特許第6333927号(P6333927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333927
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ
(51)【国際特許分類】
   H02S 20/32 20140101AFI20180521BHJP
   F24S 50/20 20180101ALI20180521BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20180521BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20180521BHJP
【FI】
   H02S20/32
   F24J2/38
   H02S20/10 Q
   H02S40/22
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-228423(P2016-228423)
(22)【出願日】2016年11月24日
(62)【分割の表示】特願2014-549032(P2014-549032)の分割
【原出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2017-79593(P2017-79593A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】13/333,964
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バートン、ニコラス
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−513654(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0048497(KR,A)
【文献】 実公昭45−026484(JP,Y1)
【文献】 実開平02−090419(JP,U)
【文献】 実開昭62−035114(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24S10/00−90/10
F16C17/00−17/26,33/00−33/28
H02S20/10,20/32,40/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光起電デバイスと、
ピボット軸のまわりで旋回可能であるように前記複数の光起電デバイスを支持する支持アセンブリと
を備え、
前記支持アセンブリは、
前記ピボット軸のまわりで旋回可能であり、前記複数の光起電デバイスを支持するトルクチューブと、
ベアリング支持面を有するベアリングハウジングと、
前記ベアリング支持面の上方に配置され、前記トルクチューブの外側表面と滑り接触状態にある低摩擦表面を有するベアリング部材と
を備え、
前記ベアリングハウジングは、前記ベアリング部材の第1端部と係合する第1コネクタ部と、前記ベアリング部材の第2端部と係合する第2コネクタ部とを含み、
前記ベアリング部材は、変形可能なプラスチックを含み、
前記第1コネクタ部が前記第1端部と係合し、前記第2コネクタ部が前記第2端部と係合し、かつ前記トルクチューブが前記ベアリング部材上に下される前の状態で、前記ベアリング部材は、前記ベアリング支持面と接触しない長さを有する、
太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項2】
複数の光起電デバイスと、
ピボット軸まわりで旋回可能であるように前記複数の光起電デバイスを支持する支持アセンブリと
を備え、
前記支持アセンブリは、
前記ピボット軸のまわりで旋回可能であり、前記複数の光起電デバイスを支持するトルクチューブと、
ベアリング支持面を有するベアリングハウジングと、
前記ベアリング支持面の上方に配置され、前記トルクチューブの外側表面と滑り接触状態にある低摩擦表面を有するベアリング部材と、
前記ベアリング部材および前記ベアリングハウジングと連結する工具を必要としない連結部と
を備え、
前記工具を必要としない連結部は、前記ベアリングハウジング内の第1開口部及び第2開口部と、前記第1開口部内で突出する第1留め具と、前記第2開口部内で突出する第2留め具と、前記第1開口部を貫通して延び、前記第1留め具と係合する前記ベアリング部材の第1端部と、前記第2開口部を貫通して延び、前記第2留め具と係合する前記ベアリング部材の第2端部とを含み、
前記ベアリング部材は、変形可能なプラスチックを含み、
前記ベアリング部材が前記工具を必要としない連結部を介して前記ベアリングハウジングと連結され、かつ前記トルクチューブが前記ベアリング部材上に下される前の状態で、前記ベアリング部材は、前記ベアリング支持面と接触しない長さを有する、太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項3】
前記ベアリング部材は、超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1または2に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項4】
前記ベアリング部材は、第1端部および第2端部のそれぞれから延びる第1突起部および第2突起部を有する、請求項1からの何れか1つに記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項5】
前記第1端部が、前記第1突起部の長手方向軸を横切って所定の角度をなして延在する肩部を含む、請求項に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項6】
支持表面の上方の位置において前記ベアリングハウジングを支持する支柱をさらに備える、請求項1からの何れか1つに記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項7】
前記第1コネクタ部は、前記ベアリング部材の前記第1端部に係合して前記ベアリング部材の少なくとも第1の方向の動きに抵抗するように構成され、請求項に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項8】
複数の光起電デバイスと、
ピボット軸まわりで旋回可能であるように前記複数の光起電デバイスを支持する支持アセンブリと
を備え、
前記支持アセンブリは、
前記複数の光起電デバイスを支持する少なくとも第1ピボットと、
ピボット軸まわりで旋回可能であるように前記第1ピボットを支持する少なくとも第1ベアリングと、
支持表面の上方の位置において前記第1ベアリングを支持する少なくとも1つの支柱と
を有し、
前記第1ベアリングは、前記第1ピボットの少なくとも一部分のまわりに延びる少なくとも第1低摩擦部材と、ベアリング支持面を有するベアリングハウジングとを含み、
前記ベアリングハウジングは、前記第1低摩擦部材の第1端部と係合する第1コネクタ部と、前記第1低摩擦部材の第2端部と係合する第2コネクタ部とを含み、
前記第1低摩擦部材は、変形可能なプラスチックを含み、
前記第1コネクタ部が前記第1端部と係合し、前記第2コネクタ部が前記第2端部と係合し、かつ前記第1ピボットが前記第1低摩擦部材上に下される前の状態で、前記第1低摩擦部材は、前記ベアリング支持面と接触しない長さを有する、
太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【請求項9】
前記ベアリング支持面は、凸状表面を有するクラウン構造部を含む、請求項1から8の何れか1つに記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される特徴の実施形態は、概して、太陽エネルギー集光デバイスの支持体を備える太陽エネルギーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
より大きい太陽集光器設備は、通常、太陽集光器デバイスのアレイを含んでいる。かかるシステムは、光起電モジュール、太陽熱集熱デバイス、並びに、太陽エネルギーを光起電デバイス又は太陽熱集熱デバイス上に集中させるための集光装置とともに使用することができる。
【0003】
これらの太陽集光器設備のいくつかは、太陽が天空を横切って移動するのに従って、太陽を追尾するように集光器デバイスの位置を自動的に調節するためのハードウェアを含む。この追尾移動は、多くの異なる方法で達成することができる。いくつかのシステムは、集光器デバイスが単一軸のまわりを旋回する、単一軸の追尾システムを使用する。かかる単一軸タイプの追尾システムは、単一のピボット軸を画定する駆動シャフト又は「トルクチューブ」を含むことが多い。
【0004】
更に、これらのシステムのうちのいくつかでは、トルクチューブは、太陽集光器デバイスを支持することと、太陽集光デバイスの位置を調節するために使用されるトルクを伝達することとの両方に使用することができる。トルクチューブの旋回動作に抵抗し得る摩擦を低減するために、いくつかのシステムが、トルクチューブを地面より上で支持して、ピボット軸のまわりで旋回可能とするベアリングを含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トルクチューブは軸のまわりの限定された回転範囲内で旋回するので、かかる応用には従来のローラーベアリングは必要ない。それどころか、ローラーベアリングは不必要に大きな費用を提示するであろう。したがって、いくつかの太陽追尾式の太陽光システムが他のタイプのベアリングを備えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する発明のうちの少なくとも1つの態様が、従来のローラーベアリングと比べてより低価格で、機械的により単純なベアリングを使用することにより、太陽追尾式の太陽集光システムを構成するための費用を低減できるという認識を含んでいる。例えば、いくつかの太陽光システムが、垂直配置を基準として各辺を約30〜60°だけの可動域で太陽集光デバイスを旋回させるように設計されている。更に、いくつかの設計では、トルクチューブ用のベアリング支持体を、トルクチューブに直接連結される他の装置のマウント間に配設できる。かかる装置は、典型的なローラーベアリング設備の据付けを通常妨げるであろう。したがって、ベアリングが、工場であらかじめ取り付けてもよい太陽集光器デバイス用のマウントなどの、トルクチューブに連結される他の構成要素間の位置においてトルクチューブと結合できるようなものであれば、かかる太陽光システムを据付けるのに必要な労力の低減に役立ち得る。
【0007】
したがって、本明細書で開示する実施形態のうちの少なくとも1つによれば、太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイを、複数の光起電デバイスで構成することができる。支持アセンブリが、ピボット軸のまわりで旋回可能であるように光起電デバイスを支持できる。支持アセンブリは、複数の光起電モジュールを支持する少なくとも第1のピボットと、ピボット軸のまわりで旋回可能であるように第1のピボットを支持する少なくとも第1のベアリングと、支持表面の上方においてベアリングを支持する少なくとも1つの支柱と、を有することができる。ベアリングは、第1のピボットのまわりの少なくとも約100度の第1の円弧の周囲に延在している少なくとも第1の低摩擦部材を含むことができ、第1の低摩擦部材は第1の端部と、第2の端部と、中央部と、を含み、第1のピボットの少なくとも一部が第1の端部と第2の端部との間を通過することができる程度に十分に第1の端部及び第2の端部は離間している。
【0008】
他の実施形態によれば、太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイを組み立てる方法が、第1のベアリングハウジングを地面より上の位置に取り付ける段階と、第1のベアリング部材を第1のベアリングハウジングの中に挿入する段階であって、第1のベアリング部材の第1の末端部及び第2の末端部が離間した状態になって第1のベアリング部材が下向きに垂れ下がることにより、上向きの咬合部を有するようになる、段階と、トルクチューブを下ろす段階であって、トルクチューブの一部が第1のベアリング部材の第1の末端部と第2の末端部との間を通過して、第1のベアリング部材の咬合部上を通るようになる、段階とを備えることができる。第1のベアリング部材は低摩擦をトルクチューブの外側表面に提供することができ、それにより、トルクチューブは第1のベアリング部材に対して旋回できるようになり、トルクチューブは複数の光起電デバイスを支持する。
【0009】
この概要は、以下の詳細な説明において更に説明される概念のいくつかを、単純な形で紹介するために提供するものである。この概要は、特許請求対象の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、また特許請求対象の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。
【0010】
本主題のより完全な理解は、発明を実施するための形態、及び特許請求の範囲を、以下の図面と併せて考察し、参照することによって導き出すことができ、図面全体を通して同様の参照番号は類似の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る太陽集光器システムの略平面図。
【0012】
図2】様々な電気的な構成要素を有する任意選択的な集光器システムの電気接続を図示する、図1に例示したシステムの概略図。
【0013】
図3図1の太陽集光システムの斜視図であり、実施形態に係る、追尾駆動システムと、地面に取り付けて複数のベアリングアセンブリを用いて複数のトルクチューブを支持する複数の杭と、を示す図。
【0014】
図4図3のベアリングアセンブリもまた使用できる集中光起電太陽追尾アセンブリの略側面図。
【0015】
図5】杭に対する任意選択的な設計により支持される図3に示すベアリングアセンブリの実施形態の斜視図。
【0016】
図6図5に示すベアリングアセンブリの分解図。
【0017】
図7図6に示すアセンブリのベアリング部材の拡大斜視図。
【0018】
図8図6に示すベアリングアセンブリのベアリングハウジングの拡大斜視図。
【0019】
図9図8に示すベアリングハウジングの正面図。
【0020】
図10】支柱により支持されたベアリングアセンブリの他の実施形態の斜視図。
【0021】
図11図10に示すベアリングアセンブリの分解図。
【0022】
図12図11に示すベアリングハウジングの側面図。
【0023】
図13】中にベアリング部材を取り付けた状態の、図10に示すベアリングアセンブリの正面図。
【0024】
図14】下部と、対向する軸方向にずらした上部と、を有するベアリングアセンブリの別の実施形態の分解斜視図。
【0025】
図15図14のベアリングアセンブリの側面図。
【0026】
図16】2つの部分からなるハウジングと、安全ストラップと、を有するベアリングアセンブリの更に別の実施形態の斜視図。
【0027】
図17図16の実施形態の分解斜視図。
【0028】
図18図16及び図17に示す2つの部分からなるハウジングのうちの一方の部分の拡大斜視図。
【0029】
図19図16のベアリングアセンブリの正面図であり、安全ストラップを取り除いた状態を示す図。
【0030】
図20図18に示すハウジングの部分の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の発明を実施するための形態は、本質的には、単なる例示に過ぎず、本主題の実施形態、又はそのような実施形態の応用及び用途を限定することを意図するものではない。本明細書に用いられている「例示的」という語は、「実施例、実例、又は例証として供する」ことを意味する。本明細書において例示的として記載されているあらゆる実装が必ずしも他の実装よりも好ましい又は有利な実装として解釈されるべきとは限らない。更には、先行の(proceeding)技術分野、背景技術、概要、又は以下の発明を実施するための形態で提示される、任意の明示又は暗示された理論によっても、拘束されることを意図するものではない。
【0032】
「結合された」−以下の説明では、構成要素又はノード又は機構が一緒に「結合される」ことについて言及する。本明細書で使用する場合、明示的に別段の定めがある場合を除き、「結合された」は、ある素子/ノード/機構が、別の素子/ノード/機構に直接的若しくは間接的に接合される(又は直接的若しくは間接的にこれらと連通する)ことを意味する。
【0033】
「抑制する」−本明細書で使用する場合、抑制する、は影響の低減又は最小化を表すために用いる。構成要素又は機構が、作用、動作、又は状況の抑制と記載される場合、これらの構成要素又は機構は完全に、結果、又は効果、又は将来の状態が起こらないように完全に阻止してよい。更に、「抑制する」はまた、そうでなければ発生したであろう結果、性能、及び/又は影響を低減する又は減少させることにも言及し得る。したがって、構成要素、素子、又は機構について結果若しくは状態を抑制すると述べる場合、これらの構成要素、素子、又は機構は必ずしも結果若しくは状態を完全に阻止したり、排除したりするものではない。
【0034】
「工具を必要としない連結」−以下の説明では、装置又は機構を「工具を必要としない連結」を用いて連結することについて言及する。本明細書で使用する場合、明示的に別段の定めがある場合を除き、「工具を必要としない連結」は、接合状態を達成するのに、及び必要に応じて接合状態から分離されるのに、いかなる工具も、又は他の個別の部品もなしに人間が操作できる仕組みを用いて、ある素子/ノード/機構が、別の素子/ノード/機構に直接的若しくは間接的に接合される(又は直接的若しくは間接的にこれらと連通する)ことを意味する。
【0035】
また更に、一部の用語は、参照目的のためだけに以下の説明に用いることがあり、したがって、制限的であることを意図しない。例えば、「上側」、「下側」、「上方」、及び「下方」などの用語は、参照している図における方向を示す。「前側」、「後側」、「背面」、及び「側面」などの用語は、議論の下で構成要素について記載する本文及び関連図面の参照によって明らかにされる、一貫性があるが恣意的な基準枠内で、構成要素の部分の向き及び/又は位置を記述する。かかる用語は、特に上述した語、それらの派生語、及び類似の意味の語を含んでよい。同様に、用語「第1の」、「第2の」、及び構造について言及する他のかかる数値的用語は、明確に文脈で示されない限り、順序又は序列を意味しない。
【0036】
本明細書に開示される本発明は、光起電アレイ及び光起電モジュールの文脈で記載される。しかしながら、これらの発明は、集中PVシステム、太陽熱システム等の他の文脈でも同様に使用することができる。
【0037】
後述する説明では、太陽を追尾する目的のために旋回可能に調節できるように支持された複数の太陽集光モジュールにより構成されるものとして、太陽エネルギー集光システム10を説明する。複数のモジュールのそれぞれは、複数の太陽集光デバイスを支持する、並びにこれらの様々な太陽集光デバイスを互いに及び他のモジュールに接続するための配線を支持する、支持部材を含むことができる。太陽エネルギー集システム10はまた、かかるシステムの据付けに付随する労力、ハードウェア、又は他の費用を低減するための装置も含むことができる。例えば、集光システム又はかかるシステム内に含まれるモジュールは、かかるベアリングの製造費用を低減するとともに、据付け場所での関連する構成要素の据付けを簡略化するように設計された1つ以上の様々な機構を含むベアリングアセンブリを用いて地面より上で支持できる。
【0038】
図1は、複数の太陽集光モジュール12を含む太陽集光器アレイ11を含む太陽集光システム10を図示する。太陽集光モジュール12のそれぞれは、駆動シャフト又はトルクチューブ16によって支持される複数の太陽集光デバイス14を含むことができる。トルクチューブ16のそれぞれは、支持アセンブリ18によって地面より上で支持される。支持アセンブリ18のそれぞれは、図5図18を参照して詳細に後述する杭及びベアリングアセンブリ20を含むことができる。
【0039】
引き続き図1を参照すると、システム10は、トルクチューブ16に連結されており、トルクチューブ16を旋回させて、集光器デバイス14に太陽の動きを追尾させるように構成された追尾駆動装置30もまた含むことができる。図示の実施形態では、2011年7月5日に出願された米国特許出願第13/176,276号に詳述してあるように、トルクチューブ16は、ほぼ水平に配置されており、モジュール12は端と端とを接した配置で互いに連結されており、当該特許出願の全内容は参照することにより明示的に本明細書に組み込まれている。しかしながら、本明細書に記載される発明は、他のタイプの配置でも使用することができる。例えば、システム10は、トルクチューブ16が水平に対して傾斜したように配置された複数のモジュール12を含むことができ、この場合、米国特許公報第2008/0245360号に図示及び開示される配置などのように、トルクチューブ16は端と端とを連結した形にはなっていない。そのような使用状況を考慮して、米国特許公報第2008/0245360号の図6の参照番号40で示され、段落[0033]に記載されるベアリングと、図8の参照番号72で示され、段落[0037]に記載されるベアリングと、の代わりに、ベアリングアセンブリ20を使用することができる。米国特許公報第2008/0245360号の、ベアリング40及び72の図及び記述を含む全内容は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。
【0040】
トルクチューブ16が水平に配置され、モジュール12が端と端とを連結した形の実施形態では、米国特許公報第2010/0139646号の図2の支持体16の頂部に取り付けられたベアリングの代わりに、ベアリングアセンブリ20を使用することができる。更に、駆動システム30は、米国特許公報第2010/0139646号の傾斜アセンブリ50について開示される様態で構築及び操作することができる。米国特許公報第2010/0139646号の全内容は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる。
【0041】
更に、太陽集光デバイス14は、光起電パネル、太陽熱集熱デバイス、集中光起電デバイス、又は集中太陽熱集熱デバイスの形態とすることができる。図示した実施形態では、太陽集光デバイス14は、光起電パネルの形態である。
【0042】
図2を参照すると、太陽集光システム10は、アレイ11に接続された電気システム40を更に含むことができる。例えば、電気システム40は、電源ライン44により遠隔の接続デバイス42に接続された電源としてアレイ11を含むことができる。電気システム40はまた、外部電力源、メーター、主遮断器を有する電気パネル、ジャンクション、電気負荷、及び/又は外部電力源モニターを有するインバーターを含むことができる。電気システム40は、米国特許公報第2010/0071744号(その全内容は、参照することにより本明細書に明示的に組み込まれる)に示される説明に基づいて構成及び操作することができる。
【0043】
図3は、1つ以外のすべての太陽集光デバイス14を除去したアレイ11を図示する。図3に示すように、支持アセンブリ18のそれぞれは、杭22の上端部において支持されるベアリング20を含んでいる。トルクチューブ16は、任意の長さとすることができ、かつ1つ以上の部品で形成することができる。杭22の杭同士の間隔は、支持構造物18間のトルクチューブ16のたわみ、風荷重、及び他の要因の所望の制限に基づいて決定することができる。
【0044】
傾斜駆動部30は、駆動ストラット32が軸方向にその長さに沿って移動するとトルクチューブ16を旋回させるようにトルクチューブ16と結合された、駆動ストラット32を含むことができる。駆動ストラット32は、トルクアームアセンブリ34でトルクチューブ16と連結できる。例示した実施形態では、トルクアームアセンブリ34は、トルクチューブ16のそれぞれの端部に配設される。更に、アレイ11は、杭22のうちの1つ以上によって、又は他の手段によって支持される電気配線トレイ60を含むことができる。
【0045】
上述のように、及び図4を参照すると、アレイ11は、複数の太陽追尾式の集中光起電配置の形態とすることができる。例えば、図4に示すように、集中光起電太陽光アセンブリ100が、横ばり104及びトルクチューブ16を支持する杭102を含むことができる。横ばり104は、横ばり104により支持された集中要素120、140の第1の群及び第2の群を支持する。
【0046】
図示の実施形態では、集中要素120の1つの群は1つの方向を向いており、集中要素140の第2の群は反対方向を向くように設置されており、それらの間の切り替えはトルクチューブ106において行われる。支柱102は、太陽集光装置アセンブリ100を支持する単一の柱又は数個のうちの1つであり得る。
【0047】
コネクタ150が、横ばり104に対して集光装置要素120、140を支持している。更に、集光装置要素120、140の裏面に光起電集光器132、134、152、154を取り付けることができる。この構造では、集光装置要素120、140のそれぞれは、帯状の集中光を、光起電ユニット132、134、152、154上に集束させるように構成されている。太陽追尾駆動システムがトルクチューブ16を駆動して、ピボット軸Aのまわりで旋回させることができる。ベアリング20に使用する集中光起電環境の必要に応じて設けられる構造に関する更なる詳細は、2010年12月22日に出願された米国特許出願第12/977,006号に記述されており、当該特許出願の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0048】
図5を参照すると、図1図4を参照して上述した支柱102上にベアリング20を直接支持できる。必要に応じて、必要に応じて設けられるベアリング支持体202上にベアリング20を支持できる。
【0049】
図5に示すように、ベアリング支持体202は、図3及び図4に示す支柱102のような円筒支柱への確実な連結を提供するように構成できる下端部204を含むことができる。かかる実施形態では、下部204は、円筒支柱102の上端部の周囲に延在するように構成された複数の取り付け板206を含んでいる。板206を支柱102の上端部に取り付けるのに留め具(図示せず)を使用できる。
【0050】
支持体202はまた、上端部208を含んでいる。下部204と上部208との間に取り付け板210を配設できる。取り付け板210は、例えば、溶接などであるがこれに限らない、任意の望ましい手段を用いて板206にしっかりと連結できる。
【0051】
上部208はまた、取り付け板210にも連結されている。いくつかの実施形態では、上部208が、一緒に連結されて、ほぼ垂直に延びる支持構造を形成する4枚の板212で形成された箱形はり構造を含んでいる。しかしながら、他の構造も使用することができる。
【0052】
上部208の下端部は、ガセット板214を用いて取り付け板210に更に固定できる。上部208の上端部はベアリング20に固定される。
【0053】
図6を参照すると、上部208の上端部220を、ベアリング20の下部表面の形を補完する形にすることができる。かかる補完的な形を有するか、又は異なる形を有するかにかかわらず、溶接又は他の任意の係合方法により上端部220をベアリング20に固定できる。更に、上部208は、安全ストラップ321(図10)を固定するためにボルトなどの留め具を受け入れるように構成できる開口部221を含むことができる。
【0054】
図6図8に示すように、ベアリング20は、ハウジング250及びベアリング部材252を含むことができる。いくつかの構成では、必要に応じて、ベアリング部材252がハウジング250内にあって、例えば、工具を必要としない連結などを用いてベアリング部材252をハウジング250の中に実質的に「閉じ込める」ようにベアリング20を構成できる。
【0055】
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、トルクチューブ16の外側表面に接触して滑るとき低摩擦を提供するように設計されたシート材料からベアリング部材252を作ることができる。上述のように、トルクチューブ16は任意の望ましい材料から作ることができる。いくつかの実施形態では、トルクチューブ16が、溶融めっきを施した亜鉛めっき鋼から形成される。いくつかの実施形態では、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)プラスチック材料からベアリング252を作ることができる。しかしながら、グリースを染み込ませた綿、木、Delrin、ナイロン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、真鍮、ポリスチレン、ポリオキシメチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアミド、又はポリフェニレンオキサイドなどの他の材料もまた使用することができる。
【0056】
引き続き図7を参照すると、いくつかの実施形態では、ベアリング部材252が、第1の幅W1を有するほぼ長方形の構造を有することができ、長手方向軸LAに沿って長手方向に延在していてもよい。図示の実施形態では、ベアリング部材252は、各端部に突起部256とともに肩部254を含んでおり、各端部においてはまた、突起部256は肩部254の間に配設されている。突起部256は、図7に示すように、肩部254を越えて長さL1だけ延在している。
【0057】
ベアリング部材252の全長、突起部256の長さL1、肩部254の寸法、及びベアリング部材252の幅W1は、ハウジング250の対応する構成要素と協働するように選定することができる。例えば、上述のベアリング部材252のパラメーター及び特徴は、ベアリング部材252がハウジング250の中にあって、閉じ込められることができるように選定することができる。
【0058】
例えば、ハウジング250は、ベアリング部材支持表面260及び端部受容部262を含むことができる。端部受容部262の配置及び構造は、肩部254及び突出部256と協働して、使用中、ベアリング部材を動作可能な整列位置に保持するように構成することができる。必要に応じて、ハウジングは開口部264及び端部阻止部266を含むことができる。かかる構造では、開口部264は、肩部254用の阻止部を画定する外側端部270を含むことができる。更に、端部阻止部266は、突起部256の末端部用の阻止部を画定することができる。更に、端部阻止部266の位置は、突起部256の末端部とごく接近した間隔になるか、又は接触することになるように配設できる。
【0059】
例えば、図9に示すように、ベアリング部材252は、ハウジング250内に取り付けるとき、ハウジング250の支持表面260にもたせかけることができる。ベアリング部材252の端部のそれぞれは、突起部256の末端部が阻止部266にごく接近するか、又は接触するように開口部264の中を通って延在することができる。更に、肩部254は、開口部264の外側縁端部に形成された阻止部270にもたせかけることができる。この構造では、ベアリング部材252をハウジング250の中に「閉じ込める」ことができ、それにより、ベアリング部材252をハウジング250から外に出す恐れがある動きに抵抗する。更に、ベアリング部材252は、いかなる工具もなしにハウジングに取り付けることができる。したがって、ベアリング部材252とハウジング250との間の連結は、工具を必要としない連結と見なすことができる。
【0060】
ハウジング及びベアリング部材252の寸法は、ベアリング部材252の内部表面がトルクチューブ16の外半径R2に近いか、ほとんど同じか、又はわずかに大きい曲率半径R1に沿うように構成することができる。したがって、トルクチューブ16は、トルクチューブ16の外側表面がベアリング部材252の内部表面に接触して滑るように、トルクチューブ16のピボット軸Aのまわりで旋回することができる。
【0061】
図9に示すように、ハウジング250及びベアリング部材252は、約180°の円弧にわたって、半径R1に沿って延在するように構成される。180°の湾曲を過ぎると、ベアリング部材252の末端部はベアリング20の内部から離れる方向に口を広げる。したがって、支柱の上端部に取り付けられたベアリング部材252及びハウジング250を使用すると、トルクチューブ16をベアリング20上に下ろすことができ、ベアリング部材252及びハウジング250を完全に組み立てた状態でトルクチューブ16をベアリング部材252との滑り係合又は滑り接触状態にすることができる。言い換えれば、ベアリング部材252の末端部は、トルクチューブ16の少なくとも一部(例えば、下半分)が末端部の間を通過することができるように位置付けられる。
【0062】
これは、太陽光システムの据付けプロセスにおいて重要な利点を提供できる。例えば、上述のように、溶接及び/又は留め具を用いてトルクチューブ16に取り付けたり、又は固定したりした多くの構成要素と一緒にトルクチューブ16を事前に製造できる。これにより、設備(「工場」)内でのかかるシステムの高精度の取り付け及び製造が可能になり、高精度かつ高速の組み立てをもたらす。システムの製造済みの部分、特に、トルクチューブ16に直接連結された補強材及び支持体と一緒に、トルクチューブ16を、組み立て済みのベアリング20上に下ろすことができる。
【0063】
トルクチューブ16などの円筒形部材の一端上を、通常は滑らせなければならない「ローラーベアリング」として一般に知られている装置を用いた場合、この取り付け方法は実行できない。更に、ベアリング20又はその構成要素のうちのいずれかを交換する必要がある場合、作業の間、トルクチューブ16を、その通常位置の真上で支持できて、ベアリング部材252などの交換部品を取り付けることができる。
【0064】
ベアリング部材252は180°全体にわたってトルクチューブ16の周囲に延在する必要はない。それどころか、いくつかの実施形態では、ハウジング250及びベアリング部材252は、トルクチューブ16の周囲の約100°にわたって曲率半径R1に従うように構成できる。同様に、ハウジング250及びベアリング部材252は、トルクチューブ16の周囲100°〜180°などのトルクチューブ16の外側表面の任意の部分の周囲に延在するように構成できる。
【0065】
図5図9に示す構造では、ベアリング部材252には、張力が少しも発生しない状態で、ほぼ純粋に圧縮力」荷重がかかっている状態で搭載されている。これは、ベアリング部材252の端部がハウジング250に対して固定されていないからである。それどころか、ベアリング部材252の端部はハウジング250に対して、ある程度、動くことができる。
【0066】
図10は、ベアリング20の別の実施形態を示しており、参照番号320により特定される。ベアリング320の構成要素は、ベアリング20の構成要素と類似であるか、又は同じであってもよく、ベアリング20の構成要素を特定するのに使用する参照番号に100を加えることを除き、同じ参照番号で特定される。
【0067】
図10を参照すると、ベアリング320は、ベアリング320から外れるトルクチューブ16の想定外のいかなる動きも防止するように、ベアリング320の上方に延在することができる安全ストラップ321を含むことができる。安全ストラップ321は、例えば、鋼板、アルミニウム、ポリウレタンなどを含むがこれらに限定されない任意の材料で作ることができる。図11図13を参照すると、ベアリング320のハウジング350が、ベアリング部材352の末端部の近くに配設された開口部374と係合するように構成できる留め具372を含むことができる。
【0068】
図13に示すように、ベアリング部材352は、ベアリング20及び図9に関連して上述したのと類似の方法で、ハウジング350に取り付けることができる。しかしながら、この実施形態では、ハウジング350に対してベアリング部材352の末端部を更に固定するために、開口部374は留め具372と整列させることができる。
【0069】
かかる実施形態では、留め具372と開口部374との間の相互作用に起因して、ベアリング部材に追加的に引張荷重をかけることができる。しかしながら、肩部354及び阻止部370などの、ハウジング350上のベアリング部材352の他の対応する構成要素のおかげで、留め具372は、ベアリング部材352をより恒久的に固定するために、リベット、ボルト、又は他のタイプの留め具の形をしている必要はない。それどころか、留め具372は、ベアリング部材352を所定の位置に保持するのに十分なピンの形態とすることができる。
【0070】
更に、使用中、ベアリング部材352にいくらかの引張荷重をかけるのに十分な強度を留め具372に与えてもよい。例えば、開口部374が留め具372と係合する際にベアリング部材352がハウジング350の表面360と接触しないように、ベアリング部材352の長さを十分短くしてもよい。したがって、ベアリング部材352上にトルクチューブ16を下ろすとき、開口部374と留め具372との相互作用と、トルクチューブ16の重さとにより、ベアリング部材352が伸ばされる場合がある。したがって、かかる実施形態での使用中は、ベアリング部材には引張荷重と圧縮荷重の両方がかかり得る。
【0071】
図14は、参照番号420で特定される、ベアリングアセンブリ20の更に別の実施形態を示している。一般に、図14の実施形態は、軸方向にずらして向かい合った構造に配置された、図5図9の実施形態の2組のハウジング250及びベアリング部材252を用いて形成される。したがって、例えば、ベアリング420は、上部480及び下部482から形成でき、これら上部480及び下部482のそれぞれは、後述の追加の構成要素を除き、図5図8の実施形態のハウジング250及びベアリング部材252の組み合わせにより形成できる。したがって、上部480及び下部482の様々な構成要素について、以下に更に記述することは行わない。
【0072】
図15に示す向きでは、ほぼU字形の構造を有する下部482は、上向きの「咬合部」を有している。同様に、上部480は下向きの「咬合部」を有している。更に、この向きは、上部480及び下部482が、それらの各「咬合部」が互いに向かい合っているせいで、軸方向に(軸Aに沿って)ずらして向かい合っていると記述できる。
【0073】
引き続き図14及び図15を参照すると、下部482及び上部480のそれぞれは、側部マウント部材484を含むことができる。側部マウント部材484は、対応するハウジング450と一緒に、堅固に固定されたか、又は一体となって形成された、板の形態とすることができる。いくつかの実施形態では、側部マウント部材484は開口部486を含むことができる。
【0074】
図15を参照すると、いくつかの実施形態では、マウント部材484内の開口部486が互いに整列するように、上部480及び下部482を位置付けることができる。この構造では、上部480及び下部482を互いに固定するために、位置合わせされた開口部484を通じて留め具488を固定することができる。更に、マウント部材484内の開口部486を位置合わせすることができ、ベアリング部材452の内部表面のそれぞれの曲率半径の焦点F。通常、使用中は、ベアリング部材452の内部表面の曲率半径の焦点Fは、トルクチューブ16のピボット軸Aとほぼ整列する。
【0075】
このタイプの構造は、いくつかの据付けにおいて、更なる利益を提供できる。例えば、いくつかの太陽光システムが、風事象(wind events)の際にトルクチューブ16に大きな揚力を発生させる場合がある。持続的な風が、トルクチューブ16に連続した揚圧力を作り出すことがあり、この連続した揚圧力は、トルクチューブ16が、その関連する支柱から持ち上がって外れるのを防止するために、打ち消す必要がある。したがって、ベアリングアセンブリ420の上部480を使用することにより、上部480の関連するベアリング部材452は、低摩擦を提供し続けるとともに、トルクチューブ16の制御された旋回により摩耗し得る。更に、トルクチューブ16を取り付けるとき、下部482上にトルクチューブを下ろすことができ、その後、下部482上に載っているトルクチューブ16に、上部480を取り付けることができる。
【0076】
20mphの水平な東西の風流における風の揚圧力の方が、システムの支柱102が支持する全重量よりも大きい場合には、このタイプの構造が特に有用となり得る。かかる風は、トルクチューブを、それらの各ベアリングから持ち上げるのに十分であり得るため、図10に示す安全ストラップ321などの安全ストラップに接触して構成要素摩耗摩擦(component wear friction)を引き起こす。例えば、ある配置は、「真昼の太陽の角度」の方に旋回され、20mphの水平な風を受けるとき、かなりの揚力を引き起こす場合がある。真昼の太陽の角度の方へ旋回した複数の光起電デバイス14を合わせた重量と、トルクチューブ16及びトルクチューブが支持する他の装置すべての重量とを、20mphの水平方向の横風の下で光起電デバイス14が生成する揚力で割った値で定義される比が、1よりも小さいとき、トルクチューブ16の関連するベアリングからトルクチューブ16を持ち上げ得る正味の揚圧力を表現できる。
【0077】
図4に模式的に示す集中光起電システムなどのいくつかのタイプの太陽光システムは、一般に、大きな揚圧力を引き起こすことはない。例えば、水平方向に向かう持続的な20mphの東西風の下にある図4に示すようなシステムが、支柱102が支持する全重量よりも大きい揚圧力をトルクチューブ16に引き起こさない場合もある。したがって、それらのタイプのシステムは、トルクチューブ16の下側の周囲に延在するベアリング部材がただ1つだけある、図5図13に示す実施形態と関連する部品費の削減により恩恵を受けることができる。必要に応じて、一時的な大きな突風が引き起こす恐れがあるような、関連するベアリングからの想定外のトルクチューブの転位を防止するのに、安全ストラップ321(図10)を使用できる。
【0078】
上述のように、ベアリング部材252、352、452の簡略化された特徴のおかげで、いくつかの実施形態では、これらのベアリング部材を工具なしに各ハウジングに「スナップ式にパチンと留めたり」、又は別の方法で取り付けたりすることができる。したがって、関連するハウジング内にあるベアリング部材は、互いに工具を必要としない連結を形成すると考えることができる。いくつかの実施形態では、約0.318cm(0.125")の厚さを有するシート材料からベアリング部材252、352、452を作ることができる。しかしながら、他の厚さも使用することができる。
【0079】
図16図20は、参照番号520で特定される、ベアリングアセンブリ20の更に別の実施形態を示している。図17に示すように、支持表面560は、必要に応じて、クラウン構造部(crowned portion)582を含むことができる。図示の実施形態では、クラウン構造部582は支持表面560の上部表面上に概ね凸状であり、ベアリング部材552を支持して、それに接触する支持表面560の側部である。
【0080】
図示の実施形態では、クラウン構造部582の凸状構造により、ベアリング部材552は、トルクチューブ16などのトルクチューブの重さで変形し得る。したがって、ベアリング部材552は超高分子量ポリエチレン材料などの薄板状材料から作ってもよいが、かかるシート材料はトルクチューブ16の重さでクラウン構造部582の輪郭に従って歪む場合がある。
【0081】
必要に応じて、ベアリング部材552の末端部556に対してベアリング部材552の中央部を狭くすることができる。例えば、図示の実施形態では、ベアリング部材552の中央部は、ベアリング部材552の末端部556に隣接する部分の幅W1よりも狭い幅W2を有している。
【0082】
クラウン構造部582には任意の凸状構造を設けることができる。したがって、ハウジング550が、トルクチューブ16の最終位置でのハウジング550の位置ずれに、より良く対応できる。 例えば、上述のように、支柱102と、ハウジング550などのハウジングとの据付けの後、支持表面560は、ベアリングアセンブリ520により支持される予定のトルクチューブ16の外側表面と正確に位置合わせされなかったり、又は正確に平行ではなかったりする可能性がある。例えば、支持表面560はトルクチューブ16の最終位置に対して傾いている恐れがある。図20は、トルクチューブ16に対して起こり得る2つの最終的な仮想位置、すなわち、破線で特定される位置合わせされた水平位置、及び一点鎖線で特定される位置の合っていない傾いた位置を示している。
【0083】
かかる凸状構造では、クラウン構造部582が、トルクチューブ16の外側表面とベアリング部材520との間のより大きい接触面の保持に役立ち得る。例えば、支持表面260、360、及び460などの、支持表面が平坦である実施形態では、トルクチューブ16が、対応するベアリング20との位置が合っていないとき、対応するベアリング部材内のトルクチューブ16の外側表面の間の接触面を、対応する支持表面の縁端部に集中させることができるが、その理由は、それらの支持表面が平坦であるためである。しかしながら、支持表面560などの支持表面が、支持表面560の、例えば、中心点又は低点(low point)においてクラウン構造部582を含む場合、凸状構造は、トルクチューブ16の外側表面とベアリング部材との間の、より連続した、したがってより大きい接触面の提供に役立ち得る。かかる構造は、トルクチューブ16の外側表面とベアリング部材との間の応力集中の大きさの低減に役立ち、これにより、ベアリング部材の摩耗速度を低減し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、支持表面560のクラウン構造部582が、クラウン構造部582の前方の軸方向縁端部584と後方の軸方向縁端部586の間では、単一の曲率半径R3に従うように構成することができる。しかしながら、他の形も使用することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、凸部582が十分湾曲しており、前方の軸方向縁端部584から延びる接線Tが、水平面Hに対して角度Cをなして延びるようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、角度Cは約7°であってもよい。しかしながら、他の角度も使用することができる。
【0086】
引き続き図17図20を参照すると、1つ以上の部分からハウジング550を作ることができる。図示の実施形態では、2つの部分550A、550Bからハウジング550を作っているが、任意の個数の部品からハウジング550を作ることができる。
【0087】
図示の実施形態では、部分550A、550Bは同じ形を有しており、互いに同一であってもよい。部分550A、550Bのそれぞれは、支持表面560の下方縁端部から下向きに延びる阻止部584を含んでいる。2つの部分550A、550Bを互いに近接して並べるとき、阻止部584のそれぞれの外側表面が互いに接触するように、阻止部584を設置する。したがって、部分550A、550Bの互いに対する位置合わせを助けるのに、阻止部584を使用できる。
【0088】
いくつかの実施形態では、支柱102に取り付ける前に、部分550A、550Bを互いに固定することができる。必要に応じて、部分550A、550Bは、支柱102に接合することができ、据付け時に互いに接合することができる。いくつかの実施形態ではまた、阻止部584は、開口部221(図6)と整列させることができる凹部、切欠き部、又は開口部586を含むことができる。したがって、凹部586はまた、部分550A、550Bを望ましい位置に位置合わせするのを支援することもできる。
【0089】
少なくとも1つの例示的実施形態が、上述の発明を実施するための形態で提示されてきたが、莫大な数の変型が存在することを認識するべきである。本明細書に記載する例示的実施形態は、特許請求される主題の範囲、適用性、又は構成を限定する意図が全くないこともまた、認識するべきである。むしろ、上述の発明を実施するための形態は、当業者に、説明される実施形態を実践するための簡便な指針を提供するものである。本特許出願が出願される時点での、既知の等価物及び予見可能な等価物を含む、特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、諸要素の機能及び配置に、様々な変更が実施可能であることを理解するべきである。
(項目1)
複数の光起電デバイスと、
ピボット軸のまわりで旋回可能であるように上記複数の光起電デバイスを支持する支持アセンブリと、を備え、
上記支持アセンブリは、
上記複数の光起電デバイスを支持する少なくとも第1のピボットと、
上記ピボット軸のまわりで旋回可能であるように上記第1のピボットを支持する少なくとも第1のベアリングと、
支持表面の上方の位置において上記第1のベアリングを支持する少なくとも1つの支柱と、を有し、
上記第1のベアリングは、上記第1のピボットのまわりの少なくとも約100度の第1の円弧の周囲に延在している少なくとも第1の低摩擦部材を含み、
上記第1の低摩擦部材は第1の端部と、第2の端部と、中央部と、を含み、上記第1のピボットの少なくとも一部が上記第1の端部と上記第2の端部との間を通過することができる程度に十分に上記第1の端部及び上記第2の端部は離間している、太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目2)
上記第1の低摩擦部材が超高分子量ポリエチレンを含む、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目3)
上記第1の低摩擦部材が、上記第1の端部及び上記第2の端部からそれぞれ延びている第1の突起部及び第2の突起部を含む、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目4)
上記第1の端部が、上記第1の突起部の長手方向軸を横切って所定の角度をなして延在する肩部を含む、項目3に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目5)
上記支柱が、上記第1の低摩擦部材の周囲の少なくとも約180度に延在するベアリング支持部材を含み、上記ベアリング支持部材は、上記第1の低摩擦部材の上記第1の端部に係合して上記第1の低摩擦部材の少なくとも第1の方向の動きに抵抗するように構成された少なくとも第1のコネクタ部を含む、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目6)
上記第1のピボットが上記第1の低摩擦部材から離れて上記第1の低摩擦部材の上記第1の端部と第2の端部との間を通過するのを防止するように、上記第1の低摩擦部材の上記第1の端部及び上記第2の端部に対して横方向に延びている阻止部材を更に含む、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目7)
上記第1のピボットのまわりの少なくとも約100度の第2の円弧の周囲に延在する少なくとも第2の低摩擦部材を含む第2のベアリングを更に有し、
上記第2の低摩擦部材は第1の端部と、第2の端部と、中央部と、を含み、
上記第1のピボットの少なくとも一部が、上記第1の端部と上記第2の端部との間を通過することができるほど上記第2の低摩擦部材の上記第1の端部及び上記第2の端部は十分に離間している、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目8)
第1のマウント部が、上記第2の低摩擦部材を上記支柱に連結する少なくとも第1の係合部を含む、項目7に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目9)
上記第2の低摩擦部材の少なくとも第1の方向の動きに抵抗するように構成された少なくとも第1のマウント部を更に含む、項目7に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目10)
上記第1のマウント部が、上記第2の低摩擦部材のまわりの約180度の円弧のまわりに延在する第2のベアリング支持体と、上記第2のベアリング支持体に対して上記第1のベアリングの位置を固定する係合装置と、を含む、項目9に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目11)
上記係合装置が、上記第1のベアリングの咬合部が向いている方向に対してほぼ反対向きに延びる係合方向に沿って上記第2のベアリング支持体を誘導するように構成されている、項目10に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目12)
上記複数の光起電デバイスの感光表面上に太陽光を反射するように構成された複数の集光反射器を更に備える、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目13)
真昼の太陽の角度の方へ旋回した上記複数の光起電デバイスを合わせた重量と、上記第1のピボットの重量とを、20mphの水平方向の横風の下での上記複数の光起電デバイスの揚力で割った比が、1よりも小さい、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目14)
上記第1の低摩擦部材の咬合部が上方に向いており、
上記第1の低摩擦部材のほぼ上方に位置するとともに上記第1の低摩擦部材の咬合部に対して横方向に位置する他のベアリングが存在しない、項目13に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目15)
上記ピボットが上記第1の端部と上記第2の端部との間を通過して、上記第1の低摩擦部材から離れるのを防止するように、上記第1の低摩擦部材の上記咬合部に対して横方向に延びている阻止部材を更に含む、項目14に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目16)
上記第1の低摩擦部材を支持するように設置されたベアリング支持部材を更に含み、
上記ベアリング支持部材の上部表面が、上記第1の低摩擦部材より下に配設された上向きに突出した凸面を有する、項目1に記載の太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイ。
(項目17)
太陽追尾式の光起電太陽集光器アレイを組み立てる方法であって、
第1のベアリングハウジングを地面より上の位置に取り付ける段階と、
第1のベアリング部材の第1の末端部及び第2の末端部が離間した状態になって上記第1のベアリング部材が下向きに垂れ下がることにより、上向きの咬合部を有するように、上記第1のベアリング部材を上記第1のベアリングハウジングの中に挿入する、段階と、
トルクチューブの一部が上記第1のベアリング部材の上記第1の末端部と上記第2の末端部との間を通過して、上記第1のベアリング部材の上記咬合部上を通るように、上記トルクチューブを下ろす段階と、を備え、
上記第1のベアリング部材が、低摩擦を上記トルクチューブの外側表面に提供することにより、上記トルクチューブが上記第1のベアリング部材に対して旋回可能となり、
上記トルクチューブが複数の光起電デバイスを支持する、方法。
(項目18)
上記トルクチューブが上記第1のベアリング部材の上記咬合部から持ち上がらないようにするべく、上記トルクチューブの上方に上記第1のベアリング部材の上記咬合部の全体にわたって追加部材を固定する段階を更に備える、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記トルクチューブの上方の上記第1のベアリング部材から軸方向にずらして上記第1のベアリング部材と向かい合った位置に、第2のベアリングハウジング及び第2のベアリング部材を取り付ける段階を更に備える、項目17に記載の方法。
(項目20)
上記挿入する段階が、工具を必要としない連結を用いて上記第1のベアリング部材を上記第1のベアリングハウジングに連結する段階を有する、項目17に記載の方法。
(項目21)
上記トルクチューブの重さで上記第1のベアリング部材に引張荷重をかけるように、上記第1のベアリング部材の上記第1の末端部及び上記第2の末端部を上記第1のベアリングハウジングに取り付ける段階を更に備える、項目17に記載の方法。
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