(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力系統から交流電圧が印加される変圧器と、該変圧器の第1巻線を前記電力系統から解列するための一対のスイッチと、該一対のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部とを備えるスイッチ装置において、
前記変圧器の第2巻線の電圧を検出する検出部を備え、
前記制御部は、
前記一対のスイッチを択一的に順次オンするオン手段と、
該オン手段がオンする都度、前記検出部が検出した電圧が所定の閾値より大きいか否かを判定する手段と
を有する
ことを特徴とするスイッチ装置。
変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端に一の端子対が接続された一対のスイッチと、該一対のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記変圧器の第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置において、
前記一対のスイッチにおける他の端子対間の電圧を検出する第2の検出部を備え、
前記制御部は、
前記一対のスイッチを択一的に順次オンするオン手段と、
該オン手段がオンする都度、前記第2の検出部が検出した電圧が第3の閾値より大きいか否かを判定する手段と
を有する
ことを特徴とする電力変換装置。
変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端に一の端子対が接続された一対のスイッチと、前記第1巻線の中点に一の端子が接続された第2のスイッチと、前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記変圧器の第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置において、
前記一対のスイッチにおける他の端子対のうち第1及び第2端子夫々と、前記第2のスイッチにおける他の端子との間の電圧を検出する第1及び第2検出器を備え、
前記制御部は、
前記第2のスイッチをオンする第2のオン手段と、
該第2のオン手段がオンした場合、前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧が第5の閾値より大きいか否かを判定する第2の判定手段と、
該第2の判定手段が何れの電圧も前記第5の閾値より大きくないと判定した場合、前記第1又は第2端子を含む前記スイッチをオンする手段と、
該手段がオンした場合、又は前記第2の判定手段が何れかの電圧が前記第5の閾値より大きいと判定した場合、前記第1又は第2検出器が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを判定する手段と
を有する
ことを特徴とする電力変換装置。
電力系統から単相2線式の交流電圧が印加される変圧器と、該変圧器の第1巻線を前記電力系統から解列するための一対のスイッチと、該一対のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部とを備えるスイッチ装置で前記スイッチ夫々の短絡を検出する方法において、
前記変圧器の第2巻線の電圧を検出する検出部を用意し、
前記一対のスイッチを択一的に順次オンし、
オンする都度、前記検出部が検出した電圧及び所定の閾値を比較し、
比較結果に基づいて、前記一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチが短絡しているか否かを判定する
ことを特徴とするスイッチの短絡判定方法。
電力系統から単相3線式の交流電圧が印加される変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端及び中点夫々を前記電力系統から解列するための一対のスイッチ及び第2のスイッチと、該一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部とを備えるスイッチ装置で前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々の短絡を検出する方法において、
前記変圧器の第2巻線の電圧を検出する検出部を用意し、
該検出部が検出した電圧が第2の閾値より小さいか否かを判定し、
小さいと判定した場合、前記一対のスイッチを択一的に順次オンし、
オンする都度、前記検出部が検出した電圧及び所定の閾値を比較し、
比較結果に基づいて、前記一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチ又は前記第2のスイッチが短絡しているか否かを判定する
ことを特徴とするスイッチの短絡判定方法。
変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端に一の端子対が接続された一対のスイッチと、前記第1巻線の中点に一の端子が接続された第2のスイッチと、前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記変圧器の第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置で前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々の短絡を検出する方法において、
前記一対のスイッチにおける他の端子対のうち第1及び第2端子夫々と、前記第2のスイッチにおける他の端子との間の電圧を検出する第1及び第2検出器を用意し、
前記第2のスイッチをオンし、
前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧及び第5の閾値を比較し、
比較結果に基づいて、前記一対のスイッチ夫々が短絡しているか否かを判定し、
前記一対のスイッチが何れも短絡していない場合、前記第1又は第2端子を含むスイッチをオンし、
該スイッチをオンした場合、又は前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧の何れかが前記第5の閾値より大きい場合、前記第1又は第2検出器が検出した電圧及び第6の閾値を比較し、
比較結果に基づいて、前記第2のスイッチが短絡しているか否かを判定する
ことを特徴とするスイッチの短絡判定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、解列開閉器に含まれる2つのリレー接点の一方のみが溶着した場合には異常と判断できないという問題があった。また、特許文献2に開示された技術では、リレースイッチの一方を閉成制御してから溶着の判定が完了するまでに、上記コンデンサの充電時間より長い時間を要するため、迅速な判定ができないという問題があった。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電力系統から解列するための複数のスイッチが短絡しているか否かを各別に且つ迅速に判定することが可能なスイッチ装置、該スイッチ装置を備える電力変換装置及びスイッチの短絡判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るスイッチ装置は、電力系統から交流電圧が印加される変圧器と、該変圧器の第1巻線を前記電力系統から解列するための一対のスイッチと、該一対のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部とを備えるスイッチ装置において、前記変圧器の第2巻線の電圧を検出する検出部を備え、前記制御部は、前記一対のスイッチを択一的に順次オンするオン手段と、該オン手段がオンする都度、前記検出部が検出した電圧が所定の閾値より大きいか否かを判定する手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るスイッチ装置は、前記電力系統は単相3線式であり、前記第1巻線は、中点を有しており、該中点を前記電力系統の中性線から解列するための第2のスイッチを更に備え、前記制御部は、前記検出部が検出した電圧が第2の閾値より小さいか否かを判定する判定手段を有し、前記オン手段は、前記判定手段が小さいと判定した場合にオンするようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る電力変換装置は、上述のスイッチ装置と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置であって、前記一対のスイッチにおける前記第1巻線側とは反対側の端子対間の電圧を検出する第2の検出部を備え、前記制御部は、前記オン手段がオンする都度、前記第2の検出部が検出した電圧が第3の閾値より大きいか否かを判定する手段を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る電力変換装置は、上述のスイッチ装置と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置であって、前記一対のスイッチにおける前記第1巻線側とは反対側の端子対のうち第1及び第2端子夫々と、前記第2のスイッチにおける前記中点側とは反対側の端子との間の電圧を検出する第1及び第2検出器を備え、前記制御部は、前記第2のスイッチをオンする第2のオン手段と、該第2のオン手段がオンした場合、前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧が第5の閾値より大きいか否かを判定する第2の判定手段とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電力変換装置は、前記制御部は、前記第2の判定手段が何れの電圧も前記第5の閾値より大きくないと判定した場合、前記第1又は第2端子を含む前記スイッチをオンする手段と、該手段がオンした場合、又は前記第2の判定手段が何れかの電圧が前記第5の閾値より大きいと判定した場合、前記第1又は第2検出器が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを判定する手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る電力変換装置は、変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端に一の端子対が接続された一対のスイッチと、該一対のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記変圧器の第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置において、前記一対のスイッチにおける他の端子対間の電圧を検出する第2の検出部を備え、前記制御部は、前記一対のスイッチを択一的に順次オンするオン手段と、該オン手段がオンする都度、前記第2の検出部が検出した電圧が第3の閾値より大きいか否かを判定する手段とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電力変換装置は、変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端に一の端子対が接続された一対のスイッチと、前記第1巻線の中点に一の端子が接続された第2のスイッチと、前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記変圧器の第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置において、前記一対のスイッチにおける他の端子対のうち第1及び第2端子夫々と、前記第2のスイッチにおける他の端子との間の電圧を検出する第1及び第2検出器を備え、前記制御部は、前記第2のスイッチをオンする第2のオン手段と、該第2のオン手段がオンした場合、前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧が第5の閾値より大きいか否かを判定する第2の判定手段と、該第2の判定手段が何れの電圧も前記第5の閾値より大きくないと判定した場合、前記第1又は第2端子を含む前記スイッチをオンする手段と、該手段がオンした場合、又は前記第2の判定手段が何れかの電圧が前記第5の閾値より大きいと判定した場合、前記第1又は第2検出器が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを判定する手段とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るスイッチの短絡判定方法は、電力系統から単相2線式の交流電圧が印加される変圧器と、該変圧器の第1巻線を前記電力系統から解列するための一対のスイッチと、該一対のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部とを備えるスイッチ装置で前記スイッチ夫々の短絡を検出する方法において、前記変圧器の第2巻線の電圧を検出する検出部を用意し、前記一対のスイッチを択一的に順次オンし、オンする都度、前記検出部が検出した電圧及び所定の閾値を比較し、比較結果に基づいて、前記一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチが短絡しているか否かを判定することを特徴とする。
【0018】
本発明に係るスイッチの短絡判定方法は、電力系統から単相3線式の交流電圧が印加される変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端及び中点夫々を前記電力系統から解列するための一対のスイッチ及び第2のスイッチと、該一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部とを備えるスイッチ装置で前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々の短絡を検出する方法において、前記変圧器の第2巻線の電圧を検出する検出部を用意し、該検出部が検出した電圧が第2の閾値より小さいか否かを判定し、小さいと判定した場合、前記一対のスイッチを択一的に順次オンし、オンする都度、前記検出部が検出した電圧及び所定の閾値を比較し、比較結果に基づいて、前記一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチ又は前記第2のスイッチが短絡しているか否かを判定することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るスイッチの短絡判定方法は、変圧器と、該変圧器の第1巻線の両端に一の端子対が接続された一対のスイッチと、前記第1巻線の中点に一の端子が接続された第2のスイッチと、前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々のオン及びオフを制御する制御部と、外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記変圧器の第2巻線に印加する電圧変換器とを備える電力変換装置で前記一対のスイッチ及び第2のスイッチ夫々の短絡を検出する方法において、前記一対のスイッチにおける他の端子対のうち第1及び第2端子夫々と、前記第2のスイッチにおける他の端子との間の電圧を検出する第1及び第2検出器を用意し、前記第2のスイッチをオンし、前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧及び第5の閾値を比較し、比較結果に基づいて、前記一対のスイッチ夫々が短絡しているか否かを判定し、前記一対のスイッチが何れも短絡していない場合、前記第1又は第2端子を含むスイッチをオンし、該スイッチをオンした場合、又は前記第1及び第2検出器夫々が検出した電圧の何れかが前記第5の閾値より大きい場合、前記第1又は第2検出器が検出した電圧及び第6の閾値を比較し、比較結果に基づいて、前記第2のスイッチが短絡しているか否かを判定することを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、変圧器の第1巻線と電力系統との間に、変圧器を電力系統から解列するための一対のスイッチが接続されており、検出部が変圧器の第2巻線の電圧を検出する。この状態で、制御部が、一対のスイッチの一方及び他方を順次オンし、オンする都度、検出部が検出した電圧が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、一対のスイッチの一方がオンになった場合、他方が短絡しているときは、電力系統から一対のスイッチ及び変圧器を介して検出部に電圧が印加されるのに対し、一対のスイッチの他方が短絡していないときは、検出部に電圧が印加されない。このため、制御部が一対のスイッチの一方及び他方を順次オンしたときに検出部が検出した電圧が所定の閾値より大きい場合、一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチが短絡していると判定される。
【0021】
本発明にあっては、電力系統が単相3線式であって変圧器の第1巻線が中点を有しており、この中点と電力系統の中性線との間に、変圧器を電力系統から解列するための第2のスイッチが更に接続されている。この状態で、検出部が検出した電圧が第2の閾値より小さい場合、一対のスイッチ及び第2のスイッチのうち2つ以上のスイッチが短絡していることがないと判定される。そして、2つ以上のスイッチが短絡していない場合に、制御部が、一対のスイッチの一方及び他方を順次オンし、オンする都度、検出部が検出した電圧が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、一対のスイッチの一方がオンになった場合、他方又は第2のスイッチが短絡しているときは、電力系統から一対のスイッチの一方と、他方又は第2のスイッチとを介して検出部に電圧が印加されるのに対し、一対のスイッチの他方及び第2のスイッチが短絡していないときは、検出部に電圧が印加されない。このため、制御部が一対のスイッチの一方及び他方を順次オンしたときに検出部が検出した電圧が第2の閾値より大きい場合、一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチ又は第2のスイッチが短絡していると判定される。
【0022】
本発明にあっては、変圧器の第1巻線の両端に、一対のスイッチにおける一の端子対が接続されており、且つ他の端子対が単相2線式の電力系統から遮断されている。そして、インバータが外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して変圧器の第2巻線に印加し、第2の検出部が一対のスイッチにおける他の端子対(即ち第1巻線側とは反対側の端子対)間の電圧を検出する。この状態で、制御部が、一対のスイッチの一方及び他方を順次オンし、オンする都度、第2の検出部が検出した電圧が第3の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、一対のスイッチの一方がオンになった場合、他方が短絡しているときは、インバータから変圧器及び一対のスイッチを介して第2の検出部に電圧が印加されるのに対し、一対のスイッチの他方が短絡していないときは、第2の検出部に電圧が印加されない。このため、制御部が一対のスイッチの一方及び他方を順次オンしたときに第2の検出部が検出した電圧が第3の閾値より大きい場合、一対のスイッチのうちオンしていない方のスイッチが短絡していると判定される。
【0023】
本発明にあっては、変圧器の第1巻線の両端に、一対のスイッチにおける一の端子対が接続されると共に、第1巻線の中点に第2のスイッチにおける一の端子が接続されており、且つ一対のスイッチにおける他の端子対及び第2のスイッチにおける他の端子が単相3線式の電力系統から遮断されている。そして、インバータが外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して変圧器の第2巻線に印加し、上記他の端子対(即ち第1巻線側とは反対側の端子対)のうち第1及び第2端子夫々と、上記他の端子(即ち第1巻線側とは反対側の端子)との間の電圧を第1及び第2検出器が検出する。この状態で、制御部が、第2のスイッチをオンし、オンしたときに第1及び第2検出器夫々が検出した電圧が第5の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、第2のスイッチがオンになった場合、一対のスイッチのうち第1端子(又は第2端子)を含むスイッチが短絡しているときは、インバータから変圧器を介し、更に第2のスイッチ及び短絡しているスイッチを介して第1検出器(又は第2検出器)に電圧が印加されるのに対し、一対のスイッチが何れも短絡していないときは、第1及び第2検出器に電圧が印加されない。このため、制御部が第2のスイッチをオンしたときに第1検出器(又は第2検出器)が検出した電圧が第5の閾値より大きい場合、一対のスイッチのうち第1端子(又は第2端子)を含むスイッチが短絡していると判定される。
【0024】
本発明にあっては、制御部が第2のスイッチをオンしたときに第1及び第2検出器夫々が検出した電圧が何れも第5の閾値より大きくない場合、一対のスイッチが何れも短絡していないと判定される。このように判定されたことにより、一対のスイッチのうち第1端子を含むスイッチを制御部がオンした場合、又は一対のスイッチのうち第1端子を含むスイッチが短絡している場合、第1検出器が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを制御部が判定する。これとは別に、第2端子を含むスイッチを制御部がオンした場合、又は一対のスイッチのうち第2端子を含むスイッチが短絡している場合、第2検出器が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを制御部が判定する。
これにより、第1端子(又は第2端子)を含むスイッチがオンになった場合、又は第1端子(又は第2端子)を含むスイッチが短絡している場合に、第2のスイッチが短絡しているときは、インバータから変圧器を介し、更に第1端子(又は第2端子)を含むスイッチ及び第2のスイッチを介して第1検出器(又は第2検出器)に電圧が印加されるのに対し、第2のスイッチが短絡していないときは、第1検出器(又は第2検出器)に電圧が印加されない。このため、制御部が第1端子(又は第2端子)を含むスイッチをオンした場合、又は第1端子(又は第2端子)を含むスイッチが短絡している場合、第1検出器(又は第2検出器)が検出した電圧が第6の閾値より大きいときに、第2のスイッチが短絡していると判定される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、制御部が一対のスイッチの一方及び他方夫々をオンしたときに検出部が検出した電圧が所定電圧より高い場合、一対のスイッチの他方及び一方が短絡していると判定される。
従って、電力系統から解列するための複数のスイッチが短絡しているか否かを各別に且つ迅速に判定することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。図中1aは電力変換装置であり、電力変換装置1aは、外部の直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換するインバータ(電圧変換器に相当)2と、インバータ2の交流側の出力端及び単相2線式の電力系統4a間の接続をオン/オフするスイッチ装置3aとを備える。インバータ2が、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータの機能を兼ね備えていてもよい。
【0028】
インバータ2は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor )、パワートランジスタ等のスイッチング素子をHブリッジに構成してなる。本実施の形態1では、スイッチング素子としてIGBTからなるトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4を用いる。トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4夫々のコレクタ及びエミッタには転流(還流)ダイオード(以下、単にダイオードという)D1,D2,D3,D4のカソード及びアノードが接続されている。
【0029】
Hブリッジの上アームの夫々に含まれるトランジスタQ1及びQ3のコレクタは、平滑コンデンサC1の一端に接続されると共に、外部の直流電源のプラス側に接続されている。Hブリッジの下アームの夫々に含まれるトランジスタQ2及びQ4のエミッタは、平滑コンデンサC1の他端に接続されると共に、外部の直流電源のマイナス側に接続されている。
【0030】
トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4夫々のゲートは、後述するインバータ駆動回路34に接続されている。トランジスタQ3のエミッタは、トランジスタQ4のコレクタに接続されると共に、インダクタL1の一端に接続されている。トランジスタQ1のエミッタは、トランジスタQ2のコレクタに接続されると共に、インダクタL2の一端に接続されている。トランジスタQ1及びQ3のエミッタ同士(即ちトランジスタQ2及びQ4のコレクタ同士)が、インバータ2の交流側の出力端となる。インダクタL1及びL2の他端間には、コンデンサC2が接続されている。インダクタL1,L2及びコンデンサC2がフィルタ回路を構成する。
【0031】
スイッチ装置3aは、第1巻線N1a及び第2巻線N2間が絶縁された変圧器(以下、絶縁トランスという)T1aと、第1巻線N1aを電力系統4aから解列するための一対のリレー(一対のスイッチに相当)RLY1及びRLY2と、リレーRLY1及びRLY2夫々のオン及びオフを制御する制御部30と、第2巻線N2の電圧を検出する検出部VM0とを備える。一対のリレーは、例えば電磁開閉器、電磁接触器、汎用の電磁リレー、又は半導体リレーであるが、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor )等のスイッチング素子であってもよい。
【0032】
絶縁トランスT1aは、第1巻線N1a及び第2巻線N2の巻数比が1対1である。これにより、第1巻線N1aの電圧と第2巻線N2の電圧とが略等しくなる。巻数比は1対1に限定されるものではない。
【0033】
リレーRLY1及びRLY2は、夫々のリレー接点における一の端子対が第1巻線N1aの両端に接続されており、他の端子対が電力負荷43に接続されると共に主幹ブレーカ40aを介して電力系統4aに接続されている。以下では、電力系統4aの交流電圧を電圧Vaとする。
【0034】
検出部VM0は、交流電圧を検出して、検出電圧を出力する。インバータ2が交流側の出力端の電圧を検出する検出手段を有する場合は、この検出手段が検出部VM0を兼用してもよい。
【0035】
制御部30はCPU31を有し、CPU31は、制御プログラム等の情報を記憶するROM32、一時的に発生した情報を記憶するRAM33、インバータ2を駆動するインバータ駆動回路34、信号を入出力するためのI/O35、リレーRLY1及びRLY2夫々を駆動するリレー駆動回路36、並びにアナログの電圧をデジタルの電圧値に変換するA/D変換器37とバス接続されている。
【0036】
インバータ駆動回路34は、インバータ2が出力する交流電圧の一方の半波期間にてトランジスタQ3及びQ2が同時にオンする期間をPWM制御すべく、トランジスタQ3及びQ2夫々のゲートをPWM信号で駆動する。インバータ駆動回路34は、また、インバータ2が出力する交流電圧の他方の半波期間にてトランジスタQ1及びQ4が同時にオンする期間をPWM制御すべく、トランジスタQ1及びQ4夫々のゲートをPWM信号で駆動する。この場合、トランジスタQ1及びQ2夫々のゲートと、トランジスタQ3及びQ4夫々のゲートとは、相補的なPWM信号で駆動される。但し、本実施の形態1では、インバータ2をオフするために、トランジスタQ1からQ4までをオフする信号を各ゲートに与える。
【0037】
I/O35は、主幹ブレーカ40aのオン/オフ状態を示す接点信号を出力する補助接点の両端(図では一端の接続を省略)に接続されている。
【0038】
リレー駆動回路36は、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレーコイルに接続されている。リレー駆動回路36がこれらのリレーコイルに励磁電流を流して各別に駆動することにより、リレーRLY1及びRLY2夫々がオンとなる。
【0039】
A/D変換器37は、検出部VM0からのアナログの検出電圧をデジタルの検出電圧値に変換する。
【0040】
上述の構成において、制御部30は、予めインバータ2をオフしておき、リレーRLY1及びRLY2をオンしたときに、電力系統4aから主幹ブレーカ40aを介して絶縁トランスT1aに交流電圧が印加されていることを確認する。交流電圧が印加されない場合は、停電状態であるか、主幹ブレーカ40aが投入されていないか、又は、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の少なくとも一方が開放故障であると判定される。次いで、制御部30は、リレーRLY1及びRLY2を一旦オフした後、リレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンし、オンしたときの第2巻線N2の電圧に基づいて、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が短絡しているか否かを各別に判定する。
【0041】
例えばリレーRLY1のみがオンとなる場合、リレーRLY2のリレー接点が短絡しているときは、電力系統4aからリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点と絶縁トランスT1aとを介して、検出部VM0に略Vaの電圧が印加される。このため、検出部VM0が検出した電圧が略Vaであるとき、即ち所定の閾値より大きいときは、リレーRLY2のリレー接点が短絡していると判定される。
【0042】
同様に、リレーRLY2のみがオンとなる場合、検出部VM0が検出した電圧が所定の閾値より大きいときは、リレーRLY1のリレー接点が短絡していると判定される。リレー接点が短絡する原因として真っ先に挙げられるのは溶着であるが、短絡の原因が溶着に限定されるものではない。
【0043】
なお、電力系統4aが停電状態ではなく、且つ主幹ブレーカ40aが投入されていることが、例えば不図示の停電検出部及びI/O35によって既に確認されている場合、制御部30は、予め絶縁トランスT1aに交流電圧が印加されていることを確認する必要がない。この場合、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の短絡判定が終了してインバータ2が電力系統4aに並列された際に、検出部VM0にて略Vaの電圧が検出されないときは、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の少なくとも一方が開放故障であると判定される。
【0044】
以下では、上述した制御部30の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。以下に示す処理は、ROM32に予め格納された制御プログラムに従って、CPU31により実行される。
図2及び3は、本発明の実施の形態1に係るスイッチ装置3aでリレー接点の短絡の有無を判定するCPU31の処理手順を示すフローチャートである。
図2及び3の処理は、スイッチ装置3aにおける自己診断プログラムの1つとして適時起動される。
【0045】
図2の処理が起動された場合、CPU31は、インバータ駆動回路34によりインバータ2をオフし(S10)、更に、リレー駆動回路36により、リレーRLY1及びRLY2をオンする(S11)。その後、CPU31は、リレーRLY1及びRLY2の動作時間並びにインバータ2のオフ時間より長い所定時間だけ待機した(S12)後、検出部VM0によって第2巻線N2の電圧を検出する(S13)。CPU31が所定時間だけ待機するには、例えば不図示のタイマが計時を開始してから所定時間を計時するまで待機すればよい(以下同様)。
【0046】
次いで、CPU31は、実質的にゼロではない電圧が検出されたか否かにより、電力系統4aからの電圧印加が有るか否かを判定する(S14)。電力系統4aからの電圧印加が無い場合(S14:NO)、CPU31は、電圧印加が有るまで待機するために、ステップS12に処理を移す。電力系統4aからの電圧印加が有る場合(S14:YES)、CPU31は、リレーRLY1及びRLY2をオフする(S15)。
【0047】
図3に移って、CPU31は、リレー駆動回路36によってリレーRLY1をオンし(S20:オン手段に相当)、リレーRLY1及びRLY2の動作時間より長い所定時間だけ待機する(S21)。更に、CPU31は、検出部VM0によって第2巻線N2の電圧を検出した(S22)後、リレーRLY1をオフする(S23)。
【0048】
次いで、CPU31は、検出部VM0による検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定し(S24:判定する手段に相当)、所定の閾値より大きい場合(S24:YES)、リレーRLY2のリレー接点(図では単にリレーRLY2と表記する:以下同様)が短絡している旨をRAM33に記憶した(S25)後、
図3の処理を終了する。
【0049】
一方、検出部VM0による検出結果が所定の閾値より大きくない場合(S24:NO)、CPU31は、リレー駆動回路36によってリレーRLY2をオンし(S26:オン手段に相当)、リレーRLY1及びRLY2の動作時間より長い所定時間だけ待機する(S27)。更に、CPU31は、検出部VM0によって第2巻線N2の電圧を検出した(S28)後、リレーRLY2をオフする(S29)。
【0050】
次いで、CPU31は、検出部VM0による検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定し(S30:判定する手段に相当)、所定の閾値より大きい場合(S30:YES)、リレーRLY1のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶した(S31)後、
図3の処理を終了する。所定の閾値は、ステップS24とS30とで異なっていてもよい。ステップS30で検出結果が所定の閾値より大きくない場合(S30:NO)についても、CPU31は
図3の処理を終了する。
【0051】
上述のフローチャートでは、ステップS20からS31までの処理にて、リレーRLY1及びRLY2の順序でリレー接点が短絡しているか否かを判定したが、先にリレーRLY2のリレー接点について短絡の有無の判定を行うようにしてもよい。
【0052】
以上のように本実施の形態1によれば、絶縁トランスT1aの第1巻線N1aと単相2線式の電力系統4aとの間に、絶縁トランスT1aを電力系統4aから解列するためのリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が接続されており、検出部VM0が絶縁トランスT1aの第2巻線N2の電圧を検出する。この状態で、制御部30が、リレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンし、オンする都度、検出部VM0が検出した電圧が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、リレーRLY1及びRLY2の一方がオンになった場合、他方のリレー接点が短絡しているときは、電力系統4aからリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点と絶縁トランスT1aとを介して検出部VM0に電圧が印加されるのに対し、他方のリレー接点が短絡していないときは、検出部VM0に電圧が印加されない。このため、制御部30がリレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンしたときに検出部VM0が検出した電圧が所定の閾値より大きい場合、リレーRLY1及びRLY2のうちオンしていない方についてリレー接点が短絡していると判定される。
従って、電力系統4aから解列するための複数のスイッチが短絡しているか否かを各別に且つ迅速に判定することが可能となる。
【0053】
(実施の形態2)
実施の形態1が、単相2線式の電力系統4aからスイッチ装置3aに交流電圧が印加される形態であるのに対し、実施の形態2は、単相3線式の電力系統からスイッチ装置に交流電圧が印加される形態である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。図中1bは電力変換装置であり、電力変換装置1bは、インバータ2と、インバータ2の交流側の出力端及び単相3線式の電力系統4b間の接続をオン/オフするスイッチ装置3bとを備える。
【0054】
スイッチ装置3bは、中点を有する第1巻線N1b及び第2巻線N2間が絶縁された絶縁トランスT1bと、第1巻線N1bの両端を電力系統4bから解列するためのリレーRLY1及びRLY2と、第1巻線N1bの中点を電力系統4bの中性線から解列するためのリレー(第2のスイッチに相当)RLY3と、リレーRLY1、RLY2及びRLY3夫々のオン及びオフを制御する制御部30と、第2巻線N2の電圧を検出する検出部VM0とを備える。
【0055】
絶縁トランスT1bは、第1巻線N1b及び第2巻線N2の巻数比が1対1である。これにより、第1巻線N1bの電圧と第2巻線N2の電圧とが等しくなる。巻数比は1対1に限定されるものではない。
【0056】
リレーRLY1及びRLY2は、夫々のリレー接点の一の端子対が第1巻線N1bの両端に接続されており、他の端子対が電力負荷43に接続されると共に主幹ブレーカ40bを介して電力系統4bに接続されている。リレーRLY3は、リレー接点の一の端子が第1巻線N1bの中点に接続されており、他の端子が主幹ブレーカ40bを介して電力系統4bの中性線に接続されている。リレーRLY3のリレー接点の他の端子と、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の他の端子対との間には、電力負荷41及び42が接続されている。
【0057】
リレーRLY3のリレーコイルは、リレー駆動回路36に接続されている。リレー駆動回路36がこのリレーコイルに励磁電流を流して駆動することにより、リレーRLY3がオンとなる。
【0058】
電力変換装置1bのその他の構成は、実施の形態1における電力変換装置1aと同様であるため、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。なお、I/O35は、主幹ブレーカ40bのオン/オフ状態を示す接点信号を出力する補助接点の両端(図では一方の接続を省略)に接続されている。また、電力系統4bの交流電圧を電圧Vbとする。
【0059】
上述の構成において、制御部30は、予めインバータ2をオフしておき、リレーRLY1からRLY3までをオンしたときに、電力系統4bから主幹ブレーカ40bを介して絶縁トランスT1bに交流電圧が印加されていることを確認する。交流電圧が印加されない場合は、停電状態であるか、主幹ブレーカ40bが投入されていないか、又は、リレーRLY1からRLY3までのうち、少なくとも2つのリレー夫々のリレー接点が開放故障であると判定される。次いで、制御部30がリレーRLY1からRLY3までをオフした場合に、検出部VM0が検出した電圧が第2の閾値より小さくないときは、電力系統4bから絶縁トランスT1bに交流電圧が印加されていることになるため、リレーRLY1からRLY3までのうち少なくとも2つのリレー夫々のリレー接点が短絡していると判定される。
【0060】
具体的には、少なくとも2つのリレー夫々のリレー接点が短絡している場合、第1巻線N1bの両端間に電圧Vbが印加されるか、又は第1巻線N1bの片端と中点との間にVb/2の電圧が印加されるため、検出部VM0に印加される電圧が常に略Vbとなる。この場合は、どの2つのリレーについてリレー接点が短絡しているのか、又は全てのリレーについてリレー接点が短絡しているのか、判別することができない。
【0061】
一方、制御部30がリレーRLY1からRLY3までをオフした場合に、検出部VM0が検出した電圧が第2の閾値より小さいときは、第1巻線N1bに電力系統4bから交流電圧が印加されていないことになるため、リレーRLY1からRLY3までのうち2つ以上のリレー夫々のリレー接点が短絡していることはないと言える。この場合、制御部30は、リレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンし、オンしたときの第2巻線N2の電圧に基づいて、リレーRLY1、RLY2及びRLY3夫々のリレー接点が短絡しているか否かを各別に判定する。
【0062】
例えばリレーRLY1のみがオンとなる場合、リレーRLY2又はRLY3のリレー接点が短絡しているときは、電力系統4bからリレーRLY1のリレー接点と、リレーRLY2又はRLY3のリレー接点と、絶縁トランスT1bとを介して、検出部VM0に電圧Vbが印加される。このため、検出部VM0が検出した電圧が略Vbであるとき、即ち所定の閾値より大きいときは、リレーRLY2又はRLY3のリレー接点が短絡していると判定される。この判定結果を結果23(何れかに短絡有り/何れにも短絡無し)とする。
【0063】
同様に、リレーRLY2のみがオンとなる場合、検出部VM0が検出した電圧が所定の閾値より大きいときは、リレーRLY1又はRLY3のリレー接点が短絡していると判定される。この判定結果を結果13(何れかに短絡有り/何れにも短絡無し)とする。上記結果23及び結果13の組み合わせに応じたリレー接点の短絡判定は、以下のとおりである。
【0064】
(a)結果23及び結果13が共に、何れかに短絡有りの場合、リレーRLY3のリレー接点が短絡していると判定される。
(b)結果23のみが、何れかに短絡有りの場合、リレーRLY2のリレー接点が短絡していると判定される。
(c)結果13のみが、何れかに短絡有りの場合、リレーRLY1のリレー接点が短絡していると判定される。
(d)結果23及び結果13が共に、何れにも短絡無しの場合、リレーRLY1、RLY2及びRLY3夫々のリレー接点が何れも短絡していないと判定される。
【0065】
なお、電力系統4bが停電状態ではなく、且つ主幹ブレーカ40bが投入されていることが、例えば不図示の停電検出部及びI/O35によって既に確認されている場合、制御部30は、予め絶縁トランスT1bに交流電圧が印加されていることを確認する必要がない。この場合、リレーRLY1からRLY3まで夫々のリレー接点の短絡判定が終了してインバータ2が電力系統4bに並列された際に、検出部VM0にて略Vbの電圧が検出されないときは、リレーRLY1からRLY3までのうち、少なくとも2つのリレー夫々のリレー接点が開放故障であると判定される。
【0066】
以下では、上述した制御部30の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図5及び6は、本発明の実施の形態2に係るスイッチ装置3bでリレー接点の短絡の有無を判定するCPU31の処理手順を示すフローチャートである。但し、上述の(a)から(d)までの判定処理については、自明であるのでフローチャートによる説明を省略する。
【0067】
図5に示すステップS40からS44までの処理のうち、ステップS41を除く処理については、実施の形態1の
図2に示すステップS10からS14までの処理と内容が実質的に同一であるため、説明の一部を省略する。また、
図6に示すステップS50からS60までの処理のうち、ステップS55を除く処理については、実施の形態1の
図3に示すステップS20からS30までの処理と内容が実質的に同一であるため、説明の一部を省略する。
【0068】
図5の処理が起動された場合、CPU31は、インバータ2をオフし(S40)、リレーRLY1からRLY3までをオンする(S41)。その後、CPU31は、リレーRLY1からRLY3までのリレーの動作時間並びにインバータ2のオフ時間より長い所定時間だけ待機した(S42)後、検出部VM0によって第2巻線N2の電圧を検出する(S43)。
【0069】
次いで、CPU31は、電力系統4bからの電圧印加が有るか否かを判定し(S44)、電圧印加が無い場合(S44:NO)、ステップS42に処理を移す。電力系統4bからの電圧印加が有る場合(S44:YES)、CPU31は、リレーRLY1からRLY3までをオフし(S45)、リレーRLY1からRLY3までのリレーの動作時間より長い所定時間だけ待機した(S46)後、再び第2巻線N2の電圧を検出する(S47)。
【0070】
次いで、CPU31は、検出部VM0による検出結果が第2の閾値より小さいか否かを判定し(S48:判定手段に相当)、第2の閾値より小さくない場合(S48:NO)、リレーRLY1からRLY3までのうち、少なくとも2つのリレー夫々のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶して(S49)
図5の処理を終了する。
【0071】
一方、検出部VM0による検出結果が第2の閾値より小さい場合(S48:YES)、
図6に移って、CPU31は、リレーRLY1をオンし(S50)、所定時間待機し(S51)、第2巻線N2の電圧を検出した(S52)後に、リレーRLY1をオフする(S53)。
【0072】
次いで、CPU31は、検出部VM0による検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定し(S54)、所定の閾値より大きい場合(S54:YES)、リレーRLY2又はRLY3のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶した(S55)後、
図6の処理を終了する。所定の閾値は、ステップS54とS60とで異なっていてもよい。
【0073】
検出部VM0による検出結果が所定の閾値より大きくない場合(S54:NO)、CPU31は、リレーRLY2をオンし(S56)、所定時間待機し(S57)、第2巻線N2の電圧を検出した(S58)後に、リレーRLY2をオフする(S59)。
【0074】
次いで、CPU31は、検出部VM0による検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定し(S60)、所定の閾値より大きい場合(S60:YES)、リレーRLY1又はRLY3のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶した(S61)後、
図6の処理を終了する。ステップS60で検出結果が所定の閾値より大きくない場合(S60:NO)についても、CPU31は
図6の処理を終了する。
【0075】
以上のように本実施の形態2によれば、電力系統4bが単相3線式であって絶縁トランスT1bの第1巻線N1bが中点を有しており、この中点と電力系統4bの中性線との間に、絶縁トランスT1bを電力系統4bから解列するためのリレーRLY3のリレー接点が更に接続されている。この状態で、検出部VM0が検出した電圧が第2の閾値より小さい場合、リレーRLY1からRLY3までのうち2つ以上のリレー夫々のリレー接点が短絡していることがないと判定される。そして、2つ以上のリレー夫々のリレー接点が短絡していない場合に、制御部30が、リレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンし、オンする都度、検出部VM0が検出した電圧が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、リレーRLY1及びRLY2の一方がオンになった場合、他方のリレー接点又はリレーRLY3のリレー接点が短絡しているときは、電力系統4bからリレーRLY1及びRLY2の一方のリレー接点と、他方のリレー接点又はリレーRLY3のリレー接点とを介して検出部VM0に電圧が印加されるのに対し、他方のリレー接点及びリレーRLY3のリレー接点が短絡していないときは、検出部VM0に電圧が印加されない。
従って、制御部30がリレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンしたときに検出部VM0が検出した電圧が第2の閾値より大きい場合、リレーRLY1及びRLY2のうちオンしていない方のリレー又はリレーRLY3についてリレー接点が短絡していると判定することが可能となる。
【0076】
(実施の形態3)
実施の形態1が、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点に対して電力系統4a側から交流電圧が印加される形態であるのに対し、実施の形態3は、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点に対してインバータ2側から絶縁トランスT1aを介して交流電圧が印加される形態である。
図7は、本発明の実施の形態3に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。図中1cは電力変換装置であり、電力変換装置1cは、インバータ2と、インバータ2の交流側の出力端及び単相2線式の電力系統4a間の接続をオン/オフするスイッチ装置3cとを備える。
【0077】
スイッチ装置3cは、絶縁トランスT1aと、夫々のリレー接点における一の端子対が絶縁トランスT1aの第1巻線N1aの両端に接続されたリレーRLY1及びRLY2と、制御部30と、上記リレー接点における他の端子対(即ち第1巻線N1a側とは反対側の端子対)間の電圧を検出する検出部(第2の検出部に相当)VM3とを備える。リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点は、上記他の端子対が電力負荷43に接続されている。
【0078】
スイッチ装置3cは、単にインバータ2及び電力負荷43間の接続をオン/オフするものであってもよい。また、絶縁トランスT1aの第2巻線N2の電圧を検出する検出部VM0は必須ではない。
電力変換装置1cのその他の構成は、実施の形態1における電力変換装置1aと同様であるため、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。以下では、インバータ2が出力する交流電圧を電圧Vcとする。
【0079】
上述の構成において、制御部30は、インバータ2とリレーRLY1及びRLY2とをオフしたときに、電力系統4aから主幹ブレーカ40aを介してリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点に電圧が印加されていないことを確認し、更に主幹ブレーカ40aが開放されていることを確認する。これにより、インバータ2が単独運転となる可能性を排除する。次いで、制御部30が、インバータ2をオンしてリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点における一の端子対間に電圧を印加した後に、リレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンし、オンしたときの他の端子対間の電圧(即ち電力負荷43側の電圧)に基づいて、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が短絡しているか否かを各別に判定する。
【0080】
例えばリレーRLY1のみがオンとなる場合、リレーRLY2のリレー接点が短絡しているときは、インバータ2から絶縁トランスT1aとリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点とを介して、検出部VM3に略Vcの電圧が印加される。このため、検出部VM3が検出した電圧が略Vcであるとき、即ち第3の閾値より大きいときは、リレーRLY2のリレー接点が短絡していると判定される。同様に、リレーRLY2のみがオンとなる場合、検出部VM3が検出した電圧が第3の閾値より大きいときは、リレーRLY1のリレー接点が短絡していると判定される。
【0081】
以下では、上述した制御部30の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図8及び9は、本発明の実施の形態3に係るスイッチ装置3cでリレー接点の短絡の有無を判定するCPU31の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すステップS80からS91までの処理のうち、ステップS82、S84、S88及びS90を除く処理については、実施の形態1の
図3に示すステップS20からS31までの処理と内容が実質的に同一であるため、説明の一部を省略する。
【0082】
図8の処理が起動された場合、CPU31は、インバータ駆動回路34によりインバータ2をオフし(S70)、更に、リレーRLY1及びRLY2をオフする(S71)。その後、CPU31は、所定時間だけ待機した(S72)後、検出部VM3によって電力負荷43側の電圧を検出する(S73)。
【0083】
次いで、CPU31は、電力系統4aからの電圧印加が有るか否かを判定し(S74)、電圧印加が有る場合(S74:YES)、電圧印加が無くなるまで待機するために、ステップS72に処理を移す。電力系統4aからの電圧印加が無い場合(S74:NO)、CPU31は、I/O35によって主幹ブレーカ40aの補助接点の接点信号を取り込んで主幹ブレーカ40aが開放されているか否かを判定し(S75)、開放されていない場合(S75:NO)、開放されるまで待機する。主幹ブレーカ40aが開放されている場合(S75:YES)、CPU31は、インバータ2をオンする(S76)。
【0084】
図9に移って、CPU31は、リレーRLY1をオンし(S80)、リレーRLY1の動作時間及びインバータ2のオン時間より長い所定時間だけ待機する(S81)。更に、CPU31は、検出部VM3によって電力負荷43側の電圧を検出した(S82)後、リレーRLY1をオフする(S83)。
【0085】
次いで、CPU31は、検出部VM3による検出結果が第3の閾値より大きいか否かを判定し(S84:判定する手段に相当)、第3の閾値より大きい場合(S84:YES)、リレーRLY2のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶した(S85)後、インバータ2をオフして(ステップS92)
図9の処理を終了する。
【0086】
一方、検出部VM3による検出結果が第3の閾値より大きくない場合(S84:NO)、CPU31は、リレーRLY2をオンし(S86)、所定時間だけ待機する(S87)。更に、CPU31は、検出部VM3によって電力負荷43側の電圧を検出した(S88)後、リレーRLY2をオフする(S89)。
【0087】
次いで、CPU31は、検出部VM3による検出結果が第3の閾値より大きいか否かを判定し(S90:判定する手段に相当)、第3の閾値より大きい場合(S90:YES)、リレーRLY1のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶する(S91)。第3の閾値は、ステップS84とS90とで異なっていてもよい。一方、検出結果が第3の閾値より大きくない場合(S90:NO)、又はステップS91の処理を終えた場合、CPU31はインバータ2をオフして(ステップS92)
図9の処理を終了する。
【0088】
以上のように本実施の形態3によれば、絶縁トランスT1aの第1巻線N1aの両端にリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点における一の端子対が接続されており、且つ他の端子対が単相2線式の電力系統4aから遮断されている。そして、インバータ2が外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して絶縁トランスT1aの第2巻線N2に印加し、検出部VM3がリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点における他の端子対(即ち第1巻線N1a側とは反対側の端子対)間の電圧を検出する。この状態で、制御部30が、リレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンし、オンする都度、検出部VM3が検出した電圧が第3の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、リレーRLY1及びRLY2の一方がオンになった場合、他方のリレー接点が短絡しているときは、インバータ2から絶縁トランスT1aとリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点とを介して検出部VM3に電圧が印加されるのに対し、他方のリレー接点が短絡していないときは、検出部VM3に電圧が印加されない。従って、制御部30がリレーRLY1及びRLY2の一方及び他方を順次オンしたときに検出部VM3が検出した電圧が第3の閾値より大きい場合、リレーRLY1及びRLY2のうちオンしていない方についてリレー接点が短絡していると判定することが可能となる。
【0089】
(実施の形態4)
実施の形態2が、リレーRLY1、RLY2及びRLY3夫々のリレー接点に対して電力系統4a側から交流電圧が印加される形態であるのに対し、実施の形態4は、リレーRLY1、RLY2及びRLY3夫々のリレー接点に対してインバータ2側から絶縁トランスT1bを介して交流電圧が印加される形態である。
図10は、本発明の実施の形態4に係る電力変換装置の構成例を示すブロック図である。図中1dは電力変換装置であり、電力変換装置1dは、インバータ2と、インバータ2の交流側の出力端及び単相3線式の電力系統4b間の接続をオン/オフするスイッチ装置3dとを備える。
【0090】
スイッチ装置3dは、絶縁トランスT1bと、夫々のリレー接点における一の端子対が絶縁トランスT1bの第1巻線N1bの両端に接続されたリレーRLY1及びRLY2と、リレー接点における一の端子が第1巻線N1bの中点に接続されたリレーRLY3と、制御部30とを備える。ここでは、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点における他の端子対(即ち第1巻線N1b側とは反対側の端子対)を第1端子TM1及び第2端子TM2とし、リレーRLY3のリレー接点における他の端子(即ち第1巻線N1b側とは反対側の端子)を第3端子TM3とする。
【0091】
スイッチ装置3dは、また、第1端子TM1及び第3端子TM3間の電圧を検出する第1検出器VM1、並びに第2端子TM2及び第3端子TM3間の電圧を検出する第2検出器VM2を備える。第1端子TM1及び第2端子TM2間には電力負荷43が接続されている。第1端子TM1及び第3端子TM3間には電力負荷41が接続されている。第2端子TM2及び第3端子TM3間には電力負荷42が接続されている。
【0092】
スイッチ装置3dは、単にインバータ2と電力負荷41、42及び43との間の接続をオン/オフするものであってもよい。また、絶縁トランスT1bの第2巻線N2の電圧を検出する検出部VM0は必須ではない。
電力変換装置1dのその他の構成は、実施の形態1及び2夫々における電力変換装置1a及び1bと同様であるため、実施の形態1及び2に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。以下では、インバータ2が出力する交流電圧を電圧Vcとする。
【0093】
上述の構成において、制御部30は、インバータ2とリレーRLY1からRLY3までとをオフしたときに、電力系統4bから主幹ブレーカ40bを介してリレーRLY1からRLY3まで夫々のリレー接点に電圧が印加されていないことを確認し、更に主幹ブレーカ40bが開放されていることを確認する。これにより、インバータ2が単独運転となる可能性を排除する。次いで、制御部30は、インバータ2をオンしてリレーRLY1からRLY3まで夫々のリレー接点における一の端子に電圧を印加した後に、リレーRLY3をオンし、オンしたときに第1検出器VM1及び第2検出器VM2夫々が検出した電圧(即ち電力負荷41及び42側の電圧)に基づいて、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が短絡しているか否かを各別に判定する。
【0094】
例えば、リレーRLY1のリレー接点が短絡している場合、インバータ2から絶縁トランスT1bとリレーRLY1及びRLY3夫々のリレー接点とを介して、第1検出器VM1に略Vc/2の電圧が印加される。このため、第1検出器VM1が検出した電圧が略Vc/2であるとき、即ち第5の閾値より大きいときは、リレーRLY1のリレー接点が短絡していると判定される。同様に、第2検出器VM2が検出した電圧が第5の閾値より大きいときは、リレーRLY2のリレー接点が短絡していると判定される。
【0095】
ここで、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が共に短絡している場合、リレーRLY3がオフとなったときに、インバータ2から絶縁トランスT1bとリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点とを介して、第1検出器VM1及び第2検出器VM2の直列回路に略Vcの電圧が印加される。このときは、第1検出器VM1及び第2検出器VM2夫々に略Vc/2の電圧が印加されることがあり得るため、リレーRLY3のリレー接点が短絡しているか否かを判別することができない。
【0096】
一方、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の何れか一方が短絡し、他方が短絡していないと判定された場合、制御部30がリレーRLY3をオンからオフにしたときに、短絡しているリレー接点に対応する検出器が検出した電圧に基づいて、リレーRLY3のリレー接点が短絡しているか否かが判定される。例えば、リレーRLY1のリレー接点が短絡している場合、リレーRLY3がオフとなったときに第1検出器VM1が検出した電圧が略Vc/2であるときは、リレーRLY3のリレー接点が短絡していると判定される。
【0097】
次に、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が何れも短絡していないと判定された場合、制御部30は、リレーRLY3をオフすると共にリレーRLY1又はRLY2の何れか一方をオンし、オンした方のリレーに対応する検出器が検出した電圧が第6の閾値より大きいときに、リレーRLY3のリレー接点が短絡していると判定する。例えば、リレーRLY1がオンされた場合、第1検出器VM1が検出した電圧が略Vc/2であるときは、リレーRLY3のリレー接点が短絡していると判定される。
【0098】
なお、上述の手順では、2つ以上のリレー夫々のリレー接点が短絡している可能性を残した状態で、制御部30がインバータ2及びリレーRLY3をオンしたが、リレーRLY3をオンする前に第1検出器VM1及び第2検出器VM2夫々の検出結果に基づいて、制御部30が2つ以上のリレー夫々のリレー接点が短絡しているか否かを先に判定するようにしてもよい。この場合、第1検出器VM1及び第2検出器VM2夫々の検出結果に応じたリレー接点の短絡判定は以下のとおりである。
【0099】
(e)第1検出器VM1の検出結果が略Vc/2であり、第2検出器VM2の検出結果が略0である場合、リレーRLY1及びRLY3夫々のリレー接点が短絡していると判定される。
(f)第2検出器VM2の検出結果が略Vc/2であり、第1検出器VM1の検出結果が略0である場合、リレーRLY2及びRLY3夫々のリレー接点が短絡していると判定される。
(g)第1検出器VM1及び第2検出器VM2の検出結果の和が略Vcである場合、少なくともリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が短絡していると判定される。
【0100】
以下では、上述した制御部30の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。
図11及び12は、本発明の実施の形態4に係るスイッチ装置3dでリレー接点の短絡の有無を判定するCPU31の処理手順を示すフローチャートである。但し、上述の(e)から(g)までの判定処理については、自明であるのでフローチャートによる説明を省略する。
【0101】
図11に示すステップS100からS105までの処理のうち、ステップS101及びS103を除く処理については、実施の形態3の
図8に示すステップS70からS75までの処理と内容が実質的に同一であるため、説明の一部を省略する。
【0102】
図11の処理が起動された場合、CPU31は、インバータ2をオフし(S100)、リレーRLY1からRLY3までをオフする(S101)。その後、CPU31は、所定時間だけ待機した(S102)後、第1検出器VM1及び第2検出器VM2によって電力負荷41及び42側の電圧を検出する(S103)。
【0103】
次いで、CPU31は、電力系統4bからの電圧印加が有るか否かを判定し(S104)、電圧印加が有る場合(S104:YES)、電圧印加が無くなるまで待機するために、ステップS102に処理を移す。電力系統4bからの電圧印加が無い場合(S104:NO)、CPU31は、I/O35によって主幹ブレーカ40bの補助接点の接点信号を取り込んで主幹ブレーカ40bが開放されているか否かを判定し(S105)、開放されていない場合(S105:NO)、開放されるまで待機する。
【0104】
主幹ブレーカ40bが開放されている場合(S105:YES)、CPU31は、リレー駆動回路36によってリレーRLY3をオンした(S106:第2のオン手段に相当)後にインバータ2をオンし(S107)、リレーRLY3の動作時間及びインバータ2のオン時間より長い所定時間だけ待機する(S108)。
【0105】
図12に移って、CPU31は、第1検出器VM1及び第2検出器VM2によって電力負荷41及び42側の電圧を検出する(S110)。次いで、CPU31は、検出器VM1の検出結果が第5の閾値より大きいか否かを判定し(S111:第2の判定手段に相当)、第5の閾値より大きい場合(S111:YES)、リレーRLY1のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶する(S112)。
【0106】
ステップS111で検出結果が第5の閾値より大きくない場合(S111:NO)、又はステップS112の処理を終えた場合、CPU31は、第2検出器VM2の検出結果が第5の閾値より大きいか否かを判定し(S113:第2の判定手段に相当)、第5の閾値より大きい場合(S113:YES)、リレーRLY2のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶する(S114)。第5の閾値は、ステップS111とS113とで異なっていてもよい。
【0107】
ステップS113で検出結果が第5の閾値より大きくない場合(S113:NO)、又はステップS114の処理を終えた場合、CPU31は、RAM33の記憶内容に基づいてリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が共に短絡しているか否かを判定し(S115)、共に短絡している場合(S115:YES)、インバータ2をオフして(S124)
図12の処理を終了する。これは、リレーRLY3のリレー接点の短絡判定が不能であることによる判断分岐である。
【0108】
リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の少なくとも一方が短絡していない場合(S115:NO)、CPU31は、リレーRLY3をオフする(S116)。その後、CPU31は、RAM33の記憶内容に基づいてリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点の何れかが短絡しているか否かを判定し(S117)、何れもが短絡していない場合(S117:NO)、リレー駆動回路36によってリレーRLY1又はRLY2をオンする(S118:オンする手段に相当)。
【0109】
ステップS117でリレー接点の何れかが短絡している場合(S117:YES)又はステップS118の処理を終えた場合、CPU31は、リレーRLY1からRLY3まで夫々の動作時間より長い所定時間だけ待機する(S119)。更に、CPU31は、第1検出器VM1又は第2検出器VM2によって電力負荷41又は42側の電圧を検出した(S120)後、リレーRLY1及びRLY2をオフする(S121)。
【0110】
上記のステップS120では、CPU31は、オンしたリレー、又はリレー接点が短絡していると判定したリレーに対応する検出器の電圧を検出する。例えばCPU31は、ステップS118でリレーRLY1をオンした場合、第1検出器VM1により電力負荷41側の電圧を検出する。また、例えばCPU31は、ステップS117でリレーRLY2のリレー接点が短絡していると判定した場合、第2検出器VM2により電力負荷42側の電圧を検出する。
【0111】
次いで、CPU31は、第1検出器VM1又は第2検出器VM2の検出結果(ここでは、ステップS120における検出結果)が第6の閾値より大きいか否かを判定し(S122:判定する手段に相当)、第6の閾値より大きい場合(S122:YES)、リレーRLY3のリレー接点が短絡している旨をRAM33に記憶する(S123)。一方、検出結果が第6の閾値より大きくない場合(S122:NO)、又はステップS123の処理を終えた場合、CPU31は、インバータ2をオフして(S124)
図12の処理を終了する。
【0112】
以上のように本実施の形態4によれば、絶縁トランスT1bの第1巻線N1bの両端に、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点における一の端子対が接続されると共に、第1巻線N1bの中点にリレーRLY3のリレー接点における一の端子が接続されており、且つリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点における他の端子対及びリレーRLY3のリレー接点における他の端子が単相3線式の電力系統4bから遮断されている。そして、インバータ2が外部から印加された直流電圧を交流電圧に変換して絶縁トランスT1bの第2巻線N2に印加し、上記他の端子対(即ち第1巻線N1b側とは反対側の端子対)のうち第1端子TM1及び第2端子TM2夫々と、上記他の端子(即ち第1巻線N1b側とは反対側の端子)との間の電圧を第1検出器VM1及び第2検出器VM2が検出する。この状態で、制御部30が、リレーRLY3をオンし、オンしたときに第1検出器VM1及び第2検出器VM2夫々が検出した電圧が第5の閾値より大きいか否かを判定する。
これにより、リレーRLY3がオンになった場合、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点のうち第1端子TM1(又は第2端子TM2)を含むスイッチが短絡しているときは、インバータ2から絶縁トランスT1bを介し、更にリレーRLY3のリレー接点及び短絡しているリレー接点を介して第1検出器VM1(又は第2検出器VM2)にVc/2の電圧が印加されるのに対し、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が何れも短絡していないときは、第1検出器VM1及び第2検出器VM2に電圧が印加されない。
従って、制御部30がリレーRLY3をオンしたときに第1検出器VM1(又は第2検出器VM2)が検出した電圧が第5の閾値より大きい場合、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点のうち第1端子TM1(又は第2端子TM2)を含むリレー接点が短絡していると判定することが可能となる。
【0113】
また、実施の形態4によれば、制御部30がリレーRLY3をオンしたときに第1検出器VM1及び第2検出器VM2夫々が検出した電圧が何れも第5の閾値より大きくない場合、リレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点が何れも短絡していないと判定される。このように判定されたことにより、リレーRLY1及びRLY2のうちリレー接点に第1端子TM1が含まれるリレーを制御部30がオンした場合、又はリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点のうち第1端子TM1を含むリレー接点が短絡している場合、第1検出器VM1が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを制御部30が判定する。これとは別に、リレー接点に第2端子TM2が含まれるリレーを制御部30がオンした場合、又はリレーRLY1及びRLY2夫々のリレー接点のうち第2端子TM2を含むリレー接点が短絡している場合、第2検出器VM2が検出した電圧が第6の閾値より大きいか否かを制御部30が判定する。
これにより、リレー接点に第1端子TM1(又は第2端子TM2)が含まれるリレーがオンになった場合、又は第1端子TM1(又は第2端子TM2)を含むリレー接点が短絡している場合に、リレーRLY3のリレー接点が短絡しているときは、インバータ2から絶縁トランスT1bを介し、更に第1端子TM1(又は第2端子TM2)を含むリレー接点及びリレーRLY3のリレー接点を介して第1検出器VM1(又は第2検出器VM2)にVc/2の電圧が印加されるのに対し、リレーRLY3のリレー接点が短絡していないときは、第1検出器VM1(又は第2検出器VM2)に電圧が印加されない。
従って、制御部30がリレー接点に第1端子TM1(又は第2端子TM2)が含まれるリレーをオンした場合、又は第1端子TM1(又は第2端子TM2)を含むリレー接点が短絡している場合、第1検出器VM1(又は第2検出器VM2)が検出した電圧が第6の閾値より大きいときに、リレーRLY3のリレー接点が短絡していると判定することが可能となる。
【0114】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。