(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333986
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】化学溶液収容瓶及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 8/02 20060101AFI20180521BHJP
B65D 25/42 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
B65D8/02 Z
B65D25/42 C
【請求項の数】19
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-546077(P2016-546077)
(86)(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公表番号】特表2017-508677(P2017-508677A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】CN2015073931
(87)【国際公開番号】WO2015135460
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2016年12月9日
(31)【優先権主張番号】201410092348.8
(32)【優先日】2014年3月13日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410093750.8
(32)【優先日】2014年3月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516206071
【氏名又は名称】无錫華瑛微電子技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI HUAYING MICROELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】温 子瑛
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−178070(JP,A)
【文献】
実開昭55−150730(JP,U)
【文献】
特開平05−240400(JP,A)
【文献】
特開2011−121645(JP,A)
【文献】
実開平07−009732(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 8/00− 8/22
B65D 25/20−25/56
F17C 1/00−13/12
B65D 1/00− 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部壁及び該上部壁の辺縁から延伸して形成される端部側壁を含む瓶端部と、
前記瓶端部に一体に結合される瓶本体であって、前記瓶端部と前記瓶本体によって1個の収容部が形成される瓶本体とを含み、
前記上部壁には輸送管体を挿入させかつ前記収容部と連通している瓶開口が形成されている化学溶液収容瓶であって、
前記瓶端部は前記上部壁の外表面から外部へ延伸して形成される突起部を更に含み、前記瓶端部は、前記突起部の表面から内部へ延伸している結合孔と、前記上部壁を貫通するように前記結合孔から内部へ更に延伸している毛細孔とを具備し、前記結合孔のサイズは前記毛細孔のサイズより大きく、
前記化学溶液収容瓶は内部に貫通孔が形成されている結合部品を更に含み、該結合部品は解体可能に前記結合孔内に固定され、前記結合部品を前記結合孔内に固定するとき、前記貫通孔と前記結合孔によって管状通路が形成され、該管状通路によって前記輸送管体を前記収容部内に挿入することができることを特徴とする化学溶液収容瓶。
【請求項2】
前記瓶端部は前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部を更に含み、該外縁部の延伸方向と前記端部側壁の延伸方向は反対であり、前記外縁部と前記上部壁によって凹部が形成され、該凹部は前記化学溶液収容瓶から漏出する化学溶液を収容することを特徴とする請求項1に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項3】
前記外縁部上には前記凹部と連通する排出孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項4】
前記凹部には漏出した化学溶液を検出するセンサーが設けられることを特徴とする請求項2に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項5】
前記突起部は、前記上部壁の中央に位置する凸部と、該凸部の周囲に形成される凸型筋とを含み、
前記凸部上には1個の結合孔が形成され、前記凸型筋上には少なくとも1個の結合孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項6】
前記瓶本体は瓶収容体と瓶底部を含み、
前記瓶収容体は中空の柱体であり、前記瓶収容体の柱体の一端は溶接によって前記瓶端部に一体に結合され、前記瓶収容体の柱体の他端は溶接によって前記瓶底部に一体に結合されることを特徴とする請求項1に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項7】
前記瓶底部は、底部壁と、該底部壁の辺縁から延伸して形成される底部側壁と、前記底部壁の辺縁から延伸して形成される支持部とを含み、該支持部の延伸方向と前記底部側壁の延伸方向は反対であり、
前記底部側壁と前記瓶収容体は溶接によって一体に結合されることを特徴とする請求項6に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項8】
前記瓶底部と前記瓶端部は、1個の金型を採用する射出成型によって形成されることを特徴とする請求項6に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項9】
前記瓶収容体は、少なくとも2個の瓶収容体構成部品が一体に溶接されることによって構成されることを特徴とする請求項6に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項10】
前記瓶本体と前記瓶端部は、1個の金型を採用した射出成型によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の化学溶液収容瓶。
【請求項11】
上部壁と、該上部壁の辺縁から延伸して形成される端部側壁と、前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部と、前記上部壁の外表面から外部へ延伸して形成される突起部と、を含む瓶端部であって、該瓶端部には、前記突起部の表面から内部へ延伸している結合孔と、前記上部壁を貫通するように前記結合孔から内部へ更に延伸している毛細孔とが形成されており、前記結合孔のサイズは前記毛細孔のサイズより大きい、前記瓶端部を提供するステップと、
瓶本体を提供するステップと、
前記瓶端部と前記瓶本体を一体に溶接することにより収容部を形成するステップと、
内部に貫通孔が形成されている結合部品を設けるステップと、を含み、
前記結合部品は解体可能に前記結合孔内に固定され、前記結合部品を前記結合孔内に固定するとき、前記貫通孔と前記結合孔によって管状通路が形成され、該管状通路によって輸送管体を前記収容部内に挿入することができることを特徴とする化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項12】
前記瓶端部は前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部を更に含み、該外縁部の延伸方向と前記端部側壁の延伸方向は反対であり、前記外縁部と前記上部壁によって凹部が形成され、該凹部は前記化学溶液収容瓶から漏出する化学溶液を収容することを特徴とする請求項11に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項13】
前記外縁部上には前記凹部と連通する排出孔が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項14】
漏出した化学溶液を検出するセンサーを前記凹部に設けるステップを含むことを特徴とする請求項12に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項15】
前記突起部は、前記上部壁の中央に位置する凸部と該凸部の周囲に形成される凸型筋とを含み、前記凸部上には1個の結合孔が形成され、前記凸型筋上には少なくとも1個の結合孔が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項16】
前記瓶本体は瓶収容体と瓶底部を含み、
前記瓶端部と前記瓶本体は溶接によって一体になり、
前記瓶収容体の一端は溶接によって前記瓶端部に一体に結合され、前記瓶収容体の他端は溶接によって前記瓶底部に一体に結合されることを特徴とする請求項11に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項17】
前記瓶底部は、底部壁と、該底部壁の辺縁から延伸して形成される底部側壁と、前記底部壁の辺縁から延伸して形成される支持部とを含み、該支持部の延伸方向と前記底部側壁の延伸方向は反対であり、前記底部側壁と前記瓶収容体は溶接によって一体に結合されることを特徴とする請求項16に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項18】
前記瓶底部と前記瓶端部は1個の金型を採用する射出成型によって形成されることを特徴とする請求項16に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【請求項19】
前記瓶本体と前記瓶端部は1個の金型を採用した射出成型によって形成されることを特徴とする請求項11に記載の化学溶液収容瓶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液を収容する容器に関し、特に化学溶液収容瓶及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学薬品を自動的に輸送するための化学溶液収容瓶は、通常、1個の瓶本体と複数個の通路が形成された1個の瓶用蓋とで構成される。このような収容瓶は、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に用いられる収容瓶であることができる。貫通部により化学薬品輸送用管体の一端を収容瓶内に挿入するとともに管体の一端を収容瓶の底部に固定し、かつ管体の他端を液体ポンプに繋ぐ場合、液体ポンプの吸引力により収容瓶内の化学薬品を所定の箇所へ輸送することができる。液体ポンプによって化学薬品を輸送する速度を確保するため、通常、瓶用蓋に形成されている他の通路によって収容瓶に窒素を注入する。すなわち、液面に圧力を与えることにより、液体ポンプの入口に充分な液体を供給することができる。
【0003】
半導体の製造業界において、通常、種々の化学薬品を用いることにより、基体の洗浄、エッチング、特殊な表面処理をする。高級半導体製品の製造工程において、基体の表面の清浄度に対する要求が非常に高いので、化学液体を配合、輸送するとき、基体表面の汚染及び安全問題の発生を防止するため、自動制御システムによって化学液体の配合、輸送、使用済の化学液体の回収を実施する必要がある。化学薬品の自動的な輸送を実現するため、所定の化学溶液収容瓶を用意する必要がある。
【0004】
半導体の製造工程に用いられる化学溶液収容瓶は、耐腐食性がよい特徴、化学薬品の純度に影響を与えない特徴、純度がよい特徴を有する必要がある。半導体の製造工程において、フッ化水素酸を含む化学液体を常用し、該化学液体中の金属汚染物の含量を十億分の一(ppb)以下にする必要がある。化学液体瓶は通常、純度が高く、耐腐食性がよいプラスチック、例えばポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、PFA、PVDF)で製造される。市販されているプラスチック瓶の種類には、大別して以下の2つがある。1つは瓶本体と複数個の通路が形成されている1個の瓶用蓋とで構成されるものであり、他の1つは瓶本体と瓶用蓋とが一体に構成されるものである。
【0005】
化学液体中の顆粒汚染を低減するため、化学液体を輸送するとき、できるだけ液体ポンプを使用しない方がよい。通常、化学溶液収容瓶に窒素を注入することにより、化学溶液収容瓶内の圧力を増加させ、液体を化学溶液収容瓶から圧出させる。瓶本体と瓶用蓋が分解可能に構成されるプラスチック瓶は高い圧力に耐えることができない。気体圧力が10psiである状態において、瓶本体と瓶用蓋との間の接続部位から気体が漏出し、瓶中の圧力の増加に影響を与えるおそれがある。また、気体が漏出するとき化学蒸気が共に漏出するおそれがあるので、安全性の問題も存在する。瓶本体と瓶用蓋が一体に形成されている瓶は、気体の漏出問題を有効に解決することができるが、特製の金型で製造する必要があるので、製造コストが高い欠点を有している。
【0006】
したがって、改良された技術的事項により上述した問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は新型化学溶液収容瓶を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は新型化学溶液収容瓶の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を実現するため、本発明は化学溶液収容瓶を提供する。該化学溶液収容瓶は、上部壁及び該上部壁の辺縁から延伸して形成される端部側壁を含む瓶端部と、前記瓶端部に一体に結合される瓶本体とを含む。前記瓶端部と前記瓶本体によって1個の収容部が形成され、前記上部壁には輸送管を挿入させかつ前記収容部と連通している瓶開口が形成されている。
【0010】
本発明の一実施例において、前記瓶端部は前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部を更に含む。前記外縁部の延伸方向と前記端部側壁の延伸方向は反対である。前記外縁部と前記上部壁によって凹部が形成され、該凹部は前記化学溶液収容瓶から漏出する化学溶液を収容する。前記外縁部上には前記凹部と連通する排出孔が形成されている。
【0011】
本発明の一実施例において、前記瓶端部は前記上部壁の外表面から外部へ延伸して形成される突起部を更に含む。前記瓶端部は、前記突起部の表面から内部へ延伸している結合孔と、前記上部壁を貫通するように前記結合孔から内部へ更に延伸している毛細孔とを具備し、前記結合孔のサイズは前記毛細孔のサイズより大きい。前記化学溶液収容瓶は内部に貫通孔が形成されている結合部品を更に含み、該結合部品は解体可能に前記結合孔内に固定される。結合部品を前記結合孔内に固定するとき、前記貫通孔と前記結合孔によって管状通路が形成され、該管状通路によって輸送管体を前記収容部内に挿入することができる。前記結合部品と前記結合孔の結合により前記収容部は密閉空間になる。
【0012】
本発明の他の実施例において、化学溶液収容瓶の製造方法を提供する。該方法は、瓶端部を提供するステップであって、前記瓶端部は上部壁と該上部壁の辺縁から延伸して形成される端部側壁を含むステップと、瓶本体を提供するステップと、前記瓶端部と前記瓶本体を一体に溶接することにより収容部を形成するステップとを含む。
【0013】
本発明の一実施例において、前記瓶端部は前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部を更に含む。前記外縁部の延伸方向と前記端部側壁の延伸方向は反対である。前記外縁部と前記上部壁によって凹部が形成され、該凹部は前記化学溶液収容瓶から漏出する化学溶液を収容する。前記外縁部上には前記凹部と連通する排出孔が形成されている。
【0014】
本発明の一実施例において、前記瓶端部は瓶端部原料で形成される。前記瓶端部原料は、上部壁と、該上部壁の辺縁から延伸して形成される端部側壁と、前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部と、前記上部壁の外表面から外部へ延伸して形成される突起部とを含む。前記瓶端部原料には前記突起部の表面から内部へ延伸している結合孔と、前記上部壁を貫通するように前記結合孔から内部へ更に延伸している毛細孔とが形成されており、前記結合孔のサイズは前記毛細孔のサイズより大きい。上述したことにより瓶端部が形成される。前記製造方法は、前記化学溶液収容瓶の内部に貫通孔が形成されている結合部品を設けるステップを更に含む。前記結合部品は解体可能に前記結合孔内に固定される。結合部品を前記結合孔内に固定するとき、前記貫通孔と前記結合孔によって管状通路が形成され、該管状通路によって輸送管体を前記収容部内に挿入することができる。
【発明の効果】
【0015】
従来の技術と比較してみると、本発明の化学溶液収容瓶は、製造しやすく、コストが低く、内部の高圧に耐えられ及び/又は漏出する液体を回収できるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、図面と実施例により本発明をより詳細に説明する。
【
図1】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の製造方法を示す流れ図である。
【
図2A】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の瓶端部原料を示す断面図である。
【
図2B】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の瓶端部原料を示す平面図である。
【
図3A】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の瓶端部を示す断面図である。
【
図3B】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の瓶端部を示す平面図である。
【
図4】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の瓶収容体の構造を示す図である。
【
図5】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の瓶底部の構造を示す図である。
【
図6】本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の全体構造を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係る化学溶液収容瓶の全体構造を示す図である。
【
図8】本発明の他の実施例に係る化学溶液収容瓶の全体構造を示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例に係る化学溶液収容瓶の全体構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面と実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0018】
注意されたいことは、図面は、本発明をより詳細に説明するためのものであり、本発明の一部分になる。本発明の実施例及びその説明は、本発明を説明するものであるが、本発明を限定するものでない。
【0019】
図1は、本発明の第一実施例に係る化学溶液収容瓶の製造方法を示す流れ図である。
図1に示すとおり、前記製造方法は下記ステップを含む。
【0020】
ステップ110において、
図2Aと
図2Bに示すとおり、瓶端部原料290を提供する。前記瓶端部原料290は、上部壁210と、該上部壁210の辺縁から延伸して形成される端部側壁220と、前記上部壁210の外表面から外部へ延伸して形成される突起部230と、前記上部壁210の辺縁から延伸して形成される外縁部240とを含む。前記外縁部240の延伸方向と前記端部側壁220の延伸方向は反対である。前記外縁部240と前記上部壁210によって凹部270が形成される。前記凹部270は前記化学溶液収容瓶から漏れる化学溶液を収容することができる。
【0021】
前記瓶端部原料290は射出成型工程によって形成されることができる。
【0022】
本発明の一実施例において、
図2Aと
図2Bに示すとおり、前記突起部230は、前記上部壁210の中央に位置する凸部231と、該凸部231の周囲に形成される凸型筋232とを含む。
【0023】
ステップ120において、
図3Aと
図3Bに示すとおり、前記瓶端部原料290上に、前記突起部230の表面から内部へ延伸する結合孔251と、前記上部壁210を貫通するように前記結合孔251から内部へ更に延伸する毛細孔252とを形成することにより、瓶端部200が形成される。前記結合孔251のサイズは前記毛細孔252のサイズより大きい。
【0024】
図3Aに示すとおり、本発明の一実施例において、前記外縁部240上には前記凹部270と連通する排出孔260が形成されている。管体を前記排出孔に繋ぐことにより、前記凹部270に漏れている化学溶液を所定の集合地点に排出することができる。
【0025】
図3Aに示すとおり、前記凸部231上には、1個の結合孔251と、それに対応する毛細孔252とが形成されている。前記凸型筋232上には、少なくとも1個の結合孔251と、それに対応する毛細孔252とが形成されており、その数量は例えば4個又はそれ以上である。
【0026】
機械的加工方法を採用する場合、用途上の要求により、所定のサイズと数量を有する結合孔251と前記毛細孔252を容易に形成し、種々の要求を満たすことができる。
【0027】
ステップ130において、瓶収容体300と瓶底部400を提供する。
【0028】
図4に示すとおり、前記瓶収容体300は中空の柱体である。
【0029】
図5に示すとおり、前記瓶底部400は、底部壁410と、該底部壁410の辺縁から延伸して形成される底部側壁420と、前記底部壁410の辺縁から延伸して形成される支持部430とを含む。前記支持部430の延伸方向と前記底部側壁420の延伸方向は反対である。
【0030】
前記支持部430は前記化学溶液収容瓶を支持する作用を奏する。前記底部壁410が円弧形に形成されることにより、前記化学溶液収容瓶内の化学溶液をきれいに排出させることができる。
【0031】
本発明の他の実施例において、前記瓶収容体300と前記瓶底部400は一体に形成されることができる。この場合、その2つの結合体を瓶本体と呼ぶことができる。
【0032】
ステップ140において、
図6に示すとおり、溶接により前記瓶収容体300の一端301と前記瓶端部200を一体に結合させ、溶接により前記瓶収容体300の他端302と前記瓶底部400を一体に結合させる。前記瓶収容体300、瓶底部400及び瓶端部200により1個の収容部500が形成される。前記収容部500は毛細孔252によってのみ外部と連通する。
【0033】
本発明の他の実施例において、前記瓶収容体300と前記瓶底部400は一体に形成されることができる。この場合、溶接により前記瓶本体と前記瓶端部200は一体に溶接され、前記瓶端部と前記瓶本体によって前記収容部が形成される。
【0034】
ステップ150において、内部に貫通孔が形成されている結合部品(図示せず)を提供し、該結合部品を前記結合孔251内に固定する。結合部品を前記結合孔251内に固定するとき、前記貫通孔と前記結合孔251によって管状通路が形成され、該管状通路によって輸送管体(図示せず)を前記収容部500内に挿入することができる。
【0035】
本発明の好適な実施例において、前記結合孔251は内周面ネジ型孔であり、前記結合部品は外周面ネジ部品であり、前記結合部品はネジによって前記結合孔251内に緊密に固定される。結合部品の下方に密閉部品、例えばワッシャー(図示せず)が設けられることにより、密閉性を確保することができる。
【0036】
上述したことにより最終の化学溶液収容瓶を獲得し、輸送管体によって前記化学溶液収容瓶に化学溶液を注入するか或いは前記化学溶液収容瓶から化学溶液を排出することができる。前記化学溶液収容瓶は内部の高圧に耐えることができる。例えば、気体の圧力が50psiであるときも、結合部品と結合孔251との間でも気体の漏出又は液体の漏出が発生しない。
【0037】
安全を更に確保するため、
図3Aに示されている漏出液体回収用凹部270を前記化学溶液収容瓶に更に形成し、前記凹部270の所定の箇所に種々の液体の検出が可能なセンサーを設けることができる。センサーが警報を鳴らすことにより、化学溶液の漏出を防止することができる。
【0038】
本発明の化学溶液収容瓶の製造方法において、前記瓶端部200は二回の加工によって形成される。まず、射出成型工程により前記瓶端部原料290を形成し、次に機械的加工方法により最終の瓶端部200を形成する。前記瓶底部400と前記瓶収容体300はいずれも一回の加工によって形成される。すなわち、一回の射出成型工程によって形成される。
【0039】
上述したとおり、本発明の一実施例において、射出成型工程を採用し、かつ三種の金型を用意する。すなわち、瓶端部用金型、瓶収容体用金型及び瓶底部用金型を用意する。瓶端部原料に対する機械的加工が終わると、溶接方法によって瓶端部200、瓶底部400及び瓶収容体300を一体に連結し、これによって前記化学溶液収容瓶(
図6)を形成する。
【0040】
本発明のいずれか1つの実施例において、前記瓶端部原料290及び/または最終の瓶端部200に前記突起部230、毛細孔252及び結合孔251を形成しなくてもよい。その代わりに、前記上部壁210上に輸送管体を挿入させる他の瓶開口構造、例えば従来の技術の外周面ネジ型瓶開口構造を形成することができる。瓶用蓋と前記瓶開口を結合させることにより密閉空間を獲得し、輸送管体は前記瓶用蓋と前記瓶開口によって前記収容部500内に挿入される。本実施例において、瓶端部200と瓶本体は1つの金型の射出成型によって同時に形成されることができる。本発明の重点又は1つの特徴は、瓶端部200の外縁部の構造にある。外縁部により前記化学溶液収容瓶の瓶開口から漏出する化学溶液を収容できる凹部270が形成される。凹部270内にセンサーを設けることにより、前記化学溶液収容瓶からの漏出を容易に、自動的に検出することができる。
【0041】
他の実施例において、射出成型によって形成された瓶端部原料290を瓶底部400として用いることができる。瓶端部原料290(このとき、これを瓶底部400として用いる)、瓶端部200及び瓶収容体300を一体に溶接し、瓶端部原料290の外縁部240で前記化学溶液収容瓶を支持することができる。具体的に、
図7に示される化学溶液収容瓶を参照することができる。この場合、瓶底部400を形成するための金型を用意しなくてもよい。すなわち、1個の金型によって瓶底部400と前記瓶端部200を製造し、トータル2個の金型によって化学溶液収容瓶を製造することができる。
【0042】
周知のとおり、収容瓶の容量は異なっている。従来の技術において、金型又は生産ラインを変化させることにより容量が様々な収容瓶を製造する。本発明において、様々な容量の要求を満たすため、瓶収容体300の個数を変化させることができる。すなわち、2個又は複数個の瓶収容体を一体に溶接することにより、長い瓶収容体を形成することができる。
図4に示される1個の瓶収容体を1個の瓶収容体構成部品と見なすことができる。
図8において、2個の瓶収容体を採用している。瓶収容体構成部品はいずれも、1個の同じ金型を採用する射出成型工程により製造することができる。したがって、金型の数量を増加せず、容量が異なっている種々の化学溶液収容瓶を製造することができる。
【0043】
本発明の他の実施例において、射出成型工程により瓶底部400と瓶収容体300を一体に形成し、この2つの結合体を瓶本体と言うことができる。この場合、瓶本体の一端に前記瓶端部200の一端を溶接させることにより化学溶液収容瓶を製造することができる。また、射出成型工程によって形成された瓶端部原料290を瓶本体として用い、瓶本体になった瓶端部原料290と瓶端部200を一体に溶接させることにより化学溶液収容瓶を製造することができる。具体的に、
図9に示される化学溶液収容瓶を参照することができる。この場合、ただ1個の金型により化学溶液収容瓶を製造することができるので、コストを低減し、操作を簡単にすることができる。
【0044】
本発明の他の実施例において、
図2A〜
図9に示されている本発明の化学溶液収容瓶を更に提供する。該化学溶液収容瓶は、瓶端部200と、該瓶端部に一体に結合される瓶本体と含む。前記瓶端部と前記瓶本体により1個の収容部500が形成される。
【0045】
前記瓶端部200は、上部壁210と、該上部壁210の辺縁から延伸して形成される端部側壁220と、前記上部壁210の外表面から外部へ延伸して形成される突起部230とを含む。前記瓶端部は、前記突起部230の表面から内部へ延伸している結合孔251と、前記上部壁を貫通するように前記結合孔から内部へ更に延伸している毛細孔252とを具備する。前記結合孔のサイズは前記毛細孔のサイズより大きく、前記収容部500は毛細孔252によってのみ外部と連通している。
【0046】
前記化学溶液収容瓶は内部に貫通孔が形成されている結合部品を更に含み、該結合部品は解体可能に前記結合孔251内に固定される。結合部品を前記結合孔内に固定するとき、前記貫通孔と前記結合孔によって管状通路が形成され、該管状通路によって輸送管体を前記収容部内に挿入することができる。前記結合部品と前記結合孔251の結合により、前記収容部500は密閉空間になる。本発明の好適な実施例において、前記結合孔251は内周面ネジ型孔であり、前記結合部品は外周面ネジ部品であり、前記結合部品はネジによって前記結合孔251内に緊密に固定される。結合部品の下方に密閉部品、例えばワッシャー(図示せず)が設けられることにより、密閉性を確保することができる。
【0047】
本発明の一実施例において、前記瓶端部200は前記上部壁の辺縁から延伸して形成される外縁部240を更に含む。前記外縁部の延伸方向と前記端部側壁の延伸方向は反対である。前記外縁部と前記上部壁によって凹部270が形成される。前記凹部は前記化学溶液収容瓶から漏れる化学溶液を収容することができる。前記外縁部240上には前記凹部と連通する排出孔260が形成されている。管体を前記排出孔260に繋ぐことにより、前記凹部270に漏れている化学溶液を所定の集合地点へ排出することができる。
【0048】
本発明の一実施例において、前記突起部230は、前記上部壁の中央に位置する凸部231と、該凸部の周囲に形成される凸型筋232とを含む。前記凸部上には1個の結合孔とそれに対応する毛細孔とが形成されており、前記凸型筋上には少なくとも1個の結合孔とそれに対応する毛細孔とが形成されている。
【0049】
本発明の一実施例において、前記瓶本体は瓶収容体と瓶底部を含む。前記瓶収容体300は中空の柱体である。前記瓶収容体300の柱体の一端は溶接によって前記瓶端部200に一体に結合され、前記瓶収容体300の柱体の他端は溶接によって前記瓶底部400に一体に結合される。
【0050】
本発明の一実施例において、前記瓶底部400は、底部壁410と、該底部壁の辺縁から延伸して形成される底部側壁420と、前記底部壁の辺縁から延伸して形成される支持部430とを含む。前記支持部の延伸方向と前記底部側壁の延伸方向は反対であり、前記底部側壁420と前記瓶収容体300は溶接によって一体に結合される。前記底部壁は円弧形である。
【0051】
本発明の他の実施例において、前記瓶底部400の構造と前記瓶端部200の構造の相違点は、前記瓶底部400に前記瓶端部200の結合孔251と毛細孔252が形成されていないことである。前記瓶底部400と前記瓶端部200は、1個の金型を採用した射出成型によって形成される。
【0052】
本発明の他の実施例において、前記瓶本体の構造と前記瓶端部200の構造は類似している。相違点は、前記瓶本体に前記瓶端部200の結合孔と毛細孔が形成されていないことである。前記瓶本体と前記瓶端部は1個の金型を採用した射出成型によって形成される。1個の金型で化学溶液収容瓶を製造することができるので、コストを低減することができる。
【0053】
本発明のいずれか1つの実施例において、前記瓶端部原料290及び/または最終の瓶端部200に前記突起部230、毛細孔252及び結合孔251を形成しなくてもよい。その代わりに、前記上部壁210上に輸送管体を挿入させるための他の瓶開口構造、例えば従来の技術の外周面ネジ型瓶開口構造を形成することができる。瓶用蓋と前記瓶開口との間の結合により密閉空間を獲得し、輸送管体は前記瓶用蓋と前記瓶開口を通過して前記収容部500内に挿入される。本実施例において、瓶端部200と瓶本体は1つの金型の射出成型によって同時に形成されることができる。本発明の重点又は1つの特徴は、瓶端部200の外縁部の構造にある。外縁部により前記化学溶液収容瓶の瓶開口から漏出する化学溶液を収容できる凹部270が形成される。凹部270内にセンサーを設けることにより、前記化学溶液収容瓶からの漏出を容易に、自動的に検出することができる。
【0054】
注意されたいことは、以上本発明の具体的な実施例を詳述してきたが、本発明の構成は上述した具体的な実施例にのみ限定されるものではない。本技術分野の当業者は本発明の要旨を逸脱しない範囲内で設計の変換等を行うことができる。