特許第6333659号(P6333659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333659
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ファクシミリ装置および複合機
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20180521BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20180521BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H04N1/32 J
   H04N1/00 107Z
   H04M1/00 W
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-156494(P2014-156494)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-34093(P2016-34093A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2016年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100069615
【弁理士】
【氏名又は名称】金倉 喬二
(72)【発明者】
【氏名】猪石 秀樹
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−077950(JP,A)
【文献】 特開2004−104311(JP,A)
【文献】 特開2011−182315(JP,A)
【文献】 特開2009−130524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32
H04M 1/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子および第2の端子とファクシミリ通信部との接続または切断を切り替える第1の接続切替手段と、前記第1の端子と前記第2の端子との接続または切断を切り替える第2の接続切替手段とを備え、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段のそれぞれの切り替え制御を行う接続切替部と、
前記第1の接続切替手段と、前記ファクシミリ通信部との間の電話回線電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、電話回線が正しく接続されていない旨を表示部に表示する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記接続切替部により、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、
前記第1の端子および前記第2の端子のいずれにも電話回線が接続されていない旨を表示部に表示することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
第1の端子および第2の端子とファクシミリ通信部との接続または切断を切り替える第1の接続切替手段と、前記第1の端子と前記第2の端子との接続または切断を切り替える第2の接続切替手段とを備え、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段のそれぞれの切り替え制御を行う接続切替部と、
前記第1の接続切替手段と、前記ファクシミリ通信部との間の電話回線電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、電話回線が正しく接続されていない旨を表示部に表示する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記接続切替部により、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出し、さらに、前記第1の接続切替手段を接続し、かつ前記第2の接続切替手段を切断した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、
前記第2の端子に電話回線が接続され、前記第1の端子に電話回線が接続されていない旨を表示部に表示することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のファクシミリ装置において、
前記制御部は、ファクシミリ通信を開始するとき、前記電圧検出部で前記電話回線電圧の検出を行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項4】
第1の端子および第2の端子とファクシミリ通信部との接続または切断を切り替える第1の接続切替手段と、前記第1の端子と前記第2の端子との接続または切断を切り替える第2の接続切替手段とを備え、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段のそれぞれの切り替え制御を行う接続切替部と、
前記第1の接続切替手段と、前記ファクシミリ通信部との間の電話回線電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、電話回線が正しく接続されていない旨を表示部に表示する制御部とを有し、
前記制御部は、ファクシミリ通信を開始するとき、前記電圧検出部で前記電話回線電圧の検出を行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のファクシミリ装置を備えたことを特徴とする複合機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話回線に接続されるファクシミリ装置および複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のファクシミリ装置は、電話回線に接続される電話機として子機を有する場合、NCU(Network Control Unit)の回線電流検知機能またはDAA(Data Access Arrangement)の回線電圧モニタ機能を利用して子機に対するオフフック操作を検知するようにしており、特に電話回線の回線電圧をモニタする回線電圧モニタ機能では回線電圧をオフフック閾値と比較することにより、子機のオフフック操作を検知するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−043549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術において、電話回線に接続され、電話機として子機が接続可能なファクシミリ装置は、電話回線を接続する専用の端子と、電話機(子機)を接続する専用の端子とを備えており、両端子に電話回線が接続されていない場合や両端子は同一の形状であるため電話回線と電話機の接続を誤った場合等の電話回線の接続を誤ると通信異常が発生してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、電話回線の接続の誤りによる通信異常の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、第1の端子および第2の端子とファクシミリ通信部との接続または切断を切り替える第1の接続切替手段と、前記第1の端子と前記第2の端子との接続または切断を切り替える第2の接続切替手段とを備え、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段のそれぞれの切り替え制御を行う接続切替部と、前記第1の接続切替手段と、前記ファクシミリ通信部との間の電話回線電圧を検出する電圧検出部と、前記第1の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、電話回線が正しく接続されていない旨を表示部に表示する制御部とを有し、前記制御部は、前記接続切替部により、前記第1の接続切替手段および前記第2の接続切替手段を接続した状態で、前記電圧検出部が電話回線電圧を検出できなかった場合、前記第1の端子および前記第2の端子のいずれにも電話回線が接続されていない旨を表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、電話回線の接続の誤りによる通信異常の発生を抑制することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例におけるファクシミリ装置の構成を示すブロック図
図2】実施例における接続確認処理の流れを示すフローチャート
図3】実施例におけるリレーの接続状態を示す説明図
図4】実施例における電話回線と電話機の接続状態の説明図
図5】実施例における表示画面の説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明によるファクシミリ装置および複合機の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は実施例におけるファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
図1において、ファクシミリ装置1は、電話回線に接続され、電話機としての子機を接続できるものであり、制御部2と、NCU3と、モデム4と、パネル部5と、スキャナ部6と、プリンタ部7とを有している。
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段からなる制御装置であり、記憶手段に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいてシステムバスを介して接続されるNCU3、モデム4、パネル部5、スキャナ部6、およびプリンタ部7を制御し、ファクシミリ装置1全体の動作を制御するものである。
【0010】
接続切替部としてのNCU3は、ネットワークコントロールユニットであり、LINE端子8と、TEL端子9と、オフフック検出部10と、リレー11と、リレー12と、電圧検出部13とを備え、電話回線21および電話機22との接続を制御するものである。
第1の端子としてのLINE端子8は、RJ−11コネクタであり、交換機に接続される電話回線21を接続するものである。
第2の端子としてのTEL端子9は、RJ−11コネクタであり、電話機22を接続するものである。
【0011】
オフフック検出部10は、コンパレータ等で構成された電圧検出器であり、LINE端子8とTEL端子9との間に接続され、電話回線電圧を監視し、電話機22のオフフックを検出するものである。このオフフック検出部10は、電話回線の電圧とオフフック閾値とを比較し、電話機22のオフフックを検出する。
第1の接続切替手段としてのリレー11は、LINE端子8(およびTEL端子9)とモデム4との間に配置されたリレー回路であり、LINE端子8およびTEL端子9とモデム4との接続または切断を切り替えるもの、すなわち電話回線21とモデム4とを接続または切断するものである。
【0012】
第2の接続切替手段としてのリレー12は、LINE端子8とTEL端子9との間に配置されたリレー回路であり、LINE端子8とTEL端子9との接続または切断を切り替えるもの、すなわち電話回線21と電話機22とを接続または切断するものである。
電圧検出部13は、コンパレータ等で構成された電圧検出器であり、リレー11とモデム4との間に接続され、リレー11とモデム4との間の電話回線電圧の有無を監視し、検出するものである。この電圧検出部13は、電話回線の電圧が閾値を超えているとき、電話回線電圧有りを検出する。
【0013】
このように、NCU3は、リレー11およびリレー12を備え、リレー11およびリレー12のそれぞれの接続または切断の切り替えを独立して制御することができるように構成されている。
なお、本実施例では、電圧検出部13をNCU3に備えた構成として説明するが、電圧検出部13をモデム4に備える構成としても良い。
ファクシミリ通信部としてのモデム4は、変調復調装置であり、デジタル信号を伝送路の特性に合わせたアナログ信号に変換して送信するとともに、伝送路からのアナログ信号をデジタル信号に復調して受信するものである。ファクシミリ装置間で交換される画データや手順信号は、このモデム4を介して授受される。
【0014】
表示部としてのパネル部5は、液晶表示装置(LCD)等の表示手段によりファクシミリ装置1の状態等を表示し、ファクシミリ装置1を操作するために必要なテンキー、スタートキー等の入力手段を備えたものである。
スキャナ部6は、CCD(Charge Coupled Device)センサなどを利用した画像読取り手段としてのスキャナ装置であり、原稿を読取り、ドットイメージデータに変換した画データを生成するものである。
プリンタ部7は、感熱記録方式、電子写真方式等の印刷装置であり、受信した画データ等を画像として出力するものである。
【0015】
このように構成されたファクシミリ装置1の制御部2は、リレー11を接続した状態(リレー12は接続または切断した状態)で、電圧検出部13が電話回線電圧を検出できなかった場合、電話回線が正しく接続されていない旨をパネル部5に表示する。
なお、本実施例では、ファクシミリ装置1の例として説明するが、制御部2と、NCU3と、モデム4と、パネル部5と、スキャナ部6と、プリンタ部7とを有するファクシミリ機能(装置)を備えた複合機としても良い。この場合、複合機はLAN(Local Area Network)等の通信回線に接続され、外部の装置からの指示によりプリンタ部7で印刷が行えるように構成されている。
【0016】
上述した構成の作用について説明する。
ファクシミリ装置が行う接続確認処理を図2の実施例における接続確認処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1を参照しながら説明する。
S1:ファクシミリ装置1の制御部2は、図3(a)に示すように、NCU3のリレー11を制御して開放し、LINE端子8とモデム4との接続を開放する。
【0017】
S2:リレー11を開放した制御部2は、図3(a)に示すように、NCU3のリレー12を制御して閉結し、LINE端子8とTEL端子9とを接続する。
このように、S1およびS2において、制御部2は、初期動作として、図3(a)に示すように、リレー11を開放し、リレー12を閉結することにより、電話回線21に接続された交換機とファクシミリ装置1との間は、電話回線21を介して直流ループが形成されていない状態となり、交換機はファクシミリ装置1が電話回線を開放しているものと認識する。
【0018】
S3:パネル部5は、操作者の操作により、ファクシミリの送信先の入力等ファクシミリ送信に必要な入力操作を受付け、さらにファクシミリ送信(通信)を開始する入力操作を受付ける。制御部2は、パネル部5でファクシミリ送信を開始する指示の入力操作が行われたか否かを判定し、ファクシミリ送信を開始する指示の入力操作が行われたと判定すると処理をS4へ移行し、ファクシミリ送信を開始する指示の入力操作が行われていないと判定するとファクシミリ送信を開始する指示の入力操作が行われるまで待機する。
【0019】
S4:ファクシミリ送信を開始する指示の入力操作が行われたと判定した制御部2は、図3(b)に示すように、NCU3のリレー11を制御して閉結し、LINE端子8とモデム4とを接続する。
このように、リレー11を閉結することにより、電話回線21に接続された交換機とファクシミリ装置1との間は、電話回線21を介して直流ループが形成された状態となり、交換機はファクシミリ装置1が電話回線を捕捉しているものと認識する。
【0020】
S5:リレー11を閉結した制御部2は、電圧検出部13で電話回線電圧を検出したか否かを判定し、検出したと判定すると交換機とファクシミリ装置1との間で形成された直流ループを検出したことになり処理をS7へ移行し、検出しないと判定すると処理をS6へ移行する。
この電圧検出部13での電圧を検出は、電話回線21がLINE端子8もしくはTEL端子9に接続されているか、または電話回線21がLINE端子8およびTEL端子9のいずれにも接続されていないかを検出するものであり、電話回線21がLINE端子8またはTEL端子9に接続されている場合、S4においてリレー11の閉結を行うことにより、電圧検出部13で電話回線電圧を検出することができる。一方、電話回線21がLINE端子8およびTEL端子9のいずれにも接続されていない場合、S4においてリレー11の閉結を行ったとしても、電圧検出部13で電話回線電圧を検出することができない。
【0021】
S6:電圧検出部13で電話回線電圧を検出しないと判定した制御部2は、パネル部5により電話回線21が接続されていない旨の未接続エラー(異常)の画面、例えば図5(a)に示すように、「電話回線が接続されていません。電話回線をLINE端子に接続してください。」等の未接続エラー画面51を表示し、処理をS12へ移行する。
【0022】
なお、S5において、電圧検出部13が電圧を検出できないときの接続状態は、図4に示すように、LINE端子8に電話機22が接続され、TEL端子9に何も接続されていない場合と、TEL端子9に電話機22が接続され、LINE端子8に何も接続されていない場合と、LINE端子8およびTEL端子9の双方に何も接続されていない場合とがあり、いずれの場合も接続なし(未接続エラー)と判定される。
このように、制御部2は、NCU3により、リレー11およびリレー12を接続した状態で、電圧検出部13が電話回線電圧を検出できなかった場合、LINE端子8およびTEL端子9のいずれにも電話回線21が接続されていない旨をパネル部5に表示する。
【0023】
S7:S5において、電圧検出部13で電話回線電圧を検出したと判定した制御部2は、図3(c)に示すように、NCU3のリレー12を制御して開放し、LINE端子8とTEL端子9との接続を開放する。このように、LINE端子8とTEL端子9との接続を開放することにより、ファクシミリ装置1と電話機22とが接続されていない状態となる。
【0024】
S8:リレー12を開放した制御部2は、電圧検出部13で電話回線電圧を検出したか否かを判定し、検出したと判定すると交換機とファクシミリ装置1との間で形成された直流ループを検出したことになり処理をS10へ移行し、検出しないと判定すると処理をS9へ移行する。
この電圧検出部13での電圧を検出は、電話回線21とLINE端子8との接続不良を検出するものであり、電話回線21がLINE端子8に接続されている場合、S7においてリレー12の開放を行ったとしても、電圧検出部13で電話回線電圧を検出することができる。一方、電話回線21がTEL端子9に接続されていた場合、S7においてリレー12の開放を行うことにより、電圧検出部13で電話回線電圧を検出することができない。
【0025】
S9:電圧検出部13で電話回線電圧を検出しないと判定した制御部2は、パネル部5によりTEL端子9に電話回線21が接続され、LINE端子8に電話回線21が正しく接続されていない旨の逆接続エラー(異常)の画面、例えば図5(b)に示すように、「TEL端子に電話回線が接続されています。接続し直してください。」等の逆接続エラー画面52を表示し、処理をS12へ移行する。
【0026】
なお、S8において、電圧検出部13が電圧を検出できないときの接続状態は、図4に示すように、TEL端子9に電話回線21が接続され、LINE端子8に電話機22が接続されている場合と、TEL端子9に電話回線21が接続され、LINE端子8に何も接続されていない場合とがあり、どちらの場合も逆接続と判定される。
このように、制御部2は、NCU3により、リレー11を接続し、リレー12を切断した状態で、電圧検出部13が電話回線電圧を検出できなかった場合、TEL端子9に電話回線21が接続され、LINE端子8に電話回線21が接続されていない旨をパネル部5に表示する。
【0027】
S10:S8において、電圧検出部13で電話回線電圧を検出したと判定した制御部2は、LINE端子8に電話回線21が正常に接続されていることを確認したため、スキャナ部6により原稿を読取り、モデム4によりアナログ信号に変調し、パネル部5により入力操作を受付けた送信先へファクシミリ送信する。
なお、S8において、電圧検出部13が電圧を検出できる接続状態は、図4に示すように、LINE端子8に電話回線21が正常に接続され、TEL端子9に電話機22が接続されている場合と、LINE端子8に電話回線21が正常に接続され、TEL端子9に何も接続されていない場合とがあり、どちらの場合も正常と判定される。
【0028】
S11:ファクシミリ送信した制御部2は、パネル部5によりファクシミリ送信が終了した旨を表示する。
S12:制御部2は、NCU3のリレー11を制御して開放し、LINE端子8とモデム4との接続を開放する。
S13:リレー11を開放した制御部2は、NCU3のリレー12を制御して閉結し、LINE端子8とTEL端子9とを接続して本処理を終了する。
このように、S12およびS13において、リレー11を開放し、リレー12を閉結することにより、電話回線21に接続された交換機とファクシミリ装置1との間は、電話回線21を介して直流ループが形成されていない状態となり、交換機はファクシミリ装置1が電話回線を開放しているものと認識する。
【0029】
上述したように、本実施例のファクシミリ装置1は、電話回線21を接続するLINE端子8とファクシミリ通信部としてのモデム4とを接続するリレー11およびLINE端子8と電話機22を接続するTEL端子9とを接続するリレー12を有するNCU3と、電話回線21の回線電圧を検出する電圧検出部13とを備え、リレー11によりLINE端子8とモデム4とを接続したとき、電圧検出部13で電話回線21の所定の回線電圧が検出できなかった場合、電話回線21が正しく接続されていない旨を表示部に表示するようにしたことにより、ファクシミリ装置1に対する電話回線21と電話機22の接続の誤りを利用者に報知することができ、電話回線の接続の誤りによる通信異常の発生を抑制することができる。
また、ファクシミリ通信の開始時に、電圧検出部13で電話回線21の所定の回線電圧を検出するようにしたことにより、ファクシミリ通信の実行に先立ち、ファクシミリ装置1に対する電話回線21の接続の誤りを利用者に報知することができる。
【0030】
以上説明したように、本実施例では、ファクシミリ通信の開始時に、電話回線とモデムとを接続したとき、電圧検出部で電話回線の所定の回線電圧が検出できなかった場合、回線電圧が検出できなかった旨を表示部に表示するようにしたことにより、ファクシミリ通信の実行に先立ち、ファクシミリ装置に対する電話回線と電話機の接続の誤りを検出することができるという効果が得られる。また、電話回線の接続の誤りによる通信異常の発生を抑制することができ、ファクシミリ装置の保守性や完遂性の向上を図ることができるという効果が得られる。
なお、本実施例では、ファクシミリ装置の例で説明したが、それに限られることなく、複合機(MFP)等のファクシミリ通信機能を備えた装置としても良い。
【符号の説明】
【0031】
1 ファクシミリ装置
2 制御部
3 NCU
4 モデム
5 パネル部
6 スキャナ部
7 プリンタ部
8 LINE端子
9 TEL端子
10 オフフック検出部
11、12 リレー
13 電圧検出部
21 電話回線
22 電話機
図1
図2
図3
図4
図5