【課題を解決するための手段】
【0005】
薬物送達デバイス用のアセンブリが提供され、アセンブリは、用量を設定するために設定運動を行うように構成され、また用量を投薬するために投薬運動を行うように構成されたアクチュエータを含む。アセンブリは、用量を投薬するために遠位方向で動かされるように構成されたピストンロッドと、カチッと留まってピストンロッドと係合されるように構成されたスナップ機能とをさらに含む。スナップ機能は、アクチュエータの投薬運動および/またはアクチュエータの設定運動を抑制するように構成されてもよい。特に、薬物の最大量が送達済みであるとき、設定運動および/または投薬運動が抑制されてもよい。薬物の最大量は、たとえば、カートリッジ内で利用可能な薬物の量であってもよい。
【0006】
カチッと留まってピストンロッドと係合されるように構成されたスナップ機能の利点は、スナップ機能がアセンブリを恒久的にロックしてもよい点である。アセンブリがロックされたとき、アセンブリの任意の構成要素の動きが抑制されてもよい。
【0007】
一実施形態によれば、スナップ機能は弾性部材として構成される。特に、スナップ機能はリングの形状を含んでもよい。スナップ機能は、ピストンロッドの周りに同心で配置されてもよい。特に、スナップ機能は、薬物送達デバイスを使用する間ずっと、すなわちピストンロッドと係合されていないときにも、ピストンロッドと接触していてもよい。特に、スナップ機能は、ピストンロッドと接触していてもよい、少なくとも1つの突出部を含んでもよい。少なくとも1つの突出部は、スナップ機能の内表面に配置されてもよい。たとえば、スナップ機能は、対向して配置されてもよい2つの突出部を含んでもよい。
【0008】
一実施形態によれば、スナップ機能は、ピストンロッドとの相互作用によって予荷重される。特に、スナップ機能がピストンロッドと係合されていないとき、スナップ機能は、ピストンロッドが存在することにより、径方向外向きの方向で偏向されてもよい。
【0009】
一実施形態によれば、スナップ機能は、カチッと留まってピストンロッドと係合される前に予荷重される。特に、スナップ機能は、薬物送達デバイスを使用する間ずっと、予荷重されていてもよい。カチッと留まってピストンロッドと係合されたとき、スナップ機能を緩めることが可能になってもよい。特に、スナップ機能は、径方向内向きの方向で偏向され、それによってピストンロッドと係合してもよい。特に、スナップ機能の少なくとも1つの突出部はピストンロッドと係合してもよい。スナップ機能がピストンロッドと係合しているとき、スナップ機能はまだわずかに予荷重されていてもよく、または偏向されない状態であってもよい。
【0010】
一実施形態によれば、スナップ機能は、薬物の最大量が送達済みであるとき、最後の設定運動後にアクチュエータの投薬運動を抑制するように構成される。さらなる実施形態によれば、スナップ機能は、薬物の最大量が送達済みであるとき、最後の投薬運動後にアクチュエータの設定運動を抑制するように構成される。
【0011】
アクチュエータの設定運動は近位方向の並進運動であってもよい。たとえば、設定運動は軸方向の非回転運動であってもよい。あるいは、設定運動は軸方向運動と回転運動の組合せであってもよい。あるいは、設定運動は純粋に回転運動であってもよい。アクチュエータの投薬運動は、遠位方向の動き、たとえば純粋に軸方向の運動であってもよい。特に、アクチュエータは、用量を投薬するためにユーザによって遠位方向で押されてもよい。アクチュエータはボタンとして構成されてもよい。
【0012】
「近位方向」という用語は、デバイスの投薬端部から離れる方向を説明してもよい。同様に、近位端は、投薬端部から最も離れた端部であってもよい。「遠位方向」という用語は、デバイスの投薬端部に向かう方向を説明してもよい。
【0013】
一実施形態によれば、スナップ機能は、アクチュエータの最後の設定運動後に、カチッと留まってピストンロッドと係合されるように構成される。あるいは、スナップ機能は、最後の投薬運動後に、カチッと留まってピストンロッドと係合されるように構成されてもよい。
【0014】
一実施形態によれば、ピストンロッドは少なくとも1つの凹部を含み、スナップ機能は凹部と係合するように構成される。ピストンロッドの少なくとも1つの凹部は穴として構成されてもよい。凹部は、デバイスの長手方向軸に垂直な方向で延びてもよい。一実施形態によれば、凹部はピストンロッドを通って延びてもよい。一例として、ピストンロッドは、対向して配置されてもよい2つの凹部を含んでもよい。スナップ機能は、特にアクチュエータの最後の設定または最後の投薬運動後に、スナップ機能の少なくとも1つの突出部がピストンロッドの少なくとも1つの凹部内へと係合してもよいようにして構成されてもよい。
【0015】
一実施形態によれば、スナップ機能は、カチッと留まってピストンロッドと係合されたときに、可聴のクリック音を生じるように構成される。可聴のクリック音は、薬物の最大量が送達済みであることをユーザに示してもよい。あるいは、可聴のクリック音は、最後の用量を送達する準備ができていることをユーザに示してもよい。
【0016】
一実施形態によれば、アセンブリは、薬物の用量を送達するために、デバイスの遠位端に向かってピストンロッドを駆動するように構成された駆動部材を含む。駆動部材は駆動スリーブとして構成されてもよい。駆動部材は、ピストンロッドの周りに同心で配置されてもよい。特に、駆動部材は、たとえばねじ山を用いて、ピストンロッドと結合されてもよい。駆動部材は少なくとも1つの凹部を含んでもよく、スナップ機能は、駆動部材の少なくとも1つの凹部と恒久的に係合される。特に、スナップ機能の少なくとも1つの突出部は、駆動部材の少なくとも1つの凹部と恒久的に係合されてもよい。少なくとも1つの凹部は穴として構成されてもよい。少なくとも1つの凹部は、デバイスの長手方向軸に向かって径方向で、駆動部材を通って延びてもよい。たとえば、駆動部材は、対向して配置されてもよい2つの凹部を含んでもよい。一実施形態によれば、スナップ機能は駆動部材の周りに同心で配置される。
【0017】
一実施形態によれば、スナップ機能は、駆動部材に対して回転方向および軸方向で固定される。特に、スナップ機能は、スナップ機能の少なくとも1つの突出部が駆動部材の少なくとも1つの凹部と係合されることにより、駆動部材に対して固定されてもよい。
【0018】
駆動部材はアクチュエータに固定的に結合されてもよい。たとえば、駆動部材およびアクチュエータは1つの部材として製造される。特に、アクチュエータの動きによって駆動部材の動きが引き起こされてもよい。駆動部材およびアクチュエータは互いに固定的に結合されてもよいので、駆動部材の動きはアクチュエータの動きに対応してもよい。
【0019】
用量の設定中、駆動部材をピストンロッドに対して動かされてもよい。特に、駆動部材は近位方向でピストンロッドに沿って動かされてもよい。たとえば、駆動部材は、用量の設定中に軸方向の非回転運動を行ってもよい。あるいは、駆動部材は、軸方向運動と回転運動の組合せを行ってもよい。特に、駆動部材はピストンロッドに沿って回転させてもよい。あるいは、駆動部材は、ピストンロッドに対して純粋に回転運動を行ってもよい。スナップ機能がピストンロッドを係合しているとき、駆動部材とピストンロッドとの間の相対運動が抑制されてもよい。それにより、さらなる設定運動が抑制されてもよい。
【0020】
一実施形態によれば、スナップ機能がピストンロッドと係合しているとき、さらなる投薬運動が抑制されてもよい。特に、駆動部材およびピストンロッドが投薬運動中に互いに対して動くように構成されている場合、さらなる投薬運動はスナップ機能によって抑制されてもよい。あるいは、スナップ機能がピストンロッドと係合しているとき、さらなる投薬運動が可能にされてもよい。特に、駆動部材およびピストンロッドが投薬運動中は互いに対して固定されるように構成されている場合、スナップ機能がピストンロッドと係合していると、さらなる投薬運動が可能にされてもよい。最後の投薬運動後、スナップ機能によってさらなる設定運動が抑制されてもよい。たとえば、駆動部材がピストンロッドに対して最近位位置にあるとき、スナップ機能はカチッと留まってピストンロッドと係合されてもよい。たとえば、スナップ機能は、設定運動の終わりに、カチッと留まってピストンロッドと係合されてもよい。
【0021】
用量の投薬中、ピストンロッドおよび駆動部材は互いに対して固定されてもよい。特に、ピストンロッドと駆動部材との間には相対運動がなくてもよい。特に、ピストンロッドおよび駆動部材は遠位方向で共に動かされてもよい。代替実施形態では、投薬動作中、ピストンロッドおよび駆動部材は互いに対して動いてもよい。特に、ピストンロッドは、用量の投薬中、駆動部材に対して回転し軸方向で動いてもよい。特に、スナップ機能がピストンロッドと係合しているとき、さらなる投薬運動が抑制されてもよい。あるいは、スナップ機能がピストンロッドと係合しているとき、さらなる投薬運動が可能にされてもよい。
【0022】
一実施形態によれば、スナップ機能がピストンロッドと係合されているとき、駆動部材およびピストンロッドは互いに対してロックされる。駆動部材およびピストンロッドが互いに対してロックされたとき、駆動部材とピストンロッドとの間のいかなる相対運動も抑制される。
【0023】
ピストンロッドおよび駆動部材が互いに対して所定の位置にあるとき、スナップ機能は、カチッと留まってピストンロッドと係合されてもよい。特に、駆動部材の少なくとも1つの凹部がピストンロッドの少なくとも1つの凹部と位置合わせされたとき、スナップ機能はピストンロッドと係合されてもよい。この状態で、スナップ機能が緩むことが可能になってもよい。特に、スナップ機能は、径方向内向きの方向で偏向することが可能になってもよい。特に、スナップ機能の少なくとも1つの突出部は、駆動部材の少なくとも1つの凹部を通してさらに動き、ピストンロッドの少なくとも1つの凹部を係合してもよい。
【0024】
一実施形態によれば、スナップ機能がピストンロッドと係合した後、最後の設定運動が可能になり、投薬運動が抑制される。あるいは、スナップ機能がピストンロッドと係合した後、最後の投薬運動が可能になり、さらなる設定運動が抑制される。あるいは、スナップ機能がピストンロッドと係合した後、設定運動および投薬運動が抑制される。
【0025】
たとえば、最後の設定運動後にスナップ機能がピストンロッドと係合されたとき、駆動部材とピストンロッドとの間の相対運動が抑制されてもよい。それにより、投薬動作が駆動部材およびピストンロッドの相対運動を要する場合に、駆動部材およびピストンロッドの遠位方向での動きが抑制されてもよい。それにより、デバイスはロックされてもよい。特に、さらなる設定または投薬運動が可能でなくてもよい。この状態で、アクチュエータはアセンブリのハウジングから突出してもよい。それにより、デバイスが空であるという指示がユーザに与えられてもよい。
【0026】
さらなる実施例によれば、最後の設定運動後にスナップ機能がピストンロッドと係合されたとき、駆動部材およびピストンロッドの遠位方向の動きが可能にされてもよい。特に、投薬動作が駆動部材とピストンロッドとの間の相対運動を伴わない場合に、駆動部材およびピストンロッドの遠位方向の動きが可能にされてもよい。特に、駆動部材およびピストンロッドの軸方向の非回転運動が可能にされてもよい。それにより、最後の用量が送達されてもよい。駆動部材は近位方向でピストンロッドに沿って回転できないことがあるので、最後の用量の投薬後、さらなる設定運動が抑制されてもよい。
【0027】
さらなる実施形態によれば、最後の投薬運動後、スナップ機能はピストンロッドと係合してもよい。特に、用量の投薬中に駆動部材およびピストンロッドが互いに対して動く場合に、スナップ機能はピストンロッドと係合してもよい。たとえば、ピストンロッドを駆動部材に対して近位方向で動かされてもよい。特に、ピストンロッドは、駆動部材に対して回転し近位方向で軸方向に動いてもよい。スナップ機能がピストンロッドと係合することにより、投薬運動後にアセンブリはロックされてもよい。特に、さらなる設定運動およびさらなる投薬運動が抑制されてもよい。
【0028】
さらに、上述したように構成されたアセンブリを含む、薬物送達デバイスが提供される。特に、薬物送達デバイスは、カチッと留まってピストンロッドと係合されるように構成されたスナップ機能を含んでもよく、スナップ機能は、薬物の最大量が送達済みであるとき、アクチュエータの投薬運動および/または最後の投薬運動後の設定運動を抑制するように構成される。
【0029】
薬物送達デバイスは注射デバイスであってもよい。薬物送達デバイスはペン型デバイスであってもよい。薬物送達デバイスは、1回の投薬動作中に送達される薬物の量が予め定められているような、固定用量デバイスであってもよい。特に、ユーザは用量のサイズを変更することができなくてもよい。あるいは、薬物送達デバイスは、1回の投薬動作中に送達される薬物の量がユーザによって選択されてもよいような、可変用量デバイスであってもよい。薬物送達デバイスは複数回用量の用途向けに構成されてもよい。薬物は針を用いてユーザに送達されてもよい。デバイスは、使用の準備ができている完全に組み立てられた状態でユーザに送達されてもよい。薬物送達デバイスは使い捨てデバイスであってもよい。「使い捨て」という用語は、利用可能な量の薬物が薬物送達デバイスから送達された後、薬物送達デバイスを再使用できないことを意味する。薬物送達デバイスは液状の薬物を送達するように構成されてもよい。薬物は、たとえばインスリンであってもよい。
【0030】
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0031】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0032】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0033】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0034】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0035】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0036】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0037】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0038】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0039】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0040】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0041】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0042】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0043】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(VH)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0044】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0045】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0046】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0047】
さらなる特徴、改良、および便宜は、図面と関連した例示的な実施形態の以下の説明から明白となる。