特許第6333640号(P6333640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333640
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/20 20170101AFI20180521BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20180521BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20180521BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180521BHJP
【FI】
   B60Q3/20
   F21V8/00 310
   F21V8/00 360
   B60N3/10 A
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-129548(P2014-129548)
(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公開番号】特開2016-9595(P2016-9595A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年7月12日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100199255
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 大幸
(72)【発明者】
【氏名】小 山 幸 子
(72)【発明者】
【氏名】上 野 妙 子
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−518770(JP,A)
【文献】 特開2007−203800(JP,A)
【文献】 特開2008−213612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/20
B60N 3/10
F21V 8/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収納物が挿入される開口と当該被収納物を支持可能な底面とを有する収納部と、
光源と、
発光面を有し前記光源の光を導いて当該発光面から発光させる導光板と、
を備え、
前記導光板は、前記収納部の前記開口と前記底面との間に配置され、
前記導光板の前記発光面の少なくとも一部は、前記底面に対して鋭角をなして、当該底面を直接に斜め方向から照射するようになっており、
前記収納部は、前記導光板に対する前記底面の側において、前記底面に向かって先細となる傾斜面を有しており、
前記発光面は、前記傾斜面と前記底面とを同時に照射するようになっており、
前記発光面は、前記傾斜面と前記底面の中心部とを同時に照射するようになっており、
前記収納部は、前記導光板に対する前記開口の側において、前記導光板を覆う壁部を有しており、
前記壁部の一部は、前記導光板の前記発光面を内側から覆っている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記発光面の少なくとも一部は、前記底面に対して、5〜85度をなしている
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記導光板は、前記発光面と平行に対向する背面を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被収納物が挿入される開口と当該被収納物を支持可能な底面とを有する収納部と、光源と、発光面を有し前記光源の光を導いて当該発光面から発光させる導光板と、を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された照明装置は、被収納物が挿入される開口と当該被収納物を支持可能な底面とを有するカップホルダーと、前記開口周りに沿って配置された短冊状のエレクトロ・ルミネッセンス材料からなる光源と、を備えている。エレクトロ・ルミネッセンス材料からなる光源は、一般の点光源と異なり、発光面全体が均一に発光するため、カップホルダーの開口領域の全体をムラなく照射することができる。
【0003】
特許文献2の図1乃至図5に記載された照明装置は、被収納物が挿入される開口と当該被収納物を支持可能な底面とを有するカップホルダーと、円環状またはドーナッツ状のELフィルムからなる発光面を有する光源と、を備えている。このような照明装置によっても、カップホルダーの開口領域の全体をムラなく照射することができる。
【0004】
これらの照明装置は、カップホルダーの開口領域において被収納物の側方から光を照射するタイプの装置である。これに対して、特許文献2の図6乃至図8に記載された照明装置は、円錐状傾斜面での反射を利用して、カップホルダーの開口領域を下方から照明するタイプの装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−329753号公報
【特許文献2】特許第4648913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本件発明者は、間接照明付きのカップホルダーの開発ないし設計を進める上で、照明の仕方について様々な検討を行った。その過程で、カップホルダーの開口領域を下方から照明するタイプにおいて、カップホルダーの底面からの反射光を利用する照明の仕方が、間接照明として独特の美観を醸し出すことを知見した。
【0007】
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、被収納物が挿入される開口と当該被収納物を支持可能な底面とを有する収納部と、光源と、発光面を有し前記光源の光を導いて当該発光面から発光させる導光板と、を備えた照明装置であって、収納部の底面からの反射光を利用することができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被収納物が挿入される開口と当該被収納物を支持可能な底面とを有する収納部と、光源と、発光面を有し前記光源の光を導いて当該発光面から発光させる導光板と、を備え、前記導光板は、前記収納部の前記開口と前記底面との間に配置され、前記導光板の前記発光面の少なくとも一部は、前記底面に対して鋭角をなして、当該底面を直接に斜め方向から照射するようになっていることを特徴とする照明装置である。
【0009】
本発明によれば、導光板の発光面の少なくとも一部が底面に対して鋭角をなして、当該底面を直接に斜め方向から照射するようになっていることにより、当該底面からの反射光を利用することができて、間接照明として独特の美観を醸し出すことができる。
【0010】
好ましくは、前記発光面の少なくとも一部は、前記底面に対して、5〜85度をなしている。更に好ましくは、前記発光面の少なくとも一部は、前記底面に対して、20〜40度をなしている。
【0011】
また、好ましくは、前記収納部は、前記導光板に対する前記底面の側において、前記底面に向かって先細となる傾斜面を有している。この場合、更に好ましくは、前記発光面は、前記傾斜面と前記底面とを同時に照射するようになっている。この場合、底面からの反射光に加えて、傾斜面からの反射光をも利用することができるため、間接照明として更に独特の美観を醸し出すことができる。
【0012】
この場合、前記発光面は、前記傾斜面と前記底面の中心部とを同時に照射するようになっていることが更に好ましい。底面の中心部とは、本明細書では、底面についての1/2以下の比率の相似形の領域を意味する。本件発明者によれば、このような照射条件の時に、間接照明として最も美しい美観を醸し出すことができることが確認された。
【0013】
また、前記収納部は、前記導光板に対する前記開口の側において、前記導光板を覆う壁部を有していることが好ましい。この場合、導光板が直接に視認されることを防止することができるため、間接照明としての美観を更に強調することができる。
【0014】
また、前記導光板は、前記発光面と平行に対向する背面を有していることが好ましい。この場合、発光面から照射される光の指向性を高めることができ、照明の強さ(量)を制御することが容易である。
【0015】
また、前記背面の表面状態を積極的に変化させて、照明の強さ(量)を制御してもよい。前記背面の表面状態を変化させれば、照射範囲を制御することもできる。前記背面の表面状態を変化させる具体的な態様としては、凸凹形状を設けることや、シボ加工を施すことなどが例として挙げられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、導光板の発光面の少なくとも一部が底面に対して鋭角をなして、当該底面を直接に斜め方向から照射するようになっていることにより、当該底面からの反射光を利用することができて、間接照明として独特の美観を醸し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態の照明装置の概略斜視図である。
図2図1の照明装置の開口側収納部を示す概略斜視図である。
図3図1の照明装置の底面側収納部を示す概略斜視図である。
図4図1の照明装置の導光板を示す概略斜視図である。
図5図1の照明装置の光源を示す概略斜視図である。
図6図1の照明装置の概略断面図である。
図7図6の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態の照明装置100の概略斜視図である。図1に示す照明装置100は、ペットボトル等の被収納物が挿入される開口11と当該被収納物を支持可能な底面12とを有するカップホルダである収納部10を備えている。図2及び図3に示すように、収納部10は、開口側(上側)収納部10Aと、底面側(下側)収納部10Bと、を有している。そして、開口側収納部10Aと底面側収納部10Bとに挟まれるように、図4に示す光透過性脂製の導光板30が配置されており、図5に示す光源の光を導いて環状の斜め下向きの発光面31から光を照射するようになっている。図5に示すように、本実施の形態の光源は、LEDユニット20である。
【0020】
図6は、図1の照明装置の概略断面図であり、図7は、図6の要部拡大図である。図6及び図7に示すように、導光板30は、開口側収納部10Aの開口11と、底面側収納部10Bの底面12との間に配置されており、導光板30の環状の発光面31は、底面12に対して5〜85度、好ましくは20〜40度の角度をなして、底面12を直接に斜め方向から照射するようになっている。
【0021】
また、図6及び図7に示すように、底面側収納部10Bは、導光板30に対する底面12の側において、底面12に向かって先細となる傾斜面13を有している。そして、本実施の形態においては、導光板30の発光面31は、傾斜面13と底面12の中心部とを同時に照射するようになっている。底面12の中心部とは、底面12についての1/2以下の比率の相似形の領域である。
【0022】
また、図6及び図7に示すように、開口側収納部10Aは、導光板30に対する開口11の側において、導光板30を覆う壁部14を有している。図7の例においては、斜線を施した領域が、壁部14である。
【0023】
また、図6及び図7に示すように、導光板30は、発光面31と平行に対向する背面32を有している。
【0024】
次に、以上のような本実施の形態の作用について説明する。
【0025】
本実施の形態では、導光板30の発光面31が底面12に対して20〜40度の角度をなしていて、当該底面12を直接に斜め方向から照射する。このため、当該底面12からの反射光を利用することができて、間接照明として独特の美観を醸し出す。
【0026】
また、本実施の形態では、底面側収納部10Bは、導光板30に対する底面12の側において、底面12に向かって先細となる傾斜面13を有しており、導光板30の発光面31は、傾斜面13と底面12とを同時に照射する。このため、底面12からの反射光に加えて、傾斜面13からの反射光をも利用することができ、間接照明として更に独特の美観を醸し出す。特に、本実施の形態では、底面12の中心部が照射されることにより、間接照明として最も美しい美観を醸し出すことができる。
【0027】
また、本実施の形態では、開口側収納部10Aの壁部材によって、導光板30が開口11の側から直接に視認されることが防止されているため、間接照明としてのデザイン性に優れる他、導光板30からの直接光が自動車等の窓ガラスに映り込む虞を完全に解消することができる。
【0028】
また、本実施の形態では、導光板30が発光面31と平行に対向する背面32を有していることにより、発光面31から照射される光の指向性を高めることができ、照明の強さ(量)を制御することも容易である。
【0029】
以上のように、本実施の形態によれば、導光板30の発光面31が底面12に対して鋭角をなして、当該底面12を直接に斜め方向から照射するようになっていることにより、当該底面12からの反射光を利用することができ、間接照明として独特の美観を醸し出すことができる。
【0030】
また、本実施の形態によれば、底面側収納部10Bが、導光板30に対する底面12の側において底面12に向かって先細となる傾斜面13を有していて、発光面30が傾斜面13と底面12とを同時に照射するようになっているため、底面12からの反射光に加えて傾斜面13からの反射光をも利用することができ、間接照明として更に独特の美観を醸し出すことができる。
【0031】
また、本実施の形態によれば、発光面30が傾斜面13と底面12の中心部とを同時に照射するようになっているため、間接照明として最も美しい美観を醸し出すことができる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、開口側収納部10Aが導光板30に対する開口11の側において導光板30を覆う壁部14を有していることにより、導光板30が直接に視認されることを防止することができる。これにより、間接照明としての美観を更に強調することができる。
【0033】
また、本実施の形態によれば、導光板30が発光面31と平行に対向する背面32を有していることにより、発光面31から照射される光の指向性を高めることができ、照明の強さ(量)を制御することも容易である。
【0034】
なお、本実施の形態の照明装置100は、図7に示す通り、以下のような設計変更により、照明の仕方を微調整することができる。
(1)壁部材14の下端縁の高さを変える。
(2)導光板30の発光面31の角度を変える。
(3)傾斜面13の角度を変える。
【0035】
以上の変更項目(1)乃至(3)は、いずれも、環状の領域の全体について一律に変更されてもよいし、局所的に(不均一となるように)変更されてもよい。これらの変更によって、底面12への照射の具合、ひいては、底面12での反射の具合を調整することができ、同様に、傾斜面13への照射の具合、ひいては、傾斜面13での反射の具合を調整することができる。
【0036】
また、光源20の光量を変えることによっても、照明の仕方を微調整することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 収納部
10A 開口側収納部
10B 底面側収納部
11 開口
12 底面
13 傾斜面
14 壁部材
20 光源(LEDユニット)
30 導光板
31 発光面
32 背面
100 照明装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7