特許第6333820号(P6333820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6333820通信システムのユーザーに関するデータの管理システム
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  • 特許6333820-通信システムのユーザーに関するデータの管理システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333820
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】通信システムのユーザーに関するデータの管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20180521BHJP
【FI】
   G06F9/06 610A
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-529050(P2015-529050)
(86)(22)【出願日】2013年9月3日
(65)【公表番号】特表2015-529920(P2015-529920A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】EP2013068129
(87)【国際公開番号】WO2014033310
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年9月1日
(31)【優先権主張番号】1258177
(32)【優先日】2012年9月3日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515058215
【氏名又は名称】クルミ ソフトウェア
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カラヴァンジャ、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ポレ、リュドヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ギラルデ、ブルーノ
【審査官】 大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−058898(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01241828(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムのユーザーに関するデータの管理システム(1)であって、
前記通信システムは、
相互に接続された複数の通信装置(2)と、
少なくとも1つの構成サーバ(3)と、を備え、
前記構成サーバ(3)の各々は、前記複数の通信装置(2)の互換性のあるサブセットと関連づけられ、
少なくとも2つの前記サブセットは、構成サーバ(3)の一つが他の構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置(2)との間で互換性を有さないように、構成され、
前記構成サーバ(3)の各々は、前記構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置のユーザーに関するデータベースを格納する格納手段(31)を有し、
前記管理システムは、前記構成サーバ(3)の各々に接続される均質化サーバ(4)をさらに備え、
前記均質化サーバ(4)は、前記構成サーバ(3)と関連づけられる全てのデータを含むデータベースを均質化された形式で格納する格納手段(41)を有し、
前記均質化サーバ(4)は、構成サーバ(3)の前記データベースが変更される毎に、該変更内容に一致するように、前記均質化サーバの前記データベースをアップデートするとともに、前記均質化サーバ(4)の前記データベースが変更される毎に、該変更内容に一致するように、少なくとも一つの前記構成サーバ(3)の前記データベースをアップデートするように構成されるデータ処理手段を有することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記均質化サーバ(4)は、前記均質化サーバ(4)によって格納されたデータの構成サーバ(3)の前記データベースにおけるデータ形式への変換、および/又は、構成サーバ(3)によって格納されたデータの前記均質化サーバ(4)の前記データベースにおけるデータ形式への変換、を補償するコネクタ(5)を、前記構成サーバ(3)の各々ごとに備えることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記均質化サーバ(4)は、異なる前記構成サーバ(3)の異なる前記データベースに格納されるユーザーに関するデータから、少なくとも一つの均質化されたユーザープロファイルを生成可能なコンポーネント(6)をさらに備える請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理システムは、前記均質化サーバ(4)に接続され、前記均質化サーバ(4)に格納されているデータのユーザーによる変更を許可するためのインターフェイスによる接続を実行する少なくとも一つのコンピュータ装置(7)をさらに備える請求項1から3の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
相互に接続された複数の通信装置(2)と、少なくとも1つの構成サーバ(3)と、を備える通信システムのユーザーに関するデータのアップデート方法であって、
前記構成サーバ(3)の各々は、前記複数の通信装置(2)の互換性のあるサブセットと関連づけられ、
少なくとも2つの前記サブセットは、構成サーバ(3)の一つが他の構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置(2)との間で互換性を有さないように、構成され、
前記構成サーバ(3)の各々は、前記構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置のユーザーに関するデータベースを格納する格納手段(31)を有し、
前記アップデート方法は、
前記構成サーバ(3)の各々に接続され、前記構成サーバ(3)と関連づけられる全てのデータを含むデータベースを均質化された形式で格納する格納手段(41)を有する均質化サーバ(4)の前記データベースに格納されるユーザー情報を変更するステップと、
前記均質化サーバ(4)の前記ユーザー情報の変更内容に一致するように、前記均質化サーバ(4)のデータ処理手段によって、前記ユーザーに関する前記データが格納されている前記構成サーバ(3)の前記データベースをアップデートするステップと、を備えることを特徴とするアップデート方法。
【請求項6】
前記ユーザーに関する前記データが格納されている前記構成サーバ(3)の前記データベースをアップデートするステップは、前記均質化サーバによって格納されたデータを前記構成サーバ(3)の前記データベースのデータモデルに一致させるステップを含むことを特徴とする請求項5に記載のアップデート方法。
【請求項7】
前記均質化サーバ(4)に格納されている前記ユーザー情報と、前記構成サーバ(3)に格納されているユーザー情報とが一致していることを確認するユーザー情報一致確認ステップをさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載のアップデート方法。
【請求項8】
前記ユーザー情報一致確認ステップが完了した後の第1期間の経過後に、前記ユーザー情報一致確認ステップを再度実施することをユーザー側に提案することを特徴とする請求項7に記載のアップデート方法。
【請求項9】
前記ユーザー情報確認ステップが完了した後の、前記第1期間よりも長い第2期間の経過後に、前記ユーザー情報確認ステップを強制的に再度実施することを特徴とする請求項8に記載のアップデート方法。
【請求項10】
前記ユーザー情報確認ステップにおいてユーザー情報の不一致を発見した場合には、前記構成サーバ(3)の前記データベースのステータス、又は前記均質化サーバ(4)の前記データベースのステータス、のどちら一方に他方を合わせるユーザー情報修正ステップを実施することを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載のアップデート方法。
【請求項11】
通信システムのユーザーに関するデータの管理システム(1)の均質化サーバ(4)であって、
前記通信システムは、
相互に接続された複数の通信装置(2)と、
少なくとも1つの構成サーバ(3)と、を備え、
前記構成サーバ(3)の各々は、前記複数の通信装置(2)の互換性のあるサブセットと関連づけられ、
少なくとも2つの前記サブセットは、構成サーバ(3)の一つが他の構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置(2)との間で互換性を有さないように、構成され、
前記構成サーバ(3)の各々は、前記構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置のユーザーに関するデータベースを格納する格納手段(31)を有し、
前記均質化サーバ(4)は、前記管理システム(1)における少なくとも一つの構成サーバ(3)と接続され、
前記均質化サーバ(4)は、前記構成サーバ(3)と関連づけられる前記通信装置(2)のユーザーに関する全てのデータを含むデータベースを均質化された形式で格納する格納手段(41)を有し、
前記均質化サーバ(4)は、構成サーバ(3)の前記データベースが変更される毎に、該変更内容に一致するように、前記均質化サーバの前記データベースをアップデートするとともに、前記均質化サーバ(4)の前記データベースが変更される毎に、該変更内容に一致するように、少なくとも一つの前記構成サーバ(3)の前記データベースをアップデートするように構成されるデータ処理手段を有することを特徴とする均質化サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムのユーザーに関するデータの管理システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、異種混同ネットワーク環境下における通信システムのユーザーに関するデータの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代の通信システムは、会社内における人と人との通信手段の統合を可能とする。これらの通信システムによって、人に会う予定や予定表の管理、電子メールによる通信、同僚の在籍確認、音声会議やテレビ会議の開催、コール番号による人の呼び出し、会議のスケジューリング、応接室の空き状況の確認、招待に対する回答状況の確認、音声会議やテレビ会議の主催および参加、リアルタイムでの書類の公開および修正、音声メッセージの確認、FAXの受信確認および送信確認、などの多数の操作を、デスクトップコンピュータ、又はポータブルコンピュータによって行うことが出来る。
【0003】
多数の(「ユニファイド・コミュニケーション」と呼ばれる)通信サービスを提供する事業者が存在するが、その通信環境は様々である。同じ社内に、互いに互換性のない異なる通信環境が併存している事例もよく見かけられる。結果として、通信システムはしばしば異なる通信環境が混合したものとなり、買収、合併、会社の再編などの要因が、この傾向を引き立たせる。
【0004】
事実、会社内の各コンピュータサイトは、特定の通信施設内に配置されるのが一般的である。このような会社内における通信システムの不均一性が、ユーザーが社内の通信ネットワークへアクセスすることを複雑にする。例えば、あるユーザーが今使っているサイトとは異なる通信システムを使用する他のサイトへ移動するときには、ユーザーは、この異なる通信システムにおける新しいユーザープロファイルを作る必要がある。このような作業は煩雑であり、熟練者によって行われる必要がある。
【0005】
少なくとも2つの互いに互換性のない同質的なサブセットを含む異種混同の状況下においては、ユーザーデータを一括的な方法で管理することは出来ない。あるサイトにおいてユーザー情報が変更されたとしても、他のサイトにおけるユーザー情報の変更は手動で行わなければならない。
【0006】
この問題を解決するために、ある解決手段が既に提案されている。例えば、米国特許第6748436号は、データ移行用サーバを実装する方法を提案している。管理者は、ユーザー情報の変更に関する指示をデータ移行用サーバに送る。データ移行用サーバは、関連するサーバを確定し、これらのサーバにおける情報モデルの変換を実行する。この方法は有効な方法ではあるが、プロファイルを管理する全てのデータベースに対して十分に注意を払う必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、異種混同ネットワークのユーザーに関するデータを管理するための同質化されたシステムであって、会社の通信ネットワーク全体において、ユーザーの利便性を向上させることの出来るシステムを提案するものである。
【0008】
特に、本発明は、通信システムのユーザーに関するデータの管理システムであって、
前記通信システムは、
相互に接続された複数の通信装置と、
少なくとも1つの構成サーバと、を備え、
前記構成サーバの各々は、前記複数の通信装置の互換性のあるサブセットと関連づけられ、
少なくとも2つの前記サブセットは、構成サーバの一つが他の構成サーバと関連づけられる前記通信装置との間で互換性を有さないように、構成され、
前記構成サーバの各々は、前記構成サーバと関連づけられる前記通信装置のユーザーに関するデータベースを格納する格納手段を有する。
前記管理システムは、前記構成サーバの各々と接続する均質化サーバをさらに備え、
前記均質化サーバは、前記構成サーバと関連づけられる全てのデータを含むデータベースを均質化された形式で格納する格納手段を有し、
前記均質化サーバは、構成サーバの前記データベースが変更される毎に、該変更内容に一致するように、前記均質化サーバの前記データベースをアップデートするとともに、前記均質化サーバの前記データベースが変更される毎に、該変更内容に一致するように、少なくとも一つの前記構成サーバの前記データベースをアップデートするように構成されるデータ処理手段を有することを特徴とする。
【0009】
このような管理システムによれば、構成サーバと関連づけられる通信装置のユーザーに関する全てのデータを格納する持続的な独自のデータベースを有するサーバー(「均質化サーバ」)を使用することで、均質化管理を容易に行うことが出来る。すなわち、提案された管理システムによれば、ユーザーに関する全てのデータには複製が存在し、一つは構成サーバのデータベースに存在し、他の一つはこの新規なサーバに存在する。
【0010】
この管理システムによって、熟練者でなくても、異種混同ネットワーク環境下におけるユーザープロファイルの作成、管理、移送、設定が容易となる。
このような管理システムは、以下に示す異なる特徴の一つまたはそれらの組み合わせによって実現されてもよいものである。
【0011】
均質化サーバは、均質化サーバによって格納されたデータの構成サーバのデータベースにおけるデータ形式への変換、および/又は、構成サーバによって格納されたデータの均質化サーバのデータベースにおけるデータ形式への変換、を補償するコネクタを、構成サーバの各々ごとに備える。
【0012】
均質化サーバは、異なる構成サーバの異なるデータベースに格納されるユーザーに関するデータから、少なくとも一つの同質化されたユーザープロファイルを生成可能なコンポーネントをさらに備える。
【0013】
管理システムは、均質化サーバに接続され、均質化サーバに格納されているデータのユーザーによる変更を許可するためのインターフェイスによる接続を実行する少なくとも一つのコンピュータ装置をさらに備える。
【0014】
本発明は、さらに、複数の相互に接続された通信装置と、少なくとも一つの構成サーバとを備えた通信システムのユーザーに関するアップデート方法を提案する。
本発明は、また、均質化サーバを提案する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の他の特徴点、目的、有利な点については、一枚の図面を参照して説明される非限定的な実施例に関する、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0016】
図1】本発明の実現可能な実施形態における、通信システムのユーザーに関するデータの管理システムを示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1の通信システムは、固定電話回線、移動電話装置、テレビ会議装置、コンピュータ装置などの相互に接続された複数の通信装置2を備える。コンピュータ装置は、共同的なワークツール(例えば、インスタントメッセージ、在籍確認、Web会議システム、文書の共有および管理、等々)を実行するワークステーションや、電子メッセージ、予定表、ワープロ用ソフト、プレゼンテーション用ソフトのクライアント(クライアントコンピュータ)などのオフィス・オートメーション関係のツールからなる。
【0018】
これらの通信装置2は、同じ制御ロジックに従って作動するように設定された互換性のあるサブセットごとにグループ分けされる。これらサブセットの各々は、構成サーバ3と関連づけられている。
【0019】
これらの構成サーバ3は、構成サーバ3と関連づけられる通信装置のユーザーに関するデータベースを格納する格納手段31を有している。
【0020】
これらの構成サーバ3の各々は、それぞれ特有のデータモデルと関連づけられるように構成化されたデータベースを格納している。これらのデータモデルは、一般的に互換性を有していない。
【0021】
すなわち、構成サーバ3の各型式(例えばCiscoやAvayaなど)は、(サーバーメーカーによって開発された)特有の構成を有し、特有の構文の命令に対して応答するデータベースを有している。競合する会社が作った2つのサーバ3は、かなり多くの共通のパラメータ(名前、内線番号、コンピュータ上の識別名称、装置、電子メールアドレスなど)を有しているが、ある種のパラメータについては共通化されていない。
【0022】
本発明のシステムでは、少なくとも2つのサブセットは、構成サーバ3の一つが他の構成サーバ3と関連づけられる通信装置2との間で互換性を有さないように構成されている。すなわち、少なくとも1つは、異種のものである。少なくとも1つの異種のものがあれば、本発明のシステムがさらに幾つかの互いに互換性を有するサブセットを備えていてもよい。例えば、本発明のシステムは、2つのCisco製と、1つのAvaya製の3つの構成サーバ3を備えていてもよい。2つのCisco製のサーバと関連づけられている通信装置2のサブセットは、互いに互換性を有しているが、Avaya製のサーバと関連づけられている通信装置2のサブセットは、これらとは互換性を有していない。
【0023】
通信システムのユーザーに関するデータの管理システム1は、構成サーバ3の各々に接続される均質化サーバ4を備えている。この均質化サーバ4は、構成サーバ3と関連づけられる通信装置のユーザーの全てのデータを含むデータベースを格納する格納手段41を有している。
【0024】
これらのデータは、異なる型式の構成サーバにおける異なるデータモデルとの間で互換性を有する均質化された形式で格納されている。具体的には、均質化サーバのデータベースは、構成サーバのデータベースよりも、より高度に抽象化された言語(典型的には、XMLやJSONなどのマークアップ言語)を使用する。この均質化されたデータベースにおけるユーザーパラメータの全ては、少なくとも1つの構成サーバ3のデータベースによって使用されるパラメータであり(パラメータ数のデフォルト値としては、少し多めのパラメータ数が用いられる)、これにより、均質化サーバが全ての情報を含むことが保証される。
【0025】
データベース間における不一致がエラーの原因になるのであれば、持続的な独自のデータベースを追加するという選択は、当業者において危険なようにも見える。
【0026】
このため、提案されたシステムでは、構成サーバ3のデータベースが変更される毎に、そのデータベースをアップロードするように構成された均質化サーバ4が提供される。
【0027】
逆に言えば、均質化サーバは、そのデータベースが変更される毎に、少なくとも一つの構成サーバ3のデータベースをアップロードするように構成される。
【0028】
かくして、データベース間において不一致が生じないように、各データベースにおける変更は直ちに他のデータベースに反映される。また、後述される、完全に一致していることを確認する追加的なメカニズムによって、完全に一致していることが好適に保障される。
【0029】
均質化されたデータベース段階での変更は、一般的に、単一の構成サーバ3のデータベースの変更ではなく、幾つかのまたは全ての構成サーバに対して完全な効果があることについて、一般的に注意すべきである。
【0030】
均質化サーバ4は、構成サーバ3のデータベースのデータモデルと矛盾がないように、均質化サーバ4によってデータを格納させることが出来るコネクタ5を、構成サーバ3の各々ごとに備えている。すなわち、このコネクタ5(双方向式コネクタであってもよく、代わりに2つのコネクタを備えても良い)は、一方のデータベースから他方のデータベースへのデータ形式への変換を補償するものである。例えば、均質化サーバ4段階でユーザーの電子メールアドレスが変更された場合、コネクタ5は、構成サーバ3のデータベースの変更を要求する命令を生成し、構成サーバ3のデータベースにおける電子メールアドレスを正しく変更する。この命令は、構成サーバ3によって受け入れられる方式と構文で生成される。
【0031】
均質化サーバ4は、異なる構成サーバ3の異なるデータベースに格納されるユーザーに関するデータから、少なくとも一つの同質化されたユーザープロファイルを生成可能なコンポーネント6(コンポーネントとは、均質化サーバ4のデータ処理手段によって実行されるソフトウェアモジュールを意味する)をさらに備える。同質化されたユーザープロファイルとは、均質化サーバ4段階におけるプロファイルの種類である。
【0032】
かくして、特有の装置およびサービスと関連する異なるタイプのプロファイルを規定することが可能である。例えば、部署または内線に特有のプロファイルを規定することが可能である。これにより、所定数のパラメータを予め実行することが出来る。
【0033】
例えば、「プレミアムな」プロファイルは、固定電話回線番号、携帯電話番号、電子メールアドレス、固定電話から携帯電話やアシスタントの内線への自動転送を当然のように有している。
【0034】
さらにまた、本発明の通信システムのユーザーに関するデータの管理システム1は、均質化サーバ4に接続され、インターフェイスによる接続を実行する少なくとも一つのコンピュータ装置7をさらに備える。このインターフェイスによる接続によって、均質化サーバ4に格納されているデータのユーザーによる変更が許可される。このユーザーインターフェイスによって、データの変更操作が容易となる。コンピュータ装置には、例えばパラメータを変えることなくユーザーを一のサイトから他のサイトへ移動させるような、共通の作業を自動化するスクリプトが導入されているとよい。このようなスクリプトは、作業を分割することによって、互いに互換性のない幾つかの構成サーバ3と関連付けられていてもよい。
【0035】
第1の例は、「場所移動」スクリプトである。このスクリプトによれば、1クリックで、ある場所から他の場所へのチームの移動(あるいはサイト間の移動)を管理することが出来る。このスクリプトは、(均質化サーバ4に格納された)ユーザーの局在化(localisation)と関係する一又は複数の領域における同質化されたプロファイル段階での変更に関するものである。この変更によって、持続的なメカニズムを介して、一方において、構成サーバ3における目標の場所においてユーザーに関するデータが記載され、他方においては、構成サーバ3における初期の場所において対応するデータが削除される。
【0036】
第2の例は、「危機管理」スクリプトである。このスクリプトによれば、所定の電話番号(特に「無料電話番号」)からユーザーが指定する内線番号に、またはその逆に、この番号に電話してきた人に応答するために、1クリックで交互に切り換えられる。このスクリプトは、所定の電話番号への電話連絡が内線番号へと転送されるために、指定されたこれらにユーザーに関する同質化された情報を動的に変更する。
【0037】
この通信システムによって実行されるユーザーに関するデータのアップデート方法は、以下に示すように構成される。
このアップデート方法は、上述した2つの連続的に実行されるアップデートのステップを備える。
− 構成サーバ3の各々に接続される均質化サーバ4のデータベースに格納されるユーザー情報を変更するステップ、
− 均質化サーバ4のユーザー情報の変更内容に一致するように、均質化サーバ4のデータ処理手段によって、ユーザーに関するデータが格納されている構成サーバ3のデータベースをアップデートするステップ。
【0038】
すなわち、最初に管理者によって均質化サーバ4のデータベースに格納されているユーザーデータの変更が実行されると、均質化サーバ4は、均質化サーバ4のユーザー情報の変更内容に一致するように、構成サーバ3のデータベースをアップデートする。
【0039】
均質化サーバ4のユーザー情報の変更内容に一致するように構成サーバ3のデータベースをアップデートする前に、均質化サーバ4によって格納されたデータを構成サーバ3のデータベースのデータモデルに一致させるステップが必要かもしれない。
【0040】
上記アップデート方法は、異なる構成サーバ3の異なるデータベースに格納されるユーザーに関するデータから、一つの同質化されたユーザープロファイルを生成するステップをさらに備えていても良い。
【0041】
同質化されたユーザープロファイルを生成している間において、いくつかの異種のデータソースからのデータが考慮されると、供給されるデータ段階において矛盾が生じてエラーが発生するかもしれない。
【0042】
この原因は、均質化サーバ4に格納されているユーザー情報と、構成サーバ3に格納されているユーザー情報とが一致していることの確認手続きが、定期的に実行されることによる。
【0043】
この確認手続きのメカニズムは、上述したように、潜在的な矛盾を正確に指摘するように、データベースを比較することである。特に望ましい実施形態では、この確認手続きは、すべてが確実に正確に実行されるために、あらゆる変更の後に続いて実行される。また、この確認手続きは、定期的に、又は管理者からの指令を契機として実行されてもよい。
【0044】
この確認手続きを実行するモードとして、いくつかのモードが考えられる。好ましくは、「セーフモード」に従って、ユーザー情報を確認するステップの後に、第1期間、および第1期間よりも長い第2期間のタイマーのカウントが開始される。
【0045】
第1期間(例えば2分間)の終わりに、ユーザー情報が一致しているかの確認を再度実施することがユーザー側に提案される。仮に、ユーザー側がこの提案に反応しない場合には、第2期間(例えば10分間)のカウントは継続される。そして、第2期間の終わりに、ユーザー情報が一致しているかの確認が強制的に実施される。ユーザーがデータを取り扱っている限り、このタイマーのカウントは継続される。上述したように、管理インターフェイスの接続が遮断されると(いかなる変更できなくなり)、もはや確認は不要となる。
【0046】
ユーザー情報が一致しているかの確認のステップにおいてユーザー情報の不一致(すなわち、データベース間における差異)を発見した場合には、ユーザー情報の修正が行われる。これには主に2つのモードがある。「マスターモード」では、均質化サーバ4のステータスが引き継がれる(構成サーバ3のデータベース段階におけるエラーであると仮定する)。「スレーブモード」では、構成サーバ3のステータスが引き継がれる(均質化サーバ4のデータベース段階でのエラーであると仮定する)。「中間モード」では、マスターモードとスレーブモードのいずれを選択するかにつき、修正毎に、ユーザーが選択する旨を提案する。
【0047】
上述したように、通信システムのユーザーに関するデータの管理システム1の均質化サーバ4は、管理システム1における少なくとも一つの構成サーバ3と接続される。均質化サーバ4は、構成サーバ3と関連づけられる通信装置2のユーザーに関する全てのデータを含むデータベースを均質化された形式で格納する格納手段41を有する。均質化サーバ4は、構成サーバ3のデータベースが変更される毎に、この変更内容に一致するように、均質化サーバのデータベースをアップデートするとともに、均質化サーバ4のデータベースが変更される毎に、この変更内容に一致するように、少なくとも一つの構成サーバ3のデータベースをアップデートするように構成されるデータ処理手段を有する。





図1