(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば翼溝が周方向に設けられたTルート型と称される翼溝である場合、ロータディスクの外周面の開口部の幅は、翼溝内部の幅よりも狭い。そのため、磁粉探傷によってTルート型の翼溝の内部を検査する場合、検査員は、外部から直接視認できない部位を観察するための小型の鏡と、蛍光磁粉を発光させるための紫外線ランプとを手で持って検査を行っていた。そのため、翼溝の部位によっては確認し難い場合があったり、鏡と紫外線ランプとで両手が塞がってしまうことなどから、作業性の向上が求められていた。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、翼溝検査の作業性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る翼溝観察装置は、
キャリアと、
互いに平行な回転軸をそれぞれ有し、前記キャリアの下部に該キャリアに対して回転自在に設けられる2つのローラと、
前記キャリアから下方に突出するように設けられた光照射部と、
前記キャリアから下方に突出するように設けられ、前記光照射部による翼溝内部の光照射エリアを観察するための観察ユニットと、を備え、
前記光照射部及び前記観察ユニットは、前記2つのローラの中心軸を含む平面よりも下方に位置する。
【0007】
上記(1)の構成によれば、光照射部及び観察ユニットが2つのローラの中心軸を含む平面よりも下方に位置するので、光照射部及び観察ユニットが翼溝の内部に挿入されるように翼溝観察装置をロータディスクに配置することができる。これにより、検査員が光照射部及び観察ユニットを手で持つ必要がなくなるので、翼溝検査の作業性が向上する。
また、光照射部及び観察ユニットが翼溝の内部に挿入されたままの状態であっても、キャリアの下部のローラによって翼溝観察装置を翼溝に沿って移動させることができるようになるので、効率的に翼溝検査を行うことができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記キャリアに固定されるとともに、前記光照射部及び前記観察ユニットを保持するホルダ、をさらに備え、
前記ホルダは、前記平面への投影位置が前記2つのローラの間に位置するように配置されて前記キャリアに固定される。
【0009】
上記(2)の構成によれば、2つのローラの間にホルダが位置するので、2つのローラがロータディスクに接触するように翼溝観察装置をロータディスクに対して配置することで、ロータディスクに対するホルダの位置が安定する。これにより、ロータディスクに対して光照射部及び観察ユニットの姿勢が安定した状態で検査を行うことができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記キャリアを前記翼溝に沿って案内するように構成されたガイド部、をさらに備える。
【0011】
上記(3)の構成によれば、翼溝に沿って翼溝観察装置を安定して移動できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記ガイド部は、幅方向の中央から端部に向かうにつれて径が小さくなるように形成されたガイドローラである。
【0013】
上記(4)の構成によれば、翼溝に沿って翼溝観察装置を安定して移動できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、前記キャリアは、前記キャリアの下方に向かって磁力線が分布するように配置された磁石を含む。
【0015】
上記(5)の構成によれば、磁石の磁力によって翼溝観察装置をロータディスクに取り付けることができるので、翼溝観察装置をロータディスクの周方向に沿って下方に移動させても、翼溝観察装置がロータディスクから脱落するのを防止できるので、翼溝観察装置をロータディスクの周方向に沿って移動させ易くなり、翼溝検査の作業性が向上する。
【0016】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、前記キャリアは、前記ローラの少なくとも一つの回転を禁止可能なブレーキ装置を含む。
【0017】
上記(6)の構成によれば、重力によって翼溝観察装置がロータディスクの周方向に沿って意図せず移動することを防止できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0018】
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、前記キャリアは、前記ブレーキ装置のブレーキ解除用の把持レバーを有する把持部を含む。
【0019】
上記(7)の構成によれば、翼溝観察装置をロータディスクの周方向に沿って移動させるべく検査員が把持部を把持することでブレーキ装置のブレーキを解除できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0020】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記光照射部から照射された光を前記光照射エリアに導くためのミラーと、
前記キャリアに固定されるとともに、前記光照射部、前記ミラー及び前記観察ユニットを保持するホルダと、をさらに備え、
前記ホルダは、該ホルダの下部において少なくとも前記ミラーを保持する枠体を含み、
前記ミラーは、前記枠体の幅方向に沿った軸周りに前記枠体の延在面に対して回転させた平面に沿って延在し、前記光照射部からの上方からの光を反射するように構成される。
【0021】
Tルート型の翼溝では、翼溝の径方向外側の隅の部分に亀裂が生じやすい。しかし、ロータディスクの外周面の開口部から翼溝の内部に光照射部が挿入された状態で光照射部から光が下方、すなわちロータディスクの径方向内側に向かって照射されると、翼溝の径方向外側の隅の部分には光が届きにくい。
その点、上記(8)の構成によれば、ミラーによって光照射部からの上方からの光が反射されるので、翼溝の径方向外側の隅の部分にも光が届き易くなる。これにより、亀裂が生じやすい部分を観察し易くなるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0022】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記枠体は、前記枠体の幅方向に沿った軸周りに前記ミラーを回動可能に保持する回動板部を有し、
前記回動板部を前記枠体の幅方向に沿った軸周りに回動させるための駆動機構、をさらに備える。
【0023】
上記(9)の構成によれば、回動板部を枠体の幅方向に沿った軸周りに回動させることでミラーによる光照射部からの上方からの光の反射角度を調節できるので、観察対象となる領域に効率的に光を照射できる。
【0024】
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る翼溝観察装置は、
光照射部と、
前記光照射部から照射された光を翼溝内部の観察対象エリアに導くためのミラーと、
前記観察対象エリアを観察するための観察ユニットと、
前記光照射部、前記ミラー及び前記観察ユニットを保持するホルダと、を備え、
前記ホルダは、該ホルダの下部において少なくとも前記ミラーを保持する枠体を含み、
前記ミラーは、前記枠体の幅方向に沿った軸周りに前記枠体の延在面に対して回転させた平面に沿って延在し、前記光照射部からの上方からの光を反射するように構成される。
【0025】
上記(10)の構成によれば、光照射部、ミラー及び観察ユニットが翼溝の内部に位置するようにホルダを翼溝の内部に挿入すれば、検査員が光照射部及び観察ユニットを手で持つ必要がなくなるので、翼溝検査の作業性が向上する。
また、ミラーによって光照射部からの上方からの光が反射されるので、翼溝の径方向外側の隅の部分にも光が届き易くなる。これにより、上述したように亀裂が生じやすい部分である、翼溝の径方向外側の隅の部分を観察し易くなるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0026】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記枠体は、前記枠体の幅方向に沿った軸周りに前記ミラーを回動可能に保持する回動板部を有し、
前記回動板部を前記枠体の幅方向に沿った軸周りに回動させるための駆動機構、をさらに備える。
【0027】
上記(11)の構成によれば、回動板部を枠体の幅方向に沿った軸周りに回動させることでミラーによる光照射部からの上方からの光の反射角度を調節できるので、観察対象となる領域に効率的に光を照射できる。
【0028】
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る翼溝観察方法は、
上記(1)乃至(11)の何れかの構成の翼溝観察装置を用いてロータディスクの翼溝の内部を観察する翼溝観察方法であって、
少なくとも前記光照射部と前記観察ユニットとを前記翼溝の内部に挿入するステップと、
前記光照射部と前記観察ユニットとを前記翼溝の内部に挿入した状態で前記光照射部から前記翼溝の内部に光を照射しながら前記翼溝の内部の光照射エリアを前記観察ユニットで観察するステップと、を備える。
【0029】
上記(12)の方法によれば、上記(1)乃至(11)の何れかの構成の翼溝観察装置を用いてロータディスクの翼溝の内部を観察するので、検査員が光照射部及び観察ユニットを手で持つ必要がなく、翼溝検査の作業性が向上する。
【発明の効果】
【0030】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、翼溝検査の作業性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0033】
図1は、一実施形態に係る翼溝観察装置1の外観を表す模式的な図であり、
図1(a)は側面図であり、
図1(b)は、
図1(a)の図示右方から見た図である。
図2は、一実施形態に係る翼溝観察装置1の斜視図である。
また、
図8は、他の実施形態に係る翼溝観察装置1Aの外観の斜視図である。
なお、
図2では、後述する光照射部30や観察ユニット40、ミラー35等の記載を省略している。
【0034】
図1及び
図8に示す幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aは、ガスタービンや蒸気タービン等のタービンにおけるタービンロータのロータディスク外周面に形成された翼溝を検査するための装置である。以下の説明する幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aは、Tルート型の翼溝のような狭隘部の検査に用いることができる。
【0035】
図1に示す一実施形態に係る翼溝観察装置1は、キャリア10と、2つのローラ20と、光照射部30と、観察ユニット40とを備えている。また、
図1に示す一実施形態に係る翼溝観察装置1は、ガイドローラ50と、磁石60とを備えている。
図1に示す一実施形態に係る翼溝観察装置1は、キャリア10に取り付けられるホルダ100を備えている。ホルダ100には、ミラー35が取り付けられている。
【0036】
図8に示す他の実施形態に係る翼溝観察装置1Aは、光照射部30と、ミラー35と、観察ユニット40と、100ホルダとを備えている。
【0037】
説明の便宜上、
図1(a),(b)及び
図8における上下方向を幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aの上下方向として規定する。なお、後述するように、幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aをロータディスク外周面に配置した状態では、幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aの上下方向は、ロータディスクの径方向と同じ方向を向く。翼溝観察装置1,1Aの上方向は、ロータディスクの径方向外側を向き、翼溝観察装置1,1Aの下方向は、ロータディスクの径方向内側を向く。
【0038】
図1に示す一実施形態に係る翼溝観察装置1では、キャリア10は、ローラ20、ホルダ100、ガイドローラ50及び磁石60が取り付けられるフレームである。キャリア10には、ホルダ100が固定される固定部11がキャリア10の上部に設けられている。
キャリア10は、翼溝観察装置1のハンドリングのための把持部12を有する。把持部12は、後述する、ブレーキ装置のブレーキ解除用の把持レバー77を有する。
【0039】
また、キャリア10には、固定部11を挟んで、互いに平行な回転軸21をそれぞれ有する2つのローラ20がキャリア10の下部に該キャリア10に対して回転自在に設けられている。
2つのローラ20のそれぞれは、回転軸21の両端に取り付けられたタイヤ22を有する(
図1(b)参照)。タイヤ22は、例えばウレタンやゴム等の弾力性を有する材料によって構成されている。
【0040】
幾つかの実施形態の光照射部30は、光を照射するためのものであり、例えば紫外線発光装置3で発光された紫外線を導いて翼溝5内で照射する光ファイバケーブル31である。幾つかの実施形態の光照射部30は、ホルダ100に固定されている。なお、
図1に示す一実施形態の光照射部30は、キャリア10から下方に突出するように設けられている。
光ファイバケーブル31は、例えば直径が2mm程度であるので、翼溝5の狭隘部でも使用できる。
【0041】
幾つかの実施形態の観察ユニット40は、観察対象エリア、すなわち、光照射部30による翼溝内部の光照射エリアを観察するためのものであり、例えば、ビデオスコープ4の挿入部41である。
挿入部41は、例えば直径が4mm程度であるので、翼溝5の狭隘部でも使用できる。
幾つかの実施形態の観察ユニット40は、先端部42近傍の内部に撮像素子を含む不図示の撮像ユニットを備えている。幾つかの実施形態の観察ユニット40は、ホルダ100に固定されている。なお、
図1に示す一実施形態の観察ユニット40は、キャリア10から下方に突出するように設けられている。
また、
図1に示す一実施形態の光照射部30及び観察ユニット40は、2つのローラ20の中心軸AX1を含む仮想的な平面Pよりも下方に位置する。
【0042】
幾つかの実施形態のホルダ100は、光照射部30及び観察ユニット40を保持するホルダである。また、幾つかの実施形態のホルダ100は、ミラー35を保持する。
図1に示す一実施形態のホルダ100は、2つのローラ20の中心軸AX1を含む仮想的な平面Pへの投影位置が2つのローラ20の間に位置するように配置されて、上述したようにキャリア10の固定部11に固定される。ホルダ100の構造については、後で詳述する。
【0043】
このように、一実施形態の翼溝観察装置1では、光照射部30及び観察ユニット40が上述した平面Pよりも下方に位置するので、光照射部30及び観察ユニット40が翼溝5の内部に挿入されるように翼溝観察装置1をロータディスク2に配置することができる。これにより、検査員が光照射部30及び観察ユニット40を手で持つ必要がなくなるので、翼溝検査の作業性が向上する。
また、光照射部30及び観察ユニット40が翼溝5の内部に挿入されたままの状態であっても、キャリア10の下部のローラ20によって翼溝観察装置1を翼溝5に沿って移動させることができるようになるので、効率的に翼溝検査を行うことができる。
【0044】
また、一実施形態の翼溝観察装置1では、2つのローラ20の間にホルダ100が位置するので、2つのローラ20がロータディスク2に接触するように翼溝観察装置1をロータディスク2に対して配置することで、ロータディスク2に対するホルダ100の位置が安定する。これにより、ロータディスク2に対して光照射部30及び観察ユニット40の姿勢が安定した状態で検査を行うことができる。
【0045】
図1に示す一実施形態のガイドローラ50は、後述するように、キャリア10、すなわち翼溝観察装置1を翼溝5に沿って案内するように構成されたガイド部である。ガイドローラ50は、幅方向の中央から端部に向かうにつれて径が小さくなるように形成されたテーパ面52を有するテーパローラである。ガイドローラ50は、幅方向中央に径方向に突出した突部51が形成されている。突部51の幅は、
図1(b)に示すように、ロータディスク2の外周面の開口部2aの幅よりも狭い。
ガイドローラ50は、2つのローラ20を挟んで、互いに平行な回転軸をそれぞれ有する2つのテーパローラである。ガイドローラ50は、キャリア10の下部に該キャリア10に対して回転自在に設けられている。ガイドローラ50のそれぞれの回転軸は、ローラ20の回転軸21と平行である。
【0046】
なお、検査対象となるロータディスク2の外径に応じて、ローラ20とガイドローラ50との上下方向の位置関係が変更できるように、ガイドローラ50の上下方向の位置を調節する調節機構を設けてもよい。また、ローラ20とガイドローラ50との上下方向の位置関係が異なる、複数の翼溝観察装置1を用意してもよい。
【0047】
図1に示す一実施形態の磁石60は、キャリア10の下方に向かって磁力線が分布するように、キャリア10の下部に配置されている。すなわち、磁石60は、翼溝観察装置1がロータディスク2からの脱落防止のために、その磁力による吸着力で翼溝観察装置1をロータディスク2に押し付けるためのものである。一実施形態では、磁石60は、2つのガイドローラ50の近傍にそれぞれ設けられている。磁石60は、永久磁石であってもよく、電磁石であってもよい。また、磁石60とロータディスク2との距離を調節する調節機構を設けてもよい。
【0048】
(ホルダ100)
図3は、幾つかの実施形態の翼溝観察装置1,1Aのホルダ100の斜視図である。
図4は、光照射部30及び観察ユニット40が取り付けられた状態の幾つかの実施形態に係るホルダ100の斜視図である。
図5は、幾つかの実施形態に係るホルダ100の下部の斜視図である。
説明の便宜上、次に述べる枠体110が延在する方向のうち、上下方向と直交する方向を枠体110の幅方向と呼ぶ。以下の説明では、枠体110の幅方向を単に幅方向と呼ぶこともある。
【0049】
幾つかの実施形態に係るホルダ100は、枠体110と、観察ユニット保持部120と、固定部130と、移動枠140と、移動枠昇降部150を有する。
【0050】
(枠体110)
枠体110は、矩形形状を呈する枠状の部材であり、上辺部111と、上辺部111から下方に向かって延在する2つの側辺部112と、側辺部112の下部に取り付けられた回動板部115とを含む。
【0051】
上辺部は、枠体110の上辺に相当する部位であり、枠体110の幅方向に延在する。上辺部111には、光照射部30が挿通される孔部111aと、観察ユニット保持部120の下端が挿通される孔部111bとが設けられている。
側辺部112は、枠体110の幅方向に離間して設けられた枠体110の側辺に相当する部位であり、上下方向に延在する。側辺部112のそれぞれには、光照射部30の先端32を下方に向けた状態で光照射部30を保持する保持部113が設けられている。側辺部112の下端は、次に述べる回動板部115を回動可能に保持する。
側辺部112には、枠体110の幅方向外側に向かって突出するピン114がそれぞれ取り付けられている。
【0052】
回動板部115は、枠体110の下辺に相当する部材であり、枠体110の幅方向に延在する。回動板部115には、
図4及び
図8に示すように、上面にミラー35が取り付けられる。回動板部115は、枠体110の幅方向に沿った
図5に示す軸AX2周りに回動可能に側辺部112の下端に保持されている。すなわち、回動板部115は、枠体110の幅方向に沿った軸AX2周りにミラー35(
図4,8参照)を回動可能に保持する。
なお、ミラー35は、光照射部30から照射された光を光照射エリアに導くためのものである。
【0053】
回動板部115は、軸AX2から偏心した位置で、枠体110の幅方向の両端から幅方向外側に向かって突出する突部115aを有する。
突部115aには、引張コイルバネ116の一端が係止されている。引張コイルバネ116の他端は、枠体110の側辺部112のピン114に係止されている。
【0054】
(観察ユニット保持部120)
観察ユニット保持部120は、上下方向に延在する中空の軸状部材であり、内部に挿通される観察ユニット40を固定する。観察ユニット40は、
図4及び
図8に示すように、観察ユニット保持部120の下端から下方に突出した状態で観察ユニット保持部120に固定される。
観察ユニット保持部120の下端は、上辺部111の孔部111bに挿通されて、上辺部111に固定される。観察ユニット保持部120の上部の外周面には雄ねじ部121が設けられている。
【0055】
(固定部130)
固定部130は、連結軸部135を介して枠体110の上方で上辺部111と連結された部材であり、光照射部30が挿通される孔部131と、後述する移動枠昇降部150が挿通される孔部132とを有する。一実施形態の翼溝観察装置1では、固定部130は、
図1及び
図2に示すように、キャリア10の固定部11に固定される。
なお、キャリア10の固定部11に対する固定部130の高さ位置を変更することで、ホルダ100下部の翼溝5への挿入深さを変更できる。
【0056】
(移動枠140)
移動枠140は、枠体110の幅方向に延在する上辺部141と、枠体110の幅方向に離間して設けられ、上辺部141の両端から下方に延在する側辺部142とを有する。移動枠140は、上辺部141が枠体110の上辺部111の上方に位置し、側辺部142が枠体110の側辺部112の側方外側に位置するように配置される。上辺部141には、光照射部30が挿通される孔部141aと、観察ユニット保持部120の下端が挿通される孔部141bと、連結軸部135が挿通される孔部141cとが設けられている。
【0057】
(移動枠昇降部150)
移動枠昇降部150は、上下方向に延在する中空の軸状部材であり、内部に観察ユニット保持部120が挿通されている。移動枠昇降部150の上部の内周面には、観察ユニット保持部120の雄ねじ部121と結合される不図示の雌ねじ部が設けられている。移動枠昇降部150の上部には、移動枠昇降部150を軸の周りに回動させるためのつまみ部152が設けられている。
移動枠昇降部150の下端は、移動枠140の上辺部141に対して回動可能に結合されている。
【0058】
このように構成される幾つかの実施形態に係るホルダ100では、
図4及び
図8に示すように、光照射部30は、固定部130の孔部131、移動枠140の上辺部141の孔部141a及び枠体110の上辺部111の孔部111aに挿通されて、先端32を下方に向けた状態で先端部が保持部113に保持されている。
光照射部30の先端32は、ミラー35と対向した位置に配置されている。紫外線発光装置3(
図1,8参照)で発光された紫外線は、光照射部30の先端32からミラー35に向かって照射されるように構成されている。
すなわち、幾つかの実施形態では、ホルダ100は、該ホルダ100の下部において少なくともミラー35を保持する枠体110を含む。また、幾つかの実施形態では、ミラー35は、軸AX2周りに枠体110の延在面に対して回転させた平面に沿って延在し、光照射部30からの上方からの光を反射するように構成される。
【0059】
幾つかの実施形態に係るホルダ100では、観察ユニット40は、観察ユニット保持部120の下端から下方に突出した状態で観察ユニット保持部120に固定されている。観察ユニット40の先端部42には、側方を観察するための光学アダプタ43が取り付けられている。
【0060】
一実施形態のホルダ100は、
図1及び
図2に示すように、固定部130がキャリア10の固定部11に固定されることでキャリア10に固定されている。
【0061】
(ミラー35の反射角度の変更について)
ミラー35は、光照射部30の先端32から照射される紫外線を反射する。また上述したように、ミラー35は、回動板部115によって枠体110の幅方向に沿った軸AX2(
図5参照)周りに回動可能に保持されている。したがって、ミラー35の回動位置を変更することで光照射部30の先端32からの紫外線の反射角度を変更できる。以下、ミラー35の反射角度を変更する方法について説明する。
【0062】
図6は、ミラー35の反射角度を変更する方法について説明するための模式的な図であり、ミラー35及び回動板部115を枠体110の幅方向から見た図である。
図5に示すように、回動板部115は、軸AX2周りに回動可能に側辺部112の下端に保持されており、突部115aが引張コイルバネ116の付勢力によって上方に向かって付勢されている。そのため、回動板部115は、
図6(a)に示すように、軸AX2を中心として、矢印91aで示すように図示反時計方向に付勢されている。回動板部115の図示反時計方向への回動は、突部115aが移動枠140の側辺部142の先端部142aと当接するか、
図5に示すように、枠体110の側辺部112の先端部112aと当接することで規制される。
【0063】
上述したように、移動枠昇降部150の上部の内周面の不図示の雌ねじ部は、観察ユニット保持部120の雄ねじ部121と結合されている。また、観察ユニット保持部120の下端は、枠体110の上辺部111に固定されている。
そのため、検査員が移動枠昇降部150のつまみ部152を把持して移動枠昇降部150を軸の周りに回動させると、移動枠昇降部150が観察ユニット保持部120に対して、すなわち移動枠昇降部150が枠体110に対して上下方向に移動する。
上述したように、移動枠昇降部150の下端は、移動枠140の上辺部141に対して回動可能に結合されている。そのため、移動枠昇降部150が枠体110に対して上下方向に移動すると、移動枠140の側辺部142は枠体110に対して上下方向に移動する。
【0064】
例えば、
図6(a)に示す状態から、移動枠昇降部150を軸の周りに回動させることで、
図6(b)に示すように、
図6において不図示の枠体110に対して、矢印91bで示すように、移動枠140の側辺部142を下方向に移動させることができる。これにより、回動板部115及びミラー35が
図6において不図示の引張コイルバネ116の付勢力に抗して軸AX2を中心として、矢印91cで示すように図示時計方向へ回動する。
また、移動枠昇降部150を軸周りに上記の回動方向とは反対方向へ回動させることで、不図示の枠体110に対して、移動枠140の側辺部142を上方向に移動させることができる。これにより、回動板部115及びミラー35が
図6において不図示の引張コイルバネ116の付勢力より軸AX2を中心として、図示反時計方向へ回動する。
幾つかの実施形態では、このようにして、ミラー35の反射角度を変更できる。すなわち、幾つかの実施形態は、観察ユニット保持部120と、移動枠140と、移動枠昇降部150とを含む駆動機構80が構成されており、回動板部115を軸AX2周りに回動させる。
【0065】
(紫外線カットフィルタについて)
幾つかに実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aでは、蛍光磁粉を用いた磁粉探傷に用いられる。幾つかに実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aでは、光照射部30から照射した紫外線による蛍光磁粉の発光の有無を、ビデオスコープ4のモニタに表示される画像を観察することで確認する。この時、紫外線によってビデオスコープ4のモニタに表示される画像が紫色がかってしまうため、蛍光磁粉の発光の有無を確認し難い場合がある。
そこで、幾つかの実施形態では、ビデオスコープ4の挿入部41の内部の撮像素子に入射する紫外線を抑制するため、挿入部41の先端部42に紫外線カットフィルタを設ける。
図7は、挿入部41の先端部42に紫外線カットフィルタを設けた状態を模式的に示す図である。
幾つかの実施形態では、
図7に示すように、挿入部41の先端部42と光学アダプタ43との間で紫外線カットフィルタ45を挟持する。
これにより、挿入部41の内部の撮像素子に入射する紫外線を紫外線カットフィルタ45で抑制できるので、ビデオスコープ4のモニタに表示される画像において、蛍光磁粉の発光を明瞭に確認できるようになる。
【0066】
(ブレーキ装置について)
一実施形態の翼溝観察装置1では、キャリア10は、以下に述べる、ローラ20の回転を禁止可能なブレーキ装置70を含んでいる。
【0067】
図9〜
図11を参照して、一実施形態の翼溝観察装置1におけるブレーキ装置70について説明する。
図9及び
図11は、ブレーキ装置70の構造を模式的に示す断面図である。
図10は、ブレーキ装置70によって回転が禁止されるローラ20Aの斜視図である。一実施形態では、ブレーキ装置70は、2つのローラ20のうちの1つに対して制動力を発生させる。このローラ20Aには、回転軸21にブレーキディスク23が取り付けられている。ブレーキディスク23には、外周部に複数の凹凸が設けられている。
【0068】
図9及び
図11に示すように、ブレーキ装置70は、ブレーキシュー71と、ブレーキプレート72と、付勢ばね73と、を有する。
ブレーキシュー71は、ブレーキディスク23の外周面に押圧されることで制動力を発生させるための部材であり、たとえばウレタン等の材料によって構成されている。
ブレーキプレート72は、下面にブレーキシュー71が取り付けられた板状部材である。ブレーキプレート72の上面には、上方に向かって延在する2つの軸部74が取り付けられている。2つの軸部74は、直動ガイド75を介してキャリア10に対して上下方向に移動可能に支持されている。
【0069】
ブレーキプレート72は、付勢ばね73の付勢力で下方に向かって付勢されている。そのため、ブレーキプレート72の下面に取り付けられたブレーキシュー71は、付勢ばね73の付勢力によってブレーキディスク23の外周面を押圧する。これにより、ローラ20Aの回転が禁止される。
【0070】
2つの軸部74の上部には、腕部76を介して、ブレーキ装置70のブレーキ解除用の把持レバー77が取り付けられている。翼溝観察装置1のハンドリングのための把持部12(
図1参照)が把持されて、把持レバー77が上方に引き上げられると、
図11に示すように、腕部76及び2つの軸部74を介して把持レバー77に結合されているブレーキプレート72が付勢ばね73の付勢力に抗して上方に引き上げられる。これによりブレーキシュー71が上方に引き上げられてブレーキディスク23の外周面から離間するので、ブレーキが解除される。
【0071】
(翼溝観察装置1,1Aを用いた翼溝観察方法について)
このように構成される幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aを用いることで、次のようにして翼溝5の検査を行うことができる。
図12は、幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aを用いて行う翼溝観察方法の概略の流れを示すフローチャートである。幾つかの実施形態に係る翼溝観察方法は、翼溝観察装置1,1Aを用いてロータディスク2の翼溝5の内部を観察する翼溝観察方法であって、挿入ステップS1と観察ステップS2とを備える。
【0072】
挿入ステップS1は、少なくとも光照射部30と観察ユニット40とを翼溝5の内部に挿入するステップである。
具体的には、蛍光磁粉を付着させた後の翼溝5の内部にホルダ100の下部を挿入させる。
図1に示す一実施形態の翼溝観察装置1では、
図1(b)に示すように、ロータディスク2の外周面にローラ20を接触させると、ホルダ100の下部が翼溝5の内部に挿入される。この時、一実施形態の翼溝観察装置1では、磁石60の磁力による吸着力で翼溝観察装置1がロータディスク2に押し付けられる。すなわち、磁石60の磁力によって翼溝観察装置1をロータディスク2に取り付けることができる。これにより、翼溝観察装置1をロータディスク2の周方向に沿って下方に移動させても、翼溝観察装置1がロータディスク2から脱落するのを防止できるので、翼溝観察装置1をロータディスク2の周方向に沿って移動させ易くなり、翼溝検査の作業性が向上する。
【0073】
また、
図1に示す一実施形態の翼溝観察装置1では、
図1(b)に示すように、ロータディスク2の外周面にローラ20を接触させると、ガイドローラ50もロータディスク2の外周面に接触する。具体的には、ガイドローラ50は、テーパ面52がロータディスク2の外周面の開口部2aと接触し、突部51が開口部2aからロータディスク2の径方向内側に入り込む。
テーパ面52がロータディスク2の外周面の開口部2aと接触しているので、翼溝観察装置1をロータディスク2の周方向に沿って移動させる際、ガイドローラ50が、開口部2aが延在するロータディスク2の周方向に沿って翼溝観察装置1を案内する。すなわち、ガイドローラ50の幅方向の中心が開口部2aの幅方向の中心からずれると、開口部2aとテーパ面52との2か所の接触部分での接触圧力に差が生じるため、ガイドローラ50には、上記のずれを少なくするような力が働く。
これにより、翼溝5に沿って翼溝観察装置1を安定して移動できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
また、突部51が開口部2aから径方向内側に入り込んでいるので、突部51が開口部2aからロータディスク2の厚さ方向、すなわち、タービンロータの軸方向にそれてしまうことが抑制される。なお、ロータディスク2の厚さ方向、すなわち、タービンロータの軸方向は、
図1(b)における左右方向である。
【0074】
図1に示す一実施形態の翼溝観察装置1では、翼溝観察装置1がロータディスク2の外周面に載置されると、上述したブレーキ装置70によってローラ20Aの回転が禁止される。これにより、重力によって翼溝観察装置1がロータディスク2の周方向に沿って意図せず移動することを防止できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
なお、検査員が把持部12を把持して、把持レバー77を上方に引き上げると、上述したようにブレーキ装置70のブレーキが解除されるので、検査員は、翼溝観察装置1をロータディスク2の外周面に沿って自由に移動させることができる。
このように、翼溝観察装置1をロータディスク2の周方向に沿って移動させるべく検査員が把持部12を把持することでブレーキ装置70のブレーキを解除できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0075】
図8に示した他の実施形態に係る翼溝観察装置1Aでは、検査員が翼溝観察装置1Aを把持し、ホルダ100の下部を翼溝5の内部に挿入させる。ホルダ100の下部を翼溝5の内部に挿入させた後、マグネット台座等を用いることで、ロータディスク2に対して翼溝観察装置1Aを固定すれば、検査員が翼溝観察装置1Aを手で持つ必要がない。なお、マグネット台座等を用いない場合であっても、検査員は翼溝観察装置1Aを片手で持つことができるので、もう片方の手が自由となる。したがって、
図8に示した他の実施形態に係る翼溝観察装置1Aを用いることで、翼溝検査の作業性が向上する。
【0076】
次いで、観察ステップS2を実行する。観察ステップS2は、光照射部30と観察ユニット40とを翼溝5の内部に挿入した状態で光照射部30から翼溝5の内部に光を照射しながら翼溝5の内部の光照射エリアを観察ユニット40で観察するステップである。
この時、上述したようにしてミラー35の反射角度を変更することで、翼溝5内の所望のエリアに光照射部30からの紫外線を照射できる。
【0077】
Tルート型の翼溝5では、
図1(b)において破線の円Cで囲まれた、翼溝5の径方向外側の隅の部分に亀裂が生じやすい。しかし、ロータディスク2の外周面の開口部2aから翼溝5の内部に光照射部30が挿入された状態で光照射部30から光が下方、すなわちロータディスク2の径方向内側に向かって照射されると、翼溝5の径方向外側の隅の部分には光が届きにくい。
その点、幾つかの実施形態では、ミラー35によって光照射部30からの上方からの光が反射されるので、翼溝5の径方向外側の隅の部分にも光が届き易くなる。これにより、亀裂が生じやすい部分を観察し易くなるので、翼溝検査の作業性が向上する。
また、幾つかの実施形態では、回動板部115を枠体110の幅方向に沿った軸AX2周りに回動させることでミラー35による光照射部30からの上方からの光の反射角度を調節できるので、観察対象となる領域に効率的に光を照射できる。
【0078】
幾つかの実施形態では、ビデオスコープ4のモニタに表示される画像で蛍光磁粉の発光を確認できるので、検査員の負担が軽減される。また、ビデオスコープ4のモニタに表示される画像を複数人で観察できるので、きずの見落としを抑制できる。ビデオスコープ4を用いることで、ビデオスコープ4が有する画像の保存機能を利用でき、検査記録の保存に資する。
【0079】
その後、翼溝観察装置1,1Aのロータディスク2における周方向位置を適宜変更して翼溝5内の観察を行う。
このように、翼溝観察装置1,1Aを用いた翼溝観察方法によれば、幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aの何れかを用いてロータディスク2の翼溝5の内部を観察するので、検査員が光照射部30及び観察ユニット40を手で持つ必要がなく、翼溝検査の作業性が向上する。
【0080】
また、幾つかの実施形態に係る翼溝観察装置1,1Aを用いることで、翼溝5の観察が容易となり、翼溝5のきずの見落としを抑制できる。
【0081】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した幾つかの実施形態の光照射部30は、紫外線発光装置3で発光された紫外線を導いて翼溝5内で照射する光ファイバケーブル31であった。しかし、ホルダ100で光ファイバケーブル31を保持することに代えて、紫外線を発光する発光ダイオード等の光源を枠体110の下部に配置してもよい。
【0082】
上述した幾つかの実施形態の観察ユニット40は、ビデオスコープ4の挿入部41であった。しかし、ホルダ100でビデオスコープ4の挿入部41を保持することに代えて、撮像素子を有する小型の撮像ユニットを枠体110の下部に配置してもよい。
【0083】
上述した一実施形態の翼溝観察装置1では、ガイドローラ50は2つ設けられていたが、ガイドローラ50は少なくとも1つでもよい。また、ガイドローラ50に突部51を形成することは必須ではない。また、ローラ20とガイドローラ50とを設けることに代えて、ローラ20とガイドローラ50との機能を持ち合わせたローラを設けてもよい。
【0084】
上述した一実施形態の翼溝観察装置1では、キャリア10を翼溝5に沿って案内するためにガイドローラ50を設けた。しかし、キャリア10を翼溝5に沿って案内するための構成は、ガイドローラ50に限定されない。例えば、ガイドローラ50に代えて、キャリア10の下方に向かって突出して、翼溝5に挿入される軸状の部材や板状の部材を設けてもよい。このような構成であっても、翼溝5に沿って翼溝観察装置1を安定して移動できるので、翼溝検査の作業性が向上する。
【0085】
上述した一実施形態の翼溝観察装置1では、ブレーキ装置70は、2つのローラのうちの1つに対して制動力を発生させる。しかし、2つのローラのそれぞれに対して制動力を発生させるようにブレーキ装置70を構成してもよい。
【解決手段】翼溝観察装置は、キャリアと、互いに平行な回転軸をそれぞれ有し、前記キャリアの下部に該キャリアに対して回転自在に設けられる2つのローラと、前記キャリアから下方に突出するように設けられた光照射部と、前記キャリアから下方に突出するように設けられ、前記光照射部による翼溝内部の光照射エリアを観察するための観察ユニットと、を備え、前記光照射部及び前記観察ユニットは、前記2つのローラの中心軸を含む平面よりも下方に位置する。