特許第6333845号(P6333845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス ビンテル ウント イーベーエー ゲーエムベーハーの特許一覧

特許6333845外科用器具に用いる電磁アクチュエータ、及びストローク距離設定方法
<>
  • 特許6333845-外科用器具に用いる電磁アクチュエータ、及びストローク距離設定方法 図000002
  • 特許6333845-外科用器具に用いる電磁アクチュエータ、及びストローク距離設定方法 図000003
  • 特許6333845-外科用器具に用いる電磁アクチュエータ、及びストローク距離設定方法 図000004
  • 特許6333845-外科用器具に用いる電磁アクチュエータ、及びストローク距離設定方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333845
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】外科用器具に用いる電磁アクチュエータ、及びストローク距離設定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20180521BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180521BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20180521BHJP
   G02B 7/02 20060101ALI20180521BHJP
   H02K 33/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61B1/00 735
   G02B23/24 A
   G02B7/04 E
   G02B7/02 Z
   H02K33/00 A
【請求項の数】19
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-548263(P2015-548263)
(86)(22)【出願日】2013年11月29日
(65)【公表番号】特表2016-509490(P2016-509490A)
(43)【公表日】2016年3月31日
(86)【国際出願番号】EP2013003609
(87)【国際公開番号】WO2014094970
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年12月25日
(31)【優先権主張番号】102012224177.9
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591228476
【氏名又は名称】オリンパス ビンテル ウント イーベーエー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OLYMPUS WINTER & IBE GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴィータース マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ノアック アンドレアス
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102011006814(DE,A1)
【文献】 特表2013−530672(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0193778(US,A1)
【文献】 特表2014−523323(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0128674(US,A1)
【文献】 特開平10−179505(JP,A)
【文献】 米国特許第05836867(US,A)
【文献】 特開2002−112956(JP,A)
【文献】 特開平09−262203(JP,A)
【文献】 特開2003−302565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
H02K 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータ(2)であって、
前記アクチュエータ(2)は、
固定子(14,16,18,20)と、
少なくとも部分的に常磁性体及び/又は強磁性体材料を含み、切替え可能な磁場の印加によって第1の位置から第2の位置へと可逆的に移動可能な可動素子(26,44)と、を備え、
前記固定子(14,16,18,20)及び前記可動素子(26,44)は、互いに対応する環状の遠位磁極片及び近位磁極片(22,24,28,30)を備え、
前記固定子(14,16,18,20)及び前記可動素子(26,44)の前記遠位磁極片及び/又は前記近位磁極片(22,24,28,30)は、前記第1の位置及び/又は前記第2の位置において互いに重なるように並び、
前記固定子(14,16,18,20)及び前記可動素子(26,44)双方の、前記遠位磁極片(22,28)及び/又は前記近位磁極片(24,30)は、前記磁極片の互いに向き合う面において周方向に突出した構造(2532)を備え、前記構造は互いに対応する、
電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記磁極片(22,24,28,30)の互いに対応する面における前記周方向に突出した構造(2532)、磁極片セグメント(25,32)である
請求項1に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項3】
前記可動素子(26,44)が、永久磁場によって前記第1の位置に保持されていて、又は、保持されることになり、前記第2の位置に移動したあとで、永久磁場によって前記第2の位置に保持されている、又は、保持されることになる、
請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項4】
前記固定子(14,16,18,20)が、互いに反発するように分極されている2つの永久磁石(14,16)を備える、
請求項1から3のうちいずれか1つに記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項5】
前記切替え可能な磁場を発生させるコイル(18)が備えられ、前記コイル(18)が前記永久磁石(14,16)の間に配置される、
請求項4に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項6】
前記第1及び前記第2の位置を定める2つの停止点(34,36,42,48)が備えられ、前記可動素子(26,44)が停止点(34,36,42,48)にて止まることによって前記可動素子(26,44)に前記複数の停止点(34,36,42,48)方向の力が働く、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項7】
少なくとも1つの停止点(48)が可動素子(44)の方向を向いた接続部材(50)を備え、前記接続部材(50)の高さは周方向に調整され、
前記可動素子(44)の一方の側が接触素子(46)を備え、前記一方の側は前記接続部材(50)により前記第1の位置又は前記第2の位置にて前記停止点(48)にて止まり、前記接触素子(46)は、前記可動素子(44)のその中心軸まわりの回転によって前記停止点(48)における軸方向位置が設定されるように、前記接続部材(50)に支持される、
請求項6に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項8】
前記接続部材(50)が3つ以上の多重鋸歯形状を有し、
前記接続部材(50)が、前記アクチュエータ(2)の中心軸と径方向に直角な円形、又は半径方向に変化する閉曲線、又は連続する螺旋状セグメントに形成される、
請求項7に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項9】
前記可動素子(26,44)が、軸方向に移動可能なように管(4,40)内において長手方向に取り付けられる、
請求項1から8のうちいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項10】
前記磁極片(22,24,28,30)が、少なくともある程度、強磁性体材料を含む、
請求項1から9のうちいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項11】
前記固定子(14,16,18,20)の前記2つの磁極片(22,24)及び、前記可動素子(26,44)の前記2つの磁極片(28,30)が、互いに同一に形成される、及び/又は、互いに同一の角度関係に配置される、
請求項1から10のうちいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項12】
前記固定子(14,16,18,20)の前記2つの磁極片(22,24)及び、前記可動素子(26,44)の前記2つの磁極片(28,30)が、互いに異なるように形成され、異なる数の磁極片セグメント(25,32)を有する、及び/又は、互いに異なる角度関係に配置される、
請求項1から11のうちいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項13】
請求項1から12のうちいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ(2)を備える外科用又は内科用器具。
【請求項14】
前記電磁アクチュエータ(20)の前記固定子(14,16,18,20)が、前記器具のハンドルに対して周方向に回転可能な部分に配置される、
請求項13に記載の外科用又は内科用器具。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータ(2)のストローク距離設定方法であって、
前記アクチュエータ(2)の前記可動素子(26,44)が、接続部材(50)を備える前記停止点(48)の前記接続部材(50)に支持される位置へ導かれていて、又は導かれることになっていて、前記電磁アクチュエータ(2)の前記固定子(14,16,18,20)が周方向に回転し、それによって前記可動素子(26,44)が周方向に突出した構造を有する前記磁極片(22,24,28,30)を介して周方向に回転し、前記接続部材(50)を介して前記可動素子(26,44)の軸方向位置が設定される、
ストローク距離設定方法。
【請求項16】
前記固定子(14,16,18,20)の前記2つの磁極片(22,24)及び、前記可動素子(26,44)の前記2つの磁極片(28,30)が、3回以上の回転対称性を有する、請求項11に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項17】
前記可動素子(26,44)、前記切替え可能な磁場を発生させる前記コイル(18)、及び/又は、前記永久磁石(14,16)が環状の断面を有する、請求項5に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項18】
前記固定子(14,16,18,20)が、互いに軸方向に反発するように分極されている2つの永久磁石(14,16)を備える、
請求項4に記載の電磁アクチュエータ(2)。
【請求項19】
前記外科用又は内科用器具は内視鏡である、請求項13に記載の外科用又は内科用器具。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータに関するものであって、アクチュエータは、固定子と、少なくとも部分的に常磁性体及び/又は強磁性体材料を含み、切替え可能な磁場の印加によって第1の位置から第2の位置へと可逆的に移動できる可動素子とを備え、固定子及び可動素子は、互いに対応する環状の遠位及び近位磁極片を有し、固定子及び可動素子の遠位磁極片及び/又は近位磁極片は、第1の位置及び/又は第2の位置において、互いに重なるように位置を合わせる。本発明はさらに同様のアクチュエータを備える外科用又は内科用器具に関する。
【0002】
外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータは、ドイツ特許出願第10 2011 006 814号により知られており、該アクチュエータは固定子と、少なくとも部分的に常磁性体又は強磁性体材料を含み、電磁場印加によって第1の位置から第2の位置へと移動できる可動素子とを備えている。ここでは、該可動素子は永久磁場によって第1又は第2の位置内に保持されている。
【0003】
ドイツ特許出願第10 2011 006 814号に開示されている電磁アクチュエータ概念は、光学部品を光軸の軸方向に移動させるために用いられ、該光学部品は回転子内に設置される。したがって、例えば、光学装置の焦点又は倍率を変更することや、視野方向を変更することが可能である。
【0004】
繰り返される直進運動、又は、振動或いは加工の力のような外的影響により、光学装置がもはや最適焦点から外れていることがあり得る。これは、回転子の回転運動が生じ得るアクチュエータの取付け後又は多重起動後に起き得るもので、例えば、部品の製造欠陥、又は組立ての際の位置決め誤差及び調整誤差に起因する。こういった誤差は、組立て中の焦点調節及びメニスカス配置などの補正手順により補正されるが、光学装置は一つの状態にのみ最適化される。光学装置に引き続き変更が生じた場合は、再生される画質にマイナスの影響を与え得る。
【0005】
さらなる影響としては、双安定アクチュエータでは、光軸に対し直角に配向された、例えば、停止面又は回転子面のような2つの面の間でアクチュエータのストロークを設定するが、製造及び組立ての不正確さによって、これらの面が光軸に対する直交位置から逸脱することがあり得る。そのため、この逸脱によって実際のストロークが意図したストロークより大きく又は小さくなるという事態が生じる可能性があり、自在に回転可能な回転子の場合では一層その差異が生じ得る。
【0006】
最後に、このようなアクチュエータにおいては、組立ての際のストローク距離設定は非常に複雑である。
一方、本発明の目的は、外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータにおいて、光学装置の誤差を最小限の組立て費用で補正し、さらにはストローク距離設定を単純化することである。
【0007】
この目的は、外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータによって解決され、該アクチュエータは、固定子と、少なくとも部分的に常磁性体及び/又は強磁性体材料を含み、切替え可能な磁場の印加によって第1の位置から第2の位置へと可逆的に移動可能な可動素子とを備え、固定子及び可動素子は、互いに対応する環状の遠位磁極片及び近位磁極片を有し、固定子及び可動素子の遠位磁極片及び/又は近位磁極片は、第1の位置及び/又は第2の位置において互いに重なるように並び、それにより、固定子及び可動素子双方の遠位磁極片及び/又は近位磁極片は、両磁極片の互いに向き合う面において周方向の構造をさらに有し、これらの構造は互いに対応する。
【0008】
この互いに向き合う面における互いに対応する構造によって、固定子、及び可動素子、すなわちアクチュエータの回転子は、互いに固定された角度関係に保持される。磁束線が最も抵抗の小さい経路へ向かうため、両磁極片の上記構造化された面の突起部、すなわち突出した領域の位置は、互いに可能な限り正確に合わせられる。その結果、両磁極片間の空隙は、この突出した領域にて最小限となり、よって低エネルギー状態となる。この状態はエネルギー的に好ましい。
【0009】
当該構造を成す磁極片の発明原理は、例えば双安定リラクタンスアクチュエータ又はローレンツ力アクチュエータのような、様々な種類の電磁アクチュエータに有利に用いることができる。
【0010】
重なるような位置合わせ、つまり、位置合わせされた重なりとは、前記構造のある互いに向き合う面、すなわち両磁極片の互いに向き合う磁極片セグメントが、第1及び/又は第2の位置において少なくとも部分的に重なり合っていることを意味する。当該位置の停止点においても、対応する永久磁場が可動素子を適切な位置に保持する軸力を及ぼすはずであるため、この重なり合いが完全である必要はない。したがって、上記磁極片の構造によって磁力線を束ねることによって、本発明による円周方向の力伝達機能が保証されるのであれば、本発明の範囲においては部分的な重なり合いで十分である。
【0011】
近位及び遠位の両磁極片それぞれが、両位置において少なくとも部分的に重なり合うことが好ましい。したがって、固定子に対する回転子のねじれが生じないように、回転子の固定子への回転カップリングは固定子の全長にわたっておおう。
【0012】
従来技術のデメリットは、両磁極片の上記構造化された面を用いて、固定子と、回転子、すなわち可動素子との角度関係を互いに固定することで克服される。よって、スイッチの多重切り替えに起因して、回転子、すなわち可動素子が固定子内にて回転し、組立てとともに最適な配置から逸脱してしまうという調整不良はもはや生じない。したがって、本発明では、残りの光学装置に対する回転位置は維持される。回転子、すなわち可動素子が固定子に対して所定の回転位置に保持されているため、もはやアクチュエータの起動にかかわらず画質が変わることはない。さらに、可動素子の回転位置は、停止面の設置における組立誤差や製造誤差に関係なく、同一のストローク距離の再現性が維持できるように固定される。
【0013】
本発明では、回転位置の機械的誘導は不要である。機械的誘導は構造によっては複雑であり、装置内の摩擦をさらに増加させる。
互いに対応する磁極片の面の構造としては、好ましくは磁極片セグメントを備える。この磁極片セグメントは、互いに向き合った磁極片セグメント間の空隙が、磁極片における磁極片セグメントがない部分同士の間の空隙よりも狭くなるように、磁極片の残りの部分に対して磁極片がそれぞれ外向き又は内向きに拡張した部分である。この放射状構造により、磁束は、1つ以上の回転位置における磁気回路の磁気抵抗が、他の回転位置よりも低くなるように方向付けられる。磁気システムは最低エネルギー状態、すなわち最小磁気抵抗を得ようとするため、可動素子、すなわち回転子が回転して磁気抵抗が最低となる位置から逸脱すると、回転と反対向きのトルクが発生する。
【0014】
有利な設計では、固定子の2つの磁極片及び可動素子の2つの磁極片は互いに同一に形成され、及び/又は、互いに同一の角度関係に配置され、具体的には回転対称形状を有し、具体的には3回以上の回転対称性を有する。ここで、特に安定性を有するのは、例えば3回、5回、又は7回のような奇数の回転対称性であるが、6回又は8回のような偶数の回転対称性でも、本発明では有利に用いることができる。
【0015】
あるいは、固定子の2つの磁極及び可動素子の2つの磁極片は、互いに異なるように有利に形成され、具体的には異なる数の磁極片セグメントを有する、及び/又は、互いに異なる角度関係に配置される。したがって、例えば遠位磁極片が3回回転対称性を有し、近位磁極片が5回回転対称性を有してもよく、固定子の磁極片の設計はこれに対応するか、又は、その都度同一の回転対称性が選択されてもよいが、遠位及び近位磁極片の個々の磁極片セグメントは、互いに対して異なる角度関係を有するように互いに位置を合わせる必要はない。このようにして、周方向の復原力は均一に調整される。
【0016】
好ましくは、可動素子が永久磁場によって第1の位置に保持され、又は保持されることになり、そして第2の位置に移動した後、永久磁場によって第2の位置に保持される、又は保持されることになる。この実施形態は双安定アクチュエータを表している。
【0017】
第1の位置及び第2の位置を定める2つの停止点が有利に備えられ、具体的には、可動素子が1つの停止点に支持されると、両停止点方向の力が可動素子に及ぼされる。可動素子に及ぼされる停止点方向の力は対応する位置の永久磁場によって発生する。その結果、停止点は、停止点が最小エネルギー構成になることができないように、可動素子の動きを制限する。最小磁気配置及び最小エネルギー構成では、もはや可動素子に及ぼされる力はなく、可動素子の位置は定められない、すなわち、容易に動かすことができる。
【0018】
本発明の別の局面では、電磁アクチュエータのストローク距離を有利に設定でき、その場合、少なくとも1つの停止点が、可動素子に向けて位置を合わせた接続部材を備え、当該接続部材の高さは周方向に調整され、第1又は第2の位置において停止点によって当該接続部材に支持される可動素子の片側は接触素子を備え、当該接触素子は、可動素子がその中心軸まわりに回転することによって停止点における軸方向位置を設定できるように当該接続部材に支持される。当該接続部材を用いれば、本発明による可動素子の回転を利用して、可動素子が実際に接続部材で停止点と接触する位置を決定することが可能であり、このようにして軸方向のストローク距離、すなわち停止点が決定される。
【0019】
この目的のため、接続部材は3重又はそれ以上に重なった鋸歯形状を有し、具体的にはアクチュエータの中心軸の径方向に直角に、円形、又は半径方向に変化する閉曲線、又は連続する螺旋状セグメントに形成される。3重又はそれ以上の鋸歯形状を有する場合、停止点での安定した支持が保証されるように、可動素子には停止点、すなわち接続部材において3つ又はそれ以上の接点が存在する。接続部材は上面図で三角形であり、これもまた本発明による機能を十分に果たす。接続部材の個々の部分同士は接続されてもよいが、必ずしも接続されている必要はない。
【0020】
固定子は、好ましくは2つの永久磁石を備え、当該永久磁石は互いに反発するように、具体的には軸方向に分極されている。この構成により両方の位置で安定した停止地点が得られる。好ましくは、切替え可能な磁場を発生させ、具体的には当該永久磁石の間に配置されるコイルが備えられる。
【0021】
本発明の範囲で、とりわけ簡易な実施形態が得られるのは、可動素子が軸方向に移動可能なように管内に長手方向に有利に取り付けられ、可動素子、切替え可能な磁場を発生させるコイル、及び/又は永久磁石が、具体的には環状の断面を有する場合である。磁極片は、好ましくは少なくともある程度強磁性体材料を含む。
【0022】
本発明の基礎となる目的は、外科用又は内科用器具、具体的には本発明による上述のアクチュエータを備える内視鏡によっても解決され、当該内視鏡では、好ましくは、電磁アクチュエータの固定子が器具のハンドルに対して周方向に回転可能な部分に配置される。このようにして、アクチュエータの多重起動が起きた場合にも、当該器具は光学部品の再現性のある品質と、可能な場合は、設定可能なストローク距離とを備える。ここで、固定子の回転に応じて回転子、すなわち可動素子が動かされ、それにより停止位置又はストローク距離の設定が可能なように、固定子は、好ましくは手動又は別の方法で回転されてもよい。
【0023】
最後に、本発明の基礎となる目的は、本発明による上述の外科用又は内科用器具に用いる電磁アクチュエータのストローク距離を設定する方法によっても解決され、アクチュエータの可動素子が、接続部材を備える停止点の当該接続部材に支持される位置へ導かれている、又は導かれることになっており、電磁アクチュエータの固定子が周方向に回転し、それによって当該可動素子が周方向の構造を成す磁極片を介して周方向に回転し、当該可動素子が接続部材を介してその軸方向位置に設置される。
【0024】
本発明の対象物の特徴、利点、及び性質、したがって装置、器具、及び方法もまた、それぞれが相互関係にある本発明の別の対象物に制限なく適用される。
本発明のさらなる特徴は、本発明による実施形態の記載、請求の範囲、及び添付した図面から明らかになるであろう。本発明による実施形態は、個別の特徴又は複数の特徴の組み合わせを実現し得るものである。
【0025】
本発明について、その概念を制限することなく、図面を参照しながら例となる実施形態を用いて以下に説明するが、本発明の開示のうち、本明細書中でより詳しく説明されていないものに関する全詳細については、明示的に図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明によるアクチュエータの概略縦断面図。
図2図1におけるアクチュエータの概略断面図。
図3】本発明による、別の設計のアクチュエータの概略図。
図4図3におけるアクチュエータの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、同一又は同様の要素、及び/又は部分には、説明の重複を避けるために同一の参照符号を付している。
図1には、本発明によるアクチュエータ2を縦断する概略図において、レンズ12,13がレンズ配列に配置された摺動管4を示す。内部摺動管4においては、レンズ配列にされた遠位入力レンズ8,9に用いるレンズ保持具6が遠位に配置され、レンズ保持具6は摺動管4に確実に接続されている。
【0028】
レンズ8,9と12,13との間には、軟磁性材料を含む収納部に収納された、レンズ配列にされたさらに2つのレンズ10,11が示され、収納部はその近位端部及び遠位端部にそれぞれ遠位磁極片28又は近位磁極片30を有する。当該収納部はアクチュエータ2の回転子を形成する。図1の下部に示すように、磁極片28,30は円周に沿って径方向に構成されている。
【0029】
2つの永久磁石14,16から成る配列はアクチュエータ2の固定子を形成し、この2つの永久磁石の間には、切替え可能な磁場を発生させるために接続線19を有するコイル18が配置され、軟磁性材料を含むカバー20が部分的にコイル18を囲んでいる。また、カバー20は、円周方向において放射状(radially)に構成され、奇数の回転対称性を有し、これは断面図の上部と下部とが互いに非対称であることから明らかである。摺動管4は、可動素子26と固定子との間の空隙に配置される。図1には、閉じた磁力線のそれぞれも概略的に示す。
【0030】
摺動管4の一部及びレンズ保持具6の端部は、可動素子26の停止点34,36を形成し、電磁アクチュエータ2のストローク距離を決定する。
第1の位置では、可動素子26が第1停止点34に接触して停止し、遠位において、遠位磁極片28の面が、少なくとも外側固定子である磁極片22と重なる。停止点36に接触する第2の位置では、近位磁極片24,30が互いに重なる。いずれの位置においても、円周方向における放射状構造の効果が遠位及び近位に及ぶように、それぞれ他方の磁極片との部分的な重なりを維持することが可能である。
【0031】
図2図1の切断線A:Aに沿った概略断面図であり、内側から外側に向かって見ると、レンズ11は最も内側に見てとれ、そして軟磁性のある近位磁極片30に収納されており、近位磁極片30は3つの磁極片セグメント32を備え3回対称性を有する。磁極片セグメント32は、磁極片30の残りの部分と比較してより厚みを有して設けられているため、外側の空隙は狭い。摺動管4は近位磁極片30と外側固定子である近位磁極片24との間に設けられている。当該固定子もまた円周方向において構成され、一方には磁極片セグメント25を、他方には磁力線が入る開口25’を備え、磁力線は、具体的には、磁極片セグメント25における磁極片の軟磁性材料を介して回転子の磁極片セグメント32内へ入る。また、開口25’内に並列巻きのコイル18が見てとれる。
【0032】
3つの磁極片セグメント32と3つの磁極片セグメント25とがそれぞれ互いに向き合った配列は、これらの磁極片セグメントを互いに固定された角度関係に確実に誘導し、そのための機械的な誘導構造を必要としない。
【0033】
図3に、本発明による別の電磁アクチュエータの、いくつかの機械的側面における簡単な例を示す。このアクチュエータは、第1停止点42を有する摺動管40を備え、摺動管40には、レンズシステムとしての2つのレンズ10,11を有する回転子管44が挿入される。回転子管44は近位に複数の停止ピン46を有する。回転子管44が摺動管40へ挿入された後、摺動管40は制御ゲート又は接続部材50を有する停止スリーブ48で密閉される。図3にはその他の磁性部品及び電磁部品は図示しない。
【0034】
第2の位置、すなわち近位の位置では、回転子管44の停止ピン46は接続部材50にて止まる。図1,2に示す構造の磁極片を介した伝達を利用して回転子管44が回転すると、停止ピン46は回転位置に応じて接続部材50に対して別の位置で止まることになる。したがって、回転子管44の停止ピン46の軸方向位置は、回転子管44の中心軸まわりの回転によって定まり得る。
【0035】
接続部材50は、回転子管44の停止ピン46と同じ直径を有するリングに形成されることができ、リングは、例えば3つ以上の鋸歯状変調部を有するなど、軸方向において高さ変調される。
【0036】
停止ピン46に代えて、半径方向を向き、接続部材50と相互に作用する停止リッジ又は停止線を備えることもできる。接続部材50は、円形に限らず、例えば分離した複数の螺旋断面形状の隆起を有してもよい。
【0037】
続いて、図4は、アクチュエータの中心軸に対して直角な断面を示し、個別に分離した磁極片セグメント32であって、環状である磁極片30と比較して高さのある磁極片セグメント32を有する近位磁極片が摺動管4の内部に配置された実施形態が示される。回転子管4の外側に示される、外側固定子である磁極片24もまた、断面がほぼ環状であり、内側を向いた磁極片セグメント25を有する。磁極片セグメント25の幅は、回転子である磁極片30の磁極片セグメント32の幅に対応し、したがって可動素子26の幅に対応する。このようにして、円周方向における、磁極片の磁気回路による特定の案内、及び、磁極片24の移動を伴う、矢印の方向に沿って運ぶ強い駆動力が得られる。
【0038】
図面でのみ参照されるもの、及び、別の特性と組み合わせて開示される個別の特性を含む、名称を付した全ての特性は、個別に、そして組み合わせで本発明に重要なものとして考慮される。本発明による実施形態は個別の特徴又は複数の特徴の組み合わせによって実現することができる。
[符号の説明]
2 電磁アクチュエータ
4 摺動管
6 レンズ保持具
8−13 レンズ
14 永久磁石
16 永久磁石
18 コイル
19 接続線
20 カバー
22 遠位磁極片
24 近位磁極片
25 磁極片セグメント
25’ 開口
26 可動素子
28 遠位磁極片
30 近位磁極片
32 磁極片セグメント
34 第1停止点
36 第2停止点
40 摺動管
42 第1停止点
44 回転子管
46 停止ピン
48 停止スリーブ
50 成形接続部材
図1
図2
図3
図4