
モバイル・ネットワーク・プラットフォーム1210の例示的実施例1200を示す。モバイル・ネットワーク・プラットフォーム1210は、本発明の1つ又は複数の実施及び利用の視点を示す。1つ又は複数の実施例では、モバイル・ネットワーク・プラットフォーム1210は、本発明に関する基地局(例えば、基地局デバイス104及び508)及び中継器デバイス(例えば、中継器デバイス710、806及び900)によって送信されかつ受信された信号を発生しかつ受信することが出来る。一般的に、無線ネットワーク・プラットフォーム1210は、例えば、ノード、ゲートウエイ、インターフェース、サーバー又は異種プラットフォーム等の構成要素を含む。これらの構成要素は、ネットワーク無線電気通信のための発電制御と共に、パケット・スイッチ(PS)(例えば、インターネット・プロトコル(IP)、フレーム・リレー、非同期転送モード(ATM))と回線切替(CS)トラヒック(例えば、音声及びデータ)の両方を促進する。非制限的実施例では、無線ネットワーク・プラットフォーム1210は、電気通信事業者ネットワークに含まれ、事業者側の構成要素として本願の別の部分に記載する。無線ネットワーク・プラットフォーム1210は、CSゲートウエイ・ノード1212を含む。CSゲートウエイ・ノード1212は、電話ネットワーク1240(例えば、公衆交換電話網(PSTN)、又は陸上移動携帯ネットワーク(PLMN))又は信号システム#7(SS7)ネットワーク1270と同様に、レガシーネットワークから受信したCSトラヒックに対してインターフェースとなることが出来る。回線切替ゲートウエイ・ノード1212は、そのようなネットワークから生じるトラヒック(例えば、音声)を認可し認証することが出来る。更に、CSゲートウエイ・ノード1212は、SS7ネットワーク1270を介して発生されたモビィティ又はローミングのデータにアクセスすることが出来る。データは、例えば、訪問先のレジスタ内に蓄積されたメモリ1230内のモビィティ・データ等である。更に、CSゲートウエイ・ノード1212は、CS−ベースのトラヒック及び信号、並びにPS ゲートウエイ・ノード 1218に対してインターフェースとなることが出来る。例えば、3GPP UMTS ネットワークでは、CSゲートウエイ・ノード1212はゲートウエイ GPRS サポート・ノード (GGSN)の少なくとも一部で実現可能である。CSゲートウエイ・ノード1212、PS ゲートウエイ・ノード 1218及びサービング・ノード1216の機能性及び特定の動作が、電気通信のモバイル・ネットワーク・プラットフォーム1210によって利用される無線技術によって提供され決定される。
【0094】
CS−切替トラヒック及び信号を受信して処理することに加えて、PSゲートウエイ・ノード1218は、モバイル・デバイスを用いたPS−ベースのデータ・セッションを認可しかつ認証することが出来る。データ・セッションは、広域ネットワーク(WANs)1250と同様に無線ネットワーク・プラットフォーム1210の外側のネットワークで交換されるトラヒック又はコンテンツ、エンタープライズ・ネットワーク1270、及びサービス・ネットワーク1280を含み、ローカルエリア・ネットワーク(LANs)に埋め込むことが出来、またPS ゲートウエイ・ノード 1218を介してモバイル・ネットワーク・プラットフォーム1210に対してインターフェースとなることが出来る。WANs 1250及びエンタープライズ・ネットワーク1260は、IPマルチメディア・サブシステム(IMS)同様に、サービス・ネットワークの少なくとも一部で実施可能である。技術的資源1217において入手可能な無線技術レイヤーに基づいて、データ・セッションが確立されたときに、パケット切替ゲートウエイ・ノード1218はパケットデータ制御状況を発生することが出来る。パケット化されたデータのルーティングを支援するその他のデータ構造もまた発せされる。その目的で、一視点では、PSゲートウエイ・ノード1218はトンネル・インターフェース(例えば、3GPP UMTS ネットワーク (不図示)内のトンネル・ターミネーション・ゲートウエイ(TTG))を含むことが出来る。トンネル・インターフェースは、Wi−Fiネットワーク等の異種無線ネットワークとのパケット通信を支援することが出来る。
【0095】
実施例1200では、無線ネットワーク・プラットフォーム1210は、また、サービング・ノード1216を含むことが出来る。サービング・ノード1216は、技術的資源1217内の入手可能な無線技術レイヤーに基づいて、PSゲートウエイ・ノード1218を介して受信したデータ・ストリームの種々のパケットフローを伝達することが出来る。CS通信に主に基づく技術的資源1217のために、サーバー・ノードは、PSゲートウエイ・ノード1218に依存することなく、トラヒックを配信することが出来る。例えば、サーバー・ノードは、モバイル交換局の少なくとも一部を実現する。例として、3GPP UMTS ネットワーク・サービング・ノード1216は、サービングGPRSサポート・ノード(SGSN)で実施可能である。
【0096】
パケット化通信を利用する無線技術のために、無線ネットワーク・プラットフォーム1210内のサーバー1214は多くのアプリケーションを処理可能であり、多数の異種のパケット化データ・ストリーム又はフローを発生することができ、そのようなフローを管理(例えば、スケジュール、待ち行列、フォーマット)することが出来る。その様なアプリケーションは、無線ネットワーク・プラットフォーム1210によって提供される標準サービス(例えば、プロビジョニング、課金、カスタマー・サポート等)に対する追加の特徴を含む。データ・ストリーム(例えば、音声呼び出し又はデータ・セッションの一部であるコンテンツ)は、PSゲートウエイ・ノード1218に配信することにより、データ・セッションの許可/認証及び開始をし、その後の通信のためにサービング・ノード1216にサービスされる。アプリケーション・サーバーに加えて、サーバー1214は、ユーティリティー・サーバーを含み、ユーティリティー・サーバーはプロビジョニング・サーバー、オペレーション及びメンテナンス・サーバー及びセキュリティー・サーバーを含み、他のセキュリティー機構等と共に証明帰還及びファイヤー・ウォールの少なくとも一部を実現することが出来る。一視点において、セキュリティー・サーバーは、無線ネットワーク・プラットフォーム1210を介してサービスされる通信を保護することにより、ネットワークの動作及びデータ完全性を保護するとともに、CSゲートウエイ・ノード1212及びPSゲートウエイ・ノード1218が行うことが出来る許認可処理をする。更に、プロビジョニング・サーバーは、異種サービス・プロバイダによって動作させられているネットワークと同様に、外部ネットワークからサービスを提供することが出来る。異種サービス・プロバイダは、例えば、WAN 1250又はGlobal Positioning System (GPS)ネットワーク (不図示)である。プロビジョニング・サーバーは、また、無線ネットワーク・プラットフォーム1210に関連するネットワークを介して、サービス提供範囲(例えば、同じサービス・プロバイダによって配備され動作させられている)を示す。配備され動作させられているのは、図1に示す分配アンテナネットワークであり、ネットワーク提供範囲を更に増やすことにより、無線サービス提供範囲を促進する。図7、8及び9に示す中継器デバイスは、ネットワークのサービス提供範囲を増やすことによって、US1275によって享受される加入者サービスを向上させる。
【0097】
サーバー1214は、マクロ・ネットワーク・プラットフォーム1210の機能を少なくとも一部を提供する1つ又は複数のプロセッサを含むことが出来る。その目的で、1つ又は複数のプロセッサは、例えばメモリ1230に蓄積されたコード化されたインストラクションを実行する。サーバー1214はコンテンツ・マネージャー1215を含むことが出来て、コンテンツ・マネージャー1215が上記と実質的に同様の手法で動作することが出来ることは理解されたい。
【0098】
例示的実施例1200では、メモリ1230は、無線ネットワーク・プラットフォーム1210の動作に関連する情報を蓄積することが出来る。その他の動作情報は、無線ネットワーク・プラットフォーム1210を介してサービスされたモバイル・デバイスの加入者データベース等のプロビジョニング情報、アプリケーション情報、課金スケジュール、例えば、販売促進価格、定額プログラム、割引キャンペーン等、異種無線技術レイヤーの動作の電気通信プロトコルに合致した技術仕様等を含む。メモリ1230は、電話ネットワーク1240、WAN 1250、 エンタープライズ・ネットワーク1260、又はSS7ネットワーク1270の少なくとも1つからの情報をもまた蓄積する。一視点によると、メモリ1230は、例えば、データ蓄積コンポーネント又はメモリ蓄積に接続されたメモリの一つとしてアクセス可能である。
【0099】
開示された発明の種々の視点にかなう状況を提供するために、図12及び下記の記載では、適正な環境について簡単に全体的な説明をする。斯かる環境では、本発明を種々の視点で実施可能となる。上記では、本発明が、単数又は複数のコンピュータで実行されるコンピュータ・プログラムのコンピュータで実行可能なインストラクションとしての一般的な状況で説明したが、当業者には本発明はまた他のプログラム・モジュールとの組み合わせによっても実施可能であることを理解されたい。一般的に、プログラム・モジュールは、ルーティーン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含み、特定のタスクをこなし及び/又は特定の抽象的データ・タイプで動作する。
【0100】
図13A、13B及び13Cを参照すると、図示されているのは、ここで開示された種々の視点によるスロットが形成された導波結合システム1300の例示的で非制限的な実施例ブロック線図である。図13Aでは、導波結合システムは導線1306を含み、導線1306は導波路1302との関係で位置決めされることによって、導線1306は導波路1302に形成されたスロット内又はその近傍に嵌合し、導波路1302は導線1304の長手方向に移動する。導波路1302の対向する端部1304a及び1304b及び導波路1302自体は、導線1306の表面を180度以下の角度まで包囲する。
【0101】
図13Bでは、導波結合システムは導線1314を含み、導線1314は導波路1308との関係で位置決めされることによって、導線1314は導波路1308に形成されたスロット内又はその近傍に嵌合し、導波路1308は導線1314の長手方向に移動する。導波路1308のスロット表面は、非平行であり、2つの異なる実施例が図13Bに示されている。第1の実施例では、スロット表面1310a及び1310bは非平行であり、導線1314の幅よりもわずかに拡がって外側に向けられている。第2の実施例では、スロット表面1312a及び1312bは非平行であるが、狭まって、導線1314の幅よりもわずかに小さいスロット開口を形成する。非平行スロット表面の角度は何れの範囲とすることも可能であり、上記はその中の2つの例に過ぎない。
【0102】
図13Cでは、導波結合器システムは、導波路1316内に形成されたスロット内に嵌合する導線1320を示す。スロット表面1318a及び1318bは、本実施例では、平行でもよく、しかしながら、導線1320の軸1326は導波路1316の軸1324に整合していない。導波路1316及び導線1320は、同軸的に整合していない。他の実施例では、1322における導線の見込み位置または軸1328の見込み位置が示される。軸1328は導波路1316の軸1324に整合していない。
【0103】
a)導線を180度以下の角度で包囲する導波路表面、b)非平行スロット表面、及びc)同軸的には整合していない導線及び導波路を図13A図13B及び図13Cに示したが、種々の実施例では、上記特徴の種々の組み合わせが可能だ得ることは理解されたい。
【0104】
図14を参照すると、そこに示されているのは、本発明の種々の視点による導波結合システム1400の非制限的例示的実施例である。図14は、図2、3、4等に示す導波路及び導線の実施例の断面を示す。1400で示されている様に、導線1404が導波路1402に直接隣接して接触するように配置されている。他の実施例では、図15の導波結合システム1500で示されているように、導線1504は導波路片1502の近傍に配置されているが、導波路片1502には実際に接触していない。両方のケースでは、導波路を伝播する電磁波は導線に他の電磁波を誘導し、又はその逆に導線を伝播する電磁波が導波路に他の電磁波を発生する。また、両実施例では、導線1404及び1504は、導波路1402及び1502の外側表面によって規定される断面領域の外側に配置されている。
【0105】
180度以上の断面を参照して、導波路が導線の表面の軸領域を包囲していない場合、本願の開示の目的では、導波路は導線の表面の実質的部分を包囲していないとする。疑義を回避するため、180度以上の断面を参照して、導波路が導線の表面の軸領域を包囲している場合、導波路は導線の表面の実質的部分を包囲していない。
【0106】
図14及び図15には円形の導線1404及び1504及び矩形の導波路1402及び1502を示したが、斯かる形状に本発明は制限されないとのことを理解されたい。他の実施例では、導線及び導波路は種々の形状、寸法及び形態をとることが出来る。形状として、楕円、または他の形態の楕円、八角形、四角形、又は鋭い縁部、丸みを帯びた縁部、又はその他の形状であっても良い。更に、幾つかの実施例では、導線1404及び1504は、小ゲージの導線を撚った導線であってもよく、らせん状に撚った、編んだ或いはその他の結合をした複数の導線を撚って一本にしたものであっても良い。本願で開示され図示された導線及び導波路は1つ又は複数の実施例のものを含むことが出来る。
【0107】
図16は、上記のシステムに関連するプロセスを示す。図16のプロセスは、例えば、図1乃至9、13、14及び15にそれぞれ示されたシステム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1300、1400及び1500によって実施される。説明を簡単にするために、本方法は一連のブロックで図示され記載されているが、本願特許請求の範囲に記載の本発明は斯かるブロックの順序に限定されず、ブロックは本願で図示され記載されたものとは別の順序で又は同時に実施することも出来る。また、ここに説明する方法を実施するために図示されたブロックの全てが必要とされるわけではない。
【0108】
ここで開示の導波路を使用した電磁波を送信する方法1600の非制限的例示的実施例の流れ図を示す。方法1600は1602で開始される。ここでは、送信デバイスが第1の電磁波を放出し、第1の電磁波は導波路の表面の少なくとも一部を伝播する。この方法は1604で継続され、ここでは、第1の電磁波の少なくとも一部が非同軸的に整合した導波路を介して導線の表面に配信され、それによって、第2の電磁波が形成され、この第2の電磁波が導線に沿って、少なくとも導線表面の一部を伝播する。
【0109】
本願明細書では、「蓄積する」、「蓄積」、「データ蓄積」「データベース」及び実質的にコンポーネントの動作及び機能に関するその他の情報蓄積コンポーネント等の用語は、「メモリ・コンポーネント」、「メモリ」に具現された実態、又はメモリを含むコンポーネントと称する。本願で開示のメモリ・コンポーネントは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリの何れかであっても良く、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含んでいても良く、実施例では、それに限定されないが、揮発性メモリと不揮発性メモリとディスク蓄積及びメモリ蓄積を含んでも良い。更に、不揮発性メモリは読出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的削除可能ROM(EPROM)、又はフラッシュメモリに含まれていても良い。揮発性メモリは、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)を含む。RAMは、外部キャッシュメモリとして動作する。実施例では、これには限定されないが、RAMは、同期型RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型DRAM(SDRAM)、ダブル・データー・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、同期型リンクDRAM(SLDRAM)、及びダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM)等の多くの形態として入手可能である。更に、本願で開示のシステム又は方法の多数のコンポーネントは、その他の適正なタイプのメモリを含むことも意図しうるが、それらを含むことには限定されない。
【0110】
更に、開示された本発明は、他のコンピュータ・システム構成によっても実施可能であり、そのコンピュータ・システムは、単一のプロセッサであってもマルチプロセッサであっても良く、ミニ・コンピューター・デバイスであってもメインフレーム・コンピュータであっても良く、更に、パーソナル・コンピュータ、ハンド・ヘルド・コンピュータ・デバイス(例えば、PDA、電話、時計、タブレットコンピュータ、ノート型コンピュータ等)マイクロプロセッサ・ベース又はプログラム可能な工業用電子機器等であっても良い。図示された視点は、分散コンピュータ環境においても実施可能である。ここでは、タスクは複数の遠隔処理デバイスによって実行され、複数の遠隔処理デバイスは相互に通信ネットワークを介してリンクされる。しかしながら、複数の視点のうちの全てではないが、そのうちのいくつかは、単独で独立動作するコンピュータによっても実施可能となる。分散コンピュータ環境では、プログラム・モジュールローカル・メモリー蓄積デバイス及び遠隔メモリ蓄積デバイスの両方に配置することが出来る。
【0111】
本願で開示の幾つかの実施例では、人口知能(AI)を用いて、本願で開示の1つ又は複数の特徴の自動化を促進することが出来る。例えば、人口知能は、転送効率を最大にするために誘電体導波路604及び606を配置すべき導線の周囲の位置を決定するために使用することが出来る。実施例(例えば、既存の通信ネットワークに付加された後の最大値/利益を提供する取得されたセル・サイトの自動的特定に関する)は、種々の実施例を実行する種々のAIベースの計画を採用することが出来る。更に、取得されたネットワークの各セル・サイトのランキング及び優先度を決定するために分類器(classifier)を使用することが出来る。分類器は、入力属性ベクトルx=(x1,x2,x3,x4,…,xn)を、入力がある分類(class)に属するとの確実性(confidence)、すなわち、f(x)=confidence(class)にマッピングする機能を有する。斯かる分類は、確率的及び/又は統計ベースの分析(例えば、用途及びコストの分析へのファクタリング)を採用して、ユーザーが自動的に実施されることを望む作用を予測又は推測することが出来る。サポート・ベクトル・マシーン(SVM)は、採用出来る分類器の一例である。SVMは、見込まれる入力の空間内で超局面を発見するように動作する。超局面は、トリガー基準を非トリガーイヴェントから分離しようと試みる。直感的に、このことにより、分類を正しくして、トレーニングのためのデータではない、近傍のデータを分析することとなる。その他の指向性及び非指向性モデル分類手法は、例えば、単純確率的分類器(naive Bayes)、ベイズ・ネットワーク(Bayesian networks)、決定の樹状図、ニューラル・ネットワーク、ファジー・論理モデル、及び異なる独立的パターンを提供する確率的分類モデルが採用可能となる。ここで用いられた分類はまた、優先的モデルを開発するために用いられた統計的回帰を含める。
【0112】
上述のように、1つ又は複数の実施例は分類器を採用することが出来て、分類器は公開的トレーニングされ(例えば、一般的データ・トレーニングを介して)により、同様に非公開的トレーニングされる(例えば、UEの動作、オペレータ性能、履歴情報、受信した外来性情報を介して)。例えば、SVMsは、分類器構成及び特徴選択モジュール内で、ラーニング又はトレーニング・フェーズを介して構成することが出来る。このように、分類器を使用して、多数の機能を自動的に学びかつ実施することが出来る。多数の機能には所定の基準に従って決定をすることを含むが、本発明はそれに限定されない。その取得されたセル・サイトは、最大数の加入者に利益を与え及び/又はその取得されたセル・サイトは、既存の通信ネットワークの範囲に最低限の付加価値を与える。
【0113】
本願の記載において、幾つかの実施例では、用語「コンポーネント」、「システム」等は、コンピュータ関連の存在、あるいは1つ又は複数の特定の機能を有する操作装置に関する存在を示すことを意図する。その存在は、ハードウエア、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ、ソフトウエア、実行中のソフトウエアでも良い。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、処理スレッド、コンピュータ処理可能なインストラクション、プログラム及び/又はコンピュータであっても良いが、それには限定されない。説明のために、それには限定されないが、サーバー上で実行されるアプリケーション及びサーバーの両方がコンポーネントでありうる。1つ又は複数のコンポーネントは、プロセス及び/又は処理スレッド内にあっても良く、コンポーネントは単一のコンピュータに局在しても良く、及び/又は2又はそれ以上のコンピュータに分散していても良い。更に、それらのコンピュータ種々のデータ構造を有するコンピュータ読出し可能な種々の媒体から読み出して実行しても良い。コンポーネントは、1つ又は複数のデータ・パケット(例えば、ローカル・システム、分散システム内で及び/又は信号を介して他のシステムとインターネット等のネットワークの向こう側で、他のコンポーネントと相互作用する一つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に従ってローカルな及び/又は遠隔のプロセスを介して通信しても良い。その他の例として、コンポーネントは、電気又はプロセッサによって実行されるソフトウエア又はファームウエア・アプリケーションによって動作する電子的回路によって動作する機械的部品によって提供される特定の機能を有する装置であっても良い。ここで、プロセッサは、装置の内部にあっても外部にあっても良く、ソフトウエア又はファームウエア・アプリケーションの少なくとも一部を実行する。更に、他の実施例では、コンポーネントは、機械的部品を有しない電子的コンポーネントを介して特定の機能を提供する装置とすることも出来る。電子的コンポーネントは、内部にプロセッサを含み、ソフトウエア又はファームウエアを実行して、少なくとも部分的に電子部品の機能を提供する。種々のコンポーネントを別個のコンポーネントとして説明してきたが、複数のコンポーネントを単一のコンポーネントとして実現することも出来るし、又は単一のコンポーネントを複数のコンポーネントとして実現することも出来る。これは、実施例から逸脱することではない。
【0114】
更に、種々の実施例が、標準的プログラムを用いて、及び/又はソフトウエア、ファームウエア、ハードウエア又はそれらを組み合わせた技術を用いて設計する方法、装置又は製品として、実施可能であり、それによってコンピュータを制御して本発明を実施する。ここで用語「製品」は、コンピュータ読出可能デバイス、又はコンピュータ読出可能蓄積/通信媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含することを意図する。例えば、コンピュータ読出可能蓄積媒体は、磁気蓄積デバイス(例えば、ハード・ディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光学ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、ディジタル多用途ディスク(DVD)、スマート・カード及びフラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)等を含むが、これに限定されない。当然、当業者は、その構成ついての多くの変更を、種々の実施例から逸脱することなくすることが出来る。
【0115】
更に、用語「実施例」「例示的」は、一例としての実施例又は例示という意味で使用されている。本願で開示の多くの実施例又は設計例は、「実施例」「例示的」として説明されており、他の実施例又は設計例よりも好ましい又は利点があるという意味では必ずしもない。むしろ、実施例又は例示は、概念を具体化することを意図する。本願で、用語「又は」は、非排他的「又は」であって排他的「又は」の意味ではない。即ち、他に限定がない限り又は文脈から明らかでない限り、「XがA又はBを採用する」とは自然な全ての置換を含むことを意図する。XがAを使用する場合、XがBを使用する場合、またはXがAとBの両方を使用する場合、前述のいずれの場合でも「XはAまたはBを使用する」という条件が満たされます。さらに、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、他に明記されない限り、または単数形に向けられることが文脈から明らかでない限り、「1つ又は複数」を意味すると一般に解釈されるべきである。
【0116】
更に、用語「ユーザー機器」、「移動局」、「モバイル」、「加入者局」、「アクセス端末」、「端末」、「携帯電話機」、「携帯機器」(及び/又は同様の用語を表す用語)は、データ、制御、音声、ビデオ、音響、ゲーム又は実質的な全てのデータ・ストリーム又は信号ストリームを受信又は変換する無線通信サービスを受ける加入者又はユーザーによって使用される無線デバイスを指すものである。上記の用語は、殆ど同じ意味で用いられ、図面を参照して説明される。
【0117】
更に、用語「ユーザー」、「加入者」、「カスタマー」、「消費者」等は、特に説明が無く交互に用いられている。斯かる用語は、人工知能(例えば、複雑系数学的な形式に少なくとも基づく干渉を生じる能力)を介して支援される人間的存在又は自動化されたコンポーネントを指すものと理解されたい。人工知能は、ミューレーションされたバージョン、音声認識及びその他のバージョンであっても良い。
【0118】
本願で用いられている用語「プロセッサ」は、実質的に何れかのコンピュータ処理ユニット又はデバイスを指すものであって、単一コア・プロセッサ、ソフトウエアがマルチ・スレッド処理能力を有する単一プロセッサ、マルチ・コア・プロセッサ、ソフトウエアがマルチ・スレッド処理能力を有するマルチ・コア・プロセッサ、ハードウエア・マルチ・スレッド技術を有するマルチ・コア・プロセッサ、並列プラットフォーム、分散共有メモリを有する並列プラットフォームを指す。更に、プロセッサは、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウエア・コンポーネント又は記載された機能を達成するように設計されたそれらの組み合わせを指す。プロセッサは、ナノ・スケール・アーキテクチャーを利用できるが、それに限定されない。ナノ・スケール・アーキテクチャーは、分子及び量子ドッド・ベースのトランジスタ、スイッチ及びゲートであり、空間利用を最適化し、又はユーザー機器の性能を改善するために利用される。プロセッサは、コンピュータ処理ユニットを組み合わせて実現される。
【0119】
本願では、用語「データ蓄積」、「データ蓄積する」、「データベース」、及び実質的にコンポーネントの動作及び機能に関するその他の情報蓄積コンポーネントは、「メモリ・コンポーネント」又はメモリ又はメモリを含むコンポーネントに埋め込まれた存在を指す。本願に記載のメモリ・コンポーネント又はコンピュータ読出可能な蓄積媒体は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ又はその両方を含むことが出来る。
【0120】
上記に記載されているのは、本発明の単なる実施例に過ぎない。勿論、それらの実施例を説明する目的のために、コンポーネント又は方法論の全ての考えうる組み合わせを開示することは不可能であることに理解されたい。しかしながら、当業者は本実施例の組み合わせや置換が可能であることを理解するであろう。従って、開示された実施例及び/又は請求項に記載の本発明は、特許請求運範囲に記載の本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、全てのその様な変更例を包含することを意図する。更に、明細書及び請求の範囲中の用語「含む」とは、請求項中の包含的意味を有する用語と対応することを意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16