特許第6333823号(P6333823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333823
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】レーザー放電管用のガス循環ループ
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/036 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   H01S3/036
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-532450(P2015-532450)
(86)(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公表番号】特表2015-529403(P2015-529403A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】EP2013069801
(87)【国際公開番号】WO2014044866
(87)【国際公開日】20140327
【審査請求日】2016年6月23日
(31)【優先権主張番号】12290317.2
(32)【優先日】2012年9月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515075197
【氏名又は名称】レイザー システムズ アンド ソリューションズ オブ ヨーロッパ
【氏名又は名称原語表記】LASER SYSTEMS AND SOLUTIONS OF EUROPE
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】シャスタン,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】グルレ,ジュリアン
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−055555(JP,A)
【文献】 特開平09−199810(JP,A)
【文献】 特開平03−135085(JP,A)
【文献】 特開平09−162465(JP,A)
【文献】 特開昭61−230386(JP,A)
【文献】 特開平05−291663(JP,A)
【文献】 米国特許第4651325(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00−3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー放電管と、ガス供給管と、ガス排出管とを具えるレーザー放電管用のガス循環ループであって、
前記ガス供給管および/または前記ガス排出管は、前記レーザー放電管の長手方向に伸長し、前記レーザー放電管の少なくとも一部にわたる制御された横方向のガスの流入、排出それぞれに適合した入口分流器、出口分流器それぞれによって前記レーザー放電管に接続され、前記入口分流器および/または前記出口分流器は複数の入口チャネルまたは出口チャネルをそれぞれ具えている、ガス循環ループにおいて、
前記レーザー放電管が、直方体形状を有しており、
前記ガス循環ループが、厚さの薄い構造を有しており、
前記ガス供給管および前記ガス排出管が、前記レーザー放電管の両反対側に配置されており、
前記ガス循環ループは、前記レーザー放電管の長手方向両側にX線生成器を取り付け可能であり、
前記入口チャネルおよび/または前記出口チャネルが小さい管であり、前記入口チャネルおよび/または前記出口チャネルの長さが、前記ガス供給管の直径の0.25乃至2.5倍であり、
前記ガス供給管の直径の前記入口チャネルの直径に対する比が少なくとも2であり、および/または前記ガス排出管の直径の前記出口チャネルの直径に対する比が少なくとも2であることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項2】
請求項1に記載の前記ガス循環ループにおいて、前記ガス供給管が、前記レーザー放電管の長手方向と平行に配置されることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の前記ガス循環ループにおいて、前記ガス排出管が、前記レーザー放電管の長手方向と平行に配置されることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の前記ガス循環ループにおいて、前記入口分流器および/またはガスの前記出口分流器が、多孔質材料または毛細管材料を具えることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の前記ガス循環ループにおいて、前記入口分流器が、前記レーザー放電管の長手方向に伸長する格子アセンブリを具えていることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項6】
請求項5に記載の前記ガス循環ループにおいて、前記格子アセンブリが、横方向に連続して配置された透過度が異なる複数の格子を具えていることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の前記ガス循環ループにおいて、送風機が、前記ガス供給管と前記ガス排出管とを接続し、前記レーザー放電管の長手方向と前記ガス供給管の長手方向が平行であることを特徴とするガス循環ループ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のガス循環ループを具えるレーザー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー放電管用のガス循環ループ、及びこのようなガス循環ループを具えるレーザー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、エキシマレーザーまたは逆励起大気(TEA)CO2レーザーといったパルス高圧放電励起ガスレーザーは、安定し且つ均一な照射ビームを得るために、各パルス間で放電領域内のガスを冷却して再生するガス再循環ループを必要とする。
【0003】
一例を仏国特許出願公開第2718894A1号明細書に見ることができ、放電領域に沿って装着されたガス循環ループが記載されている(図1参照)。このデザインの欠点は、ガスが放電管に対して軸方向に再生されるため、放電領域の全長に沿ってガスの均一性を保証できないことである。
【0004】
さらに、高パルスレイトで動作している場合、放電管の全長にわたる軸方向のガスの再生は不十分な速度で生じる。
【0005】
上記問題点を緩和するガス循環ループの他の例が、図2に図示されている。この周知のタイプのガス循環ループは、放電領域に対して横方向にガスを再生する風洞型循環ループである。
【0006】
風洞型循環ループの欠点は、必要とされるガス流速及びガスフロー均一性を作り出すために従来の空気力学的な風洞の設計規則を利用すると、相当大型の寸法となりうる点である。具体的には、体積が最大2m×0.1×0.1mの放電管に対して利用する場合、この設計規則は産業環境に相容れないような巨大な寸法を導き出し、問題となりうる。
【0007】
ガスを横方向に再生し、放電領域の全長に沿ってガスの均一性を向上させるように設計された、より小型の他のガス循環ループが独国特許出願公開第19936955号明細書に開示されている。これは、レーザー放電管の長手方向に伸長するガス供給管およびガス排出管を具え、複数の入口チャネルおよび出口チャネルをそれぞれ具えている。しかしながら、この設計におけるガス再生の均一性は、特に高パルスレイトにおいて未だ十分ではない。
【0008】
上記欠点を考慮すると、本発明の目的は、放電領域の全長に沿ってガスの均一性がより一層向上したガス循環ループを提供することである。
【0009】
他の目的は、高パルスレイトでの動作に対して十分な速度でガスを再生することが可能なガス循環ループを提供することである。
【0010】
さらに、本発明の目的は、産業環境、さらには非常に大型の放電管と組み合わせて使用するのに許容できるサイズの小型のガス循環ループを提供することである。
【発明の概要】
【0011】
本発明はガス供給管およびガス排出管を具えるレーザー放電管用のガス循環ループに関するものであり、ガス供給管および/またはガス排出管はレーザー放電管の長手方向に伸長し、レーザー放電管の少なくとも一部にわたる制御された横方向のガスの注入、排気それぞれに適合した入口分流器、出口分流器それぞれによってレーザー放電管に接続され、入口分流器および/または出口分流器は複数の入口チャネルまたは出口チャネルをそれぞれ具えており、ガス供給管の直径と入口チャネルの直径の比、および/またはガス排出管の直径と出口チャネルの直径の比は少なくとも2である。
【0012】
好適な実施形態では、ガス供給管およびガス排出管の双方とも、レーザー放電管の長手方向に伸長し、複数の入口チャネルまたは出口チャネルをそれぞれ具える入口分流器、出口分流器によってレーザー放電管に接続されており、ガス供給管の直径と入口チャネルの直径の比、ガス排出管の直径と出口チャネルの直径の比は少なくとも2である。
【0013】
更に、本発明は、このようなガス循環ループを具えるレーザー装置に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、最新型のガス循環ループの一例を示している。
図2図2は、最新型のガス循環ループの他の例を示している。
図3図3は、本発明によるガス循環ループの第1の実施形態を概略的に示している。
図4図4は、本発明によるガス循環ループの他の実施形態を概略的に示している。
図5図5は、本発明によるガス循環ループの実施形態の詳細を概略的に示している。
図6図6は、本発明によるガス循環ループの好適な実施形態を示している。
図7図7は、横断方向に連続して配置された透過度が異なる複数の格子を具える本発明によるガス循環ループの実施形態の断面を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の実施形態では、ガス供給管とガス排出管とを具えるレーザー放電管用のガス循環ループが提供されており、ガス供給管および/またはガス排出管はレーザー放電管の長手方向に伸長し、レーザー放電管の少なくとも一部にわたる制御された横方向のガスの注入、排気それぞれに適合した入口分流器、出口分流器それぞれによってレーザー放電管に接続され、入口分流器および/または出口分流器は複数の入口チャネルまたは出口チャネルをそれぞれ具えており、ガス供給管の直径と入口チャネルの直径の比、および/またはガス排出管の直径と出口チャネルの直径の比は少なくとも2である。
【0016】
驚くべきことに、ガス供給管の直径と入口チャネルの直径の比、および/またはガス排出管の直径と出口チャネルの直径の比を少なくとも2とすることにより、本発明による小型のガス循環ループは、横方向のガスフローの均一性と循環ループ内の圧力降下のトレードオフを適切に制御できるようにすることが分かっている。実際に、この比が2未満の場合、十分な量のガスを循環させるために必要な送風機の動力と、循環ループの排出側で発生する圧力降下と、レーザー放電管の全長にわたるガスフローの均一性との間の適切なバランスを見出すことは容易ではなくなりうる。特に、0,5乃至10J/cmのエネルギー密度で通常1乃至10cmの投射ビームスポットを有する、60cm、あるいは80cmより大きな、好適には100cmの大面積出力ビームを発生させる、例えば最大2m×0.1×0.1mの体積が大きいレーザー放電管について、 このように適切に均衡させることは非常に重要である。
【0017】
本発明によるガス循環ループの他の利点は、大部分にわたって、好適には放電領域の実質的に全長にわたって、ガスが放電領域に同時に入ることである。これにより他の設計と比較して素早くガスを再生させることができ、その結果、高パルスレイト(繰返し率とも称される)、最大50ヘルツ、または最大100ヘルツでの動作に対しても十分早くガスを再生することができる。
【0018】
図3に具体的に示すような更に他の利点は、本発明によるガス循環ループは従来の設計と比較して一層小型となりうる点である。ガス供給管はレーザー放電管の長手方向に伸長しているため、放電管に非常に近接して配置することが可能となる。
【0019】
さらに好適には、ガス排出管(c)はレーザー放電管の長手方向に伸長してもよく、これにより、ガス排出管を放電管(b)に非常に近接して配置することが可能になるとともに、循環ループを更に小型にすることができる。
【0020】
好適な実施形態では、ガスが後半の横断方向(図3および図4、矢印(b)から(c)参照)にレーザー放電管を出るようにガス排出管は適合している。これにより、放電領域における、更には放電領域の全長に沿ってガスの均一性を向上させることができる。好適には、ガス排出管は放電領域の実質的に全長にわたって伸長する。
【0021】
更に、ガス排出管をレーザー放電管の長手方向に伸長させ、且つガスが後半の横断方向にレーザー放電管を出るようにすることで、ガスが大部分にわたって、好適には放電領域の実質的に全長にわたって放電領域を同時に出る。レーザー放電管の長手方向に伸長するガス供給管と組み合わせると、これは著しく効率的に、且つ素早くガスを再生させることができる。
【0022】
本発明による、図4および6に示すような好適な実施形態では、ガス供給管(a)とガス排出管(c)の双方がレーザー放電管(b)の長手方向に伸長し、放電管内を横断するガスフローを生じさせるように適合されて、レーザー放電管の両反対側に配置することができる。これにより、実質的に平坦な構造を有するガス循環ループとなる。レーザー放電管が平坦な矩形の立方体形状(すなわち、図6に示すような平坦で細長い箱形状)を有する場合、循環ループを放電管と同一平面に取り付けることができ、レーザー機器の小型化および組み立ての簡易化の点で有益となりうる。
【0023】
本発明によるガス循環ループの一実施形態では、レーザー放電管の少なくとも一部にわたる制御された横方向のガスの流入に適合した入口分流器によって、ガス供給管をレーザー放電に接続することができる。
【0024】
他の実施形態では、好適には前述した実施形態と組み合わせて、レーザー放電管の少なくとも一部にわたる制御された横方向のガスの排出に適合した分流器によって、ガス排出管をレーザー放電管に接続することができる。
【0025】
このような入口または出口分流器は、ガスを分配、混合、あるいは均一化する、および/または流量および流れ分布を制御するための手段を具えてもよい。
【0026】
本発明による、図5に示すような実施形態では、入口分流器および/または出口分流器は、複数の入口チャネル(d)または出口チャネル(d’)をそれぞれ具えてもよい。これらのチャネルは、特定の長さおよび直径を有し、ガス供給管またはガス排出管それぞれをレーザー放電管に接続する小さい管であってもよい。
【0027】
特に、ガス供給管の直径と入口チャネルの直径の比、および/またはガス排出管の直径と出口チャネルの直径の比は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または好適には少なくとも4.5、更に好適には少なくとも5であってもよい。
【0028】
入口チャネルおよび出口チャネルの長さは、ガス供給管の直径の0.25乃至2.5倍、好適にはガス供給管の直径の0.5乃至1.5倍で変化させることができる。
【0029】
代替的な実施形態では、チャネル内のガス圧、速度、または流れに影響を与える送風機からの距離に対して入口チャネルおよび/または出口チャネルの長さが変化してもよく、その結果、ガス供給管および/またはガス排出管は実際にはレーザー放電管の長手方向に伸長しているが、実質的にレーザー放電管と平行ではなくなることがある。
【0030】
ガス供給管およびガス排出管それぞれをレーザー放電管に接続する入口チャネルまたは出口チャネルの数は、ガス循環ループのサイズ、レーザー放電管のサイズ、およびガス供給管およびガス排出管の長さによって決定される。例えば、体積が2m×0.1×0.1mの放電管については、放電管の長さにわたって18個の入口チャネル(および/または18個の出口チャネル)が徐々に分配される。
【0031】
好適には、2つの連続したチャネル間の空間は1つのチャネルの直径程度であってもよい。実際、2つの連続したチャネル間の空間は、供給管から放電領域までの距離に依存しうる。いかなる理論に束縛されるものではないが、距離が大きくなる(入口チャネルが長くなる)と、ガスフローが十分に膨張するような空間と時間があるため、結果的に2つの連続したチャネル間の空間は1つのチャネルの直径を越えてもよい。
【0032】
代替的な実施形態では、入口チャネル、出口チャネル、またはその両方は、セラミック材、金属フォーム、毛細管の熱硬化性ポリマ、またはガスを長手方向に分布させて横方向に均一化させるのに適した任意の材料といった多孔質材料または毛細管材料と置換することができる。
【0033】
本発明による更なる実施形態では、上述した何れかの実施形態と任意に組み合わせて、入口分流器がレーザー放電管の長手方向に延在する格子アセンブリを具える。このような格子アセンブリは、ガスの分配、混合、または均一化、および/またはその流量および流れ分布を制御するのに適した金属、ポリマ等から作られた格子状構造を具えることができる。このような格子状構造は、所望のガスの分布、混合、または均一効果、および/または所望の流量および流れ分布を達成するのに適合した透過度を有しうる。
【0034】
好適な実施形態では、図7に示すように、格子アセンブリは、横方向に連続して配置された透過度が異なる複数の格子(e、f)を具える。
【0035】
2つの連続した格子による格子アセンブリは、透過度が高い第1の格子(e)と透過度が低い第2の格子(f)とを具えてもよく、ガスフローは透過度が高い格子を最初に横切る。透過度が高い格子は少なくとも50%、少なくとも60%、好適には少なくとも70%、より好適には少なくとも80%の開口比を有し、他方、透過度が低い格子は50%未満、60%未満、好適には70%未満の開口比を有しうる。例えば、透過度が高い格子および透過度が低い格子の透過度は、それぞれ83%および27%であってもよい。
【0036】
格子アセンブリは、ガス供給管とレーザー放電管の間に取り付けてもよく、あるいはレーザー放電管の内側に取り付けてもよい。
【0037】
ガス分流器が入口チャネルを具える場合、格子アセンブリは1以上の格子を有する一要素として構成され、チャネルの出口とレーザー放電管の間に装着することができる。これはレーザー放電管の内側に装着することもできる。代替的に、格子アセンブリは別個のアセンブリの要素として構成され、各要素が各入口チャネルに、あるいは各チャネルとレーザー放電管の間に、好適にはその出口に装着される1または複数の格子を具えてもよい。
【0038】
さらに図6に示すように、本発明によるガス循環ループは、ガス供給管およびガス排出管と接続する送風機(g)を具えてもよい。好適には、レーザー放電管の長手方向およびガス供給管の長手方向によって規定される平面において、この平面がガス供給管とガス排出管を接続する。これにより、実質的に平坦な構造のガス循環ループとなる。レーザー放電管が平坦で矩形の立方体形状(すなわち、平坦で細長い箱形状)の場合、送風機を放電管と同一平面に取り付けることができ、レーザー機器の小型化および組み立ての簡易化の点で有益である。
【0039】
横方向のガスフローの均一性と循環ループ内の圧力降下の間のトレードオフを適切に制御するために、分流器のサイズ、幾何学的形状、透過度等といった、適切に選択した循環ループ全体の設計パラメータに基づいて、及びそれらを組み合わせて、送風機の動力を適合させて決定してもよい。
【0040】
加えて、本発明は、上記実施形態のいずれかによるガス循環ループを具えるレーザー装置を提供する。
【0041】
本発明による循環ループは、その特定の設計により、X線生成器と両立でき、両電極側のレーザー放電管の両側への自由なアクセスをもたらすため、特にプレイオン化放電用のX線生成器を必要とする高エネルギのレーザー装置に対して非常に有用となりうる。
【0042】
さらに、この設計は、放電を制御し修正するためにレーザー自体における基本的なパラメータを修正するのに十分適応性がある。
【0043】
本発明によるガス循環ループを具えるレーザー装置は、エキシマレーザーまたは逆励起大気(TEA)CO2レーザーといったパルス高圧放電励起ガスレーザーのように、ガスの再生を必要とする任意の種類のレーザーであってもよい。
【0044】
このレーザーのエネルギは、5ジュール乃至25ジュールの範囲とすることができる。このようなエネルギを達成するために、レーザー放電体積は通常10cm(電極間の空間)×7乃至10cm(放電幅)×100乃至200cm(放電長)に最適化される。
【0045】
本発明の一実施形態では、レーザーは、0,5乃至10J/cmのエネルギー密度を有する投射レーザービームを生成するのに適合しうる。
【0046】
好適な実施形態では、レーザーは、0,5〜10J/cmのエネルギー密度で通常1〜10cmの投射ビームスポットを有する、60cm、あるいは80cmより大きな、好適には100cmの大面積出力ビームを生成するのに適合しているエキシマレーザーであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7