(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333645
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】構造物用伸縮継手及び可撓セグメント
(51)【国際特許分類】
E21D 11/04 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
E21D11/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-138817(P2014-138817)
(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公開番号】特開2016-17274(P2016-17274A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230526
【氏名又は名称】日本ヴィクトリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平
(72)【発明者】
【氏名】野 田 祐 司
【審査官】
佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−150807(JP,A)
【文献】
特開2004−324328(JP,A)
【文献】
特開2006−045794(JP,A)
【文献】
特開2014−034783(JP,A)
【文献】
特開2012−225037(JP,A)
【文献】
特開2011−144504(JP,A)
【文献】
特開2002−021166(JP,A)
【文献】
特開2011−162950(JP,A)
【文献】
特開2009−068217(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3112409(JP,U)
【文献】
特開2002−295187(JP,A)
【文献】
米国特許第04749307(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/04
E03F 3/04
E04D 13/00
E04D 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状穴に敷設されるリング状のセグメントと前記セグメントに対向するセグメントあるいは構造物であるリング状の相手部との間の目地部に配設される構造物用伸縮継手であって、
前記目地部に跨って配設され、前記セグメントと前記相手部に押し付けられるブロック状の押し部を両側に有するリング状の可撓性材の伸縮部と、
前記押し部の周方向に渡って被せられる断面コ字状の当接部と、
前記押し部が前記セグメントと前記相手部に対して押し付けられるように前記当接部を、前記セグメントと前記相手部に対して前記当接部の周方向に間隔を置いて複数箇所に押し付け固定するための複数の固定ユニットと、
を備え、
前記当接部は、前記押し部の周方向に沿って多角形的に配設される直線長手状に形成された複数の当接部ユニットを有し、前記押し部は、前記伸縮部の他の部分より厚肉となっていて、前記断面コ字状の当接部内に収まり、前記当接部と、前記セグメントと前記相手部との間に空間が形成され、当該空間は前記伸縮部の他の部分の厚みより大きく、かつ前記押し部の厚みより小さい、
ことを特徴とする構造物用伸縮継手。
【請求項2】
前記固定ユニットは、互いに隣接する前記当接部ユニットの隣接位置で前記当接部ユニットを押し付け固定する
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物用伸縮継手。
【請求項3】
前記固定ユニットは、前記当接部に被せられる当圧部と、前記当圧部を前記セグメントと前記相手部に押し取り付けるためのボルトナットとを有し、
前記当圧部は前記押し部の内側に位置する短脚と前記押し部の外側に位置する長脚を有し、
前記ボルトナットは、前記押し部の外側であって前記長脚の内側の位置において、前記長脚の下端部を支点として前記当圧部を前記セグメントと前記相手部に押し取り付け可能である
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の構造物用伸縮継手。
【請求項4】
前記当圧部は前記当接部ユニットの角部を係止するための角当て部を有し、前記当接部ユニットは隣接する前記角当て部と前記角当て部とによって前記押し部の周方向に沿って位置決めされる
ことを特徴とする請求項3に記載の構造物用伸縮継手。
【請求項5】
前記当圧部は前記当接部ユニットの下端部を係止するための下受け部を有し、前記当接部ユニットは隣接する前記下受け部と前記下受け部とによって支持される
ことを特徴とする請求項4に記載の構造物用伸縮継手。
【請求項6】
前記当圧部は一対の立設された壁部を有し、前記一対の壁部は、前記ボルトナットのナットを回り止めする間隔を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の構造物用伸縮継手。
【請求項7】
少なくとも2個のリング状のセグメントと、対向する前記セグメントの間の隙間に配設される構造物用伸縮継手とを備える円筒状穴に敷設される可撓セグメントであって、
構造物用伸縮継手は、
前記隙間に跨って配設され、対向する前記セグメントの各々に押し付けられるブロック状の押し部を両側に有するリング状の可撓性材の伸縮部と、
前記押し部の周方向に渡って被せられる断面コ字状の当接部と、
前記押し部が対向する前記セグメントの各々に対して押し付けられるように前記当接部を、対向する前記セグメントの各々に対して前記当接部の周方向に間隔を置いて複数箇所に押し付け固定するための複数の固定ユニットと、
を備え、
前記当接部は、前記押し部の周方向に沿って多角形的に配設される直線長手状に形成された複数の当接部ユニットを有し、前記押し部は、前記伸縮部の他の部分より厚肉となっていて、前記断面コ字状の当接部内に収まり、前記当接部と、前記セグメントの各々との間に空間が形成され、当該空間は前記伸縮部の他の部分の厚みより大きく、かつ前記押し部の厚みより小さい、
ことを特徴とする可撓セグメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構造物用伸縮継手及び可撓セグメントに係り、特にトンネル等の円筒状穴に敷設されるリング状のセグメントとリング状の相手部との間の目地部に配設される構造物用伸縮継手及び可撓セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法等においては、トンネル推進器で掘削しながら掘削したトンネルが崩れないようにするために、セグメントピースを周方向に接続して一体化することで1リング分のセグメントを形成しトンネルの内周面を覆い、さらにセグメントをトンネルの軸方向に連設することが行われる。トンネルの始点部や終点部には通常、建屋等の構造物が設置され、この構造物と始点部あるいは終点部のセグメントとの間に形成される目地部には、振動等の影響を遮断するために構造物用伸縮継手が配設される。また、硬い地層と軟弱な地層との境界部や、道路の下部に位置して大型車等の通行によって地盤沈下のおそれのある領域においては、連設されるセグメントとセグメントとの間に形成される目地部に構造物用伸縮継手が配設されることもある。
【0003】
また、コンクリート等で構築されるコンクリート構造物である水路や共同溝等の地中に構築される暗渠などのつなぎ部である目地部には、内外を止水することが行われる。この場合、両側のコンクリート構造物が不均一に沈下したりあるいは地震等の影響により、目地部を挟んだ両側のコンクリート構造物の間の間隔がずれたりするが、これらのずれを許容するように可撓性のある構造物用伸縮継手手が採用されている。
【0004】
従来、リング状のセグメントとリング状の相手部との間の目地部に配設される構造物用伸縮継手は次のように構成されていた。
【0005】
すなわち、従来においては、セグメントは通常数メートルという大きな直径を有するために、伸縮部の押し部の周方向の全体に渡って被せられる当接部は複数の円弧状のユニットに分割され、それらの複数の円弧状ユニットを繋ぎ組み合わせて当接部に被され固定されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−225037号公報
【特許文献2】特開2001−193391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当接部は複数の円弧状のユニットに分割されていたために、セグメントの大きさが異なると円弧状ユニットの弧の大きさが異なり、このために、対象とするセグメントの大きさが異なる毎に対応する円弧状ユニットを準備する必要があり、当接部の部品の共通化を図ることができないという問題があった。
【0008】
そこで、本願発明は上記従来技術の有する問題を解消し、セグメントの大きさが異なっても当接部の部品の共通化を図ることが可能な構造物用伸縮継手及び可撓セグメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願発明に係る構造物用伸縮継手は、円筒状穴に敷設されるリング状のセグメントと前記セグメントに対向するセグメントあるいは構造物であるリング状の相手部との間の目地部に配設される構造物用伸縮継手であって、前記目地部に跨って配設され、前記セグメントと前記相手部に押し付けられるブロック状の押し部を両側に有するリング状の可撓性材の伸縮部と、前記押し部の周方向に渡って被せられる当接部と、前記押し部が前記セグメントと前記相手部に対して押し付けられるように前記当接部を、前記セグメントと前記相手部に対して前記当接部の周方向に間隔を置いて複数箇所に押し付け固定するための複数の固定ユニットと、を備え、前記当接部は、前記押し部の周方向に沿って多角形的に配設される直線長手状に形成された複数の当接部ユニットを有することを特徴とする。
【0010】
また、前記固定ユニットは、互いに隣接する前記当接部ユニットの隣接位置で前記当接部ユニットを押し付け固定することを特徴とする。
【0011】
また、前記固定ユニットは、前記当接部に被せられる当圧部と、前記当圧部を前記セグメントと前記相手部に押し取り付けるためのボルトナットとを有し、前記当圧部は前記押し部の内側に位置する短脚と前記押し部の外側に位置する長脚を有し、前記ボルトナットは、前記押し部の外側であって前記長脚の内側の位置において、前記長脚の下端部を支点として前記当圧部を前記セグメントと前記相手部に押し取り付け可能であることを特徴とする。
【0012】
また、前記当圧部は前記当接部ユニットの角部を係止するための角当て部を有し、前記当接部ユニットは隣接する前記角当て部と前記角当て部とによって前記押し部の周方向に沿って位置決めされることを特徴とする。
【0013】
また、前記当圧部は前記当接部ユニットの下端部を係止するための下受け部を有し、前記当接部ユニットは隣接する前記下受け部と前記下受け部とによって支持されることを特徴とする。
【0014】
また、前記当圧部は一対の立設された壁部を有し、前記一対の壁部は、前記ボルトナットのナットを回り止めする間隔を有することを特徴とする。
【0015】
また、前記当接部ユニットは、断面コの字状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本願発明に係る可撓セグメントは、少なくとも2個のリング状のセグメントと、対向する前記セグメントの間の隙間に配設される構造物用伸縮継手とを備える円筒状穴に敷設される可撓セグメントであって、構造物用伸縮継手は、前記隙間に跨って配設され、対向する前記セグメントの各々に押し付けられるブロック状の押し部を両側に有するリング状の可撓性材の伸縮部と、前記押し部の周方向に渡って被せられる当接部と、前記押し部が対向する前記セグメントの各々に対して押し付けられるように前記当接部を、対向する前記セグメントの各々に対して前記当接部の周方向に間隔を置いて複数箇所に押し付け固定するための複数の固定ユニットと、を備え、前記当接部は、前記押し部の周方向に沿って多角形的に配設される直線長手状に形成された複数の当接部ユニットを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本願発明の構成によれば、当接部は、押し部の周方向に沿って多角形的に配設される直線長手状に形成された複数の当接部ユニットを有するので、対象とするセグメントと相手部の大きさが異なる場合においても共通の当接部ユニットを用い多角形を形成するようにすることにより、対象とするセグメント等の大きさが異なる毎に対応する円弧状ユニットを準備する必要をなくすることができる。
【0018】
また、固定ユニットは、互いに隣接する当接部ユニットの隣接位置で当接部ユニットを押し付け固定するので、固定ユニットは互いに隣接する当接部ユニットを相互に位置決めしつつ効率的に固定することができる。
【0019】
また、当圧部は押し部の内側に位置する短脚と押し部の外側に位置する長脚を有し、ボルトナットは、押し部の外側であって長脚の内側の位置において、長脚の下端部を支点として当圧部をセグメント等に押し取り付け可能であるので、ボルトナットによる締め付け度合を調整することによってボルトナットによる締め付け力を所望の大きさに簡易に調整することが可能になる。
【0020】
また、当圧部は角当て部や下受け部を有するので、当接部ユニットを押し部の周方向に沿って容易に位置決めすることが可能になる。
【0021】
また、当圧部は一対の立設された壁部を有するので、ボルトナットのナットを回り止めし、ボルトナットによって当圧部を容易に締め付けることが可能になる。
【0022】
また、可撓セグメントは構造物用伸縮継手によって可撓的に連結された少なくとも2個のリング状のセグメントを備えるので、単一のセグメントの幅を越えた長さ幅の領域に簡易に利用することができ、例えばシールド工法等において振動衝撃が大きく可撓性の要求される領域において耐衝撃性を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本願発明に係る構造物用伸縮継手の一実施形態を示す断面図。
【
図3】構造物用伸縮継手の全体の外観を示す斜視図。
【
図4】当接部ユニットを示す側面図(a)と断面図(b)。
【
図5】伸縮部に当接部ユニットと当圧部とを組み付けることを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照して本願発明に係る構造物用伸縮継手の実施の形態について説明する。
図1はリング状に形成された構造物用伸縮継手1のリング断面を示す。
図2は
図1のA−Aから見た図である。
図3は全体の外観を示す。
【0025】
構造物用伸縮継手1は、トンネル等の円筒状穴に敷設されるリング状のセグメント2とセグメント2に対向する第2のセグメントあるいは建屋等の構造物であるリング状の相手部3との間の目地部4に配設される。ここでは、相手部3として、第2のセグメントを想定する。
【0026】
図1に示すように、セグメント2は、内部で取り付け作業が可能な円筒リング状のセグメント取付部2aと、セグメント本体2bとからなり、セグメント取付部2aは内側リング部2aaと外側リング部2abを有する。同様に、相手部3は、内部で取り付け作業が可能な相手部取付部3aと相手部本体3bとからなり、相手部取付部3aは内側リング部3aaと外側リング部3abを有する。セグメント取付部2aは、外側リング部2abにおいて例えばアンカーボルト2cによってセグメント本体2bに取り付けられている。相手部取付部3aは、外側リング部3abにおいてアンカーボルト3cによって相手部本体3bに取り付けられている。構造物用伸縮継手1は、セグメント取付部2aの内側リング部2aaと相手部取付部3aの内側リング部3aaとの間に配設される。
【0027】
構造物用伸縮継手1は、目地部4に跨って配設され、セグメント2と相手部3に押し付けられるブロック状の押し部5を両側に有するリング状の可撓性材の伸縮部6と、押し部5の周方向の全体に渡って被せられる当接部7と、押し部5がセグメント2と相手部3に対して押し付けられるように当接部7を、セグメント2と相手部3に対して当接部7の周方向に間隔を置いて複数箇所に押し付け固定するための複数の固定ユニット8と、を備えている。
【0028】
伸縮部6の両側の押し部5の間には断面波状部が形成されており、セグメント2と相手部3との間隔が変化した場合にこの波状部が伸縮することによって伸縮部6は伸縮可能に対応することができる。伸縮部6の内部には補強布6aがシート状に埋設されている。押し部5の端面には突起5aが形成されており、押し部5が押し付けられたときに内側リング部2aa及び内側リング部3aaの表面に対して確実に密閉性が確保されるようになっている。
【0029】
当接部7は、直線長手状に形成された複数の当接部ユニット9を有し、複数の当接部ユニット9は、押し部5の周方向に沿って連続的に配設され、多角形を形成するように配設されている。
【0030】
固定ユニット8は、各々の当接部ユニット9を押し付け固定する。本実施の形態では、固定ユニット8は、互いに隣接する当接部ユニット9の隣接位置で当接部ユニット9を押し付け固定する。これによって、互いに隣接する当接部ユニット9が多角形を形成する角度が安定して固定保持することができる。なお、固定ユニット8は、互いに隣接する当接部ユニット9の隣接位置で当接部ユニット9を押し付け固定する代わりに、個々の当接部ユニット9の中央部にて押し付け固定することも可能である。
図4に示すように、当接部ユニット9は直線長手状に形成され、断面がコの字状を有する。
【0031】
固定ユニット8は、当接部ユニット9に被せられる当圧部10と、当圧部10をセグメント2と相手部3に押し取り付けるためのボルト11aとナット11bとからなるボルトナット11とを有する。
【0032】
当圧部10は、ボルトナット11によって、セグメント取付部2aの内側リング部2aaと相手部取付部3aの内側リング部3aaに取り付けられる。
【0033】
図1に示すように、当圧部10は、押し部5の内側すなわち伸縮部6の波状部の有る側に位置する短脚12と、押し部5の外側すなわち伸縮部6の波状部の有る側に位置するに位置する長脚13を有する。
【0034】
ボルトナット11は、押し部5の外側であって長脚13の内側の位置において、長脚13の下端部13aを支点として当圧部10をセグメント2と相手部3に押し取り付け可能である。このように、ボルトナット11は、押し部5の外側であって長脚13の内側の位置において当圧部10をセグメント2と相手部3に押し取り付けるので、長脚13の下端部13aは支点として作用し、ボルトナット11による締め付け力を有効に押し部5に作用することが可能になる。なお、従来においては、当圧部10の短脚12と長脚13に相当する脚の長さは同じであったのであり、当初に伸縮部6の押し部5を締め付けた場合でも後発的に緩んだ場合に密閉性を回復させるためにさらに増し締めしようとしても、脚の長さは同じであるために長脚13の下端部13aは支点として作用させることができず、ボルトナットを増し締めすることができないという問題があったのである。
【0035】
図5は伸縮部6に当接部ユニット9と当圧部10とを組み付ける途中状態を示す。
図5に示すように、当接部ユニット9は伸縮部6の押し部5に被せられる。そして、
図1に示すように、押し部5と当接部ユニット9とは、ボルトナット11によって内側リング部2aaと内側リング部3aaの表面に押し付けられる。
【0036】
次に、
図6〜
図11を参照して当圧部10について説明する。
図6は、当圧部10とボルトナット11を示す斜視図である。
図7は当圧部10を示す正面図、
図8は当圧部10を示す側面図、
図9は当圧部10を示す背面図、
図10は当圧部10を示す横断面図である。
図11は当圧部10を示す縦断面図である。
【0037】
当圧部10の短脚12と長脚13とは互いに対向する位置で基板部10aの正面側から立設されている。基板部10aにはボルト11aが貫通するボルト孔10bが形成されている。短脚12の中央部には、小さな三角柱状の当接部ユニット9の角部9aを係止するための角当て部14が形成されている。
図2に示すように、当接部ユニット9は隣接する角当て部14、14によって押し部5の周方向に沿って位置決めされる。
【0038】
また、長脚13には、長脚13と直交する方向に伸びる一対の下受け部15が立設されている。
図2に示すように、下受け部15の先端部には、角当て部14、14によって位置決めされた当接部ユニット9の長手内側面が支持される。一つの当接部ユニット9は隣接する当圧部10の角当て部14と下受け部15とによって簡易に位置決めすることが可能になる。角当て部14と下受け部15とによって位置決めされた隣接する当接部ユニット9は、互いに所定の多角形のなす角度をなす関係に配置されることになり、この結果、全体の当接部ユニット9は押し部5の周方向に沿って連続して多角形的に配設されることになる。
【0039】
また、基板部10aの背面側には、一対の壁部16、16が立設されている。一対の壁部16、16は、ボルトナット11のナット11bを回り止めするように挟む間隔をおいて設けられている。
図1に示すように、例えば内側リング部2aaの内側から内側リング部2aaの外側にある当圧部10のボルト孔10bに差し込み、壁部16、16の間に置かれ回り止めされた状態にあるナット11bに対してボルト11aを回転させ、ボルト11aとナット11bを螺合させることができる。
【0040】
本実施の形態の構成によれば、当接部7は直線長手状に形成された複数の当接部ユニット9を有し、複数の当接部ユニット9を多角形を形成するように押し部5の周方向に沿って配設することによって実質的に押し部5の全周に渡って伸縮部6をセグメント2及び相手部3に取り付けることが可能になる。この結果、対象とするセグメント2等の大きさが異なる場合においても共通の当接部ユニット9を用い多角形を形成するようにすることができるので、従来のように当接部を複数の円弧状のユニットに分割する場合に生じる問題点、すなわち、対象とするセグメントの大きさが異なる毎に対応する円弧状ユニットを準備する必要があるという問題を解消することができる。なお、対象とするセグメント2等の大きさが異なる場合においては、隣接する固定ユニット8の間隔は当接部ユニット9の長さに対応してほぼ一定にし、隣接する固定ユニット8が互いになす配置角度を変え、隣接する当接部ユニット9がなす多角形の角度を調整するようにすればよい。
【0041】
また、固定ユニット8は、互いに隣接する当接部ユニット9の隣接位置すなわち隣接する当接部ユニット9が繋ぎ合わされる位置で当接部ユニット9を押し付け固定するので、固定ユニット8は互いに隣接する当接部ユニット9を相互に位置決めしつつ効率的に固定することができる。
【0042】
また、固定ユニット8は、当接部7を構成する当接部ユニット9に被せられる当圧部10と、当圧部10をセグメント2等に押し取り付けるためのボルトナット11とを有し、当圧部10は押し部5の内側に位置する短脚12と押し部5の外側に位置する長脚13を有し、ボルトナット11は、押し部5の外側であって長脚13の内側の位置において、長脚13の下端部を支点として当圧部10をセグメント2等に押し取り付け可能であるので、ボルトナット11による締め付け度合を調整することによってボルトナット11による締め付け力を所望の大きさに簡易に調整することが可能になり、短脚と長脚の長さが同じである従来の場合に伸縮部6の押し部5の密閉性を高めるためにさらに増し締めしようとしてもできないというような問題をなくすることができる。
【0043】
また、当圧部10は当接部ユニット9の角部9aを係止するための角当て部14を有するので、隣接する角当て部14と角当て部14とに当接部ユニット9を当てることによって押し部5の周方向に沿って容易に位置決めすることが可能になる。
【0044】
また、当圧部10は当接部ユニット9の下端部を係止するための下受け部15を有するので、当接部ユニット9をは隣接する下受け部15と下受け部15とによって支持し容易に位置決めすることができる。
【0045】
また、当圧部10は一対の立設された壁部16、16を有し、一対の壁部16、16によってナット11bを回り止めすることができるので、ボルトナット11によって当圧部10を容易に締め付けることが可能になる。
【0046】
次に、円筒状穴に敷設される可撓セグメントについて説明する。可撓セグメントは、少なくとも2個のリング状のセグメントと、対向するセグメントの間の隙間に配設される構造物用伸縮継手1とを備える。
【0047】
少なくとも2個のセグメント、例えば第1、第2、第3の3個のセグメントにおいて、第1セグメントと第2セグメントの間の隙間と、第2セグメントと第3セグメントの間の隙間に上述の構造物用伸縮継手1を配設することにより、単一のセグメントの約3個分の長さに渡って可撓セグメントを構成することが可能になる。そして、この3個分の長さに渡る可撓セグメントを新たなセグメントとして捉え、その両端側に上述の構造物用伸縮継手1を介してセグメント2あるいは相手部3に接続する。
【0048】
可撓セグメントは構造物用伸縮継手1によって可撓的に連結された少なくとも2個のリング状のセグメントを備えるので、単一のセグメントの幅を越えた長さ幅が要求される領域に簡易に利用することができ、例えばシールド工法等において振動衝撃が大きく可撓性の要求される領域において耐衝撃性を得ることが可能になる。
【符号の説明】
【0049】
1 構造物用伸縮継手
2 セグメント
3 相手部
4 目地部
5 押し部
6 伸縮部
7 当接部
8 固定ユニット
9 当接部ユニット
10 当圧部
11 ボルトナット
12 短脚
13 長脚
14 角当て部
15 下受け部
16 壁部