(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している(当該遊技機10の前に設置してある椅子に座っている)遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に座っている遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0036】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図6を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0037】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0038】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータとしてのステッピングモータ65と、この各ステッピングモータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記ステッピングモータ65及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有する変動表示手段としてのリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このステッピングモータ65は、後述するメイン制御手段200から出力されるステッピングモータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
【0039】
本実施の形態に係るステッピングモータ65は、総ステップ数として252ステップのものが用いられている。もちろん、総ステップ数は、この252ステップに限定されるものではなく、本実施の形態のように、図柄配列と、各図柄のステップ数との関係が所定の対応関係になるようなものであれば、他の総ステップ数のものでもよいものである。
【0040】
また、本実施の形態では、1個のリール62の周囲に付された図柄61の数は21個(
図3参照)であるため、総ステップ数の252ステップは、リール62の周囲に付された図柄数21個で割り切れる。このため、21個の図柄61は、全て12ステップが割り当てられている。
なお、リール62の周囲には、表面に図柄を印刷した樹脂性のリールテープが貼付されているものである。このリールテープをリール62の周囲に貼付する際、リールテープ上の図柄61の位置と、ステッピングモータ65のステップとが所定の対応関係となるように設定されている。
【0041】
前記図柄表示窓部16の左下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の上側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0042】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0043】
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみを後述するホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。なお、この投入センサ92は、3つのセレクターセンサ(図示せず)が通路に設けられている。投入されたメダルは、3つのセレクターセンサの順序及び所定の範囲の時間の間隔(タイミング)で検知するように配置されている。
【0044】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、後述するホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に流下させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿26へ流下させる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿26へ払い出すかの切り換えをすることができる。
【0045】
前記操作部30の中央には、停止操作により対応するリール62の回転を停止させるため(変動表示を操作により停止させるため)、3個のリール62のそれぞれに対応する3個の停止操作手段51としてのストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0046】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0047】
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には遊技状態に応じて3枚、2枚又は1枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚、2枚又は1枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0048】
シングルベットスイッチ35の左側には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0049】
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
操作部30と図柄表示窓部16との間には、後述するRT1状態の際に点灯表示するRT1演出ステージ表示部81と、RT2状態の際に点灯表示するRT2演出ステージ表示部82と、RT3状態の際に点灯表示するRT3演出ステージ表示部83とが設けてある。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89等が配置されている(
図6参照)。
【0050】
扉開閉用スイッチ19は、筐体12側に設置されているものであって、前扉14が閉じているか否かを検知するための扉センサである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前扉14の開閉を検知するようにしてもよい。
【0051】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45とともに設定変更を行うためのものである。なお、この設定変更スイッチ46は、前扉14の背面に設けられているが(特に図示せず)、リセットスイッチとしても兼用される。
【0052】
設定表示器89は、7セグメントの小型のLEDにより、当選確率の後述する設定値(具体的には、1〜6の6段階)を設定する際に、当該設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体12の内部、詳しくは、前扉14の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は解除される。
【0053】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図6参照)。
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0054】
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述するメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0055】
なお、特に図示していないが、払出センサ94は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されてある。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ95が駆動中(オン状態)、且つ、払出センサA、Bが共にオン状態であるときには、正常な状態でメダルが通過したと判定される。
【0056】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0057】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35の操作又はメダル投入により所定枚数(具体的には、遊技状態に応じて3枚、2枚又は1枚)のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
【0058】
当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0059】
この有効ライン86は、具体的には3個のリール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数のリール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3、2又は1)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。
【0060】
図2に示すように、本実施の形態の有効ライン86は、遊技を行うための条件として投入する必要があるメダルの投入枚数1枚〜3枚によってそれぞれ設定されている。3枚投入の遊技では3ライン、2枚投入の遊技では6ライン、1枚投入の遊技では1ラインが有効ライン86として規定されている。
【0061】
具体的には、
図2に示すように、メダル3枚投入の遊技では、(A)左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだもの、(B)左リール64の上段と中リール66の中段と右リール68の下段とを結んだもの、(C)左リール64の下段と中リール66の中段と右リール68の上段とを結んだものの3本が設定されている。
【0062】
また、メダル2枚投入の遊技では、(D)左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだもの、(E)左リール64の上段と中リール66の中段と右リール68の下段とを結んだもの、(F)左リール64の下段と中リール66の中段と右リール68の上段とを結んだもの、(G)左リール64の上段と中リール66の中段と右リール68の上段とを結んだもの、(H)左リール64の下段と中リール66の中段と右リール68の下段とを結んだもの、(I)左リール64の上段と中リール66の中段と右リール68の中段とを結んだものの6本が設定されている。
【0063】
また、メダル1枚投入の遊技では、(J)左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだものの1本が設定されている。
【0064】
図3に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「青7、赤7、黒バー、白バー、リプレイ1、リプレイ2、ベル、チェリー1、チェリー2、スイカ」の複数の種々の図柄61が形成されている。
【0065】
図4及び
図5に示すように、これらの図柄の所定の組み合わせが複数種類の役に対応して設けられている。
具体的には、No0の第1種のBB1では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「青7、青7、青7」に設定されている。
また、No1の第1種のBB2では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「赤7、赤7、赤7」に設定されている。
【0066】
また、No2の第2種のCB1では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「青7、青7、黒バー」に設定されている。
また、No3の第2種のCB2では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「赤7、赤7、黒バー」に設定されている。
ここで、各リール62において、上述した4つのボーナス役に係る図柄組み合わせを構成する図柄「青7、赤7、黒バー」のうち異なる種類の図柄61同士が、
図3の各リール62の図柄配列上で見ると、全リール62において、停止制御において停止表示可能な範囲である5図柄の範囲に同時に含まれないように配置されている。すなわち、各リール62において、ボーナス役に係る図柄組み合わせとなる図柄61同士が5図柄以上離れているように配置されている。別の言い方をすると、各リール62においてボーナス役に係る図柄組み合わせとなる図柄61同士の間に4個以上の別の図柄61が配置されていることになる。
【0067】
また、No4の再遊技のNRPA1では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「リプレイ1、リプレイ1、リプレイ1」に設定されている。
また、No5の再遊技のNRPA2では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「リプレイ1、リプレイ1、リプレイ2」に設定されている。
【0068】
また、No6の再遊技のNRPA3では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「リプレイ2、リプレイ1、リプレイ1」に設定されている。
また、No7の再遊技のNRPA4では、図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順に、「リプレイ2、リプレイ1、リプレイ2」に設定されている。
【0069】
このNo4〜7のNRPA1〜4は、いわゆる通常リプレイ図柄が表示されるものであって、図柄61の構成として、リプレイ1と、リプレイ2との図柄61の組み合わせからなるものであり、有効ライン86上に揃うと一目でリプレイ役が揃ったことを理解できるものとなっている。また、この通常リプレイ図柄は、後述するRT0状態中に有効ライン86上に停止表示させると、RT1状態へ移行させるRT1移行図柄となっている。
【0070】
また、同様に、No8〜10に再遊技のWRPA1〜3の図柄組み合わせが設定され、No11〜13に再遊技のWRPB1〜3の図柄組み合わせが設定され、No14〜21に再遊技のCRPA1〜8の図柄組み合わせが設定され、No22〜25にCRPB1〜4の図柄組み合わせが設定されている。
【0071】
上述したNo4〜25は、いわゆるリプレイ役(再遊技役)と呼ばれるものであり、リプレイ役の図柄組み合わせが有効ライン86上に停止すると、次の遊技ではメダルを投入することなく、遊技を開始することができるものである。
また、このリプレイ役のうち、No8〜25は、いわゆる特殊リプレイ図柄が表示されるものであり、本実施の形態に係る特殊リプレイ図柄は、中リール66にスイカ図柄を停止させて、左リール64、右リール68に種々の図柄61を配置している図柄構成となっている。
【0072】
また、同様に、No26〜28にベル役としてのBEA1〜3の図柄組み合わせが設定され、No29〜34にベル役としてのBEB1〜6の図柄組み合わせが設定され、No35〜44にベル役としてのBEC1〜10の図柄組み合わせが設定されている。なお、さらに、No45以降にも同様に種々の役及び図柄組み合わせが規定されているが、説明を省略する。
また、このNo26とNo28との図柄は、後述するRT0状態中に有効ライン86上に停止表示させると、RT2状態へ移行させるRT2移行図柄となっている。
また、このNo29〜No44の図柄は、後述するRT0状態中に有効ライン86上に停止表示させると、RT3状態へ移行させるRT3移行図柄となっている。
なお、No4〜7の再遊技役であるNRPA1〜4は、RT1状態へ移行させるRT1移行図柄としての図柄組み合わせが表示されるものであることから、RT1移行役とも言う。同様に、No26およびNo28のベル役であるBEA1およびBEA3は、RT2状態へ移行させるRT2移行図柄としての図柄組み合わせが表示されるものであることから、RT2移行役とも言いい、No29〜No44のベル役であるBEB1〜BEB6及びBEC1〜BEC10は、RT3状態へ移行させるRT3移行図柄としての図柄組み合わせが表示されるものであることから、RT3移行役とも言う。また、前記RT1移行役と前記RT2移行役と前記RT3移行役とをまとめて、RT移行役とも言う。
【0073】
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図3の図柄61の図柄番号(コマ番号)の0〜20は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0074】
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置が形成されている。この演出装置は、後述するサブ制御手段400に基づいて演出を行う演出実行手段であって、スピーカー72と、演出用ランプ78と、RT1演出ステージ表示部81と、RT2演出ステージ表示部82と、RT3演出ステージ表示部83と、メイン液晶表示装置84と、サブ表示装置540とを備えている。
【0075】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、この上部スピーカー74よりも下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0076】
前記メイン液晶表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するとともに全体が傾動可能な液晶表示器510と、この液晶表示器510を正面から向かって左回転方向又は右回転方向に20度程度回転させて傾動させるための可動役物駆動手段521としての回転駆動モータ520と、この回転駆動モータ520により液晶表示器510を回転させて傾動させる回転量を検出するため位置検出センサ530とを備えている。
さらに、メイン液晶表示装置84は、後述する原点案内機構600に用いられる係合体検知センサ535と、係合体駆動装置536とを有しているが、これらの詳細は後で説明する。
メイン液晶表示装置84は、所定の作動範囲内で作動可能な可動役物511としての役割を有している。
回転駆動モータ520は、前記可動役物511としての液晶表示器510を作動させるための可動役物駆動手段521としての役割を有し、位置検出センサ530は、液晶表示器510の作動範囲内の作動位置を検知するものである。
【0077】
本実施の形態では、例えば後述する前兆演出から結果報知演出(ボーナス状態へ移行するか否かの結果を報知する演出)までの間の少なくとも一部において、可動役物駆動手段521としての回転駆動モータ520により液晶表示器510を傾動させることを介して、液晶表示器510の表示画面に表示される特定表示画像(具体的には、キャラクタX)は、他の特定表示画像(具体的には、キャラクタY)へ変換され、特定表示画像(キャラクタX)が、他の特定表示画像(キャラクタY)へ変換されることで、遊技結果に関連する内容を報知するように形成されている。
【0078】
メイン液晶表示装置84の液晶表示器510の周囲に位置し、具体的には液晶表示器510の左側に位置して画像を表示させるサブ表示装置540が形成されている。
このサブ表示装置540は、液晶表示器510が傾動して、特定表示画像(キャラクタX)が、他の特定表示画像(キャラクタY)へ変換されている期間中であることを示唆する演出を、特定表示画像(キャラクタX)が表示されてから特定表示画像(キャラクタX)が他の特定表示画像(キャラクタY)へ変換されるまでの途中に実施するものである。サブ表示装置540は、後述するボーナス状態(例えばRBB1又はRBB2)へ移行するか否かの結果を報知する結果報知演出(ボーナス確定の表示)を実施するものである。
なお、このサブ表示装置540は、赤色光と、緑色光とを発光可能な変換演出用LED550を有している(
図6参照)。
【0079】
サブ表示装置540は、遊技に関する演出を行う演出装置であって、後方からの光源としての変換演出用LED550から照射された光により画像を表示させるものである。
【0080】
図6に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態(遊技の進行)を制御するメイン制御手段200(メイン制御装置ともいう)と、このメイン制御手段200から送信される情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段400(サブ制御装置ともいう)とを備えている。
【0081】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段400との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段400への一方向の通信により行われ、サブ制御手段400からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、投入センサ92、ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源スイッチ44、設定キースイッチ45、リール位置センサ63、払出センサ94、オーバーフローセンサ96の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24、外部集中端子板18、設定表示器89、クレジット表示器87及び払出枚数表示器88の作動を制御する。
【0082】
サブ制御手段400は、位置検出センサ530、演出用ボタンスイッチ42、メイン制御手段200、係合体検知センサ535から信号を入力する。
サブ制御手段400の出力側には、液晶表示器510、回転駆動モータ520、サブ表示装置540、演出用ランプ78、RT1演出ステージ表示部81、RT2演出ステージ表示部82、RT3演出ステージ表示部83、スピーカー72、係合体駆動装置536の作動を制御するために、これらの各パーツが接続されている。
【0083】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン制御基板と、サブ制御手段400を有するサブ制御基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200のメイン制御基板は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段400のサブ制御基板は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0084】
メイン制御手段200及びサブ制御手段400は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込等の割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0085】
本実施の形態に係る遊技機10では、遊技状態としてボーナス役に当選していない状態であるボーナス非当選状態と、ボーナス役に当選しているが、ボーナス役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させておらずボーナス状態へ未だ移行していない状態であるボーナス内部当選状態と、このボーナス役に当選しているときに、ボーナス役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させることができて移行するボーナス状態との3つの状態が設けられている(
図9参照)。これらの遊技状態は、メイン制御手段200で遊技状態の一区分として管理されている。
【0086】
ボーナス非当選状態では、遊技状態の一区分として管理される遊技であって、通常に行われる第1遊技状態としてのRT0状態が設けられている。具体的には、このRT0状態へは、設定変更時、RT1〜3の終了時、ボーナス終了後に移行するように設定されている。このRT0状態から複数種類の遊技状態へ移行可能に形成されている。この複数種類の遊技状態として、RT1状態、RT2状態、RT3状態の3つの状態が設けられている。
なお、RT0〜3状態の各状態は、遊技における役抽選の抽選確率等の制御の内容が他の状態とは異なるように設定されている。
【0087】
また、ボーナス内部当選状態においても、ボーナス非当選状態と同様に、RT0状態であるRT0_BNSF状態と、RT1状態であるRT1_BNSF状態と、RT2状態であるRT2_BNSF状態と、RT3状態であるRT3_BNSF状態とが設けられている(
図9参照)。なお、ここで、「BNSF状態」とは、RBB1、RBB2、CBB1又はCBB2の内部当選状態の総称を意味する(
図9参照)。
【0088】
また、ボーナス状態のCBBにおいても、ボーナス非当選状態及びボーナス内部当選状態と同様に、RT0状態であるCBB_RT0状態と、RT1状態であるCBB_RT1状態と、RT2状態であるCBB_RT2状態と、RT3状態であるCBB_RT3状態とが設けられている(
図9参照)。
【0089】
RT1状態は、RT0状態中にNRPA1〜4の通常リプレイ図柄としてのRT1移行図柄のいずれかを有効ライン86上に停止表示させたときに移行する。RT1状態は、50回の遊技回数経過を条件として終了し、当該RT1状態の遊技における役抽選でボーナス役に当選しない限り、RT0状態へ戻るように形成されている。
【0090】
RT2状態は、RT0状態中にBEA1又はBEA3のRT2移行図柄のいずれかを有効ライン86上に停止表示させたときに移行する。RT2状態は、50回の遊技回数経過を条件として終了し、当該RT2状態の遊技における役抽選でボーナス役に当選しない限り、RT0状態へ戻るように形成されている。
【0091】
RT3状態は、RT0状態中に、
図5のNo29〜44のRT3移行図柄のいずれかを有効ライン86上に停止表示させたときに移行する。ここで、RT3移行図柄は、BEB1〜6、BEC1〜10から構成されている(
図5参照)。RT3状態は、30回の遊技回数経過を条件として終了し、当該RT3状態の遊技における役抽選でボーナス役に当選しない限り、RT0状態へ戻るように形成されている。
【0092】
このRT0、RT1、RT2及びRT3の状態では、特に図示していないが、リプレイ役の当選確率を合計した合算確率は、全て同一であるが、リプレイ役のうち、実際に停止表示する図柄、いわゆる停止出目が各状態において異なっている。
【0093】
ボーナス内部当選状態においても、ボーナス非当選状態と同様に、RT0〜3の状態を有しており(RT0状態であるRT0_BNSF状態と、RT1状態であるRT1_BNSF状態と、RT2状態であるRT2_BNSF状態と、RT3状態であるRT3_BNSF状態(
図9参照))、ボーナス非当選状態におけるRT0〜3の各状態を、そのまま引き継ぐことができるようになっている。ここで、「そのまま引き継ぐ」とは、ボーナス非当選状態において、例えばRT2状態であるときに、ボーナス役に当選して、ボーナス内部当選状態へ移行しても、RT2状態が、終了条件となる遊技回数も含めて、そのまま継続されることを意味する。
【0094】
ボーナス状態には、いわゆる「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」としてのRBB1及びRBB2と、いわゆる「第2種特別役物に係る役物連続作動装置」としてのCBB1及びCBB2とが設けられている。
【0095】
本実施の形態では、RBB1及びRBB2では、規定枚数が1枚のみのいわゆる1枚掛けのみであり、324枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、CBB1及びCBB2では、規定枚数が2枚のみのいわゆる2枚掛けのみであり、119枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
【0096】
なお、役抽選の結果、BB1に当選状態となり、BB1に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合にRBB1へ移行する。また、役抽選の結果、BB2に当選状態となり、BB2に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合にRBB2へ移行する。また、役抽選の結果、CB1に当選状態となり、CB1に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合にCBB1へ移行する。また、役抽選の結果、CB2に当選状態となり、CB2に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止表示させた場合にCBB2へ移行する。
【0097】
ボーナス内部当選状態からRBB1、RBB2に移行すると、RT0〜3の状態は、引き継がれず、リプレイ役の当選確率が0になって消失するが、ボーナス内部当選状態からCBB1及びCBB2に移行すると、RT0〜3の状態は、そのまま引き継がれるように形成されている。具体的には、RT0状態であるCBB_RT0状態と、RT1状態であるCBB_RT1状態と、RT2状態であるCBB_RT2状態と、RT3状態であるCBB_RT3状態とが設けられている(
図9参照)。
【0098】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示せず)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ機器)や遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータに接続されている。
【0099】
なお、外部集中端子板18は、次の情報に関する信号を出力しているものである。
(1)再遊技役(リプレイ役)の当選に関する情報
(2)メダル投入に関する情報
(3)メダル払出に関する情報
(4)ボーナス遊技に関する情報
(5)エラーに関する情報
(6)設定値の変更の有無に関する情報
(7)前扉14の開閉状態に関する情報
【0100】
図7に示すように、メイン制御手段200は、役抽選手段210、停止制御手段220、停止図柄判定手段230、遊技媒体払出制御手段240、遊技制御手段250、設定値選択手段320、送信手段380の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、上述した手段は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段400が有してもよいし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段400との両方に分けて有するようにしてもよい。
【0101】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0102】
規定の賭け数(3枚、2枚又は1枚)が設定されると、所定の有効ライン86(
図2参照)が設定される。本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3枚、2枚又は1枚が設定されており、3枚投入で3ライン、2枚投入で6ライン、1枚投入で1ラインの有効ライン86が設定される(
図2参照)。
【0103】
賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全てのリール62の回転が開始する。
【0104】
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。
この役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、設定値(1〜6)及び遊技状態(RT状態、ボーナス非当選状態、ボーナス内部当選状態、ボーナス状態等)にそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶している。
【0105】
役抽選手段210は、抽選テーブルに予め記憶した抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による役抽選処理は、後述するステップ132(
図18参照)のスタートスイッチ40の操作直後において行われる。
【0106】
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、上述した設定値に基づいて予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ46を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つの特定の設定値を選択することで前記当選確率の変更が可能となる。
【0107】
本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、原則として設定値の数値が高くなるほど、当選確率が高くなって遊技者に対して有利になり得るように規定されている。
【0108】
なお、設定値の数値が高くなるほど、全ての役の当選確率が必ずしも高くなることに限定されるものではなく、設定値の数値が高くなるほど、一部の役の当選確率は高くなるが、他の一部の役の当選確率は同一であってもよい。さらに、設定値の数値が高くなるほど、他の一部の役の当選確率は、低くなるが、全ての役全体として遊技者の利益を考慮すると遊技者に対して有利となるように設定されているようなものでもよい。
【0109】
また、設定値は、上述したような6段階以外にも、例えば「1・3・6」「2・4・6」「1・6」の様に、2段階や3段階等複数の段階であればよいものである。
また、設定値は、例えば、設定値1、設定値2、・・・、設定値6のように数値が高い設定値になるほど、所定の役(例えばボーナス移行役)の当選確率は高くなるが、所定の状態への移行抽選の当選確率が低くなる(又は共通になる)ようにしてもよいものである。
【0110】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、入賞役としての小役(メダルの払出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、BB1、BB2、CB1、CB2からなるボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)等が設けられている。
【0111】
本実施の形態では、入賞役として複数種類の小役が含まれている。具体的には、押し順ベル役(BEA1〜3、BEB1〜6、BEC1〜10等)等である(
図5参照)。設定値1〜6の各設定値での小役の役抽選における当選確率が予め定められている。
【0112】
ここで、本実施の形態に係る遊技機10では、ボーナス役への移行を期待させる前兆演出(図示せず)の遊技を実行可能に形成されている。
【0113】
この前兆演出には、ボーナス役への移行が確定している本前兆演出と、ボーナス役への移行が確定していない、いわゆるガセ前兆演出とが設けてある。
【0114】
停止制御手段220は、役抽選の結果とストップスイッチ50の操作とに基づいてリール62の変動表示動作の停止制御を行うためのものである。具体的には、停止制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各リール62の回転を停止させるためのものである。停止制御手段220は、役抽選手段210の役抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。
【0115】
なお、停止制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にしてもよい。停止制御手段220による処理は、後述するステップ134〜136(
図18参照)においてストップスイッチ50の操作後に行われる。
【0116】
停止制御手段220は、停止操作手段51としてのストップスイッチ50の停止操作タイミングから所定時間内(例えば、通常の190msや、CB中の左リール64の75ms)に、リール62を停止させるように、ステッピングモータ65を制御するものである。
停止制御手段220は、リプレイ役の複数の重複当選役において、ボーナス役に当選しているか否かにより、停止制御の内容を変更可能に形成されている。
【0117】
停止制御手段220は、ボーナス遊技への移行が確定する所定の役に係る図柄組み合わせを有効ライン86上に停止させる場合、RT状態制御手段252からの情報に基づいて、演出として、第1番目に停止させる第1停止操作のリール62を停止させる直前に僅かに逆方向に回転(振動)させてバウンドしたように見せる特殊停止(バウンドストップ)を実行させる。RT3状態での上記図柄組み合わせが停止する場合には、ボーナス役に当選していることが確定しているものであるため、演出として停止制御を変更することで期待感を増大させ、一層の面白みを遊技者に付与することができるものである。なお、この特殊停止(バウンドストップ)の停止処理と同時に演出用ランプ78を通常とは異なる点滅を実行させたり、スピーカー72から通常とは異なる音や音声を出力したり、メイン液晶表示装置84に通常とは異なるキャラクタ等を出現させるようにしてもよい。
【0118】
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、全てのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組み合わせを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0119】
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものであって、停止制御手段220によって停止されたリール62の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払い出しを行うものである。
【0120】
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定するとメダルの払出しを行う。
【0121】
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図7に示すように、大別すると、ボーナス非当選状態制御手段251、RT状態制御手段252、ボーナス状態制御手段253及びボーナス内部当選状態制御手段254の各手段を有する。
【0122】
本実施の形態では、ボーナス非当選状態及びボーナス内部当選状態のそれぞれにおいて、RT状態が発生しているため、RT状態に関連する内容で共通して制御できる部分はRT状態制御手段252が制御している。このため、例えば、ボーナス非当選状態におけるRT1状態の遊技は、ボーナス非当選状態制御手段251とRT状態制御手段252との両方で制御していることになる。RT1状態及びRT2状態の遊技も同様である。
【0123】
また、例えば、ボーナス内部当選状態におけるRT1_BNSF状態の遊技は、ボーナス内部当選状態制御手段254と、RT状態制御手段252との両方で制御していることになる。RT2_BNSF状態、RT3_BNSF状態の遊技も同様である。
【0124】
ボーナス非当選状態制御手段251は、メイン制御手段200で管理される遊技状態の一区分としてのボーナス非当選状態の遊技の進行を制御するものである。ここで、ボーナス非当選状態は、ボーナス役に当選していない状態であって、ボーナス内部当選状態や、ボーナス状態以外の遊技状態を意味する。
【0125】
RT状態制御手段252は、ボーナス非当選状態において、RT0状態、RT1状態、RT2状態及びRT3状態の遊技の進行を制御するものである。
また、RT状態制御手段252は、ボーナス内部当選状態において、RT1_BNSF状態、RT2_BNSF状態及びRT3_BNSF状態の遊技の進行を制御するものである。
【0126】
ボーナス非当選状態と、ボーナス内部当選状態とでは、上述したようにRT0状態、RT1状態、RT2状態及びRT3状態を有している。設定変更時等の当初はRT0状態から開始され、各状態に対応する図柄組み合わせを停止表示させることにより、停止表示させた図柄組み合わせに対応する状態であるRT1状態、RT2状態又はRT3状態へ移行する(
図4及び
図5参照)。RT1状態では、50回の遊技回数経過でRT0状態へ戻り、RT2状態では、50回の遊技回数経過でRT0状態へ戻り、RT3状態では、30回の遊技回数経過でRT0状態へ戻るように形成されている。
【0127】
なお、遊技状態が、ボーナス非当選状態と、ボーナス内部当選状態との間で移行しても、RT状態のRT0〜3状態の区分や、各状態における遊技回数等も含めて、そのまま引き継がれるように形成されている。
【0128】
RT状態制御手段252は、RT1状態・RT2状態・RT3状態を開始するときに、これらRT状態に応じて予め定められた固有の遊技回数を「残りRT遊技回数」として設定する。例えば、RT1状態であれば「50回」、RT2状態であれば「50回」、RT3状態であれば「30回」を残りRT遊技回数(詳しくは、残りRT遊技回数を示すカウンタ)に設定する。そして、各RT状態の遊技を実行するごとに、残りRT遊技回数を「1」減算し、残りRT遊技回数が「0」になると、各RT状態に応じて定められた遊技回数が経過したとして、RT0状態へ移行する。一方、RT0状態は、役抽選結果(RT1移行図柄・RT2移行図柄・RT3移行図柄の表示)により当該RT状態が終了するため、残りRT遊技回数の計数は必要ない。
【0129】
なお、本実施の形態では、後述する様に、RT1状態・RT2状態・RT3状態に対応するRT演出ステージが設定されている。各RT演出ステージに滞在している期間は、各RT状態に滞在している期間と一致しているため、RT演出ステージにおける残り遊技回数が、上記残りRT遊技回数と一致する。よって、残りRT遊技回数が「>0」である期間は、各RT演出ステージに滞在しているとして、各RT演出ステージ表示部(RT1演出ステージ表示部81・RT2演出ステージ表示部82・RT3演出ステージ表示部83)を点灯させている。
【0130】
ボーナス状態制御手段253は、ボーナス状態の遊技を制御するものである。
ボーナス状態は、ボーナス内部当選状態中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86上に揃えることで移行し、RBB1、RBB2、CBB1、CBB2のいずれかのボーナス状態へ移行している状態である。RBB1及びRBB2では、324枚を超えるメダルの払い出しで終了し、CBB1及びCBB2では、119枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
【0131】
なお、このCBB1及びCBB2における第2種特別役物としてのCBでは、抽選とは無関係に小役が成立(当選)している状態となる。また、当該CB中以外の他の遊技、例えばボーナス非当選状態では、全てのリール62は、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから190ms以内に停止させなければならないのに対して、当該CB中では、左リール64のみ、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから75ms以内に停止させるように設定されている。なお、中リール66及び右リール68は、他の遊技と同様に停止操作タイミングから190ms以内の制限時間が設定されている。
【0132】
ボーナス内部当選状態制御手段254は、ボーナス内部当選状態の遊技を制御するものである。このボーナス内部当選状態は、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。そして、このボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86に揃えることで終了する(ボーナス状態へ移行する)ものである。
【0133】
設定値選択手段320は、予め設定された複数種類の設定値(具体的には、設定値1から設定値6までの6段階)から外部操作(具体的には、設定キースイッチ45や、設定変更スイッチ46の所定の手順による操作)により特定の設定値を選択可能なものである。
【0134】
具体的には、設定値選択手段320は、扉センサ(扉開閉用スイッチ19)がON状態(前扉14が閉状態)でない、すなわち前扉14が開放状態であると判定され、さらに、設定変更処理用の開始スイッチ(具体的には、設定キースイッチ45)が操作されてON状態であると判定された場合、設定変更処理が可能な状態へ移行する。設定値選択手段320は、不正対策として安全性を高めるために、前扉14が開放状態であって、且つ、設定キースイッチ45がON状態でないと、設定変更処理に移行しないようになっている。
【0135】
さらに、設定値選択手段320は、この設定変更処理が可能な状態において、設定変更スイッチ46がオン状態に操作されると、設定値を更新する。設定値の更新は、具体的には、設定値1〜5では、1が加算され、設定値6では、設定値1へ移行する。この設定値の更新は繰り返し操作することにより、さらに次の数値の設定値への移行が繰り返される。
この設定変更処理が可能な状態において、設定値選択手段320は、スタートスイッチ40のオン状態が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定された場合に、さらに、設定キースイッチ45がオフ状態になることで、設定値を確定する。
【0136】
ここで、設定値の変更作業が可能となる設定変更状態について以下に説明する。
一般的に、前扉14を開放した遊技ホールのホール管理者が設定値の変更に係る作業を行う。
設定キースイッチ45は、オン状態(ON位置)と、オフ状態(OFF位置)と、へ切り替え可能に形成されている。
【0137】
電源スイッチ44をオン状態(電源投入)にしたときに、設定キースイッチ45がオン状態(ON位置)にあると、設定値の変更処理(設定変更処理)が可能な状態(設定変更状態)へ移行するように形成されている。設定キースイッチ45をオフ状態(OFF位置)へ戻すことで、設定変更状態が解除されて設定値の変更が不能となり、通常の遊技が実行可能となる。
【0138】
設定した設定値は、電源スイッチをOFF(電源遮断)にしても、バックアップ機能(電源)によって、記憶保持されるように形成されている。この記憶保持された設定値は、電源スイッチ44をオン状態(ON位置)にするときに読み出され、設定変更状態へ移行しなければ、そのまま読み出した設定値が採用されるように形成されている。設定変更状態へ移行したときには、読み出した設定値が、設定変更作業時の初期値となるものである。
【0139】
また、設定値選択手段320は、特定の当選確率を規定する抽選値情報(役抽選の当選確率)を複数種類の設定値(具体的には、1〜6)毎に記憶している。さらに、設定値選択手段320は、設定値(具体的には、1〜6)毎に、異なる遊技状態毎の抽選値情報(役抽選の当選確率)を記憶している。この異なる遊技状態とは、ボーナス非当選状態や、ボーナス内部当選状態や、ボーナス状態等の各遊技状態を意味する。
【0140】
送信手段380は、サブ制御手段400へ信号(コマンド)を送信するためのものである。
送信手段380は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する当選確率を用いて実行された役抽選の抽選結果をサブ制御手段400の受信手段410へ送信する。
送信手段380は、RT状態制御手段252により制御されるRT状態に関する情報(例えば現在の遊技が滞在するRT状態、例えば次の遊技で滞在することになるRT状態)をサブ制御手段400の受信手段410へ送信する。RT状態に関する情報を送信するタイミングとしては、RT状態が切り替わるタイミング(例えばRT状態の突入時又は終了時)で送信する、又は、1回の遊技毎に送信する、ことができる。
送信手段380は、例えば1つのRT状態に対して複数の演出ステージが設定されている場合、いずれかの演出ステージをメイン制御手段200において決定するときには、当該決定した演出ステージに関する情報をサブ制御手段400の受信手段410へ送信する。
【0141】
サブ制御手段400は、
図8に示すように、受信手段410、演出実行制御手段420、役物駆動制御手段430の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段400は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0142】
具体的には、サブ制御手段400は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、メイン液晶表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0143】
受信手段410は、送信手段380から送信された信号(コマンド)を受信するものである。
【0144】
演出実行制御手段420は、メイン液晶表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段420は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ボーナス非当選状態、ボーナス内部当選状態、ボーナス状態等の各遊技状態に応じた演出や、RT状態の種類に応じた演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段420は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置を介して実行する。
ここで、本実施の形態では、液晶表示器510を有するメイン液晶表示装置84が設けられている。このメイン液晶表示装置84は、可動役物511の一部であるため、一見すると、液晶表示器510とメイン液晶表示装置84とは、役物駆動制御手段430が動作の制御を担当するかのような印象を受ける。しかし、液晶表示器510とメイン液晶表示装置84とに関しては、これらを回転させる動作の制御を担当するのは、役物駆動制御手段430であり、一方、これらの表示内容の制御を担当するのは、演出実行制御手段420である。
【0145】
本実施の形態では、RT1状態、RT2状態、RT3状態等の3つのRTの状態において、それぞれ1対1に対応した演出ステージが設けられている。具体的には、RT1状態、RT1_BNSF状態に対応するRT1演出ステージとしての演出ステージAと、RT2状態、RT2_BNSF状態に対応するRT2演出ステージとしての演出ステージBと、RT3状態、RT3_BNSF状態に対応するRT3演出ステージしての演出ステージCとが設けられている。
さらに、RT0状態、RT0_BNSF状態に対応するRT0演出ステージとしての準備演出ステージが設けられている。
なお、それぞれの演出ステージA〜Cには、CBB_RT1〜3状態を含めてもよい。すなわち、演出ステージAに、CBB_RT1状態を含め、演出ステージBにCBB_RT2状態を含め、演出ステージCにCBB_RT3状態を含めるようにしてもよい。
ここで、上述した「RT1状態、RT2状態、RT3状態等の3つのRTの状態において、それぞれ1対1に対応した演出ステージが設けられている」における「1対1」とは、言い換えると、1つのRT状態に対応する演出ステージは他のRT状態には対応していないと言うことであって、1つのRT状態に対して1つの演出ステージを設ける場合に限定されず、1つのRT状態に対して複数の演出ステージ(例えばRT1状態に対して演出ステージA1と演出ステージA2との複数個)を設けてもよいものである。
【0146】
役物駆動制御手段430は、可動役物駆動手段521としての回転駆動モータ520を制御するためのものである。
役物駆動制御手段430は、可動役物駆動手段521としての回転駆動モータ520により液晶表示器510を作動させて位置検出センサ530により液晶表示器510の作動範囲の原点位置を設定する初期化動作を行う。
【0147】
本実施の形態では、役物駆動制御手段430は、複数の演出ステージA,B,C間を移行する場合に、メイン液晶表示装置84の液晶表示器510において所定の回転動作を行う初期化動作を実施することで、初期化動作を演出の一部として遊技者に見せるようにしたことを特徴としているものである。
本実施の形態では、初期化動作と、複数の演出ステージの中の所定の演出ステージA、B、Cで展開される演出の一部の画像変化(ステージ移行演出)のタイミングとが同期することによって、初期化動作を所定の演出ステージの演出の一部として見せるようにしている。
【0148】
役物駆動制御手段430は、初期化動作として、原点位置から第1の作動位置としての上限位置へ移動させる第1の初期化動作と、第1の作動位置としての上限位置から第2の作動位置としての下限位置へ移動させる第2の初期化動作とを有している。
第1の初期化動作においては、可動役物511が上限位置に到達したことを第1の位置検出センサとしての後述する上限位置センサ532が検知すると、可動役物511を上限位置へ移動させる制御を補正する処理(上限位置の初期化処理)が実行される。具体的には、後述するように第3被検知片616を上限位置センサ532が検知した位置の回転駆動モータ520(ステッピングモータ)のステップ数を上限位置として補正する処理が行われる。
第2の初期化動作においては、可動役物511が下限位置に到達したことを第2の位置検出センサとしての後述する下限位置センサ531が検知すると、可動役物511を下限位置へ移動させる制御を補正する処理(下限位置の初期化処理)が実行される。具体的には、後述するように第2被検知片614を下限位置センサ531が検知した位置の回転駆動モータ520(ステッピングモータ)のステップ数を下限位置として補正する処理が行われる。
すなわち、原点位置から上限位置へ可動役物511が移動し、さらに、上限位置から下限位置へ可動役物511が移動することで一連の初期化動作が行われる。
【0149】
本実施の形態では、役物駆動制御手段430は、所定の演出ステージでは、可動役物511を所定の作動態様で作動させる可動役物511の演出、いわゆる可動役物演出を実行可能に形成されている。この可動役物演出は、初期化動作とは別のタイミングで行われるものであり、初期化動作と同様の動きを液晶表示器510に実行させるものである。具体的には、演出ステージAでは、可動役物演出が実行可能であるが、演出ステージBでは、可動役物演出は実行不可能に形成されている。なお、演出ステージBでも実行可能としてもよい。
この所定の演出ステージで実行可能な可動役物演出により可動役物511の作動が実行されるとともに当該可動役物演出による可動役物511の作動により初期化動作が実行可能に形成されている。さらに、当該可動役物511の作動中に可動役物演出としての特定の画像が液晶表示器510に表示されるようにしている。
【0150】
メイン液晶表示装置84の初期化動作では、各演出ステージA、B、Cに固有の背景画像と、全ての演出ステージA、B、Cに共通であって各演出ステージA、B、C間を移行する際のステージ移行演出としての移行演出画像とが液晶表示器510に表示されることで可動役物511の初期化動作と、液晶表示器510の画像内容とが関連性を有するように形成されている。
【0151】
役物駆動制御手段430は、初期化動作を、複数の演出ステージA,B,C間を移行する前の予め定められたタイミング、具体的には各演出ステージの最終遊技の所定タイミングで開始するようにしている。具体的には、役物駆動制御手段430は、演出ステージで行われる最後の遊技のスタートスイッチ40の操作タイミングで初期化動作を開始するようにしている。
【0152】
ここで、複数の演出ステージの特定の演出ステージA、B、Cは、通常の状態とは異なる特定状態としてのRT状態(RT1状態、RT2状態、RT3状態)において実施されるように形成されている。具体的には、演出ステージAは、RT1状態において実施され、遊技回数50回の実行により終了する。演出ステージBは、RT2状態において実施され、遊技回数50回の実行により終了する。演出ステージCは、RT3状態において実施され、遊技回数30回の実行により終了する。
【0153】
役物駆動制御手段430は、RT1状態における遊技回数50回、RT2状態における遊技回数50回、RT3状態における遊技回数30回の実行により終了条件が成立するときに初期化動作を開始し、特定の演出ステージでは、可動役物511を作動させる演出を実行可能に形成されている。
【0154】
本実施の形態では、可動役物511は、画像を表示可能な液晶表示器510を有している。役物駆動制御手段430は、液晶表示器510を回転させ、回転している液晶表示器510の画面には、所定の画像が表示されるように形成されている。
なお、液晶表示器510を回転している液晶表示器510の画面に表示させる画像の中には、液晶表示器510を回転させる角度と、同一の角度だけ反対方向に回転するように画像を調整することで、表示される画像の水平線(水平ライン)を一定の水平に保つようなものが含まれる。
【0155】
つぎに、
図9を用いて遊技の状態について説明する。
遊技の状態は、メイン制御手段200により管理され、
図9に示すように、大別すると、ボーナス非当選状態、ボーナス内部当選状態、ボーナス状態がある。RTは、いわゆるリプレイタイムの略語であり、通常は、RT0状態にあるが、所定のRT移行役に当選して、当該役の図柄を有効ライン86上に停止表示させることができた場合には、各RT状態へ移行し、RT状態では、所定の遊技回数の経過により、RT0状態へ戻るように設定されている。
【0156】
本実施の形態では、特に図示していないが、各RT状態では、全てのリプレイ役の合算確率は同一となるように設定されている。各リプレイ役の当選確率の配分が各遊技状態で異なることにより停止図柄を変化させることができるように形成されている。
【0157】
ボーナス非当選状態は、ボーナス非当選状態制御手段251により制御され、RT0状態と、RT1状態と、RT2状態と、RT3状態とが設けてある。
RT0状態は、設定変更時等の初期状態において移行するものであり、このRT0状態から所定の移行図柄を有効ライン86上に停止表示させたときにRT1状態、RT2状態、RT3状態の各遊技状態へ移行する。そして、RT1状態で50回、RT2状態で50回、RT3状態で30回の遊技回数経過により再度、RT0状態へ移行する。
【0158】
ボーナス内部当選状態でも、同様にRT0〜3状態をボーナス非当選状態からそのまま引き継ぐことができる。また、ボーナス状態では、RBB1及びRBB2ではRT0〜3の状態を引き継ぐことはできないが、CBB1及びCBB2状態では、そのまま引き継ぐことができるように形成されている。また、ボーナス状態のCBB1及びCBB2の状態から、ボーナス非当選状態へ移行したときも同様にRT0〜3の状態を引き継ぐことができるように形成されている。もちろん、これに限定されることなく、引き継ぐことができないようにしてもよい。
【0159】
ボーナス状態におけるCBB1、2は、いわゆる「第2種特別役物に係る役物連続作動装置」であって、CB、いわゆる「第2種特別役物」が連続作動し、所定の枚数、119枚を超えるメダルの払出しで終了する。なお、CB(第2種特別役物)は、役抽選に関係無く、全ての小役が当選状態となるものであり、CB中は、左リール64のみ停止操作タイミングから75ms以内に停止表示される。
【0160】
そして、ボーナス状態の終了後は、ボーナス非当選状態のRT0状態に移行する。
なお、ボーナス非当選状態から、ボーナス役に当選して、そのまま当該役の図柄61を有効ライン86に停止表示させることで、ボーナス内部当選状態の遊技を経ることなく、直接、ボーナス状態へ移行することもできる。
【0161】
なお、ボーナス状態は、メダルの払出枚数を終了条件とするのではなく、所定の遊技回数で終了するものであってもよい。また、RT1〜3状態は、所定の遊技回数を終了条件とするのではなく、メダルの所定の払出枚数を終了条件としてもよい。
【0162】
図10(A)に示すように、メイン液晶表示装置84の液晶表示器510が傾動しない状態は、原点位置にある状態であって、液晶表示器510の左側の背面側に位置する回転駆動モータ520は回転していない状態となる(
図13〜
図15参照)。
【0163】
図10(B)に示すように、液晶表示器510が正面から見て(正面視)で右回転方向(時計回転方向(CW))に20度程傾動している状態である。この状態は、第1の作動位置としての後述する上限位置の状態であって、傾動していない状態から、液晶表示器510の左側の背面側に位置する回転駆動モータ520の回転軸が左回転し、それにかみ合う大歯車525が右回転することで大歯車525と同一回転軸を有する液晶表示器510も右回転方向に回転移動して傾動することになる。液晶表示器510が20度程回転した状態で後述する位置検出センサ530(
図6参照)が作動(検知)し、該位置検出センサ530が出力される信号がサブ制御手段400へ入力されて、回転駆動モータ520の回転も停止するように形成されている(
図13〜
図15参照)。
【0164】
図10(C)に示すように、液晶表示器510が正面から見て(正面視)で左回転方向(反時計回転方向(CCW))に20度程傾動している状態である。この状態は、第2の作動位置としての後述する下限位置の状態であって、傾動していない状態から、液晶表示器510の左側の背面側に位置する回転駆動モータ520の回転軸が右回転し、それにかみ合う大歯車525が左回転することで大歯車525と同一回転軸を有する液晶表示器510も左回転方向に回転移動して傾動することになる。液晶表示器510が20度程回転した状態で位置検出センサ530(
図6参照)が作動(検知)し、該位置検出センサ530が出力される信号がサブ制御手段400へ入力されて、回転駆動モータ520の回転も停止するように形成されている(
図13〜
図15参照)。
【0165】
図11に示すように、可動役物511としてのメイン液晶表示装置84は、液晶表示器510と、可動板512と、取付板560と、可動役物駆動手段521としての回転駆動モータ520と、原点案内機構600とを備えている。
【0166】
取付板560は、前扉14の正面側に向かって固定されるものである。この取付板560の中央には、開口する軸孔562が設けてある。この軸孔562の曲率に沿って、左右に円弧状の溝であるガイド突部案内溝564と、係合突部案内溝563と、外側案内溝568と、内側案内溝566とが設けてある。
【0167】
また、取付板560において、内側案内溝566の上部には、位置検出センサ530の第2の位置検出センサとしての下限位置センサ531が設けられ、外側案内溝568の下部には、位置検出センサ530の第1の位置検出センサとしての上限位置センサ532とが設けてある。この下限位置センサ531及び上限位置センサ532は、発光部及び受光部を有し、発光部からの光を受光部が検知しているときにOFF状態となり、発光部及び受光部の間を、後述する被検知片610が移動してきて遮ることによりON状態となるように形成されている(
図13参照)。
【0168】
また、取付板560の背面側から見て左側、正面から見て右側の位置に、可動板512の原点位置を補正することが可能な原点案内機構600が形成されている。
【0169】
原点案内機構600は、左右に移動可能な係合体640と、この係合体640を左右に移動させるための駆動モータを有する係合体駆動装置536と、取付板560に固定されて係合体640の移動を検知可能な係合体検知センサ535と、可動板512から突出する係合突部514とを備えている(
図12参照)。この係合突部514は、取付板560に円弧状に開口する前記係合突部案内溝563に差し込まれ、可動板512が回転するとともに係合突部案内溝563内に沿って係合突部514が移動可能に形成されている。
【0170】
係合体640は、係合体640自身が移動することで係合突部514を所定位置に移動させるための2つの傾斜面からなる係合部642と、取付板560から背面側に突出する第1突出片644及び第2突出片646と、係合体640から背面視で左方向に延設されて前記係合体検知センサ535の発光部及び受光部の間を遮蔽可能な係合体被検知部652とを有している。
【0171】
可動板512には、中央から背面側に向かって円柱状に突出する突出軸513が設けられており、これを取付板560の中央に設けられた軸孔562に対して挿入することで、可動板512を取付板560に対して回転可能に支持させている。
【0172】
可動板512の背面側から見て右側には、背面側に向かって突出するガイド突部515が設けられている。このガイド突部515は、可動板512を取付板560に組み合わせると、取付板560に設けられたガイド突部案内溝564に挿通されて取付板560の背面側に突出するように形成されている。
【0173】
可動板512の背面側から見て左側には、既に説明したように背面側に向かって突出する係合突部514が設けられている。この係合突部514も、可動板512を取付板560に組み合わせると、取付板560に設けられた係合突部案内溝563に挿通されて取付板560の背面側に突出するように形成されている。このガイド突部515及び係合突部514は、軸Lを中心とした回転対称な位置に設けられている。この係合突部514は、既に説明したように、原点案内機構600の係合体640の係合部642から押されて原点位置を補正可能なものとしての機能も有している。
【0174】
可動板512の背面側から見て左側には、背面側に向かって突出して内側案内溝566や外側案内溝568に挿通される4つの被検知片610が設けられている。
この被検知片610は、内側案内溝566に挿通される第1被検知片612と、内側案内溝566に挿通されるとともに第1被検知片612よりも下部に位置する第2被検知片614と、外側案内溝568に挿通されるとともに第2被検知片614よりも僅かに上部に位置する第3被検知片616と、外側案内溝568に挿通されるとともに第3被検知片614よりも下部に位置する第4被検知片618とを備えている(
図12(A)、
図14参照)。
【0175】
第1被検知片612と、第2被検知片614とは、軸Lを中心として同一円周上に配置されて、第3被検知片616と、第4被検知片618とは、軸Lを中心として同一円周上に配置されている(
図12(A)、
図14参照)。
可動板512から突出する突出軸513の外周面の一部には、大歯車525が設けられている。また、取付板560の背面側の所定位置には、可動板512を回転駆動するために当該大歯車525にかみ合い可能な歯車を有する可動役物駆動手段521としての回転駆動モータ520が固定されている。
【0176】
前記可動板512の正面側には、画像や動画像を表示可能な液晶表示器510が固定され、可動板512の回転とともに一緒に回転するように形成されている。
【0177】
本実施の形態では、可動板512は、取付板560に対して、軸Lを中心として回転可能に形成されているが、可動板512を取付板560に取り付ける構成(方法)は、上述したものに限定されるものではない。可動板512は取付板560に対して、所望の動作をさせることができるものであれば、特に限定しないものである。可動板512は、取付板560に対して、直線状や曲線状に往復運動するように取り付けることもできるし、回転移動と往復運動とを組み合わせた動き方をするように取り付けることもできる。その場合には、ガイド突部案内溝564や、係合突部案内溝563や、内側案内溝566や、外側案内溝568は、可動板512の移動経路に合わせた形状となるものである。
【0178】
図12に示すように、取付板560には、取付板560の背面から背面方向に向かって突出する円柱状の第1突出片644と、この第1突出片644より僅かに下方に位置して、同様に取付板560から背面方向に向かって突出する円柱状の第2突出片646とが設けられている。
係合体640には、この第1突出片644が挿通可能に表裏に開口して左右方向に長手方向を有する第1突出片案内溝648と、第2突出片646が挿入可能に表裏に開口して左右方向に長手方向を有する第2突出片案内溝650とが設けられている。
【0179】
係合体640は、係合体駆動装置536により左右方向に移動可能に形成されている。この係合体駆動装置536は、特に図示していないが内部に駆動モータ及びラックアンドピニオン機構を有して係合体640を左右方向に移動可能に形成されているものである。
【0180】
係合体640の係合部642は、奥側へ行くほど狭くなるV字状に形成されてあり、係合体640が
図12(C)のように右方向に移動して係合部642の内部に係合突部514を受け入れると、係合部642のV字状の奥に係合突部514が入り込むことで、取付板560に対して可動板512を所定の位置に配置させることができる。この位置が、可動板512の作動範囲の原点位置となる。但し、この係合部642のV字状の間に係合突部514が入り込むためには、係合突部514が係合部642のV字状の斜面にかかる範囲にある必要がある。この範囲は、原点位置を0度とすると、この0度の位置から可動板512が−3度回転した位置(可動板512を正面側から見て反時計回転方向(CCW)に3度回転した位置)と、この0度の位置から可動板512が+3度回転した位置(可動板512を正面側から見て時計回転方向(CW)に3度回転した位置)との間となる(
図13参照)。
【0181】
また、係合体640の左右方向の移動は、係合体640から左右方向(背面側から見て左方向)に突出する係合体被検知部652が、発光部及び受光部を有する光センサからなる係合体検知センサ535の間を進退して、発光部からの受光部へ進む光を遮ることで、検知することができるように形成されている。
【0183】
図13(A)に示すように、可動板512が水平位置から正面視で反時計回転方向(CCW)に回転させると、
図14(A)に示すように当該20度の位置(下限位置)で、下限位置センサ531での第2被検知片614の遮蔽が発生し、
図13(A)に示すように検知信号がOFF状態からON状態へ移行する。
【0184】
図13(C)に示すように、可動板512が水平位置から正面視で時計回転方向(CW)に回転移動させると、
図14(C)に示すように水平位置から正面視で時計回転方向(CW)に20度の位置(上限位置)で、上限位置センサ532での第3被検知片616の遮蔽が始まり、
図13(C)に示すように検知信号がOFF状態からON状態へ移行する。
一方、
図13(B)に示すように、可動板512が水平位置付近にくると、水平位置から+3度〜−3度の範囲では、下限位置センサ531を第1被検知片612が遮蔽し、上限位置センサ532を第4被検知片618が遮蔽した状態となる。この水平位置(限定位置)から+3度〜−3度の範囲では、上限位置センサ532及び下限位置センサ531のいずれも検知信号はON状態となる。この範囲において、原点案内機構600を作動させると、係合突部514が係合部642のV字状の斜面の間に入り込み、可動板512を正確な原点位置に回転移動させることができる。
つまり、本実施の形態では、上限位置を検知するための上限位置センサ532と、下限位置を検知するための下限位置センサ531と、により、「所定の上限位置に達した状態」と「所定の下限位置に達した状態」とを検知しているとともに、上限位置や下限位置とは異なる「原点位置(の近傍)に達した状態」を検知可能な構成となっている。
【0185】
図15を用いて、初期化動作(初期化動作パターン)を説明する。
先ず、
図15(A)に示すように、可動板512を原点位置から開始する。
なお、この最初の段階では、原点案内機構600を用いていないが、原点位置では正確な原点位置を把握できるセンサは設けていないため、この最初の段階でも原点案内機構600による原点位置の修正を行ってもよい(
図19のステップ210、211)。
その原点位置から可動板512を正面視で時計回転方向(CW)に回転させる。
次に、
図15(B)に示すように、可動板512を原点位置から上限位置(正面視で時計回転方向(CW)に20度回転させた位置)へ向けて時計回転方向(CW)へ右回転させる(
図19のステップ212)。上限位置に達する(
図19のステップ213)と、可動板512の回転を停止させるとともに上限位置の位置情報により上限位置に基づく処理(上限位置の初期化処理:
図19のステップ214)を行う。
その後、可動板512を正面視で反時計回転方向(CCW)へ左回転させる。
【0186】
次に、
図15(C)に示すように、可動板512を下限位置(正面視で反時計回転方向(CCW)に20度回転させた位置)へ向けて反時計回転方向(CCW)へ左回転させ(
図19のステップ215)、下限位置に達する(
図19のステップ216)と、可動板512の回転を停止させるとともに下限位置の位置情報により下限位置に基づく処理(下限位置の初期化処理:
図19のステップ217)を行う。
その後、この下限位置から水平方向(原点位置)へ向かって、可動板512を時計回転方向(CW)へ右回転させ(
図19のステップ218)、原点位置に達すると(所定の範囲内(−3度〜+3度)になると(
図19のステップ219))、可動板512の回転を停止させるとともに原点案内機構600による原点位置の修正が行われる(原点案内機構を作動:
図19のステップ220)。その後、当該原点位置で停止した状態を維持する。
【0187】
本実施の形態では、ステッピングモータである回転駆動モータ520(可動役物駆動手段521)により可動役物511を制御するにあたり、可動役物511の上限位置を「126ステップ」とし、可動役物511の下限位置を「1ステップ」とし、可動役物511の原点位置を「64ステップ」とし、1ステップから126ステップの範囲内でステップ数によりステッピングモータ65を制御することにより、可動役物511を上限位置から下限位置の範囲で回転するよう構成されている。このため、正常であれば、可動役物511が上限位置に達しているときのステップ数は「126ステップ」であり、可動役物511が下限位置に達しているときのステップ数は「1ステップ」となる。
しかしながら、ステッピングモータ65の異常(脱調)や可動役物511の動き(振動・外力)によって、例えばステップ数が「126ステップ」となるようステッピングモータ65の回転を制御したにも関わらず可動役物511が上限位置に達していなかったり、例えばステップ数が「1ステップ」となるようステッピングモータ65の回転を制御したにも関わらず可動役物511が下限位置に達していなかったりするなど、ステッピングモータ65の制御とそれによる実際の可動役物511の位置との間にズレが生じる恐れがある。このようなズレを解消するために補正する処理が、上限位置に基づく処理(上限位置の初期化処理)であり、下限位置に基づく処理(下限位置の初期化処理)である。これにより、上限位置や下限位置を超えて可動役物511が移動して他の部材へ接触するなどの事故(損傷や破損)を未然に防ぐことができる。
【0188】
例えば、原点位置(64ステップ)から上限位置(126ステップ)までは、正常であれば「62ステップ」を送ればよい。しかし、原点位置から上限位置センサ532が検知するまでのステップ数をカウントし、そのステップ数が何らかの(外的な)理由により、124であった場合、本来よりも「2ステップ」少ないことになる。このような場合、初期化動作を実行した以降は、124ステップとカウントした位置を可動役物511の上限位置となるように、124ステップを超えてCW方向へ回転しないよう制御を行う。すなわち、この124ステップを新たな上限位置として補正する処理が行われるものである。
なお、この補正の処理方法は、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、上述したような例では、この124ステップを新たな上限位置のステップ数として設定するのではなく、この124ステップの位置を、上限位置として当初予定していた126ステップの新たな位置としてプログラムによりステップ数を修正するようにしてもよい。すなわち、上限位置センサ532により判明した124ステップの位置が当初より2ステップ少なくなっているので、当該位置を当初の126ステップとなるように全体のステップ数を補正するようにしてもよい。
【0189】
なお、本実施の形態では、可動役物511としてのメイン液晶表示装置84の可動板512を回転させる演出(回転演出)を実行した場合、当該回転演出を終了させるときは、基本的に原点位置(0度の位置、水平位置)へ戻るように設定しているため、上述した初期化動作のように原点位置(0度の位置、水平位置)から実行される。但し、各演出ステージの種類や、滞在している演出ステージの種類によっては、1回の遊技が終了しても、可動板512が原点位置(0度の位置、水平位置)に戻らずに、上限位置又は下限位置のいずれかの方向に傾いた状態で待機するような場合がある。このような場合には、上述したような初期化動作のパターンに先立って、現在の傾いた状態の位置から原点位置(0度の位置、水平位置)へ戻す動作が実行される(
図19のステップ210、ステップ211)。なお、この場合にも、原点位置付近へ移動させたと判断した場合には、原点案内機構600により、可動板512の位置を適正な位置にしてもよい。
【0190】
図16及び
図17に示すように、本実施の形態では、3種類の演出ステージA、B、Cと、1種類のステージ移行ステージとしての準備ステージを有している。
具体的には、演出ステージAは、既に説明したRT1状態であり、遊技回数50回で終了するものであり、主に小役の当選を報知(ナビ)することに特徴を有するステージとなっている。
演出ステージBは、RT2状態であり、遊技回数50回で終了するものであり、主にチャンスリプレイ(CRPA1等)の当選を報知(ナビ)することに特徴を有するステージとなっている。
【0191】
演出ステージCは、RT3状態であり、遊技回数30回で終了するものであり、ボーナス移行役(CB1等)の当選を略完全告知することに特徴を有するステージとなっている。準備ステージは、遊技回数は定まっておらず(平均として遊技回数5回程度になるように設定されている)、演出ステージA、B、C間を移行する際に、それらの間に行われるステージ移行ステージである。
【0192】
本実施の形態では、演出ステージAから遊技を開始し、この演出ステージAに設定されている滞在期間としての遊技回数50回が終了すると、次の遊技から、準備ステージを開始する。この準備ステージでは、上記3種類の演出ステージA、B、Cの中から次に移行する1種類の演出ステージを決定する抽選が実行可能である。ある遊技において移行する演出ステージが決定されると、当該遊技にて準備ステージを終了して、次の遊技から、前記決定した演出ステージの遊技回数1回目を開始する。このような移行は、原則として、ボーナス役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示するまで繰り返される。
【0193】
例えば、演出ステージA(遊技回数50回)→準備ステージ(遊技回数3回)→演出ステージC(遊技回数30回)→準備ステージ(遊技回数6回)のように移行する。
本実施の形態では、各演出ステージに滞在している場合、それぞれの演出ステージに対応した通常の演出が展開される。例えば、演出ステージAならばa地方の森林を背景にキャラクタがボートで移動する映像や効果音が流れ、演出ステージBならば、b地方の雪山を背景にキャラクタがソリで移動する映像や効果音が流れる。
【0194】
ここで、演出ステージの最終遊技(例えば、演出ステージA、Bならば遊技回数50回目、演出ステージCならば遊技回数30回目)では、全ての演出ステージで共通する映像が流れる「ステージ移行演出」が実行される。このステージ移行演出を実行する(映像がメイン液晶表示装置84に流れる)ことで、それまで滞在していた演出ステージが終了し、次の遊技から準備ステージへ移行することを遊技者に伝えている。
【0195】
具体的には、メイン液晶表示装置84の回転可能な液晶表示器510の液晶画面に、演出ステージに対応する背景の一部が円形に歪んで、特殊な空間への入口が開放され、この入口へ、全演出ステージで共通して登場するキャラクタX、キャラクタYが吸い込まれる映像が流れる。
【0196】
例えば、演出ステージAの「ステージ移行演出」は、a地方の背景の一部へ、キャラクタX、キャラクタYが吸い込まれる映像(動画像)が表示される。
また、例えば、演出ステージBの「ステージ移行演出」は、b地方の背景の一部へ、キャラクタX、キャラクタYが吸い込まれる映像(動画像)が表示される。
【0197】
特に、本実施の形態では、演出ステージから準備ステージへ移行するとき、詳しくは、各演出ステージの最終遊技(遊技回数50回目又は30回目)を開始するスタートスイッチ40の遊技者による押下操作を契機に、上記ステージ移行演出を開始するとともに、メイン液晶表示装置84の液晶表示器510による初期化動作が実行される。この初期化動作における液晶表示器510の回転動作は、各演出ステージで展開される可動役物演出としての液晶表示器510の回転動作と同じ又は類似する動きとなる。さらに、この液晶表示器510の動きと同時に、ステージ移行演出に伴う映像(キャラクタX、Yが画面に吸い込まれる映像)が流れる液晶画面では、その背景の映像も演出ステージA、B、Cにそれぞれ対応する映像が流れる。つまり、本実施の形態では、初期化動作を実行しているものの、その旨を遊技者に報知していない。
【0198】
このため、各演出ステージの最終遊技で実行されるメイン液晶表示装置84での初期化動作に伴う液晶表示器510の動きは、これまでの演出の流れとの間で違和感が無く、当該演出ステージで展開される演出の一種として、遊技者は受け止められることとなる。
【0199】
本実施の形態では、
図16及び
図17に示すように、メイン液晶表示装置84を用いた演出が実行可能な3種類の演出ステージA,B,Cに対して固定の遊技期間(所定の遊技回数50回又は30回)を設定している。このため、準備ステージから演出ステージへ移行すると、前記遊技期間(遊技回数50回又は30回)だけ当該演出ステージに滞在した後、再度、準備ステージへ移行する。
【0200】
上述の通り、
図16(A)(B)に示すように演出ステージの最終遊技(遊技回数50回目又は30回目)には、メイン液晶表示装置84の初期化動作を実行する。このため、遊技全体からすると、本実施の形態の初期化動作を、少なくとも一定の遊技期間毎(遊技回数50回又は30回毎)に実行していることになる。
【0201】
よって、ステッピングモータとしての回転駆動モータ520の脱調等により生じるズレ(必ずしもズレが生じているとは限らないが、仮にズレが発生しても当該ズレ)が定期的(周期的に)に解消されるため、メイン液晶表示装置84の液晶表示器510の回転を用いた演出(液晶表示器510の画面の動き)を正確に行うことができる。
また、演出ステージ内で、回転駆動モータ520としてのステッピングモータの脱調等によるズレが必ずしも生じるとは限らない。よって、この点からすると、ズレが生じていなくても、メイン液晶表示装置84の初期化動作を実行している、と言える。しかし、初期化動作自体は、遊技者から見ると演出の一種として受け止められ、興趣の向上に一役買う事にもなるため、全く無駄な動作になる、と言う訳ではない。
【0202】
図17に示すように、本実施の形態では、演出ステージに滞在しているときにボーナス役に当選し、ボーナス役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示すると、予め設定された、演出ステージとしての遊技期間(遊技回数50回又は30回)を経過する前に当該演出ステージを途中で終了し、ボーナス役に対応するボーナス遊技へ移行する。このボーナス遊技中は、演出ステージとは異なる演出(例えば、各演出ステージの解説や、キャラクタの説明など)が行われる。
【0203】
本実施の形態では、ボーナス遊技の最終遊技(ボーナス遊技として予め定められた最大のメダル枚数を獲得した遊技、液晶表示器510の液晶画面では、例えば「メダル〜枚GET!」と表示される。)にて、メイン液晶表示装置84の初期化動作が実行される。つまり、ボーナス役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示(いわゆるボーナス役が成立)しなければ、演出ステージの最終遊技で初期化動作が実行されるところを、ボーナス役が成立したために、ステージ移行演出が実行される当初の演出ステージの最終遊技(遊技回数50回又は30回)が実行されず、メイン液晶表示装置84の初期化動作を実行する機会も失われる。
【0204】
このため、本実施の形態では、初期化動作を実行することなく演出ステージが終了した場合には、ボーナス遊技から準備ステージへ移行するとき、詳しくはボーナス遊技の最終遊技にて、メイン液晶表示装置84の初期化動作を実行する。具体的には、
図17に示すように、演出ステージAの遊技回数30回目の遊技でボーナス役に当選し、遊技回数33回目の遊技でボーナス役に係る図柄組み合わせが有効ライン86上に停止表示してボーナス成立した場合には、残りの演出ステージAを実行することなく、ボーナス遊技へ移行する。ボーナス遊技の遊技回数100回目の第3番目に停止操作した第3停止操作時において払出枚数が確定した際に所定の獲得枚数に到達してボーナス状態が終了するときに、初期化動作が行われる。
【0205】
但し、ボーナス遊技中は当該遊技の終了タイミングを逐次表示(ボーナス中の現在までの獲得枚数〜枚/所定の最大獲得枚数〜枚)し、遊技が終了して準備ステージへ移行することが明らかであるため、ステージ移行演出は実行されないように設定されている(すなわち、キャラクタX、Yが画像中に吸い込まれる映像は流れない)。なお、本実施の形態では、ボーナス遊技では、他の演出ステージとは異なりメイン液晶表示装置84の液晶表示器510を回転させる動作を用いた演出は行っていない。
【0206】
なお、本実施の形態では、上述した所定のタイミング以外に、電源投入時にも、メイン液晶表示装置84の液晶表示器510を回転させて行う初期化動作を実行している。
例えば、前日の営業終了に伴い、演出ステージAに滞在している途中で遊技者が席を離れて、遊技機10の電源が遮断されたとする。すると、バックアップ機能によって、次の日に営業を開始するときには、その遊技機10の電源を投入した際、演出ステージAに滞在している状態に復帰する。このとき、上述したような液晶表示器510を回転させる初期化動作と同一の動作からなる初期化動作が実行される。
【0207】
図18に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
【0208】
ステップ131において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ132に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度、ステップ131に戻る。
【0209】
なお、このステップ131の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数に達しているか否かの判定が行われる。
【0210】
ステップ132において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選した役等を特定するための当選番号が決定される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段400へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ133に進む。
【0211】
ステップ133において、停止制御手段220により、リール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ134に進む。
【0212】
ステップ134において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、停止制御手段220により、操作されたストップスイッチ50に対応するリール62の停止位置を決定する処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定されるものである。そして、次のステップ136に進む。
【0213】
ステップ136において、停止制御手段220により、決定した停止位置で当該リール62の回転停止が行われる。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、全てのリール62が回転を停止したか否かが判定される。全てのリール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ138に進み、全てのリール62が回転を停止していない、すなわち回転中のリール62が残っていると判定された場合、ステップ134に戻る。
【0214】
ステップ138において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段230及び遊技媒体払出制御手段240により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
なお、このフローチャートは一般的な遊技の流れであって、初期化動作は含まれていないが、所定の演出ステージにおいて、最終遊技である場合には、初期化動作がステップ131の後に実施されることになる。
【0215】
図19に示すフローチャートに基づいて、可動役物511の初期化動作処理について説明する。
先ず、ステップ210において、可動板512の現在位置が原点位置でないか否かが判定される。可動板512の現在位置が原点位置でないと判定された場合、次のステップ211に進み、原点位置であると判定された場合、ステップ212に進む。
なお、ステップ210における「原点位置でないか否かの判定」は、後述するステップ219の「原点位置に到達したか否かの判定」の方法と同様な方法(例えば下限位置センサ531からの検知信号と上限位置センサ532からの検知信号との少なくともいずれかの検知信号が「OFF状態である」ときには原点位置ではないと判定する)を用いることができる。
【0216】
ステップ211において、役物駆動制御手段430により原点復帰処理が行われる。これは、演出ステージによっては、前回の液晶表示器510の最終位置が原点位置で終了とならずに、+15度や、−15度程度、傾動した状態で終了している場合もあるためである。このときは、原点案内機構600を用いずに原点位置として予想される位置までステッピングモータとしての回転駆動モータ520を作動させるものである。なお、このときにも、原点案内機構600を用いて、可動板512を正確な原点位置に修正してもよい。そして、次のステップ212に進む。
【0217】
ステップ212において、役物駆動制御手段430により、ステッピングモータ65を1ステップずつ回転させて可動板512を上限位置の方向へ回転させる。ステッピングモータ65を回転している間のステップ数がカウントされる。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、位置検出センサ530の上限位置センサ532に第3被検知片616が入り込むことより、上限位置センサ532からの検知信号がOFF状態からON状態に検知したか否かが判定される。検知したと判定された場合、可動板512の回転を停止させるとともに次のステップ214に進み、検知していないと判定された場合、ステップ212に戻る。
【0218】
ステップ214において、回転駆動モータ520としてのステッピングモータのデータに関して上限位置における所定の初期化処理(例えば上限位置に対応するステップ数が調整される処理)が行われる。そして、次のステップ215に進む。
ステップ215において、役物駆動制御手段430により、ステッピングモータ65の回転方向を反転させて可動板512を下限位置の方向へ回転させる。ステッピングモータ65を回転している間のステップ数がカウントされる。そして、次のステップ216に進む。
【0219】
ステップ216において、位置検出センサ530の下限位置センサ531に第2被検知片614が入り込むことより、下限位置センサ531からの検知信号がOFF状態からON状態に検知したか否かが判定される。検知したと判定された場合、可動板512の回転を停止させるとともに次のステップ217に進み、検知していないと判定された場合、ステップ215に戻る。
ステップ217において、回転駆動モータ520としてのステッピングモータのデータに関して下限位置における所定の初期化処理(例えば下限位置に対応するステップ数が調整される処理)が行われる。そして、次のステップ218に進む。
【0220】
ステップ218において、役物駆動制御手段430により可動板512を原点位置の方向へ回転させる。そして、次のステップ219に進む。
ステップ219において、役物駆動制御手段430により回転させた可動板512が原点位置に到達したか否かが判定される。可動板512が原点位置に到達したと判定された場合には次のステップ220へ進み、原点位置に到達していないと判定された場合にはステップ218に戻る。
【0221】
ここで、「原点位置に到達したか否か」の判定方法としては、例えば、下限位置から原点位置までの移動に要するステップ数だけ回転駆動モータ520を回転させたか否かを判定する方法がある。
或いは、例えば、位置検出センサ530の上限位置センサ532に第4被検知片618が入り込むとともに位置検出センサ530の下限位置センサ531に第1被検知片612が入り込むことにより、下限位置センサ531からの検知信号と上限位置センサ532からの検知信号がOFF状態からON状態を検知したか否かを判定する方法がある。
つまり、上限位置と下限位置とはセンサ検知によるものとし、原点位置への移動はステップ数によるものでもよい。
【0222】
ステップ220において、役物駆動制御手段430により原点案内機構600の作動が行われる。具体的には、係合体640が移動し、係合突部514が係合部642のV字状内部に押し込まれ、可動板512の原点位置の補正が行われる。そして、次のステップ221に進む。
ステップ221において、回転駆動モータ520としてのステッピングモータのデータに基づいて原点位置における初期化処理(例えば原点位置に対応するステップ数が調整される処理)が行われる。そして、当該処理が終了する。
なお、本実施の形態では、回転駆動モータ520としてのステッピングモータの制御におけるステップ数により把握される上限位置および下限位置と同様に、原点位置における初期化処理が行われる。しかし、上限位置および下限位置とは異なり、原点位置は物理的かつ強制的に位置が調整可能であるため、原点位置における初期化処理(ステップS221)は省略することも可能である。
本実施の形態によれば、上述したような構成を有することにより、以下に示すような作用及び効果を奏する。
【0223】
本実施の形態によれば、可動役物511が作動する初期化動作は、複数の演出ステージA、B、Cの間を移行する場合に実施される。複数の演出ステージA,B、Cの間を移行する場合に可動役物511が作動することで、この可動役物511の作動を、可動役物511の原点位置を設定するための初期化動作としてではなく、複数の演出ステージA,B,C間を移行する場合に実施される演出の一環として遊技者に認識させることができる。
【0224】
仮に、この初期化動作が、遊技に直接には関係ない動作であるということが認識され、この初期化動作に時間がかかって遊技進行が止められている状況が発生すると遊技者は遊技進行が遅れることに苛立ちを感じることになる。初期化動作を演出ステージ間を移行する場合の演出の一環として見せることで、可動役物511の作動である初期化動作に対して、そのような苛立ちを与えず、好奇心を持たせることができ、興趣を維持することができる。
【0225】
本実施の形態では、初期化動作と、複数の演出ステージの中の所定の演出ステージで展開される演出の一部の内容の変化のタイミングとが同期する。具体的には、全ての演出ステージで共通する「ステージ移行演出」を開始するとともに、初期化動作が実行される。このステージ移行演出は、メイン液晶表示装置84の回転可能な液晶表示器510の液晶画面に、演出ステージに対応する背景の一部が円形に歪んで、特殊な空間への入口が開放され、この入口へ、全演出ステージで共通して登場するキャラクタX、キャラクタYが吸い込まれる映像が流れるものである。
【0226】
これにより、初期化動作とステージ移行演出との間に関連性を持たせることができ、初期化動作が所定の演出ステージで展開される演出の一環であることをより強く認識させることができる。
【0227】
本実施の形態では、所定の演出ステージA,B,Cで実行される可動役物511の演出である可動役物演出により可動役物511の作動が実行され、この可動役物511の作動により初期化動作が実行されることで、初期化動作を所定の演出ステージで展開される演出の一環(一部)として認識させることができる。
【0228】
本実施の形態では、初期化動作では、液晶表示器510に各演出ステージ固有の背景画像を表示させる。例えば、演出ステージAでは、a地方の風景となるような背景画像を表示させ、演出ステージBでは、b地方の風景となるような背景画像を表示させ、演出ステージCでは、c地方の風景となるような背景画像を表示させていることで、各演出ステージ毎の異なる演出態様を認識させることができる。
【0229】
また、初期化動作では、液晶表示器510に全ての演出ステージに共通であって各演出ステージ間を移行する際の上述したような「ステージ移行演出」としての移行演出画像を表示させることにより、現在の演出ステージから別の演出ステージへ移行することを可動役物511の作動に加え、より強く認識させることができる。
【0230】
このように初期化動作では、各演出ステージ固有の背景画像と、各演出ステージ共通のステージ移行演出としての移行演出画像とを表示させることにより、可動役物511の作動と、液晶表示器510の画像内容とが、演出ステージに絡んで関連性を有したものとなり、効果的な演出を実行することができる。
【0231】
本実施の形態では、初期化動作が複数の演出ステージA,B,C間を移行する前の予め定められたタイミング、具体的には、各演出ステージの終了遊技の所定タイミングで開始される。具体的には、例えば演出ステージBでは、当該ステージの遊技期間である遊技回数50回の遊技の最後の遊技である50回目の遊技の所定タイミングで開始される。これにより、当該タイミングにおいて期待感を持たせることができ、期待感を向上させ、興趣を向上させることができる。
【0232】
本実施の形態では、初期化動作が各演出ステージで行われる最後の遊技のスタートスイッチ40の操作タイミングで開始されることにより、当該最後の遊技のスタートスイッチ40の操作タイミングにおいて期待感を持ってスタートスイッチ40を操作することができ、期待感を向上させ、興趣を向上させることができる。
【0233】
本実施の形態では、特定状態としてのRT状態において、所定の遊技回数の実行によりRT状態の終了条件が成立するときに初期化動作が開始される。具体的には、演出ステージAはRT1状態であり、このRT1状態の終了条件である遊技回数50回を経過するときに初期化動作が開始される。また、演出ステージBはRT2状態であり、このRT2状態の終了条件である遊技回数50回を経過するときに初期化動作が開始される。また、演出ステージCはRT3状態であり、このRT3状態の終了条件である遊技回数30回を経過するときに初期化動作が開始される。これにより、RT状態における終了条件に到達したことを可動役物511の作動による初期化動作により明確に遊技者へ報知することができる。また、この初期化動作をRT状態の終了の報知演出として見せることができる。
【0234】
本実施の形態では、液晶表示器510自体を回転させ、この回転している液晶表示器510の画面に、所定の画像が表示されることで、固定された液晶表示器510の画像と比べて、遊技者に強烈な印象やインパクトを与えることができる。さらに、可動役物511の作動と、液晶表示器510の画面による所定の画像とを連動させた場合には、演出を効果的なものにすることができる。
【0235】
本実施の形態では、可動役物511が原点位置から第1の作動位置としての上限位置へ移動し、さらに、第1の作動位置としての上限位置から第2の作動位置としての下限位置へ移動することで一連の初期化動作が行われる。これにより、より一層、初期化動作を演出の一部として遊技者に対して見せることができる。
【0236】
本実施の形態では、メイン液晶表示装置84の初期化動作として、遊技機10内部で設定されている回転作動の上限位置と下限位置とを補正するため、作動範囲内の上限位置又は下限位置へ液晶表示器510を回転させている。このように、単に、原点位置まで戻すだけでなく、作動可能な範囲一杯に液晶表示器510を回転させるため、一定の時間(例えば3秒程度)を要する。この初期化動作が瞬間的な動き(例えば0.5秒程度)であれば、遊技者は気にならないかもしれないが、このように、ある程度の時間を要するため、仮に初期化動作が演出のように見えずに、突然、今回の様な動きを行うと、遊技者は気になってしまい、最悪、何らかの予兆ではないかと誤解を与える恐れがある。つまり、言い換えると、本実施の形態では、メイン液晶表示装置84の初期化動作を、演出ステージで展開される演出の一種として受け止められるようにしているため、当該初期化動作として、ある程度の時間を要する動きをさせても支障はない。これにより、初期化動作として安定したある程度の時間を確保した上で、作動範囲内の上限位置又は下限位置の調整を行うことができる。
【0237】
本実施の形態では、可動役物演出として液晶表示器510を回動させる動作を実行させるため、回動可能に設けられた可動板512に液晶表示器510を取り付けているが、これに限らず、演出として液晶表示器510を回動させない場合には、液晶表示器510を所定の取付部材を介して固定しておいてもよい。このように固定式の液晶表示器510であっても、前記初期化動作中にあっては、液晶表示器510を回動させる場合と同様に、演出ステージに対応する背景画像やステージ移行演出を実行する。
【0238】
本実施の形態に係る遊技機10は、「所定の作動範囲内で作動可能な可動役物511」を備えるものである。この可動役物511としては、本実施の形態のように液晶表示器510を可動役物511の一部と見なして液晶表示器510を回転させる構成を採用することができる。これ以外にも、本実施の形態では、例えば剣、扉、人形などの所定の造形物を可動役物511と見なし、当該造形物を所定の範囲内で回転や移動させる(例えば水平方向、垂直方向、斜め方向への移動させる)とともに、液晶表示器510を可動役物511とは見なさずに固定式の液晶表示器510として演出に利用する構成とすることも可能である。
このような場合には、前記初期化動作中にあっては、回動式の液晶表示器510と同様に、演出ステージに対応する背景画像やステージ移行演出としての移行演出画像を表示する。
本実施の形態では、液晶表示器510を備えず、単に前記造形物のみを可動役物511として見なして、前記造形物を所定の作動範囲内で回転又は移動させる(例えば水平方向、垂直方向、斜め方向への移動させる)構成とすることも可能である。
【0239】
本実施の形態は、「可動役物511を作動させるための可動役物駆動手段521」を備えるものである。この可動役物駆動手段521としては、本実施の形態のようにステッピングモータを用いることが好適であるが、これ以外にも、DCモータなどの各種モータを用いることが可能である。
【0240】
本実施の形態では、上限位置センサ532と下限位置センサ531とにより原点位置の到達を判定しているが、これに限らず、上限位置センサ532と下限位置センサ531とは別に原点位置を検知可能な原点位置センサを設け、この原点位置センサによる検知信号に基づいて判定してもよい。