特許第6333712号(P6333712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333712
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】油圧ショベル
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20180521BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20180521BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20180521BHJP
   F02N 11/08 20060101ALI20180521BHJP
   F02D 29/00 20060101ALI20180521BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20180521BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20180521BHJP
   B60R 25/04 20130101ALI20180521BHJP
【FI】
   E05B49/00 J
   E02F9/00 D
   E02F9/24 J
   F02N11/08 U
   F02D29/00 B
   F02D29/02 K
   B60R25/24
   B60R25/04
【請求項の数】1
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-251891(P2014-251891)
(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公開番号】特開2016-113772(P2016-113772A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2016年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】特許業務法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐太
(72)【発明者】
【氏名】滝下 竜夫
(72)【発明者】
【氏名】湯上 誠之
(72)【発明者】
【氏名】野村 沢哉
(72)【発明者】
【氏名】崎坂 圭佑
【審査官】 鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−132181(JP,A)
【文献】 特開2014−061845(JP,A)
【文献】 特開2005−097860(JP,A)
【文献】 特開2004−116346(JP,A)
【文献】 特開平11−071948(JP,A)
【文献】 特開平08−156715(JP,A)
【文献】 特開2004−243790(JP,A)
【文献】 特開2007−290617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00−9/28
B60R 25/04
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を有する車体と、
前記車体に設けられ動力源となるエンジンと、
前記エンジンによって駆動され作動油を供給する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、
前記運転席の乗降口と対応する位置に設けられ、前記乗降口を開くとともに前記油圧アクチュエータの駆動を禁止する上げ位置と前記乗降口を閉じるとともに前記油圧アクチュエータの駆動を許可する下げ位置とに切換えられるゲートロックレバー
前記ゲートロックレバーに設けられ前記ゲートロックレバーの位置を検出するゲートロックスイッチと、
前記エンジンを始動させるときに操作されるパワースイッチと、
前記車体に設けられ携帯鍵との間で無線による認証を行う無線認証装置と、
前記パワースイッチの操作と前記無線認証装置による認証とに基づいて、前記エンジンの始動を行う車体コントローラとを備え、
前記無線認証装置は、認証可能範囲内に認証要求信号を送信し、当該送信された認証要求信号に基づいて前記携帯鍵から返信された認証信号を受信したときに認証を行う構成とした油圧ショベルにおいて
前記車体コントローラに接続され、前記無線認証装置による認証保持時間を可変に設定する時間設定スイッチと、
前記車体コントローラに接続され、前記無線認証装置が前記携帯鍵の認証が可能な範囲である認証可能範囲を使用環境に応じて可変に設定する範囲設定スイッチと、
前記時間設定スイッチを用いて前記認証保持時間の設定が行われるときに、前記認証保持時間の設定画面が表示されるモニタ装置とを有し、
前記車体コントローラは、前記ゲートロックスイッチから前記上げ位置の検出信号が入力され、かつ、前記無線認証装置から前記携帯鍵の前記認証信号が正当である旨の認証の信号が入力されたときに、前記パワースイッチが操作されると前記エンジンの始動を行い、
前記時間設定スイッチは、前記認証保持時間を予め定められた基本時間として設定されているとともに前記基本時間よりも長いレンタル許可時間またはリース許可時間に可変に設定することを特徴とする油圧ショベル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、無線により携帯鍵(携帯機)との認証を行う無線認証装置を備えた油圧ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械は、オペレータによるキースイッチの操作に基づいて、エンジンの始動、停止が行われる。より具体的には、建設機械のオペレータは、エンジンを始動(起動)するときに、キースイッチのキーシリンダにキー(キープレート)を差し込み、キーを回転させる。この場合、キーのキー溝とキーシリンダ溝とが合致したときに、キーが回転可能になる。
【0003】
オペレータは、キーを、例えば、建設機械の電気機器が非通電でエンジンが停止した「OFF」の位置と、電気機器に通電が行われる「ON」の位置と、エンジンを始動する(エンジンのスタータモータを回転させる)「START」の位置とのいずれかに回転させる(特許文献1)。
【0004】
ここで、建設機械のエンジンの始動は、運転席の近傍に設けられたロックレバーの位置を、油圧アクチュエータの駆動を禁止するロック位置(禁止位置)にした状態で行われる。この状態で、オペレータがキーを「OFF」の位置から「ON」の位置を超えて「START」の位置まで回転させると、エンジンのスタータモータが回転し、エンジンが始動する。このとき、オペレータがキーから手を離すと、キーは、「START」の位置から「ON」の位置に戻り、エンジンが駆動した状態で電気機器に通電が行われる「エンジン駆動・通電ON」となる。
【0005】
一方、キーを「OFF」の位置から「ON」の位置に回転させると、エンジンが停止したまま電気機器に通電が行われる「エンジン停止・通電ON」となる。さらに、キーを「ON」の位置から「OFF」の位置に回転させると、電気機器が非通電となり、このとき、エンジンが駆動していれば、エンジンは停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−155564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来技術によれば、エンジンを始動させるときは、ロックレバーをロック位置にすることに加えて、キーをキーシリンダに差し込んで「START」の位置まで回転させる必要がある。このキー操作は、例えば、可及的速やかに建設機械を動かしたいと考えているオペレータに対して煩わしさを与えるおそれがある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、エンジンの始動操作を簡素化できる油圧ショベルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の油圧ショベルは、運転席を有する車体と、前記車体に設けられ動力源となるエンジンと、前記エンジンによって駆動され作動油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、前記運転席の乗降口と対応する位置に設けられ、前記乗降口を開くとともに前記油圧アクチュエータの駆動を禁止する上げ位置と前記乗降口を閉じるとともに前記油圧アクチュエータの駆動を許可する下げ位置とに切換えられるゲートロックレバー、前記ゲートロックレバーに設けられ前記ゲートロックレバーの位置を検出するゲートロックスイッチと、前記エンジンを始動させるときに操作されるパワースイッチと、前記車体に設けられ携帯鍵との間で無線による認証を行う無線認証装置と、前記パワースイッチの操作と前記無線認証装置による認証とに基づいて、前記エンジンの始動を行う車体コントローラとを備え、前記無線認証装置は、認証可能範囲内に認証要求信号を送信し、当該送信された認証要求信号に基づいて前記携帯鍵から返信された認証信号を受信したときに認証を行う構成としている。
【0010】
そして、上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、前記車体コントローラに接続され、前記無線認証装置による認証保持時間を可変に設定する時間設定スイッチと、前記車体コントローラに接続され、前記無線認証装置が前記携帯鍵の認証が可能な範囲である認証可能範囲を使用環境に応じて可変に設定する範囲設定スイッチと、前記時間設定スイッチを用いて前記認証保持時間の設定が行われるときに、前記認証保持時間の設定画面が表示されるモニタ装置とを有し、前記車体コントローラは、前記ゲートロックスイッチから前記上げ位置の検出信号が入力され、かつ、前記無線認証装置から前記携帯鍵の前記認証信号が正当である旨の認証の信号が入力されたときに、前記パワースイッチが操作されると前記エンジンの始動を行い、前記時間設定スイッチは、前記認証保持時間を予め定められた基本時間として設定されているとともに前記基本時間よりも長いレンタル許可時間またはリース許可時間に可変に設定することにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の油圧ショベルによれば、エンジンの始動操作を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。
図2図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。
図3】油圧ショベルの回路構成図である。
図4】オペレータが所持する携帯鍵と油圧ショベル側の送信アンテナおよび受信アンテナとの送信、受信の関係を示す説明図である。
図5図3中の車体コントローラによるエンジンの始動処理を示す流れ図である。
図6】認証保持時間の設定処理を示す流れ図である。
図7】認証範囲の設定処理を示す流れ図である。
図8】認証保持時間の設定の一例を一覧表として示す説明図である。
図9】認証範囲の設定の一例を一覧表として示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る油圧ショベルの実施の形態を、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1において、油圧ショベル1は、狭い作業現場での作業に適したミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルである。油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体4と、該上部旋回体4の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置5とを含んで構成されている。油圧ショベル1は、作業装置5を用いて土砂の掘削作業等を行う。
【0015】
ここで、下部走行体2は、トラックフレーム2Aと、該トラックフレーム2Aの左,右両側に設けられた駆動輪2Bと、トラックフレーム2Aの左,右両側で駆動輪2Bと前,後方向の反対側に設けられた遊動輪2Cと、駆動輪2Bと遊動輪2Cに巻回された履帯2D(いずれも左側のみ図示)とにより構成されている。左,右の駆動輪2Bは、それぞれが油圧アクチュエータとしての左,右の走行油圧モータ(図示せず)によって回転駆動される。
【0016】
作業装置5は、例えばスイングポスト式の作業装置として構成されている。作業装置5は、スイングポスト5A、ブーム5B、アーム5C、および、作業具としてのバケット5Dを備えている。これに加え、作業装置5は、スイングポスト5A(延いては作業装置5全体)を左,右に揺動するスイングシリンダ(図示せず)、ブーム5Bを回動するブームシリンダ5E、アーム5Cを回動するアームシリンダ5F、および、バケット5Dを回動(作動)する作業具シリンダとしてのバケットシリンダ5Gを備えている。これらスイングシリンダ、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5Gは、それぞれ圧油によって駆動(作動)する油圧アクチュエータとなるものである。
【0017】
一方、上部旋回体4は、油圧アクチュエータとしての旋回油圧モータ、減速機構、旋回軸受等を含んで構成された旋回装置3を介して下部走行体2に取付けられている。上部旋回体4は、旋回装置3(の旋回油圧モータ)によって下部走行体2に対して旋回駆動する。ここで、上部旋回体4は、後述の旋回フレーム6、外装カバー7、キャブ8、カウンタウエイト14を含んで構成されている。
【0018】
旋回フレーム6は、上部旋回体4の支持構造体を形成するフレームとなるもので、該旋回フレーム6は、旋回装置3を介して下部走行体2上に取付けられている。旋回フレーム6には、その後部側に後述のカウンタウエイト14、エンジン15が設けられ、左前側には後述のキャブ8が設けられ、右前側には燃料タンク(図示せず)が設けられている。旋回フレーム6には、キャブ8の右側から後側および左,右の側面側にわたって外装カバー7が設けられている。外装カバー7は、旋回フレーム6、キャブ8およびカウンタウエイト14と共に、エンジン15、油圧ポンプ17、熱交換器(図示せず)等を収容する空間(エンジンルーム)を画成するものである。
【0019】
キャブ8は、旋回フレーム6の左前側に搭載され、該キャブ8は、オペレータ(運転者)が搭乗する運転室を内部に画成している。キャブ8の内部には、オペレータが着席(着座)する運転席9が設けられている。運転席9の左,右両側には、作業装置5等を操作するための作業用の操作レバー10が設けられている。また、運転席9の前方には、下部走行体2を走行させるときに手動操作または足踏み操作によって操作する走行用の操作レバー・ペダル11が設けられている。
【0020】
運転席9の近傍、より具体的には、運転席9の右側で右操作レバー10の後側には、パワースイッチ12が設けられている。パワースイッチ12は、エンジン15を始動させるスイッチとなるもので、例えば、プッシュ式スイッチにより構成され、オペレータによって操作される(押される)。図3に示すように、パワースイッチ12は、後述の車体コントローラ39に接続され、オペレータにより操作される(押される)と、その旨の信号(ON信号)を車体コントローラ39に出力する。オペレータは、運転席9に着席し、パワースイッチ12を操作する(押す)ことにより、後述のエンジン15の始動、停止等を行うことができる。
【0021】
一方、左側の作業操作レバー10の下側で、キャブ8の乗降口と対応する位置には、後述するパイロットカットソレノイドバルブ31等とともにロック装置を構成するロックレバー(ゲートロックレバー)13が設けられている。ロックレバー13は、キャブ8の乗降口を遮断する乗降規制位置(以下、ロック解除位置という)と、乗降口を開く乗降許可位置(以下、ロック位置という)との間で回動変位するものである。ここで、乗降口を遮断するロック解除位置は、ロックレバー13を下げた状態に対応し、乗降口を開くロック位置は、ロックレバー13を上げた状態に対応する。図1では、下げた状態(ロック解除位置)のロックレバー13を示している。
【0022】
ロックレバー13は、オペレータの操作により、ロック位置(上げ位置)とロック解除位置(下げ位置)とに切換えられる。この場合、ロックレバー13をロック位置としたときには、油圧ショベル1の油圧アクチュエータ、即ち、各シリンダ5E,5F,5G、走行油圧モータ、旋回油圧モータ等の各種の油圧アクチュエータの駆動が禁止される。これに対し、ロックレバー13をロック解除位置としたときには、油圧アクチュエータの駆動が許可される。
【0023】
ここで、ロックレバー13には、ロックスイッチ13A(図3参照)が設けられている。ロックスイッチ13Aは、ロックレバー13の位置を検出するものである。図3に示すように、ロックスイッチ13Aは、後述の車体コントローラ39に接続されている。車体コントローラ39は、ロックスイッチ13Aの検出信号(ON・OFF信号)に基づいて、ロックレバー13がロック位置であるかロック解除位置であるかを判定することができる。
【0024】
さらに、図3に示すように、車体コントローラ39は、後述のパイロットカットリレー33に接続されている。この場合、後述のバッテリ21とパイロットカットソレノイドバルブ31は、パイロットカットリレー33を介して接続されている。これらパイロットカットリレー33、パイロットカットソレノイドバルブ31、車体コントローラ39は、ロックレバー13、ロックスイッチ13Aと共に、ロック装置を構成している。
【0025】
ロックレバー13をロック位置にすると、図示しないコントロールバルブ(制御弁装置)を切換える(スプールを変位させる)ためのパイロット圧(切換信号)が遮断され、例えば、コントロールバルブが中立状態に維持される。より具体的には、車体コントローラ39は、ロックスイッチ13Aによりロックレバー13がロック位置であると判定すると、パイロットカットリレー33をOFF(開)にし、パイロットカットソレノイドバルブ31を遮断(閉)状態とする。これにより、油圧ポンプ17から吐出する圧油は、油圧アクチュエータに供給されることなく作動油タンク(図示せず)に戻り、油圧アクチュエータの駆動が禁止される。
【0026】
一方、ロックレバー13をロック解除位置にすると、作業用の操作レバー10、走行用の操作レバー・ペダル11を介してパイロット圧をコントロールバルブに供給できる状態となる。より具体的には、車体コントローラ39は、ロックスイッチ13Aによりロックレバー13がロック解除位置であると判定すると、パイロットカットリレー33をON(閉)にし、バッテリ21からの電力の供給(給電)に基づいてパイロットカットソレノイドバルブ31を導通(開)状態とする。この場合は、オペレータによる操作レバー10、走行用の操作レバー・ペダル11の操作に基づいて、コントロールバルブが切換わり(スプールが変位し)、油圧アクチュエータの駆動が許可される。このように、油圧ショベル1は、ロックレバー13をロック解除位置に切換えた状態で、油圧アクチュエータの駆動により作業を行うものである。
【0027】
カウンタウエイト14は、作業装置5との重量バランスをとるものである。カウンタウエイト14は、後述するエンジン15の後側に位置して旋回フレーム6の後端部に取付けられている。カウンタウエイト14の後面側は、円弧状をなして形成され、カウンタウエイト14を下部走行体2の車体幅内に収まる構成となっている。
【0028】
エンジン15は、上部旋回体4(車体)に設けられている。具体的には、エンジン15は、上部旋回体4を構成する旋回フレーム6の後側に、横置き状態で配置されている。エンジン15は、例えば小型のディーゼルエンジンを用いて構成され、後述の油圧ポンプ17の動力源(駆動源)となるものである。ここで、エンジン15は、電子制御式エンジンにより構成され、例えば、燃料の供給量が電子制御噴射弁(インジェクタ―)等の燃料噴射装置により可変に制御される。即ち、燃料噴射装置は、後述のエンジンコントロールユニット(ECU)34(図3参照)から出力される制御信号に基づいて、エンジン15のシリンダ(図示せず)内に噴射する燃料の噴射量(燃料噴射量)を可変に制御する。
【0029】
エンジン15には、エンジン15の電装品(補機)、即ち、エンジン15の電気機器となるスタータモータ16(図3参照)が設けられている。図3に示すように、スタータモータ16は、後述のスタータリレー23等を介してバッテリ21に接続されている。スタータモータ16は、エンジン15を始動するときに、エンジン15のクランク軸を回転するものである。即ち、スタータリレー23がON(閉)になると、バッテリ21からの電力の供給(給電)に基づいてスタータモータ16が回転し、エンジン15を始動することができる。エンジン15が始動すると、スタータリレー23がOFF(開)になり、スタータモータ16は停止する。
【0030】
油圧ポンプ17は、エンジン15の左側に取付けられている。油圧ポンプ17は、作動油タンク(図示せず)と共に油圧源を構成する。即ち、油圧ポンプ17は、エンジン15によって駆動されることにより作動油タンクから作動油を吸入し、吸入した作動油を圧油として図示しないコントロールバルブに向けて供給(吐出)する。油圧ポンプ17は、例えば可変容量型の斜板式、斜軸式またはラジアルピストン式油圧ポンプによって構成されている。なお、油圧ポンプ17は、必ずしも可変容量型の油圧ポンプに限らず、例えば固定容量型の油圧ポンプを用いて構成してもよい。
【0031】
一方、コントロールバルブは、作業用の操作レバー10、走行用の操作レバー・ペダル11の操作に基づいて、油圧ポンプ17から吐出した圧油を各シリンダ5E,5F,5G、走行油圧モータ、旋回油圧モータ等の各種の油圧アクチュエータに選択的に給排(供給または排出)する。油圧アクチュエータは、油圧ポンプ17からコントロールバルブを介して供給される圧油によって駆動される。
【0032】
次に、油圧ショベル1の電気回路の構成について、図3を参照しつつ説明する。
【0033】
図3において、バッテリ21は、エンジン15を含む電気機器の電源となるものである。より具体的には、バッテリ21は、エンジン15を駆動(運転)するための電気機器、例えば、エンジン15に設けられたスタータモータ16、燃料噴射装置(インジェクタ)、各種センサ、さらには、エンジンコントロールユニット34(以下、ECU34という)等の電源となるものである。これに加えて、バッテリ21は、油圧ショベル1に搭載された各種の電気機器、例えば、第1の電装品27、第2の電装品30、モニタ装置38、車体コントローラ39、認証用コントローラ45等の電源となるものである。
【0034】
ここで、スタータモータ16は、バッテリ21に対し、スローブローヒューズ(S.B.F)22(以下、SBヒューズ22という)、スタータリレー23を介して接続され、スタータ回路を構成している。スタータリレー23は、バッテリ21に対し、SBヒューズ22、Cヒューズ24、Cリレー25、ヒューズボックス26内のCヒューズ26Aを介して接続され、Cリレー回路を構成している。
【0035】
Cリレー25は、後述の車体コントローラ39によってON(閉)とOFF(開)が切換わる。この場合、Cリレー25がON(閉)になると、ECU34とスタータリレー23に電流が流れる。これにより、ECU34は、スタータリレー23をON(閉)にし、スタータモータ16とバッテリ21とが通電(接続)状態となる。この結果、スタータモータ16が回転し、エンジン15を始動することができる。
【0036】
第1の電装品(アクセサリ電装品、ACC電装品)27は、バッテリ21に対し、SBヒューズ22、アクセサリヒューズ28(以下、ACCヒューズ28という)、アクセサリリレー29(以下、ACCリレー29という)、ヒューズボックス26内のACCヒューズ26Bを介して接続され、アクセサリ回路(ACC回路)を構成している。第1の電装品27は、車体コントローラ39に接続されたACCリレー29がON(閉)のときに、バッテリ21と通電(接続)する電気機器に対応するものである。
【0037】
第1の電装品27は、車体コントローラ39に接続されたACCリレー29がOFF(開)のときは、バッテリ21と非通電(非接続)となる。第1の電装品27としては、例えば、モニタ装置38の一部、コントローラの一部(例えば、車体コントローラ39および認証用コントローラ45以外のコントローラ)、空調装置(エアコン)、ワイパ、各種のソレノイドバルブ等が挙げられる。また、第1の電装品27は、エンジン15の駆動に必要な電気機器、例えば、エンジン15の燃料噴射装置(インジェクタ)等も含むものである。
【0038】
一方、第2の電装品(バッテリ直結電装品、B電装品)30は、バッテリ21に対し、SBヒューズ22、ヒューズボックス26内のBヒューズ26Cを介して接続されている。第2の電装品30は、車体コントローラ39に接続されたCリレー25、ACCリレー29、後述のパイロットカットリレー33のON(閉)/OFF(開)に関係なく、バッテリ21と(常時)接続した電気機器に対応するものである。第2の電装品30としては、例えば、モニタ装置38の一部、コントローラの一部(例えば、車体コントローラ39および認証用コントローラ45を含む)、ホーン、ライト等が挙げられる。
【0039】
パイロットカットソレノイドバルブ31は、例えば、図示しないパイロットポンプとコントロールバルブとの間に設けられ、該コントロールバルブに対するパイロット圧の供給の許可と禁止、即ち、パイロット圧油の導通(開)と遮断(閉)とを切換えるものである。パイロットカットソレノイドバルブ31は、バッテリ21に対し、SBヒューズ22、パイロットカットヒューズ32、パイロットカットリレー33、ヒューズボックス26内のPCヒューズ26Dを介して接続されている。ここで、パイロットカットリレー33は、車体コントローラ39と接続され、該車体コントローラ39は、ロックレバー13の位置に対応するロックスイッチ13Aの信号に応じて、パイロットカットリレー33のON(閉)/OFF(開)を切換える。
【0040】
パイロットカットリレー33がON(閉)のときは、パイロットカットソレノイドバルブ31とバッテリ21とが通電(接続)し、パイロットカットソレノイドバルブ31が導通(開)状態となる。これにより、作業用の操作レバー10、走行用の操作レバー・ペダル11を介してパイロット圧をコントロールバルブに供給できる状態となり、油圧アクチュエータ(スイングシリンダ、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5G、旋回油圧モータ、走行油圧モータ)の駆動が許可される。一方、パイロットカットリレー33がOFF(開)のときは、パイロットカットソレノイドバルブ31とバッテリ21とが非通電(非接続)となり、パイロットカットソレノイドバルブ31が遮断(閉)状態となる。この場合は、コントロールバルブにパイロット圧を供給できない状態となり、油圧アクチュエータの駆動が禁止される。
【0041】
ECU34は、エンジン15の制御(回転数制御等)を行う制御装置であり、例えば、マイクロコンピュータ等により構成されている。ECU34は、エンジン15に設けられた各種センサおよび燃料噴射装置(インジェクタ)と接続されている。ECU34は、例えば、エンジン15のシリンダ内への燃料噴射量(燃料供給量)を可変に制御することにより、オペレータの運転操作や車両の作動状態等に応じた回転数でエンジン15を作動させる。この場合、ECU34は、例えば、オペレータが操作するエンジン回転数指示ダイヤルの指令、車体コントローラ39からの指令等に基づいて、燃料噴射装置の燃料噴射量の制御を行う。
【0042】
ここで、ECU34は、バッテリ21に対し、SBヒューズ22、ヒューズボックス26内のECUヒューズ26E、メインリレー35を介して接続されている。また、ECU34は、スタータリレー23、オルタネータ37、ACCリレー29と接続されている。メインリレー35は、ECU34によってON(閉)/OFF(開)が切換えられる。即ち、ACCリレー29がON(閉)になると、ECU34にACCリレー29から電流が流れ、ECU34は、メインリレー35をON(閉)にする。これにより、ECU34がバッテリ21と通電(接続)状態となる。さらに、ECU34は、モニタ装置38、車体コントローラ39、認証用コントローラ45等と通信線36を介して相互に接続され、CAN(Control Area Network)を構成している。
【0043】
オルタネータ37は、エンジン15によって駆動されることにより発電を行うものである。オルタネータ37は、バッテリ21の蓄電(充電)に加えて、第1の電装品27、第2の電装品30、ECU34、モニタ装置38、車体コントローラ39、認証用コントローラ45等に対する給電を行う。ここで、オルタネータ37は、B端子がSBヒューズ22を介してバッテリ21に接続され、P端子およびI端子がECU34に接続され、L端子がモニタ装置38に接続されている。
【0044】
モニタ装置38は、例えば油圧ショベル1のキャブ8内に設けられ、油圧ショベル1を操縦するオペレータに対し、油圧ショベル1の運転状況等を報知するものである。より具体的には、モニタ装置38は、エンジン回転数、燃料残量、オイル残量等の各種状態量、エンジン15、油圧機器等を含む各種機器の不調情報、警告情報等、オペレータに報知すべき情報を表示するものである。さらに、後述するように、モニタ装置38には、無線認証装置42の認証保持時間、認証範囲、および、これらを設定するときの設定画面等が表示される。
【0045】
車体コントローラ39は、モニタ装置38、ECU34、認証用コントローラ45を統合的に管理する制御装置(コントローラ、コントロールユニット)であり、例えば、マイクロコンピュータ等を含んで構成されている。ここで、車体コントローラ39は、後述の無線認証装置42が行う携帯鍵(携帯機)41との無線による認証とオペレータによるパワースイッチ12の操作とに基づいて、バッテリ21と電気機器との間の通電(接続)、非通電(非接続)を切換えるものである。
【0046】
即ち、車体コントローラ39は、無線認証装置42の認証とパワースイッチ12の操作とに基づいて、バッテリ21と第1の電装品27との間の通電(接続)、非通電(非接続)、および、バッテリ21とスタータモータ16との間の通電(接続)、非通電(非接続)を切換えるものである。換言すれば、車体コントローラ39は、無線認証装置42による認証の結果(認証された状態であるか未認証の状態であるか)とパワースイッチ12の操作の有無とに基づいて、エンジン15の始動を許可または禁止するものである。
【0047】
次に、無線による認証を行う携帯鍵41および無線認証装置42について説明する。
【0048】
認証鍵(認証機)としての携帯鍵(Key Fob)41は、例えば油圧ショベル1の運転(操縦)を行うオペレータ、作業現場の現場監督、油圧ショベル1の所有者等の管理者が所持(携帯)するものである。携帯鍵41は、無線認証装置42の認証用コントローラ45からLF送信アンテナ43を通じて送信されるリクエスト信号(認証要求信号)を受信すると、認証用コントローラ45に対して認証用のIDコード(認証信号、認証番号)を送信(発信、返信)するものである。
【0049】
このために、携帯鍵41は、例えば、リクエスト信号を受信する受信器、IDコードを認証用コントローラ45(のRF受信アンテナ44)に送信する送信器、これらを制御するマイクロコンピュータ、これらに電力を供給する電池、IDコードが設定されたトランスポンダ等(いずれも図示せず)を備えている。なお、トランスポンダは、携帯鍵41の電池が切れたときに、車体に設けられたトランスポンダ用のアンテナ(図示せず)に近付けて、IDコードの照合(認証)を行うものである。
【0050】
図4に示すように、携帯鍵41は、認証用コントローラ45に接続されたLF送信アンテナ43の送信範囲内(LF帯)に入ると、LF送信アンテナ43から送信されるリクエスト信号(認証要求信号)を受信器で受信する。携帯鍵41は、この受信に基づいて、携帯鍵41に設定された認証用のIDコードを、送信器を通じて送信(返信)する。
【0051】
一方、車体側となる上部旋回体4(例えば、キャブ8内)には、無線認証装置42が設けられている。無線認証装置42は、携帯鍵41との間で無線による認証を行うものである。この場合、無線認証装置42は、認証可能範囲(認証範囲、認証領域)内にリクエスト信号(認証要求信号)を送信し、当該送信されたリクエスト信号に基づいて携帯鍵41から返信された認証用のIDコード(認証信号)を受信したときに認証を行う。ここで、無線認証装置42は、送信アンテナとしてのLF送信アンテナ43と、受信アンテナとしてのRF受信アンテナ44と、認証用コントローラ45とを含んで構成されている。
【0052】
LF送信アンテナ43は、認証用コントローラ45に接続され、携帯鍵41に対し認証用のIDコード(認証信号)を送信する旨のリクエスト信号(認証要求信号)を、所定の制御周期(例えば、0.5秒周期)で常時送信(発信)するものである。RF受信アンテナ44は、認証用コントローラ45に接続され、携帯鍵41から送信(返信)されたIDコードを受信するものである。
【0053】
図4に示すように、LF送信アンテナ43の送信範囲(LF帯)は、RF受信アンテナ44の受信範囲(RF帯)よりも小さくなっている。LF送信アンテナ43の送信範囲(LF帯)は、例えば運転席9を中心とする直径1m程度であり、RF受信アンテナ44の受信範囲(RF帯)は、例えば運転席9を中心とする直径10m程度である。後述するように、LF送信アンテナ43の送信範囲(認証範囲、認証可能範囲、認証領域)は、範囲設定スイッチ48により、例えば運転席9を中心とする直径1m〜10m程度の範囲で可変に設定することができる。
【0054】
認証用コントローラ45は、マイクロコンピュータにより構成され、車体コントローラ39と通信線36および該通信線36とは別の通信線となるアナログ信号線46を介して接続されている。認証用コントローラ45は、無線による携帯鍵41の認証を行う制御装置(コントローラ、コントロールユニット)となるものである。即ち、認証用コントローラ45は、LF送信アンテナ43を通じて認証可能範囲にリクエスト信号を所定の制御周期(例えば、0.5秒周期)で送信する。これに加えて、認証用コントローラ45は、RF受信アンテナ44を通じて受信した携帯鍵41からのIDコードが、正当なIDコードであるか否か、即ち、認証用コントローラ45に予め設定されたエンジン15の始動を許可されたIDコードである否かを認証(判定)する。認証用コントローラ45は、認証結果(判定結果)を所定の制御周期(例えば、0.5秒周期)で常時車体コントローラ39に出力する。
【0055】
例えば、認証用コントローラ45は、RF受信アンテナ44を通じて携帯鍵41から正当なIDコードを受信したときは、正認証と判定する。この場合は、認証用コントローラ45は、LF送信アンテナ43の送信範囲(図4のLF帯)内に正当なIDコードを送信する携帯鍵41が存在する旨(正認証:携帯鍵41が認証可能範囲内にある旨)を、車体コントローラ39に(例えば、通信線36を介して)出力する。一方、認証用コントローラ45は、正当なIDコードを受信していないとき(正当でないIDコードを受信したときも含む)は、未認証と判定する。この場合は、認証用コントローラ45は、LF送信アンテナ43の送信範囲内に正当なIDコードを送信する携帯鍵41がない旨(未認証:携帯鍵41が認証可能範囲内にない旨)を、車体コントローラ39に(例えば、通信線36を介して)出力する。
【0056】
ここで、実施の形態では、認証用コントローラ45は、携帯鍵41から返信された正当なIDコードを受信した後は、所定の認証保持時間の間は認証状態を保持する構成としている。即ち、認証用コントローラ45は、携帯鍵41から正当なIDコードを受信したときは、その後、所定の保持時間の間は、正当なIDコードを受信しなくても、正認証の状態を保持する(車体コントローラ39に対して正認証を出力し続ける)。この場合、認証保持時間は、油圧ショベル1の管理者(オペレータ、作業現場の現場監督、所有者等)により可変に設定することができる。このために、車体コントローラ39には、無線認証装置42(認証用コントローラ45)の認証保持時間を可変に設定できる時間設定手段としての時間設定スイッチ47が接続されている。認証保持時間の設定は、例えば、時間設定スイッチ47により、モニタ装置38に認証保持時間設定画面を表示させ、この画面に表示される認証保持時間(例えば、秒、分、時間、日)を増減することにより行うことができる。
【0057】
例えば、図8に示すように、管理者により設定が行われない場合は、認証保持時間は、基本時間となる10秒〜30秒(短時間)に設定される。この場合は、例えば外乱による電波障害等に基づいて、携帯鍵41と無線認証装置42との間でIDコードの送受信が一時的に行えなくなったとしても(通信環境が切れたとしても)正常に復帰すると想定できる時間として設定されるものである。即ち、基本時間は、通信環境が正常に復帰するまでの待機時間として予め設定されている。
【0058】
一方、油圧ショベル1の作業現場の現場監督であれば、認証保持時間を、例えば2〜3時間(長時間)として設定することができる。この場合は、現場監督が携帯鍵41を所持したまま打合せ等により油圧ショベル1から離れても、この間、オペレータは、作業現場で油圧ショベル1のエンジン15の始動を行うことができる。さらに、油圧ショベル1のレンタル業者、リース業者であれば、認証保持時間、即ち、油圧ショベル1のエンジン15の始動を行うことができる時間を、レンタル許可期間、リース許可期間(長期間)として設定することもできる。
【0059】
さらに、実施の形態では、認証用コントローラ45は、LF送信アンテナ43を介して所定の認証範囲にわたってリクエスト信号を送信する。この場合、この認証範囲(LF送信アンテナ43の送信範囲)は、油圧ショベル1の管理者により可変に設定することができる。このために、車体コントローラ39には、無線認証装置42(LF送信アンテナ43)の認証範囲(出力)を可変に設定できる範囲設定手段としての範囲設定スイッチ48が接続されている。認証範囲の設定は、例えば、範囲設定スイッチ48により、モニタ装置38に認証範囲設定画面を表示させ、この画面に表示される認証範囲(例えば運転席9を中心とする直径)を拡大・縮小(増減)することにより行うことができる。この場合、認証範囲の拡大・縮小は、例えば、LF送信アンテナ43の電波の強さ(出力)を変更することにより行うことができる。
【0060】
例えば、図9に示すように、管理者により設定が行われない場合は、認証範囲は、基本範囲、例えば、運転席9を中心とする直径2m程度の範囲となる。この場合は、携帯鍵41を所持した人がキャブ8内に入らないと、エンジン15を始動させることはできない。一方、油圧ショベル1の使用環境、作業環境等に応じて、認証範囲を、運転席9を中心とする直径5m程度の範囲、または、直径10m程度の範囲とすることもできる。この場合は、油圧ショベル1から離れた事務所内等の所定の場所に携帯鍵41を置いておけば、携帯鍵41を所持しない人(例えば、複数のオペレータ)がエンジン15を始動させることができる。
【0061】
車体コントローラ39は、認証用コントローラ45の認証結果とパワースイッチ12の操作の有無とに基づいて、ACCリレー29のON(閉)/OFF(開)、Cリレー25のON(閉)/OFF(開)を行うものである。このために、車体コントローラ39は、例えばマイクロコンピュータ等を含んで構成され、認証用コントローラ45、パワースイッチ12、ロックスイッチ13A、ACCリレー29、Cリレー25等に接続されている。さらに、車体コントローラ39には、時間設定スイッチ47、および、範囲設定スイッチ48が接続されている。車体コントローラ39は、ROM,RAM等からなる記憶部(図示せず)を有し、この記憶部には、後述の図5に示すエンジン15を始動するときの処理プログラム、図6に示す認証保持時間の設定処理プログラム、図7に示す認証範囲の設定処理プログラム等が格納(記憶)されている。
【0062】
車体コントローラ39は、認証用コントローラ45の認証結果(正認証であるか未認証であるか)、パワースイッチ12が操作されたか否か、ロックスイッチ13Aによるロックレバー13の位置(ロック位置であるかロック解除位置であるか)等に基づいて、ACCリレー29のON/OFFとCリレー25のON/OFFを切換える。
【0063】
ここで、車体コントローラ39は、ACCリレー29をOFFにすると共にCリレー25をOFFにすると、エンジン15が停止しており電気機器(第1の電装品27およびスタータモータ16)が非通電(非接続)の状態、即ち、「エンジン停止・通電OFF」にすることができる。
【0064】
車体コントローラ39は、「エンジン停止・通電OFF」の状態から、ACCリレー29をONにすると共にCリレー25をONにし、その後(エンジン15の駆動後)、Cリレー25をOFFにすると、エンジン15が駆動しており電気機器(第1の電装品27)が通電(接続)の状態、即ち、「エンジン駆動・通電ON」にすることができる。
【0065】
一方、車体コントローラ39は、「エンジン停止・通電OFF」の状態から、ACCリレー29のみをONにすると、エンジン15が停止しており電気機器(第1の電装品27)が通電(接続)の状態、即ち、「エンジン停止・通電ON」にすることができる。
【0066】
ここで、車体コントローラ39は、「エンジン停止・通電OFF」の場合は、携帯鍵41が認証可能範囲(LF帯)内にあり、ロックレバー13がロック位置(上げ位置)にあり、かつ、パワースイッチ12が操作されたときに、「エンジン停止・通電OFF」から「エンジン駆動・通電ON」へ切換える。即ち、車体コントローラ39は、ロックレバー13がロック位置に切換えられ、かつ、無線認証装置42が携帯鍵41による認証を行ったときに、その認証結果が正認証であると、パワースイッチ12によるエンジン15の始動を許可する。この状態で、パワースイッチ12が操作されると、車体コントローラ39は、Cリレー25をONにし、ECU34にエンジン始動信号を伝え、エンジン15を始動する。このように、ロックレバー13がロック位置であり、かつ、携帯鍵41が認証可能範囲内にあれば、オペレータは、パワースイッチ12を操作するだけで、エンジン15を始動することができる。
【0067】
さらに、車体コントローラ39は、認証状態(正認証の状態)が保持される認証保持時間内であれば、携帯鍵41が認証可能範囲内になくても、ロックレバー13がロック位置であることを条件として、パワースイッチ12によるエンジン15の始動を許可する。なお、車体コントローラ39により実行される図5ないし図7の処理、即ち、エンジン15を始動するときの処理(図5)、認証保持時間の設定処理(図6)、認証範囲の設定処理(図7)については、後述する。
【0068】
一方、車体コントローラ39は、「エンジン駆動・通電ON」の場合は、パワースイッチ12が操作されると、「エンジン駆動・通電ON」から「エンジン停止・通電OFF」に切換える。即ち、車体コントローラ39は、エンジン15の駆動中に、パワースイッチ12が操作されると、エンジン15を停止する。ただし、車体コントローラ39は、エンジン15の駆動中に、所定の認証保持時間を超えて携帯鍵41が認証可能範囲から外れても、エンジン15を停止しないものとする。この理由は、例えば、玉掛け作業等によりオペレータが一時的にキャブ8から離れるときでも、キャブ8に戻って操作を開始するときにエンジン15を始動する手間を省くためである。
【0069】
実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0070】
油圧ショベル1のオペレータは、例えば、携帯鍵41を所持して上部旋回体4のキャブ8に搭乗する。キャブ8内のオペレータは、運転席9に着席し、ロックレバー13をロック位置にした状態で、パワースイッチ12を押すと、車体コントローラ39によりACCリレー29がONになり、かつ、Cリレー25もONになる。これにより、第1の電装品27とスタータモータ16に対する通電が開始される。この結果、スタータモータ16が回転し、エンジン15が始動する。エンジン15の始動後、車体コントローラ39は、Cリレー25をOFFにする。
【0071】
エンジン15が始動すると、エンジン15により油圧ポンプ17が駆動される。オペレータがロックレバー13をロック位置からロック解除位置に操作すると、油圧アクチュエータ(スイングシリンダ、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5G、旋回油圧モータ、走行油圧モータ)の駆動が許可される。
【0072】
例えば、オペレータが走行用の操作レバー・ペダル11を操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。オペレータが作業用の操作レバー10を操作することにより、作業装置5を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。この場合、小型の油圧ショベル1は、上部旋回体4による旋回半径が小さいため、例えば市街地のように狭い作業現場でも、上部旋回体4を旋回駆動しながら側溝堀作業等を行うことができる。
【0073】
作業が終了し、オペレータがパワースイッチ12を押すと、車体コントローラ39によりACCリレー29がOFFになる。これにより、第1の電装品27に対する通電が断たれると共に、エンジン15が停止する。一方、油圧ショベル1のエンジン15が停止した状態で、オペレータが運転席9に着席し、ロックレバー13をロック解錠位置にし、パワースイッチ12を押すと、車体コントローラ39によりACCリレー29のみONになる(Cリレー25はOFFが維持される)。これにより、エンジン15を始動(駆動)させずに、第1の電装品27に通電することができる。この状態で、例えば、オペレータがパワースイッチ12を押すと、車体コントローラ39によりACCリレー29がOFFになり、第1の電装品27に対する通電が断たれる。
【0074】
次に、車体コントローラ39により行われる処理について、図5ないし図7の流れ図を用いて説明する。なお、図5は、エンジン15を始動するときの処理で、図6は、認証保持時間を設定するときの処理で、図7は、認証範囲を設定するときの処理である。
【0075】
まず、図5の処理を説明する。ACCリレー29がOFFになることにより、即ち、「エンジン停止・通電OFF」の状態になることにより、図5の処理動作がスタートすると、ステップ1では、携帯鍵41がLF送信アンテナ43の反応内(認証可能範囲内)にあるか否かを判定する。この判定は、認証用コントローラ45から車体コントローラ39に所定の制御周期で常時出力される認証結果により判定することができる。
【0076】
即ち、携帯鍵41がLF送信アンテナ43の反応内にあると、LF送信アンテナ43から送信されるリクエスト信号に基づいて、携帯鍵41から認証用のIDコードが送信(返信、発信)される。認証用コントローラ45は、RF受信アンテナ44を介して携帯鍵41から返信されたIDコードを受信すると、この受信したIDコードが正当なIDコードであるか否かを判定する。
【0077】
このとき、正当なIDコードであれば認証可能範囲内に認証された携帯鍵41がある旨の認証結果、即ち、正認証である旨を車体コントローラ39に出力する。この正認証である旨は、所定の認証保持時間の間は保持される。このため、携帯鍵41が認証可能範囲内から外れているときでも、携帯鍵41が一度認証可能範囲内に入った後に認証可能範囲から外れた(携帯鍵41から返信されたIDコードを受信した履歴がある)場合は、認証状態(正認証の状態)が保持される。
【0078】
認証保持時間は、後述する図6の処理により設定される。また、認証可能範囲(リクエスト信号が送信される範囲)は、後述の図7の処理により設定される。一方、正当なIDコードを受信しない場合(正当なIDコードを受信せずに認証保持時間が経過した場合)は、認証用コントローラ45は、携帯鍵41が認証可能範囲内にない旨の認証結果、即ち、未認証である旨を車体コントローラ39に出力する。
【0079】
ステップ1で、「YES」、即ち、携帯鍵41がLF送信アンテナ43の反応内にある(正認証)と判定された場合は、ステップ2に進む。一方、ステップ1で、「NO」、即ち、携帯鍵41がLF送信アンテナ43の反応内にない(未認証)と判定された場合は、ステップ1の前に戻り、ステップ1の処理を繰り返す。
【0080】
ステップ2では、ロックレバー13が上げ位置(ロック位置)か否かを判定する。この判定は、ロックスイッチ13Aの信号(ON・OFF信号)に基づいて判定することができる。ステップ2で、「YES」、即ち、ロックレバー13が上げ位置(ロック位置)であると判定された場合は、ステップ3に進む。この場合は、パワースイッチ12によるエンジン15の始動が許可された状態となる。一方、ステップ2で、「NO」、即ち、ロックレバー13が上げ位置(ロック位置)でないと判定された場合は、ステップ1の前に戻り、ステップ1の処理を繰り返す。
【0081】
ステップ3では、パワースイッチ12が操作された(押された)か否かを判定する。この判定は、パワースイッチ12の信号(ON信号)に基づいて判定することができる。ステップ3で、「NO」、即ち、パワースイッチ12が操作されていない(ON信号が出力されていない)と判定された場合は、ステップ1の前に戻り、ステップ1以降の処理を繰り返す。
【0082】
一方、ステップ3で、「YES」、即ち、パワースイッチ12が操作された(ON信号が出力された)と判定された場合は、ステップ4に進み、エンジン15を始動する。即ち、車体コントローラ39は、ECU34にエンジン始動信号を送信すると共に、ACCリレー29およびCリレー25の両方をONにする。これにより、第1の電装品27とスタータモータ16に対する通電が開始され、スタータモータ16が回転する。車体コントローラ39は、所定時間の経過後にCリレー25をOFFする。これにより、スタータモータ16が停止し、図5の制御処理が終了する。この場合、エンジン15が始動していれば、「エンジン駆動・通電ON」の状態となる。
【0083】
次に、図6の処理を説明する。図6の処理は、図5のステップ1の処理に先立って行われる処理である。図6の処理動作がスタートすると、ステップ11で、認証保持時間が時間設定スイッチ47により設定されているか否かを判定する。ステップ11で、「NO」、即ち、認証保持時間が時間設定スイッチ47により設定されていないと判定された場合は、ステップ12に進み、認証保持時間を初期値(基本時間)とし、図6の処理を終了する。一方、ステップ11で、「YES」、即ち、認証保持時間が時間設定スイッチ47により設定されていると判定された場合は、ステップ13に進み、認証保持時間を設定された時間に変更する。即ち、車体コントローラ39は、認証用コントローラ45に対し、認証を保持する認証保持時間を設定された値に変更する旨の指令を出力する。これにより、認証用コントローラ45では、その認証保持時間、即ち、携帯鍵41から正当なIDコードを受信しなくても車体コントローラ39に対して正認証である旨を出力し続ける認証保持時間が、その設定された時間に変更(調整)される。図8は、認証保持時間の設定の一例を示している。
【0084】
次に、図7の処理を説明する。図7の処理は、図5のステップ1の処理に先立って行われる処理である。図7の処理動作がスタートすると、ステップ21で、認証範囲が範囲設定スイッチ48により設定されているか否かを判定する。ステップ21で、「NO」、即ち、認証範囲が範囲設定スイッチ48により設定されていないと判定された場合は、ステップ22に進み、認証範囲を初期値(基本範囲)とし、図7の処理を終了する。一方、ステップ21で、「YES」、即ち、認証範囲が範囲設定スイッチ48により設定されていると判定された場合は、ステップ23に進み、認証範囲を設定された範囲に変更する。即ち、車体コントローラ39は、認証用コントローラ45に対し、認証範囲を設定された値に変更する旨の指令を出力する。これにより、LF送信アンテナ43の電波の強さ(出力)が、その設定された範囲に変更(調整)される。図9は、認証範囲の設定の一例を示している。
【0085】
かくして、実施の形態によれば、エンジン15の始動操作を簡素化できる。
【0086】
(1).即ち、実施の形態によれば、ロック装置となるロックレバー13がロック位置であり、かつ、携帯鍵41が認証可能範囲内にあれば、オペレータは、パワースイッチ12を操作するだけで、エンジン15を始動することができる。このため、オペレータは、エンジン15を始動するときに、キーをキーシリンダに差し込んで「START」の位置まで回転させる必要がなくなり、オペレータの手間を省くことができる。これにより、エンジン15の始動操作が簡素になり、エンジン15を始動するときにオペレータに対して煩わしさを与えることを抑制できる。
【0087】
(2).実施の形態によれば、携帯鍵41から返信されたIDコード(認証信号)を受信した後は、所定の認証保持時間の間は認証状態が保持される。このため、携帯鍵41を認証可能範囲内に一度持ち込めば、所定の認証保持時間の間は携帯鍵41がなくてもエンジン15を始動することができる。これにより、携帯鍵41を常に持ち歩く必要がなくなる他、携帯鍵41の紛失や置き忘れを抑制することができる。しかも、認証保持時間は、時間設定手段となる時間設定スイッチ47により可変に設定できる。このため、油圧ショベル1の管理者(オペレータ、作業現場の監督、所有者等)は、認証保持時間を調整することにより、油圧ショベル1の使用環境等に応じたエンジン15の始動(稼働)の管理を行うことができる。
【0088】
(3).実施の形態によれば、認証範囲は、範囲設定手段となる範囲設定スイッチ48により可変に設定できる。このため、例えば、認証範囲を狭い範囲、例えば、キャブ8内の範囲に設定したときは、携帯鍵41を所持する管理者のみが、キャブ8内でエンジン15を始動させることができる。換言すれば、携帯鍵41を所持する管理者以外の人、例えば、油圧ショベル1の操作に不慣れの人によるエンジン15の始動を抑制することができる。一方、認証範囲を広く設定したときは、例えば、作業現場の管理者(現場監督)がその管理の下で携帯鍵41を認証範囲(例えば、事務所)内の特定の場所に置いておけば、一人または複数人のオペレータは携帯鍵41を所持しなくてもエンジン15を始動させることができる。このため、油圧ショベル1の管理者は、認証範囲を調整することにより、油圧ショベル1の使用環境等に応じたエンジン15の始動(稼働)の管理を行うことができる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では、無線認証装置42の認証用コントローラ45側で、所定の認証保持時間の間、認証状態(正認証の状態)を保持する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、無線認証装置(の認証用コントローラ)は、可変でない所定の制御周期で正認証であるか未認証であるかを車体コントローラに出力する構成とし、無線認証装置(の認証用コントローラ)が未認証でも、車体コントローラ側で、認証状態を所定の認証保持時間の間保持する構成としてもよい。
【0090】
上述した実施の形態では、ロックレバー13の位置をロックスイッチ13Aにより検出し、この検出結果に基づいて車体コントローラ39がパイロットカットリレー33をON・OFFすることにより、パイロットカットソレノイドバルブ31を切換える構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ロックレバーにより直接パイロットカットバルブを切換える構成としてもよい。即ち、ロック装置の構成は、油圧アクチュエータの駆動を禁止するロック位置と油圧アクチュエータの駆動を許可するロック解除位置とに切換えることができるものであれば、各種のロック機構を採用することができる。
【0091】
上述した実施の形態では、ロックレバー13がロック位置(上げ位置)のときに駆動を禁止する油圧アクチュエータを、作業と走行の全てに関する油圧アクチュエータ(スイングシリンダ、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5G、旋回油圧モータ、走行油圧モータ)とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、油圧ショベル(建設機械)の仕様等に応じて、駆動を禁止する油圧アクチュエータを取捨選択することができる。
【0092】
上述した実施の形態では、ACCリレー29のON(閉)/OFF(開)に応じてバッテリ21との通電と非通電が切換わる電装品(電気機器)を第1の電装品27とし、Cリレー25のON(閉)/OFF(開)に応じて通電と非通電が切換わる電装品(電気機器)をエンジン15のスタータモータ16とし、ACCリレー29のON(閉)/OFF(開)に関係なく、バッテリ21と常時接続された電装品(電気機器)を第2の電装品30とした場合を例に挙げて説明した。
【0093】
しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、スタータモータ16以外の電装品(電気機器)を、ACCリレーのON(閉)/OFF(開)に応じてバッテリとの通電と非通電が切換わる第1の電装品(電気機器)としてもよい。また、実施の形態での第1の電装品27に対応する各種機器、および、第2の電装品30に対応する各種機器は、一つの例示であり、油圧ショベル(建設機械)の仕様、オプションの電装品(電気機器)等に応じて、適宜変更可能である。即ち、第1の電装品とするか第2の電装品とするかは、油圧ショベル(建設機械)に搭載する電装品(電気機器)に応じて、取捨選択することができる。
【0094】
上述した実施の形態では、油圧ポンプ17の駆動源としてエンジン15を備えたエンジン式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、エンジンとアシスト発電モータ(発電電動機、発電機、電動機)とを備えたハイブリッド式の油圧ショベル(ハイブリッド式建設機械)としてもよい。この場合には、アシスト発電モータをエンジンのスタータモータとしてもよい。
【0095】
上述した実施の形態では、小型の油圧ショベル1に搭載した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明による油圧ショベルはこれに限るものではなく、例えば中型以上の油圧ショベルに適用してもよい。また、ホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベル適用することできる。
【符号の説明】
【0096】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
4 上部旋回体(車体)
5E ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
5F アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
5G バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
9 運転席
12 パワースイッチ
13 ロックレバー(ロック装置)
15 エンジン
17 油圧ポンプ
39 車体コントローラ
41 携帯鍵
42 無線認証装置
47 時間設定スイッチ(時間設定手段)
48 範囲設定スイッチ(範囲設定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9