(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フォトリソグラフィー処理によって、前記噴孔板と遷移層に前記圧力チャンバーに連通する噴孔を設置した後、第1基板の第2表面をエッチングして共用チャンバーに連通するインク供給孔を形成することをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の液体ノズルの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例の目的、技術方法、及び特徴をさらに明確にするため、以下では本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術方法に対する明確で完全な説明を行う。明らかに、説明した実施例は本発明の実施例の一部分であり、全部の実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働を行わない前提で獲得するその他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【0016】
図1は本発明の実施例の提供する液体ノズルの製造方法のフローチャートであり、
図1に示すように、本実施例の提供する液体ノズルの製造方法は以下のステップを含む。
【0017】
ステップ100では、第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成する。
【0018】
ステップ200では、第1基板の第1表面上で複数の前記圧力発生部材に対応する圧力チャンバー及び複数の前記圧力チャンバーと連通する共用チャンバーを形成する。
【0019】
具体的に、
図2は、
図1におけるステップ200の具体的な実施形態のフローチャートである。
図2に示すようにステップ200では、第1基板の第1表面上で複数の圧力発生部材に対応する圧力チャンバー及び複数の前記圧力チャンバーと連通する共用チャンバーを形成し、以下を備えることができる。
【0020】
ステップ201では、第1基板の第1表面上でチャンバー層を設置して露光して、圧力チャンバーと共用チャンバーの形状と位置を限定する。
【0021】
具体的に、
図6は、本発明の実施例の製造する液体ノズルの構造模式図である。
図7A〜
図7Iは、本発明の実施例におけるステップ200の具体的な実施形態の製品製造過程の構成図であり、
図6と7Aに示すように、第1基板1はシリコン基板にすることができ、第1基板1の第1表面は図に示す第1基板1の上表面であり、第1基板1の第1表面上にチャンバー層5aをスピンコーティングすることができ、チャンバー層5aの材料は良好な機械加工性能を有するネガ感光性ペースト
(SU−8)又はポリイミドにすることができ、チャンバー層5aの厚さと圧力チャンバー及び共用チャンバーの高さとは互いに同等である。
【0022】
図6と
図7Bに示すように、マスク板12aを用いてチャンバー層5aに対して露光を行うことができ、且つマスク板12aの構造形式及び露光処理によって圧力チャンバー5及び共用チャンバー8の形状と位置を限定する。ここで、チャンバー壁5bは固化されて、後続処理で用いる現像液によって除去されることはない。
【0023】
ステップ202では、現像によって圧力チャンバーと共用チャンバーを形成する。
図7Cに示すように、現像液を用いてチャンバー層5aを現像し、固化されたチャンバー壁5bは留保される。残りの部分が除去された後、圧力チャンバー5と共用チャンバー8を形成する(
図6に示すとおりである)。
【0024】
ステップ300では、接合処理によって前記圧力チャンバー上に遷移層を形成し、且つ前記遷移層上において噴孔板を形成する。具体的には、
図3は、
図1におけるステップ300の具体的な実施形態のフローチャートである。
図3に示すように、ステップ300は以下のステップを含むことができる。
ステップ301では、第2基板上に遷移層をスピンコーティングする。
【0025】
図7Dに示すように、第2基板1'の材料はプレキシガラス等にすることができ、遷移層6aの材料は、良好な機械加工性能を有するネガ感光性ペースト
(SU−8)又はポリイミドにすることができる。
【0026】
ステップ302では、接合処理によって前記チャンバー層のチャンバー壁と前記遷移層を接着させて一緒にする。
図7Eに示すように、比較的薄い遷移層6aを設置することができ、遷移層6aとチャンバー層のチャンバー壁をさらによく接合させて一緒にすることが保証される。
【0027】
ステップ303では、前記第2基板を剥離させて、
図7Fに示すようにする。
【0028】
ステップ304では、前記遷移層上に噴孔板をスピンコーティングする。
図7Gに示すように、遷移層6a上に比較的厚い噴孔板7aをスピンコーティングすることができ、噴孔板7aの材料は、良好な機械加工性能を有するネガ感光性ペースト
(SU−8)又はポリイミドにすることができる。遷移層6a上で噴孔板7aを形成するので、比較的厚い噴孔板7aをさらによく形成することができる。
【0029】
ステップ400では、フォトリソグラフィー処理によって前記噴孔板と遷移層上において、前記圧力チャンバーに連通する噴孔を形成している。
【0030】
具体的には、
図7Gと
図7Hに示すように、マスク板12bを用いて噴孔板7aに対する露光を行うことができ、且つマスク板12bの構造形式及び露光処理によって噴孔の形状と位置を限定する。ここで、噴孔壁は固化されて、後続処理に用いる現像液によって除去されることはない。現像液によって噴孔板7aを現像し、固化された噴孔壁は留保され、残りの部分が除去された後、噴孔7を形成する。
【0031】
本実施例の提供する液体ノズルの製造方法は、第1基板の第1表面上で圧力チャンバーと共用チャンバーを形成し、液体ノズルの圧力チャンバーの数量を増加させる必要がある場合に、本実施例は第1基板上で単独に圧力チャンバーを形成するので、第1基板の機械的強度を低下させることがなく、製造過程において第1基板の破損を避けることができ、それによって液体ノズルの歩留まりを高めて、製造コストを低減する。しかも、接合処理によって遷移層を形成するので、遷移層上で噴孔板を形成し、且つフォトリソグラフィー処理によって噴孔板と遷移層上で噴孔を形成するので、接着剤が圧力チャンバーの中に流入することを避けて、液体ノズルのプリント品質を高めることができる。
【0032】
図4は、
図1におけるステップ100の具体的な実施形態のフローチャートであり、
図8A〜
図8Gは、本発明の他の実施形態の製品製造過程の構成図である。
図4に示すように、前記実施例の技術方法の前提で、ステップ100では、第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成し、以下のステップを含むことができる。
【0033】
ステップ101では、エッチングによって第1基板の第1表面に凹溝を形成する。
【0034】
図8Aに示すように、具体的に、第1基板1の第1表面において乾式法でエッチングするか又は湿式法でエッチングすることで凹溝2を形成し、該凹溝2は圧力発生部材を収納設置することに用いる。
【0035】
ステップ102では、前記凹溝内に圧電素子を形成し、該圧電素子の上表面と前記第1基板の第1表面は一致する。
【0036】
図8Bに示すように、スパッタリング法によって凹溝2内で順次に下電極層3c、圧電体層3b、及び上電極層3aを形成することができる。ここで、下電極層3cはチタン(Ti)層、白金(Pt)層又は複数のチタン層の重畳層である。圧電体層3bはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)層である。上電極層3aは白金(Pt)層又は黄金層である。
【0037】
ステップ103では、第1基板の第1表面上で振動板を形成し、前記振動板は前記圧電素子の外部に被せて設ける。
【0038】
図8cに示すように、第1基板1の第1表面において、減圧化学気相堆積法又はプラズマ強化化学気相堆積法によって振動板4を形成し、振動板4の材料はSiO
2又はSi
3N
4又はSiO
2−Si
3N
4の材料の積層にすることができる。振動板4は上電極層3aの外部に被せて設けており、且つ外縁は第1基板1の第1表面に覆設されている。
【0039】
次に、
図8Dに示すように、前記実施例の提供する製造方法を用いて圧力チャンバー5、遷移層6a、共用チャンバー8、及び噴孔7を形成することができ、該方法を用いて前記チャンバーと噴孔を形成することで、プリント解像度を高めることができ、しかも液体ノズルの小型化を実現することができる。
【0040】
図5は、本発明の実施例の提供する他の液体ノズルの製造方法のフローチャートである。
図5で示すように、さらに、前
記製造方法におけるステップ400の後に以下のステップを含むことができる。
ステップ500では、第1基板の第2表面をエッチングすることで共用チャンバーに連通するインク供給孔及び圧力発生部材につながる空チャンバーを形成する。
【0041】
図8Eに示すように、乾式法エッチング法を用いて第1基板1の第2表面(図示する第1基板の下表面)をエッチングすることで、共用チャンバー8に連通するインク供給孔9及び圧電素子3の中の下電極層3cにつながる空チャンバー10を形成することができる。ここで、空チャンバー10は圧電素子3の振動幅を高めることができる。
【0042】
さらに圧電素子3の振動性能を高めるため、
図8Fに示すように、圧電素子3の両側と第1基板1の間に隙間11を形成することができ、隙間11は圧電素子3が振動時に第1基板1の束縛を受けないことを保証して、振動幅を高める。
【0043】
ステップ600では、第1基板の第2表面に蓋板を設置し、該蓋板は前記空チャンバー上に被せて設置され且つ前記インク供給孔のスムーズな貫通を保持する。
【0044】
図8Gに示すように、第1基板1の第2表面は蓋板12が接着されて、液体ノズルの製造過程を完了させ、蓋板12の材料はポリアクリル酸メチ
ルにすることができる。
【0045】
前記実施例の技術方法におけるステップ100では、前記第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成し、さらに他の方法によって実現することができ、具体的には、ステップ100は以下のステップを含むことができる。
【0046】
ステップ101'では、第1基板の第1表面上で振動板を形成する。
【0047】
図9Aに示すように、減圧化学気相堆積法又はプラズマ強化化学気相堆積法によって、第1基板1の第1表面で振動板を形成することができる。ここで、前記振動板の材料はSiO
2、又はSi
3N
4、又はSiO
2−Si
3N
4の積層である。
【0048】
ステップ102'では、前記振動板上で圧電素子を形成する。
【0049】
図9Bに示すように、スパッタリング法によって下電極層3c、ゾルゲル法によって圧電体層3bを形成し、及びスパッタリング法によって上電極層3aを形成することができる。ここで、下電極層3cはチタン(Ti)層、白金 (Pt)層、又は複数のチタン層の重畳層である。圧電体層はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)層である。上電極層3aは白金(Pt)層又は黄金層である。
【0050】
図9Cに示すように、次に、前記実施例の提供する製造方法を用いて第1基板1の第1表面で圧力チャンバー5、遷移層6a、共用チャンバー8、及び噴孔7を形成することができる。第1基板1の第2表面において、エッチングによって共用チャンバー8と連通するインク供給孔9及び圧電素子3の下電極層3cにつながる空チャンバー10を形成する。第1基板1の第2表面に蓋板12を設置し、該蓋板12は空チャンバー10上に被せて設置され且つインク供給孔9のスムーズな貫通を保持する。
【0051】
図10A〜
図10Bは、もう一つの実施形態の製品製造過程の構成図である。
図10Aに示すように、上述の実施例の技術方法の前提で、ステップ100では、第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成し、具体的には以下のとおりである。
【0052】
第1基板1の第1表面において薄膜抵抗層3′を堆積させ、該薄膜抵抗層3′の材料はタンタルアルミニウム合金、又はニクロム、又は窒化タングステンシリサイド、又は窒化チタンである。
【0053】
図10Bに示すように、さらに、第1基板1の第2表面をエッチングして共用チャンバー8に連通するインク供給孔9を形成する。
【0054】
該実施例で製造した液体ノズルの具体的な液体噴射過程であって、液体はインク供給孔9によって共用チャンバー8に到達し、同時に、インパルス信号を印加した後に薄膜抵抗層3′は1000℃/μsの速度で液体を加熱し、340℃ぐらいまで到達した後に、液体の中の揮発し易い成分が気化して気泡を生成し、気泡はインク滴を元の位置から噴孔7によって押出す。気泡の形成は可逆であり、インパルス信号を解除する時、受動的な冷却によって気泡は瞬間的に破滅され、この時、インク滴は噴孔7から完全に噴出される。
【0055】
図11は、本発明の実施例の提供する液体噴射装置の一体成形製造方法のフローチャートである。
図11に示すように、本実施例の提供する噴射装置の一体成形製造方法は以下のステップを含む。
【0056】
ステップ500では、第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成する。
【0057】
ステップ600では、第1基板の第1表面上で複数の圧力発生部材に対応する圧力チャンバー及び複数の圧力チャンバーと連通する共用チャンバーを形成する。
【0058】
具体的には、
図12は、
図11におけるステップ600の具体的な実施形態のフローチャートである。
図12に示すように、ステップ600では、第1基板の第1表面上で複数の前記圧力発生部材に対応する圧力チャンバー及び複数の前記圧力チャンバーと連通する共用チャンバーを形成し、以下のステップを含むことができる。
【0059】
ステップ601では、第1基板の第1表面上にチャンバー層を設置して露光を行って、圧力チャンバーと共用チャンバーの形状と位置を限定する。
【0060】
具体的には、
図16は本発明の実施例で製造する液体噴射装置の構造模式図である。
図17A〜
図17Hは、本発明の実施例におけるステップ600の具体的な実施形態の製品製造過程の構成図である。
図16と
図17Aに示すように、第1基板21はシリコン基板にすることができ、第1基板21の第1表面は図の中で示されている第1基板21の上表面であり、第1基板21の第1表面上にチャンバー層25aをスピンコーティングすることができ、チャンバー層25aの材料は、良好な機械加工性能を有するネガ感光性ペースト
(SU−8)にすることができ、チャンバー層25aを第1基板21の上表面の全体に塗ることができ、チャンバー層25aの厚さは圧力チャンバーと共用チャンバーの高さと同等である。
【0061】
図16と17Bに示すように、マスク板212aを用いてチャンバー層25aに対する露光を行うことができ、且つマスク板212aの構造形式及び露光処理によって圧力チャンバー25と共用チャンバー27の形状と位置を限定し、ここで、チャンバー壁25bは固化され、後続処理に用いる現像液によって除去されることはない。
【0062】
ステップ602では、現像によって圧力チャンバーと共用チャンバーを形成する。
【0063】
図17Cに示すように、現像液1、2−プロピレングリコールギ酸エステ
ルを用いてチャンバー層25aを現像し、固化されたチャンバー壁25bは留保され、残りの部分が除去された後に圧力チャンバー25と共用チャンバー27(
図16に示すとおりである)を形成する。
【0064】
ステップ700では、接合処理によって前記圧力チャンバー上に噴孔板を成形し、及びフォトリソグラフィー処理によって前記噴孔板上で前記圧力チャンバーに連通する噴孔を形成する。具体的には、
図13は、
図11におけるステップ700の具体的な実施形態のフローチャートである。
図13に示すように、ステップ700は以下のステップを含むことができる。
【0065】
ステップ701では、第2基板上に噴孔層をスピンコーティングする。
【0066】
図17Dで示すように、第2基板21'の材料はプレキシガラス等にすることができ、噴孔層26aの材料は良好な機械加工性能を有するネガ感光性ペースト
(SU−8)にすることができる。
【0067】
ステップ702では、接合処理によって前記チャンバー層のチャンバー壁と前記噴孔を接着させて一緒にすることができ、
図17Eに示すとおりである。
【0068】
ステップ703では、前記第2基板を剥離し、
図17Fに示すとおりである。
【0069】
さらに、
図17Gと
図17Hに示すように、マスク板212bを用いて噴孔層26aに対する露光を行うことができ、且つマスク板212bの構造形式及び露光処理によって噴孔の形状と位置を限定し、ここで、噴孔壁は固化されて、後続処理に用いる現像液によって除去されることはない。現像液1、2−プロピレングリコールギ酸エステ
ルを用いて噴孔層26aを現像し、固化された後の噴孔壁は留保され、残りの部分が除去された後に噴孔26を形成する。
【0070】
本実施例の提供する液体噴射装置の一体成形製造方法であって、第1基板の第1表面上で圧力チャンバーと共用チャンバーを形成するので、液体噴射装置の圧力チャンバーの数量を増加させる必要がある場合に、本実施例は第1基板上で単独に圧力チャンバーを形成するため、第1基板の機械的強度が低下することはなく、製造過程において第1基板の破損を避けることができ、それによって液体噴射装置の歩留まりを高めて、製造コストを低減する。しかも、接合処理によって噴孔板を形成し、フォトリソグラフィー処理によって噴孔板上で噴孔を形成して、接着剤が圧力チャンバーの中に流入することを避けることができ、液体噴射装置のプリント品質を高めることができる。
【0071】
図14は、
図11におけるステップ500の具体的な実施形態のフローチャートであり、
図18A〜
図18Gは、本発明の他の実施形態の製品製造過程の構成図である。
図14に示すように、前記実施例の技術方法の前提で、ステップ500では、第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成し、以下のステップを含むことができる。
【0072】
ステップ501では、第1基板の第1表面をエッチングして凹溝を形成する。
【0073】
図18Aに示すように、具体的に、第1基板21の第1表面は、乾式法のエッチング又は湿式法のエッチングによって凹溝22を形成し、該凹溝22は圧力発生部材を収納して設置することに用いる。
【0074】
ステップ502では、前記凹溝内に圧電素子を形成し、該圧電素子の上表面と前記第1基板の第1表面は一致する。
【0075】
図18Bに示すように、スパッタリング法によって凹溝22内で順次に下電極層23c、圧電体層23b、及び上電極層23aを形成する。ここで、下電極層23cはチタン(Ti)層、白金(Pt)層、又は複数のチタン層の重畳層である。圧電体層23bはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)層である。上電極層23aは白金(Pt)層又は黄金層である。
【0076】
ステップ503では、第1基板の第1表面上で振動板を形成し、前記振動板は前記圧電素子の外部に被せて設ける。
【0077】
図18Cに示すように、第1基板21の第1表面は減圧化学気相堆積法又はプラズマ強化化学気相堆積法によって振動板24を形成し、振動板24の材料はSiO
2又はSi
3N
4又はSiO
2−Si
3N
4の積層である。振動板24は上電極層23aの外部に被せて設置され、且つ外縁は第1基板21の第1表面に被せて設けられている。
【0078】
それから、
図18Dに示すように、前記実施例の提供する一体成形製造方法を用いて圧力チャンバー25、共用チャンバー27、及び噴孔26を形成することができ、該方法を用いて前記チャンバーと噴孔を形成して、プリント解像度を高めることができ、且つ液体噴射装置の小型化を実現することができる。
【0079】
図15は、本発明の実施例の提供する他の液体噴射装置の一体成形製造方法のフローチャートである。
図15に示すように、さらに、前記一体成形製造方法におけるステップ700の後に、さらに以下のステップを含むことができる。
【0080】
ステップ800では、第1基板の第2表面をエッチングして共用チャンバーに連通するインク供給孔及び圧力発生部材につながる空チャンバーを形成する。
【0081】
図18Eに示すように、乾式法のエッチング法によって第1基板21の第2表面(図示する第1基板の下表面)をエッチングすることで、共用チャンバー27に連通するインク供給孔28と圧電素子23の中の下電極層23cにつながる空チャンバー29を形成し、ここで、空チャンバー29は圧電素子23の振動幅を高めることができる。
【0082】
さらに、圧電素子23の振動性能を高めるため、
図18Fに示すように、圧電素子23の両側と第1基板21の間において隙間20を形成することができ、隙間20は圧電素子23が振動する際に第1基板21の束縛を受けないことを保証して、振動幅を高める。
【0083】
ステップ900では、第1基板の第2表面に蓋板を設置し、該蓋板は前記空チャンバー上に被せて設置され且つ前記インク供給孔のスムーズな貫通を保持する。
【0084】
図18Gに示すように、第1基板21の第2表面は蓋板211に接着させて、液体噴射装置の製造過程を完了させ、蓋板211の材料はポリアクリル酸メチ
ルにすることができる。
【0085】
前記実施例の技術方法におけるステップ500において、前記第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成し、その他の方法によって実現することができ、具体的に、ステップ500は以下を含むことができる。
【0086】
ステップ501'では、第1基板の第1表面上で振動板を形成する。
【0087】
図19Aに示すように、減圧化学気相堆積法又はプラズマ強化化学気相堆積法によって、第1基板21の第1表面で振動板を形成する。ここで、前記振動板の材料はSiO
2又はSi
3N
4の積層である。
【0088】
ステップ502'では、前記振動板上で圧電素子を形成する。
【0089】
図19Bに示すように、スパッタリング法によって下電極層23cを形成し、ゾルゲル法によって圧電体層23bを形成し、スパッタリング法によって上電極層23aを形成する。ここで、下電極層23cはチタン(Ti)層、白金(Pt)層、又は複数のチタン層の重畳層にすることができる。圧電体層はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)層にすることができる。上電極層は白金(Pt)層又は黄金層にすることができる。
【0090】
図19Cに示すように、それから、前記実施例の提供する一体成形製造方法を用いて第1基板21の第1表面で圧力チャンバー25、共用チャンバー27、及び噴孔26を形成することができる。第1基
板21の第2表面においてエッチングによって共用チャンバー27に連通するインク供給孔28及び
圧電素子23の下電極層23cにつながる空チャンバー29を形成する。第1基板21の第2表面に蓋板211を設置し、該蓋板211は空チャンバー29上に被せて設置され且つインク供給
孔28のスムーズな貫通を保持する。
【0091】
図20A〜
図20Bは本発明のさらなるもう一つの製品製造過程の構成図である。
図20Aに示すように、前記実施例の技術方法の前提で、ステップ500では、第1基板上で複数の間隔を隔てて設置する圧力発生部材を形成し、具体的には以下のとおりである。
【0092】
第1基板21の第1表面において薄膜抵抗層23′を堆積し、該薄膜抵抗層23′の材料はタンタルアルミニウム合金、又はニクロム、又は窒化タングステンシリサイド、又は窒化チタンである。
【0093】
図20Bに示すように、さらに、第1基板21の第2表面をエッチングして共用チャンバー27に連通するインク供給孔28を形成する。
【0094】
該実施例で製造する液体噴射装置の具体的な液体噴射過程であって、液体はインク供給孔28を通って共用チャンバー27に到達し、同時に、インパルス信号を印加した後、薄膜抵抗層23′は1000℃/μsの速度で液体を加熱し、340℃ぐらいまで達して揮発し易い成分は気化して気泡を発生し、気泡はインク滴を元の位置から噴孔26によって押出す。気泡の形成は可逆であり、インパルス信号を解除する時、受動的な冷却によって気泡を瞬間的に破滅させ、この時、インク滴は噴孔26の中から完全に噴出する。
【0095】
本発明はさらに液体ノズルを提供し、該液体ノズルは上述した実施例の提供する液体ノズル製造方法によって製造する。本実施例の提供する液体ノズルであって、第1基板の第1表面上で圧力チャンバーと共用チャンバーを形成し、液体ノズルの圧力チャンバーの数量を増加させる必要がある場合に、本実施例は第1基板上で単独に圧力チャンバーを形成するため、第1基板の機械的強度を低下させることがなく、製造過程において第1基板の破損を避けることができ、それによって液体ノズルの歩留まりを高めて、製造コストが低下する。しかも、接合処理によって噴孔板を形成し、フォトリソグラフィー処理によって噴孔板上で噴孔を形成して、接着剤が圧力チャンバーの中に流入することを避けることができて、液体ノズルのプリント品質を高めることができる。
【0096】
本発明はさらにプリント装置を提供し、該プリント装置は前記実施例の提供する液体ノズルを含む。該プリント装置の技術方法も前記効果を有しており、ここでは詳しい説明を省略する。
【0097】
本発明はさらに液体噴射装置を提供し、該液体噴射装置は前記実施例の提供する液体噴射装置の一体成形製造方法を用いて製造する。本実施例の提供する液体噴射装置であって、第1基板の第1表面上で圧力チャンバーと共用チャンバーを形成し、液体噴射装置の圧力チャンバーの数量を増加させる必要がある場合に、本実施例は第1基板上で単独に圧力チャンバーを形成するため、第1基板の機械的強度を低下させることがなく、製造過程における第1基板の破損を避けることができ、それによって液体噴射装置の歩留まりを高めて、製造コストを低減する。しかも、接合処理によって噴孔板を形成し、フォトリソグラフィー処理によって噴孔板上で噴孔を形成するので、接着剤が圧力チャンバーの中に流入することを避けることができ、液体噴射装置のプリント品質を高めることができる。
【0098】
最後に説明を必要とすることは、以上のそれぞれの実施例は本発明の技術方法を説明することだけに用いており、それに対して制限するものではない。前述のそれぞれの実施例を参考にして本発明に対する詳細の説明を行っているが、当業者が理解すべきことは、当業者は依然として前述のそれぞれの実施例に記載の技術方法に対して訂正を行うことができ、又はその中の部分的又は全部の技術特徴に対して同等の置換を行うことができる。これらの訂正又は置換は、相応する技術方法の本質を、本発明のそれぞれの実施例の技術方法の範囲から離脱させるものではない。