特許第6334208号(P6334208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334208
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】電源装置、及び、電源異常判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/02 20060101AFI20180521BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20180521BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G01R31/02
   H02M1/00 C
   H02M3/00 W
   H02M3/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-42972(P2014-42972)
(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公開番号】特開2015-169471(P2015-169471A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】相沢 吉範
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−175885(JP,A)
【文献】 特開2014−002727(JP,A)
【文献】 特開2007−060817(JP,A)
【文献】 特開2009−195086(JP,A)
【文献】 特開2003−199265(JP,A)
【文献】 特開2007−015413(JP,A)
【文献】 特開2008−123269(JP,A)
【文献】 特開平03−145919(JP,A)
【文献】 特開昭57−085598(JP,A)
【文献】 特開2001−016863(JP,A)
【文献】 米国特許第05818670(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/02
H02M 1/00
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を、所定の電圧の出力電圧に変換して出力する電圧変換手段と、
負荷装置に対する出力電圧をオン/オフする出力用スイッチ手段と、
入力信号をオン/オフする信号用スイッチ手段と、
前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段の各々をオン/オフするための制御信号を出力する電源制御手段と、
前記電圧変換手段の出力の異常を検出する電源出力異常検出手段と、を包含し、
前記電源制御手段は、前記電源出力異常検出手段が前記電圧変換手段の前記出力の異常を検出した場合に、前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段をオフにし、前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段をオフにしてから一定の時間が経過した後に、前記電圧変換手段をオンにし、前記電圧変換手段をオンにしたときに、前記電源出力異常検出手段によって、前記電圧変換手段の前記出力の異常が検出された場合は、前記出力の異常の原因が自装置の内部にあると判断する、電源装置。
【請求項2】
前記一定の時間が経過した後に、前記電源制御手段が、前記電圧変換手段をオンにし、前記電源出力異常検出手段が、前記電圧変換手段の前記出力の異常を確認した場合、前記電源制御手段は、前記電圧変換手段をオフにする、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記一定の時間が経過した後に、前記電源制御手段が、前記電圧変換手段をオンにし、前記電源出力異常検出手段が、前記電圧変換手段の前記出力の異常を確認できない場合、前記電源制御手段は、前記電圧変換手段をオンにする、請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
前記電源制御手段が、時間を計測するタイマーを有し、前記タイマーに基づき、前記一定の時間を導出する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記電源制御手段によって判断された、前記出力の異常の原因が自装置の内部にあることを表示する電源状態表示手段を更に備えた、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記電源装置が複数であり、各々の電源装置が独立して動作する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項7】
電圧変換手段によって、入力電圧を、所定の電圧の出力電圧に変換して出力し、
出力用スイッチ手段によって、負荷装置に対する前記出力電圧をオン/オフし、
信号用スイッチ手段によって、入力信号をオン/オフし、
電源制御手段によって前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段の各々をオン/オフするための制御信号を出力し、
電源出力異常検出手段によって、前記電圧変換手段の出力の異常を検出し、
前記電源制御手段によって前記電源出力異常検出手段が前記電圧変換手段の前記出力の異常を検出し前記出力電圧の異常を検出した場合に、前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段をオフにし前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段をオフにしてから一定の時間が経過した後に、前記電圧変換手段をオンにし、前記電圧変換手段をオンにしたときに、前記電源出力異常検出手段によって、前記電圧変換手段の前記出力の異常が検出された場合は、前記出力の異常の原因が自装置の内部にあると判断する、電源異常判定方法。
【請求項8】
前記電源制御手段によって、前記一定の時間が経過した後に、前記電圧変換手段をオンし、前記電源出力異常検出手段によって、前記出力電圧の異常を確認した場合、前記電圧変換手段をオフにする、請求項7に記載の電源異常判定方法。
【請求項9】
前記電源制御手段によって、前記一定の時間が経過した後に、前記電圧変換手段をオンし、前記電源出力異常検出手段によって、前記出力電圧の異常を確認できない場合、前記電圧変換手段をオンにする、
請求項7に記載の電源異常判定方法。
【請求項10】
前記電源制御手段が有する時間を計測するタイマーに基づき、前記一定の時間を導出する、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の電源異常判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置、及び、電源異常判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ機器等の電子装置において、電源装置の外部に障害事象の原因があるにも関わらず、電源装置が被疑となるような障害事象が発生することがあり、原因調査に長時間を要することがある。このため、障害事象の原因が電源装置の内外いずれにあるかを早期に切り分ける必要がある。
【0003】
特許文献1は、電源装置を開示する。その電源装置は、給電系統から電力負荷への給電配線を開閉する遮断機を備え、診断対象である電力負荷への診断対象以外の影響を遮断して、電気負荷の異常の有無を検出する。
【0004】
特許文献2は、別の電源装置を開示する。その電源装置は、電源装置内への電力供給のオン/オフ、負荷への電力供給のオン/オフ、及び、商用電源からの電力供給のオン/オフにより、電源回路の異常か負荷の異常かを診断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−286053号公報
【特許文献2】特開2007−060817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記文献の技術を用いた場合、電源装置を制御するための供給信号の供給を遮断、及び、負荷装置への出力電力を遮断した状態で、電源装置単体に、供給電力、及び、供給信号を印加し、障害が電源装置自体に起因するか否かを判定することはできない、という課題がある。
【0007】
特許文献1は、診断対象には電力を供給し、診断対象以外の負荷には電力を供給しないことでその診断対象以外の影響を遮断して診断するものである。すなわち、診断対象である電力負荷の異常診断を効率的に行うことを目的としたものであり、電源装置自体の検査を行うことを目的としたものではない。障害が電源装置自体に起因するか否かを、明確に判断するための構成は備えていない。
【0008】
特許文献2は、電源装置への供給電力のオン/オフは行っているが、電源装置への供給信号のオン/オフは行っておらず、供給信号が障害に影響があるか否かを判定することはできない。
【0009】
本発明の目的は、電源装置の異常の原因が電源装置の内部に起因するか否かの切り分けを迅速に行い、正確に電源装置の異常を判定できる電源装置及び電源異常判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電源装置は、入力電圧を、所定の電圧の出力電圧に変換して出力する電圧変換手段と、負荷装置に対する出力電圧をオン/オフする出力用スイッチ手段と、入力信号をオン/オフする信号用スイッチ手段と、前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段の各々をオン/オフするための制御信号を出力する電源制御手段と、前記電圧変換手段の出力の異常を検出する電源出力異常検出手段と、を包含し、前記電源出力異常検出手段が前記電圧変換手段の前記出力の異常を検出した場合に、前記電源制御手段が、前記電圧変換手段、前記出力用スイッチ手段、及び、前記信号用スイッチ手段をオフにし、一定の時間が経過した後に、前記電圧変換手段をオンにし、前記電源出力異常検出手段が、前記電圧変換手段の前記出力の異常の有無を確認する。
【0011】
本発明の電源異常判定方法は、電源装置は、入力電圧を、所定の電圧の出力電圧に変換して出力し、前記電源装置は、負荷装置に対する前記出力電圧をオン/オフし、前記電源装置は、入力信号をオン/オフし、前記電源装置は、前記負荷装置に対する前記出力電圧、及び、前記入力信号の各々をオン/オフするためのオン信号またはオフ信号を出力し、前記電源装置は、前記出力電圧の異常を検出し前記出力電圧の異常を検出した場合に、前記オフ信号を出力し、一定の時間が経過した後に、前記出力電圧をオンするための前記オン信号を出力し、前記出力電圧の異常の有無を確認する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電源装置の異常の原因が電源装置の内部に起因するか否かの切り分けを迅速に行い、正確に異常を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第一の実施形態に係る、電子装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示したブロック図に、図3に示す各動作の経路を追加した図である。
図3図3は、電源装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
図4図4は、電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第二の実施形態に係る、電子装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、第三の実施形態に係る、電源装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明を実施するための第一の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る、電子装置30の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
電子装置30は、電源装置10、及び、負荷装置20を包含する。
【0017】
電源装置10は、外部の交流電源から電力を供給された交流入力電圧(以下、単に入力電圧とも称する)を負荷装置20に必要な直流の出力電圧に変換し、負荷装置20が必要とする電力を供給する機能を持つ。
【0018】
電源装置10は、電圧変換部11、電源制御部12、電源出力異常検出部13、出力用スイッチ部14、信号用スイッチ部15、及び、電源状態表示部16を包含する。
【0019】
電圧変換部11は、外部の交流電源より入力電圧を入力されて、入力電圧を所定の直流電圧値の出力電圧に変換して、負荷装置20に電力供給を行う。
【0020】
なお、電源装置10の入力電圧は、必ずしも交流電源からの信号に限定しない。たとえば、電源装置10は、直流電圧を入力電圧とし、電圧変換部11は、入力電圧を負荷装置20に応じた所定の直流電圧値の出力電圧に変換してもよい。
【0021】
電源制御部12は、電子装置30の外部より供給されるオン/オフ信号、及び、電源出力異常検出部13より出力されるアラーム信号により、電圧変換部11、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15へ、動作/非動作の信号であるオン/オフ信号を、制御信号として送出する。
【0022】
また、電源制御部12は、時間を計測するタイマー回路を内蔵しており、アラーム信号を入力した場合、電圧変換部11をオフした後、タイマーに基づき、一定の時間が経過した後に、電圧変換部11を再オンする機能も有している。
【0023】
さらに、電源制御部12は、電源出力異常検出部13からのアラーム信号に基づき、電源装置10の外部に対して、電源異常を示す信号を送出する機能も有している。
【0024】
電源出力異常検出部13は、電圧変換部11より出力される電圧(電流、電力としてもよい)を検出し、電圧変換部11より負荷装置20への電力供給が正常に行われていることの確認を行う。そして、電源出力異常検出部13は、電源制御部12に対して、電圧変換部11の動作状態の報告を行っており、異常を検出した場合には、アラーム信号を電源制御部12に送出する。なお、電源出力異常検出部13は、出力用スイッチ部14の出力の状態(出力電圧)の報告を行ってもよい。
【0025】
出力用スイッチ部14は、電圧変換部11と負荷装置20の間に挿入されており、通常は、電圧変換部11より供給される電力を負荷装置20へ、そのまま供給している。しかし、電源制御部12より、回路の非動作を指示するスイッチオフ信号が入力された場合には、出力用スイッチ部14は、電圧変換部11と負荷装置20を遮断する機能を有している。
【0026】
信号用スイッチ部15は、外部より供給されるオン/オフ信号と電源制御部12の間に挿入されており、通常は、そのオン/オフ信号を電源制御部12へ、そのまま供給している。しかし、電源制御部12より、回路の非動作を指示するスイッチオフ信号が入力された場合には、信号用スイッチ部15は、外部からのオン/オフ信号を遮断する機能を有している。
【0027】
電源状態表示部16は、電源制御部12に接続されており、電源制御部12から出力される信号により電源装置10の状態について表示する。なお、電源状態表示部16は、例えば、LED(Light Emitting Diode)で構成され、LEDを点灯させることで外部に電源装置10状態を表示する。
【0028】
負荷装置20は、例えば、プロセッサ、メモリ、ファン、I/O制御部、等である。
【0029】
ここで、電圧変換部11、電源制御部12、電源出力異常検出部13、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15は、論理回路等のハードウェアで構成される。
【0030】
このように、電源装置10は、負荷装置20側の原因(部品不良、スペック違反、電圧の回り込み等)により電源異常を検出するような場合においても、外部よりの影響を排除して、異常の原因が電源装置10の内部にあるか否かを確認することができる。
【0031】
図2、及び、図3を用いて、電源装置10の動作について説明する。
【0032】
なお、図2は、図1に示したブロック図に、図3に示す各動作の経路を追加した図である。各動作の詳細は、以下の図3の説明の中で図2を引用して説明する。
【0033】
図3は、電源装置10の動作の一例を示すタイムチャートである。
【0034】
まず、交流電源からの入力電圧(T01)、及び、外部からのオン信号(T02)が、電源装置10に供給される。
【0035】
なお、図3の入力電圧(T01)は、直流として記載しているが、前述したように、交流電圧、及び、直流電圧、いずれであってもよい。
【0036】
正常時には、電源制御部12は、電源出力異常検出部13より異常の報告がないため、外部より供給されたオン信号(T02)により電圧変換部11に対して動作の開始を指示する。その指示の信号は、電圧変換部オン信号(T04)である。電圧変換部オン信号(T04)は、オンの状態がハイレベル信号である。
【0037】
次に、電圧変換部11は、入力電圧(T01)を所定の出力電圧値(電圧変換部出力電圧)(T06)に変換し、電源装置10の外部に出力電圧(T03)を出力する。
【0038】
正常時には、出力電圧(T03)及び電圧変換部出力電圧(T06)の異常が検出されていないため、電源出力異常検出部13は、電源制御部12に対して正常報告をしている。アラーム信号(T07)は、正常時の電圧変換部出力電圧(T06)の発生時における信号を示す。
【0039】
また、この場合、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15は、正常時の動作をする。
【0040】
すなわち、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15は、電源制御部12よりスイッチオフの指示(スイッチオフ信号(T05):ハイレベル)を受けていない。このため、出力用スイッチ部14は、電圧変換部11が出力した電圧変換部出力電圧(T06)を、そのまま、出力電圧(T03)として、負荷装置20に対して電力供給を行う。また、信号用スイッチ部15は、外部より入力されるオン信号(T02)を、そのまま、電源制御部12に出力するように動作する。
【0041】
次に、電源装置10の内外いずれかに問題があり、電源出力異常が発生した場合について、説明する。
【0042】
電源出力異常検出部13は、アラーム信号(T07)を電源制御部12に送付し、電源出力異常を報告したとする。 この時、電源制御部12は、電源出力異常検出部13からのアラーム信号を受けて、電圧変換部11へ送出する電圧変換部オン信号(T04)をオフにし、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15へスイッチオフ信号(T05)、すなわちオフ指示を供給する。
【0043】
そして、電圧変換部11は、電源制御部12より電圧変換部オン信号(T04)のオフ指示を受けて、動作を停止する。
【0044】
また、出力用スイッチ部14は、電源制御部11よりスイッチオフ信号(T05)の指示を受けて、電圧変換部11と負荷装置20を遮断する(T03)。同様に、信号用スイッチ部15は、外部からの信号接続を遮断する。
【0045】
この後、電源制御部12は、電源制御部12内に設けられたタイマーに設定された一定時間Tが経過した後に、電圧変換部11にオン指示を行う(T04)。
【0046】
なお、この時点で、スイッチオフ信号(T05)は、オフのままとなっている。それに伴い、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15もオフとなっており、電源装置10は、入力電圧(T01)を除き、外部への接続を全て遮断された状態となっている。
【0047】
この状態にて、電源出力異常検出部13は、電圧変換部11の出力を確認し、一定時間Tの間に異常が解除されていれば、電源装置10に問題がないことを確認でき、アラーム信号(T07)を解除する。
【0048】
この報告を受けた電源制御部12は、電源装置状態表示部16を正常表示のままとして(スイッチオフ前のアラーム時には正常表示を継続する、とした場合)、電源装置10が正常であることを外部に対して連絡する。
【0049】
なお、一定時間Tの間、負荷装置20では、電力の供給が一時的に中断し、充電装置等からの補助電力の充当が必要になる場合も考えられるが、これに関する詳細な説明は省略する。
【0050】
一方、一定時間Tが経過した後に、異常が解除されていない場合には、電源出力異常検出部13は、異常を検出し、電源制御部12にアラーム状態であることを連絡する。アラーム信号(T09)は、この状態の信号である。したがって、アラーム信号(T09)を受けて、電源制御部11は電圧変換部12をオフにしたままとし、電圧変換部出力電圧(T08)は、異常検出後もオフのままである。
【0051】
この異常検出の報告を受けた電源制御部12は、各スイッチをオフしており外部と遮断されている状態においても電源の異常が解消されないことから、異常の原因が電源装置10の内部にあることを確認できる。
【0052】
そして、電源制御部12は、電源状態表示部16を電源異常の表示として、電源装置10が異常であることを外部に対して連絡する。
【0053】
このようにして、外部信号、及び、負荷装置20を電源装置10と電気的に遮断後に、再度、電源装置10自身を動作させることにより、電源装置10は、電源異常の原因が電源装置10外に起因するものか否かの切り分けを迅速に行うことができる。
【0054】
図4は、電源装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、電源装置10は、電源装置10の外部より、入力電圧、及び、オン信号を入力する(ステップS01)。
【0056】
次に、電源出力異常検出部13は、電源異常が発生しているか確認する(ステップS02)。
【0057】
(ステップS02)でNoの場合、電源異常は発生しておらず、オン信号により、電源制御部12は、動作の開始を指示する(ステップS03)。
【0058】
そして、出力用スイッチ部14は、電圧変換部11が出力した出力電圧を、そのまま、負荷装置20に対して出力し、電力供給する(ステップS04)。
【0059】
一方、(ステップS02)でYesの場合、電源出力異常検出部13は、アラーム信号を電源制御部12に送付し、電源異常を報告する(ステップS05)。
【0060】
電源制御部12は、報告を受け、電圧変換部オン信号をオフし、出力用、及び、信号用のスイッチオフ信号をオフする(ステップS06)。
【0061】
電源制御部12からの信号を受け、電圧変換部11は、動作を停止する。また、出力用スイッチ部14は、電圧変換部11と負荷装置20を遮断、信号用スイッチ部15は、外部からの信号の接続を遮断する(ステップS07)。
【0062】
一定時間Tが経過した後に、電源制御部12は、電圧変換部11にオン指示する(ステップS08)。そして、電源出力異常検出部13は、電圧変換部11の出力が異常か確認する(ステップS09)。
【0063】
(ステップ09)でNoの場合、電源出力異常検出部13は、アラーム信号を解除する(ステップS10)。
【0064】
そして、電源制御部12(電源状態表示部16)は、電源装置10が正常であることを外部に対して連絡する(ステップS11)。
【0065】
一方、(ステップ09)でYesの場合、電源出力異常検出部13は、異常を検出し、電源制御部12に異常を連絡する(ステップS12)。
【0066】
そして、電源制御部12は、異常の原因が電源装置10の内部にあると判断する(ステップS13)。
【0067】
また、電源制御部12(電源状態表示部16)は、電源装置10の異常であることを外部に対して連絡する(ステップS14)。
【0068】
本実施形態に係る電子装置30は、以下に記載するような効果を奏する。
【0069】
電源装置10の異常の原因が電源装置10の内部に起因するか否かの切り分けを迅速に行うことができ、また正確に電源異常を判定できる。
【0070】
その理由は、電源装置10への供給電力、供給信号、及び、負荷装置20への出力電力を外部と遮断した上で、電源装置10単体に、供給電力、及び、供給信号を印加し、障害が電源装置10自体に起因するか否かを判定するからである。
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0071】
図5は、第二の実施形態に係る、電子装置40の構成の一例を示すブロック図である。
【0072】
本実施形態では、第一の実施形態における電源装置10が複数で構成されることを特徴とする。
【0073】
電子装置40は、電源装置10A、電源装置10B、及び、負荷装置20を包含する。
【0074】
なお、図5では、電源装置10A、及び、電源装置10Bの2台の例を示しているが、3台以上の構成であってもよい。
【0075】
電源装置10Aは、図1に示す電源装置10と同じ構成である。電源装置10Bは、電源装置10Aと同等の構成であるとする(なお、詳細な構成の説明は省略する)。
【0076】
また、各々の電源装置10A及び電源装置10Bは、独立して動作する。
【0077】
本実施形態では、電子装置40は、信頼性向上のために同一機能を有した電源の並列冗長構成となっている。すなわち、一方の電源装置の異常時にも、他方の電源装置を利用して負荷装置20に電源供給を継続し、復旧後に早期に並列動作状態を復元して、信頼性を取り戻すことが可能となる。
【0078】
本実施形態に係る電子装置40は、以下に記載するような効果を奏する。
【0079】
電源装置10Aまたは電源装置10Bの異常の原因が電源装置10Aまたは電源装置10Bの内部に起因するか否かの切り分けを迅速に行うことができ、また正確に電源異常を判定できる。
【0080】
その理由は、電源装置10Aまたは電源装置10Bへの供給電力、供給信号、及び、負荷装置20への出力電力を外部と遮断した上で、電源装置10Aまたは電源装置10B単体に、供給電力、及び、供給信号を印加し、障害が電源装置10Aまたは電源装置10B自体に起因するか否かを判定するからである。
<第三の実施形態>
次に、本発明の第三の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0081】
図6は、第三の実施形態に係る、電源装置10Cの構成の一例を示すブロック図である。
【0082】
電源装置10Cは、電圧変換部11、電源制御部12、電源出力異常検出部13、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15を包含する。
【0083】
電圧変換部11は、入力電圧を、所定の電圧の出力電圧に変換して出力する。
【0084】
出力用スイッチ部14は、負荷装置20に対する出力電圧をオン/オフする。
【0085】
信号用スイッチ部15は、入力信号をオン/オフする。
【0086】
電源制御部12は、電圧変換部11、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15の各々をオン/オフするための制御信号(たとえば、オン信号またはオフ信号)を出力する。
【0087】
電源出力異常検出部13は、電圧変換部11の出力の異常を検出する。
【0088】
電源出力異常検出部13が電圧変換部11の出力の異常を検出した場合に、電源制御部12が、電圧変換部11、出力用スイッチ部14、及び、信号用スイッチ部15を、オフにし(たとえば、オフ信号を出力し)、一定の時間が経過した後に、電圧変換部11をオンにし(たとえば、オン信号を出力し)、電源出力異常検出部13が電圧変換部11の出力の異常の有無を確認する。
【0089】
本実施形態に係る電源装置10Cは、以下に記載するような効果を奏する。
【0090】
電源装置10の異常の原因が電源装置10の内部に起因するか否かの切り分けを迅速に行うことができ、また正確に電源異常を判定できる。
【0091】
その理由は、電源装置10への供給電力、供給信号、及び、負荷装置20への出力電力を外部と遮断した上で、電源装置10単体に、供給電力、及び、供給信号を印加し、障害が電源装置10自体に起因するか否かを判定するからである。
【0092】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0093】
10 電源装置
10A 電源装置
10B 電源装置
10C 電源装置
11 電圧変換部
12 電源制御部
13 電源出力異常検出部
14 出力用スイッチ部
15 信号用スイッチ部
16 電源状態表示部
20 負荷装置
30 電子装置
40 電子装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6