【文献】
小宮山 光雄,技術解説2 リアルタイム「個客」マーケティング −「個客」を理解した最適なオファーへ−,PROVISION,日本,日本アイ・ビー・エム株式会社,2013年11月 8日,第79号,p.38-43
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の店舗において購買を行うユーザのユーザ端末と通信し、前記店舗において購買が行われた場合に前記ユーザに付与する特典を示す特典情報が記憶される特典情報記憶部を備える購買支援装置が、
前記店舗において購買が行われたことを示す決済通知を受信するステップと、
受信した前記決済通知に基づいて、前記ユーザ端末に、前記特典情報記憶部に記憶されている前記特典情報を送信する特典情報送信ステップと、
を実行し、
前記特典情報記憶部には、前記特典情報を前記ユーザに付与する条件を示す付与条件が対応付けられて記憶され、
前記付与条件には、同一のユーザに対して種類の異なる特典が付与されている場合に、いずれの特典を優先して適用するかを判定するための指標となる情報が含まれ、
前記特典情報送信ステップでは、前記特典情報記憶部に記憶されている前記付与条件に基づいて、前記特典情報を前記ユーザ端末に送信するか否かを判定する購買支援方法。
所定の店舗において購買を行うユーザのユーザ端末と通信し、前記店舗において購買が行われた場合に前記ユーザに付与する特典を示す特典情報が記憶される特典情報記憶部を備える購買支援装置のコンピュータに、
前記店舗において購買が行われたことを示す決済通知を受信するステップと、
受信した前記決済通知に基づいて、前記ユーザ端末に、前記特典情報記憶部に記憶されている前記特典情報を送信する特典情報送信ステップと、
を実行させ、
前記特典情報記憶部には、前記特典情報を前記ユーザに付与する条件を示す付与条件が対応付けられて記憶され、
前記付与条件には、同一のユーザに対して種類の異なる特典が付与されている場合に、いずれの特典を優先して適用するかを判定するための指標となる情報が含まれ、
前記特典情報送信ステップでは、前記特典情報記憶部に記憶されている前記付与条件に基づいて、前記特典情報を前記ユーザ端末に送信するか否かを判定する購買支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による購買支援システム1の構成を示すブロック図である。購買支援システム1は、ユーザ端末100と、店舗端末200と、決済端末300と、クレジットカードネットワークシステム400と、カード会社装置500と、購買支援装置600とのコンピュータ装置を備えている。
【0017】
まず、本実施形態の概要を説明する。ユーザ端末100は、所定の店舗において購買を行うユーザのコンピュータ端末であり、決済端末300は店舗に設置され、店舗において行われる購買の決済を行うPOS(Point of sale system)端末等のコンピュータ端末である。このような店舗において、例えば、ユーザがクレジットカードによる決済を行う場合、ユーザは店舗においてクレジットカードを提示し、決済端末300は、ユーザによって提示されたクレジットカードの情報を読み込む。決済端末300は、読み込んだクレジットカードの情報を含む決済通知をクレジットカードネットワークシステム400に送信する。クレジットカードネットワークシステム400は、カード会社装置500と通信して決済を行う。
【0018】
ここで、ある店舗において購買を行ったユーザは、その店舗における商品やサービスに納得し、気に入って購買している可能性が高い。このため、このようなユーザに対して、例えば次回の購買の際には何らかの割引を行う等の特典を付与すれば、また来店して購買してくれる可能性が高いと考えられる。また、クレジットカードによって決済を行うユーザが店舗において支払う料金は、現金によって決済を行うユーザが支払う料金よりも平均単価が高い可能性があると考えられる。そこで、本実施形態では、店舗においてユーザがクレジットカードを用いた購買を行ったことをトリガーとして、所定の特典情報を付与する。これにより、ユーザにとっての満足度を向上させるとともに、店舗にとって売上を促進することができる。以下、このような購買支援システム1の具体的な構成を説明する。
【0019】
ユーザ端末100は、例えば、スマートフォン等の携帯通信端末、タブレットPC(Personal computer)等の可搬コンピュータ端末である。本実施形態では、ユーザ端末100はスマートフォンであるとして説明する。図には、1台のユーザ端末100を示して説明するが、購買支援システム1には、複数のユーザのそれぞれのユーザ端末100が接続されていてもよいし、1人のユーザが所持する複数のユーザ端末100が接続されていてもよい。ユーザ端末100は、入力部101と、出力部102と、通信部103と、特典情報制御部104とを備えている。
【0020】
入力部101は、ボタンやタッチパネル等の入力デバイスであり、操作に応じた入力信号を生成する。
出力部102は、情報を出力する出力デバイスである。例えば、出力部102は各種情報を表示するディスプレイであり、タッチパネルである。
通信部103は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。例えば、通信部103は、購買支援装置600と通信する。
【0021】
特典情報制御部104は、ユーザ端末100が備える各部を制御し、通信部103を介して購買支援装置600と通信し、ユーザに対する特典付与サービスを提供する。特典情報制御部104は、例えば、スマートフォンOS(Operating System)上で動作するアプリケーションプログラムによって構成される。特典情報制御部104は、例えば、入力部101を介して、店舗の購買におけるユーザを識別するユーザ識別情報、ユーザの氏名、性別、生年月日、年齢、住所等のユーザ情報の入力を受け付け、入力されたユーザ情報を購買支援装置600に送信する。ここで、ユーザ識別情報とは、例えば、店舗における購買においてユーザが決済に利用するクレジットカードのクレジットカード番号である。
【0022】
店舗端末200は、ユーザに商品やサービスを提供する加盟店の店舗のコンピュータ端末であり、ユーザに付与する特典情報に関する情報を入出力する。決済端末300は、店舗に設置されてその店舗の店員等によって操作されてもよいし、例えば複数店舗のマーケティングを管理するような本社等に設置されていてもよい。店舗端末200には、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン等が適用できる。図には、1台の店舗端末200を示して説明するが、購買支援システム1には、複数の店舗のそれぞれの店舗端末200が接続されていてもよいし、1つの店舗が所持する複数の店舗端末200が接続されていてもよい。店舗端末200は、入力部201と、出力部202と、通信部203と、特典情報管理部204とを備えている。
【0023】
入力部201は、キーボードやボタン、タッチパネル等の入力デバイスであり、操作に応じた入力信号を生成する。
出力部202は、情報を出力する出力デバイスである。例えば、出力部202は各種情報を表示するディスプレイであり、タッチパネルである。
通信部203は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。例えば、通信部203は、購買支援装置600と通信する。
【0024】
特典情報管理部204は、店舗端末200が備える各部を制御し、通信部203を介して購買支援装置600と通信し、入力部201と出力部202とによって、ユーザに付与する特典情報に関する情報を入出力する。例えば、特典情報管理部204は、ユーザに付与する特典に関する特典情報や、特典を付与する条件を定める付与条件等の情報の入力を受け付け、入力された情報を購買支援装置600に送信する。例えば、特典情報管理部204はインターネットブラウザの機能を備えており、購買支援装置600から送信される特典情報入力画面のウェブページを受信して出力部202に表示させ、表示させた特典情報入力画面に応じて店員等から入力される情報を、通信部203を介して購買支援装置600に送信する。
【0025】
図2は、特典情報管理部204が表示させる特典情報入力画面の例を示す図である。この画面では、特典情報付与条件と、特典情報利用条件との入力を受け付ける。
特典情報付与条件には、例えば、性別と、年齢と、対象カードと、対象期間と、対象金額と、配布総数と、配布回数との付与条件と、これらの付与条件に応じて付与する特典の優先順序と、割引金額との特典情報が含まれる。
【0026】
性別は、特典を付与するユーザの性別であり、この例では女性または男性のいずれかを選択するチェックボックスを表示している。年齢は、特典を付与するユーザの年齢であり、この例では10代から60代以降までの年代のいずれかを選択するチェックボックスを表示している。対象カードは、特典を付与するユーザが決済において利用したクレジットカードの種別を示す情報である。ここでは、「設定しない」と「設定する」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示している。「設定しない」が選択された場合には、ユーザが利用するクレジットカードの種別に関わらず特典を付与することを示し、「設定する」が選択された場合には、所定の種別のクレジットカードが利用された場合にのみ特典を付与することを示す。この例では、「設定する」が選択された場合に選択するクレジットカードの種別として、「Aクレジット」、「Bクレジット」等のいずれかを選択するチェックボックスを表示している。
【0027】
対象期間は、特典を付与する期間を示す。例えば、店舗において購買が行われた日時が対象期間内である場合には特典を付与し、対象期間内でない場合には特典を付与しないことを示す。ここでは、「設定しない」と「日時指定」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示し、「日時指定」が選択された場合には、指定された開始日時と終了日時との間の期間にのみ特典を付与することを示す。対象金額は、特典を付与する金額を示す。例えば、店舗において購買が行われた売上金額が所定範囲の金額である場合には特典を付与し、所定範囲でない場合には特典を付与しないことを示す。ここでは、「設定しない」と「設定する」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示し、「設定する」が選択された場合には、指定された下限金額と上限金額との範囲内に購買が行われた場合にのみ特典を付与することを示す。
【0028】
配布総数は、特典を付与する総数を示す。例えば、紙媒体によるクーポンを配布する場合に、配布するクーポンの枚数を予め定めておくように、他の付与条件の全てを満たす場合であっても、ユーザに対して特典を付与する上限数を定めておくことができる。ここでは、「期間中無制限」と「上限あり」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示し、「上限あり」が選択された場合には、指定された数を上限として特典を付与することを示す。配布回数は、同一のユーザに対して同一の特典を付与する回数に関する制限を示す。ここでは、「制限なし」と「1人1回まで」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示し、「1人1回まで」が選択された場合には、同一のユーザに対して同一の特典は1回しか付与しないことを示す。ここでは「1人1回まで」の例を示しているが、1人に対して特典を付与する2以上の回数を指定できるようにしてもよい。
【0029】
優先順序は、特典を適用する順序を示す情報であり、例えば同一のユーザに対して種類の異なる特典が付与されている場合に、いずれの特典を優先して適用するかを判定するための指標となる情報である。例えば、対象期間が1週間や1か月などの単位で定められている特典情報の他に、所定日時のみのタイムセールによる特典を付与するような場合、タイムセールの特典の方を優先的に適用するような制御を行うことができる。
割引金額は、付与条件を満たす場合にユーザに付与する特典を示す情報であり、ここでは、「円」と「%」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示し、いずれかに入力された数値に対応する金額の割引を行うことを示す。
【0030】
特典情報利用条件は、ユーザに付与した特典を利用する条件を示す情報であり、特典情報利用条件が示す条件を満たす場合、対応する特典を適用して決済が行われる。特典情報利用条件には、例えば、適応金額と、重複利用と、有効期限とが含まれる。適応金額は、特典を適用する売上金額を示し、ここでは、「設定しない」と「設定する」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示している。「設定しない」が選択された場合には、ユーザによって行われた購買の売上金額に関わらず特典を適用することを示す。「設定する」が選択された場合には、所定範囲内の金額による購買が行われた場合に特典を適用することを示す。
【0031】
重複利用は、対応する特典を他の特典と重複して利用することを許可するか否かを示す。ここでは、「許可」と「不許可」とのいずれかを選択するチェックボックスを表示している。「許可」が選択された場合には、対応する特典を他の特典と重複して適用することを示す。「不許可」が選択された場合には、対応する特典を他の特典と重複して適用しないことを示す。有効期限は、特典を適用する期間を示す。店舗において購買が行われた日時が有効期限内である場合には特典を適用し、有効期限内でない場合には特典を適用しないことを示す。
このような特典情報入力画面に入力された特典情報付与条件と特典情報利用条件との情報を、特典情報管理部204は、通信部203を介して購買支援装置600に送信し、記憶させる。
【0032】
決済端末300は、店舗において行われる購買の決済を行う。図には、1台の決済端末300を示して説明するが、購買支援システム1には、複数の店舗のそれぞれの決済端末300が接続されていてもよいし、1つの店舗が所持する複数の決済端末300が接続されていてもよい。
【0033】
決済端末300は、入力部301と、出力部302と、通信部303と、決済通知送信部304とを備えている。
入力部301は、キーボードやタッチパネル等の入力デバイスであり、操作に応じた入力信号を生成する。例えば、入力部301には、店舗においてユーザが購入する商品の品目、個数、売上金額等の取引情報が入力される。また、入力部301は、クレジットカードの情報を読み取るカードリーダを含む。カードリーダは、ユーザから店員に提示されたクレジットカードから、クレジットカード番号を読み取る。例えば、カードリーダは、IC(Integrated Circuit)カードであるクレジットカードからクレジットカード番号を読み取るICカードリーダでもよいし、磁気カードであるクレジットカードからクレジットカード番号を読み取る磁気カードリーダでもよい。クレジットカードによる支払を行う場合、入力部301は、支払回数やクレジットカード認証のためのPIN(Personal identification number)等の入力を受け付ける。
【0034】
出力部302は、情報を出力する出力デバイスである。例えば、出力部302は各種情報を表示するディスプレイである。
通信部303は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。例えば、通信部303は、購買支援装置600と通信する。
決済通知送信部304は、入力部301に入力された取引情報とクレジットカード番号等の情報に基づく決済を要求する決済通知であるオーソリ要求(オーソリゼーション要求)を、クレジットカードネットワークシステム400に送信する。オーソリ要求は、クレジットカードの発行元であるカード会社に、クレジットカードの正当性の検証や利用限度額などの有効性を判定し、取引におけるクレジットカード決済を承認するか否かを判定するオーソリ処理(オーソリゼーション処理)を要求するものである。オーソリ要求には、例えば、クレジットカード番号(ユーザの会員番号)、決済を要求する金額、加盟店を識別する会社コード、オーソリ要求を送信する端末を識別する端末番号、オーソリ要求を送信する日付等の情報が含まれる。
また、決済端末300は、例えば、店舗においてユーザに購入される商品に応じた売上金額の決済を行い、他の店舗間で販売情報等の情報共有を行うPOSレジスタの機能を備えており、店舗の店員により操作されるものであってもよい。この場合、決済端末300は、POSレジスタの専用端末でもよいが、例えばPC、タブレットPC、スマートフォン等の汎用端末に、POSレジスタの機能を有するアプリケーションプログラムをインストールしたものであってもよい。
【0035】
クレジットカードネットワークシステム400は、クレジットカード会社のカード会社装置500にオンライン回線で接続し、決済を行う取引情報やオーソリ要求を中継するコンピュータシステムである。また、クレジットカードネットワークシステム400は、決済端末300からオーソリ要求である決済通知を受信すると、受信した決済通知を購買支援装置600に転送する。
【0036】
カード会社装置500は、ユーザと店舗との間の取引に応じた代金を店舗に支払うカード会社のコンピュータ装置である。図には、1台のカード会社装置500を示して説明するが、購買支援システム1には、複数のカード会社のそれぞれのカード会社装置500が接続されていてよい。カード会社装置500は、カード会社が予めクレジットカードを発行した会員の氏名、生年月日、住所、代金の請求対象である銀行口座、カードの有効期限、利用限度額、クレジットカードの利用履歴などの会員情報を記憶している。また、カード会社装置500は、カード会社装置500のカード会社が発行したクレジットカードに基づく取引を行うことが予め定められた会社や店舗等の加盟店に関する加盟店情報を記憶している。
【0037】
また、カード会社装置500は、決済端末300からクレジットカードネットワークシステム400を介して送信されるオーソリ要求に応じて、取引におけるクレジットカード決済を承認するか否かを判定するオーソリ処理を行う。カード会社装置500は、所定のオーソリ処理を行ったオーソリ結果をクレジットカードネットワークシステム400に送信する。具体的には、カード会社装置500は、オーソリ要求に含まれるカード番号や決済要求代金の金額などに応じて、カード番号のチェックサムなどにより不正なカードであるか否かを判定するとともに、予め記憶している会員情報に含まれるカードの有効期限、利用限度額などの情報に基づいて、決済要求に応じた決済を承認するか否かを判定する。また、カード会社装置500は、判定結果をオーソリ結果として、オーソリ要求の送信元であるクレジットカードネットワークシステム400に送信する。カード会社装置500は、例えば加盟店毎の利用限度額などを予め記憶しておき、加盟店毎の利用限度額を超える金額のオーソリ要求が送信された場合には、決済を承認しないようにしてもよい。
【0038】
購買支援装置600は、ユーザに特典を付与する特典付与処理や、ユーザに付与した特典を決済に適用して利用する特典利用処理を制御するコンピュータ装置である。購買支援装置600は、通信部601と、特典情報記憶部602と、ユーザ情報記憶部603と、付与特典情報記憶部604と、ユーザ登録部605と、特典情報登録部606と、決済通知受信部607と、特典情報送信部608と、決済処理部609とを備えている。
【0039】
通信部601は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。例えば、通信部601は、ユーザ端末100と、店舗端末200と、クレジットカードネットワークシステム400と、カード会社装置500と通信する。
【0040】
特典情報記憶部602には、店舗において購買が行われた場合にユーザに付与する特典を示す特典情報が記憶される。また、特典情報記憶部602には、その特典情報をユーザに付与する条件を示す付与条件が対応付けられて記憶される。また、特典情報記憶部602には、その特典を利用する条件を示す特典情報利用条件が記憶される。具体的には、上述した特典情報入力画面において入力され、店舗端末200の特典情報管理部204から送信された特典情報付与条件と特典情報利用条件とが、特典情報ごとに対応付けられて特典情報記憶部602に記憶される。また、特典情報記憶部602には、特典情報ごとに、その特典を識別する特典識別情報や、その特典情報を入力した店舗の店舗識別情報等の情報を対応付けて記憶することができる。
【0041】
ユーザ情報記憶部603には、ユーザに関するユーザ情報が記憶される。ユーザ情報記憶部603に記憶されるユーザ情報は、上述したユーザ端末100の特典情報制御部104から送信されるユーザ情報である。
付与特典情報記憶部604には、ユーザに付与した特典を示す特典情報が記憶される。例えば、付与特典情報記憶部604には、ユーザ識別情報に、そのユーザ識別情報が識別するユーザに付与した特典を識別する特典識別情報が対応付けられて記憶される。
【0042】
ユーザ登録部605は、ユーザ端末100から送信されるユーザ識別情報を含むユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部603に記憶させる。
特典情報登録部606は、店舗端末200の特典情報管理部204から送信された特典情報付与条件と特典情報利用条件とを、特典情報ごとに対応付けて特典情報記憶部602に記憶させる。
【0043】
決済通知受信部607は、店舗において購買が行われたことを示す決済通知を受信する。本実施形態では、決済通知は、クレジットカード決済におけるオーソリ要求であり、決済端末300からクレジットカードネットワークシステム400に送信された決済通知を受信する。
【0044】
特典情報送信部608は、決済通知受信部607が受信した決済通知に基づいて、ユーザ端末100に、特典情報記憶部602に記憶されている特典情報を送信する。ここで、特典情報送信部608は、決済通知受信部607が決済通知を受信すると、店舗において行われた購買が、ユーザ情報記憶部603に記憶されているユーザ識別情報が識別するユーザによって行われたか否かを判定し、判定結果に基づいて、ユーザ端末100に特典情報を送信する。
【0045】
具体的には、決済通知受信部607に含まれる決済通知に含まれるクレジットカード番号が、ユーザ情報記憶部603に記憶されているか否かを判定する。特典情報送信部608が、決済通知受信部607に含まれる決済通知に含まれるクレジットカード番号が、ユーザ情報記憶部603に記憶されていると判定すると、特典情報記憶部602に記憶されている付与条件に基づいて、対応する特典情報をユーザ端末100に送信するか否かを判定する。例えば、特典情報送信部608は、決済通知に含まれるクレジットカード番号に対応付けられたユーザ情報をユーザ情報記憶部603から読み出し、特典情報記憶部602に記憶されている付与条件を読み出し、ユーザ情報が付与条件に一致する特典情報を、特典情報記憶部602から抽出する。特典情報送信部608は、ユーザ情報が付与条件に一致する特典情報が特典情報記憶部602に記憶されていると判定すると、その特典情報を、ユーザ端末100に送信する。特典情報送信部608は、ユーザ情報が付与条件に一致する特典情報が特典情報記憶部602に記憶されていないと判定すれば、特典情報をユーザ端末100に送信しない。
また、特典情報送信部608は、ユーザ端末100に送信する特典情報を、そのユーザ端末100のユーザに対応付けて付与特典情報記憶部604に記憶させることにより、ユーザに特典を付与する。
【0046】
決済処理部609は、決済通知受信部607が決済通知を受信すると、その決済通知に対応するユーザに対応付けられて付与特典情報記憶部604に記憶されている特典情報を読み出し、読み出した特典情報に基づいて決済処理を行う。例えば、決済処理部609は、決済通知受信部607が決済通知を受信すると、その決済通知に含まれるクレジットカード番号に対応付けられて付与特典情報記憶部604に記憶されている特典情報を読み出し、読み出した特典情報によって示される割引金額と、決済通知が示す売上金額とによる決済要求を、カード会社装置500に送信し、割引金額と売上金額とに基づいてカード会社装置500によって行われた決済結果を取得する。
【0047】
次に、図面を参照して、本実施形態による購買支援システム1の動作例を説明する。
図3は、本実施形態の購買支援システム1による特典付与処理の動作例を示す図である。
ユーザ端末100は、ユーザからの操作に応じて、所定のアプリケーションプログラムをダウンロードし、インストールすることにより、特典情報制御部104を構成する(ステップS1)。ここで、ユーザ端末100は、例えば、スマートフォンOS上で動作するアプリケーションプログラムを、ネットワークを介して配信するアプリケーションサーバ装置に接続し、接続したアプリケーションサーバ装置からアプリケーションプログラムをダウンロードする。
【0048】
ユーザ端末100が、ステップS1においてインストールしたアプリケーションプログラムを起動すると、特典情報制御部104は、ユーザからのユーザ情報の入力を受け付け、入力されたユーザ情報を購買支援装置600に送信する(ステップS2)。購買支援装置600のユーザ登録部605は、ユーザ端末100から送信されたユーザ情報を、通信部601を介して受信し、受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部603に記憶させる(ステップS3)。これにより、購買支援システム1が提供する特典付与サービスに対するユーザのアカウント登録が行われる。
【0049】
店舗端末200の特典情報管理部204は、店員等からの操作に応じて、購買支援装置600に接続し、購買支援装置600から送信される特典情報入力画面を受信して出力部202に表示させる。店舗端末200の入力部201は、表示させた特典情報入力画面に対して店員等から入力される特典情報と、付与条件と、特典情報利用条件との情報を受け付ける。特典情報管理部204は、入力された特典情報と、付与条件と、特典情報利用条件との情報を、通信部203を介して購買支援装置600に送信する(ステップS4)。購買支援装置600の特典情報登録部606は、店舗端末200から送信された情報を、通信部601を介して受信し、受信した情報を付与特典情報記憶部604に記憶させる(ステップS5)。
【0050】
ユーザが店舗において、クレジットカード決済により購買する商品等を決定すると、店舗の店員等が、決済端末300を操作し、ユーザが購買する商品の商品品目、個数、売上金額等の取引情報を入力する。また、店員は、ユーザから提示されるクレジットカードを決済端末300に読み取らせる。例えば、決済端末300の入力部301が備えるカードリーダが、クレジットカードからクレジットカード番号等の情報を読み取る。決済端末300の決済通知送信部304は、入力された取引情報やクレジットカード番号等に基づく決済通知を、クレジットカードネットワークシステム400に送信する(ステップS6)。クレジットカードネットワークシステム400は、決済端末300から決済通知を受信すると、受信した決済通知を購買支援装置600に転送し、購買支援装置600の決済通知受信部607は、クレジットカードネットワークシステム400から転送された決済通知を受信する(ステップS7)。
【0051】
クレジットカードネットワークシステム400は、決済通知をカード会社装置500に中継し、カード会社装置500は、クレジットカード決済を行う(ステップS8)。購買支援装置600の特典情報送信部608は、決済通知に含まれるクレジットカード番号に対応付けられたユーザ情報を、ユーザ情報記憶部603から読み出す。また、特典情報送信部608は、読み出したユーザ情報に一致する付与条件が対応付けられた特典情報を、特典情報記憶部602から読み出す(ステップS9)。
【0052】
ここで、特典情報送信部608は、ユーザ情報に一致する付与条件が対応付けられた特典情報が特典情報記憶部602に記憶されていないと判定すれば、処理を終了する。特典情報送信部608は、ユーザ情報に一致する付与条件が対応付けられた特典情報が特典情報記憶部602に記憶されていると判定すれば、その特典情報を、ユーザ端末100に送信する(ステップS10)。ユーザ端末100は、購買支援装置600から送信された特典情報を出力部102に表示させる。これにより、ユーザは、購買によって店舗から付与された特典を知ることができる。したがって、ユーザに、その特典を利用して新たな購買を行う動機を与えることができる。特典情報送信部608は、ユーザ端末100に送信した特典情報を、ユーザ端末100のユーザ識別情報に対応付けて付与特典情報記憶部604に記憶させる(ステップS11)。
このようにすれば、店舗において購買が行われたことをトリガーとして、ユーザに特典を付与することができる。
【0053】
図4は、本実施形態の購買支援システム1による特典利用処理の動作例を示す図である。
ユーザが店舗において、クレジットカード決済により購買する商品等を決定すると、店舗の店員等が、決済端末300を操作し、決済端末300は、取引情報やクレジットカード番号等の入力を受け付ける。決済端末300の決済通知送信部304は、入力された取引情報やクレジットカード番号等に基づく決済通知を、クレジットカードネットワークシステム400に送信する(ステップS20)。
【0054】
クレジットカードネットワークシステム400は、決済端末300から決済通知を受信すると、受信した決済通知を購買支援装置600に転送する(ステップS21)。購買支援装置600の決済通知受信部607は、クレジットカードネットワークシステム400から転送された決済通知を受信すると、決済通知に含まれるクレジットカード番号に対応付けられて付与特典情報記憶部604に記憶されている特典情報を読み出す(ステップS22)。決済通知に含まれるクレジットカード番号に対応付けられて付与特典情報記憶部604に記憶されている特典情報が存在しなければ、クレジットカードネットワークシステム400は、ステップS8と同様の決済処理を行う。
【0055】
決済通知に含まれるクレジットカード番号に対応付けられて付与特典情報記憶部604に記憶されている特典情報が存在すれば、購買支援装置600は、読み出した特典情報に示される割引金額と、決済通知に含まれる売上金額とを、クレジットカードネットワークシステム400を介してカード会社装置500に送信する。カード会社装置500は、売上金額から割引金額を差し引いた金額による決済を行う(ステップS23)。購買支援装置600は、特典が適用されて決済が行われたことを示す特典適用通知を、ユーザ端末100に送信する(ステップS24)。ユーザ端末100は、購買支援装置600から送信された特典適用通知を出力部102に表示させる。これにより、ユーザは、購買において特典が適用されたことを知ることができる。
【0056】
カード会社装置500は、ステップS23においてクレジットカード決済を行った金額(売上金額から割引金額を差し引いた金額)を、特典を利用した購買が行われた加盟店に入金する(ステップS25)。また、カード会社装置500は、クレジットカードで購入した金額から特典の割引金額を差し引いた金額を、ユーザに請求する(ステップS26)。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、クレジットカード決済によるオーソリ要求をトリガーとしてユーザに特典を付与することができる。これにより、ターゲットを絞って特典を付与することが可能となる。すなわち、不特定多数の顧客に対して紙媒体のクーポンを配布することに比べて、特典を利用して購買を行ってくれる可能性を相対的に高くすることができる、また、紙媒体のクーポンの場合、ユーザはそのクーポンを携帯していなければ利用できないことに対し、本実施形態によれば、ユーザに付与した特典に関する情報は、クレジットカード番号に対応付けて購買支援装置600に記憶され、そのクレジットカード番号による決済が行われる場合には自動的に特典が適用される。すなわち、ユーザは、紙媒体のクーポンを携帯し、購買の際にクーポンを提示する手間をかけることなく、特典を利用することができる。このように、本実施形態によれば、加盟店にとっては、効果的なプラスセル、買い回りの促進が期待できるとともに、ユーザにとっては、面倒な操作をせずに特典の適用を受けることが可能となる。
【0058】
また、本実施形態によれば、クレジットカード決済を行った時点で、ユーザに特典が付与されてユーザ端末100に付与された特典が表示されるため、ユーザは付与された特典をリアルタイムに知ることができる。このため、加盟店への継続的な送客効果や、買い増し効果が期待できる。さらに、例えば、ショッピングモールなどにおいて、購買が行われた隣接店舗や近隣店舗における特典を付与することもできる。あるいは、例えば、位置情報や天気情報、ユーザの趣味嗜好や購買履歴に応じた特典を付与することもできる。
【0059】
なお、購買支援装置600は、ユーザに付与した特典や、付与した特典の利用状況などの集計を行い、集計結果を加盟店の店舗端末200に送信するようにしてもよい。
図5は、このような集計画面の例を示す図である。集計画面では、例えば、ユーザの性別や年代、カード種別等に応じて、特典を付与したユーザの数や、その特典を利用したユーザの数などを確認することができる。このようにすれば、加盟店は、付与した特典の利用状況や効果を確認、分析することができ、より効果的な特典の付与等のマーケティングを行うことが可能となる。ここで、購買支援装置600を運営する事業者は、本実施形態による特典が利用された売上に応じて、本実施形態による特典付与サービスの利用料を、加盟店に請求することができる。
【0060】
また、上述の例では、ユーザ識別情報はユーザのクレジットカード番号であり、決済通知はオーソリ要求である例を説明したが、ユーザ識別情報は、特典を付与するユーザを識別するものであればよく、決済通知は、ユーザが店舗において購買を行ったことを示すものであれば、他の情報でもよい。すなわち、決済が行われた際に、その旨をクレジットカードネットワークシステム400に通知する決済通知などのトランザクションデータが送信される場合には、本実施形態と同様の特典付与処理を行うことができる。例えば、ユーザに対してポイントカードを発行してそのユーザに対して付与したポイントをサーバで管理しているような場合には、本実施形態による特典情報を付与するユーザのポイントカード番号を予め購買支援装置600のユーザ情報記憶部603に記憶させておき、そのポイントカード番号における決済通知を決済通知受信部607が受信した場合に、上記と同様の特典付与処理を行うこともできる。
【0061】
また、上述の例では、特典情報による特典として割引金額を定める例を示したが、ユーザに付与する特典は他のものであってもよい。例えば、購買によってユーザに付与するポイントを割増(例えば、2倍)するような特典であってもよいし、何らかの景品を付与するような特典であってもよい。
【0062】
また、上述の例では、クレジットカードネットワークシステム400と購買支援装置600とは別の構成として例を説明したが、購買支援装置600の各機能は、クレジットカードネットワークシステム400の一部として備えるようにしてもよい。すなわち、クレジットカードネットワークシステム400が、一体として購買支援装置600を含むように構成することができる。
【0063】
また、上述の例では、付与条件に一致した特典はすべてユーザに付与する例を示したが、付与条件に一致する特典のうち、ユーザによる利用意思を確認した特典のみを付与するようにしてもよい。例えば、ステップS10において、購買支援装置600の特典情報送信部608が特典情報をユーザ端末100に送信し、ユーザ端末100が特典情報を表示する際に、「この特典を登録しますか?」等のメッセージとともに、「はい」「いいえ」等のボタンを表示する。購買支援装置600は、ここで「はい」ボタンが押下された場合には、その特典情報をそのユーザに対応付けて付与特典情報記憶部604に記憶させ、「いいえ」ボタンが押下された場合には、その特典情報をそのユーザに対応付けて付与特典情報記憶部604に記憶させないようにすることができる。
【0064】
また、上述の例では、購買支援装置600は、決済端末300から送信された決済通知に応じて、特典情報が示す割引金額と売上金額とをカード会社装置500に送信して決済するようにしたが、売上金額から割引金額を差し引いた金額についてのみの決済要求をカード会社装置500に送信してクレジットカード決済を行うようにしてもよい。
【0065】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより特典情報の制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0066】
また、上述した機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。