特許第6333672号(P6333672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333672
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20180521BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20180521BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01L27/04 H
   H01L27/06 311C
   H01L27/06 311A
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-173798(P2014-173798)
(22)【出願日】2014年8月28日
(65)【公開番号】特開2016-48761(P2016-48761A)
(43)【公開日】2016年4月7日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 幸輝
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−207445(JP,A)
【文献】 特開2005−183661(JP,A)
【文献】 特開2009−158711(JP,A)
【文献】 特開2006−128422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成するトランジスタの複数のゲート電極と、
前記トランジスタのソース・ドレインを形成するために各前記ゲート電極と交互に前記ゲート電極の長さ方向に沿って形成される複数のストライプコンタクトとを備え、
ソース・ドレインの一方に基準電位が印加される導電型トランジスタが形成され、
前記導電型トランジスタのソース・ドレインの他方のストライプコンタクトと隣接するゲート電極は、第1のダミーゲート電極として用いられ、
前記第1のダミーゲート電極を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクトを互いに電気的に接続する第1のメタルと、
前記第1のダミーゲート電極の両側に形成されるストライプコンタクトのうち前記導電型トランジスタと反対側に設けられるストライプコンタクトと接続されるパッドとをさらに備える、半導体装置。
【請求項2】
前記パッドに対して、前記導電型トランジスタと並列に接続された集積回路部をさらに備え、
前記導電型トランジスタは、前記パッドに入力された静電気放電電流を流す、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッドは、前記集積回路部の入力および出力の信号の少なくともいずれか一方の信号パッドである、請求項記載の半導体装置。
【請求項4】
前記パッドは、前記集積回路部の電源パッドである、請求項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記導電型トランジスタのソース・ドレインの一方のストライプコンタクトと隣接するゲート電極は、第2のダミーゲート電極としてさらに用いられ、
前記第2のダミーゲート電極を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクトを互いに電気的に接続する第2のメタルをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記導電型トランジスタに隣接する複数個の前記第1のダミーゲート電極が設けられ、
前記メタルは、各前記第1のダミーゲート電極を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクトを互いに電気的に結合し、
前記パッドは、前記第1のダミーゲート電極の両側に形成されるストライプコンタクトのうち前記導電型トランジスタと反対側の端部に設けられるストライプコンタクトと接続される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
隣接する前記ストライプコンタクト間同士の間に設けられる拡散層をさらに備え、
前記ゲート電極は、長さ方向に前記拡散層を跨ぐように形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板上に形成するトランジスタの複数のゲート電極と、
前記トランジスタのソース・ドレインを形成するために各前記ゲート電極と交互に複数形成される複数の導電型拡散層と、
各前記導電型拡散層の直上域に設けられ、前記ゲート電極の長さ方向に沿って形成される複数のストライプコンタクトとを備え、
ソース・ドレインの一方に基準電位が印加される導電型トランジスタが形成され、
前記導電型トランジスタのソース・ドレインの他方のストライプコンタクトと隣接するゲート電極は、ダミーゲート電極として用いられ、
前記ダミーゲート電極の両側に形成される一方のストライプコンタクトと、前記導電型トランジスタのソース・ドレインの他方のストライプコンタクトとを電気的に接続するメタルと、
前記ダミーゲート電極の両側に形成される前記一方のストライプコンタクトと接続される配線と、
パッドと、
前記パッドから前記配線に対して順方向電流を流すように設けられたダイオードとをさらに備える、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関し、特に、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)保護素子を備えた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、半導体装置の高機能化及び高性能化に伴い、I/Oピン(入出力ピン)が数千を超えるような多ピン化の半導体装置が要求されている。このため、一つひとつのI/Oブロックの面積が、半導体装置全体のサイズ及び価格の低減に大きな影響を及ぼすようになってきている。I/Oブロックの面積に占める割合が大きな素子は、静電気放電保護素子(ESD保護素子)及び高駆動力のドライバ素子である。
【0003】
この点で、ESD保護素子の保護耐性(ESD耐性)を強化するために抵抗値を付加する技術が一般的に用いられている。
【0004】
たとえば、特許文献1には、抵抗値としてバラスト抵抗を付加する技術が開示されている。具体的には、STI(Shallow Trench Isolation)により拡散層を分離して、当該分離された拡散層に抵抗成分を設けてバラスト抵抗を作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−183661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、当該技術は、拡散層をバラスト抵抗として作成するものであり、当該バラスト抵抗の作成に特別の工程を要することになり煩雑となる。
【0007】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な方式でESD耐性を強化することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施例によれば、半導体装置は、半導体基板上に形成するトランジスタの複数のゲート電極と、トランジスタのソース・ドレインを形成するために各ゲート電極と交互にゲート電極の長さ方向に沿って形成される複数のストライプコンタクトとを備える。ソース・ドレインの一方に基準電位が印加される導電型トランジスタが形成され、導電型トランジスタのソース・ドレインの他方のストライプコンタクトと隣接するゲート電極は、第1のダミーゲート電極として用いられる。半導体装置は、第1のダミーゲート電極を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクトを互いに電気的に接続するメタルと、第1のダミーゲート電極の両側に形成されるストライプコンタクトのうち導電型トランジスタと反対側に設けられるストライプコンタクトと接続されるパッドとをさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
一実施例によれば、第1のダミーゲート電極を設けて、当該第1のダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成することにより簡易な方式でESD耐性を強化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1のESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
図2】実施形態1に基づくESD保護素子の構造を説明する図である。
図3】実施形態1の変形例に基づくESD保護素子の構造を説明する図である。
図4】実施形態1に基づく半導体集積回路1の全体を説明する図である。
図5】実施形態1に基づくI/Oセル500および電源セル600の回路構成を説明する図である。
図6】実施形態1の変形例に従うESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
図7】バラスト抵抗付加による複数フィンガーの寄生バイポーラの動作を説明する図である。
図8】寄生バイポーラのオン抵抗について説明する図である。
図9】実施形態2のESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
図10】実施形態3のESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0013】
[実施形態1]
図1は、実施形態1のESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
【0014】
図1を参照して、半導体基板22上に設けられたウェル26が形成され、FinFET(が形成される。本例においては、ESD保護素子を形成する場合について説明する。
【0015】
半導体装置は、半導体基板22のウェル26上に形成するトランジスタの複数のゲート電極122,126と、トランジスタのソース・ドレインを形成するために各ゲート電極122,126の長さ方向(Y方向)に沿って形成される複数のストライプコンタクト120,124,128とを含む。また、ゲート電極122およびその両側に設けられたストライプコンタクト120,124で導電型トランジスタが形成される。導電型トランジスタのストライプコンタクト120には、図示しないが基準電位(一例として接地電圧VSS)が印加される。ゲート電極126は、ダミーゲート電極として用いられる。半導体装置は、ダミーゲート電極126を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクト124,128を互いに電気的に接続するメタル140,146と、ストライプコンタクト128と接続されるパッドSPとをさらに含む。
【0016】
ストライプコンタクトは、ゲート電極の長さ方向と同一方向に形成されたソース・ドレインと、上層の金属配線層を接続させるために設けられた金属配線層であり、ゲート電極と同様に立体的に立てた状態となるように形成される。
【0017】
ストライプコンタクト128は、上層の金属配線層を経由してパッドSPと接続される。具体的には、パッドSPは、第2層に形成されるメタル144、第1層に形成されるメタル142および第2層に形成されるメタル144と第1層に形成されるメタル142との間に設けられたビア155と、第1層に形成されるメタル142とストライプコンタクト128との間に設けられたビア154を介してストライプコンタクト128と接続される。
【0018】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル140との間には、ビア150が設けられ、メタル140とストライプコンタクト128との間には、ビア152が設けられる。
【0019】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル146との間には、ビア156が設けられ、メタル146とストライプコンタクト128との間には、ビア158が設けられる。
【0020】
X方向に沿ってストライプコンタクト120,124,128は、ゲート電極122,126と交互に所定間隔毎に形成される。
【0021】
ストライプコンタクト120,124との間には、拡散層(フィン)130,132,134,136が設けられる。ゲート電極122,126は、Y方向に沿って拡散層(フィン)130,132,134,136を跨ぐようにして形成される。
【0022】
当該構成において、パッドSPにESD電流が印加された場合には、パッドSP〜メタル144〜ビア155〜メタル142〜ビア154〜ストライプコンタクト128〜ビア152〜メタル140〜ビア150〜ストライプコンタクト124〜導電型トランジスタ〜接地電圧VSSの電流経路が形成される。
【0023】
導電型トランジスタのESD耐性が弱い場合、パッドSPからのESD電流が流入すると電流集中が発生し、導電型トランジスタ(ESD保護素子)が破壊される可能性がある。
【0024】
FinFETは、チャネル部分を半導体(Si)基板上に立体的に立てて「フィン」構造をとったトランジスタのことである。ゲートが立体のチャネル部分を包み込む構造になっているため、プレーナトランジスタよりもゲートの制御性が良く、オン/オフ特性が向上する。FinFETは構造上、プレーナトランジスタに比べて、チャネル部分で発生した熱がSi基板に逃げにくいためESD耐性が弱くなる傾向がある。
【0025】
したがって、トランジスタがFinFETの場合、ESD破壊のリスクが高まることになる。トランジスタのESD耐性を向上させる方式として、上記したように、拡散層に抵抗成分を付与してバラスト抵抗を付与する方式がある。この点で、拡散層の領域を拡大して付加する方式があるが、FinFETプロセスのような微細プロセスの場合、製造上の制約がある。
【0026】
FinFETのプロセスでは、微細プロセスの製造上の観点から、拡散層上にゲートを等ピッチで配置しなければならない制約があるため、拡散層領域を拡大する方式を採用することができない。
【0027】
本実施形態に従うFinFETプロセスの半導体製品において、特別な工程を必要とすることなく、ゲートのピッチ間隔を等ビッチで保ったまま、バラスト抵抗を付加するレイアウト構造を実現することが可能である。
【0028】
本実施形態においては、ダミーゲート電極を設けて、当該ダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成する。
【0029】
具体的には、メタル142,144と、ビア154,155で形成される抵抗成分と、ストライプコンタクト128で形成される抵抗成分と、ビア150,152とメタル140で形成される抵抗成分とを含むバラスト抵抗が形成される。
【0030】
これにより従来構成の如くSTIにより拡散層を分離して、分離された拡散層に抵抗成分を付与する等の煩雑な工程を要することなく簡易な方式でバラスト抵抗を作成することが可能であり、ESD保護素子の保護耐性を強化することができる。
【0031】
図2は、実施形態1に基づくESD保護素子の構造を説明する図である。
図2(A)は、実施形態1に基づくESD保護素子を上視した図である。
【0032】
図2(A)に示されるように、Y方向に沿ってゲート電極およびストライプコンタクトが配置されるとともに、X方向に沿ってゲート電極122,126と、ストライプコンタクト120,124,128が交互に等ピッチ間隔で配置される場合が示されている。
【0033】
そして、ゲート電極126は、ダミーゲート電極とされ、ストライプコンタクト124とストライプコンタクト128とを電気的に接続するメタル140,146が配置される。
【0034】
なお、本例においては、ストライプコンタクト124とストライプコンタクト128とを電気的に接続するメタル140,146が複数配置される場合について説明するが少なとも1つ設ければよい。
【0035】
図2(B)は、図2(A)におけるP−P#の断面図である。
図2(B)に示されるように、拡散層130,132,134,136を跨ぐようにストライプコンタクト128が形成される。また、メタル142は、ビア154を介してストライプコンタクト128と接続される。また、メタル140は、ビア152を介してストライプコンタクト128と接続される。
【0036】
ESD電流は、メタル142〜ビア154〜ストライプコンタクト128〜ビア152〜メタル140の経路に流れる。
【0037】
図2(C)は、図2(A)におけるQ−Q#の断面図である。
図2(C)に示されるように、ダミーゲート電極126を跨ぐようにメタル140が配置される。ESD電流は、ストライプコンタクト128〜ビア152〜メタル140〜ストライプコンタクト124の経路に流れる。
【0038】
図3は、実施形態1の変形例に基づくESD保護素子の構造を説明する図である。
図3に示されるように、パッドSPに対して並列に複数の経路を設けることも可能である。
【0039】
本例においては、ストライプコンタクト128と接続されるメタル147を設けて、さらに上層の図示しないメタルを介してパッドSPと接続される場合が示されている。
【0040】
当該構成の如く、パッドSPと並列的に接続される経路を複数設けることにより、ESD電流を分散させて各所にかかる負荷を軽減することが可能である。
【0041】
図4は、実施形態1に基づく半導体集積回路1の全体を説明する図である。
図4に示されるように、半導体集積回路1は、外周領域に設けられる周回I/O領域4と、内側領域に配置され、所定の機能を有するASIC(application specific integrated circuit)として構成されるコアロジック領域2と、アナログ回路が形成されるアナログ領域3とを備える。
【0042】
周回I/O領域4は、信号の入出力インターフェイスとなるI/Oセル500と、外部電源の入力を受ける電源セル600とが設けられる。ここでは、電源線VMおよび接地線GMが外周領域に配置される場合が示されている。パッドVPが電源用パッドであり、電源セル600と接続される。パッドSPは、信号用パッドであり、I/Oセル500と接続される。
【0043】
図5は、実施形態1に基づくI/Oセル500および電源セル600の回路構成を説明する図である。
【0044】
図5に示されるようにI/Oセル500は、保護ダイオードD1,D2と、PチャネルMOSトランジスタ502と、NチャネルMOSトランジスタ506,514と、ドライバ504,508と、抵抗503,505,510,512と、内部回路520とを含む。
【0045】
信号パッドSPは、ノードN4と接続される。ノードN4と電源線VMとの間には、保護ダイオードD1が設けられ、アノード側がノードN4と接続され、カソード側が電源線VMと接続される。ここで、信号パッドSPは、入出力用パッドであり、入力信号を受けることが可能であるとともに、出力信号を出力する。
【0046】
ノードN4と接地線GMとの間には、保護ダイオードD2が設けられ、アノード側が接地線GMと接続され、カソード側がノードN4と接続される。抵抗503とPチャネルMOSトランジスタ502は、保護ダイオードD1と並列に設けられ、ノードN4と電源線VMとの間に直列に接続される。PチャネルMOSトランジスタ502は、ドライバ504の信号の入力を受ける。
【0047】
抵抗503とPチャネルMOSトランジスタ502は、保護ダイオードD1と並列に設けられ、ノードN4と電源線VMとの間に直列に接続される。抵抗505とNチャネルMOSトランジスタ506とは、保護ダイオードD2と並列に設けられ、ノードN4と接地線GMとの間に直列に接続される。NチャネルMOSトランジスタ506は、ドライバ508の入力を受ける。
【0048】
抵抗510は、ノードN4とノードN6との間に設けられる。
抵抗512およびNチャネルMOSトランジスタ514は、保護ダイオードD2と並列に設けられ、ノードN6と接地線GMとの間に直列に接続される。NチャネルMOSトランジスタ514のゲートは、接地線GMと接続される。
【0049】
内部回路520は、電源線VMと接地線GMとの間に設けられる。
内部回路520は、ドライバ504,508を駆動する出力論理521と、パッドSPからの抵抗510を介する入力信号を処理する入力回路522と、信号レベルを昇圧/降圧するレベルシフタ523とを含む。
【0050】
出力論理521からの信号に従ってドライバ504,508のいずれか一方が動作する。そして、PチャネルMOSトランジスタ502あるいはNチャネルMOSトランジスタ506が導通して信号パッドSPから信号を出力する。
【0051】
電源セル600は、パワークランプ回路を構成する抵抗602,610と、コンデンサ612と、PチャネルMOSトランジスタ606と、NチャネルMOSトランジスタ604,608とを含む。
【0052】
NチャネルMOSトランジスタ604および抵抗602は、電源線VMと接地線GMとの間に直列に接続される。NチャネルMOSトランジスタ604のゲートはノードN2と接続される。PチャネルMOSトランジスタ606およびNチャネルMOSトランジスタ608は、ノードN2と接続され、電源線VMと接地線GMとの間に直列に接続される。それぞれのゲートは、ノードN0と接続される。抵抗610は、電源線VMとノードN0との間に接続される。コンデンサ612は、ノードN0と接地線GMとの間に接続される。
【0053】
接地線GMとパッドVPとが接続される。パッドVPは、接地電圧VSSと電気的に結合されている場合が示されている。
【0054】
なお、ここでは、電源セル600の一例として、パワークランプ回路の構成について説明したが特にこれに限られず他の回路を構成しても良い。
【0055】
ここで、パッドSPにESD電流が流入(印加)される場合が示されている。当該場合には、本実施形態に従う回路構成において、接地電圧VSSと接続されるパッドVPに対するメインのESD放電経路としては、保護ダイオードD1〜抵抗602〜NチャネルMOSトランジスタ604〜パッドVPの経路で流入されるESD電流が放電される。また、メイン以外のESD放電経路としては、抵抗510〜抵抗512〜NチャネルMOSトランジスタ514〜パッドVPの経路で流入されるESD電流が放電される。また、メイン以外のESD放電経路としては、抵抗505〜NチャネルMOSトランジスタ506〜パッドVPの経路で流入されるESD電流が放電される。
【0056】
本実施形態において、メインのESD放電経路のESD電流を抑制するためにPチャネルMOSトランジスタ502と接続される抵抗503をバラスト抵抗として作成する。また、NチャネルMOSトランジスタ604と接続される抵抗602をバラスト抵抗として作成する。
【0057】
また、メイン以外のESD放電経路のESD電流を抑制するためにNチャネルMOSトランジスタ506と接続される抵抗505をバラスト抵抗として作成する。また、NチャネルMOSトランジスタ514と接続される抵抗512をバラスト抵抗として作成する。
【0058】
当該抵抗503,505,512,602を上記で説明したように、ダミーゲート電極を設けて、当該ダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成することにより簡易な方式でESD耐性を強化することが可能である。
【0059】
なお、トランジスタと抵抗の接続関係を入れ替えるようにしても良い。
[実施形態1の変形例]
上記の実施形態1においては、ESD放電経路のトランジスタのソース側にバラスト抵抗を形成した場合について説明したが、ソース側およびドレイン側の両方に形成することも可能である。
【0060】
本例においては、一例としてNチャネルMOSトランジスタ604のソース側およびドレイン側にともにバラスト抵抗を形成する場合について説明する。
【0061】
図6は、実施形態1の変形例に従うESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
【0062】
図6を参照して、実施形態1の変形例に基づくESD保護素子は、実施形態1のESD保護素子と比較して、ソース側およびドレイン側の両方に抵抗成分を付加する構成が示されている。
【0063】
具体的には、トランジスタの両側にダミーゲート電極を設ける場合が示されている。
半導体装置は、半導体基板22のウェル26上に形成するトランジスタの複数のゲート電極122,125,126と、トランジスタのソース・ドレインを形成するために各ゲート電極122,125,126の長さ方向(Y方向)に沿って形成される複数のストライプコンタクト120,123,124,128とを含む。また、ゲート電極125およびその両側に設けられたストライプコンタクト123,124で導電型トランジスタが形成される。ゲート電極122,126は、ダミーゲート電極として用いられる。
【0064】
半導体装置は、ダミーゲート電極122を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクト120,123を互いに電気的に接続するメタル164,171と、ダミーゲート電極126を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクト124,128を互いに電気的に接続するメタル143,161と、を含む。さらに、半導体装置は、ストライプコンタクト128と接続されるパッドVP#と、ストライプコンタクト120と接続されるパッドVPとをさらに含む。パッドVPは、本例においては、一例として接地電圧VSSと接続される。また、パッドVP#については、本例においては、一例として電源電圧VCCと接続される。
【0065】
ストライプコンタクト128は、上層の金属配線層を経由してパッドVP#と接続される。具体的には、パッドVP#は、第2層に形成されるメタル144、第1層に形成されるメタル142および第2層に形成されるメタル144と第1層に形成されるメタル142との間に設けられたビア155と、第1層に形成されるメタル142とストライプコンタクト128との間に設けられたビア154を介してストライプコンタクト128と接続される。
【0066】
ストライプコンタクト120は、上層の金属配線層を経由してパッドVPと接続される。具体的には、パッドVPは、第2層に形成されるメタル169、第1層に形成されるメタル167および第2層に形成されるメタル169と第1層に形成されるメタル167との間に設けられたビア168と、第1層に形成されるメタル167とストライプコンタクト120との間に設けられたビア166を介してストライプコンタクト120と接続される。
【0067】
ストライプコンタクト123と第1層に形成されるメタル164との間には、ビア163が設けられ、メタル164とストライプコンタクト120との間には、ビア165が設けられる。
【0068】
ストライプコンタクト123と第1層に形成されるメタル171との間には、ビア170が設けられ、メタル171とストライプコンタクト120との間には、ビア172が設けられる。
【0069】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル161との間には、ビア162が設けられ、メタル161とストライプコンタクト128との間には、ビア160が設けられる。
【0070】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル143との間には、ビア153が設けられ、メタル143とストライプコンタクト128との間には、ビア157が設けられる。
【0071】
X方向に沿ってストライプコンタクト120,123,124,128は、ゲート電極122,125,126と交互に所定間隔毎に形成される。
【0072】
ストライプコンタクト120,123,124,128との間には、拡散層(フィン)130,132,134,136が設けられる。ゲート電極122,125,126は、Y方向に沿って拡散層(フィン)130,132,134,136を跨ぐようにして形成される。
【0073】
当該構成において、パッドVP#にESD電流が印加された場合には、パッドVP#〜メタル144〜ビア155〜メタル142〜ビア154〜ストライプコンタクト128〜ビア160〜メタル161〜ビア162〜ストライプコンタクト124〜導電型トランジスタ〜ストライプコンタクト123〜ビア163〜メタル164〜ビア165〜ストライプコンタクト120〜ビア166〜メタル167〜ビア168〜メタル169〜パッドVP(接地電圧VSS)の電流経路が形成される。
【0074】
実施形態1の変形例に従う構成においては、導電型トランジスタのソース側およびドレイン側にそれぞれ設けられたダミーゲート電極を設けて、当該ダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成する。
【0075】
具体的には、導電型トランジスタのソース側(パッドVP#側)においては、メタル161と、ビア160,162で形成される抵抗成分と、ストライプコンタクト128で形成される抵抗成分とを含むバラスト抵抗が形成される。なお、ビア153,157と、メタル143で形成される抵抗成分も形成される。
【0076】
また、導電型トランジスタのドレイン側(パッドVP側)においては、メタル164と、ビア163,165で形成される抵抗成分と、ストライプコンタクト120で形成される抵抗成分とを含むバラスト抵抗が形成される。なお、ビア170,172と、メタル171で形成される抵抗成分も形成される。
【0077】
これにより従来構成の如くSTIにより拡散層を分離して、分離された拡散層に抵抗成分を付与する等の煩雑な工程を要することなく簡易な方式でバラスト抵抗を作成することが可能であり、ESD保護素子の保護耐性を強化することができる。
【0078】
ドレイン側とソース側の両方にバラスト抵抗を形成することで、ドレイン側とソース側のどちら側からのESD電流の流入に対してもESD耐性を強化することが可能である。
【0079】
また、バラスト抵抗を付加し、寄生バイポーラのオン抵抗を増加させることにより、
複数フィンガーの寄生バイポーラを動作させ易くする効果も生じる。
【0080】
図7は、バラスト抵抗付加による複数フィンガーの寄生バイポーラの動作を説明する図である。
【0081】
図7に示されるように、バラスト抵抗が無い場合、オン抵抗が小さいため、一本目の寄生バイポーラの動作後の電圧が寄生バイポーラの動作電圧Vspまで上がらず、二本目の寄生バイポーラが動作する前に電流破壊に至る可能性がある。
【0082】
一方で、バラスト抵抗を付加し、寄生バイポーラのオン抵抗を大きくすると、一本目の寄生バイポーラが破壊する前に、電圧が寄生バイポーラの動作電圧Vspに達して、二本目の寄生バイポーラが動作する。バラスト抵抗値を適正な値にすることで、複数の寄生バイポーラを順次動作させることができ、トランジスタ全体としての放電能力が向上し、ESD耐性を強化することが可能である。
【0083】
図8は、寄生バイポーラのオン抵抗について説明する図である。
図8に示されるように、導電型トランジスタのドレイン側およびソース側の両方にバラスト抵抗を付加することでバラスト抵抗値を実施形態1の場合の2倍にすることが可能である。
【0084】
また、寄生バイポーラのエミッタ電位がベース電位よりもIesd×R2分だけ高くなるため、寄生バイポーラがオフし、電流が流れにくくなり、寄生バイポーラの抵抗を上昇させることが可能である。
【0085】
これらにより、寄生バイポーラのオン抵抗を増加させ、複数フィンガーの寄生バイポーラを動作させやすくすることが可能である。
【0086】
なお、以下の実施形態についても同様に適用可能である。
[実施形態2]
図9は、実施形態2のESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
【0087】
図9を参照して、実施形態2に基づくESD保護素子は、実施形態1のESD保護素子と比較してさらに抵抗成分を付加する構成が示されている。
【0088】
具体的には、複数のダミーゲート電極を設ける場合が示されている。
半導体装置は、半導体基板22のウェル26上に形成するトランジスタの複数のゲート電極122,125,126と、トランジスタのソース・ドレインを形成するために各ゲート電極122,125,126の長さ方向(Y方向)に沿って形成される複数のストライプコンタクト120,123,124,128とを含む。また、ゲート電極122およびその両側に設けられたストライプコンタクト120,123で導電型トランジスタが形成される。導電型トランジスタのストライプコンタクト120には、図示しないが基準電位(一例として接地電圧VSS)が印加される。ゲート電極125,126は、ダミーゲート電極として用いられる。半導体装置は、ダミーゲート電極125を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクト123,124を互いに電気的に接続するメタル140と、ダミーゲート電極126を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクト124,128を互いに電気的に接続するメタル143と、ストライプコンタクト128と接続されるパッドSPとをさらに含む。
【0089】
ストライプコンタクト128は、上層の金属配線層を経由してパッドSPと接続される。具体的には、パッドSPは、第2層に形成されるメタル144、第1層に形成されるメタル142および第2層に形成されるメタル144と第1層に形成されるメタル142との間に設けられたビア155と、第1層に形成されるメタル142とストライプコンタクト128との間に設けられたビア154を介してストライプコンタクト128と接続される。
【0090】
ストライプコンタクト123と第1層に形成されるメタル140との間には、ビア150が設けられ、メタル140とストライプコンタクト124との間には、ビア152が設けられる。
【0091】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル143との間には、ビア153が設けられ、メタル143とストライプコンタクト128との間には、ビア157が設けられる。
【0092】
X方向に沿ってストライプコンタクト120,123,124,128は、ゲート電極122,125,126と交互に所定間隔毎に形成される。
【0093】
ストライプコンタクト120,123,124,128との間には、拡散層(フィン)130,132,134,136が設けられる。ゲート電極122,125,126は、Y方向に沿って拡散層(フィン)130,132,134,136を跨ぐようにして形成される。
【0094】
当該構成において、パッドSPにESD電流が印加された場合には、パッドSP〜メタル144〜ビア155〜メタル142〜ビア154〜ストライプコンタクト128〜ビア157〜メタル144〜ビア153〜ストライプコンタクト124〜ビア152〜メタル140〜ビア150〜ストライプコンタクト123〜導電型トランジスタ〜接地電圧VSSの電流経路が形成される。
【0095】
実施形態2に従う構成においては、複数(2つの)のダミーゲート電極を設けて、当該ダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成する。
【0096】
具体的には、メタル142,144と、ビア154,155で形成される抵抗成分と、ストライプコンタクト128で形成される抵抗成分と、ビア153,157と、メタル143で形成される抵抗成分と、ストライプコンタクト124と、ビア150,152とメタル140で形成される抵抗成分とを含むバラスト抵抗が形成される。
【0097】
これにより従来構成の如くSTIにより拡散層を分離して、分離された拡散層に抵抗成分を付与する等の煩雑な工程を要することなく簡易な方式でバラスト抵抗を作成することが可能であり、ESD保護素子の保護耐性を強化することができる。
【0098】
また、複数のダミーゲート電極を設けて、ストライプコンタクト124,128を抵抗成分として利用することが可能であり、バラスト抵抗の抵抗値を容易に調整することが可能である。
【0099】
なお、本例においては、2つのダミーゲート電極を利用する場合について説明したがこれに限られず、さらに複数のダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成することも可能である。
【0100】
[実施形態3]
図10は、実施形態3のESD保護素子の原理を模式的に説明する図である。
【0101】
図10を参照して、プレーナ型のFETの場合が示されている。当該プレーナ型のFETにおいてもストライプコンタクトを利用することが可能である。
【0102】
半導体基板22上に設けられたウェル26が形成され、ウェル26にソース・ドレインを形成するための拡散領域25,27,29が設けられる。
【0103】
そして、半導体基板22のウェル26上に形成するトランジスタの複数のゲート電極122,126と、トランジスタのソース・ドレインを形成するために各ゲート電極122,126の長さ方向(Y方向)に沿って形成される複数のストライプコンタクト120,124,128とを含む。また、ゲート電極122およびその両側に設けられたストライプコンタクト120,124で導電型トランジスタが形成される。導電型トランジスタのストライプコンタクト120には、図示しないが基準電位(一例として接地電圧VSS)が印加される。ゲート電極122は、ダミーゲート電極として用いられる。半導体装置は、ダミーゲート電極126を跨ぐように両側に形成されるストライプコンタクト124,128を互いに電気的に接続するメタル140,146と、ストライプコンタクト128と接続されるパッドSPとをさらに含む。
【0104】
ストライプコンタクト128は、上層の金属配線層を経由してパッドSPと接続される。具体的には、パッドSPは、第2層に形成されるメタル144、第1層に形成されるメタル142および第2層に形成されるメタル144と第1層に形成されるメタル142との間に設けられたビア155と、第1層に形成されるメタル142とストライプコンタクト128との間に設けられたビア154を介してストライプコンタクト128と接続される。
【0105】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル140との間には、ビア150が設けられ、メタル140とストライプコンタクト128との間には、ビア152が設けられる。
【0106】
ストライプコンタクト124と第1層に形成されるメタル146との間には、ビア156が設けられ、メタル146とストライプコンタクト128との間には、ビア158が設けられる。
【0107】
X方向に沿ってストライプコンタクト120,124,128は、ゲート電極122,126と交互に所定間隔毎に形成される。
【0108】
当該構成において、パッドSPにESD電流が印加された場合には、パッドSP〜メタル144〜ビア155〜メタル142〜ビア154〜ストライプコンタクト128〜ビア152〜メタル140〜ビア150〜ストライプコンタクト124〜導電型トランジスタ〜接地電圧VSSの電流経路が形成される。
【0109】
導電型トランジスタのESD耐性が弱い場合、パッドSPからのESD電流が流入すると電流集中が発生し、導電型トランジスタ(ESD保護素子)が破壊される可能性がある。
【0110】
本実施形態においては、ダミーゲート電極を設けて、当該ダミーゲート電極に隣接するストライプコンタクト等を利用してバラスト抵抗を形成する。
【0111】
具体的には、メタル142,144と、ビア154,155で形成される抵抗成分と、ストライプコンタクト128で形成される抵抗成分と、ビア150,152とメタル140で形成される抵抗成分とを含むバラスト抵抗が形成される。
【0112】
これにより、分離された拡散層に抵抗成分を付与する等の煩雑な工程を要することなく簡易な方式でバラスト抵抗を作成することが可能であり、ESD保護素子の保護耐性を強化することができる。
【0113】
なお、本実施形態はSOI(Silicon ON Insulator)に形成されるものにも適用可能である。
【0114】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0115】
1 半導体集積回路、2 コアロジック領域、3 アナログ領域、4 I/O領域、22 半導体基板、25,27,29 拡散領域、26 ウェル、120,123,124,128 ストライプコンタクト、122,125,126 ゲート電極、504,508 ドライバ、520 内部回路、521 出力論理、522 入力回路、523 レベルシフタ、600 電源セル、612 コンデンサ、D1,D2 保護ダイオード、GM 接地線、SP,VP,VP# パッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10