特許第6334136号(P6334136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334136
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】無線通信端末及びその状態モニタ方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20180521BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20180521BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20180521BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20180521BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20180521BHJP
【FI】
   H04W52/02 130
   H04W88/04
   H04W84/10 110
   H04W88/06
   H04W84/12
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-228209(P2013-228209)
(22)【出願日】2013年11月1日
(65)【公開番号】特開2015-89063(P2015-89063A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】杉村 和彦
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−176417(JP,A)
【文献】 特開2003−087367(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/004582(WO,A1)
【文献】 特開2004−336446(JP,A)
【文献】 特開平9−294288(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0070646(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04B 7/24− 7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池で動作し、端末識別情報によって識別される無線通信端末であって、
前記電池の残量情報を含む端末状態に関する情報をコード化して、前記端末識別情報に付加する情報収集手段と、前記端末状態に関する情報が付加された前記端末識別情報を送信する近距離無線通信部と、前記近距離無線通信部を制御する中央処理装置部と、を有し、
前記情報収集手段は、通常動作モード及び前記通常動作モードより消費電力の小さい省電力モードのいずれの動作モードに関係なく一定間隔で前記端末状態に関する情報を収集し、前記中央処理装置部は、前記省電力モードにおいては動作を休止する無線通信端末。
【請求項2】
前記近距離無線通信部は、前記端末状態に関する情報が付加された前記端末識別情報を一定間隔で送信する、請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記情報収集手段は、前記中央処理装置部とは別に設けられた情報収集部である、請求項1又は請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記端末識別情報は、近距離無線通信規格によって定められるデバイス名である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記端末識別情報は、無線ローカルエリアネットワーク規格によって定められる識別子である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【請求項6】
電池で動作し、端末識別情報によって識別され、通常動作モードと前記通常動作モードより消費電力の小さい省電力モードを有する無線通信端末の状態モニタ方法であって、
前記無線通信端末は、前記電池の残量情報を含む端末状態に関する情報をコード化して、前記端末識別情報に付加する情報収集手段と、前記端末状態に関する情報が付加された前記端末識別情報を送信する近距離無線通信部と、前記近距離無線通信部を制御する中央処理装置部と、を有し、
前記情報収集手段は、前記通常動作モード及び前記省電力モードに関係なく、前記電池の残量情報を含む前記端末状態に関する情報を収集し、収集した情報をコード化して、前記端末識別情報に付加し、前記近距離無線通信部は、前記端末状態に関する情報が付加された前記端末識別情報を送信し、前記中央処理装置部は、前記省電力モードにおいては動作を休止する無線通信端末の状態モニタ方法
【請求項7】
前記情報収集手段は、前記端末状態に関する情報を一定間隔で収集し、収集した情報をコード化して、前記端末識別情報に付加し、前記近距離無線通信部は、前記端末状態に関する情報が付加された前記端末識別情報を一定間隔で送信する、請求項6に記載の無線通信端末の状態モニタ方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末及びその状態モニタ方法に関し、特に電池で動作する無線通信端末の装置状態のモニタ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年外出先でのインターネット接続のために、モバイルルータが普及しており、その動作時間の長時間化が求められている。モバイルルータは、例えばスマートフォンをインターネット(The Internet)に無線接続する機器であり、電池で動作するものが一般的である。このような機器の動作時間の長時間化のためには、主に「電池容量を大きくする」ことと「消費電力を低減する」ことが考えられる。電池容量を大きくする場合、必然的に装置サイズも大きくなるためモバイル向けとしては適してはいない。そのため、消費電力を低減することに対する期待が大きい。また、モバイルルータの装置状態は、その時に使える状態なのか確認するためにスマートフォンなどの端末から常にモニタできることが望ましい。
【0003】
図8は背景技術である関連する状態モニタ方法を説明するための、モバイルルータとスマートフォンを示すブロック図である。図8のモバイルルータ30は、広域通信網通信部(WAN通信部)301と、中央処理装置部(CPU部)302と、電池303と、無線ローカルエリアネットワーク通信部(WLAN通信部)304を有している。図8のスマートフォン40は、広域通信網通信部(WAN通信部)401と、中央処理装置部(CPU部)402と、表示部403とを有している。
【0004】
図8のモバイルルータ30において、WAN通信部301はインターネットに接続される。CPU部302は、WAN通信部301及びWLAN通信部304と接続されており、スマートフォン40のWLAN通信部401と無線接続することで、スマートフォン40のインターネット通信を中継する。電池303はモバイルルータ30が動作するための電源であり、WAN通信部301、CPU部302、WLAN通信部304などに動作電源を供給する。
【0005】
関連する状態モニタ方法では、CPU部302の状態モニタソフトウェア305がモバイルルータ30の各装置内の状態、例えば、電池303から残量状態、WAN通信部301から無線回線の状態を収集する。そして収集した状態情報をWAN通信部304から無線出力する。スマートフォン40では、CPU部402の状態モニタソフトウェア404が状態情報を抽出して、表示部403に表示する。このようにして、スマートフォン40では、モバイルルータ30の状態情報を知ることができる。
【0006】
特許文献1は、パーソナルコンピュータから無線通信で印刷やファクシミリ送信などを指示を受ける複合機の状態モニタ方法に関するものである。特許文献1の複合機は、Bluetooth(登録商標)通信モジュールを備えており、無線通信をBluetooth規格に基づいて行う。パーソナルコンピュータからの検索コマンドを複合機のBluetooth通信モジュールが受信すると、複合機の状況、例えば待機中、ファクシミリ受信中や印刷中などの状況を、Bluetoothデバイス名にテキスト付加し、Bluetooth通信モジュールから送信する。送信されたBluetoothデバイス名を、パーソナルコンピュータのBluetooth通信モジュールは受信して、複合機の状況が付加されたBluetoothデバイス名を表示部に表示する。例えば、パーソナルコンピュータから検索コマンドが送信されたときに複合機がファクシミリ受信中であれば、複合機のBluetooth通信モジュールはBluetoothデバイス名にテキスト「(FAX受信中)」を付加して、Bluetoothデバイス名として送信する。これにより、パーソナルコンピュータは複合機の機器名と状況とを知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−40469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した状態モニタ方法には、以下のような課題がある。
【0009】
図8に示す背景技術の状態モニタ方法では、モバイルルータ30とスマートフォン40をWLAN回線で接続し、そこを介してモバイルルータ30の装置状態を読み出していたため、WLAN通信で送受信するための電力が必要である。特に、装置電力の少ない省電力状態での状態読み出しでは、このWLAN通信による消費電力増加により動作時間短縮の影響が大きくなる。そのため、状態モニタを実施しない、または状態モニタをするがモニタ間隔を長くするなどして、装置電力を低減する必要があった。
【0010】
特許文献1では、複合機内のBluetooth通信モジュールがパーソナルコンピュータからの検索コマンドを受信したことをトリガにして、そのときの複合機の装置状態を通知している。そのため、複合機の状況を知るためには、双方向通信が必要である。このため、消費電力が増大する。電池動作する機器の状態モニタは考慮されておらず、電池で動作する無線通信端末の装置状態のモニタには、適していない。
【0011】
本発明の目的は、電池で動作する無線通信端末では、装置状態のモニタを適切に行うことが困難であるという課題を解決するための、無線通信端末及びその状態モニタ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、本発明に係る無線通信端末は、電池で動作し、端末識別情報によって識別される無線通信端末であって、
上記電池の残量情報を含む端末状態に関する情報をコード化して、上記端末識別情報に付加する情報収集手段と、上記端末状態に関する情報が付加された上記端末識別情報を送信する近距離無線通信部と、を有する。
【0013】
本発明に係る無線通信端末の状態モニタ方法は、電池で動作し、通常動作モードと上記通常動作モードより消費電力の小さい省電力モードを有する無線通信端末の状態モニタ方法であって、
上記通常動作モード及び上記省電力モードに関係なく、上記電池の残量情報を含む上記端末状態に関する情報を収集し、収集した情報をコード化して、上記端末識別情報に付加し、上記端末状態に関する情報が付加された上記端末識別情報を送信する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電池で動作する無線通信端末の装置状態を低消費電力でモニタすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の状態モニタ方法が適用されたモバイルルータとスマートフォンを示すブロック図である。
図2図1のモバイルルータとスマートフォンの動作を説明するためのブロック図である。
図3図1のモバイルルータとスマートフォンの動作を説明するためのブロック図である。
図4図1のモバイルルータとスマートフォンの動作を説明するためのブロック図である。
図5】(a)は図1のモバイルルータのBluetooth通信部が送出する収集情報データの形態の一例を示す図であり、(b)は(a)の装置状態のコード値の具体例を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る無線通信端末の状態モニタ方法が適用されたモバイルルータとスマートフォン及びその動作を示すブロック図である。
図7図6のモバイルルータの無線LAN通信部が送出する収集情報データの形態の一例を示す図である。
図8】背景技術のモバイルルータとスマートフォンとの間の通信を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の第1実施形態による無線通信端末及びその状態モニタ方法について、説明する。本実施形態は、モバイルルータを経由してインターネット(The Internet)に接続できるスマートフォンから、モバイルルータの状態をモニタする場合の一例に関するものである。図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信端末の状態モニタ方法が適用されたモバイルルータとスマートフォンを示すブロック図である。本実施形態では、近距離無線通信としてBluetooth規格を例として説明する。
【0018】
本実施形態のモバイルルータ10は図1に示すように、広域通信網通信部(WAN通信部)101と、中央処理装置部(CPU部)102と、電池103と、無線ローカルエリアネットワーク通信部(WLAN通信部)104と、Bluetooth通信部105と、情報収集手段の一例としての状態収集部106とを有している。本実施形態のスマートフォン20は図1に示すように、広域通信網通信部(WAN通信部)201と、中央処理装置部(CPU部)202と、Bluetooth通信部203と、表示部205とを有している。
【0019】
図1のモバイルルータ10において、WAN通信部101はInternetに接続される。CPU部102は、WAN通信部101及びWLAN通信部104と接続されており、スマートフォン20のWLAN通信部201と無線接続することで、スマートフォン20のインターネット通信を中継する。電池103はモバイルルータ10が動作するための電源であり、WAN通信部101、CPU部102、WLAN通信部104、Bluetooth通信部105などに動作電源を供給する。
【0020】
モバイルルータ10が省電力状態のとき、WAN通信部101、CPU部102、WLAN通信部104は、省電力モードになる。状態収集部106は、モバイルルータ10内の装置状態を収集し、Bluetooth通信部105を制御する。状態収集部106は、モバイルルータ10が通常状態にあるか省電力状態にあるかに関係なく、電池103から電源供給が行われている間は、定期的に状態モニタを行う。
【0021】
図1のスマートフォン20内のCPU部202では状態モニタソフトウェア204が実行される。Bluetooth通信部203のデバイスScan情報、すなわちBluetooth規格に基づく無線通信を行うデバイスであってスマートフォン20の近隣に位置するデバイスを検索した検索結果、からモバイルルータ10の装置状態を入手する。表示部205は、状態モニタソフトウェア204が入手したモニタ情報を表示して、スマートフォン10の利用者にモバイルルータ10の装置状態を通知する。
【0022】
次に、図2乃至図5を参照して、本実施形態の状態モニタ方法について説明する。図2乃至図4は、図1のモバイルルータとスマートフォンの動作を説明するためのブロック図である。図5(a)は図1のモバイルルータのBluetooth通信部が送出する収集情報データの形態の一例を示す図であり、図5(b)は図5(a)の装置状態のコード値の具体例を示す図である。
【0023】
情報収集部106は自律的に、モバイルルータ10の各装置内の状態、例えば、電池103から残量状態、WAN通信部101から無線回線の状態、及びCPU部102から装置の動作モードを定期的に収集する。例えば、この情報収集の間隔は10分毎とする。情報収集の頻度を10分間隔程度とすれば、消費電力低減と両立できる。
【0024】
次に、図3に示すように状態収集部106では、収集した状態情報をコード化しBluetoothデバイス名に付加して、Bluetooth通信部105に設定する。Bluetooth通信部105は、設定されたデバイス名で無線出力する。
【0025】
次に、図4に示すようにスマートフォン20の状態モニタソフトウェア204は、Bluetooth通信部203を制御して、モニタするモバイルルータ10のBluetoothデバイス名を入手し、そこから付加されたコードを抽出する。そのコードをデコードして各装置内状態に戻し、表示部205に表示する。
【0026】
ここで、図3のBluetooth通信部105に設定されるBluetoothデバイス名のデータ構成の一例について説明する。図5(a)に示すように、このデータはBluetoothデバイス名と、モバイルルータの装置固有の固定値と、装置状態のコード値とから構成される。このように、収集した状態情報をコード化しBluetoothデバイス名に付加して、Bluetooth通信部105に設定すればよい。さらに、装置状態のコード値の一例について説明する。図5(b)に示すように、電池103の電池残量については残量が0%〜100%の状態を7bitデータとしてコード化したものが考えられる。さらに、WAN通信部101の無線回線の状態を例えば、アンテナ0本〜アンテナ4本に対応させて3bitデータとしてコード化したものが考えられる。また、CPU部102から装置の動作モードが省電力I(第1省電力モード)、省電力II(第2省電力モード)及び通常(通常モード)の三状態であるとした場合、これに対応させて2bitデータとしてコード化したものが考えられる。
【0027】
コード化されてBluetooth通信部105に設定されたモバイルルータ10の状態情報は、スマートフォン20の状態モニタソフトウェア204によりデコードされて、表示部205には、例えば電池残量80%、無線状態としてアンテナピクトグラム(ANT4本)、動作モードとして省電力Iのように表示される。
【0028】
上記動作により本実施形態では、モバイルルータ10は省電力状態の時に消費電力の大きなCPU部102とWLAN通信部104を動作させることなく、消費電力の小さな状態収集部106と、Bluetooth通信部105を動作させることで、モバイルルータの装置状態をモニタしスマートフォンに通知することができる。
【0029】
本実施形態によれば、情報収集部106が自律的にモバイルルータ10の各装置内の状態を収集し、収集した情報をコード化して、Bluetoothデバイス名に付加して、Bluetooth通信部105から送信している。特許文献1のように、パーソナルコンピュータからの検索コマンドなどを受信する必要がないため、Bluetoothの受信回路及び受信制御が不要にできる。すなわち、本実施形態では、Bluetooth通信部105を使用しているが、Bluetoothデバイス名の出力という片方向の動作のみのため、状態収集部106とBluetooth通信部105はBluetoothの接続/通信制御などの双方向通信が不要である。
【0030】
収集した情報を片方向で通知することができるので、双方向通信のための電力を不要にすることができる。よって、特許文献1よりもよりコスト低減・省電力を実現できる。電池で動作する無線通信端末に適したモニタ方法を提供できる。
【0031】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態による無線通信端末の状態モニタ方法について、説明する。本実施形態も第1実施形態と同様に、モバイルルータを経由してインターネットに接続できるスマートフォンから、モバイルルータの状態をモニタする場合の一例に関するものである。第1実施形態と同様な内容については詳細な説明を省略することとする。
【0032】
本実施形態は、第1実施形態がBluetoothデバイス名に装置状態を付加するのに対し、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のSSID(Service Set Identifier)に装置状態を付加するものである。
【0033】
図6は、本発明の第2実施形態に係る無線通信端末の状態モニタ方法が適用されたモバイルルータとスマートフォン及びその動作を示すブロック図である。図7は、図6のモバイルルータの無線LAN通信部が送出する収集情報データの形態の一例を示す図である。
【0034】
本実施形態のモバイルルータ10aは図6に示すように、広域通信網通信部(WAN通信部)101と、中央処理装置部(CPU部)102aと、電池103と、無線ローカルエリアネットワーク通信部(WLAN通信部)104とを有している。本実施形態のスマートフォン20は図6に示すように、無線ローカルエリアネットワーク通信部(WLAN通信部)201と、中央処理装置部(CPU部)202と、表示部205とを有している。本実施形態の情報収集手段は、CPU部202が実行する状態モニタソフトウェア107である。
【0035】
図6のモバイルルータ10aにおいて、WAN通信部101はInternetに接続される。CPU部102aは、WAN通信部101及びWLAN通信部104と接続されており、スマートフォン20のWLAN通信部201と無線接続することで、スマートフォン20のインターネット通信を中継する。電池103はモバイルルータ10aが動作するための電源であり、WAN通信部101、CPU部102a、WLAN通信部104などに動作電源を供給する。
【0036】
モバイルルータ10aのCPU部102aは通常状態において、状態モニタソフトウェア107を実行して、モバイルルータ10aの各装置内の状態、例えば、電池103から残量状態、WAN通信部101から無線回線の状態を定期的に収集する。状態モニタソフトウェア107は、収集した状態情報をコード化しモバイルルータ10aのSSIDに付加して、WLAN通信部104に設定する。WLAN通信部104は、設定されたSSIDで無線出力する。スマートフォン20の状態モニタソフトウェア204は、WLAN通信部201を制御して、モニタするモバイルルータ10aのSSIDを入手し、そこから付加されたコードを抽出する。そのコードをデコードして各装置内状態に戻し、表示部205に表示する。
【0037】
ここで、図6のWLAN通信部104に設定されるSSIDのデータ構成の一例について説明する。図7に示すように、このデータはWLAN SSIDと、モバイルルータの装置固有の固定値と、装置状態のコード値とから構成される。このように、収集した状態情報をコード化しSSIDに付加して、WLAN通信部104に設定すればよい。装置状態のコード値としては、図5(b)の第1実施形態のコード化と同様にすることができる。
【0038】
本実施形態によれば、Bluetoothのないモバイルルータでも、WLAN接続を介した送受信での状態モニタでなく、モバイルルータ10aはSSIDに装置状態を付加した出力のみ、スマートフォン20側ではSSIDのモニタのみ行うことで、双方向の通信を行うことなく装置状態をモニタすることができ、装置の省電力化ができる。本実施形態ではWLAN通信部104を使用しているが、SSIDの出力という片方向の動作のみのため、CPU部102aとWLAN通信部104は接続/通信制御などの双方向通信が不要である。これにより、第1実施形態と同様に省電力化が実現できる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の活用例として、モバイルルータと、その状態モニタをするパーソナルコンピュータやスマートフォンのソフトウェアが考えられる。
【符号の説明】
【0041】
10、10a モバイルルータ
20 スマートフォン
101 WAN通信部
102、102a CPU部
103 電池
104 WLAN通信部
105 Bluetooth通信部
106 状態収集部
107 状態モニタソフトウェア
201 WLAN通信部
202 CPU部
203 Bluetooth通信部
204 状態モニタソフトウェア
205 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8