特許第6333862号(P6333862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アスパイア・バリアトリックス・インコーポレーテッドの特許一覧

特許6333862胃から物質を排出するための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333862
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】胃から物質を排出するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20180521BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61B17/00
   A61M1/00 130
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-558977(P2015-558977)
(86)(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公表番号】特表2016-507332(P2016-507332A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2014017546
(87)【国際公開番号】WO2014130757
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】61/768,462
(32)【優先日】2013年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513105856
【氏名又は名称】アスパイア・バリアトリックス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・イー・ウォシク
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・オコナー
(72)【発明者】
【氏名】クサル・ダス
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−545383(JP,A)
【文献】 特表2003−512121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃から物質を排出し、前記胃に流体を注入するための装置(100)であって、
背面ハウジング(101)および前面ハウジング(102)を含んだハウジングユニット(115)であって、ハウジング管腔(120)を備えたハウジングユニット(115)と、
前記ハウジング管腔(120)内に受けられるような寸法および形状をしている一方向弁(103)と、を備え
取外し可能な配管コネクタ(201)は、第1のポート(205)、第2のポート(210)、および第3のポート(215)を有し、前記配管コネクタ(201)は、前記第1のポート、第2のポート、第3のポートのそれぞれを通って延びた分岐管腔(220)を備えており、
前記前面ハウジング(102)は、予め選択した配向においてのみ前記取外し可能な配管コネクタ(201)を受けるような寸法および形状とされたスロット(125)を備え、前記ハウジング管腔(120)は、前記取外し可能な配管コネクタ(201)の第3ポート(215)受けるような寸法および形状とされている、装置。
【請求項2】
前記第1のポート(205)を受けるような寸法および形状をしている第1のチューブ管腔(225)を有する第1のチューブ(204)をさらに備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のポート(210)を受けるような寸法および形状をしている第2のチューブ管腔(230)を有する第2のチューブ(203)をさらに備えた、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
流体リザーバ(500)をさらに備えた、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記コネクタ(201)が、T字形またはY字形を画定している、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記一方向弁(103)が、トランペット形弁、ボール弁、ダックビル形弁、または傘形弁である、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のチューブ管腔(225)を閉塞するためのクランプ(112)をさらに備えた、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングユニットは、ばね張力によってハウジングユニット(115)のハウジング管腔(120)と流体連通状態において流体リザーバ(500)を保持するための流体リザーバ係止デバイスをさらに備え、該流体リザーバ係止デバイスは、流体リザーバコネクタ(501)の溝またはリップと係合するためのリザーバリリース(107)を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
ばね張力流体リザーバ係止デバイスを備えた前記リザーバコネクタは、前記リザーバリリース(107)に付勢力を与えるように形成されたリザーバ解放ばね(108)をさらに備え、これにより、前記リザーバ解放ばね(108)が前記リザーバリリース(107)を前記リザーバコネクタ(501)の溝内へと押すように前記リザーバ(500)が配置されるまで、前記リザーバコネクタ(501)を前記ハウジングユニット(115)の管腔(120)内へと押すことにより、前記リザーバ(500)は前記リザーバリリース(107)に係止されることが可能であり、前記リザーバコネクタ(501)から前記リザーバリリース(107)を係合解除し、それと同時に前記リザーバを前記ハウジングユニット(115)から離れるように引っ張ることにより、前記リザーバ(500)は解放される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
中空体(502)を含んだ流体リザーバをさらに備えた、請求項またはに記載の装置。
【請求項11】
前記中空体(502)は、可撓性材料を含んでいる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングユニット(115)は、ばね張力コネクタ係止デバイスをさらに備え、該係止デバイスは、コネクタリリース(110)およびコネクタ解放ばね(109)を備え、前記コネクタ(201)が前記スロット(125)内に押された場合、前記コネクタ(201)が前記ハウジングユニット(115)と完全に係合されて、且つ前記コネクタ解放ばね(109)が前記コネクタ(201)を所定の位置に保持するまで、前記コネクタ(201)は前記コネクタ解放ばね(109)を屈折させる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を組み立てる方法であって、
前記コネクタ(201)を前記ハウジングユニット(115)から取り外すステップと、
前記第1のチューブ(204)前記コネクタ(201)の前記第1のポート(205)に接続するステップと、
前記第2のチューブ(203)前記コネクタ(201)の前記第2のポート(210)に接続するステップと、
前記ハウジング管腔(120)および分岐管腔(220)が、共に流体導管を形成し、前記ハウジングユニット(115)と前記コネクタ(210)との間のインターフェースが流体密シールを形成するように、コネクタアセンブリ(201)を前記ハウジングユニット(115)の前記前面ハウジング(102)に嵌合させるステップと、を含んでいる、方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置を洗浄する方法であって、
前記配管コネクタ(201)を、前記ハウジングユニット(115)に係合させるステップであって、前記分岐管腔(220)が、前記第1のポート(205)を通って延びた第1のアーム、前記第2のポート(210)を通って延びた第2のアーム、および前記第3のポート(215)を通って延びた第3のアームを有し、前記係合により、前記分岐管腔(220)および前記ハウジング管腔(120)が共に流体導管を形成し、前記ハウジングユニット(115)と前記コネクタ(201)との間のインターフェースが流体密シールを形成する、係合させるステップと、
前記第1のチューブ管腔の第1のチューブ(204)を閉塞させるステップであって、前記第1のチューブ(204)が、前記コネクタ(201)の前記第1のポート(205)に係合され、前記第1のチューブ管腔(225)および前記分岐管腔(220)が共に、第1の流体経路を形成する、閉塞させるステップと、
出口(501)および前記ハウジング管腔(120)が共に、リザーバ流体経路を形成するように、前記出口(501)および流体を収容した中空体(502)を有する流体リザーバ(500)を前記ハウジングユニット(115)に係合させるステップと、
第1の圧力を前記流体リザーバ(500)に加えて、流体を前記流体リザーバ(500)から前記導管を通して流すステップと、
前記閉塞を前記第1のチューブ(204)から取り除くステップと、
第2の圧力を前記流体リザーバ(500)に加えるステップであって、前記流体リザーバ(500)への前記第2の圧力が、前記流体リザーバ(500)から、前記出口、前記リザーバ流体経路、前記流体導管および前記第1のチューブ(204)を通して流体を流すステップと、を含んでいる、方法。
【請求項15】
前記第2のチューブ(203)を閉塞させるステップであって、前記第2のチューブ(203)は、前記コネクタ(201)の前記第2のポート(210)に係合され、前記第2のチューブ管腔(230)および前記分岐管腔(220)が共に、第2の流体経路を形成する、閉塞させるステップをさらに含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体リザーバ(500)内の流体を処分するステップをさらに含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
流体リザーバ(500)を係合させる前記ステップが、前記流体リザーバ(500)をばね張力で前記ハウジングユニット(115)に係止させるステップを含んでいる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年2月23日出願の米国仮特許出願第61/768,462号の特典を主張し、全ての目的で本明細書に全体を援用する。
【0002】
本発明は概して、胃から摂取した物質を取り除くことに関する。
【背景技術】
【0003】
肥満は、米国およびその他の国において重要な健康問題である。国民健康栄養調査(1988〜1994年)の報告では、アメリカ人の約20〜25%が肥満であり、別の研究では、太り過ぎのアメリカ人の割合は60%から65%の間であると推定している(非特許文献1)。肥満は、糖尿病、退行性関節疾患、高血圧、および心臓疾患を含む多くの健康問題を引き起こす可能性がある。体重減少は、運動によりカロリー消費量を多くすることによって、および/または食事制限によりカロリー摂取量を少なくすることによって達成することができる。しかし、多くの場合、体重増加がしばしば再び起こり、関連する併存疾患における改善がしばしば維持されない。
【0004】
外科的処置は、肥満患者にとってますます普通の解決法となっている。外科的処置としては、例えば、ステープル止め胃形成術(stapled gastroplasty)、緊縛胃形成術(banded gastroplasty)、胃緊縛法(gastric banding)、胃バイパス手術、および胆膵臓バイパス術が挙げられる。しかし、これらの外科的処置は侵襲性であり、危険を伴い、また行なうのに費用がかかり、多くの患者は、減少した体重の大部分を取り戻してしまう。
【0005】
摂取した食物の一部を排出するための胃瘻造設術の使用は、減量管理のためのこれらの処置の代替法である。造設の際、胃瘻チューブの一端部は、胃の内側にあり、他端部は身体の外側へと腹壁を通過する。腹部の皮膚の表面に対してある低輪郭弁が、典型的には胃瘻チューブの外端部に嵌合して、胃の内容物の不用意な排出を防ぎ、胃の内側でのチューブの不用意な引っ張りを防ぐ。
【0006】
典型的には、水などの流体は、胃の中に注入されて、胃瘻チューブを通して胃から一部消化された物質の流れを良くする。単純な排出チューブを胃瘻チューブの外端部に接続させて、食事の後に胃の内容物を部分的に排出させ、それによって、消化される食物の量を減らすことができるが、実際、この単純な解決法は満足なものではない。しばしば、所望より少ない部分の摂取した食物は、胃瘻チューブが一部消化された食物で閉塞する前に排出される可能性がある。実際、流体、典型的には水は、胃瘻チューブの排出端部を通して注入されて、あらゆる閉塞を取り除き、さらには、胃の内容物を希釈し、それによって、追加の部分的に消化された食物を排出させることがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Flegal K M、Carroll M D、Ogden C L、Johnson C L、「Prevalence and trends in obesity among US adults, 1999-2000」、JAMA2002年、288: 1723〜1727頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
様々なデバイスを使用して、排出チューブを切断することなく、より迅速におよび効率的にユーザが胃を排出すること、胃瘻チューブの閉塞を取り除くこと、または胃の内容物を希釈することの間で交互に切り替えるのを可能にしてきた。しかし、胃から物質を排出し、流体を胃に注入するための従来技術に記載されたデバイスにより、胃から排出された物質が装置を通して直接通過することが可能になる。これにより、装置から悪臭のする胃排出物を完全に除去するのが難しくなる。また、装置自体内の閉塞を視覚的に認識することが難しくなる。加えて、閉塞した胃瘻チューブをきれいにし、一部消化された食物を希釈する過程を、身体活動ほとんどなしで迅速に行なうことができることが望ましい。本発明は、これらの欠点のいくつかを克服することを対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、胃から物質を排出し、胃に流体を注入するための装置は、コネクタ、ハウジングユニット、および一方向弁を備えている。コネクタは、第1のポート、第2のポート、第3のポート、および第1、第2および第3のポートのそれぞれを通って延びる分岐管腔を有し得る。ハウジングユニットは、第3のポートを受けるような寸法および形状をしているハウジング管腔を有し得る。いくつかの実施形態では、ハウジングユニットはさらに、コネクタを受けるような寸法および形状をしているスロットを有し得る。一方向弁は、ハウジング管腔内に受けられるような寸法および形状を有し得る。
【0010】
別の実施形態では、胃から物質を排出し、胃に流体を注入するための装置は、配管セット、流体リザーバ、および流体リザーバを配管セットに接続するためのハウジングユニットを備えている。配管セットは、3つのポート、およびポートの全てを接続する分岐管腔を有するコネクタを備えている。流体リザーバは、絞られたときに、リザーバから流体を排出する変形可能容器からなる。ハウジングは、一方向弁を通して流体容器にコネクタの第3のポートを接続するハウジング管腔と、コネクタの第1の流体ポートからの流体流れを閉塞させる手段をと有する。
【0011】
また、胃から物質を排出し、胃に流体を注入するための装置を組み立てる方法が、開示されている。一実施形態では、コネクタは、ハウジングユニットから取り除かれ、コネクタは、第1のポート、第2のポート、および分岐管腔を画定し、ハウジングユニットはハウジング管腔を画定する。第1のチューブは、第1のポートに接続することができ、第2のチューブは、第2のポートに接続することができる。コネクタアセンブリはその後、ハウジング管腔および分岐管腔が共に流体導管を形成し、ハウジングユニットとコネクタの間のインターフェースが流体密シールを形成するように、ハウジングユニット内に嵌合させることができる。
【0012】
また、胃から物質を排出するための装置を洗浄する方法が開示されている。一実施形態では、コネクタはハウジングユニットに係合させることができる。コネクタはさらに、第1のポート、第2のポート、第3のポート、および分岐管腔を画定することができる。分岐管腔は、第1のポートを通って延びる第1のアーム、第2のポートを通って延びる第2のアーム、および第3のポートを通って延びる第3のアームを有し得る。ハウジングユニットは、ハウジング管腔を画定することができ、係合により、分岐管腔およびハウジング管腔に共に、流体導管を形成させ、ハウジングユニットとコネクタの間のインターフェースに流体密シールを形成させる。第1のチューブ管腔を画定する、第1のチューブを閉塞させることができる。第1のチューブは、コネクタの第1のポートに係合させることができ、第1のチューブ管腔および分岐管腔は共に、第1の流体経路を形成することができる。出口およびハウジング管腔は共に、リザーバ流体経路を形成するように、出口を有し、流体を入れた流体リザーバをハウジングユニットに係合させることができる。第1の圧力を流体リザーバに加えて、流体を流体リザーバから導管を通して流すことができる。閉塞は、第1のチューブから取り除くことができる。第2の圧力を流体リザーバに加えることができ、流体リザーバへの第2の圧力は、流体を流体リザーバから、出口、リザーバ流体経路、流体導管および第1のチューブを通して流す。
【0013】
前述の概要と、以下の詳細な説明は、添付の図面と合わせて読んだ場合に、より良く理解される。主題を例示する目的で、主題の例示的な実施形態が図面に示されているが、現在開示されている主題は、開示した特定の方法、デバイス、およびシステムに限られるものではない。加えて、図面は必ずしも等尺度で描かれてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】皮膚ポートに関して胃から物質を排出する装置の斜視図である。
図1B】皮膚ポートに接続された胃から物質を排出する装置の斜視図である。
図2A】胃から物質を排出する装置のコネクタ要素の斜視図である。
図2B】第1および第2のポートに取り付けられた第1および第2のチューブを有する、図2Aに示されたコネクタ要素の斜視図である。
図3】胃から物質を排出する装置の断面図である。
図4】一実施形態による胃から物質を排出する装置の要素の斜視図である。
図5A】ハウジングユニットに係合されたコネクタを示す、胃から物質を排出する装置の斜視図である。
図5B】ハウジングユニットに係合された流体リザーバを示す、胃から物質を排出する装置の斜視図である。
図5C】緩めた位置にある第1のチューブを閉塞させるためのクランプを示す、胃から物質を排出する装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、全て本開示の一部を形成する、添付の図面および実施例と合わせて、以下の説明を参照することによってよりすぐに理解することができる。本発明は、本明細書に記載および/または図示した特定の製品、方法、状態またはパラメータに限定するものではないこと、ならびに本明細書で使用する用語は特定の実施形態を例によって説明する目的のために過ぎず、請求項に係る発明のいずれに対しても限定することを意図するものではないことを理解されたい。同様に、そうでないと特に記されていない限り、改良のための動作または理由の可能性のある機構または態様に関するあらゆる記載は、単に例示的なものであることを意味しており、本明細書における発明は、改良のための動作または理由のあらゆるこのように提示された機構または態様の正確性または不正確性によって制約されるものではない。この内容全体を通して、記載は、胃から物質を取り除くための装置を製造および使用する特徴および方法の両方ならびに装置自体に言及しており、また逆も同様であることを認識されたい。
【0016】
本開示において、文脈が明らかにそうでないと示していない限り、単数形、「a」、「an」、および「the」は、複数への言及を含んでおり、特定の数値への言及は少なくともその特定の値を含んでいる。したがって、例えば、「物質」への言及は、当業者に知られているこのような物質およびその同等物などの少なくとも1つに対する言及である。
【0017】
値が、「約」という記述子の使用により概算として示されている場合、特定の値が別の実施形態を形成することを理解されたい。普通、「約」という用語の使用は、開示した主題によって得ようとする所望の性状によって変化する可能性があり、その機能に基づいて、使用される特定の文脈で解釈される概算を示す。当業者は、これを通常のことと解釈することができるだろう。いくつかの場合では、特定の値に使用される有効数字の数は、「約」という語の範囲を判断する1つの非限定的方法であってもよい。他の場合では、一連の値で使用される変化を使用して、各値に対して「約」という用語に利用可能な意図した範囲を判断することができる。存在する場合、全ての範囲は包括的であり組合せ可能である。すなわち、範囲に記された値に対する言及は、その範囲内の全ての値を含んでいる。
【0018】
別の実施形態の文脈で本明細書に明確にするために記載された、本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることを理解されたい。すなわち、明らかに不適合であるまたは特に除外されない限り、各個別の実施形態は、1つまたは複数の他の実施形態と組合せ可能であるとみなされ、このような組合せは、別の実施形態であると考えられる。逆に、単一の実施形態の文脈で簡潔にするために記載された、本発明の様々な機構はまた、別にまたはあらゆるサブ組合せで提供することができる。さらに、特許請求の範囲はあらゆる任意の要素を除外するように書かれている可能性があることに留意されたい。このように、このような記述は、請求する要素の引用と組み合わせて、「唯一の」、「だけ」などのような排他的用語の使用、または「否定的な」限定の使用に対する先行詞として働くことを意図している。最後に、実施形態は一連のステップの一部、またはより一般的な構造の一部として記載することができるが、前記ステップはそれぞれ、それ自体で独立した実施形態として考えることもできる。
【0019】
そうでないと規定されていない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたのと同様または同等のあらゆる方法および物質を、本発明の実施または検査で使用することもできるが、代表的な例示的方法および物質が本明細書に記載されている。
【0020】
図1A図1Bを参照すると、装置100は、胃瘻チューブ305が患者の胃の中に位置している場合に、摂取された物質(半分消化された食物、流体など)を胃瘻チューブ305および装置100を通して胃から排出することができるように、胃瘻チューブ305と並ぶように構成されている。図1Aおよび図1Bに示すように、装置100は、第1のチューブ204および第2のチューブ203を備えることができる。第2のチューブ203は、皮膚ポート310と結合するように設計することが可能な皮膚ポートコネクタ315に取り付けることができ、いくつかの実施形態では、皮膚ポートコネクタ315は、皮膚ポート310上に係止させることができる。皮膚ポートコネクタ315が皮膚ポート310に取り付けられ、係止されると、流体経路は、胃瘻チューブ305、およびチューブ203、204を含む装置100によって形成される。装置100は、流体経路を通して胃に流体を注入する、または第1のチューブ204または第2のチューブ203をすすぐための流体リザーバ500を備えることができる。流体リザーバ自体は、中空体502、およびリザーバコネクタ501を備えることができる(例えば図5Bを参照)。
【0021】
いくつかの状況では、水などの液体のことを一般的に参照した、本明細書で使用されるような「流体」という用語はまた、空気または他の気体または蒸気物質を含むことを理解されたい。ときどき、特に急いでいて、リザーバに水を充填する時間をかけたくない場合に、閉塞を取り除くためにリザーバから空気を絞ることがあることが想定される。このような実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0022】
次に、図2図5を参照すると、装置100は、コネクタ201、ハウジングユニット115(図3図5では「コンパニオン」または「コンパニオン体」として、本明細書では称する)、および一方向弁103(図3)を備えることができる。コネクタ201は、第1のポート205、第2のポート210、および第3のポート215などの複数のポートを有することができる(特に図2Bを参照)。コネクタ201は、分岐管腔220などの管腔を備えることができる(図3)。このような分岐管腔220は、第1のポート205、第2のポート210、および第3のポート215などの、複数のポートのそれぞれを通って延びることができる。コネクタ201は、例えば、第1のポート205および第2のポート210が実質的に共通軸に沿って並んでおり、第3のポート215が第1のポート205と第2のポート210と垂直に並び、これらの間に位置している場合、T字形を有することができ、したがって、T金具と呼ぶことができる。本明細書ではT字形コネクタと記載されているが、これはコネクタの一実施形態に過ぎない。ポートが共通の分岐管腔を共有している限り、コネクタ201の形状は、互いに並べられたまたは垂直なポートの軸を必ずしも有する必要はない。したがって、「Y字形」形状も利用することができる。ハウジングユニット115は、ハウジング管腔120を有することができる。ハウジング管腔120(図3)は、直線状、曲線状、角度が付いた形状、分岐した形状、またはあらゆる他の構成であってもよい。ハウジング管腔120は、リザーバ入口130およびコネクタ入口135を形成するように、ハウジングユニットを通って延びることができる(図3)。ハウジングユニット115はまた、コネクタ201を受けるような寸法および形状をしているスロット125を有することもできる。ハウジング管腔120は、コネクタ201の第3のポート215を受けるような寸法および形状をしていることがある。コネクタ201は、第3のポート215の一部または全てがハウジング管腔120内に嵌合するように(図3)、ハウジングユニット115(図3図5)内に係合することができる。いくつかの実施形態では、スロット125およびコネクタ201は、コネクタ201が、特定の予め選択された配向でスロット125(図5B)と嵌合するだけであるように設計されている。このような特徴は、第1のポートおよび第2のポートに接続された配管が、異なる寸法、壁面厚さ、または物質である場合に有利であり得る。例えば、第2のポートに接続されたチューブは、使用中により小さい屈曲がある第2のポートに接続されたチューブより捩れ耐性のある厚い壁面のシリコーンゴムチューブであってもよい。一方向弁103は全体的に傘形弁として本明細書に記載されているが、これは一実施形態に過ぎず、弁は、トランペット形弁、ボール形弁、ダックビル形弁、または傘形弁などの、一方向への流体の流れを許可し、反対方向の流体の流れを遮るあらゆるタイプの弁であればよい。一方向弁103(図4)は、ハウジング管腔内に嵌合するような寸法および形状をしていてもよい。いくつかの実施形態では、一方向弁は、リザーバ入口130からコネクタ入口135に向かう方向に流体を流すことを可能にし、流体がコネクタ入口135からリザーバ入口130への方向に流れることを防ぐように位置決めされている(図3)。一方向弁は、流体がリザーバ入口130からコネクタ入口135に向かう方向に流れることを可能にするように位置決めされており、それによって、障害物を取り除くまたは洗浄するために、流体リザーバ502から第2のチューブ203を通して患者の胃の中に、または流体リザーバ502から第1のチューブ504および第2のチューブ203の両方を通して流体を流すことが可能になることが好ましい。また、流体がコネクタ入口135からリザーバ入口に向かって流れることができないように一方向弁を位置決めすることにより、胃から排出される物質が、第2のチューブ203から流体リザーバ502まで通過するのを防ぐ。
【0023】
図2A/B、図3、および図5Aを参照すると、装置は、第1のポート205に接続するような寸法および形状をしている第1のチューブ管腔225を有する第1のチューブ204を備えることができる。第1のチューブ204は、第1のチューブ管腔225内に第1のポート205を受けることによって、第1のポート205に接続することができる(図2A/B参照)。別の方法では、第1のポート205は、第1のポート205から延びる分岐管腔220内に第1のチューブ管腔225を受けることができる。第1のチューブ204が第1のポート205に接続されると、第1のチューブ管腔225および分岐管腔220は、流体がこれを通過することができる導管を形成する。装置はまた、第2のポート210に接続するような寸法および形状をしている第2のチューブ管腔230を有する第2のチューブ203を備えることができる。第2のチューブ203は、第2のチューブ管腔230内に第2のポート210を受けることによって、第2のポート210に接続することができる。別の方法では、第2のポート210は、第2のポート210を通って延びる分岐管腔220内に第2のチューブ管腔230を受けることができる。第2のチューブ203が第2のポート210に接続されると、第2のチューブ管腔230および分岐管腔220は、流体がこれを通過できる導管を形成する。
【0024】
次に、図3図4、および図5A図5Cを参照すると、ハウジングユニット115は、背面ハウジング101および前面ハウジング102から構成され得る。ハウジングユニット115はまた、背面ハウジング101および前面ハウジング102と共に、管腔120を画定する、肘形金具105などの1つまたは複数の管状金具を備えることができる。ハウジングユニットはさらに、エラストマー材料で作ることができ、ハウジングユニットの個別の要素間に流体密シールを形成することができる、Oリング104および106などの、1つまたは複数のガスケットを備えることができる。別の方法では、ハウジングユニット115は、中に管腔を有する単一の要素で作ることができる。
【0025】
いくつかの実施形態は、ランヤード610またはネックストラップを上に締め付けることができる、背面ハウジング101内の固定具を含む。このようなランヤード/ネックストラップの組み込みは、デバイスの使用の容易性のために重要である。というのは、治療中に装置を支持し、したがって、デバイスを操作するために患者の両手を自由にするからである。好ましい実施形態では、デバイスは、ランヤードを洗浄の目的で取り除くことを容易にするように設計されている。
【0026】
さらに図4を参照すると、装置100はさらに、流体を保持する流体リザーバ500を備えることができる。流体リザーバ500は、中空体502、例えばバッグまたはボトルを有することができる。リザーバ体502は、可撓性材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、リザーバ体502は、2層の溶接可撓性フィルムで構成されている。リザーバ体502はその後、使用していない場合に、平らにし、折り畳むまたは丸めることができる。流体リザーバ500はまた、ハウジングユニット115を係合させるリザーバコネクタ501を有することができる。リザーバコネクタ501は、リザーバ体502に永久的に固定することができる、またはリザーバ体502から取り外すことができる。リザーバコネクタ501は、溝、ねじ切り、リップ、またはハウジングユニット115を係合させることが可能な他の構造を備えることができる。他の実施形態では、リザーバは、リザーバから空気を押し出すことが可能な付属のポンプを備えたボトルまたは他のリザーバ体を備えている。
【0027】
図4に示すように、ハウジングユニット115は、例えば、ばね張力によって、流体リザーバ500をハウジングユニット115に保持するためのリザーバ係止デバイスを備えることができる。一実施形態では、リザーバ係止デバイスは、リザーバリリース107を備えることができる。リザーバリリース107は、リザーバコネクタ501上の溝またはリップと係合することができる。リザーバ係止デバイスはまた、リザーバリリース107に偏倚力を加えることが可能なリザーバ解放ばね108を備えることができる。リザーバ解放ばね108がリザーバリリース107をリザーバコネクタ501上の溝の中に押し込むように、リザーバ500が位置決めされるまで、リザーバ500は、リザーバコネクタ501をハウジングユニット115の管腔120内に押し込むことによってリザーバリリース107に係止させることができる。同時にリザーバリリース107をリザーバコネクタ501から係合解除させ、リザーバをハウジングユニット115から引き出すことによって、リザーバ500を解放することができる。リザーバリリース107は、例えば、リザーバ解放ばね108からリザーバリリース107の反対側端部にリザーバリリース107の一部、またはハウジングユニット115の外側からアクセス可能な、リザーバリリース107またはリザーバ解放ばね108に接続されたボタンを有することによって、リザーバコネクタ501から係合解除させることができ、それによって、ボタンまたはリザーバリリース107の押込がリザーバ解放ばね108を圧縮し、リザーバリリース107をリザーバコネクタ501から係合解除させる。図5Bは、リザーバ500がハウジングユニット115と係合している実施形態を示す。実線矢印は、リザーバ解放ボタンが、ハウジングユニット115から離れて延び、リザーバコネクタ501が適切な係合深さに到達すると、リザーバリリース107が係止位置にスナップ留めされることを示している。
【0028】
ハウジングユニット115は、ばね張力などによって、コネクタ201をハウジングユニット115に保持することができる係止デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、係止デバイスは、コネクタリリース110およびコネクタ解放ばね109で作ることができる。コネクタ201がスロット125内に押し込まれると、コネクタ201がハウジングユニット115に完全に係合され、コネクタ解放ばね109がコネクタ201を定位置に保持するまで、コネクタ201はコネクタ解放ばね109を屈折させることができる。コネクタ201は、同時にコネクタ解放ばね109に接続されたボタン(ロッカなど)を押し込み、コネクタ201をハウジングユニット115から離れるように引っ張ることによって、ハウジングユニット115から取り除くことができる。図5Aは、ハウジングユニット115のスロット125内に位置しているが、ハウジングユニット115と完全に係合していないコネクタ201を示す。実線矢印は、コネクタリリース110が屈折するまでコネクタ201を押し、係止位置にスナップ留めするまでコネクタ201を押し続けることによって、コネクタ201をハウジングユニット115に完全に係合させ、定位置に係止させることができることを示している。
【0029】
図1図3、および図5A図5Bに示すように、装置100はまた、第1のチューブ管腔225を閉塞するためのクランプ112を備えることができる。図5Cは、クランプ112が開位置にあり、第1のチューブ管腔225を閉塞していない場合に、クランプ112を含む装置100の実施形態を示す。実線矢印は、係止位置になるまでクランプ112を回転させることができ、第1のチューブ管腔225が閉塞されることを示している。流体を流体リザーバから第2のチューブ203内および胃の中に案内するために、排出クランプ112を係止し、それによって、第1のチューブ204を通る流体経路を閉じることが望ましいことがある。また、流体を流体リザーバから第2のチューブ203内に案内して、胃から物質を排出するために使用された後に第2のチューブ203をすすぐために、排水クランプ112を係止し、それによって第1のチューブ204を通る流体経路を閉じることが望ましいことがある。
【0030】
例示的実施形態では、図4を参照すると、装置100は、取外し可能な三方向T字コネクタ(201)を介して接続された排出チューブ(204)およびコネクタチューブ(203)を有することができる。T字コネクタ(201)の第3のポート215は、Oリングシール202でコンパニオン体115内の孔120に接続することができる。T字コネクタ(201)がコンパニオン体115に取り付けられると、T字コネクタリリース(110)を使用して、コンパニオン体115に固定することができる。コンパニオン体115内の孔120の他端部には、傘形弁(103)があってもよい。傘形弁(103)は、流体を隣接するチャンバ内に流すことを可能にするために、傘形弁(103)の輪郭内、例えば、そのドームの下の必須の領域に置かれた追加の開口部を有することも可能な、小さな孔を通して表面に取り付けることができる一方向逆止弁である。傘形弁(103)の設計は、一方向の流体流れに対して密封し、極めて低いクラッキング圧力で他の方向に流体を通過させる薄い円形ドームまたは傘状形状である。傘形弁(103)の他方側の開口部は、肘形金具(105)を介してリザーバ(500)に接続することができる。リザーバ(500)は、容易に取外し可能なリザーバコネクタ(501)により、コンパニオン体115に接続することができる。肘形金具(105)に取り付けられたOリングは、接続された場合に、リザーバコネクタ(501)と肘形金具(105)の間に密封を作り出すことができる。リザーバ(500)が絞られると、傘形弁(103)のクラッキング圧力を超える圧力を作り出す可能性があり、コンパニオン体115の孔120を通りT字コネクタ(201)内およびその向こうへの水の流れにつながる。スロット125は、コンパニオン体115の輪郭内にあるように、排出チューブ(204)およびコネクタチューブ(203)のT字コネクタ(201)のいずれか側にチャネルを備えることができる。排出チューブ(204)を締め付け、閉塞させるためのL字形排出クランプ(112)がある。
【0031】
次に図1を参照すると、皮膚ポートコネクタ(315)を、コネクタチューブ(203)の遠位端、すなわち、患者の身体に最も近い第2のチューブ(203)の端部に配置することができる。コネクタチューブ(203)の遠位端は、皮膚ポート弁および皮膚ポートフランジ(310)を通して胃瘻チューブ(305)に接続することができる。
【0032】
本発明の様々な特徴の利点は、図2図4を参照して理解することができる。本発明の装置は、以前の設計より小さく軽くすることが可能である。本発明の一実施形態では、装置は、一方向逆止弁として、ダックビル形弁の代わりに、傘形弁(103)を使用することができる。この設計では、傘形弁(103)は、以下の領域においてダックビル形弁より良い特徴を提供することができる。(1)逆方向のいかなる流れも可能にせず、水の注入の流量が大きくなり、したがって、注入時間が短くなる。(2)注入により、リザーババッグ(502)に圧力を加える際に、患者によるより少ない労力しか必要ない。(3)より迅速な注入により、流体経路のより良い洗浄が可能になる。(4)より速い流体流れにより、閉塞の可能性が低くなる。(5)密封を損なうことなく、傘形弁のドーム状表面から一部消化された食物粒子を取り除くのがより容易である。本発明の設計は、洗浄および保守の目的で、患者によって容易に解体および再組立することができる単純化した流体経路を利用する。本発明の設計により、患者が、デバイス(115)の主な構造から関連する配管(203、204)を備えたT字金具サブアセンブリ(200)を取り除くことが可能になる。T字金具サブアセンブリ(200)は、T字金具のタケノコ継手(205、210)から排出チューブ(204)およびコネクタチューブ(203)を取り外すことによって、さらに解体することができる。コネクタはまた、ユーザがコネクタ内の分岐管腔を視覚的に検査することができるように、透明な、薄い色のついた、または半透明なプラスチックから成形することができる。したがって、本発明の設計では、半分消化された食物が、容易に気が付くことができないデバイスの内側に留まっていることがなく、処置後のデバイスの完全な洗浄が可能になり、嫌な悪臭を発生させる可能性を防ぐ。取外し可能コネクタ201を有する本発明の追加の利点は、T字コネクタ(201)をハウジング体115に固定して、コネクタチューブ(203)および排出チューブ(204)の配向の逆設置を防ぐことができる。代替実施形態では、T字金具配管サブアセンブリ全体を、予め組み立てた使い捨て品として供給することができる。配管セットを洗浄するのが不便である可能性がある外食などの状況に、特に有利である。また、これによりあまり高価
でなく、より低い耐久性物質を配管およびコネクタに使用することが可能になる。押し込み式リザーバ(500)取付システムは、使用するのがより容易であり、係止機構を係合するために、ハウジング115に対するリザーバコネクタ(501)の径方向アライメントが必要ない。単一のボタン解放機構を使用して、ハウジング115からリザーバ(500)を係合解除することができる。リザーバ(500)は、空の場合に、平らにして丸めることが可能な、2層の溶接可撓性フィルムで構成されており、使用間に保存するための最小限の空間しか必要ない。このようなリザーバ(500)は、より強く厚い物質で製造することができるので、耐久性がより高い。
【0033】
装置は、吸引治療の前に、または患者の胃から摂取した物質を排出し、胃に流体を注入する前に組み立てることができる。最初に、T字コネクタ(201)がハウジング115から取り除かれる。コネクタチューブ(203)は、T字コネクタ(201)の適切なタケノコ金具(210)に取り付けられる。排出チューブ(204)をT字コネクタ(201)の適切なタケノコ金具(205)に接続する。T字コネクタ(201)は、ハウジング115に挿入されて、確かにOリングが定位置にありねじれていなく、T字コネクタ(201)がT字コネクタリリース(110)によって固定されていることを確認する。排出クランプ(112)は、排出チューブ(204)を閉塞するように回転して閉じられる。リザーバ(500)を水で充填した後、定位置にスナップ留めされるまで押し上げることによって、ボトルコネクタまたはリザーバ係止デバイスに接続される。皮膚ポートコネクタ315は、患者の皮膚ポート弁310に接続され、クリック音が聞こえるまで、皮膚ポートコネクタ315上のレバーを押すことによって掛け金がかけられて、適切に接続されていることが確認される。患者はその後、吸引治療の準備ができている。
【0034】
本発明の装置を使用して、吸引治療を行なうことができ、胃から物質を排出し、胃に流体を注入するための装置を組み立てる方法はまた、本発明の範囲内であると考えられる。一実施形態では、コネクタはハウジングユニットから取り除かれ、コネクタは、第1のポート、第2のポート、および分岐管腔を画定し、ハウジングユニットはハウジング管腔を画定する。第1のチューブは、第1のポートに接続することができ、第2のチューブは、第2のポートに接続することができる。ハウジング管腔および分岐管腔が共に流体導管を形成し、ハウジングユニットとコネクタの間のインターフェースが流体密シールを形成するように、コネクタアセンブリはその後、ハウジングユニット内に嵌合させることができる。ハウジングの外で配管をコネクタに取り付ける方がいくらか容易ではあるが、コネクタがハウジング内に挿入されているか、または取り除かれているかどうかに関わらず、配管を取り付けることができる。それにも関わらず、これは必ずしも有利ではない。コネクタを備えた配管セットを単一のユニットとして取り扱うことができることは有利である。ユーザは典型的には、この配管セットを組み立て、ユニットとして使用または洗浄する準備ができたままにする。
【0035】
吸引治療に使用する場合、ハウジング115は、皮膚ポートコネクタ315および皮膚ポート弁310を介して胃瘻チューブ305に接続する。患者の胃から半分消化された食物を吸引するための通路が提供される。吸引を良くするために、患者の胃に水を注入する手段が提供される。処置の後に、ハウジング115、関連するコネクタ201および配管203、204を洗浄するより簡単な方法が提供される。
【0036】
以下は、吸引の例示的方法である。組み立てられた装置が皮膚ポートコネクタ315を通して患者に接続された後、配管チューブ(204)は、吸引した半分消化された食物および流体を患者から排出するための、トイレ、バケツ、または他の除去システム上に置くことができる。排出クランプ(112)を解放することによって排出チューブ(204)を緩めることにより、吸引が開始する。半分消化された食物は、胃瘻チューブ305から皮膚ポート弁および皮膚ポートコネクタ315を通してコネクタチューブ(203)内に重力およびサイフォンにより流すことができる。その後、T字コネクタ(201)内に流れることができる。第3のポート215の下流側の傘形逆止弁(103)は、流体がリザーバ(500)内に通過することができないようにする。吸引している半分消化された食物は、トイレ内への排出のために、排出チューブ(204)内に流れることができるだけである。
【0037】
胃の中に水を加えることにより、胃の内側の圧力が増加し、患者の胃の中の内容物を希釈し、吸引を良くすることができる。排出チューブ(204)が開いた状態で、装置100に接続された場合でさえも吸引が停止する場合に、これは行なうことができる。以下は、水を注入するための例示的処置である。例えば、排出クランプ(112)を使用して締め付けることによって、排出チューブ(204)を閉塞する。これにより、注入される水が排出チューブ(204)内に流れるのが遮られる。リザーバ(500)を絞ることにより、傘形弁を通して、コネクタの第3のポート内に、リザーバから流れるように水を押し込む圧力が作り出される。排出チューブが排出クランプによって閉塞されているので、水は、コネクタチューブ(203)、胃瘻チューブ(305)、および胃の中に第2のポートを通して押し込まれて、水圧の力によってあらゆる閉塞を取り除く。患者の胃の中の水のこのような追加の量により、患者の胃の内側の圧力が増加して、吸引を再開する。
【0038】
また、胃から物質を排出するための装置の洗浄方法が、開示されている。一実施形態では、コネクタをハウジングユニットに係合させることができる。コネクタは、第1のポート、第2のポート、第3のポート、および分岐管腔を画定することができる。分岐管腔は、第1のポートを通って延びる第1のアーム、第2のポートを通って延びる第2のアーム、および第3のポートを通って延びる第3のアームを有することができる。ハウジングユニットは、ハウジング管腔を画定することができ、係合することにより、分岐管腔およびハウジング管腔に共に、流体導管を形成させ、ハウジングユニットとコネクタの間のインターフェースに流体密シールを形成させる。第1のチューブを閉塞することができ、第1のチューブは第1のチューブ管腔を画定する。第1のチューブは、コネクタの第1のポートに係合させることができ、第1のチューブ管腔および分岐管腔は共に、第1の流体経路を形成することができる。出口を有し、流体を入れた流体リザーバは、出口およびハウジング管腔が共にリザーバ流体経路を形成するように、ハウジングユニットに係合させることができる。第1の圧力を流体リザーバに加えることができ、流体リザーバから導管を通して流体を流すことができる。閉塞は、第1のチューブから取り除くことができる。第2の圧力は、流体リザーバに加えることができ、流体リザーバへの第2の圧力は、流体を流体リザーバから、出口、リザーバ流体経路、流体導管および第1のチューブを通して流す。
【0039】
以下は、処置が終了した後に、装置100を洗浄する方法である。皮膚ポート弁310から皮膚ポートコネクタ315を解放することによって、患者から装置100を取り外す。排出クランプ112を閉じることなどによって、排出チューブ204を閉塞させる。リザーバ500を絞ることにより、傘形弁103を通して水をT字コネクタ201内に押し込む。排出チューブ204が締め付けられるので、水はT字コネクタ201を通して流れて、皮膚ポートコネクタ315、コネクタチューブ203、およびT字コネクタ201の一部を洗浄する。次に、コネクタポート210を遮断することによって、または閉じたコネクタチューブ203をつまむことによって、コネクタチューブ203を閉塞させる。排出クランプ112を解放することによって、排出チューブ204を緩める。リザーバ500を絞って、傘形弁103を通して水をT字コネクタ201内に押し込む。水は閉塞されたコネクタチューブ203を通して流れることができないので、排出チューブ204を通して流れて、トイレに排出される。これにより、排出チューブ204およびT字コネクタ210の一部からあらゆる食物粒子が取り除かれる。
【0040】
本発明はその好ましい特定の実施形態と合わせて記載されているが、前述の説明および以下の例は、本発明の範囲を例示したものであり、限定することを意図したものではないことを理解されたい。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、同等物を置き換えることができ、さらに、他の態様、利点および修正は本発明の技術分野の当業者には明らかであることが当業者には理解されるであろう。本明細書に記載された実施形態に加えて、本発明は、本明細書で引用された本発明の特徴、および本発明の特徴を補完する引用された従来技術文献の特性の組合せから得られる発明が考えられ、これについても権利を主張するものである。同様に、あらゆる他の物質、特徴、または物体と組み合わせて、あらゆる記載した物質、特徴、または物体を使用することができ、このような組合せは本発明の範囲内であると考えられることが分かるだろう。
【符号の説明】
【0041】
100 装置
101 背面ハウジング
102 前面ハウジング
103 一方向弁
104 Oリング
105 肘形金具
106 Oリング
107 リザーバリリース
108 リザーバ解放ばね
109 コネクタ解放ばね
110 コネクタリリース
112 クランプ
115 ハウジングユニット
120 ハウジング管腔
125 スロット
130 リザーバ入口
135 コネクタ入口
201 コネクタ
202 Oリングシール
203 第2のチューブ
204 第1のチューブ
205 第1のポート
210 第2のポート
215 第3のポート
220 分岐管腔
225 第1のチューブ管腔
305 胃瘻チューブ
310 皮膚ポート
315 皮膚ポートコネクタ
500 流体リザーバ
501 リザーバコネクタ
502 中空体
610 ランヤード
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C