(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記投影手段は、前記既存の模様の少なくとも一部として、前記既存の模様のうちの前記印刷対象の新規の模様の周辺の模様を、前記印刷対象の新規の模様とともに前記被印刷体の外表面に投影することを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
前記被印刷体が前記投影手段により投影される投影位置と、前記被印刷体が前記キャリッジにより印刷される印刷位置と、に亘って前記保持部を搬送する搬送手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
前記キャリッジが、水平方向に移動して、前記被印刷体の外表面に前記印刷対象の新規の模様を印刷することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に示された方法では、被印刷体の組み立ての前に表皮パネルに模様を印刷するので、既に既存の模様が印刷された被印刷体に新たな印刷対象の新規の模様を印刷することはできなかった。また、既存の模様が印刷された被印刷体に新たな印刷対象の新規の模様を印刷する際には、被印刷体の美観が損なうことを抑制するために、印刷対象の新規の模様を既存の模様に対して適切な位置に印刷することが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、既存の模様に対して適切な位置に印刷対象の新規の模様を印刷することができるインクジェットプリンタ及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るインクジェットプリンタは、既存の模様が印刷された球状の被印刷体の外表面に、前記既存の模様と異なる印刷対象の新規の模様を新たに印刷するインクジェットプリンタであって、前記被印刷体を保持する保持部と、前記被印刷体の外表面に前記印刷対象の新規の模様を印刷するキャリッジと、前記保持部に保持された前記被印刷体の外表面に前記既存の模様の少なくとも一部と前記印刷対象の新規の模様とを合わせて投影する投影手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、既存の模様の少なくとも一部と印刷対象の新規の模様とを投影する投影手段を備えているので、キャリッジによる印刷の前に、投影手段が投影した既存の模様の少なくとも一部と、被印刷体の外表面に印刷されている既存の模様に基づいて、被印刷体を所定の位置に容易に位置決めすることができる。また、投影手段が既存の模様の少なくとも一部と印刷対象の新規の模様とを被印刷体の外表面に投影するので、被印刷体を位置決めする際等に、被印刷体に既に印刷されている既存の模様、被印刷体の外表面の凹凸形状などとともに、印刷対象の新規の模様の位置、印刷する領域だけでなく、印刷後の被印刷体の外表面の模様(色やデザインなど)を容易に把握することができる。
【0008】
また、上記インクジェットプリンタにおいて、前記投影手段は、前記既存の模様の少なくとも一部として、前記既存の模様のうちの前記印刷対象の新規の模様の周辺の模様を、前記印刷対象の新規の模様とともに前記被印刷体の外表面に投影するものとすることができる。
【0009】
この発明では、投影手段が、既存の模様の一部としての印刷対象の新規の模様の周辺の模様を投影するので、投影された模様などに基づいて、被印刷体を容易に位置決めすることができる。
【0010】
また、本発明に係るインクジェットプリンタは、既存の模様が印刷された球状の被印刷体の外表面に、前記既存の模様と異なる印刷対象の新規の模様を新たに印刷するインクジェットプリンタであって、前記被印刷体を保持する保持部と、前記被印刷体の外表面に前記印刷対象の新規の模様を印刷するキャリッジと、前記保持部に保持された前記被印刷体の外表面に前記印刷対象の新規の模様を投影する投影手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、印刷対象の新規の模様を投影する投影手段を備えているので、キャリッジによる印刷の前に、投影手段が投影した印刷対象の新規の模様と、被印刷体の外表面に印刷されている既存の模様に基づいて、被印刷体を所定の位置に容易に位置決めすることができる。また、投影手段が印刷対象の新規の模様を被印刷体の外表面に投影するので、被印刷体を位置決めする際等に、被印刷体に既に印刷されている既存の模様、被印刷体の外表面の凹凸形状などとともに、印刷対象の新規の模様の位置、印刷する領域だけでなく、印刷後の被印刷体の外表面の模様(色やデザインなど)を容易に把握することができる。
【0012】
また、上記インクジェットプリンタにおいて、前記投影手段は、前記被印刷体の中心を通る直線上に照射領域が配設されているものとすることができる。
【0013】
この発明では、投影手段を被印刷体の中心を通る直線上に照射領域が配設されているので、投影手段が投影した模様が被印刷体の外表面上でゆがむことを抑制することができる。
【0014】
また、上記インクジェットプリンタにおいて、前記被印刷体が前記投影手段により投影される投影位置と、前記被印刷体が前記キャリッジにより印刷される印刷位置と、に亘って前記保持部を搬送する搬送手段を備えるものとすることができる。
【0015】
この発明では、保持部を投影位置と印刷位置とに亘って搬送する搬送手段を備えているので、投影位置において保持部に対して被印刷体を位置決めした後に、印刷位置で被印刷体の外表面に印刷対象の新規の模様を印刷することができる。
【0016】
また、上記インクジェットプリンタにおいて、前記キャリッジが、水平方向に移動して、前記被印刷体の外表面に前記印刷対象の新規の模様を印刷するものとすることができる。
【0017】
この発明では、キャリッジが水平方向に移動しながら被印刷体の外表面に印刷対象の新規の模様を印刷するので、印刷時のキャリッジの移動が複雑化したりインクを吐出させるピエゾ素子などの駆動電圧をキャリッジの位置に応じて変更しなければならないことを抑制できる。
【0018】
また、本発明に係る印刷方法は、既存の模様が印刷された球状の被印刷体の外表面に、前記既存の模様と異なる印刷対象の新規の模様を新たに印刷する印刷方法であって、前記被印刷体の外表面に前記既存の模様の少なくとも一部と前記印刷対象の新規の模様とを合わせて投影し、投影された既存の模様と前記被印刷体の外表面に印刷されている既存の模様とに基づいて、前記被印刷体を位置決めした後、前記被印刷体の外表面にインクジェットプリンタのキャリッジにより前記印刷対象の新規の模様を印刷することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、既存の模様の少なくとも一部と印刷対象の新規の模様とを投影するので、キャリッジによる印刷の前に、投影された既存の模様の少なくとも一部と、被印刷体の外表面に印刷されている既存の模様に基づいて、被印刷体を所定の位置に容易に位置決めすることができる。また、既存の模様の少なくとも一部と印刷対象の新規の模様とを被印刷体の外表面に投影するので、被印刷体を位置決めする際等に、被印刷体に既に印刷されている既存の模様、被印刷体の外表面の凹凸形状などとともに、印刷対象の新規の模様の位置、印刷する領域だけでなく、印刷後の被印刷体の外表面の模様(色やデザインなど)を容易に把握することができる。
【0020】
また、本発明に係る印刷方法は、既存の模様が印刷された球状の被印刷体の外表面に、前記既存の模様と異なる印刷対象の新規の模様を新たに印刷する印刷方法であって、前記被印刷体の外表面に前記印刷対象の新規の模様を投影し、投影された印刷対象の新規の模様と前記被印刷体の外表面に印刷されている既存の模様とに基づいて、前記被印刷体を位置決めした後、前記被印刷体の外表面にインクジェットプリンタのキャリッジにより前記印刷対象の新規の模様を印刷することを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、印刷対象の新規の模様を投影するので、キャリッジによる印刷の前に、投影された印刷対象の新規の模様と、被印刷体の外表面に印刷されている既存の模様に基づいて、被印刷体を所定の位置に容易に位置決めすることができる。また、印刷対象の新規の模様を被印刷体の外表面に投影するので、被印刷体を位置決めする際等に、被印刷体に既に印刷されている既存の模様、被印刷体の外表面の凹凸形状などとともに、印刷対象の新規の模様の位置、印刷する領域だけでなく、印刷後の被印刷体の外表面の模様(色やデザインなど)を容易に把握することができる。
【0022】
また、上記印刷方法において、前記インクジェットプリンタのキャリッジにより前記被印刷体の印刷される印刷領域を、前記被印刷体の外表面に投影された印刷対象の新規の模様に基づいて変更するものとすることができる。
【0023】
この発明では、印刷領域を被印刷体の外表面に投影された印刷対象の新規の模様に基づいて変更するので、投影された印刷対象の新規の模様がゆがまない位置に印刷領域を設定することで、印刷対象の新規の模様を正確に被印刷体の外表面に印刷することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るインクジェットプリンタ及び印刷方法は、既存の模様に対して適切な位置に印刷対象の新規の模様を印刷することができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係るインクジェットプリンタ及び印刷方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0027】
〔実施形態〕
図1は、実施形態にかかるインクジェットプリンタの概略の構成を示す概略構成図である。
図2は、実施形態にかかるインクジェットプリンタの正面図である。
図3は、実施形態にかかるインクジェットプリンタの側面図である。
図4は、実施形態にかかるインクジェットプリンタの平面図である。
図5は、実施形態にかかるインクジェットプリンタの投影手段と被印刷体との位置関係を示す正面図である。
図6は、実施形態にかかるインクジェットプリンタにより印刷された被印刷体の平面図である。
【0028】
図1に示すインクジェットプリンタ1は、
図6などに示す球状の被印刷体Wの外表面WSに、紫外線が照射されることで硬化するインクを吐出し、被印刷体Wの外表面WSに紫外線を照射してインクを硬化させて、被印刷体Wの外表面WSを印刷するものである。
【0029】
被印刷体Wは、チューブからなる図示しない芯部の外側に複数の表皮パネルを張り付けて構成されている。被印刷体Wは、本実施形態では、サッカーボールであるが、本発明では、これに限ることなく種々の球状のものであればよい。さらに、本発明では、被印刷体Wは、平板状であってもよい。被印刷体Wは、インクジェットプリンタ1に印刷される前に、芯部の外側に複数の表皮パネルが張り付けられて、組み立てられた状態となっている。即ち、本発明のインクジェットプリンタ1により印刷される被印刷体Wは、前述したサッカーボールなどの完成品となっている。被印刷体Wは、インクジェットプリンタ1に印刷される前に、外表面WSに既存の模様PE(文字、絵柄、図形等などを総称していい、
図6中に租な平行斜線で示す)が印刷されている。被印刷体Wは、外表面WSのうちの既存の模様PEが印刷されていない箇所に、インクジェットプリンタ1により既存の模様PEと異なる印刷対象の新規の模様PN(
図6に密な平行斜線で示す)が印刷される。
【0030】
インクジェットプリンタ1は、既存の模様PEが印刷された球状の被印刷体Wの外表面WSに、印刷対象の新規の模様PNを新たに印刷するものである。インクジェットプリンタ1は、
図2〜
図4に示すように、被印刷体Wを保持する保持ユニット10と、静止画などを拡大して投影する投影手段40と、保持ユニット10上に設けられかつ被印刷体Wの外表面WSを印刷する印刷ユニット50と、制御装置104(
図1に示す)などを備えている。
【0031】
保持ユニット10は、インクジェットプリンタ1の装置本体2上に設けられかつ被印刷体Wを保持する保持部11と、保持部11を投影位置(
図1中に実線で示す)と印刷位置(
図1中に二点鎖線で示す)とに亘って搬送する搬送手段12と、を備えている。
【0032】
保持部11は、内径が被印刷体Wの外径よりも小さなリング状に形成され、搬送手段12上に設置されている。保持部11は、上側に被印刷体Wが載置されることで、被印刷体Wを保持する。
【0033】
搬送手段12は、印刷ユニット50の副走査方向(
図1に示す)と平行に保持部11を移動させることで、保持部11を投影位置と印刷位置とに亘って移動させるものである。投影位置とは、保持部11が投影手段40の下方に位置して、保持部11に保持された被印刷体Wが投影手段40により静止画を投影される位置である。印刷位置とは、保持部11が印刷ユニット50の下方に位置して、保持部11に保持された被印刷体Wが印刷ユニット50により印刷される位置である。搬送手段12は、保持部11を投影位置と印刷位置とに亘って水平方向と平行に移動させる水平移動部13と、保持部11を鉛直方向に移動させる鉛直移動部14と、保持部11に保持された被印刷体Wを回転させる被印刷体回転部15とを備えている。
【0034】
水平移動部13は、装置本体2上に設けられている。水平移動部13は、副走査方向と平行な複数でかつスライダ18を移動自在に設けたガイドレール16と、副走査方向と平行な図示しないリードスクリューを軸心回りに回転させるモータ17と、リードスクリューに螺合したナット及びスライダ18に取り付けられた水平移動テーブル19などを備えている。水平移動部13は、モータ17がリードスクリューを軸心回りに回転することで、水平移動テーブル19即ち保持部11を投影位置と印刷位置とに亘って移動させる。
【0035】
鉛直移動部14は、水平移動部13の水平移動テーブル19上に設けられている。鉛直移動部14は、水平移動テーブル19上に固定された固定テーブル20と、固定テーブル20に取り付けられたモータ21と、モータ21の駆動力がベルト22などを介して伝達されて鉛直方向と平行な軸心回りに回転されるリードスクリュー23と、リードスクリュー23に螺合したナット24に取り付けられた鉛直移動テーブル25などを備えている。鉛直移動テーブル25は、固定テーブル20の上方に設けられている。鉛直移動テーブル25には、被印刷体回転部15及び保持部11が取り付けられている。鉛直移動部14は、モータ21がリードスクリュー23を軸心回りに回転することで、鉛直移動テーブル25即ち保持部11を鉛直方向に移動させる。
【0036】
被印刷体回転部15は、一対の挟持部26と、挟持部26の挟持パッド27を回転させる軸心回転部28とを備えている。一対の挟持部26は、印刷ユニット50の主走査方向に保持部11を挟む位置に配置されている。一対の挟持部26は、鉛直移動テーブル25に取り付けられている。一対の挟持部26は、保持部11が保持した被印刷体Wにロッド29が近づいたり離れたりするシリンダユニット30と、シリンダユニット30のロッド29の先端に取り付けられかつロッド29が伸張すると被印刷体Wを挟む挟持パッド27とを備えている。挟持パッド27は、ロッド29に軸心回りに回転自在に支持されている。軸心回転部28は、鉛直移動テーブル25に固定されたモータ34などを備えている。モータ34の出力軸には、プーリ33などが取り付けられている。プーリ33には、一方の挟持部26の挟持パッド27と同軸に設けられたプーリ31との間にベルト32が架け渡されている。
【0037】
被印刷体回転部15は、シリンダユニット30のロッド29が伸張して挟持パッド27間に被印刷体Wを挟持して、モータ34が挟持パッド27を回転することで、保持部11に保持された被印刷体Wを主走査方向と平行な軸心回りに回転させる。また、被印刷体回転部15は、被印刷体Wを回転させない場合には、ロッド29が縮小して、挟持パッド27が被印刷体Wから間隔をあける。
【0038】
投影手段40は、光源として赤(R)、緑(G)、青(B)それぞれの波長の光を発光するレーザダイオードを備える周知のプロジェクタなどで構成されている。投影手段40は、印刷ユニット50に支持されて、投影位置の保持部11の上方に配置されている。なお、
図7は、実施形態にかかるインクジェットプリンタの投影手段が被印刷体の外表面に印刷対象の新規の模様を投影した状態を示す平面図である。
【0039】
投影手段40は、
図5に示すように、例えば、インクジェットプリンタ1の正面視及び側面視において、被印刷体Wの中心Cを通る直線L上に、照射領域Rが配設されている。投影手段40は、静止画として、保持部11に保持された被印刷体Wの外表面WSに既存の模様PEの少なくとも一部(
図7に二点鎖線で示す)と、印刷対象の新規の模様PN(
図7に二点鎖線で示す)とを合わせて拡大投影する。また、投影手段40は、被印刷体Wの外表面WSに印刷されている既存の模様PEと同じ程度の大きさとなるように、既存の模様PEの少なくとも一部と印刷対象の新規の模様PNとを合わせて外表面WSに拡大投影する。
【0040】
本実施形態では、投影手段40は、既存の模様PEの少なくとも一部として、既存の模様PEのうちの印刷対象の新規の模様PNの周辺の模様PE1を、印刷対象の新規の模様PNとともに被印刷体Wの外表面WSに投影する。なお、本発明でいう、既存の模様PEのうちの印刷対象の新規の模様PNの周辺の模様PE1とは、既存の模様PEのうちの印刷対象の新規の模様PNを中心とする全周において、新規の模様PNに最も近い既存の模様PEで構成されたものを示している。また、投影手段40は、保持部11に保持された被印刷体Wの外表面WSに既存の模様PEのうちの印刷対象の新規の模様PNを中心した半球上の既存の模様PEの全てを投影してもよい。
【0041】
印刷ユニット50は、装置本体2上に粗位置調整手段51により鉛直方向に移動自在に支持されている。粗位置調整手段51は、
図2〜
図4に示すように、装置本体2上に鉛直方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられた回転ハンドル52と、回転ハンドル52に取り付けられたプーリ53との間に無端ベルト54が架け渡された回転自在な一対のプーリ55と、プーリ55に取り付けられたナット57に螺合して印刷ユニット50に取り付けられた一対のリードスクリュー56とを備えている。一対のプーリ55及びリードスクリュー56は、主走査方向に印刷位置の保持部11を挟む位置に配置されている。粗位置調整手段51は、回転ハンドル52が軸心回りに回転されることで、プーリ55など介してリードスクリュー56を軸心回りに回転して、印刷ユニット50を鉛直方向に移動させる。
【0042】
印刷ユニット50は、
図1に示すように、主走査方向に設けたYバー101と、インクタンク102と、キャリッジ103とを備える。インクタンク102は、印刷位置の保持部11により位置決めされた被印刷体Wの外表面WSに吐出するインクを貯留するものである。ここでは、インクタンク102は、M(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを別々に貯留する。インクタンク102に貯留されるインクは、紫外線が照射されて露光することで硬化度が変化するインクである。
【0043】
キャリッジ103は、印刷位置の保持部11により位置決めされた被印刷体Wの外表面WSに印刷対象の新規の模様PNを印刷するものである。キャリッジ103は、Yバー101に沿って水平方向と平行な主走査方向に往復移動可能になっている。キャリッジ103は、インクを吐出する吐出部109と紫外線を照射する紫外線照射器108を主走査方向に移動させながら被印刷体Wの外表面WSを印刷するものである。キャリッジ103は、被印刷体Wの印刷搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に移動制御される。また、キャリッジ103は、ホルダー107と、ホルダー107の主走査方向の両側に設けた露光部としての一対の紫外線照射器108とを有している。
【0044】
キャリッジ103が有するホルダー107には、吐出部109が配置されている。吐出部109は、複数の吐出ノズル(図示せず)を備え、複数の吐出ノズルがインクタンク102に貯留されたM(マゼンタ)、C(シアン)、Y(イエロー)、K(ブラック)のいずれかの色のインクを吐出することができるように設けられている。吐出部109は、印刷する内容に応じた色のインクを吐出ノズルから吐出する。なお、吐出部109から吐出する色の組み合わせは、これ以外のものでもよい。吐出部109の吐出ノズルは、例えば、被印刷体Wに対向してインクを吐出するプリンタヘッド、インクタンク102とプリンタヘッドとを接続する各種インク流路、インク流路上に設けられるレギュレータ及びポンプ等を含んで構成される。
【0045】
ここでは、プリンタヘッドは、少なくともインクを吐出するヘッド部を含んで構成され、インク流路を介してインクタンク102に接続されている。吐出部109の吐出ノズルは、ピエゾ素子によりポンプが駆動することで、プリンタヘッドの各ヘッド部からインクタンク102のインクを所定の吐出量で被印刷体Wに向けてインクジェット方式で吐出することができる。
【0046】
各紫外線照射器108は、被印刷体Wに吐出されたインクに対して露光可能なものである。各紫外線照射器108は、例えば、紫外線を照射可能なLEDモジュール等により構成される。
【0047】
制御装置104は、搬送手段12、投影手段40、吐出部109、各紫外線照射器108等を含むインクジェットプリンタ1の各部を制御するものである。制御装置104は、機能概念的に、吐出制御部104a、露光制御部104b、パターン変換部104c、投影制御部104d、駆動制御部104e等を含んで構成されている。また、制御装置104は、演算装置、メモリ等のハードウェア及びこれらの所定の機能を実現させるプログラムから構成されている。
【0048】
制御装置104が有する吐出制御部104aは、吐出部109の各吐出ノズルのポンプのピエゾ素子等を制御し、吐出ノズルから吐出するインクの吐出量、吐出タイミング、吐出期間等を制御するものである。露光制御部104bは、各紫外線照射器108等を制御し、当該各紫外線照射器108から照射する紫外線の強度、露光タイミング、露光期間等を制御するものである。パターン変換部104cは、制御装置104に有線/無線で接続されるPC、種々の端末等の入力装置200から入力される入力情報に応じて、吐出制御量や露光制御量を設定するものである。
【0049】
パターン変換部104cには、入力情報として、例えば、入力装置200等を介して入力された画像情報であって、被印刷体Wの外表面WSに印刷したい印刷対象の新規の模様PN(文字、絵柄、図形等)等の画像情報等が入力される。パターン変換部104cは、この入力情報に基づいて、被印刷体Wの外表面WSに印刷したい印刷対象の新規の模様PNとなる印刷パターンを生成し、当該生成した印刷パターンを実現可能な吐出制御量、露光制御量に変換する。そして、吐出制御部104aは、パターン変換部104cが算出した吐出制御量に基づいて吐出部109の吐出ノズルによる吐出を制御し、露光制御部104bは、パターン変換部104cが算出した露光制御量に基づいて各紫外線照射器108による露光を制御する。
【0050】
投影制御部104dは、制御装置104に有線/無線で接続されるPC、種々の端末等の入力装置200から入力される入力情報に応じて、投影手段40が投影する静止画を設定するものである。投影制御部104dには、入力情報として、例えば、入力装置200等を介して入力された画像情報であって、被印刷体Wの外表面WSに投影したい既存の模様PEの少なくとも一部と、印刷対象の新規の模様PN等の画像情報等が入力される。投影制御部104dは、この入力情報に基づいて、被印刷体Wの外表面WSに投影したい既存の模様PEの少なくとも一部及び印刷対象の新規の模様PNとなる投影パターンを生成し、当該生成した投影パターンに基づいて投影手段40による投影を制御する。
【0051】
駆動制御部104eは、予め記憶したプログラムに基づいて、搬送手段12のモータ17,21,34、シリンダユニット30の駆動パターンを生成し、当該生成した駆動パターンに基づいて、搬送手段12のモータ17,21,34、シリンダユニット30を制御する。
【0052】
また、制御装置104は、複数のボタンスイッチなどで構成される操作装置300から入力される操作命令に応じて、投影手段40、搬送手段12、印刷ユニット50などの動作を制御する。また、操作装置300は、投影手段40が投影し印刷ユニット50が印刷する新規の模様PNの位置、大きさや模様自体を適宜変更するために用いられる。
【0053】
これらのように構成されるインクジェットプリンタ1は、制御装置104による制御に応じて、印刷位置の保持部11に位置決めされた被印刷体Wに対してキャリッジ103が主走査方向に往復移動しつつ、被印刷体Wの外表面WSに対して吐出部109によって所定の印刷幅でインクを吐出する。そして、インクジェットプリンタ1は、制御装置104による制御に応じて、各紫外線照射器108が所定のタイミングで、紫外線を照射し露光することで被印刷体Wに着弾したインクを硬化させる。こうして、キャリッジ103が、被印刷体Wの外表面WSに印刷対象の新規の模様PNを印刷する。
【0054】
インクジェットプリンタ1は、吐出部109からインクを吐出する際には、吐出ノズルから吐出されたインクが付着する被印刷体Wの外表面WSと吐出ノズルとの距離を、印刷ユニット50に設けられた図示しないセンサにより検出する。インクジェットプリンタ1は、前述した距離が適切な距離となるように、鉛直移動部14のモータ21を制御する。
【0055】
また、インクジェットプリンタ1は、前述した距離に応じて、各吐出ノズルのピエゾ素子の駆動電圧を変更するなどして、吐出するインクの液の大きさ、吐出速度を変更することができる。また、吐出するインクの液を大きくする際には、吐出するインクの一滴の液を大きくすることにくわえ、先に吐出されたインクの液の速度がすぐ後から吐出されるインクの液の速度よりも遅くなるために、インクの吐出間隔を狭くするなどして、吐出された複数のインクの液を空中で合体させてもよい。
【0056】
インクジェットプリンタ1は、上記所定の印刷幅に応じてキャリッジ103に対して被印刷体Wを印刷位置で搬送手段12により印刷搬送方向(副走査方向)に相対移動させるとともに、保持部11に保持された被印刷体Wを主走査方向と平行な軸心回りに回転させ、鉛直移動部14のモータ21に保持部11に保持された被印刷体Wを鉛直方向に適宜移動させながら、これを繰り返し、印刷対象の新規の模様PNを被印刷体Wの外表面WSに印刷していく。この間、制御装置104は、吐出制御部104aが吐出部109の各吐出ノズルから吐出するインクの吐出量、吐出タイミング、吐出期間等を制御し、露光制御部104bが各紫外線照射器108から照射する紫外線の強度等を制御する。これにより、インクジェットプリンタ1は、パターン変換部104cが生成した印刷パターンに応じて、被印刷体Wの外表面WSに新規の模様PNを印刷することができる。
【0057】
次に、前述したインクジェットプリンタ1を用いた印刷方法を説明する。印刷方法は、既存の模様PEが印刷された球状の被印刷体Wの外表面WSに、既存の模様PEとは異なる印刷対象の新規の模様PNを新たに印刷する方法である。印刷方法では、まず、オペレータが、投影手段40が投影する既存の模様PEの少なくとも一部と印刷対象の新規の模様PNの画像情報などで構成される加工内容情報を入力装置200から登録し、操作装置300から加工動作の開始命令が入力されると印刷を開始する。操作装置300から加工動作の開始命令が入力されると、制御装置104は、保持部11を投影位置に位置決めし、投影手段40から既存の模様PEの少なくとも一部と、印刷対象の新規の模様PNとを合わせて、保持部11に投影する。そして、オペレータが、被印刷体Wを保持部11に載置する。すると、
図7に示すように、既存の模様PEが印刷された被印刷体Wの外表面WSに既存の模様PEの少なくとも一部(
図7中に二点鎖線で示す)と、新規の模様PN(
図7中に二点鎖線で示す)とが投影される。
【0058】
そして、オペレータが、投影された既存の模様PEと、被印刷体Wの外表面WSに既に印刷されている既存の模様PEとに基づいて、被印刷体Wを保持部11に位置決めする。この際、オペレータは、投影された既存の模様PEが被印刷体Wの外表面WSに既に印刷されている既存の模様PEに重なるように、保持部11に対する被印刷体Wの位置を調整する。そして、オペレータが、投影された既存の模様PEが被印刷体Wの外表面WSに既に印刷されている既存の模様PEに重なる位置に被印刷体Wを位置決めする。
【0059】
その後、オペレータが、回転ハンドル52を回転して保持部11に保持された被印刷体Wが印刷位置に移動できるような高さに印刷ユニット50の高さを調整する。そして、操作装置300から印刷開始命令を入力する。なお、印刷ユニット50の高さを調整する際には、印刷ユニット50と保持部11に保持された被印刷体Wの外表面WSとの距離が極力小さくなるように、調整するのが望ましい。
【0060】
すると、制御装置104は、被印刷体Wを保持した保持部11を搬送手段12に印刷位置に移動させる。制御装置104は、キャリッジ103を主走査方向に移動させ、搬送手段12に被印刷体Wを副走査方向に移動させるとともに、被印刷体回転部15に主走査方向と平行な軸心回りに被印刷体Wを適宜回転させ、鉛直移動部14に保持部11を鉛直方向に適宜移動させながら、被印刷体Wの外表面WSにインクジェットプリンタ1のキャリッジ103により印刷対象の新規の模様PNを印刷する。制御装置104は、印刷対象の新規の模様PNの印刷が完了すると、キャリッジ103の主走査方向の移動を停止させた後に、被印刷体Wを保持した保持部11を投影位置に移動させる。そして、オペレータが、印刷対象の新規の模様PNが印刷された被印刷体Wを保持部11から取り外して、印刷方法を終了する。
【0061】
以上の実施形態に係るインクジェットプリンタ1及び印刷方法は、既存の模様PEの少なくとも一部と印刷対象の新規の模様PNとを投影する投影手段40をインクジェットプリンタ1が備えている。したがって、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、キャリッジ103による印刷の前に、投影手段40が投影した既存の模様PEの少なくとも一部と、被印刷体Wの外表面WSに印刷されている既存の模様PEに基づいて、被印刷体Wを所定の位置に容易に位置決めすることができる。
【0062】
また、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、投影手段40が既存の模様PEの少なくとも一部と印刷対象の新規の模様PNとを被印刷体Wの外表面WSに投影する。このために、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、被印刷体Wを位置決めする際等に、被印刷体Wに既に印刷されている既存の模様PE、被印刷体Wの外表面WSの凹凸形状などとともに、印刷対象の新規の模様PNの位置、印刷する領域だけでなく、印刷後の被印刷体Wの外表面WSの模様(色やデザインなど)を容易に把握することができる。
【0063】
また、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、投影手段40が、既存の模様PEの少なくとも一部としての印刷対象の新規の模様PNの周辺の模様PE1を投影するので、投影された模様PE,PNなどに基づいて、被印刷体Wを容易に位置決めすることができる。
【0064】
また、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、投影手段40を被印刷体Wの中心Cを通る直線L上に照射領域Rが配設しているので、投影手段40が投影した模様PE,PNが被印刷体Wの外表面WS上でゆがむことを抑制することができる。
【0065】
また、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、保持部11を投影位置と印刷位置とに亘って搬送する搬送手段12を備えている。このために、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、投影位置において保持部11に対して被印刷体Wを位置決めした後に、印刷位置で被印刷体Wの外表面WSに印刷対象の新規の模様PNを印刷することができる。
【0066】
また、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、キャリッジ103が水平方向と平行な主走査方向に移動しながら被印刷体Wの外表面WSに印刷対象の新規の模様PNを印刷する。このために、インクジェットプリンタ1及び印刷方法は、印刷時のキャリッジ103の移動が複雑化したり、インクを吐出させるピエゾ素子などの駆動電圧をキャリッジ103の位置に応じて変更しなければならないことを抑制できる。
【0067】
〔変形例1〕
次に、前述した実施形態の変形例1にかかるインクジェットプリンタ1−1及び印刷方法を説明する。
図8は、実施形態の変形例1にかかるインクジェットプリンタの投影手段と被印刷体との位置関係を示す正面図である。
図9は、実施形態の変形例1にかかるインクジェットプリンタの投影手段が被印刷体の外表面に印刷対象の新規の模様を投影した状態を示す平面図である。なお、
図8及び
図9において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
変形例1にかかるインクジェットプリンタ1−1では、投影手段40は、保持部11に保持された被印刷体Wの外表面WSに印刷対象の新規の模様PN(
図9に二点鎖線で示す)のみを投影する。また、変形例1にかかるインクジェットプリンタ1−1では、操作装置300は、投影手段40が投影し印刷ユニット50が印刷する新規の模様PNの位置、大きさや模様自体を適宜変更するために用いられる。
【0069】
変形例1にかかるインクジェットプリンタ1を用いた印刷方法では、まず、オペレータが、印刷対象の新規の模様PNの画像情報などで構成される加工内容情報を入力装置200から登録し、操作装置300から加工動作の開始命令が入力されると印刷を開始する。操作装置300から加工動作の開始命令が入力されると、制御装置104は、保持部11を投影位置に位置決めし、投影手段40から印刷対象の新規の模様PNを保持部11に投影する。そして、オペレータが、被印刷体Wを保持部11に載置する。すると、
図9に示すように、既存の模様PEが印刷された被印刷体Wの外表面WSに印刷対象の新規の模様PN(
図9中に二点鎖線で示す)が投影される。
【0070】
そして、オペレータが、投影された印刷対象の新規の模様PNと、被印刷体Wの外表面WSに既に印刷されている既存の模様PEとに基づいて、被印刷体Wを保持部11に位置決めする。この際、オペレータは、操作装置300を操作して、投影手段40が投影し印刷ユニット50が印刷する新規の模様PNの特に外縁部のゆがみを抑制するように、印刷対象の新規の模様PNの位置、大きさを調整する。こうして、変形例1では、キャリッジ103により被印刷体Wの外表面WS上の印刷される印刷領域を、外表面WSに投影された印刷対象の新規の模様PNに基づいて変更する。特に、変形例1では、照射領域Rを
図8中に一点鎖線で示す位置よりも中心寄りの例えば二点鎖線で示す範囲とするのが望ましい。
【0071】
その後、オペレータが、回転ハンドル52を操作して印刷ユニット50の高さを調整してから操作装置300から印刷開始命令を入力する。すると、制御装置104は、被印刷体Wを保持した保持部11を搬送手段12に印刷位置に移動させる。制御装置104は、キャリッジ103を主走査方向に移動させ、搬送手段12に被印刷体Wを副走査方向に移動させるとともに、被印刷体回転部15に主走査方向と平行な軸心回りに被印刷体Wを適宜回転させ、鉛直移動部14に保持部11を鉛直方向に適宜移動させながら、被印刷体Wの外表面WSにインクジェットプリンタ1のキャリッジ103により印刷対象の新規の模様PNを印刷する。
【0072】
制御装置104は、印刷対象の新規の模様PNの印刷が完了すると、キャリッジ103の主走査方向の移動を停止させた後、被印刷体Wを保持した保持部11を投影位置に移動させる。そして、オペレータが、印刷対象の新規の模様PNが印刷された被印刷体Wを保持部11から取り外して、印刷方法を終了する。
【0073】
変形例1にかかるインクジェットプリンタ1及び印刷方法によれば、印刷対象の新規の模様PNを被印刷体Wの外表面WSに投影するので、キャリッジ103による印刷の前に、投影された印刷対象の新規の模様PNと、被印刷体Wの外表面WSに印刷されている既存の模様PEに基づいて、被印刷体Wを所定の位置に容易に位置決めすることができる。
【0074】
また、変形例1にかかるインクジェットプリンタ1及び印刷方法は、印刷対象の新規の模様PNを被印刷体Wの外表面WSに投影するので、被印刷体Wを位置決めする際等に、被印刷体Wに既に印刷されている既存の模様PE、被印刷体Wの外表面WSの凹凸形状などとともに、印刷対象の新規の模様PNの位置、印刷する領域だけでなく、印刷後の被印刷体Wの外表面WSの模様(色やデザインなど)を容易に把握することができる。
【0075】
また、変形例1にかかるインクジェットプリンタ1及び印刷方法は、印刷領域を被印刷体Wの外表面WSに投影された印刷対象の新規の模様PNに基づいて変更するので、投影された印刷対象の新規の模様PNがゆがまない位置に印刷領域を設定することで、印刷対象の新規の模様PNを正確に被印刷体Wの外表面WSに印刷することができる。
【0076】
〔変形例2〕
次に、前述した実施形態の変形例2にかかるインクジェットプリンタ1−2及び印刷方法を説明する。
図10は、実施形態の変形例2にかかるインクジェットプリンタの投影手段と被印刷体との位置関係を示す正面図である。なお、
図10において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
変形例2にかかるインクジェットプリンタ1−2では、入力装置200としてCCDカメラなどで構成された撮像装置200−1を用いる。撮像装置200−1は、例えば、
図10に示すように、投影手段40の隣などに設けられ、印刷位置の保持部11に保持された被印刷体Wの外表面WSに印刷された既存の模様PEを撮像し、撮像して得た既存の模様PEの画像情報を入力情報として制御装置104に入力する。変形例2にかかるインクジェットプリンタ1−2では、撮像装置200−1により被印刷体Wの外表面WSを撮像する際には、投影手段40から印刷対象の新規の模様PNを被印刷体Wの外表面WSに投影して、新規の模様PNなどに基づいて所定の位置に位置決めされた被印刷体Wの外表面WSを撮像するのが望ましい。また、変形例2にかかるインクジェットプリンタ1−2では、制御装置104の投影制御部104dは、投影手段40と撮像装置200−1との位置関係、撮像装置200−1と保持部11との位置関係などから画像情報を補正するのが望ましい。
【0078】
変形例2にかかるインクジェットプリンタ1−2及び印刷方法によれば、実施形態などと同様に、被印刷体Wを所定の位置に容易に位置決めすることができ、印刷後の被印刷体Wの外表面WSの模様(色やデザインなど)を容易に把握することができることにくわえ、被印刷体Wの外表面WSに印刷されている既存の模様PEの情報を容易に制御装置104に入力することができる。
【0079】
前述したように、本発明の実施形態、変形例1及び変形例2を説明したが、本発明は、これらに限定されない。本発明では、実施形態、変形例1及び変形例2をその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせの変更等を行うことができる。