特許第6333861号(P6333861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6333861ターボ機械シャフトへの電気ロータの嵌合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333861
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ターボ機械シャフトへの電気ロータの嵌合
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/10 20060101AFI20180521BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   F02B37/10 Z
   F02B39/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-558965(P2015-558965)
(86)(22)【出願日】2014年2月20日
(65)【公表番号】特表2016-507700(P2016-507700A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2014017455
(87)【国際公開番号】WO2014130707
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2016年8月25日
(31)【優先権主張番号】61/767,819
(32)【優先日】2013年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515227187
【氏名又は名称】エコモーターズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(74)【代理人】
【識別番号】100168594
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ガラード,タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ヒッペン,ウィル・ロバート・ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】メサーロシュ,クリストファー
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06085527(US,A)
【文献】 国際公開第2008/020512(WO,A1)
【文献】 特開平02−075725(JP,A)
【文献】 特開2009−144633(JP,A)
【文献】 特表2011−524961(JP,A)
【文献】 特開2012−255356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 37/10
F02B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子制御式ターボ機械であって、
第1の端部に結合されたタービンホイールおよび第2の端部に固定されたコンプレッサホイールを有する回転シャフトであって、前記回転シャフトの一部分は前記タービンホイールと前記コンプレッサホイールとの間に延在し、前記回転シャフトは第1、第2、および第3の軸方向部分を画定し、前記第2の軸方向部分は前記第1の軸方向部分と前記第3の軸方向部分との間に位置し、前記第2の軸方向部分は前記第1の軸方向部分および前記第3の軸方向部分の外径よりも小さな外径を有する、回転シャフトと、
前記タービンホイールを覆って配置されたタービンハウジング部分と
記コンプレッサホイールを覆って配置されたコンプレッサハウジング部分と
記タービン部分と前記コンプレッサ部分との間に位置する電気機械と
を備え、
前記電気機械は、ロータおよびステータを含み、
前記ロータは、前記回転シャフト上の一部分に配置され、前記回転シャフトの前記第1の軸方向部分および前記第3の軸方向部分に固定される、ターボ機械。
【請求項2】
電子制御式ターボ機械であって、
ロータを有する電気機械と、
第1の端部に結合されたホイールを有し、前記電気機械の前記ロータと対合する軸方向部分を有する回転シャフトであって、前記軸方向部分が
第1の直径を有する第1の軸方向部分、
第2の直径を有する第2の軸方向部分、および
第3の直径を有する第3の軸方向部分
を有する回転シャフトと
を備え、
前記第2の軸方向部分は、前記第1の軸方向部分と前記第3の軸方向部分との間に位置し、
前記第2の直径は、前記第1および第3の直径よりも小さく、
前記ホイールは、タービンホイールおよびコンプレッサホイールのうちの一方である、ターボ機械。
【請求項3】
前記第1の軸方向部分は、前記第3の軸方向部分よりも前記ホイールから遠く、
前記第3の直径は、前記第1の直径と実質的に等しい、請求項2に記載のターボ機械。
【請求項4】
前記ロータの内径は、前記ロータの長さの少なくとも大部分に沿って均一であり、
前記第1の軸方向部分に沿って、前記ロータと前記回転シャフトの間にスリップフィットおよびプレスフィットのうちの一方が存在し、
前記第3の軸方向部分に沿って、前記ロータと前記回転シャフトの間にスリップフィットおよびプレスフィットのうちの一方が存在する、請求項3に記載のターボ機械。
【請求項5】
前記ロータは、電子ビーム溶接、レーザ溶接、タングステン不活性ガス溶接、超音波溶接、および前記ロータに対して前記回転シャフトを回転させることによる摩擦溶接のうちの1つによって前記回転シャフトに取り付けられている、請求項2に記載のターボ機械。
【請求項6】
前記回転シャフトの前記第1の端部に結合されたホイールは、タービンホイールであり、
前記ターボ機械は、前記回転シャフトの第2の端部に結合されたコンプレッサホイールをさらに備え、前記ロータは前記タービンホイールと前記コンプレッサホイールとの間に位置する、請求項2に記載のターボ機械。
【請求項7】
前記回転シャフトは、前記第3の軸方向部分と前記ホイールとの間に位置するストッパーを有し、
前記ストッパーは、前記第3の軸方向部分よりも大きい直径を有し、
前記ストッパーは、前記回転シャフト上で軸方向について前記ロータの位置を定める、請求項2に記載のターボ機械。
【請求項8】
前記回転シャフトは、前記第1の軸方向部分に近接するねじ部分を有し、
前記ターボ機械は、前記回転シャフトの前記ねじ部分と係合されて前記ロータを前記ストッパーに対して当接させるナットをさらに備える、請求項7に記載のターボ機械。
【請求項9】
前記回転シャフトは、前記第1の軸方向部分に近接するねじ部分を有し、
前記ロータの内表面は、前記回転シャフトに関連付けられた前記ねじ部分と係合するねじ部分を有し、
前記ロータは、前記ストッパーに当接する、請求項7に記載のターボ機械。
【請求項10】
前記ホイールは、タービンホイールであり、
前記ターボ機械は、前記回転シャフトの第2の端部に結合されたコンプレッサホイールをさらに備え、
前記ロータは、前記タービンホイールと前記コンプレッサホイールとの間に位置し、
前記第3の軸方向部分に沿って前記回転シャフトと前記ロータとの間にプレスフィットが存在する、請求項2に記載のターボ機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、電気モータのロータをターボ機械のシャフトに嵌合させることに関する。
[0002]
【背景技術】
【0002】
[0003]電子制御式ターボチャージャ(ECT:electronically-controlled turbocharger)のシャフトと電気モータのロータとの間の嵌合の緊密度には、競合する要求がある。この嵌合は、予想される最も厳しい動作条件において両者の間の相対的な移動がないように、十分に緊密であるべきである。すなわち、シャフトとロータに加えられたトルクが、トルクの最大差を示して、それらを別個に回転させるように作用する動作条件、および不均等な熱膨張によって嵌合に影響を及ぼす可能性のある高温条件である。また、この嵌合は、高回転速度において遠心力が質量に作用して膨張を生じさせることによる離脱に耐えるとともに、不均等な熱膨張を生じさせる可能性のある極端な低温および高温の条件を含む全動作範囲にわたって連結を維持しなくてはならない。嵌合は、対合された部品に生じた応力が亀裂を発生させるほど緊密であるべきでない。さらに、嵌合は、できる限り組立てが容易であるべきである。場合によっては、ロータを加熱するか、またはシャフトを冷却して、プレスフィットの組立てを容易にするのが有用となり得る。そのような熱的な準備を回避する、または組立ての誤り率を低減することができれば、組立てコストは低下する。従来型ECTにおいて、ロータは、両者がその上で対合される長さの大部分に沿ったスリップフィットまたはプレスフィットによって、シャフトに嵌め込まれる。スリップフィットおよびプレスフィットの両方において、ロータの内径はシャフトの外径に実質的に等しい。前者ではそこにわずかなクリアランスがある。後者ではそこにわずかなオーバーラップがある。これは、シャフト直径がロータ内径を超えており、対合されたときに干渉(締め代)があることを意味する。このように係合部の表面積が大きくなることの問題の1つは、表面仕上げまたは同心度において何らかの欠陥があれば、両者は中間位置において行き詰まる、つまり組立てが完成しない可能性があることである。さらに、ターボ機械に対して適用される微小な公差範囲のために、円筒度および真円度が、さらに嵌合を難しいものにする。上述の要因のいずれかにおいて逸脱が生じる場合、シャフトおよびロータは非適合とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0004]従来技術において明らかにされた少なくとも1つの問題を克服するために、電子制御式ターボ機械であって、第1の端部に結合されたタービンホイールを有するシャフトと、タービンホイールを覆って配置されたタービンハウジング部分と、シャフトの第2の端部に固定されたコンプレッサホイールと、コンプレッサホイールを覆って配置されたコンプレッサハウジング部分と、シャフト上に配置された電気機械とを含む、ターボ機械が開示される。ロータは、タービン部分とコンプレッサ部分との間に位置する。電気機械は、ロータおよびステータを備える。ロータは、シャフトの一部分に固定される。シャフトの一部分は、第1、第2、および第3の軸方向部分を有する。ロータの内径は、第2の軸方向部分の直径よりも大きい。第2の軸方向部分は、第1の軸方向部分と第3の軸方向部分との間に位置する。
【0004】
[0005]実施形態によっては、ロータの内径は、第1および第3の軸方向部分に沿って、シャフトの外径に実質的に等しい。代替的に、ロータの内径は、第3の軸方向部分に沿ってシャフトの外径よりもわずかに小さく、その結果として、第3の軸方向部分に沿ってプレスフィットが形成され、第3の軸方向区間は、第1および第2の軸方向区間よりもタービンに近い。実施形態によっては、ロータの内径は、第1の軸方向部分に沿って、シャフトの外径に実質的に等しい。本開示において、スリップフィットは、ロータの内径がシャフトの外径に実質的に等しいが、両者の間に最小の公差が含まれる嵌合である。両部品は、手作業によるか、または適切な大きさの圧力をかけて係合される。プレスフィットにおいて、両直径は実質的に等しいが、ロータの内径がシャフトの外径よりもわずかに小さい。さらに、本開示において、プレスフィットという用語は、膨張嵌合および収縮嵌合と呼べるもの、例えばロータが加熱されてシャフト上に嵌合するものであって、かつ/またはシャフトが冷却されてロータへの挿入が可能になるものを指して使用してもよい。両部品が同一温度になると、干渉が発生する。
【0005】
[0006]一実施形態においては、シャフトの第1の軸方向部分に近接するロータの端部がシャフトに溶接されている。溶接部は、電子ビーム溶接、レーザ溶接、タングステン不活性ガス溶接のうちの1つによるものである。代替的に、シャフトとロータは、超音波溶接、または摩擦溶接されてもよい。
【0006】
[0007]溶接部は、第1および第3の軸方向部分の一方または両方において、シャフトとロータの間の界面に沿って位置してもよい。別の実施形態において、シャフトは、第3の軸方向部分とタービンホイールとの間に位置する第4の軸方向部分を有する。第4の軸方向部分は、実質的に半径方向に延びるロータの面と対合する、実質的に半径方向の外側に延びる面を含む。対合する面同士は、摩擦溶接されている。
【0007】
[0008]一実施形態において、シャフトは、ロータおよびコンプレッサの軸方向部分の間に、ねじ切りされた軸方向部分を有する。ナットがシャフト上のねじと係合して、ロータをストッパーに対して当接させる。
【0008】
[0009]別の代替形態において、シャフトは、第1の部分の長さの少なくとも一部分に対してねじ切りされている。
【0009】
[0010]ロータの内径は、ロータの長さに沿って実質的に均一であり、ターボ機械のシャフトは、第2の軸方向部分に沿ってカットバックされている。代替的に、ロータが、シャフトの第2の軸方向部分と対合する長さに沿ってカットバックされる。
【0010】
[0011]シャフトは、第3の軸方向部分とタービンホイールの間に位置するストッパー部分を含んでもよい。シャフトのストッパー部分は、第3の軸方向部分よりも大きな直径を有し、ストッパー部分は、シャフト上で軸方向についてロータの位置を定める。
【0011】
[0012]第1、第2、および第3の軸方向部分の長さおよび直径は、ターボ機械の速度範囲内で所望の振動特性をもたらすように選択される。
【0012】
[0013]ターボ機械は、電気機械を覆って配置されたモータハウジングをさらに含み、第1および第2のベアリングがシャフト上に配置されている。第1のベアリングは、コンプレッサ部分とロータとの間に位置している。第2のベアリングは、タービン部分とロータとの間に位置している。
【0013】
[0014]また、電気機械のロータと、その第1の端部に結合されたホイールを有するシャフトとを含む、電子制御式ターボ機械が開示される。ホイールは、タービンホイールまたはコンプレッサホイールである。シャフトは、ロータと対合するように適合された軸方向部分を有する。この軸方向部分は、第1の直径を有する第1の軸方向部分、第2の直径を有する第2の軸方向部分、および第3の直径を有する第3の軸方向部分を有する。第2の軸方向部分は、第1および第3の軸方向部分の間に位置し、第2の直径は、第1および第3の直径よりも小さい。
【0014】
[0015]一代替形態において、第1および第3の直径は、実質的に等しく、ロータの内径は、第1および第3の軸方向部分に沿って、ロータとシャフトの間のプレスフィットを形成するように、第1の直径よりもわずかに小さい。別の代替形態においては、第1の軸方向部分は第3の軸方向部分よりもタービンホイールから遠く、第3の直径は第1の直径よりも大きい。ロータの内径は第1の直径に実質的に等しくスリップフィットを形成し、第3の軸方向部分に沿ってロータとシャフトとの間にプレスフィットが形成される。
【0015】
[0016]実施形態によっては、第4の軸方向部分が、第3の軸方向部分とタービンホイールの間に配置される。第4の軸方向部分は、第3の直径よりも大きい第4の直径を有する。ロータは、第4の直径よりも小さい内径を有する。第4の軸方向部分は、ロータに対してストッパーとしての役割を果たす。
【0016】
[0017]一代替形態において、シャフトは、第1の軸方向部分に近接してねじ部分を有する。ナットが、シャフト上のねじと係合されて、ロータをストッパーに対して当接させる。代替的に、ロータの内表面は、シャフトに関連付けられたねじ部分と係合されるねじ部分を有する。実施形態によっては、シャフトに関連付けられた第3の直径は、ロータの非ねじ内表面部分の内径よりも大きい。
【0017】
[0018]実施形態によっては、第2の軸方向部分の長さは、第1の軸方向部分よりも長く、第2の軸方向部分は、第3の軸方向部分よりも長い。代替的に、第1、第2、および第3の軸方向部分は、概して同じ長さである。
【0018】
[0019]ロータは、電気機械、空圧機械、または油圧機械の一部である。
【0019】
[0020]ホイールがタービンホイールである一実施形態において、ターボ機械は、シャフトの第2の端部に結合されたコンプレッサホイールをさらに含み、ロータをタービンホイールとコンプレッサホイールとの間に設置してもよい。
【0020】
[0021]いくつかの実施形態の利点は、ロータとターボチャージャシャフトとの間のプレスフィットの長さが、それらが結合する全長よりも小さいことである。このことによって、組立てが容易になるとともに、ロータが、完全な係合の前に、組立て中にシャフト上で行き詰まる可能性が低下する。
【0021】
[0022]ターボチャージャ速度は、350,000rpmの範囲に達しうる。シャフトの曲がりは、回避されるべきである。界面の長さよりも短い長さで、ターボチャージャシャフトと電気ロータとの間のスリップフィットおよび/またはプレスフィットを有することによって、設置中および/または動作中の曲がりが少なくなることがわかっている。様々な嵌合タイプの軸方向部分の相対的長さを、システムのダイナミクスに基づいて調整することで、ターボ機械の速度範囲にわたって所望の振動特性を得ることができる。
【0022】
[0023]ロータと、その第1の端部に結合されたホイールを有するシャフトとを有する、電子制御式ターボ機械が開示される。シャフトは、ロータと対合する軸方向部分を有する。この軸方向部分は、第1の直径を有する第1の軸方向部分、第2の直径を有する第2の軸方向部分、および第3の直径を有する第3の軸方向部分を有する。第2の軸方向部分は、第1および第3の軸方向部分の間に位置する。第2の直径は、第1および第3の直径よりも小さい。ホイールは、タービンホイールまたはコンプレッサホイールである。実施形態によっては、第1の軸方向部分は第3の軸方向部分よりもホイールから遠く、第3の直径は第1の直径に実質的に等しい。一実施形態において、第1および第3の軸方向部分は、ロータとスリップフィットを形成する。別の実施形態においては、第1および第3の軸方向部分は、ロータとプレスフィットを形成する。さらに別の実施形態においては、ロータとシャフトの間で、第1の軸方向部分はスリップフィットを形成し、第3の軸方向部分がプレスフィットを形成する。
【0023】
[0024]実施形態によっては、ターボ機械は、第1の端部上のホイールがタービンホイールである、電子制御式ターボチャージャである。コンプレッサホイールは、シャフトの第2の端部に結合される。代替形態によれば、第3の軸方向部分に沿って、シャフトとロータとの間にプレスフィットが存在する。
【0024】
[0025]第1の軸方向ロータ部分、第2の軸方向ロータ部分、および第3の軸方向ロータ部分を備えるロータを有する、電子制御式ターボ機械も開示される。ターボ機械は、シャフトの第1の端部に結合されたホイール(コンプレッサホイールまたはタービンホイール)も有する。シャフトは、ロータと係合するように適合された軸方向部分を有する。軸方向部分は、第1の軸方向ロータ部分と係合する第1の軸方向シャフト部分、第2の軸方向ロータ部分内の第2の軸方向シャフト部分、および第3の軸方向ロータ部分と係合する第3の軸方向シャフト部分を有する。第2の軸方向シャフト部分は、第1および第3の軸方向シャフト部分の間に位置する。第2の軸方向ロータ部分の内径と、第2の軸方向シャフト部分の外径との差は、第3の軸方向ロータ部分の内径と、第3の軸方向シャフト部分の外径との差よりも大きい。ホイールは、コンプレッサホイールまたはタービンホイールである。
【0025】
[0026]いくつかの代替形態において、第1の軸方向シャフト部分の外径は、第2および第3の軸方向シャフト部分の外径に等しい。第1の軸方向ロータ部分の内径は、第1の軸方向シャフト部分の第1の外径に実質的に等しい。実施形態によっては、第2の軸方向シャフト部分の外径は第1の軸方向シャフト部分の外径よりも小さく、カットバックされたシャフトを提供する。
【0026】
[0027]第1の軸方向シャフト部分は、第3の軸方向シャフト部分よりもホイールから遠く、第3の軸方向シャフト部分と第3の軸方向ロータ部分がスリップフィットまたはプレスフィットを形成し、第1の軸方向シャフト部分と第1の軸方向ロータ部分がスリップフィットまたはプレスフィットを形成するように、第3の軸方向シャフト部分の外径は第1の軸方向シャフト部分の外径に実質的に等しい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】[0028]電子制御式ターボチャージャの断面図である。
図2】[0029]ロータおよびターボチャージャシャフト組立体の断面図である。
図3】[0030]組立てられた状態の、ロータおよびターボチャージャシャフトの一部分の実施形態の断面図である。
図4】[0031]ターボチャージャシャフトの一部分の誇張された図である。
図5】組立てられた状態の、ロータおよびターボチャージャシャフトの一部分の実施形態の断面図である。
図6】組立てられた状態の、ロータおよびターボチャージャシャフトの一部分の実施形態の断面図である。
図7】組立てられた状態の、ロータおよびターボチャージャシャフトの一部分の実施形態の断面図である。
図8】組立てられた状態の、ロータおよびターボチャージャシャフトの一部分の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0032]当業者は理解するように、図面のいずれか1つを参照して示され、また説明された実施形態の様々な特徴は、1または複数の他の図面に示された特徴と組み合わせて、明示的に図示または説明されていない代替的な実施形態を生成することができる。図示された特徴の組合せは、典型的な応用に対する代表的な実施形態を与える。しかしながら、本開示の教示に合致する特徴の様々な組合せおよび修正は、特定の応用または実現のために望ましい場合がある。当業者は、明示的に説明または図示されているか否かにかかわらず、類似の応用または実現形態を認識することができる。
【0029】
[0033]図1において、ECTが断面で示されている。ECTは、コンプレッサ部分10、電気機械部分12、およびタービン部分14を有する。シャフト16が、部分10、12、および14を通過している。タービンホイール18が、溶接によるか、または機械的締結具によるか、または2つの部材を結合するその他任意の方法で、シャフト16に取り付けられている。
【0030】
[0034]電気機械部分12は、ロータ20とステータ22とを備える電気機械を含み、ロータ20とステータ22とは、2つのハウジング部分、すなわちタービン側ハウジング部分24とコンプレッサ側ハウジング部分26内に封入されている。電気機械は、電気エネルギーがモータに印加されてシャフトをそうでない場合よりも速く回転させるモータとして動作することもできるし、電気的負荷をモータに印加してシャフトをそうでない場合よりも遅く回転させる発電機として動作することもできる。本明細書において、電気機械、モータ、および発電機という用語は、電気機械がロータに関連付けられた巻き線に電流が流されない場合にはモータ、発電機、またはいずれでもなく動作可能であるという理解により、実施形態に応じて同義で使用される。実施形態によって、電気機械は、モータとしてだけ、または発電機としてだけ動作するように適合されてもよい。ベアリング28および30は、それぞれハウジング部分26および24に配置されてシャフト16を支持する。軸方向にみると、ベアリング30はロータ20とタービン部分14との間に位置しており、ベアリング28はロータ20とコンプレッサ部分10との間に位置する。
【0031】
[0035]電気機械のロータ20は、ロータ20がシャフト16と共に回転するように、シャフト16に押し付けられている。それゆえ、この嵌合の緊密度と、両者が嵌合される長さとは、両者の相対的回転が生じないことを確実にするように選択される。
【0032】
[0036]コンプレッサホイール32は、タービンホイール18から遠位のシャフト16の端部に設けられている。コンプレッサホイール32は、図1の実施形態においては、ナット34を介してシャフト16上に保持されている。コンプレッサホイール32は、通常、ターボシャフト16とは異なる軽合金で製造され、溶接物は避けられる。コンプレッサホイール32は、通常、締結具またはねじ構造物を介してシャフトに締め付けられる。
【0033】
[0037]図2には、ロータおよびタービンシャフトの組立体が示されている。タービンブレード39を有するタービンホイール38が、溶接継手41においてシャフト40に溶接されている。代替的に、タービンホイール38は、ナットもしくはその他好適な締結具、またはその他の好適な接合技術を介して、シャフト40に結合する。ロータ42は、シャフト40上をスライドさせられる。ロータ42は、シャフト40に対して方向44に移動させられる。シャフト40は、ロータ42が取り付けられる部分の中心においてカットバックされている。ロータ42は、磁石60と、端部支持部分62および64とを含む。
【0034】
[0038]ターボチャージャシャフト50の一部分の詳細が、シャフト50上にロータ52が設置された状態で、図3に示されている。シャフト50は、その長さに沿って異なる直径を有する。シャフト50は、第1の長さに沿って直径D1を有し、第2の長さに沿って直径D2を有し、第3の長さに沿って直径D3を有し、第4の長さに沿って直径D4を有し、D4>D3≧D1>D2である。ロータ52は、内径Dを有する。D2はDよりも小さく、その結果として、ロータ52とシャフト50との間にはわずかな間隙がある。D4はDよりも十分に大きく、その結果として、D4はロータ52に対してストッパーとして作用する。つまり、D4が位置する部位が、シャフト50上でロータ52の位置を定める。一実施形態において、D1=D3=D、すなわち3者は実質的に等しい。ロータ52は、第1および第3の長さに沿ってスリップフィット、またはスライドフィットされる。代替的な実施形態においては、D1>DおよびD3>Dであり、直径D1およびD3を有するシャフト領域ではプレスフィットが形成される。そのようなプレスフィットは、非限定の一実施例においては、直径の差を0.025mmとすることができる。材料によるが、ロータ52は室温でシャフト50にプレスフィットされてもよい。このとき、材料が十分に変形して、プレスフィットが可能になる。用いる材料によっては、ロータ52の温度をシャフト50の温度と比較して高めることで組立が可能になる。両者が温度平衡に達すると、プレスフィットによる引張力および圧縮力のために、相対的なトルク力が存在しても両者は互いに結合される。さらに別の実施形態では、D1=DおよびD3>Dであり、スリップフィットまたはプレスフィットが第1の長さに、すなわち組立中にロータ52と結合するシャフト50の第1の部分に沿って形成される。その後、プレスフィットが第3の長さに、すなわちロータ52がシャフト50上をスライドする最後の部分に沿って形成される。
【0035】
[0039]上記では、ロータ52が第1および第3の長さに沿ったシャフトの適切な嵌合によってシャフト50上に保持される一実施形態が説明された。代替的な実施形態において、ロータ52はシャフト50に溶接される。図3に示されるように、溶接のための隅肉54がロータ52の左端部に設けられる。電子ビーム溶接、レーザ溶接、またはタングステン不活性ガス溶接のいずれかを使用してもよい。また、任意の適切な溶接技術を使用してもよい。
【0036】
[0040]図4では、ターボチャージャシャフトの誇張したものが示されている。第1、第2、第3および第4の軸方向部分70、72、74および76が、それぞれ直径D1’、D2’、D3’およびD4’を有する。そして、D4’>D3’≧D1’>D2’である。図4では、D3’>D1’である。しかしながら、代替的な実施形態においては、D3’は、実質的にD1’に等しい。74と76の間で、隅肉78が設けられて、応力集中を緩和する。図示されていないが、面取りまたは隅肉が、応力緩和のため、およびロータをシャフト上に組み付ける間に干渉するバリを避けるために、部分70、72および74の間に設けられる。
【0037】
[0041]図3における実施形態において、シャフト50は、ロータ52に超音波溶接または摩擦溶接されている。一代替形態において、両者は、第1および第3の長さの一方または両方において、すなわちシャフトおよびロータが互いにスリップフィットされる界面で円周方向に、溶接される。
【0038】
[0042]別の代替形態において、図4のシャフト60は、実質的に半径方向に外向きに延びるストッパー面80を有する。ストッパー面80は、ロータ52(図3に示す)の端面56と対合する。シャフトは、面80および56が摩擦溶接されるように、ロータに対して回転させられてもよい。代替的に、高周波超音波振動を面80および56に印加して、ロータをシャフトに超音波溶接してもよい。面80および56は、シャフトの中心軸に実質的に垂直となる状態で、図3および図4にそれぞれ示されている。しかしながら、これらの面は他の角度とすることもできる。
【0039】
[0043]図5において、ロータ82およびシャフト84の代替的実施形態が示されている。第1の部分90に沿って、ロータ82とシャフト84は、スリップフィットまたはプレスフィットで、互いに嵌合される。第2の部分92に沿って、シャフト84の外径と、ロータ82の内径の間に間隙がある。ロータ82およびシャフト84は、第3の部分94に沿ってねじ切りされている。シャフト84の第4の部分96は、ロータ82から出て延びている。部分96の直径は、第1、第2および第3の部分90、92および94のそれぞれに沿ったロータ82の直径よりも大きく、部分96の端部はロータ82に対するストッパーとして作用する。ロータ82とシャフト84の間のトルクが一方向だけである実施形態では、右ねじまたは左ねじの適切な選択によって、相対的トルクによってロータ82を部分96に関連付けられたストッパーまで押し込むことが可能である。トルクがいずれの方向でもあり得る状況では、ロックピン(図示せず)を適用して、ロータ82の肩部を部分96に関連付けられたストッパーに押し付けて状態を維持することができる。
【0040】
[0044]図6において、ロータ102およびシャフト104のさらに別の代替形態は、シャフト104の長さの少なくとも一部がねじ切りされた第1の部分を有する。ナット106は、シャフト104のねじ120と係合して、ロータ102を、第3の軸方向部分114と第4の軸方向部分116との間の界面に位置するストッパー122に対して押し付ける。第2の軸方向部分112は、ロータ102とシャフト104との間にあるカットバック部を含む。一実施形態において、ロータ102およびシャフト104は、第3の軸方向部分114に沿って、スリップフィットを有する。代替的実施形態において、ロータ102およびシャフト104は、第3の軸方向部分114に沿って、プレスフィットを有する。
【0041】
[0045]図6に示されるように、ナット106は、ロータ102とは別個である。代替的実施形態において、ナット106は、別個の要素である代わりにロータと一体化されている。
【0042】
[0046]図3から図6について説明された実施形態において、ロータとシャフトの間の所望の相対直径は、シャフトをカットバックすることによって与えられる。代替的に、ロータの内側を機械加工することによって、2つの部品が結合する長さに沿って所望の嵌合、または間隙を与えることもできる。
【0043】
[0047]図7において、ロータの直径がロータの中心部分で増大している実施形態が示されている。シャフト140は、第1の軸方向部分180、第2の軸方向部分182、および第3の軸方向部分184において、ロータ160と係合する。シャフト140は、ロータ160の内径D1Rと実質的に同じ外径D1Sを有する第1の軸方向部分180を有する。また、第1の軸方向部分180に沿って、シャフト140およびロータ160上に、ねじ144がある。第2の軸方向部分182に沿って、シャフト140は、外径D2Sを有し、これはロータ160の内径D2Rよりも小さい。第3の軸方向部分184に沿って、シャフトの外径D3Sはロータ160の内径D3Rに実質的に等しい。一実施形態において、シャフト140とロータ160とは、第3の軸方向部分184に沿って、互いにスリップフィットされている。別の実施形態においては、シャフト140とロータ160とは、第3の軸方向部分184に沿ってプレスフィットされている。ここでは、当業者には知られているように、スリップフィットとプレスフィットとの間の寸法の差は小さいので、スリップフィットおよびプレスフィットの両方で、ロータの内径とシャフトの外径が実質的に等しいものとして説明される。よって、上記の2つの直径は実質的に等しい。
【0044】
[0048]図7に示される実施形態では、D1S=D2S=D3Sである。シャフト140は、ストッパー142においてこの同じ直径から逸脱する。このストッパーは、シャフト140上で軸方向についてロータ160の位置を定めるのに使用される。また、ロータ140は、第1の軸方向部分180に沿って、内部ねじ144を有する。他の実施形態では、直径D1Rおよび直径D1Sが、第1の軸方向部分全体に沿って存在する。
【0045】
[0049]ロータ160は、シャフト140上に延びる部分を含むエンドキャップ164と、シャフト140のねじと係合するねじ144を含むエンドキャップ166と、磁石162と、磁石162を収納するスリーブ168とで構成される。磁石以外の構成要素は、互いに溶接してもよい。図8では、シャフト140上のねじと係合するねじ198を含むエンドキャップ194を有する、代替的なロータ190が示されている。ねじを備える、いくつかの実施形態において、図7および図8のストッパー142は使用されていない。
【0046】
[0050]所望の静的および動的な特性を得るための嵌合の種類は、少なくとも、ロータおよびシャフトの材料、動作中および非動作の熱間および冷間浸漬期間に予測される温度、最大動作速度、シャフトおよびロータの嵌合を介して伝達されるトルク、ロータの質量、ならびに嵌合継手の長さに依存する。
【0047】
[0051]ターボチャージャは、特定の種類のターボ機械である。これら2つの用語は、本開示においては、同義では使用されていない。ターボチャージャは、タービンおよびコンプレッサを含むが、これに対して、ターボ機械は、コンプレッサとタービンの少なくとも一方を含む。
【0048】
[0052]特定の実施形態について、最良の形態を詳細に記述したが、当業者は、以下の請求の範囲内で、様々な代替的な設計および実施形態を認識するであろう。様々な実施形態を、利点を提供するもの、または1または複数の所望の特性について他実施形態よりも好ましいものとして説明してきたが、当業者には知られているように、1または複数の特性は、特定の応用および実装に依存する、所望のシステム属性を達成するために妥協されうるものである。これらの属性としては、限定されないが、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、パッケージング、サイズ、サービス性、重量、製造性、組立ての容易さ、その他が含まれる。本明細書において記述された、1または複数の特性について他の実施形態または従来技術の実装よりも望ましくないものとして特徴づけられた実施形態も、本開示の範囲外ではなく、特定の用途に対しては望ましい場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8