特許第6333813号(P6333813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6333813マルチプルなアンテナ上のキャリアアグリゲーションのためのアンテナインターフェース回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333813
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】マルチプルなアンテナ上のキャリアアグリゲーションのためのアンテナインターフェース回路
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/52 20150101AFI20180521BHJP
   H04B 1/00 20060101ALI20180521BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180521BHJP
【FI】
   H04B1/52
   H04B1/00 257
   H04B1/00 260
   H04B1/00 264
   H04W72/04 111
【請求項の数】27
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-520590(P2015-520590)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-528237(P2015-528237A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】US2013048657
(87)【国際公開番号】WO2014005061
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年5月30日
(31)【優先権主張番号】61/666,088
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/649,965
(32)【優先日】2012年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】バイスマン、ハイム・エム.
(72)【発明者】
【氏名】マンソール、リモン・イー.
(72)【発明者】
【氏名】ホレンステイン、クリスチャン
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−514387(JP,A)
【文献】 特開2012−080224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38−1/58
H04B 1/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の帯域に関する第1の送信(TX)フィルタを備える第1のアンテナインターフェース回路と、ここで、前記第1のTXフィルタは、第1のアンテナを介した送信の前に第1の無線周波数(RF)信号をフィルタリングするように構成され、
第2の帯域に関する第2のTXフィルタを備える第2のアンテナインターフェース回路と、ここで、前記第2のTXフィルタは、第2のアンテナを介した送信の前に第2のRF信号をフィルタリングするように構成され、前記第1および第2のTXフィルタは、前記第1および第2の帯域上でワイヤレスネットワークに同時に送信される前記第1および第2のRF信号をフィルタリングするように構成され、前記第1のアンテナインターフェース回路および前記第2のアンテナインターフェース回路のうちの少なくとも1つは、前記第1の帯域に関する受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する他のRXフィルタとを含み、前記RXフィルタおよび前記他のRXフィルタは共通のアンテナで受信する、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための第1および第2のキャリア上でそれぞれ同時に送信される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1の帯域に関する前記第1のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを含む第1のトリプレクサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のアンテナインターフェース回路は、前記第2の帯域に関する前記第2のTXフィルタと、前記第2の帯域に関する第3のRXフィルタと、前記第1の帯域に関する第4のRXフィルタとを含む第2のトリプレクサ備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1の帯域に関する、前記第1のTXフィルタおよび受信(RX)フィルタを含むデュプレクサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のアンテナインターフェース回路は、前記第2の帯域に関する、前記第2のTXフィルタおよび受信(RX)フィルタを含むデュプレクサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1の帯域に関する前記第1のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、第3の帯域に関する第3のTXフィルタと、前記第3の帯域に関する第2のRXフィルタとを含むクアドプレクサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1のTXフィルタに結合され、前記第1のRF信号をフィルタリングして前記第1のRF信号の少なくとも1つの高調波を減衰させるように構成された、ローパスフィルタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、第3の帯域に関する第3のTXフィルタと、前記第3の帯域に関する第3のRXフィルタとを含むデュプレクサをさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、
前記第1の帯域に関する前記第1のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを含む第1のトリプレクサと、
第3の帯域に関する第3のTXフィルタと、前記第3の帯域に関する第3のRXフィルタと、第4の帯域に関する第4のRXフィルタとを含む第2のトリプレクサと
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のアンテナインターフェース回路は、
前記第2の帯域に関する前記第2のTXフィルタと、前記第2の帯域に関する第5のRXフィルタと、前記第1の帯域に関する第6のRXフィルタとを含む第3のトリプレクサと、
前記第4の帯域に関する第4のTXフィルタと、前記第4の帯域に関する第7のRXフィルタと、前記第3の帯域に関する第8のRXフィルタとを含む第4のトリプレクサと
を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1および第2のトリプレクサと前記第1のアンテナとの間に結合されたダイプレクサをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記ダイプレクサと前記第1のアンテナとの間に結合された少なくとも1つのスイッチをさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のTXフィルタと前記第1のアンテナとの間に結合された少なくとも1つのスイッチと、ここで、前記第1のTXフィルタは第1の無線技術のために使用され、
前記少なくとも1つのスイッチに結合された第2の無線技術のための少なくとも1つのフィルタと
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、
前記第1の帯域に関する、前記第1のTXフィルタおよび第1の受信(RX)フィルタを含む第1のマルチプレクサと、
第3の帯域に関する、第3のTXフィルタおよび第2のRXフィルタを含む第2のマルチプレクサと、
第4の帯域に関する、第4のTXフィルタおよび第3のRXフィルタを含む第3のマルチプレクサと
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のアンテナインターフェース回路は、
前記第1および第2のマルチプレクサに結合された少なくとも1つのスイッチと、
前記少なくとも1つのスイッチと、前記第3のマルチプレクサと、前記第1のアンテナとに結合されたダイプレクサと
をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
第1のアンテナに動作可能に結合され、第1の帯域に関する第1の送信(TX)フィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを備えるトリプレクサと、ここで、前記第1のRXフィルタおよび前記第2のRXフィルタは前記第1のアンテナで受信する、
第2のアンテナに動作可能に結合され、前記第2の帯域に関する第2のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第3のRXフィルタとを備えるマルチプレクサと
を備える、装置。
【請求項18】
前記マルチプレクサは第2のトリプレクサを備え、前記第2の帯域に関する前記第2のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する前記第3のRXフィルタと、前記第2の帯域に関する第4のRXフィルタとを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記トリプレクサおよび前記マルチプレクサは、キャリアアグリゲーションのための前記第1および第2の帯域上で同時に送信されたダウンリンクデータ伝送を受信するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記トリプレクサおよび前記マルチプレクサは、キャリアアグリゲーションのための、前記第1のアンテナを介した前記第1の帯域上の第1のアップリンクデータ伝送と、前記第2のアンテナを介した前記第2の帯域上の第2のアップリンクデータ伝送とを同時に送信するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記トリプレクサは、キャリアアグリゲーションを用いずに、前記第1のアンテナを介して前記第1の帯域上でアップリンクデータ伝送を送信するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
第1のアンテナインターフェース回路において、第1のアンテナを介した送信の前に、第1の帯域に関する第1の送信(TX)フィルタを用いて第1の無線周波数(RF)信号をフィルタリングすることと、
第2のアンテナインターフェース回路において、第2のアンテナを介した送信の前に、第2の帯域に関する第2のTXフィルタを用いて第2のRF信号をフィルタリングすることと、ここで、前記第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための前記第1および第2の帯域上で同時に送信され、前記第1のアンテナインターフェース回路および前記第2のアンテナインターフェース回路のうちの少なくとも1つは、前記第1の帯域に関する受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する他のRXフィルタとを含み、前記RXフィルタおよび前記他のRXフィルタは共通のアンテナで受信する、
を備える、方法。
【請求項23】
前記第1のアンテナを介して受信された第3のRF信号を、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタを用いてフィルタリングすることと、
前記第2のアンテナを介して受信された第4のRF信号を、前記第2の帯域に関する第2のRXフィルタを用いてフィルタリングすることと
をさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のアンテナを介して受信された第5のRF信号を、前記第2の帯域に関する第3のRXフィルタを用いてフィルタリングすることと、
前記第2のアンテナを介して受信された第6のRF信号を、前記第1の帯域に関する第4のRXフィルタを用いてフィルタリングすることと
をさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第1のアンテナインターフェース回路において、第1のアンテナを介した送信の前に、第1の帯域に関する第1の無線周波数(RF)信号をフィルタリングするための手段と、
第2のアンテナインターフェース回路において、第2のアンテナを介した送信の前に、第2の帯域に関する第2のRF信号をフィルタリングするための手段と、ここで、前記第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための前記第1および第2の帯域上で同時に送信され、前記第1のアンテナインターフェース回路および前記第2のアンテナインターフェース回路のうちの少なくとも1つは、前記第1の帯域に関する受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する他のRXフィルタとを含み、前記RXフィルタおよび前記他のRXフィルタは共通のアンテナで受信する、
を備える、装置。
【請求項26】
前記第1のアンテナを介して受信された、前記第1の帯域に関する第3のRF信号をフィルタリングするための手段と、
前記第2のアンテナを介して受信された、前記第2の帯域に関する第4のRF信号をフィルタリングするための手段と
をさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のアンテナを介して受信された、前記第2の帯域に関する第5のRF信号をフィルタリングするための手段と、
前記第2のアンテナを介して受信された、前記第1の帯域に関する第6のRF信号をフィルタリングするための手段と
をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
[0001] 本特許出願は、本願の譲受人に譲渡され、参照によってここに明確に組み込まれる、2012年6月29日出願の「ANTENNA INTERFACE CIRCUITS FOR CARRIER AGGREGATION ON MULTIPLE ANTENNAS」と題する、米国仮特許出願番号第61/666,088号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本開示は、概して、エレクトロニクスに関し、より具体的には、ワイヤレスデバイスのためのアンテナインターフェース回路およびフィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] ワイヤレス通信システムにおけるワイヤレスデバイス(例えば、セルラーフォンまたはスマートフォン)は、双方向通信のためにデータを送信および受信することができる。ワイヤレスデバイスは、データ送信のための送信機と、データ受信のための受信機とを含みうる。データ送信については、送信機は、データで無線周波数(RF)キャリア信号を変調して、変調RF信号を取得し、その変調RF信号を増幅して、適切な出力電力レベルを有する出力RF信号を取得し、その出力RF信号をアンテナを介して基地局に送信しうる。データ受信については、受信機は、受信RF信号をアンテナを介して取得し、受信RF信号を増幅および処理して、基地局によって送られたデータを復元しうる。
【0004】
[0004] ワイヤレスデバイスは、マルチプルなキャリア上の同時動作である、キャリアアグリゲーションをサポートしうる。キャリアは、通信に使用される周波数の範囲を指し、ある特定の特性に関連付けられうる。例えば、キャリアは、そのキャリア上の動作を説明するシステム情報に関連付けられうる。キャリアは、また、コンポーネントキャリア(CC)、周波数チャネル、セル、等と呼ばれうる。ワイヤレスデバイスによってキャリアアグリゲーションを効率的にサポートすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】[0005] ワイヤレスシステムと通信するワイヤレスデバイスを示す図である。
図2A】[0006] キャリアアグリゲーション(CA)の一例を示す図である。
図2B】キャリアアグリゲーション(CA)の一例を示す図である。
図2C】キャリアアグリゲーション(CA)の一例を示す図である。
図2D】キャリアアグリゲーション(CA)の一例を示す図である。
図3】[0007] 図1のワイヤレスデバイスのブロック図である。
図4A】[0008] フル多重(full multiplexing)を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図4B】フル多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図5A】[0009] 部分多重(partial multiplexing)を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図5B】部分多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図5C】部分多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図5D】部分多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図5E】部分多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図5F】部分多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする、RFフロントエンドユニットの例示的な設計の1つを示す図である。
図6】[0010] 多入力多出力(MIMO)通信および2つのアンテナを介した1つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図7A】[0011] 部分多重を用いて2つのアンテナを介した3つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図7B】[0012] 部分多重を用いて2つのアンテナを介した4つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図8A】[0013] 部分多重を用いて2つのアンテナを介した4つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図8B】部分多重を用いて2つのアンテナを介した4つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図9A】[0014] 部分多重を用いて2つのアンテナを介した6つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図9B】部分多重を用いて2つのアンテナを介した6つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図10】[0015] 6つの帯域上での通信をサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す図である。
図11】[0016] 部分多重を用いてキャリアアグリゲーションをサポートするためのプロセスを示す図である。
【詳細な説明】
【0006】
[0017] 以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的な設計の説明として意図されており、本開示が実現されうる唯一の設計を表すことを意図したものではない。ここでは、「例示的(exemplary)」という用語は、「例、実例、または説明としての役割をする」という意味で使用される。「例示的」なものとしてここに説明されるいずれの設計も、必ずしも他の設計に対して好ましいまたは有利なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の例示的な設計の完全な理解を提供することを目的とした特定の詳細を含む。ここに説明される例示的な設計が、これらの特定の詳細なしに実現されうることは、当業者にとって明らかであろう。いくつかの事例では、周知の構造およびデバイスが、ここに提示される例示的な設計の新規性を曖昧にすることを避けるために、ブロック図の形態で示される。
【0007】
[0018] マルチプルなアンテナを介したマルチプルな帯域上のキャリアアグリゲーションを効率的にサポートすることができる、アンテナインターフェース回路およびフィルタがここに開示される。これらのアンテナインターフェース回路およびフィルタは、様々な利点を提供することができ、ワイヤレス通信デバイスのような様々なタイプの電子デバイスに使用されうる。
【0008】
[0019] 図1は、ワイヤレス通信システム120と通信することが可能なワイヤレスデバイス110を示す。ワイヤレスシステム120は、ロングタームエボリューション(LTA)システム、符号分割多元接続(CDMA)システム、グローバルシステム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標))システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システム、または他の何らかのワイヤレスシステムでありうる。CDMAシステムは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、CDMA1X、時分割同期CDMA(TD−SCDMA)、または他の何らかのバージョンのCDMAをインプリメントしうる。簡単のために、図1は、2つの基地局130および132と、1つのシステムコントローラ140とを含む、ワイヤレスシステム120を示す。一般に、ワイヤレスシステムは、任意の数の基地局と、任意のセットのネットワークエンティティとを含みうる。
【0009】
[0020] ワイヤレスデバイス110は、また、ユーザ機器(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局、等とも呼ばれうる。ワイヤレスデバイス110は、セルラーフォン、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスモデム、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイス、等でありうる。ワイヤレスデバイス110は、ワイヤレスシステム120と通信することが可能でありうる。ワイヤレスデバイス110は、また、放送局(例えば、放送局134)からの信号、1つまたは複数のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)内の衛星(例えば、衛星150)からの信号、等を受信することが可能でありうる。ワイヤレスデバイス110は、LTE、WCDMA、CDMA1X、TD−SCDMA、GSM、802.11、等のようなワイヤレス通信のための1つまたは複数の無線技術をサポートしうる。
【0010】
[0021] ワイヤレスデバイス110は、マルチプルなキャリア上の動作である、キャリアアグリゲーションをサポートしうる。キャリアアグリゲーションは、また、マルチキャリア動作と呼ばれうる。ワイヤレスデバイス110は、698〜960メガヘルツ(MHz)の低帯域、1475〜2170MHzの中帯域、および/または2300〜2690MHzと、3400〜3800MHzの高帯域において、動作することが可能である。低帯域、中帯域、および高帯域は、各帯域グループがいくつかの周波数帯域(または単に「帯域(bands)」)を含む、3つのグループの帯域(または、帯域グループ)を指す。各帯域は、最大200MHzまでカバーし、1つまたは複数のキャリアを含みうる。各キャリアは、LTEでは最大20MHzまでカバーしうる。LTEリリース11は、35帯域をサポートし、それらは、LTE/UMTS帯域と呼ばれ、3GPP TS 36.101に列挙されている。ワイヤレスデバイス110は、LTEリリース11では1つまたは2つの帯域中の最大5つのキャリアで構成されうる。
【0011】
[0022] 一般に、キャリアアグリゲーション(CA)は、帯域内CA(intra-band CA)と帯域間CA(inter-band CA)の2つの種類に分類されうる。帯域内CAは、同じ帯域内のマルチプルなキャリア上の動作を指す。帯域間CAは、異なる帯域にあるマルチプルなキャリア上の動作を指す。
【0012】
[0023] 図2Aは、連続した帯域内CAの一例を示す。図2Aに示される例では、ワイヤレスデバイス110は、低帯域内の同じ帯域の中の4つの連続したキャリアで構成される。ワイヤレスデバイス110は、同じ帯域内のマルチプルな連続キャリア上の伝送を送信および/または受信しうる。
【0013】
[0024] 図2Bは、不連続な帯域内CAの一例を示す。図2Bに示される例では、ワイヤレスデバイス110は、低帯域内の同じ帯域の中の4つの不連続なキャリアで構成される。キャリアは、5MHz、10MHz、または他の何らかの量だけ隔てられうる。ワイヤレスデバイス110は、同じ帯域内のマルチプルな不連続キャリア上の伝送を送信および/または受信しうる。
【0014】
[0025] 図2Cは、同じ帯域グループにおける帯域間CAの一例を示す。図2Cに示される例では、ワイヤレスデバイス110は、低帯域内の2つの帯域の中の4つのキャリアで構成される。ワイヤレスデバイス110は、同じ帯域グループにある異なる帯域の中のマルチプルなキャリア上の伝送を送信および/または受信しうる。
【0015】
[0026] 図2Dは、異なる帯域グループにおける帯域間CAの一例を示す。図2Dに示される例では、ワイヤレスデバイス110は、低帯域にある1つの帯域の中の2つのキャリアと、中帯域にある別の帯域の中の2つの追加のキャリアとを含む、異なる帯域グループにある2つの帯域の中の4つのキャリアで構成される。ワイヤレスデバイス110は、異なる帯域グループにある異なる帯域の中のマルチプルなキャリア上の伝送を送信および/または受信しうる。
【0016】
[0027] 図2A〜2Dは、キャリアアグリゲーションの4つの例を示す。キャリアアグリゲーションは、また、帯域および帯域グループの他の組み合わせについてもサポートされうる。例えば、キャリアアグリゲーションは、低帯域と高帯域、中帯域と高帯域、高帯域と高帯域、等についてサポートされうる。
【0017】
[0028] 帯域間CAは、以下を含みうる、4つのクラス/カテゴリにグループ分けされうる。
クラスA1−帯域間に高調波関係がない、低帯域と高帯域の組み合わせ
クラスA2−帯域間に高調波関係がある、低帯域と高帯域の組み合わせ
クラスA3−相互変調(IM)問題(下位IM)がない、低帯域と低帯域の組み合わせ、または高帯域と高帯域の組み合わせ
クラスA4−相互変調問題(下位IM)がある、低帯域と低帯域の組み合わせ、または高帯域と高帯域の組み合わせ
[0029] ワイヤレスデバイス110は、上で挙げられた帯域間CAの4つのすべてのクラス/カテゴリのための要件を満たすように設計されうる。
【0018】
[0030] 図3は、図1のワイヤレスデバイス110の例示的な設計のブロック図を示す。この例示的な設計では、ワイヤレスデバイス110は、データプロセッサ/コントローラ310と、1次アンテナ390に結合されたトランシーバ320と、2次アンテナ392に結合されたトランシーバ322とを含む。トランシーバ320は、K個の送信機330pa〜330pkと、L個の受信機340pa〜340plと、アンテナインターフェース回路350とを含み、マルチプルな帯域、キャリアアグリゲーション、マルチプルな無線技術、等をサポートする。KおよびLは、それぞれ、1またはそれ以上の任意の正数値でありうる。トランシーバ322は、M個の送信機330sa〜330smと、N個の受信機340sa〜340snと、アンテナインターフェース回路356とを含み、マルチプルな帯域、キャリアアグリゲーション、マルチプルな無線技術、受信ダイバーシティ、多入力多出力(MIMO)伝送、等をサポートする。MおよびNは、それぞれ、1またはそれ以上の任意の正数値でありうる。
【0019】
[0031] 図3に示される例示的な設計では、各送信機330が、送信回路332および電力増幅器(PA)334を含む。データ送信では、データプロセッサ310が、送信されるべきデータを処理し(例えば、符号化および変調し)、アナログ出力信号を、選択された送信機に提供する。以下の説明は、送信機330paが、選択された送信機であると仮定する。送信機330pa内では、送信回路332paが、アナログ出力信号を、増幅し、フィルタリングし、ベースバンドからRFにアップコンバートして、変調RF信号を提供する。送信回路332paは、増幅器、フィルタ、ミキサ、整合回路、発振器、局部発振器(LO)生成器、フェーズロックループ(PLL)、等を含みうる。PA334paは、変調RF信号を受信して増幅し、適正な出力電力レベルを有する出力RF信号を提供する。出力RF信号は、アンテナインターフェース回路350を通じてルーティングされ、アンテナ390を介して送信される。アンテナインターフェース回路350は、1つまたは複数のフィルタ、デュプレクサ、ダイプレクサ、トリプレクサ、クアドプレクサ、スイッチ、整合回路、方向性結合器、等を含みうる。トランシーバ320および322内の残りの各送信機330は、送信機330paと同様の方法で動作しうる。
【0020】
[0032] 図3に示される例示的な設計では、各受信機340が、低雑音増幅器(LNA)342および受信回路344を含む。データ受信では、アンテナ390が、基地局および/または他の送信機局から信号を受信して、受信RF信号を提供し、それは、アンテナインターフェース回路350を通じてルーティングされ、選択された受信機に提供される。以下の説明は、受信機340paが、選択された受信機であると仮定する。受信機340pa内では、LNA342paは、受信RF信号を増幅し、増幅されたRF信号を提供する。受信回路344paは、増幅されたRF信号をRFからベースバンドにダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号を増幅してフィルタリングし、アナログ入力信号をデータプロセッサ310に提供する。受信回路344paは、ミキサ、フィルタ、増幅器、整合回路、発振器、LO生成器、PLL、等を含みうる。トランシーバ320および322内の残りの各受信機340は、受信機340paと同様の方法で動作しうる。
【0021】
[0033] 図3は、送信機330および受信機340の例示的な設計を示す。送信機および受信機は、また、フィルタ、整合回路、等のような、図3に示されていない他の回路を含みうる。トランシーバ320および322のすべてまたは一部分が、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、混合信号IC、等にインプリメントされうる。例えば、送信回路332、LNA342、および受信回路344は、RFIC等でありうる、1つのモジュール上にインプリメントされうる。アンテナインターフェース回路350および356とPA334は、ハイブリッドモジュール等でありうる、別のモジュール上にインプリメントされうる。トランシーバ320および322内の回路は、また、他の方法でインプリメントされうる。
【0022】
[0034] データプロセッサ/コントローラ310は、ワイヤレスデバイス110のための様々な機能を実行しうる。例えば、データプロセッサ310は、送信機330を介して送信されているデータ、および受信機340を介して受信されているデータのための処理を実行しうる。コントローラ310は、送信回路332、PA334、LNA342、受信回路344、アンテナインターフェース回路350および356、またはこれらの組み合わせの動作を制御しうる。メモリ312は、データプロセッサ/コントローラ310のためのプログラムコードおよびデータを記憶しうる。データプロセッサ/コントローラ310は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上にインプリメントされうる。
【0023】
[0035] アンテナインターフェース回路350および356は、キャリアアグリゲーションをサポートするために、様々な方法でインプリメントされうる。アンテナインターフェース回路350および356のいくつかの例示的な設計が以下に説明される。一般に、アンテナインターフェース回路は、任意の数のデュプレクサ、ダイプレクサ、トリプレクサ、クアドプレクサ、スイッチ、等を含みうる。デュプレクサは、通常、データ送信のための送信(TX)フィルタと、データ受信のための受信(RX)フィルタとを含む。TXフィルタおよびRXフィルタは、通常、特定の帯域用に設計されている。ダイプレクサは、通常、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを含み、それらは2つの帯域グループにおける信号を分離するために使用されうる。
【0024】
[0036] 図4Aは、2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路450および456を備えるRFフロントエンドユニット410の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路450および456は、図3のアンテナインターフェース回路350および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路450は、1次アンテナ490を介した、帯域AおよびB上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路456は、受信ダイバーシティのための2次アンテナ492を介した、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信をサポートする。
【0025】
[0037] アンテナインターフェース回路450は、帯域Aのためのデュプレクサ460aと、帯域Bのためのデュプレクサ460bと、ダイプレクサ466とを含む。デュプレクサ460aは、PA430aに結合された、帯域AのためのTXフィルタ462aと、LNA440aに結合された、帯域AのためのRXフィルタ464aとを含む。TXフィルタ462aの出力およびRXフィルタ464aの入力は、デュプレクサ460aの出力に結合される。デュプレクサ460bは、PA430bに結合された、帯域BのためのTXフィルタ462bと、LNA440bに結合された、帯域BのためのRXフィルタ464bとを含む。TXフィルタ462bの出力およびRXフィルタ464bの入力はデュプレクサ460bの出力に結合される。ダイプレクサ466は、デュプレクサ460aの出力に結合された第1の入力と、デュプレクサ460bの出力に結合された第2の入力と、アンテナ490に結合された出力とを含む。ダイプレクサ466は、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを含み、一方のフィルタが、ダイプレクサ466の第1の入力と出力との間に結合され、他方のフィルタが、ダイプレクサ466の第2の入力と出力との間に結合されている。例えば、帯域Aは低帯域にあり、帯域Bは高帯域にありうる。デュプレクサ460aは、次いで、ダイプレクサ466内のローパスフィルタに結合され、デュプレクサ460bは、ダイプレクサ466内のハイパスフィルタに結合されうる。
【0026】
[0038] アンテナインターフェース回路456は、帯域AのためのRXフィルタ474aと、帯域BのためのRXフィルタ474bと、ダイプレクサ476とを含む。RXフィルタ474aは、LNA440cとダイプレクサ476との間に結合される。RXフィルタ474bは、LNA440dとダイプレクサ476との間に結合される。ダイプレクサ476は、その出力が、2次/ダイバーシティアンテナである、アンテナ492に結合されている。
【0027】
[0039] 図4Bは、2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路452および456を備えるRFフロントエンドユニット412の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路452は、図3のアンテナインターフェース回路350に使用されうる。アンテナインターフェース回路452は、帯域AおよびBのためのクアドプレクサ461を含む。クアドプレクサ461は、帯域AのためのTXフィルタ462aおよびRXフィルタ464aと、帯域BのためのTXフィルタ462bおよびRXフィルタ464bとを含む。TXフィルタ462aおよび462bの出力と、RXフィルタ464aおよび464bの入力とは、アンテナ490に結合された、クアドプレクサ461の出力に結合されている。
【0028】
[0040] 図4Aの例示的な設計は、(i)1次アンテナ490について2つのデュプレクサ460aおよび460bと1つのダイプレクサ466、および(ii)2次/ダイバーシティアンテナ492について2つのRXフィルタ474aおよび474bと1つのダイプレクサ476を使用する。クラスA2およびクラスA4の帯域間CAでは、高調波除去(harmonic rejection)フィルタが、それぞれのデュプレクサ460とダイプレクサ466との間に結合されうる。図4Bの例示的な設計は、(i)1次アンテナ490について2つのデュプレクサ460aおよび460bを共に組み合わせたクアドプレクサ461、および(ii)2次/ダイバーシティアンテナ492について2つのRXフィルタ474aおよび474bと1つのダイプレクサ476を使用する。図4Aおよび4Bの例示的な設計は、より大きな回路サイズと追加のコンポーネントを有し、それらは、ワイヤレスデバイスのコストを増加させうる。図4Aおよび4Bの例示的な設計は、また、追加のコンポーネントおよび整合問題に起因する、より高い挿入損失を有し、それは、ワイヤレスデバイスのパフォーマンスに悪影響を及ぼしうる。
【0029】
[0041] 図4Aおよび4Bの例示的な設計は、1つのアンテナ上の2つの帯域AおよびBの「フル(full)」多重化(multiplexing)を用いて、2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートする。具体的には、帯域AおよびBの両方におけるデータ送信および受信は、(i)図4Aにおける2つのデュプレクサ460aおよび460bとダイプレクサ466、または(ii)図4Bにおけるクアドプレクサ461、のいずれかを使用して、1次アンテナ490を介してサポートされる。
【0030】
[0042] フル多重を用いるキャリアアグリゲーションは、様々な不利益を有しうる。第1に、(例えば、図4Bに示されるように)2つのデュプレクサを1つのクアドプレクサに組み合わせること、または、(例えば、図4Aに示されるように)2つのデュプレクサと1つのダイプレクサを使用することは、特に、2つの帯域AとBとの間の周波数ギャップが小さいときに、インプリメントするのがより難しいことがある。第2に、(例えば、図4Bに示されるような)クアドプレクサに関する挿入損失、または(例えば、図4Aに示されるような)ダイプレクサと組み合わせられたデュプレクサに関する挿入損失が、相対的に高いことがあり、それは、トランシーバのパフォーマンスを低下させうる。第3に、同じアンテナを介して2つの帯域上でデータ伝送を同時に送信することは、十分に低い高調波および相互変調歪み(IMD)積を達成するために、余分の設計努力を必要としうる。第4に、図4Aおよび図4Bの例示的な設計は、より大きい回路面積、より高いコンポーネント数、および/またはより高いコストをもたらしうる。
【0031】
[0043] 本開示の一態様では、キャリアアグリゲーションは、マルチプルなアンテナを介したマルチプルな帯域上の伝送の「部分(partial)」多重化(multiplexing)を用いてサポートされうる。部分多重は、各アンテナを介したマルチプルな帯域の1つのサブセットのみでの伝送を指す。例えば、2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションは、1次アンテナを介して帯域A上で伝送することと、2次アンテナを介して帯域B上で伝送することとによってサポートされうる。部分多重は、アンテナ間分離(antenna-to-antenna isolation)による恩恵をもたらし、それは、データ送信および受信がマルチプルな帯域上で同時に生じるときに、回路の非線形性に起因して生成される、IMD積および高調波の電力レベルを低減しうる。部分多重は、また、より単純な回路をもたらすことができ、それは、ワイヤレスデバイスのサイズおよびコストを低減しうる。
【0032】
[0044] 図5Aは、帯域AおよびBの両方のためにダイバーシティ受信および部分多重を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路550および556を備えるRFフロントエンドユニット510の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路550および556は、図3のアンテナインターフェース回路350および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路550は、1次アンテナ590を介した、帯域A上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路556は、2次アンテナ592を介した、帯域B上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0033】
[0045] 図5Aに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路550は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ560を含む。トリプレクサ560は、PA530aに結合された、帯域AのためのTXフィルタ562と、LNA540aに結合された、帯域AのためのRXフィルタ564と、LNA540bに結合された、帯域BのためのRXフィルタ566とを含む。TXフィルタ562の出力と、RXフィルタ564および566の入力は、アンテナ590に結合された、トリプレクサ560の出力に結合される。
【0034】
[0046] 一般に、「トリプレクサ(triplexer)」は、例えば、1つのTXフィルタと2つのRXフィルタといった、少なくとも3つのフィルタを備える回路モジュール/ブロックである。トリプレクサは、また、3つより多くのフィルタを含むことができ、それらフィルタのすべてまたはサブセットが使用されうる。例えば、トリプレクサは4つのフィルタを含みうるが、3つのフィルタのみが使用されて、トリプレクサの入力および出力に結合されうる。「マルチプレクサ(multiplexer)」は、少なくとも2つのフィルタを備える回路モジュール/ブロックである。マルチプレクサは、ダイプレクサ、トリプレクサ、クアドプレクサ、等でありうる。
【0035】
[0047] 図5Aに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路556は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ570を含む。トリプレクサ570は、PA530bに結合された、帯域BのためのTXフィルタ572と、LNA540cに結合された、帯域BのためのRXフィルタ574と、LNA540dに結合された、帯域AのためのRXフィルタ576とを含む。TXフィルタ572の出力と、RXフィルタ574および576の入力は、アンテナ592に結合された、トリプレクサ570の出力に結合される。
【0036】
[0048] TXフィルタ562および572と、RXフィルタ564、566、574、および576は、様々な方法でインプリメントされうる。TXフィルタまたはRXフィルタは、表面弾性波(SAW)フィルタ、バルク弾性波(BAW)フィルタ、薄膜圧電共振器(FBAR)フィルタ、微小電気機械システム(MEMS)フィルタ、セラミックフィルタ、等を用いてインプリメントされうる。
【0037】
[0049] 図5Aに示される例示的な設計では、帯域Aについてのデータ送信および受信ならびに帯域Bについてのダイバーシティデータ受信は、アンテナインターフェース回路550および1次アンテナ590を介してサポートされる。帯域Bについてのデータ送信および受信ならびに帯域Aについてのダイバーシティデータ受信は、アンテナインターフェース回路556および2次アンテナ592を介してサポートされる。1次アンテナ590と2次アンテナ592との間のアンテナ間分離は、IMD積および高調波の電力レベルを低減するために利用され、それはパフォーマンスを改善しうる。
【0038】
[0050] 図5Bは、2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路550および556を備えるRFフロントエンドユニット512の例示的設計を示す。図5Bに示される例示的な設計では、帯域Aについてのデータ送信と1次データ受信ならびに帯域Bについての1次データ受信は、アンテナインターフェース回路550および1次アンテナ590を介してサポートされる。帯域Bについてのデータ送信とダイバーシティデータ受信ならびに帯域Aについてのダイバーシティデータ受信は、アンテナインターフェース回路556および2次アンテナ592を介してサポートされる。
【0039】
[0051] 図5Cは、2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路552および556を備えるRFフロントエンドユニット514の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路552および556は、図3のアンテナインターフェース回路350および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路552は、1次アンテナ590を介した、帯域A上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路556は、2次アンテナ592を介した、帯域B上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0040】
[0052] 図5Cに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路552は、ローパスフィルタ568およびトリプレクサ560を含む。ローパスフィルタ568は、その入力がPA530aの出力に結合され、その出力がトリプレクサ560内のTXフィルタ562の入力に結合されている。ローパスフィルタ568は、PA530aからの増幅されたRF信号をフィルタリングして、帯域A内の信号成分を通過させ、帯域Aよりも高い高周波数信号成分を減衰させる。
【0041】
[0053] PA530aからの増幅されたRF信号は、帯域Aにおいて送信され、帯域Bの受信周波数の範囲内に入る高調波を有しうる。例えば、増幅されたRF信号は、帯域17において送信され、帯域4の受信周波数範囲内に入る3次高調波を有しうる。帯域AのためのTXを1次アンテナ590上に配置し、帯域Bのための1次RXを2次アンテナ592上に配置することによって、1次アンテナ590と2次アンテナ592との間の分離が、帯域B上に入る増幅されたRF信号の高調波の(例えば、約15dBの)減衰を提供するために利用されうる。ローパスフィルタ568は、増幅されたRF信号をフィルタリングし、増幅されたRF信号の高調波の更なる減衰をもたらすことができる。したがって、ローパスフィルタ568は、帯域A上の増幅されたRF信号の高調波の除去を提供することができ、それは、2次アンテナ592を介した帯域B上の1次RXと、1次アンテナ590を介した帯域B上のダイバーシティRXの両方にとって有益でありうる。
【0042】
[0054] 図5Cには示されていないが、ローパスフィルタは、PA530bとTXフィルタ572との間に結合されて、PA530bからの増幅されたRF信号の帯域外信号成分(例えば、高調波)を減衰させるために使用されうる。
【0043】
[0055] 図5Dは、1つの帯域のみに関するダイバーシティ受信を用いて2つのアンテナを介した2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路550および558を備えるRFフロントエンドユニット516の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路550および558は、図3のアンテナインターフェース回路350および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路550は、1次アンテナ590を介した、帯域A上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路558は、2次アンテナ592を介した帯域B上のアップリンクでのデータ送信とダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路558は、帯域Bのためのデュプレクサ571を含む。デュプレクサ571は、PA530bに結合された、帯域BのためのTXフィルタ572と、LNA540cに結合された、帯域BのためのRXフィルタ574とを含む。TXフィルタ572の出力と、RXフィルタ574の入力は、アンテナ592に結合された、デュプレクサ571の出力に結合される。
【0044】
[0056] 図5Eは、2つの帯域AおよびBに関するダイバーシティ受信を用いて、2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路550および559を備えるRFフロントエンドユニット517の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路550および559は、図3のアンテナインターフェース回路350および356のためにそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路550は、1次アンテナ590を介した、帯域A上のアップリンクでのデータ送信と、帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路559は、2次アンテナ592を介した帯域AおよびB上のダウンリンクでのデータ受信をサポートする。アンテナインターフェース回路559は、帯域AおよびBのためのマルチプレクサ573を含む。マルチプレクサ573は、LNA540cに結合された、帯域AのためのRXフィルタ575と、LNA540dに結合された、帯域BのためのRXフィルタ577とを含む。RXフィルタ575および577の出力は、アンテナ592に結合された、マルチプレクサ573の出力に結合される。
【0045】
[0057] 図5Fは、ダイバーシティ受信を用いない、2つのアンテナを介した2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路554および558を備えるRFフロントエンドユニット518の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路554および558は、図3のアンテナインターフェース回路350および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路554は、1次アンテナ590を介した帯域A上のアップリンクでのデータ送信とダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路554は、帯域Aのためのデュプレクサ561を含む。デュプレクサ561は、PA530aに結合された、帯域AのためのTXフィルタ562と、LNA540aに結合された、帯域AのためのRXフィルタ564とを含む。TXフィルタ562の出力と、RXフィルタ564の入力は、アンテナ590に結合された、デュプレクサ561の出力に結合される。アンテナインターフェース回路558は、2次アンテナ592を介した帯域B上のアップリンクでのデータ送信とダウンリンクでのデータ受信とをサポートし、図5Dについて上述されている。
【0046】
[0058] 図5A〜5Fに示される例示的な設計は、帯域の様々な組み合わせをサポートするために使用されうる。表1は、図5A〜5Fに示される例示的な設計によってサポートされうる、帯域の3つの例示的な組み合わせをリスト化している。表1の帯域は、LTE/UMTSについて定義され、LTE帯域と呼ばれうる。表1の周波数は、MHzの単位である。
【表1】
【0047】
表1の例1では、キャリアアグリゲーションが、高帯域にある帯域1と中帯域にある帯域21についてサポートされている。例2では、キャリアアグリゲーションが、低帯域にある帯域5と低帯域にある帯域12についてサポートされている。例3では、キャリアアグリゲーションが、高帯域にある帯域4と低帯域にある帯域17についてサポートされている。帯域17は、704〜716MHzというTX/アップリンク周波数の範囲を有する。帯域17のアップリンク周波数の範囲の3次高調波は、2112〜2148MHzの間に入り、それは、帯域4のための2110〜2155というRX/ダウンリンク周波数の範囲とオーバーラップする。帯域17上のアップリンクでのデータ送信は、帯域4上のダウンリンクでのデータ受信と干渉しうる。帯域17が帯域4と干渉するレベル/程度は、低帯域デュプレクサにおける高調波除去、ダイプレクサにおける高調波除去、および1次アンテナと2次アンテナとの間のアンテナ間分離に起因する高調波減衰のような、様々なファクタに依存しうる。例えば、帯域17上の送信信号の2次高調波は、帯域17上の受信信号と混合し、帯域4上の受信信号に干渉をもたらしうる。
【0048】
[0060] 部分多重は、例1〜3の帯域の組み合わせに様々な利点を提供しうる。第1に、アンテナ分離が最小帯域整合をもたらしうる。第2に、より低い挿入損失が得られ、(例えば、図4Aの)2つのデュプレクサよりも、(例えば、図5Aの)トリプレクサについてインピーダンスおよび/または電力を整合する方が容易でありうる。第3に、より良好な分離が帯域間で達成されうる。第4に、受信ダイバーシティのために追加のRXフィルタが必要とされない。第5に、高調波およびIMD積に対するより良好な耐性がPA間で達成されうる。第6に、1次および2次アンテナが、通常、多くのワイヤレスデバイス上に既に存在するので、追加の送信アンテナは必要とされない。
【0049】
[0061] 図5A〜5Fは、2つのアンテナを介した2つの帯域AおよびB上のキャリアアグリゲーションを、部分多重を用いてサポートするRFフロントエンドユニットの例示的な設計を示す。一般に、部分多重は、任意の数のアンテナを介した任意の数の帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするために使用されうる。N個のアンテナを介したK個の帯域上のキャリアアグリゲーションを、部分多重を用いてサポートするために、各アンテナは、K個の帯域の異なるサブセット上のデータ伝送をサポートすることができ、ここで、K>1およびN>1である。1つの例示的な設計では、N個のアンテナは、同じ数の帯域上のデータ伝送をサポートしうる。例えば、各アンテナは、1つの帯域のみ、または2つの帯域、等でのデータ伝送をサポートしうる。別の例示的な設計では、N個のアンテナは、異なる数の帯域上のデータ伝送をサポートしうる。例えば、1つのアンテナが、1つの帯域上のデータ伝送をサポートし、別のアンテナが、2つの帯域等でのデータ伝送をサポートしうる。両方の例示的な設計では、各アンテナは、また、任意の数の帯域上のデータ受信をサポートしうる。N個のアンテナは、同じ数の帯域、または異なる数の帯域上のデータ受信をサポートしうる。例えば、各アンテナは、すべての帯域、あるいは1つの帯域、あるいは2つの帯域、あるいは1つまたは2つの帯域のいずれか、等でのデータ受信をサポートしうる。
【0050】
[0062] 図6は、2つのアンテナを介して、MIMO通信、ならびに、1つの帯域A上の帯域間キャリアアグリゲーションと、2つの帯域AおよびB上の帯域内キャリアアグリゲーションとをサポートする、アンテナインターフェース回路650および656を備えるRFフロントエンドユニット610の例示的な設計を示す。RFフロントエンドユニット610は、また、帯域Aがアップリンクおよびダウンリンクの両方をサポートし、帯域Bがダウンリンクのみをサポートするときに、帯域間キャリアアグリゲーションをサポートする。アンテナインターフェース回路650および656は、図3のアンテナインターフェース回路350および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路650は、1次アンテナ690を介して、第1のアンテナのための、アップリンクでのデータ送信とダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路656は、2次アンテナ692を介して、第2のアンテナのための、アップリンクでのデータ送信とダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0051】
[0063] 図6に示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路650は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ660を含む。トリプレクサ660は、PA630aに結合されたTXフィルタ662と、LNA640aに結合されたRXフィルタ664と、LNA640bに結合されたRXフィルタ666とを含む。TXフィルタ662の出力と、RXフィルタ664および666の入力は、アンテナ690に結合されたトリプレクサ660の出力に結合される。
【0052】
[0064] 図6に示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路656は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ670を含む。トリプレクサ660は、PA630bに結合されたTXフィルタ672と、LNA640cに結合されたRXフィルタ674と、LNA640dに結合されたRXフィルタ676とを含む。TXフィルタ672の出力と、RXフィルタ674および676の入力は、アンテナ692に結合されたトリプレクサ670の出力に結合される。
【0053】
[0065] 図6に示される例示的な設計では、第1のアンテナについてのデータ送信および受信ならびに第2のアンテナについてのダイバーシティデータ受信は、アンテナインターフェース回路650および1次アンテナ690を介してサポートされる。第2のアンテナについてのデータ送信および受信ならびに第1のアンテナについてのダイバーシティデータ受信は、アンテナインターフェース回路656および2次アンテナ692を介してサポートされる。1次アンテナ690と2次アンテナ692との間のアンテナ間分離は、IMD積および高調波の電力レベルを低減するために利用され、それはパフォーマンスを改善しうる。
【0054】
[0066] 図6は、部分多重を使用してMIMO通信をサポートする例示的な設計を示す。部分多重は、また、他の方式でMIMO通信をサポートするためにも使用されうる。トリプレクサは、(例えば、図6に示されるように)各アンテナについて使用され、ハードウェアまたはインプリメンテーションの変更なしに、(i)連続または不連続な帯域内CA動作、および/または(ii)MIMO動作、をサポートしうる。
【0055】
[0067] 図5A〜5Eの例示的な設計は、少なくとも1つのアンテナの各々について単純なトリプレクサを使用して、1つの送信帯域を2つの受信帯域と多重化する。(例えば、図5Aおよび5Bに示されるように)1次アンテナは、1つの帯域A上のデータ送信と、2つの帯域AおよびB上のデータ受信とをサポートしうる。(例えば、図5Aおよび5Bに示されるように)2次アンテナは、1つの帯域B上のデータ送信と、2つの帯域AおよびB上のデータ受信とをサポートしうる。図5Aおよび5Bでは、LNA540aおよび540dの出力が、帯域Aのための適切な受信回路にルーティングされうる。LNA540bおよび540cの出力は、帯域Bのための適切な受信回路にルーティングされうる。
【0056】
[0068] 例えば、図5A〜5Fに示されるように、帯域間CAは、部分多重を用いて、より良好にサポートされうる。クラスA1の帯域間CAでは、クアドプレクサにおいて帯域AおよびBのための2つのデュプレクサを多重化するよりも、トリプレクサ560において、帯域Aのためのデュプレクサ(例えば、TXフィルタ562とRXフィルタ564を備える)と、帯域BのためのRXフィルタ566とを整合させるほうが容易でありうる。クラスA2の帯域間CAでは、(例えば、図4Bに示されるような)クアドプレクサおよび単一のアンテナを介した2つの帯域上の同時データ伝送と比較して、(例えば、図5Aに示されるような)単一の帯域上のデータ伝送のための方が、より良好な高調波およびIMDの除去を達成するのが容易でありうる。クラスA3の帯域間CAでは、特に2つの帯域間の周波数ギャップが比較的小さいときには、(例えば、図4Aに示されるような)2つのデュプレクサと1つのダイプレクサよりも、(例えば、図5Aに示されるような)デュプレクサとRXフィルタとを備えるトリプレクサの方が、より低い挿入損失が達成されうる。
【0057】
[0069] (例えば、図5A〜5Fに示されるように)部分多重によって各アンテナ上の複数の帯域のサブセット上の(例えば、1つの帯域上の)データ伝送をサポートすることは、様々な利点を提供しうる。第1に、部分多重は、上述の帯域間CAの4つのクラスA1〜A4すべてをサポートしうる。第2に、各アンテナに1つのトリプレクサで、2つのトリプレクサ560および570が2つのアンテナに使用される。トリプレクサは、インプリメントするのがより容易であり、(例えば、図4Bに示されるような)クアドプレクサ、または(例えば、図4Aに示されるような)2つのデュプレクサと1つのダイプレクサとの組み合わせよりも、低い挿入損失を有しうる。トリプレクサは、また、図4Aおよび4Bの例示的な設計と比較して、より小さい回路面積と、より少ないパーツ数を有しうる。
【0058】
[0070] 第3に、部分多重を用いる、異なるアンテナを介した異なる帯域上のデータ伝送は、IMD積および高調波の電力レベルを低減しうる。トランシーバ内の能動回路および受動回路(例えば、スイッチ、デュプレクサ、クアドプレクサ、トリプレクサ、ダイプレクサ、PA、等)は、いくらかの非線形性を本質的に有しうる。マルチプルな帯域上の同時データ伝送は、トランシーバ内の回路の非線形性により、高調波およびIMD積の生成をまねきうる。例えば、3次相互変調積(IM3)は、RFフロントエンドユニットに存在している2つの送信機を介したデータ送信の相互変調に起因しうる。IM3は、受信周波数の範囲内に入り、ダウンリンク上の所望の信号を受信/検出するワイヤレスデバイスの機能を妨害しうる干渉として動作し、それは通常、デセンシング(de-sensing)と呼ばれる。2つの異なるアンテナを介した2つの帯域上の同時のデータ送信および受信は、デセンシングIM3のレベルを低減しうる。さらに、アンテナは、限られた線形性により、IM3積を生成しうる。2つの帯域上のデータ伝送を2つの異なるアンテナに分離することは、アンテナ間分離にしたがって、アンテナシステムの要件を緩和しうる。特に、アンテナの線形性要件は、アンテナ間分離の量に依存しうる量だけ低減されうる。
【0059】
[0071] 図5A〜5Fは、2つのアンテナを介した2つの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするための部分多重の例示的な設計を示す。部分多重は、また、2つのアンテナを介した2つより多くの帯域上のキャリアアグリゲーションをサポートするために使用されうる。
【0060】
[0072] 図7Aは、3つの帯域A〜Cすべてについてのダイバーシティ受信を用いて、2つのアンテナを介した3つの帯域A〜C上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路720および726を備えるRFフロントエンドユニット710の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路720および726は、図3のアンテナインターフェース回路352および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路720は、1次アンテナ790を介した、帯域AおよびB上のアップリンクでのデータ送信と、3つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路726は、2次アンテナ792を介した、帯域C上のアップリンクでのデータ送信と、3つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0061】
[0073] 1つの例示的な設計では、帯域A〜Cは、LTE/UMTSの周波数領域1をカバーし、以下の通りでありうる。
・帯域A(Band A)=帯域20(B20)
・帯域B(Band B)=帯域3(B3)
・帯域C(Band C)=帯域7(B7)
[0074] 上述の例示的な設計では、帯域Aは低帯域にあり、帯域Bおよび帯域Cは高帯域にある。帯域A〜Cは、また、帯域の他の組み合わせにも対応しうる。
【0062】
[0075] 図7Aに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路720は、帯域Aのためのデュプレクサ730と、帯域Bおよび帯域Cのためのトリプレクサ740とを含む。デュプレクサ730は、帯域AのためのTXフィルタ732と、帯域AのためのRXフィルタ734とを含む。TXフィルタ732の出力と、RXフィルタ734の入力は、デュプレクサ730の出力に結合され、それは、ダイプレクサ738内の、帯域Aのための第1のフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)に結合される。トリプレクサ740は、帯域BのためのTXフィルタ742と、帯域BのためのRXフィルタ744と、帯域CのためのRXフィルタ746とを含む。TXフィルタ742の出力と、RXフィルタ744および746の入力は、トリプレクサ740の出力に結合され、それは、ダイプレクサ738内の、帯域Bおよび帯域Cのための第2のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ)に結合される。ダイプレクサ738は、スイッチ748の1つの入力に結合される。スイッチ748は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合された他の入力を含みうる。スイッチ748の出力は、1次アンテナ790に結合される。
【0063】
[0076] 図7Aに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路726は、帯域A〜Cのためのクアドプレクサ750を含む。クアドプレクサ750は、帯域CのためのTXフィルタ752と、帯域CのためのRXフィルタ754と、帯域AのためのRXフィルタ756と、帯域BのためのRXフィルタ758とを含む。TXフィルタ752の出力と、RXフィルタ754〜758の入力は、クアドプレクサ750の出力に結合され、それはスイッチ768の1つの入力に結合される。スイッチ768の他の入力は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合されうる。スイッチ768の出力は、2次アンテナ792に結合される。
【0064】
[0077] 図7Bは、4つの帯域A〜Dのすべてについてのダイバーシティ受信を用いて、2つのアンテナを介した4つの帯域A〜D上のキャリアアグリゲーションをサポートする、アンテナインターフェース回路722および728を備えるRFフロントエンドユニット712の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路722および728は、図3のアンテナインターフェース回路352および356にそれぞれ使用されうる。アンテナインターフェース回路722は、1次アンテナ790を介した、帯域AおよびC上のアップリンクでのデータ送信と、4つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路728は、2次アンテナ792を介した、帯域BおよびD上のアップリンクでのデータ送信と、4つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0065】
[0078] 1つの例示的な設計では、帯域A〜Dは、LTE/UMTSの周波数領域1をカバーし、以下の通りでありうる。
・帯域A=帯域8(B8)
・帯域B=帯域20(B20)
・帯域C=帯域3(B3)
・帯域D=帯域7(B7)
[0079] 上述の例示的な設計では、帯域AおよびBが低帯域にあり、帯域CおよびDが高帯域にある。帯域A〜Dは、また、帯域の他の組み合わせにも対応しうる。
【0066】
[0080] 図7Bに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路722は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ731と、帯域CおよびDのためのトリプレクサ741とを含む。トリプレクサ731は、帯域AのためのTXフィルタ733と、帯域AのためのRXフィルタ735と、帯域BのためのRXフィルタ737とを含む。TXフィルタ733の出力と、RXフィルタ735および737の入力は、トリプレクサ731の出力に結合され、それはスイッチ739の入力に結合される。トリプレクサ741は、帯域CのためのTXフィルタ743と、帯域CのためのRXフィルタ745と、帯域DのためのRXフィルタ747とを含む。TXフィルタ743の出力と、RXフィルタ745および747の入力は、トリプレクサ741の出力に結合され、それはスイッチ749の入力に結合される。スイッチ739の出力は、ダイプレクサ779内の、帯域AおよびBのための第1のフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)に結合される。スイッチ749の出力は、ダイプレクサ779内の、帯域CおよびDのための第2のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ)に結合される。ダイプレクサ779は、1次アンテナ790に結合される。スイッチ739および749は、また、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合されうる。
【0067】
[0081] 図7Bに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路728は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ751と、帯域CおよびDのためのトリプレクサ761とを含む。トリプレクサ751は、帯域BのためのTXフィルタ753と、帯域BのためのRXフィルタ755と、帯域AのためのRXフィルタ757とを含む。TXフィルタ753の出力と、RXフィルタ755および757の入力は、トリプレクサ751の出力に結合され、それはスイッチ759の入力に結合される。トリプレクサ761は、帯域DのためのTXフィルタ763と、帯域DのためのRXフィルタ765と、帯域CのためのRXフィルタ767とを含む。TXフィルタ763の出力と、RXフィルタ765および767の入力は、トリプレクサ761の出力に結合され、それはスイッチ769の入力に結合される。スイッチ759の出力は、ダイプレクサ789内の、帯域AおよびBのための第1のフィルタに結合される。スイッチ769の出力は、ダイプレクサ789内の、帯域CおよびDのための第2のフィルタに結合される。ダイプレクサ789は、2次アンテナ792に結合される。スイッチ759および769は、また、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合されうる。
【0068】
[0082] 図8Aおよび8Bは、4つの帯域A〜Dのすべてについてのダイバーシティ受信を用いて、2つのアンテナを介した4つの帯域A〜D上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路820および826を備えるRFフロントエンドユニット810の例示的な設計を示す。図8Aのアンテナインターフェース回路820は、図3のアンテナインターフェース回路350に使用され、図8Bのアンテナインターフェース回路826は、図3のアンテナインターフェース回路356に使用されうる。アンテナインターフェース回路820は、1次アンテナ890を介した、帯域AおよびC上のアップリンクでのデータ送信と、4つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路826は、2次アンテナ892を介した、帯域BおよびD上のアップリンクでのデータ送信と、4つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0069】
[0083] 1つの例示的な設計では、帯域A〜Dは、LTE/UMTSの周波数領域1をカバーし、以下の通りでありうる。
・帯域A=帯域7(B7)
・帯域B=帯域3(B3)
・帯域C=帯域20(B20)
・帯域D=帯域8(B8)
[0084] 上述の例示的な設計では、帯域AおよびBが高帯域にあり、帯域CおよびDが低帯域にある。
【0070】
[0085] 別の例示的な設計では、帯域A〜Dが以下の帯域に対応しうる。
・帯域A=帯域5(B5)
・帯域B=帯域17(B17)
・帯域C=帯域4(B4)
・帯域D=帯域2(B2)
[0086] 帯域A〜Dは、また、帯域の他の組み合わせにも対応しうる。
【0071】
[0087] 図8Aに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路820は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ830と、帯域CおよびDのためのトリプレクサ840と、ダイプレクサ838と、スイッチ848とを含む。トリプレクサ830は、帯域AのためのTXフィルタ832と、帯域AのためのRXフィルタ834と、帯域BのためのRXフィルタ836とを含む。TXフィルタ832の出力と、RXフィルタ834および836の入力は、トリプレクサ830の出力に結合され、それは、ダイプレクサ838内の、帯域AおよびBのための第1のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ)に結合される。トリプレクサ840は、帯域CのためのTXフィルタ842と、帯域CのためのRXフィルタ844と、帯域DのためのRXフィルタ846とを含む。TXフィルタ842の出力と、RXフィルタ844および846の入力は、トリプレクサ840の出力に結合され、それは、ダイプレクサ838内の、帯域CおよびDのための第2のフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)に結合される。ダイプレクサ838は、スイッチ848の1つの入力に結合される。スイッチ848は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合された他の入力を含みうる。スイッチ848の出力は、1次アンテナ890に結合される。
【0072】
[0088] 図8Bに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路826は、帯域Aおよび帯域Bのためのトリプレクサ850と、帯域Cおよび帯域Dのためのトリプレクサ860と、ダイプレクサ858と、スイッチ868とを含む。トリプレクサ850は、帯域BのためのTXフィルタ852と、帯域BのためのRXフィルタ854と、帯域AのためのRXフィルタ856とを含む。TXフィルタ852の出力と、RXフィルタ854および856の入力は、トリプレクサ850の出力に結合され、それはダイプレクサ858に結合される。トリプレクサ860は、帯域DのためのTXフィルタ862と、帯域DのためのRXフィルタ864と、帯域CのためのRXフィルタ866とを含む。TXフィルタ862の出力と、RXフィルタ864および866の入力は、トリプレクサ860の出力に結合され、それはダイプレクサ858に結合される。ダイプレクサ858は、スイッチ868の1つの入力に結合される。スイッチ868の他の入力は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合されうる。スイッチ868の出力は、2次アンテナ892に結合される。
【0073】
[0089] 図8Aおよび8Bの例示的な設計は、様々な利点を提供しうる。第1に、より低い挿入損失を有するクアドプレクサよりも、トリプレクサ830、840、850、および860の方がインプリメントするのが容易でありうる。第2に、帯域Aと帯域B(例えば、帯域7と帯域3)、帯域Aと帯域D(例えば、帯域7と帯域8)、帯域Bと帯域C(例えば、帯域3と帯域20)、および帯域Cと帯域D(例えば、帯域20と帯域8)の様々な組み合わせの、IMD積および高調波の電力レベルは、部分多重を用いると大幅に低くなりうる。第3に、第2の他の無線技術のためのフィルタがスイッチ848および868に直接結合されうるので、トリプレクサ830、840、850、および860は、他の無線技術のパフォーマンスに影響を及ぼさず、したがって、追加の挿入損失は観察されない。
【0074】
[0090] 図9Aおよび9Bは、6つの帯域A〜Fすべてについてのダイバーシティ受信を用いて、2つのアンテナを介した6つの帯域A〜F上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路920および926を備えるRFフロントエンドユニット910の例示的な設計を示す。図9Aのアンテナインターフェース回路920は、図3のアンテナインターフェース回路350に使用され、図9Bのアンテナインターフェース回路926は、図3のアンテナインターフェース回路356に使用されうる。アンテナインターフェース回路920は、1次アンテナ990を介した、帯域A、帯域C、および帯域D上のアップリンクでのデータ送信と6つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。アンテナインターフェース回路926は、2次アンテナ992を介した、帯域B、帯域E、および帯域F上のアップリンクでのデータ送信と6つのすべての帯域上のダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。
【0075】
[0091] 1つの例示的な設計では、帯域A〜Fは、LTE/UMTSの周波数領域2および3をカバーし、以下の通りでありうる。
・帯域A=帯域1および/または帯域4(B1/B4)
・帯域B=帯域7(B7)
・帯域C=帯域2および/または帯域3(B2/B3)
・帯域D=帯域5(B5)
・帯域E=帯域8(B8)
・帯域F=帯域12、帯域13および/または帯域17(B12/B13/B17)
[0092] 上述の例示的な設計では、帯域A、帯域B、および帯域Cが高帯域にあり、帯域D、帯域E、および帯域Fが低帯域にある。帯域A〜Fは、また、帯域の他の組み合わせにも対応しうる。
【0076】
[0093] 図9Aに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路920は、帯域AおよびBのためのトリプレクサ930と、帯域BおよびCのためのトリプレクサ940と、帯域D、E、およびFのためのクアドプレクサ950と、スイッチ938と、ダイプレクサ948とを含む。トリプレクサ930は、帯域AのためのTXフィルタ932と、帯域AのためのRXフィルタ934と、帯域BのためのRXフィルタ936とを含む。TXフィルタ932の出力と、RXフィルタ934および936の入力は、トリプレクサ930の出力に結合され、それはスイッチ938の第1の入力に結合される。トリプレクサ940は、帯域CのためのTXフィルタ942と、帯域CのためのRXフィルタ944と、帯域BのためのRXフィルタ946とを含む。TXフィルタ942の出力と、RXフィルタ944および946の入力は、トリプレクサ940の出力に結合され、それはスイッチ938の第2の入力に結合される。スイッチ938は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合された他の入力を含みうる。スイッチ938は、また、ダイプレクサ948内の、帯域A、B、およびCのための第1のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ)に結合された出力を含む。クアドプレクサ950は、帯域DのためのTXフィルタ952と、帯域DのためのRXフィルタ954と、帯域EのためのRXフィルタ956と、帯域FのためのRXフィルタ958とを含む。TXフィルタ952の出力と、RXフィルタ954、956、および958の入力は、クアドプレクサ950の出力に結合され、それは、ダイプレクサ948内の、帯域D、E、およびFのための第2のフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)に結合される。ダイプレクサ948は、1次アンテナ990に結合される。
【0077】
[0094] 図9Bに示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路926は、帯域DおよびEのためのトリプレクサ960と、帯域DおよびFのためのトリプレクサ970と、帯域A、B、およびCのためのクアドプレクサ980と、スイッチ968と、ダイプレクサ978とを含む。トリプレクサ960は、帯域EのためのTXフィルタ962と、帯域EのためのRXフィルタ964と、帯域DのためのRXフィルタ966とを含む。TXフィルタ962の出力と、RXフィルタ964および966の入力は、トリプレクサ960の出力に結合され、それはスイッチ968の第1の入力に結合される。トリプレクサ970は、帯域FのためのTXフィルタ972と、帯域FのためのRXフィルタ974と、帯域DのためのRXフィルタ976とを含む。TXフィルタ972の出力と、RXフィルタ974および976の入力は、トリプレクサ970の出力に結合され、それはスイッチ968の第2の入力に結合される。スイッチ968は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合された他の入力を含みうる。スイッチ968は、また、ダイプレクサ978内の、帯域D、E、およびFのための第1のフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)に結合された出力を含む。クアドプレクサ980は、帯域BのためのTXフィルタ982と、帯域BのためのRXフィルタ984と、帯域AのためのRXフィルタ986と、帯域CのためのRXフィルタ988とを含む。TXフィルタ982の出力と、RXフィルタ984、986、および988の入力は、クアドプレクサ980の出力に結合され、それは、ダイプレクサ978内の、帯域A、B、およびCのための第2のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ)に結合される。ダイプレクサ978は、2次アンテナ992に結合される。
【0078】
[0095] 図10は、6つの帯域A〜F上のキャリアアグリゲーションをサポートするアンテナインターフェース回路1020を備えるRFフロントエンドユニット1010の例示的な設計を示す。アンテナインターフェース回路1020は、1次アンテナ1090を介した6つのすべての帯域上の、アップリンクでのデータ送信とダウンリンクでのデータ受信とをサポートする。別のアンテナインターフェース回路が、2次アンテナに使用され、アンテナインターフェース回路1020と同様の方法でインプリメントされうる。
【0079】
[0096] 1つの例示的な設計では、帯域A〜Fが以下の帯域に対応しうる。
・帯域A=帯域13(B13)
・帯域B=帯域9(B9)
・帯域C=帯域20(B20)
・帯域D=帯域4(B4)
・帯域E=帯域3(B3)
・帯域F=帯域7(B7)
[0097] 帯域A〜Fは、また、帯域の他の組み合わせにも対応しうる。
【0080】
[0098] 図10に示される例示的な設計では、アンテナインターフェース回路1020は、帯域Aのためのデュプレクサ1030と、帯域BおよびCのためのクアドプレクサ1040と、帯域Dのためのデュプレクサ1050と、帯域EおよびFのためのクアドプレクサ1060と、スイッチ1038および1058と、ダイプレクサ1070とを含む。デュプレクサ1030は、帯域AのためのTXフィルタ1032と、帯域AのためのRXフィルタ1034とを含む。TXフィルタ1032の出力と、RXフィルタ1034の入力は、デュプレクサ1030の出力に結合され、それはスイッチ1038の第1の入力に結合される。クアドプレクサ1040は、帯域BのためのTXフィルタ1042と、帯域BのためのRXフィルタ1044と、帯域CのためのTXフィルタ1046と、帯域CのためのRXフィルタ1048とを含む。TXフィルタ1042および1046の出力と、RXフィルタ1044および1048の入力は、クアドプレクサ1040の出力に結合され、それはスイッチ1038の第2の入力に結合される。スイッチ1038は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合された他の入力を含みうる。スイッチ1038は、また、ダイプレクサ1070内の、帯域A、B、およびCのための第1のフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)に結合された出力を含む。
【0081】
[0099] デュプレクサ1050は、帯域DのためのTXフィルタ1052と、帯域DのためのRXフィルタ1054とを含む。TXフィルタ1052の出力と、RXフィルタ1054の入力は、デュプレクサ1050の出力に結合され、それはスイッチ1058の第1の入力に結合される。クアドプレクサ1060は、帯域EのためのTXフィルタ1062と、帯域EのためのRXフィルタ1064と、帯域FのためのTXフィルタ1066と、帯域FのためのRXフィルタ1068とを含む。TXフィルタ1062および1066の出力と、RXフィルタ1064および1068の入力は、クアドプレクサ1060の出力に結合され、それはスイッチ1058の第2の入力に結合される。スイッチ1058は、他の無線技術、他の帯域、等のための回路に結合された他の入力を含みうる。スイッチ1058は、また、ダイプレクサ1070内の、帯域D、E、およびFのための第2のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタ)に結合された出力を含む。
【0082】
[00100] 例示的な設計では、装置(例えば、ワイヤレスデバイス、IC、回路モジュール、等)が、第1および第2のアンテナインターフェース回路を備えうる。第1のアンテナインターフェース回路(例えば、図5Aのアンテナインターフェース回路550)は、第1の帯域に関する第1のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ562)を備えうる。第1のTXフィルタは、第1のアンテナ(例えば、1次アンテナ590)を介した送信の前に第1のRF信号をフィルタリングしうる。第2のアンテナインターフェース回路(例えば、図5Aのアンテナインターフェース回路556)は、第2の帯域に関する第2のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ572)を備えうる。第2の帯域は、第1の帯域と同じでありうるか、または、第1の帯域とは異なるものでありうる。第2のTXフィルタは、第2のアンテナ(例えば、2次アンテナ592)を介した送信の前に第2のRF信号をフィルタリングしうる。第1および第2のRF信号は、第1および第2の帯域上でワイヤレスネットワークに同時に送信されうる。例えば、第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための第1および第2の帯域内の第1および第2のキャリア上でそれぞれ同時に送信されうる。第1のRF信号は、第1のアンテナインターフェース回路および第1のアンテナを介して第1の帯域上で送信されうる。第2のRF信号は、第2のアンテナインターフェース回路および第2のアンテナを介して第2の帯域上で送信されうる。
【0083】
[00101] 第2の帯域は、第1の帯域とは異なるものでありうる。例示的な設計では、第1および第2の帯域は、同じ帯域グループにありえ、それは、低帯域、または中帯域、または高帯域でありうる。別の例示的な設計では、第1および第2の帯域は、例えば、低帯域と中帯域、または低帯域と高帯域、または中帯域と高帯域といった、異なる帯域グループにありうる。
【0084】
[00102] 図5Aに示される例示的な設計では、第1のアンテナインターフェース回路は、第1の帯域に関する第1のTXフィルタと、第1の帯域に関する第1のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ564)と、第2の帯域に関する第2のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ566)とを含む、第1のトリプレクサ(例えば、トリプレクサ560)を備えうる。第2のアンテナインターフェース回路は、第2の帯域に関する第2のTXフィルタと、第2の帯域に関する第3のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ574)と、第1の帯域に関する第4のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ576)とを含む、第2のトリプレクサ(例えば、トリプレクサ570)を備えうる。
【0085】
[00103] 図5Aに示される1つの例示的な設計では、各アンテナが、1つの帯域に関する1次RXと、別の帯域に関するダイバーシティRXとをサポートしうる。第1のRXフィルタは、第1の帯域に関する1次ダウンリンクとして構成され、第2のRXフィルタは、第2の帯域に関するダイバーシティダウンリンクとして構成されうる。第3のRXフィルタは、第2の帯域に関する1次ダウンリンクとして構成され、第4のRXフィルタは、第1の帯域に関するダイバーシティダウンリンクとして構成されうる。
【0086】
[00104] 図5Bに示される別の例示的な設計では、1次アンテナが、両方の帯域に関する1次ダウンリンクをサポートし、2次アンテナは、両方の帯域に関するダイバーシティダウンリンクをサポートしうる。第1のRXフィルタは、第1の帯域に関する1次ダウンリンクとして構成され、第2のRXフィルタは、第2の帯域に関する1次ダウンリンクとして構成されうる。第3のRXフィルタは、第2の帯域に関するダイバーシティダウンリンクとして構成され、第4のRXフィルタは、第1の帯域に関するダイバーシティダウンリンクとして構成されうる。
【0087】
[00105] 図5Fに示される別の例示的な設計では、第1のアンテナインターフェース回路は、第1の帯域に関する第1のTXフィルタとRXフィルタとを含むデュプレクサ(例えば、デュプレクサ561)を備えうる。代替的に、または追加的に、第2のアンテナインターフェース回路は、第2の帯域に関する第2のTXフィルタとRXフィルタとを含むデュプレクサ(例えば、図5Dおよび5Fのデュプレクサ571)を備えうる。
【0088】
[00106] 1つの例示的な設計では、ローパスフィルタ(例えば、図5Cのローパスフィルタ568)が、第1のTXフィルタに結合されうる。ローパスフィルタは、第1のRF信号をフィルタリングし、第1のRF信号の少なくとも1つの高調波(例えば、3次高調波)を減衰しうる。第1のRF信号は、第1の帯域において送信されうるが、第1のRF信号の高調波は、第2の帯域の受信周波数の範囲内に入りうる。ローパスフィルタは、この第1のRF信号の高調波を減衰し、それは、データ受信のパフォーマンスを改善しうる。
【0089】
[00107] 図8Aに示される別の例示的な設計では、第1のアンテナインターフェース回路は、第1および第2のトリプレクサを備えうる。第1のトリプレクサ(例えば、図8Aのトリプレクサ830)は、第1の帯域に関する第1のTXフィルタと、第1の帯域に関する第1のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ834)と、第2の帯域に関する第2のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ836)とを含みうる。第2のトリプレクサ(例えば、トリプレクサ840)は、第3の帯域に関する第3のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ842)と、第3の帯域に関する第3のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ844)と、第4の帯域に関する第4のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ846)とを含みうる。第1のアンテナインターフェース回路は、さらに、ダイプレクサと少なくとも1つのスイッチとを備えうる。ダイプレクサ(例えば、ダイプレクサ838)は、第1および第2のトリプレクサと第1のアンテナとの間に結合されうる。少なくとも1つのスイッチ(例えば、スイッチ848)は、ダイプレクサと第1のアンテナとの間に結合されうる。
【0090】
[00108] 図8Bに示される例示的な設計では、第2のアンテナインターフェース回路は、第3および第4のトリプレクサを備えうる。第3のトリプレクサ(例えば、図8Bのトリプレクサ850)は、第2の帯域に関する第2のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ852)と、第2の帯域に関する第5のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ854)と、第1の帯域に関する第6のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ856)とを含みうる。第4のトリプレクサ(例えば、トリプレクサ860)は、第4の帯域に関する第4のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ860)と、第4の帯域に関する第7のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ864)と、第3の帯域に関する第8のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ866)とを含みうる。第2のアンテナインターフェース回路は、さらに、第3および第4のトリプレクサと第2のアンテナとの間に結合された、ダイプレクサ(例えば、ダイプレクサ858)と少なくとも1つのスイッチ(例えば、スイッチ868)とを備えうる。
【0091】
[00109] 図9Aに示されるさらに別の例示的な設計では、第1のアンテナインターフェース回路は、第1、第2、および第3のマルチプレクサを備えうる。第1のマルチプレクサ(例えば、図9Aのトリプレクサ930)は、第1の帯域に関する、第1のTXフィルタと第1のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ934)とを含みうる。第2のマルチプレクサ(例えば、トリプレクサ940)は、第3の帯域に関する、第3のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ942)と第2のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ944)とを含みうる。第3のマルチプレクサ(例えば、クアドプレクサ950)は、第4の帯域に関する、第4のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ952)と第3のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ954)とを含みうる。第1のアンテナインターフェース回路は、さらに、(i)第1および第2のマルチプレクサに結合された少なくとも1つのスイッチ(例えば、スイッチ938)、および(ii)少なくとも1つのスイッチと、第3のマルチプレクサと、第1のアンテナとに結合されたダイプレクサ(例えば、ダイプレクサ948)を備えうる。例えば、図9Aに示されるように、第1、第2、および第3のマルチプレクサは、追加のTXフィルタ、および/またはRXフィルタを備えうる。
【0092】
[00110] 図9Bに示される例示的な設計では、第2のアンテナインターフェース回路は、第4、第5、および第6のマルチプレクサを備えうる。第4のマルチプレクサ(例えば、図9Bのトリプレクサ960)は、第2の帯域に関する、第2のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ962)と第4のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ964)とを含みうる。第5のマルチプレクサ(例えば、トリプレクサ970)は、第5の帯域に関する、第5のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ972)と第5のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ974)とを含みうる。第6のマルチプレクサ(例えば、クアドプレクサ980)は、第6の帯域に関する、第6のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ982)と第6のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ984)とを含みうる。例えば、図9Bに示されるように、第4、第5、および第6のマルチプレクサは、追加のTXフィルタ、および/またはRXフィルタを備えうる。
【0093】
[00111] 例示的な設計では、第1のアンテナは、少なくとも1つの目標(target)アンテナ間分離だけ、第2のアンテナから離隔され、それは15dBまたは他の何らかの値でありうる。第1および第2のRF信号がキャリアアグリゲーションのための異なるアンテナを介して異なる帯域上で同時に送信されるときには、アンテナ間分離は、上述の様々な利点(例えば、IMD積および高調波の電力レベルの低減)をもたらしうる。
【0094】
[00112] 別の例示的な設計では、装置(例えば、ワイヤレスデバイス、IC、回路モジュール、等)が、トリプレクサおよびマルチプレクサを備えうる。トリプレクサは、第1のアンテナに動作可能に結合され、第1の帯域に関する第1のTXフィルタと、第1の帯域に関する第1のRXフィルタと、第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを備えうる。第2の帯域は第1の帯域とは異なる。マルチプレクサは、第2のアンテナに動作可能に結合され、第2の帯域に関する第2のTXフィルタと、第1の帯域に関する第3のRXフィルタとを備えうる。トリプレクサとマルチプレクサは、第1および第2の帯域の一方または両方での、(例えば、単一のワイヤレスネットワークとの)通信をサポートしうる。
【0095】
[00113] 例示的な設計では、マルチプレクサは、トリプレクサであり、第2の帯域に関する第2のTXフィルタと、第1の帯域に関する第3のRXフィルタと、第2の帯域に関する第4のRXフィルタとを含みうる。別の例示的な設計では、マルチプレクサは、デュプレクサ、またはクアドプレクサ、または他の何らかの回路でありうる。
【0096】
[00114] 例示的な設計では、トリプレクサおよびマルチプレクサが、ダウンリンク上のキャリアアグリゲーションをサポートし、第1および第2の帯域上で同時に送信されたダウンリンクデータ伝送を受信しうる。別の例示的な設計では、トリプレクサおよびマルチプレクサが、アップリンク上のキャリアアグリゲーションをサポートし、キャリアアグリゲーションのための、(i)第1のアンテナを介した第1の帯域上の第1のアップリンクデータ伝送、および(ii)第2のアンテナを介した第2の帯域上の第2のアップリンクデータ伝送、を同時に送信しうる。更に別の例示的な設計では、トリプレクサが、キャリアアグリゲーションを用いずに、第1のアンテナを介して第1の帯域上でアップリンクデータ伝送を送信しうる。
【0097】
[00115] 図11は、キャリアアグリゲーションをサポートするためのプロセス1100の例示的な設計を示す。第1のRF信号は、第1のアンテナを介した送信の前に、第1の帯域に関する第1のTXフィルタ(例えば、図5AのTXフィルタ562)を用いてフィルタリングされうる(ブロック1112)。第2のRF信号は、第2のアンテナを介した送信の前に、第2の帯域に関する第2のTXフィルタ(例えば、TXフィルタ572)を用いてフィルタリングされうる(ブロック1114)。第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための、第1および第2のアンテナを介して第1および第2の帯域上で同時に送信されうる。
【0098】
[00116] 第3のRF信号は、第1のアンテナを介して受信され、第1の帯域に関する第1のRXフィルタ(例えば、図5AのRXフィルタ564)を用いてフィルタリングされうる(ブロック1116)。第4のRF信号は、第2のアンテナを介して受信され、第2の帯域に関する第2のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ574)を用いてフィルタリングされうる(ブロック1118)。第5のRF信号は、第1のアンテナを介して受信され、第2の帯域に関する第3のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ566)を用いてフィルタリングされうる(ブロック1120)。第6のRF信号は、第2のアンテナを介して受信され、第1の帯域に関する第4のRXフィルタ(例えば、RXフィルタ576)を用いてフィルタリングされうる(ブロック1122)。
【0099】
[00117] ここに説明された、アンテナインターフェース回路およびフィルタは、IC、アナログIC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント基板(PCB)、電子デバイス、等にインプリメントされうる。アンテナインターフェース回路およびフィルタは、また、様々な技術を用いて製造されうる。アンテナインターフェース回路内の能動回路は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、NチャネルMOS(NMOS)、PチャネルMOS(PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウム砒素(GaAs)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、等のような、様々なIC処理技術を用いて製造されうる。
【0100】
[00118] ここに説明されたアンテナインターフェース回路および/またはフィルタをインプリメントする装置は、スタンドアロン型デバイスでありうるか、またはより大型のデバイスの一部でありうる。デバイスは、(i)スタンドアロン型IC、(ii)データおよび/または命令を記憶するためのメモリICを含みうる1つまたは複数のICのセット、(iii)RF受信機(RFR)またはRF送信機/受信機(RTR)のようなRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(v)他のデバイス内に組み込まれうるモジュール、(vi)受信機、セルラーフォン、ワイヤレスデバイス、ハンドセット、またはモバイルユニット、(vii)その他、でありうる。
【0101】
[00119] 1つまたは複数の例示的な設計では、説明された複数の機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせにインプリメントされうる。ソフトウェアにインプリメントされる場合、これらの機能は、コンピュータ読取可能媒体上で、1つまたは複数の命令またはコードとして送信または記憶されうる。コンピュータ読取可能媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体および通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の利用可能な媒体でありうる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ読取可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置あるいは他の磁気記憶デバイス、または、命令あるいはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを搬送あるいは記憶するために使用されることができ、コンピュータによってアクセスされることができる、任意の他の媒体を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ読取可能媒体と適切に称される。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、または、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者ライン(DSL)、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用している他の遠隔ソース、から送信される場合には、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ここに使用される、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせは、また、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0102】
[00120] 本開示の先の説明は、当業者が本開示を製造または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形物に適用されうる。したがって、本開示は、ここに説明される例および設計に限定されるように意図されず、ここに開示された原理および新規の特徴と矛盾しない最大範囲であると認められるべきである。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
第1の帯域に関する第1の送信(TX)フィルタを備える第1のアンテナインターフェース回路と、ここで、前記第1のTXフィルタは、第1のアンテナを介した送信の前に第1の無線周波数(RF)信号をフィルタリングするように構成され、
第2の帯域に関する第2のTXフィルタを備える第2のアンテナインターフェース回路と、ここで、前記第2のTXフィルタは、第2のアンテナを介した送信の前に第2のRF信号をフィルタリングするように構成され、前記第1および第2のTXフィルタは、前記第1および第2の帯域上でワイヤレスネットワークに同時に送信される前記第1および第2のRF信号をフィルタリングするように構成される、
を備える、装置。
[C2]
前記第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための第1および第2のキャリア上でそれぞれ同時に送信される、C1に記載の装置。
[C3]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1の帯域に関する前記第1のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを含む第1のトリプレクサを備える、C1に記載の装置。
[C4]
前記第2のアンテナインターフェース回路は、前記第2の帯域に関する前記第2のTXフィルタと、前記第2の帯域に関する第3のRXフィルタと、前記第1の帯域に関する第4のRXフィルタとを含む第2のトリプレクサ備える、C3に記載の装置。
[C5]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1の帯域に関する、前記第1のTXフィルタおよび受信(RX)フィルタを含むデュプレクサを備える、C1に記載の装置。
[C6]
前記第2のアンテナインターフェース回路は、前記第2の帯域に関する、前記第2のTXフィルタおよび受信(RX)フィルタを含むデュプレクサを備える、C1に記載の装置。
[C7]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1の帯域に関する前記第1のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、第3の帯域に関する第3のTXフィルタと、前記第3の帯域に関する第2のRXフィルタとを含むクアドプレクサを備える、C1に記載の装置。
[C8]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1のTXフィルタに結合され、前記第1のRF信号をフィルタリングして前記第1のRF信号の少なくとも1つの高調波を減衰させるように構成された、ローパスフィルタを備える、C1に記載の装置。
[C9]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、第3の帯域に関する第3のTXフィルタと、前記第3の帯域に関する第3のRXフィルタとを含むデュプレクサをさらに備える、C3に記載の装置。
[C10]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、
前記第1の帯域に関する前記第1のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、前記第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを含む第1のトリプレクサと、
第3の帯域に関する第3のTXフィルタと、前記第3の帯域に関する第3のRXフィルタと、第4の帯域に関する第4のRXフィルタとを含む第2のトリプレクサと
を備える、C1に記載の装置。
[C11]
前記第2のアンテナインターフェース回路は、
前記第2の帯域に関する前記第2のTXフィルタと、前記第2の帯域に関する第5のRXフィルタと、前記第1の帯域に関する第6のRXフィルタとを含む第3のトリプレクサと、
前記第4の帯域に関する第4のTXフィルタと、前記第4の帯域に関する第7のRXフィルタと、前記第3の帯域に関する第8のRXフィルタとを含む第4のトリプレクサと
を備える、C10に記載の装置。
[C12]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記第1および第2のトリプレクサと前記第1のアンテナとの間に結合されたダイプレクサをさらに備える、C10に記載の装置。
[C13]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、前記ダイプレクサと前記第1のアンテナとの間に結合された少なくとも1つのスイッチをさらに備える、C12に記載の装置。
[C14]
前記第1のTXフィルタと前記第1のアンテナとの間に結合された少なくとも1つのスイッチと、ここで、前記第1のTXフィルタは第1の無線技術のために使用され、
前記少なくとも1つのスイッチに結合された第2の無線技術のための少なくとも1つのフィルタと
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C15]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、
前記第1の帯域に関する、前記第1のTXフィルタおよび第1の受信(RX)フィルタを含む第1のマルチプレクサと、
第3の帯域に関する、第3のTXフィルタおよび第2のRXフィルタを含む第2のマルチプレクサと、
第4の帯域に関する、第4のTXフィルタおよび第3のRXフィルタを含む第3のマルチプレクサと
を備える、C1に記載の装置。
[C16]
前記第1のアンテナインターフェース回路は、
前記第1および第2のマルチプレクサに結合された少なくとも1つのスイッチと、
前記少なくとも1つのスイッチと、前記第3のマルチプレクサと、前記第1のアンテナとに結合されたダイプレクサと
をさらに備える、C15に記載の装置。
[C17]
第1のアンテナに動作可能に結合され、第1の帯域に関する第1の送信(TX)フィルタと、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタと、第2の帯域に関する第2のRXフィルタとを備えるトリプレクサと、
第2のアンテナに動作可能に結合され、前記第2の帯域に関する第2のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する第3のRXフィルタとを備えるマルチプレクサと
を備える、装置。
[C18]
前記マルチプレクサは第2のトリプレクサを備え、前記第2の帯域に関する前記第2のTXフィルタと、前記第1の帯域に関する前記第3のRXフィルタと、前記第2の帯域に関する第4のRXフィルタとを含む、C17に記載の装置。
[C19]
前記トリプレクサおよび前記マルチプレクサは、キャリアアグリゲーションのための前記第1および第2の帯域上で同時に送信されたダウンリンクデータ伝送を受信するように構成される、C17に記載の装置。
[C20]
前記トリプレクサおよび前記マルチプレクサは、キャリアアグリゲーションのための、前記第1のアンテナを介した前記第1の帯域上の第1のアップリンクデータ伝送と、前記第2のアンテナを介した前記第2の帯域上の第2のアップリンクデータ伝送とを同時に送信するように構成される、C17に記載の装置。
[C21]
前記トリプレクサは、キャリアアグリゲーションを用いずに、前記第1のアンテナを介して前記第1の帯域上でアップリンクデータ伝送を送信するように構成される、C17に記載の装置。
[C22]
第1のアンテナを介した送信の前に、第1の帯域に関する第1の送信(TX)フィルタを用いて第1の無線周波数(RF)信号をフィルタリングすることと、
第2のアンテナを介した送信の前に、第2の帯域に関する第2のTXフィルタを用いて第2のRF信号をフィルタリングすることと、ここで、前記第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための前記第1および第2の帯域上で同時に送信される、
を備える、方法。
[C23]
前記第1のアンテナを介して受信された第3のRF信号を、前記第1の帯域に関する第1の受信(RX)フィルタを用いてフィルタリングすることと、
前記第2のアンテナを介して受信された第4のRF信号を、前記第2の帯域に関する第2のRXフィルタを用いてフィルタリングすることと
をさらに備える、C22に記載の方法。
[C24]
前記第1のアンテナを介して受信された第5のRF信号を、前記第2の帯域に関する第3のRXフィルタを用いてフィルタリングすることと、
前記第2のアンテナを介して受信された第6のRF信号を、前記第1の帯域に関する第4のRXフィルタを用いてフィルタリングすることと
をさらに備える、C23に記載の方法。
[C25]
第1のアンテナを介した送信の前に、第1の帯域に関する第1の無線周波数(RF)信号をフィルタリングするための手段と、
第2のアンテナを介した送信の前に、第2の帯域に関する第2のRF信号をフィルタリングするための手段と、ここで、前記第1および第2のRF信号は、キャリアアグリゲーションのための前記第1および第2の帯域上で同時に送信される、
を備える、装置。
[C26]
前記第1のアンテナを介して受信された、前記第1の帯域に関する第3のRF信号をフィルタリングするための手段と、
前記第2のアンテナを介して受信された、前記第2の帯域に関する第4のRF信号をフィルタリングするための手段と
をさらに備える、C25に記載の装置。
[C27]
前記第1のアンテナを介して受信された、前記第2の帯域に関する第5のRF信号をフィルタリングするための手段と、
前記第2のアンテナを介して受信された、前記第1の帯域に関する第6のRF信号をフィルタリングするための手段と
をさらに備える、C26に記載の装置。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11