特許第6334051号(P6334051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334051
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ウェハーの欠陥測定装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20180521BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01L21/66 J
   H01L21/68 M
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-504032(P2017-504032)
(86)(22)【出願日】2015年7月28日
(65)【公表番号】特表2017-527990(P2017-527990A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】KR2015007882
(87)【国際公開番号】WO2016018049
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2017年1月24日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0096449
(32)【優先日】2014年7月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511028928
【氏名又は名称】エスケー シルトロン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】カン、チ−フン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、キ−ユン
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−326430(JP,A)
【文献】 特開2003−243465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハーの下面に空気を噴射してウェハーを浮揚させる下部ブロワと、
前記下部ブロワに対して昇降可能に具備され、ウェハーの上面に空気を噴射してウェハーを固定させる上部ブロワと、
前記上部ブロワの上側に具備され、ウェハーの上面の汚染を感知する上部汚染測定部と、
前記下部ブロワの下側に具備され、ウェハーの下面の汚染を感知する下部汚染測定部と、
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの側面の汚染を感知する側面汚染測定部と、を含み、
前記上部ブロワと前記下部ブロワは、
空気が流動できるリング状の流路と、
前記流路に一定間隔を置いてウェハーの上下面に空気を噴射させることができる複数個の噴射口と、を含む
ェハーの欠陥測定装置。
【請求項2】
前記上部ブロワと前記下部ブロワは、
前記ウェハーの上下面に噴射される空気の噴射角度が45゜であり、
前記ウェハーの中心とエッジとの間の中間地点に空気を噴射させる、
請求項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【請求項3】
前記流路の前記噴射口は、少なくとも二つ以上のグループに分かれるように複数個の流路ユニットに区画され、
前記流路ユニットは、空気の噴射圧を調節するためにそれぞれのレギュレーターと連結される、
請求項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【請求項4】
前記上部ブロワと前記下部ブロワは、
ウェハーの上下面の傾きを感知するリミットセンサーをさらに含み、
前記レギュレーターは、前記リミットセンサーで感知された傾きにしたがって前記流路ユニットに供給される空気の噴射圧を調節する、
請求項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【請求項5】
ウェハーの下面に空気を噴射してウェハーを浮揚させる下部ブロワと、
前記下部ブロワに対して昇降可能に具備され、ウェハーの上面に空気を噴射してウェハーを固定させる上部ブロワと、
前記上部ブロワの上側に具備され、ウェハーの上面の汚染を感知する上部汚染測定部と、
前記下部ブロワの下側に具備され、ウェハーの下面の汚染を感知する下部汚染測定部と、
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの側面の汚染を感知する側面汚染測定部と、を含み、
前記側面汚染測定部は、
ウェハーの円周方向に移動可能な少なくとも二つ以上のカメラである
ェハーの欠陥測定装置。
【請求項6】
ウェハーの下面に空気を噴射してウェハーを浮揚させる下部ブロワと、
前記下部ブロワに対して昇降可能に具備され、ウェハーの上面に空気を噴射してウェハーを固定させる上部ブロワと、
前記上部ブロワの上側に具備され、ウェハーの上面の汚染を感知する上部汚染測定部と、
前記下部ブロワの下側に具備され、ウェハーの下面の汚染を感知する下部汚染測定部と、
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの側面の汚染を感知する側面汚染測定部と、
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの昇降移動を案内する昇降ガイド部と、を含
ェハーの欠陥測定装置。
【請求項7】
ウェハーの下面に空気を噴射してウェハーを浮揚させる下部ブロワと、
前記下部ブロワに対して昇降可能に具備され、ウェハーの上面に空気を噴射してウェハーを固定させる上部ブロワと、
前記上部ブロワの上側に具備され、ウェハーの上面の汚染を感知する上部汚染測定部と、
前記下部ブロワの下側に具備され、ウェハーの下面の汚染を感知する下部汚染測定部と、
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの側面の汚染を感知する側面汚染測定部と、
ウェハーのノッチを測定するノッチ測定カメラと、
前記ノッチ測定カメラによって測定されたウェハーのノッチをグリップするノッチグリッパーと、
前記ノッチグリッパーと反対方向に具備されてウェハーのノッチの反対側を半径方向に支持するストッパーと、を含
ェハーの欠陥測定装置。
【請求項8】
前記ノッチグリッパーは、
ウェハーのノッチ部の上下面及び側面の一部と接触される部分が緩衝材質で構成される、
請求項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【請求項9】
前記ノッチグリッパーは、
ウェハーのノッチ部側面の一部との接触面積を減らすためにラウンドの形状に形成された側面部を含む、
請求項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【請求項10】
前記ストッパーは、
ウェハーの半径方向に緩衝支持可能であるように空圧式で制御される、
請求項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハーの接触による汚染を防止すると共に、ウェハーの上下面と側面で同時に欠陥を測定することができるウェハーの欠陥測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウェハーは、複数段階の加工を経るため、各工程の進行段階において、ウェハーに汚染、クラック、スクラッチなどの欠陥が発生する可能性がある。
【0003】
ウェハーの表面の欠陥は、デバイス工程における欠陥の発生及び歩留まりの悪化などの悪影響を及ぼす恐れがあるため、ウェハー製造工程において多様なウェハー検査が実施される。
【0004】
従来、ウェハーの欠陥は目視で検査していたが、目視検査は信頼性が落ちるだけでなく、追加的なウェハーの欠陥が発生する可能性があるため、別装置によってウェハーの欠陥を自動で検査している。
【0005】
特許文献1には、半導体ウェハーの裏面検査装置が開示されており、装置の中央部が開口され、半導体ウェハー裏面のエッジ面を支持するリング状のステージを含むように構成される。
【0006】
特許文献2には、ウェハーの裏面を検査する装置に採用されるウェハー支持体が開示されており、ウェハーステージ上に突出されてウェハーのエッジ部位を支持するステージピンを含むように構成される。
【0007】
しかし、従来技術によるウェハーの欠陥測定装置は、ウェハーの側面または下面を支持するので、ウェハーの側面または下面で汚染を誘発する恐れがあり、ウェハーの欠陥検査過程において測定エラーが発生する問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2010-0042340号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2004-0012404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、ウェハーの接触による汚染を低減させることができるウェハーの欠陥測定装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、ウェハーの上下面と側面で同時に欠陥を測定することができるウェハーの欠陥測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ウェハーの下面に空気を噴射してウェハーを浮揚させる下部ブロワと、前記下部ブロワに対して昇降可能に具備され、ウェハーの上面に空気を噴射してウェハーを固定させる上部ブロワと、前記上部ブロワの上側に具備され、ウェハーの上面の汚染を感知する上部汚染測定部と、前記下部ブロワの下側に具備され、ウェハーの下面の汚染を感知する下部汚染測定部と、前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの側面の汚染を感知する側面汚染測定部と、を含むウェハーの欠陥測定装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によるウェハーの欠陥測定装置は、ウェハーの上下面に空気を噴射する上下部ブロワを具備することによって、ウェハーを浮揚及び固定させた状態でウェハーの欠陥を測定することができる。したがって、ウェハーの上下面との接触を無くすことができ、ウェハーの汚染を防止し、さらに、ウェハーの不良率を減らすことができるという利点がある。
【0013】
また、本発明によるウェハーの欠陥測定装置は、ウェハーの汚染を感知するために上部汚染測定部、下部汚染測定部及び側面汚染測定部を、上下部ブロワと干渉することなく具備することによって、ウェハーを浮揚及び固定させた状態でウェハーの上下面と側面で同時に欠陥を測定することができるため、ウェハー全体において欠陥を速かに感知することができ、さらに、ウェハーの生産性を高める利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置が図示された斜視図。
図2】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置が図示された側面図。
図3】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置が図示された平面図。
図4】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置に適用された空気の噴射圧を制御する構造が図示された図面。
図5図4に適用された下部ブロワ構造の一例が図示された図面。
図6図4に適用された上部ブロワ構造の一例が図示された図面。
図7】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置に適用されたウェハーのノッチ支持構造が図示された図面。
図8図7に適用されたノッチグリッパー構造の一例が図示された図面。
図9】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置に適用されたストッパーが図示された図面。
図10a】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置の作動の一例が図示された図面。
図10b】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置の作動の一例が図示された図面。
図10c】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置の作動の一例が図示された図面。
図10d】本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置の作動の一例が図示された図面。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態について添付された図面を参照して詳述する。但し、本実施形態が開示する事項により本発明の思想の範囲が定められるべきであり、本実施形態が有する発明の思想は、提案される実施形態に対して構成要素の追加、削除、変更などの実施の変形を含むものとする。
【0016】
図1図3は、本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置が図示された斜視図である。
【0017】
本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置は、図1図3に図示されたように、ウェハー(W)の上下面に空気を噴射する上部ブロワ及び下部ブロワ(110、120)と、ウェハー(W)の上下面と側面で汚染を感知する上部汚染測定部及び下部汚染測定部(130、140)並びに側面汚染測定部(151、152)と、ウェハー(W)の昇降を案内する昇降ガイド部(160)と、ウェハー(W)のノッチを感知するノッチ測定カメラ(170)と、ウェハー(W)のノッチをグリップするノッチグリッパー(180)と、ウェハーのノッチの反対側を半径方向に支持するストッパー(190)を含むように構成される。
【0018】
前記下部ブロワ(110)は、ウェハー(W)の下面に空気を噴射することによって、ウェハー(W)を浮揚させるために具備される。
【0019】
本実施形態において、前記下部ブロワ(110)は、ウェハー(W)の直径より大きいリング状に形成された下部流路(111)と、前記下部流路(111)の円周方向に一定間隔を置いて具備された下部噴射口(111h)から構成され、前記下部流路(111)は固定された形態で構成される。
【0020】
このとき、前記下部ブロワ(110)は、ウェハー(W)の下面を安定的に支持するためにウェハーの中心(C)とエッジ(E)との間の中間である 1/2地点に空気を噴射するように構成される。
【0021】
一例として、前記下部流路(111)の内周面を傾いた形態で構成するか、前記下部噴射口(111h)の角度を傾いた形態で構成することができるが、本発明は、これに限定されない。
【0022】
前記上部ブロワ(120)は、ウェハー(W)の上面に空気を噴射することによって、浮揚されたウェハー(W)を固定させるために具備される。
【0023】
本実施形態において、前記上部ブロワ(120)は、ウェハー(W)の直径より大きいリング状に形成された上部流路(121)と、前記上部流路(121)に空気を供給する供給流路(122)と、前記上部流路(121)の円周方向に一定間隔を置いて具備された上部噴射口(121h)から構成され、前記上部流路(121)は上下方向に昇降可能な形態で構成される。
【0024】
このとき、前記上部ブロワ(120)も前記下部ブロワ(110)と同様に、ウェハー(W)の上面を安定的に押圧するためにウェハーの中心(C)とエッジ(E)との間の中間である1/2地点に空気を噴射するように構成される。
【0025】
一例として、前記上部流路(121)の内周面を傾いた形態で構成するか、前記上部噴射口(121h)の角度を傾いた形態で構成することができるが、本発明は、これに限定されない。
【0026】
上述のような上部ブロワ及び下部ブロワ(110、120)は、ウェハー(W)を水平に浮揚及び固定させるために空気圧を制御するが、このような構成は下記でより詳しく説明する。
【0027】
前記上部汚染測定部(130)は、ウェハー(W)の上面全体を撮影することができるカメラの形態であって、前記上部ブロワ(120)の上側に、移動可能な形態で具備される。前記下部汚染測定部(140)は、ウェハー(W)の下面全体を撮影することができるカメラ形態であって、前記下部ブロワ(110)の下側に、移動可能な形態で具備される。
【0028】
本実施形態において、前記上部汚染測定部及び下部汚染測定部(130、140)として、Area CCDまたは Area CMOS Cameraが使用されるが、本発明は、これに限定されない。
【0029】
前記側面汚染測定部(151、152)は、ウェハー(W)の側面を撮影することができる二つのカメラである。前記側面汚染測定部(151、152)は、ウェハーの円周方向に沿って移動可能な形態で具備される。
【0030】
本実施形態において、前記側面汚染測定部(151、152)として、CCD Line Scan Cameraが使用されるが、本発明は、これに限定されない。
【0031】
前記昇降ガイド部(160)は、ウェハー(W)を内側に収容できるようにウェハー(W)の直径よりも大きい円筒状であり、空気を噴射させてウェハー(W)を浮揚させても定められた範囲内から離脱することを防止する。
【0032】
このとき、前記昇降ガイド部(160)の外側に前記側面汚染測定部(151、152)が具備されるが、前記側面汚染測定部(151、152)によってウェハー(W)の側面を測定することができるように、前記昇降ガイド部(160)の円周方向に沿って形成された別の測定空間(h1)が具備される。
【0033】
前記ノッチ測定カメラ(170)とノッチグリッパー(180)は、前記ストッパー(190)と互いに反対方向に具備される。前記ノッチグリッパー(180)とストッパー(190)は、ウェハー(W)の側面を互いに反対方向で最小限の面積でのみ接触するように構成されるが、このような構成は下記でより詳しく説明する。
【0034】
図4図6は、本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置に適用された空気の噴射圧を制御するための上部ブロワ及び下部ブロワの一例が図示された図面である。
【0035】
前記上部ブロワ及び下部ブロワ(110、120)は、図4に図示されたように、前記上部流路及び下部流路(111、121)に供給される空気の噴射圧を制御する上部レギュレーター及び下部レギュレーター(112、123)と、前記上部レギュレーター及び下部レギュレーター(112、123)の作動を制御するためのコントローラーと、前記コントローラーにウェハーの上下面の位置を感知して伝送する上部リミットセンサー及び下部リミットセンサー(115、125)を、さらに含むように構成される。
【0036】
従って、前記上部リミットセンサー及び下部リミットセンサー(115、125)によってウェハーの昇降位置が感知されると、前記コントローラーはウェハーの昇降位置を考慮して前記上部レギュレーター及び下部レギュレーター(112、123)の作動を制御して、前記上部流路及び下部流路(111、121)に供給される空気の噴射圧を制御する。空気の噴射圧を制御することによって、ウェハーを上述した側面汚染測定部と平行な位置に、浮揚及び固定させることができ、前記昇降ガイド部(160)によってウェハーが垂直方向に移動されても水平方向に離脱することを防止する。
【0037】
しかし、最近、ウェハーの直径が300mm、450mmなどのように大きくなるほど前記上部流路及び下部流路(111、121)の直径も大きくなるため、前記上部流路及び下部流路(111、121)から空気が噴射される部分までの距離が大きくなるほど、前記上部噴射口及び下部噴射口(111h、121h)を通じて噴射される空気圧が低くなり、これによってウェハーが傾く可能性がある。
【0038】
このような問題点を補完するために上部ブロワ及び下部ブロワ(110、120)は、前記上部流路及び下部流路(111、121)を円周方向に区画した複数個の流路ユニットの形態で構成し、前記上部レギュレーター及び下部レギュレーター(112、123)を、それぞれの流路ユニットに供給される空気の噴射圧を個別に制御する形態で構成することができる。
【0039】
より具体的には、前記下部ブロワ(110)は、図5に図示されたように、下部流路を円周方向に区画した複数個の下部流路ユニット(111a、111b、111c、111d)と、それぞれの下部流路ユニット(111a、111b、111c、111d)に供給される空気の噴射圧を制御する複数個の下部レギュレーター(112a、112b、112c、112d)で構成される。
【0040】
本実施形態において、前記下部流路ユニット(111a、111b、111c、111d)は、4個で構成され、それぞれの下部流路ユニット(111a、111b、111c、111d)は、3〜4個の噴射口(111h)を含むように区画される。一つの下部流路ユニット(111a、111b、111c、111d)に含まれる噴射口(111h)から、同一の空気圧の空気が噴射されるように区画されることが好ましい。
【0041】
また、前記上部ブロワ(120)も前記下部ブロワ(110)と同様に、図6に図示されたように、複数個の上部流路ユニット(121a、121b、121c、121d)と、複数個の上部レギュレーター(123a、123b、123c、123d)で構成される。
【0042】
本実施形態において、前記上部流路ユニット(121a、121b、121c、121d)も4個で構成され、それぞれの上部流路ユニット(121a、121b、121c、121d)も3〜4個の噴射口(121h)を含むように区画される。
【0043】
上述のように構成された上部ブロワ及び下部ブロワ(110、120)により、傾いたウェハーを水平に制御する過程は、次のとおりである。
【0044】
上述した上部リミットセンサー及び下部リミットセンサー(115、125: 図4に図示)によって、ウェハーの傾いた方向及び傾いた程度を考慮して、コントローラーがそれぞれの上部レギュレーター及び下部レギュレーター(112a−112d、123a−123d)の空気圧を制御すると、それぞれの上部レギュレーター及び下部レギュレーター(112a−112d、123a−123d)は、それぞれの上部流路ユニット及び下部流路ユニット(111a−111d、121a−121d)に供給される空気圧を、互いに異なるように制御する。したがって、前記上部噴出口及び下部噴射口(111h、121h)から噴射される空気により、ウェハーを水平な位置で浮揚及び固定させることができる。
【0045】
一例として、側面汚染測定部と平行な位置を基準として、ウェハーの特定地点が下向きに傾斜すると、ウェハーの特定地点に位置した下部流路ユニットに供給される空気圧を高くするか、ウェハーの特定地点に位置した上部流路ユニットに供給される空気圧を低くするように制御することができる。
【0046】
図7図9は、本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置に適用されたウェハーの側面を支持する構造の一例が図示された図面である。
【0047】
上述した上部ブロワと下部ブロワとの間にウェハーをローディングするとき、ウェハーをより安定的に支持するために、ウェハーの側面に具備されたノッチとその反対側とを支持するように構成される。このためにノッチ測定カメラ及びノッチグリッパーと、ストッパーが具備される。
【0048】
図7に図示されたように、ノッチ測定カメラ(170)とノッチグリッパー(180)は、上述した昇降ガイド部の内周面の上下側に具備される。
【0049】
前記ノッチ測定カメラ(170)は、ロボットアームによってローディングされたウェハーのノッチを測定した後、ウェハーの測定されたノッチ位置を考慮して、ロボットアームは、ウェハーのノッチが前記ノッチグリッパー(180)に係合するように動作する。
【0050】
前記ノッチグリッパー(180)は、図8に図示されたように、ウェハーのノッチ(N)を最小限の面積だけに接するように構成され、カバー部(181)と、緩衝材質の緩衝部(182)で構成される。
【0051】
前記カバー部(181)は、側面が「匚」の形状で構成され、上面部(181a)と、下面部(181b)と、側面部(181c)からなり、前記緩衝部(182)を収容できる形態で構成される。
【0052】
前記緩衝部(182)は、前記カバー部(181)の内側に具備された形態であって、ウェハーと直接接触したとき衝撃を緩和できるように緩衝材質で構成され、前記カバー部(181)と同様に、上面部(182a)と、下面部(182b)と、側面部(182c)から構成される。
【0053】
このとき、前記上面部及び下面部(182a、182b)は、平板状に構成され、前記側面部(182c)は、ウェハーの側面と直接接する面積を最小化するために、膨らんだラウンド形状に構成されることが好ましい。
【0054】
前記ストッパー(190)は、図9に図示されたように、ウェハー(W)のノッチとその反対側を最小限の面積だけが接するように構成され、接触部(191)と、スプリング部(192)と、空圧制御機(193)で構成される。
【0055】
前記接触部(191)は、直接ウェハー(W)のノッチの反対側と接触する部材であって、前記スプリング部(192)と空圧制御機(193)によってウェハー(W)の半径方向に緩衝可能に支持され、多様な直径のウェハー(W)を支持するように構成される。
【0056】
図10a〜図10dは、本発明の実施形態におけるウェハーの欠陥測定装置の作動の一例が図示された図面である。
【0057】
図10aに図示されたように、前記下部ブロワ(110)が上昇し、ロボットアームによってウェハー(W)が、前記上部ブロワ(110)と前記下部ブロワ(120)との間にローディングされる。
【0058】
図10bに図示されたように、前記ノッチ測定カメラによってウェハーのノッチ(N)が測定されると、ロボットアームはウェハー(W)を降ろしてウェハーのノッチ(N)が前記ノッチグリッパー(180)にグリップされるようにし、ウェハー(W)の反対側が前記ストッパーによって緩衝支持されるようにする。
【0059】
このとき、ウェハーのノッチ(N)の側面と接触する前記ノッチグリッパー(180)の側面部(182c)が、ラウンドの形状であるため、ウェハー(W)の接触による汚染を最小化することができ、より安定的にウェハー(W)を支持することができる。
【0060】
図10cに図示されたように、前記下部ブロワ(110)の下部噴射口(111h)を通じてウェハー(W)の下面に空気が噴射されると、ウェハー(W)が浮揚されるが、前記昇降ガイド部(160)によって案内されるため、離脱されない。
【0061】
このとき、前記下部噴射口(111h)は、ウェハー(W)の下面の中心とエッジとの間の中間地点に空気を噴射するため、安定的にウェハー(W)を浮揚させることができる。
【0062】
勿論、ウェハー(W)が前記ノッチグリッパーとストッパーによって支持されるとともに前記下部ブロワ(110)によって浮揚される間に、ロボットアームはウェハー(W)と分離され、その後、抜け出す。
【0063】
また、前記上部ブロワ(120)が下降しながら前記上部噴射口(121h)を通じてウェハー(W)の上面に空気が噴射されると、前記上部ブロワ及び下部ブロワ(110、120)から噴射される空気圧によって、ウェハー(W)は浮揚された状態で固定される。
【0064】
このとき、ウェハー(W)は、前記側面汚染測定部(151、152)と平行な位置で浮揚及び固定されるが、上述したように、上部リミットセンサー及び下部リミットセンサーによって感知された信号により、前記上部噴出口及び下部噴射口(111h、121h)から噴射される空気圧を制御することができる。詳しい説明は省略する。
【0065】
図10dに図示されたように、前記上面汚染測定部及び下面汚染測定部(130、140)がウェハー(W)の上下側に位置した後、前記上面汚染測定部及び下面汚染測定部(130、140)がウェハー(W)の上下面の欠陥を測定し、前記側面汚染測定部(151、152)が円周方向に移動しながらウェハー(W)の側面の欠陥を測定する。
【0066】
上述のように、前記上面汚染測定部及び下面汚染測定部(130、140)並びに側面汚染測定部(151、152)が、同時にウェハー(W)の上下面と側面の欠陥を測定することができる。
【0067】
[付記]
[付記1]
ウェハーの下面に空気を噴射してウェハーを浮揚させる下部ブロワと、
前記下部ブロワに対して昇降可能に具備され、ウェハーの上面に空気を噴射してウェハーを固定させる上部ブロワと、
前記上部ブロワの上側に具備され、ウェハーの上面の汚染を感知する上部汚染測定部と、
前記下部ブロワの下側に具備され、ウェハーの下面の汚染を感知する下部汚染測定部と、
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの側面の汚染を感知する側面汚染測定部と、を含む、
ウェハーの欠陥測定装置。
【0068】
[付記2]
前記上部ブロワと前記下部ブロワは、
空気が流動できるリング状の流路と、
前記流路に一定間隔を置いてウェハーの上下面に空気を噴射させることができる複数個の噴射口と、を含む、
付記1に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0069】
[付記3]
前記上部ブロワと前記下部ブロワは、
前記ウェハーの上下面に噴射される空気の噴射角度が45゜であり、
前記ウェハーの中心とエッジとの間の中間地点に空気を噴射させる、
付記2に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0070】
[付記4]
前記流路の前記噴射口は、少なくとも二つ以上のグループに分かれるように複数個の流路ユニットに区画され、
前記流路ユニットは、空気の噴射圧を調節するためにそれぞれのレギュレーターと連結される、
付記2に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0071】
[付記5]
前記上部ブロワと前記下部ブロワは、
ウェハーの上下面の傾きを感知するリミットセンサーをさらに含み、
前記レギュレーターは、前記リミットセンサーで感知された傾きにしたがって前記流路ユニットに供給される空気の噴射圧を調節する、
付記4に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0072】
[付記6]
前記側面汚染測定部は、
ウェハーの円周方向に移動可能な少なくとも二つ以上のカメラである、
付記1に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0073】
[付記7]
前記上部ブロワと前記下部ブロワとの間に具備され、ウェハーの昇降移動を案内する昇降ガイド部をさらに含む、
付記1〜6のいずれか一項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0074】
[付記8]
ウェハーのノッチを測定するノッチ測定カメラと、
前記ノッチ測定カメラによって測定されたウェハーのノッチをグリップするノッチグリッパーと、
前記ノッチグリッパーと反対方向に具備されてウェハーのノッチの反対側を半径方向に支持するストッパーと、をさらに含む、
付記1〜6のいずれか一項に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0075】
[付記9]
前記ノッチグリッパーは、
ウェハーのノッチ部の上下面及び側面の一部と接触される部分が緩衝材質で構成される、
付記8に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0076】
[付記10]
前記ノッチグリッパーは、
ウェハーのノッチ部側面の一部との接触面積を減らすためにラウンドの形状に形成された側面部を含む、
付記8に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【0077】
[付記11]
前記ストッパーは、
ウェハーの半径方向に緩衝支持可能であるように空圧式で制御される、
付記8に記載のウェハーの欠陥測定装置。
【符号の説明】
【0078】
110 : 下部ブロワ
120 : 上部ブロワ
130 : 上部汚染測定部
140 : 下部汚染測定部
151、152 : 側面汚染測定部
160 : 昇降ガイド部
170 : ノッチ測定カメラ
180 : ノッチグリッパー
190 : ストッパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d