【文献】
栗原伸浩,第12節 フラットパネルディスプレイ,タッチパネル製造工程における紫外線硬化型樹脂の高速非接触式塗布の可能性について,スマートフォン・タッチパネル部材の最新技術便覧,株式会社技術情報協会,2013年 6月28日,第1版,p.86-95
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスマートフォンなどの多機能携帯端末に使用されるタッチパネル付きの液晶表示装置(LCD)は、この液晶表示装置の表示装置本体である液晶パネルに対して、タッチパネルを貼り合わせ部によって貼り合わせることで構成されている。
【0003】
このような貼り合わせ部として、例えば透光性の紫外線(UV)硬化型樹脂を用いて液晶パネルとタッチパネルとの全面を貼り合わせる、いわゆるラミネーション方式が知られている。このラミネーション方式の場合には、液晶パネルとタッチパネルとの間に空気層が存在せず、空気層の界面で生じる反射により視認性が低下することがないため、特に高性能のデバイスに採用されることが多い。
【0004】
ところで、液晶パネルにおいては、薄膜トランジスタ(TFT)アレイを形成したアレイ基板と対向基板とが互いに対向配置され、通常、対向基板の端部から外方に延出するアレイ基板の端部近傍にドライバICが実装される。そのため、液晶パネルの表示側に位置する対向基板側にタッチパネルを貼り合わせると、タッチパネルと、対向基板の端部から延出するアレイ基板の端部のドライバICの箇所との間に隙間が生じる。この隙間に対して背面側から力が加わると、対向基板の端部から突出するアレイ基板の端部が撓み、アレイ基板と対向基板とのギャップが変化して表示領域内に黄色のむら(黄変むら)が生じる。
【0005】
そこで、上記のような隙間を埋めるために、アレイ基板のドライバIC周辺及びタッチパネルにそれぞれスペーサテープを貼り付けてアレイ基板とタッチパネルとの間隙差を抑制するとともに、これらスペーサテープによって埋めきれない残りの隙間に対して粘度が小さいUV硬化型樹脂やシリコーンなどを流し込み、隙間を完全に埋めるようにしている。
【0006】
しかしながら、粘度が小さいUV硬化型樹脂によって残りの隙間を埋める場合、その厚みが厚いと熱に対しては安定するものの剛性が不足し黄変むらが改善されにくい。また、表示領域内の隙間を埋めるUV硬化型樹脂をドライバICの周辺に延ばす場合、その塗布量や位置の調整が容易でない。さらに、スペーサテープによって埋めきれない隙間は三次元的に広がっており、その広がりに対するUV硬化型樹脂の流れ込みを予測しながら隙間を埋めるようにUV硬化型樹脂の量を調整する必要があり、樹脂量の管理が容易でない。
【0007】
一方、シリコーンによって残りの隙間を埋める場合、剛性は確保でき常温での黄変むらは抑制できるものの、高温になると熱膨張により黄変むらが生じることとなる。また、UV硬化型樹脂以上に塗布及び乾燥に工数が掛かり、製造性が良好でない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態の表示装置の一部を示す断面図である。
【
図2】同上表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図3】同上表示装置の表示装置本体を模式的に示す平面図である。
【
図4】第2の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図5】第3の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図6】第4の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図7】第5の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図8】第6の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図9】第7の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【
図10】第8の実施形態の表示装置の副貼り合わせ部を構成する接着剤の塗布パターンを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、第1の実施形態の構成を
図1ないし
図3を参照して説明する。
【0013】
図1ないし
図3において、11は表示装置(平面表示装置(FPD))であり、この表示装置11は、例えばスマートフォンやモバイルPCなどの各種多機能携帯端末に搭載される液晶表示装置である。
【0014】
そして、この表示装置11は、表示装置本体としての液晶パネル12と、この液晶パネル12を覆うタッチパネル13と、バックライト14と、液晶パネル12とタッチパネル13とを貼り合わせる貼り合わせ部15とを備えている。
【0015】
液晶パネル12は、例えばアクティブマトリクス方式の液晶パネルモジュールであり、一方の基板としての四角形状のアレイ基板21と、このアレイ基板21に所定の間隙を介して対向配置された他方の基板としての四角形状の対向基板22と、これら基板21,22間に介在された光変調層である液晶層23と、これら基板21,22にそれぞれ貼り付けられた偏光板24,25とを備えている。本実施形態では、液晶パネル12としては例えば透過型のものを例に挙げて説明するが、反射型や半透過型のものでもよい。
【0016】
アレイ基板21と対向基板22とは、例えばガラス基板などの透光性を有する絶縁性基板上にそれぞれ所定の機能層を形成することで薄い平板状(平坦状)に構成されている。また、対向基板22は、アレイ基板21と略等しい幅寸法を有し、かつ、アレイ基板21よりも小さい長手寸法を有している。すなわち、対向基板22は、アレイ基板21よりも面積が小さくなっている。
【0017】
また、液晶パネル12は、アレイ基板21の長手方向の一端側に対向基板22の長手方向の一端側を揃えた状態で、これらアレイ基板21と対向基板22とを周縁部において図示しないシール部材により貼り合わせて構成されている。したがって、アレイ基板21は、対向基板22の長手方向の他端部の外方の位置に、この対向基板22と対向しない周辺部としての非対向部27が延出している。すなわち、この液晶パネル12は、非対向部27の位置が対向基板22(及び偏光板25)の表面位置よりも窪んでおり、この非対向部27によって平坦性が失われている。換言すれば、この液晶パネル12は、非対向部27の位置で厚みが段差状に変化し、不連続となっている。そして、この液晶パネル12には、アレイ基板21と対向基板22とを貼り合わせたシール部材により囲まれた四角形状の領域に、液晶層23が封入されているとともに図示しない複数の画素がマトリクス状に形成されることで、表示領域29が構成されている。
【0018】
表示領域29は、例えば対向基板22に取り付けられた偏光板25により全体が覆われている。また、表示領域29に位置する各画素は、非対向部27に設けられた端子パッドに対してアレイ基板21に対し異方性導電膜(ACF)などを用いて実装された機能部材としてのICであるドライバ31と電気的に接続され、このドライバ31を介して駆動されるように構成されている。このドライバ31は、例えば200μm〜300μm程度の厚みを有しており、非対向部27(アレイ基板21)の幅方向(両側方向)に沿って長手状となっており、偏光板25を含めた対向基板22の表面(表示側面)側と略面一となっている。また、このドライバ31は、非対向部27に設けられた端子パッドにてアレイ基板21に対し図示しない異方性導電膜などを用いて電気的に接続された機能部材としての接続部材であるフレキシブルプリント基板(FPC)33を介して外部回路と電気的に接続されて、この外部回路により制御されている。このフレキシブルプリント基板33は、可撓性を有しアレイ基板21、対向基板22及びドライバ31よりも薄い、フィルム状の絶縁性基板上に図示しない素子を実装して構成されている。
【0019】
そして、この液晶パネル12は、外部回路により制御されたドライバ31によって画素を駆動することにより、入射光の透過率を画素毎に変化させることで、表示領域29に画像などを表示可能となっている。さらに、液晶パネル12は、アレイ基板21の非対向部27において、ドライバ31及びフレキシブルプリント基板33を除く位置に、厚み差調整部材としてのスペーサ35が配置されている。このスペーサ35は、例えばPETなどの樹脂によりドライバ31と略等しい厚みを有する細長いフィルム状に形成されており、非対向部27において、ドライバ31及びフレキシブルプリント基板33を除く位置、例えばドライバ31の長手方向の両端に、このドライバ31と離間されてそれぞれ貼り付けられている。このため、各スペーサ35は、非対向部27(アレイ基板21)の幅方向(両側方向)に沿って長手状となっており、これらスペーサ35の表面は、偏光板25を含めた対向基板22の表面(表示側面)側と略面一となっている。
【0020】
タッチパネル13は、例えば指先などの接近あるいは接触により変化する静電容量を検知することで使用者の指や入力ペンなどのポインタのタッチ及びそのタッチ位置を検出する静電容量型のセンサであり、タッチパネル本体であるセンサ部38と、このセンサ部38を覆う保護部材としての保護カバー39とを備えている。そして、このタッチパネル13は、液晶パネル12の表示領域29に表示された画像を透過できるように、透光性を有して形成されている。
【0021】
センサ部38は、例えばガラス基板などの透光性を有する絶縁性基板上に、下層透明導電膜、酸化膜、上層透明導電膜及び保護膜などを成膜して構成されている。さらに、このセンサ部38は、液晶パネル12(液晶パネル12のアレイ基板21)と平面視で等しい大きさ及び形状(四角形状)に形成されており、例えば液晶パネル12と一端側を揃えた状態でこの液晶パネル12に対して貼り合わせ部15により貼り合わせられている。また、このセンサ部38には、絶縁性基板にフレキシブルプリント基板(FPC)40が電気的に接続されており、このフレキシブルプリント基板40により外部回路と電気的に接続されて、この外部回路により動作が制御されている。
【0022】
保護カバー39は、センサ部38及び液晶パネル12を傷などから保護するためのものであり、透光性を有するガラスあるいは合成樹脂などにより四角形平板状に形成されている。さらに、この保護カバー39は、例えばセンサ部38及び液晶パネル12よりも長手寸法が大きい四角形状となっており、一端側をセンサ部38及び液晶パネル12と揃えた状態でセンサ部38の表面側に貼り付けられ、他端側がアレイ基板21の他端側を覆うように庇状に延びている。なお、この保護カバー39には、適宜の印刷などを施して意匠性を向上してもよい。
【0023】
バックライト14は、アレイ基板21の偏光板24側に対向して位置しており、四角形平板状に形成され、液晶パネル12の表示領域29に対して面状光を供給するようになっている。このバックライト14には、フレキシブルプリント基板(FPC)41が電気的に接続されており、このフレキシブルプリント基板41により外部回路と電気的に接続されて、この外部回路により動作が制御されている。
【0024】
貼り合わせ部15は、対向基板22上に位置する主貼り合わせ部43と、非対向部27に位置する副貼り合わせ部44とを備えている。
【0025】
主貼り合わせ部43は、表示領域29、本実施形態では対向基板22の偏光板25全体を覆う平面視四角形状に形成された面状の部分であり、偏光板25の位置で液晶パネル12とタッチパネル13側(センサ部38)とを貼り合わせるものである。すなわち、この主貼り合わせ部43は、面状に広がって形成されている。この主貼り合わせ部43を構成する透光性の合成樹脂45は、対向基板22側(偏光板25)とタッチパネル13側のセンサ部38との光学的なマッチングを取って界面反射を低減する、例えば透光性を有するアクリル系の紫外線(UV)硬化型樹脂などの材質からなり、副貼り合わせ部44を構成する接着剤46よりも粘度が低く、塗布した状態で流れて広がるようになっている。
【0026】
副貼り合わせ部44は、液晶パネル12の非対向部27側とタッチパネル13側(センサ部38及び保護カバー39)とを貼り合わせる柱状の部分である。この副貼り合わせ部44は、主貼り合わせ部43に対して離間されており、非対向部27の一部のみに位置している。本実施形態では、副貼り合わせ部44は、点状(平面視で例えば円形状)に形成され、非対向部27の両側方向の複数箇所に互いに略等間隔に離間されて配置されている。具体的に、本実施形態の副貼り合わせ部44は、非対向部27にてスペーサ35上に位置する複数の第1副貼り合わせ部44aと、非対向部27にてドライバ31上に位置する複数の第2副貼り合わせ部44bとが設定されている。そして、副貼り合わせ部44は、本実施形態では、非対向部27側(スペーサ35部分及びドライバ31部分)とセンサ部38の他端部及び他端面38aから保護カバー39に亘る部分を段差状に貼り合わせている。すなわち、副貼り合わせ部44は、断面視でL字状となっている。なお、各副貼り合わせ部44は、平面視での直径と、それら副貼り合わせ部44の位置での非対向部27側(スペーサ35部分及びドライバ31部分)とタッチパネル13側(センサ部38及び保護カバー39)との間の隙間との比((直径)/(隙間))が、所定値以下、例えば15以下となるようにすることが望ましい。本実施形態では、副貼り合わせ部44が設けられる非対向部27側(スペーサ35部分及びドライバ31部分)とタッチパネル13側(センサ部38)との隙間が例えば100μm(0.1mm)程度に設定されているため、副貼り合わせ部44の直径はそれぞれ1.5mm以下とすることが望ましい。
【0027】
副貼り合わせ部44を構成する接着剤46は、透光性を有するアクリル系のUV硬化型樹脂などの材質からなり、高粘度に形成され、塗布した状態で流れることなく略そのままの形状を保持し、所定以上の外力の付加によって流動する、いわゆる塑性流体である。
【0028】
次に、上記第1の実施形態の組立手順を説明する。
【0029】
まず、絶縁性基板上に適宜の成膜及びエッチングなどを施してアレイ基板21及び対向基板22を形成する。次いで、液晶層23を構成する液晶材料を介在してこれら基板21,22を所定の間隙を介して互いに貼り合わせる、または互いに所定の間隙を介して貼り合わせた後、液晶層23を構成する液晶材料を間隙に注入(滴下)する。さらに、アレイ基板21の非対向部27にて、異方性導電膜を用い、ドライバ31及びフレキシブルプリント基板33を端子パッドに対して熱圧着して実装する。この結果、ドライバ31及びフレキシブルプリント基板33が表示領域29内の画素に対して電気的に接続される。次いで、非対向部27にスペーサ35をそれぞれ貼り付ける。そして、偏光板24,25を基板21,22に貼り付けることで、液晶パネル12が完成する。
【0030】
一方、絶縁性基板上に下層透明導電膜、酸化膜、上層透明導電膜及び保護膜などを適宜成膜するとともに、異方性導電膜を用い、フレキシブルプリント基板40を熱圧着して実装することで、センサ部38を形成し、このセンサ部38を覆って保護カバー39を貼り付けることで、タッチパネル13が完成する。
【0031】
そして、上記完成した液晶パネル12の対向基板22(偏光板25)上に液状の合成樹脂45を塗布するとともに、非対向部27の複数箇所に、合成樹脂45よりも粘度が大きいUV硬化型樹脂である接着剤46を、スペーサ35上及びドライバ31上の複数箇所にそれぞれ点状に塗布し、上記完成したタッチパネル13を位置合わせして重ねて密着させる。このとき、粘度が小さい合成樹脂45は、対向基板22(偏光板25)上に沿って面状に広がる一方で、粘度が大きい接着剤46は、点形状をほぼ保ったまま、液晶パネル12とタッチパネル13との押し当てによって僅かに広がって、非対向部27側とタッチパネル13側との間の段差などに追従して変形しつつタッチパネル13と密着する。そして、これら合成樹脂45及び接着剤46に対して紫外線を照射することで合成樹脂45及び接着剤46をそれぞれ硬化させて主貼り合わせ部43と副貼り合わせ部44とを形成する。すなわち、液晶パネル12の対向基板22側の位置を面状の主貼り合わせ部43によって、液晶パネル12の非対向部27の位置を柱状の複数の副貼り合わせ部44によって、それぞれタッチパネル13側と貼り合わせる。この後、バックライト14を配置し、図示しないケース体に収納して表示装置11が完成する。
【0032】
このように、点状に塗布した接着剤46を硬化させて副貼り合わせ部44を形成することで、より少ない接着剤46の使用量で、非対向部27側とタッチパネル13側とを効果的に貼り合わせることができる。
【0033】
また、副貼り合わせ部44が点状で互いに離間されているので、高温下などで副貼り合わせ部44が仮に熱膨張した場合でも、それらが膨張できるスペースが水平方向に充分に確保されているため、基板21,22間のギャップを変化させにくく、この変化に起因する表示領域29内に黄色のむら(黄変むら)を抑制して表示品位の低下を抑制できる。
【0034】
さらに、ドライバ31と、このドライバ31と厚みが略等しいスペーサ35とのそれぞれに点状の副貼り合わせ部44を配置するので、全ての副貼り合わせ部44を略等しい大きさとすることができ、接着剤46の塗布量の管理がより容易になって製造性を向上できる。
【0035】
なお、上記第1の実施形態において、
図4に示す第2の実施形態のように、各副貼り合わせ部44は、例えば線状(直線状)に塗布した接着剤46を硬化させて構成してもよい。すなわち、副貼り合わせ部44は、各スペーサ35及びドライバ31上に、液晶パネル12の両側方向に沿って連続する直線状に形成され、各スペーサ35上に位置する第1副貼り合わせ部44aとドライバ31上に位置する第2副貼り合わせ部44bとが互いに離間されている。この場合には、各副貼り合わせ部44は、平面視での線幅と、それら副貼り合わせ部44の位置での非対向部27側(スペーサ35部分及びドライバ31部分)とタッチパネル13側(センサ部38及び保護カバー39)との間の隙間との比((線幅)/(隙間))が、所定値以下、例えば15以下となるようにすることが望ましい。本実施形態では、副貼り合わせ部44が設けられる非対向部27側(スペーサ35部分及びドライバ31部分)とタッチパネル13側(センサ部38)との隙間が例えば100μm(0.1mm)程度に設定されているため、副貼り合わせ部44の線幅はそれぞれ1.5mm以下とすることが望ましい。
【0036】
そして、このように線状に塗布した接着剤46を硬化させて副貼り合わせ部44を形成することで、非対向部27側とタッチパネル13側とをより強固に貼り合わせることができるとともに、接着剤46をより容易に塗布できる。
【0037】
また、各副貼り合わせ部44が互いに離間されているので、高温下などで副貼り合わせ部44が仮に熱膨張した場合でも、それらが膨張できるスペースが水平方向に確保されているため、基板21,22間のギャップを変化させにくく、この変化に起因する表示領域29内に黄色のむら(黄変むら)を抑制して表示品位の低下を抑制できる。
【0038】
さらに、
図5に示す第3の実施形態のように、上記第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて、副貼り合わせ部44を、点状及び線状に塗布した接着剤46を硬化させて構成してもよい。この場合には、例えば非対向部27にてアレイ基板21上に位置する第1副貼り合わせ部44aを線状とし、非対向部27にてドライバ31上に位置する第2副貼り合わせ部44bを点状とする。
【0039】
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、全ての副貼り合わせ部44をドライバ31及びこのドライバ31と略等しい厚みを有するスペーサ35との上に形成することで、全ての副貼り合わせ部44を略均一な厚みに形成でき、接着剤46を硬化させる時間などの管理がより容易になるとともに、副貼り合わせ部44の強度や基板21,22のギャップのむらが生じにくくなる。
【0040】
さらに、
図6に示す第4の実施形態のように、副貼り合わせ部44を、一直線状に塗布した接着剤46を硬化させて構成してもよい。すなわち、各スペーサ35と、ドライバ31と、これらスペーサ35とドライバ31との間のアレイ基板21とに亘って、スペーサ35上に位置する第1副貼り合わせ部44a、アレイ基板21上に位置する第3副貼り合わせ部44c及びドライバ31上に位置する第2副貼り合わせ部44bが一直線状に連続する副貼り合わせ部44を形成してもよい。このように非対向部27側の高さが段差状となっている場合でも、接着剤46はその段差に容易に追従して変形するので、非対向部27側とタッチパネル13側とを確実に貼り合わせることができる。
【0041】
また、上記第1ないし第4の実施形態において、
図7に示す第5の実施形態、
図8に示す第6の実施形態、
図9に示す第7の実施形態及び
図10に示す第8の実施形態のように、それぞれ非対向部27にスペーサを用いない構成とすることもできる。これらの場合には、スペーサを貼り付ける工程が不要であるため、製造性をより向上できるとともに、スペーサがなくても、接着剤46が段差などに容易に追従して変形するので、非対向部27側とタッチパネル13側とを確実に貼り合わせることができる。
【0042】
そして、以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、少なくとも表示領域29を覆い対向基板22側とタッチパネル13側とを貼り合わせる主貼り合わせ部43を、透光性を有する合成樹脂45により設けるとともに、液晶パネル12の非対向部27側とタッチパネル13側とを貼り合わせる副貼り合わせ部44を、主貼り合わせ部43をなす樹脂よりも粘度が大きい液状の紫外線硬化型樹脂である接着剤46を硬化させて柱状に形成する。そのため、粘性が小さい接着剤などを用いる場合と比較して、副貼り合わせ部44を形成する際の接着剤46の流れを考慮する必要がなく、自由にレイアウトできるだけでなく、複雑な段差などにも追従変形するので対応でき、接着剤46の使用量が少なくて済み、その使用量の管理も容易であるなど、製造性が良好であるとともに、対向基板22よりも延出するアレイ基板21にて非対向部27に背面側から力が加わったときのアレイ基板21の非対向部27の位置での撓みを副貼り合わせ部44によって抑制し、かつ、この副貼り合わせ部44がUV硬化型樹脂であることにより、温度特性が良好で、常温時及び高温時のそれぞれの状況下での熱膨張が少なく、外力や温度変化に起因するアレイ基板21と対向基板22とのギャップの変化を抑制でき、この変化に起因する表示領域29内に黄色のむら(黄変むら)を抑制でき、表示品位の低下を抑制できる。
【0043】
また、主貼り合わせ部43は、表示領域29(偏光板25)まで形成すればよいため、非対向部27まで延ばして隙間を充填する場合と比較して、合成樹脂45の塗布量や位置の微細な調整が不要であり、製造性がより良好になる。
【0044】
すなわち、非対向部27側とタッチパネル13側との隙間を充填するのではなく、副貼り合わせ部44を非対向部27に柱状に形成するだけであるから、製造性が良好でありながら表示品位の低下を抑制できる表示装置11を提供できる。
【0045】
さらに、副貼り合わせ部44は、タッチパネル13側のセンサ部38の他端面38aから保護カバー39に亘る部分までを貼り合わせるので、非対向部27側とタッチパネル13側とをより強固に貼り合わせることができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。