(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記減速区間候補は、前記所定の地点間を複数に分割した各区間において、前記予め設定された運転曲線に対して増加した減速量による消費エネルギーの減少量が増加した加速量による消費エネルギーの増加量より大きい区間であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる情報処理装置および運転曲線作成方法を適用した運転曲線生成装置について説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる運転曲線生成装置を有する運転曲線生成システムの構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる運転曲線生成システムは、
図1に示すように、第1データベース10と、最速運転曲線生成装置11と、運転曲線生成装置12と、第2データベース13と、表示装置14と、を有している。
【0009】
第1データベース10(記憶部の一例)は、駅間(例えば、地点間)の列車の走行に許容される所定の最長の走行時間である最大全走行時間(所定の最長許容走行時間の一例)、駅間毎の線形データ(例えば、勾配、カーブなど)、および駅間を走行する列車を編成する車両に関する車両データを含む列車データ(例えば、走行する際の抵抗、加減速特性など)を記憶する。
【0010】
最速運転曲線生成装置11は、第1データベース10に記憶された線形データおよび列車データに基づいて、列車が駅間を最も速く、言い換えると、駅間を最も短い時間で走行可能な運転曲線(以下、最速運転曲線と言う)を生成する。
【0011】
第2データベース13は、後述する運転曲線生成装置12により生成された運転曲線(以下、省エネ運転曲線と言う)を記憶する。表示装置14は、後述する運転曲線生成装置12により生成された省エネ運転曲線を表示可能である。
【0012】
運転曲線生成装置12(情報処理装置の一例)は、第1データベース10に記憶された最大全走行時間と、線形データおよび列車データと、予め設定された運転曲線の一例である所定の運転曲線(例えば、最速運転曲線)とを用いて、駅間を走行する列車の消費エネルギーの省エネルギー化を図った省エネ運転曲線を生成する。本実施形態では、運転曲線生成装置12は、
図1に示すように、減速省エネ範囲検出部120と、繰返実行部121と、運転曲線更新部122と、を有している。本実施形態では、運転曲線生成装置12の外部に第1データベース10(記憶部の一例)および最速運転曲線生成装置11が設けられているが、運転曲線生成装置12が、第1データベース10および最速運転曲線生成装置11を有していても良い。
【0013】
次に、
図1〜3を用いて、本実施形態にかかる運転曲線生成装置12による省エネ運転曲線の生成処理の概略の流れについて説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる運転曲線生成装置による省エネ運転曲線の生成処理の流れの概略を示すフローチャートである。
図3は、第1の実施形態にかかる最速運転曲線生成装置により生成される最速運転曲線の一例を示す図である。具体的には、
図3において縦軸は列車の速度を表し、
図3において横軸は駅間における列車の走行距離を表している。そして、
図3に示す最速運転曲線は、駅間を走行する列車の走行距離と速度との関係を表している。
【0014】
繰返実行部121は、省エネ運転曲線の生成が指示されると、第1データベース10から、最大全走行時間、線形データおよび列車データを取得する。さらに、繰返実行部121は、駅間を走行する列車の所定の運転曲線を取得する。本実施形態では、繰返実行部121は、省エネ運転曲線の生成が指示されてから最初に省エネ運転曲線を生成する場合、最速運転曲線生成装置11により生成された最速運転曲線(
図3参照)を所定の運転曲線として取得する。ここで、最速運転曲線は、
図3に示すように、予め設定された制限速度以下の速度で、列車が駅間を最も速く走行可能な運転曲線である。
【0015】
そして、繰返実行部121は、取得した線形データ、列車データおよび最速運転曲線を、減速省エネ範囲検出部120に入力する。これにより、繰返実行部121は、減速省エネ範囲検出部120および運転曲線更新部122に対して、省エネ運転曲線の生成を指示する。
【0016】
減速省エネ範囲検出部120は、省エネ運転曲線の生成が指示されると、入力された線形データおよび列車データに基づいて、複数の減速区間候補である複数の減速対象範囲(本実施形態では、駅間を分割した複数の区間のうち一または連続する複数の区間)それぞれについて、最速運転曲線を基準として列車を所定速度だけ減速させた場合の消費エネルギー(すなわち、所定の運転曲線の一例である最速運転曲線、線形データ、および列車データを用い、所定速度だけ減速させたときの消費エネルギー)の変化率である省エネ感度(第1変化率の一例)を求める。そして、減速省エネ範囲検出部120は、複数の減速対象範囲のうち当該求めた省エネ感度が最も高い減速対象範囲を、減速省エネ範囲(減速区間の一例)として検出(選択)する(ステップS201)。本実施形態では、運転曲線生成装置12が備える減速省エネ範囲検出部120において求めた各減速対象範囲の省エネ感度に従って、減速省エネ範囲を選択しているが、これに限定するものではなく、例えば、外部機器において求めた各減速対象範囲の省エネ感度に従って、減速省エネ範囲を選択しても良い。また、本実施形態では、駅間を分割した複数の区間のうち一または連続する複数の区間を減速対象範囲としているが、これに限定するものではなく、例えば、ユーザが図示しない操作部を介して設定した駅間の複数の区間それぞれを減速対象範囲としても良いし、外部機器により設定された駅間の複数の区間それぞれを減速対象範囲としても良い。
【0017】
運転曲線更新部122は、減速省エネ範囲検出部120により検出された減速省エネ範囲において、最速運転曲線を基準として、列車を所定速度だけ減速させた運転曲線である省エネ運転曲線を生成する(ステップS202)。言い換えると、運転曲線更新部122は、選択した減速区間および所定速度を利用して所定の運転曲線を更新する。そして、運転曲線更新部122は、生成した省エネ運転曲線によって、第2データベース13に記憶された省エネ運転曲線を更新するとともに、生成した省エネ運転曲線を表示装置14に表示させる。なお、省エネ運転曲線を生成する際、所定速度分を減速させると余裕時間を超過してしまう場合のように所定速度をそのまま省エネ運転曲線の生成に使えないときは、この所定速度をそのまま用いるのではなく、例えば、所定速度の1/2のように補正した値を用いても良い。
【0018】
繰返実行部121は、運転曲線更新部122により省エネ運転曲線が生成される度に、当該生成された省エネ運転曲線に従った、駅間の列車の走行時間(以下、全走行時間と言う)を算出する。そして、繰返実行部121は、算出した全走行時間が最大全走行時間以下である場合、当該算出した全走行時間が最大全走行時間に達するまで、最後に生成した省エネ運転曲線を所定の運転曲線として用いて、減速省エネ範囲検出部120および運転曲線更新部122による省エネ運転曲線の生成(更新)処理を繰り返し行わせる。本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120、繰返実行部121および運転曲線更新部122が、省エネ運転曲線の生成処理を実行する生成部の一例として機能する。
【0019】
これにより、最速運転曲線を基準として、駅間の列車の全走行時間が最大全走行時間に達するまで、省エネ運転曲線の生成が繰り返されるので、最も省エネルギー化を図った省エネ運転曲線を得ることができる。
【0020】
次に、
図4および
図5を用いて、本実施形態にかかる運転曲線生成装置12による減速省エネ範囲の検出処理(
図2のステップS201)について説明する。
図4は、第1の実施形態にかかる運転曲線生成装置による減速省エネ範囲の検出処理の流れを示すフローチャートである。
図5は、第1の実施形態にかかる運転曲線生成装置による省エネ運転曲線の生成処理を説明するための図である。具体的には、
図5(a)および
図5(b)において縦軸は列車の速度を表し、
図5(a)および
図5(b)において横軸は駅間における列車の走行距離をそれぞれ表している。そして、
図5(a)および
図5(b)に示す最速運転曲線は、駅間を走行する列車の走行距離と速度との関係を表している。
【0021】
減速省エネ範囲検出部120は、
図5(a)に示すように、駅間を、所定距離(例えば、10mなど)毎の複数の区間(例えば、区間1〜10)に分割する(ステップS401)。または、減速省エネ範囲検出部120は、
図5(b)に示すように、所定の運転曲線で列車が走行した場合における所定時間(以下、所定走行時間と言う、例えば、1秒など)毎の走行区間である複数の区間(例えば、区間1〜13)に駅間を分割する(ステップS401)。
【0022】
次いで、減速省エネ範囲検出部120は、駅間を分割した複数の区間のうち一または連続する複数の区間を、省エネ感度を求める減速対象範囲とする(ステップS402)。すなわち、減速省エネ範囲検出部120は、第1データベース10に駅間毎に記憶された線形データ(地点間情報の一例)に基づいて、複数の減速対象範囲を設定する。そして、減速省エネ範囲検出部120は、減速対象範囲における列車の速度を所定の運転曲線を基準として所定速度(例えば、0.1km/hなど)だけ減速した場合の省エネ感度を求める(ステップS403)。
【0023】
具体的には、減速省エネ範囲検出部120は、下記の式(1)に従って、省エネ感度を算出する。
省エネ感度=エネルギー変化量(J)/走行時間変化量(秒)・・・(1)
ここで、エネルギー変化量は、減速対象範囲を所定の運転曲線に従って走行した場合の消費エネルギーと、減速対象範囲を所定の運転曲線を基準として所定速度だけ減速して走行した場合の消費エネルギーとの差分である。また、走行時間変化量は、減速対象範囲を所定の運転曲線に従って走行した場合の走行時間と、減速対象範囲を所定の運転曲線を基準として所定速度だけ減速して走行した場合の走行時間との差分である。
【0024】
本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120は、減速対象範囲における列車の速度を所定の運転曲線を基準として一つの所定速度(例えば、0.1km/h)だけ減速した場合の省エネ感度を求めているが、複数の所定速度(例えば、0.1km/h、0.2km/h、0.5km/hなど)それぞれについて、減速対象範囲における列車の速度を所定の運転曲線を基準として所定速度だけ減速した場合の省エネ感度を求め、複数の所定速度それぞれについて求めた省エネ感度のうち、最も高い省エネ感度を、減速対象範囲の省エネ感度としても良い。
【0025】
減速省エネ範囲検出部120は、複数の減速対象範囲の全てについて、省エネ感度の算出を繰り返す。そして、減速省エネ範囲検出部120は、複数の減速対象範囲のうち、算出した省エネ感度が最も高い減速対象範囲を、減速省エネ範囲に決定する。例えば、減速省エネ範囲検出部120は、
図5(a)に示す例においては、駅間を所定距離毎に分割した複数の区間1〜10のうち、連続する2つの区間8,9を含む減速対象範囲を、減速省エネ範囲に決定する。また、減速省エネ範囲検出部120は、
図5(b)に示す例では、最速運転曲線で列車が走行した場合における所定走行時間毎の走行区間である複数の区間1〜13のうち、連続する2つの区間10,11を含む減速対象範囲を、減速省エネ範囲に決定する。
【0026】
このように、第1の実施形態にかかる運転曲線生成装置12によれば、駅間において省エネ感度が高い区間において列車を減速させて消費エネルギーを削減できるので、十分な省エネルギー化を図ることができる。
【0027】
(第2の実施形態)
本実施形態は、複数の減速対象範囲のうち所定の減速対象範囲についてのみ、省エネ感度を求める例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様箇所については説明を省略する。
【0028】
本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120は、複数の減速対象範囲のうち所定の減速対象範囲(所定の減速区間候補の一例)についてのみ、省エネ感度を求める。これにより、複数の減速対象範囲のうち所定の減速対象範囲以外の減速対象範囲については省エネ感度を求めなくて良いので、省エネ感度を求める処理による運転曲線生成装置12の処理負荷を軽減することができる。
【0029】
また、本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120は、所定の運転曲線(例えば、最速運転曲線)を基準として、減速対象範囲の始端(例えば、
図7の符号701で示す、最速運転曲線における区間6の始端)から次第に列車の速度を減速させる第1処理および減速対象範囲の終端(例えば、
図7の符号702で示す、最速運転曲線における区間7,8の終端)に向かって次第に列車の速度を回復させる第2処理を実行した場合の省エネ感度を求める。これにより、実際の列車の減速および速度の回復に即した減速対象範囲における省エネ感度を求めることができる。
【0030】
次に、
図6〜8を用いて、本実施形態にかかる運転曲線生成装置12による省エネ運転曲線の生成処理について説明する。
図6は、第2の実施形態にかかる運転曲線生成装置による減速省エネ範囲の検出処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、第2の実施形態にかかる運転曲線生成装置による省エネ運転曲線の生成処理を説明するための図である。
図8は、第2の実施形態にかかる運転曲線生成装置により生成された省エネ運転曲線の一例を示す図である。具体的には、
図7および
図8において縦軸は列車の速度を表し、
図7および
図8において横軸は駅間を走行する列車の走行距離を表している。そして、
図7および
図8に示す最速運転曲線は、駅間を走行する列車の走行距離と速度との関係を表している。
【0031】
本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120は、複数の減速対象範囲のうち、第2処理によって列車の消費エネルギーが増加しない減速対象範囲、および第1処理による列車の消費エネルギーの減少量と、第2処理による列車の消費エネルギーの増加量とが等しい減速対象範囲を、省エネ感度を求める所定の減速対象範囲とする(ステップS601)。
【0032】
ここで、所定の減速対象範囲は、所定の運転曲線を基準として第2処理によって列車の消費エネルギーが増加しない減速対象範囲、言い換えると、所定の運転曲線を基準とする第2処理による列車の消費エネルギーの増加量ΔE
2が「0」以下の減速対象範囲である。例えば、減速省エネ範囲検出部120は、
図7(a)に示すように、駅間を所定距離毎に分割した区間1〜10のうち区間8,9を含む減速対象範囲(増加量ΔE
2が「0」の減速対象範囲)を所定の減速対象範囲として、区間8,9を含む減速対象範囲の省エネ感度を求める。また、減速省エネ範囲検出部120は、
図7(b)に示すように、駅間を最速運転曲線で列車が走行した場合における所定走行時間毎の走行区間である複数の区間1〜13のうち区間10,11を含む減速対象範囲(増加量ΔE
2が「0」の減速対象範囲)を所定の減速対象範囲として、区間10,11を含む減速対象範囲の省エネ感度を求める。なお、第2処理による列車の消費エネルギーの増加量ΔE
2が「0」以下とは、例えば、下り勾配を利用して加速させることで実現できる。
【0033】
また、所定の減速対象範囲は、所定の運転曲線を基準とする、第2処理による列車の消費エネルギーの増加量ΔE
2が、第1処理による列車の消費エネルギーの減少量ΔE
1以下の減速対象範囲である。例えば、減速省エネ範囲検出部120は、
図7(a)に示すように、区間6,7を含む減速対象範囲(減少量ΔE
1によって増加量ΔE
2が相殺されない減速対象範囲)を、所定の減速対象範囲としない。そして、減速省エネ範囲検出部120は、区間6,7を含む減速対象範囲以外の減速対象範囲を所定の減速対象範囲として、省エネ感度を求める。
【0034】
このように、所定の運転曲線を基準とする第2処理による列車の消費エネルギーの増加量ΔE
2が「0」以下の減速対象範囲、および所定の運転曲線を基準とする、第2処理による列車の消費エネルギーの増加量ΔE
2が、第1処理による列車の消費エネルギーの減少量ΔE
1以下の減速対象範囲を、所定の減速対象範囲とする。言い換えると、各減速対象範囲のうち、所定の運転曲線に対して増加した減速量による消費エネルギーの減少量が増加した加速量による消費エネルギーの増加量より大きい区間を、所定の減速対象範囲とする。これにより、減速対象範囲の終端に向かって列車の速度を回復させる際に、列車の減速により削減された消費エネルギー以上のエネルギーが必要とならない減速対象範囲(言い換えると、省エネ感度が高くなり易い減速対象範囲)を、所定の減速対象範囲とすることができる。
【0035】
そして、減速省エネ範囲検出部120は、所定の減速対象範囲とされた全ての減速対象範囲について、省エネ感度の算出を繰り返す。そして、減速省エネ範囲検出部120は、所定の減速対象範囲とされた減速対象範囲のうち、算出した省エネ感度が最も高い減速対象範囲を、減速省エネ範囲に決定する。その後、運転曲線更新部122が、決定した省エネ範囲(例えば、
図7(a)に示す区間3,4を含む減速対象範囲、
図7(a)に示す区間8,9を含む減速対象範囲)において、最速運転曲線を基準として、列車を所定速度だけ減速させた省エネ運転曲線(
図8参照)を生成する。
【0036】
このように第2の実施形態にかかる運転曲線生成装置12によれば、複数の減速対象範囲のうち所定の減速対象範囲以外の減速対象範囲については省エネ感度を求めなくて良いので、省エネ感度を求める処理による運転曲線生成装置12の処理負荷を軽減することができる。
【0037】
(第3の実施形態)
本実施形態は、所定速度を、所定の運転曲線を基準として列車を減速させた場合に発生する回生エネルギーが外部負荷により消費されるように設定された速度とする例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0038】
図9は、第3の実施形態にかかる運転曲線生成装置による省エネ運転曲線の生成処理を説明するための図である。具体的には、
図9において縦軸は列車の速度を表し、横軸は駅間を走行する列車の走行距離をそれぞれ表している。そして、
図9に示す最速運転曲線は、駅間を走行する列車の走行距離と速度との関係を表している。本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120は、第1の実施形態と同様にして、
図9(a)に示すように、駅間を所定距離毎に分割した複数の区間1〜10のうち連続する複数の区間(例えば、区間8,9など)を減速対象範囲とする。または、減速省エネ範囲検出部120は、
図9(b)に示すように、駅間を所定の運転曲線で列車が走行した場合における所定走行時間毎の走行区間である複数の区間1〜13のうち連続する複数の区間(例えば、区間10,11など)を減速対象範囲とする。
【0039】
そして、減速省エネ範囲検出部120は、減速対象範囲毎に、当該減速対象範囲において所定の運転曲線を基準として列車を減速させた場合に発生する回生エネルギーが外部負荷(例えば、信号機など)により消費されるように所定速度を決定する。そして、減速省エネ範囲検出部120は、減速対象範囲それぞれに決定された所定速度を用いて、減速対象範囲における列車の速度を所定の運転曲線を基準として減速させた場合の省エネ感度を求める。言い換えると、減速省エネ範囲検出部120は、列車の減速により発生する回生エネルギーを考慮して、省エネ感度を求める。なお、外部負荷はゼロであっても構わない。
【0040】
このように、第3の実施形態にかかる運転曲線生成装置12によれば、列車の減速により発生した回生エネルギーを有効に利用させるように所定速度が決定されるので、列車の減速により発生した回生エネルギーの無駄を省くことができる。
【0041】
(第4の実施形態)
本実施形態は、所定の運転曲線を基準として所定速度だけ減速させた場合に、線形データおよび列車データに基づく区間での列車の消費エネルギーの変化率である第2省エネ感度(第2変化率の一例)が所定の省エネ感度(所定の変化率の一例)以下の区間以外の区間を減速対象範囲とする例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0042】
図10は、第4の実施形態にかかる運転曲線生成装置による減速省エネ範囲の検出処理の流れを示すフローチャートである。
図11は、第4の実施形態にかかる運転曲線生成装置により求めた第2省エネ感度の曲線を示す図である。具体的には、
図11において縦軸はそれぞれの区間の第2省エネ感度を表し、横軸は列車の走行距離をそれぞれ表している。そして、
図11に示すグラフは、駅間の各区間の列車の第2省エネ感度と、列車の走行距離との関係を表す曲線(第2省エネ感度の曲線)である。本実施形態では、減速省エネ範囲検出部120は、線形データおよび列車データに基づいて、駅間を分割した複数の区間それぞれについて、各区間における列車の速度を所定の運転曲線を基準として所定速度減速した場合の消費エネルギーの変化率である第2省エネ感度(第2変化率の一例)を求める(ステップS1001)。
【0043】
具体的には、減速省エネ範囲検出部120は、下記の式(2)に従って、複数の区間それぞれについて、第2省エネ感度を算出する。例えば、減速省エネ範囲検出部120は、
図11(a)に示すように、駅間を所定距離毎に分割した複数の区間1〜10それぞれについて、第2省エネ感度を算出する。または、減速省エネ範囲検出部120は、
図11(b)に示すように、駅間を所定の運転曲線で列車が走行した場合における所定走行時間毎の走行区間である複数の区間1〜13それぞれについて、第2省エネ感度を算出する。
第2省エネ感度=第2エネルギー変化量(J)/第2走行時間変化量(秒)・・(2)
ここで、第2エネルギー変化量は、区間を所定の運転曲線に従って走行した場合の消費エネルギーと、区間を所定の運転曲線を基準として所定速度減速して走行した場合の消費エネルギーとの差分である。第2走行時間変化量は、区間を所定の運転曲線に従って走行した場合の走行時間と、区間を所定の運転曲線を基準として所定速度減速して走行した場合の走行時間との差分である。
【0044】
そして、減速省エネ範囲検出部120は、複数の区間の中に、第2省エネ感度が、所定の省エネ感度(所定の変化率の一例)より高い区間が有るか否かを判断する(ステップS1002)。ここで、所定の省エネ感度は、予め設定された省エネ感度であり、本実施形態では、複数の区間それぞれの第2省エネ感度の平均値である。
【0045】
減速省エネ範囲検出部120は、複数の区間の中に、第2省エネ感度が所定の省エネ感度より高い区間が有る場合(ステップS1002:Yes)、第2省エネ感度が所定の省エネ感度より高い区間のうち一または連続する複数の区間を減速対象範囲とする(ステップS1003)。すなわち、減速省エネ範囲検出部120は、第2省エネ感度が所定の省エネ感度以下の区間以外の区間を減速対象範囲とする。
【0046】
このように第4の実施形態にかかる運転曲線生成装置12によれば、省エネ感度が低くなる可能性が高い減速対象範囲については省エネ感度の算出が行われないので、無駄な演算が行われることを防止することができる。
【0047】
(第5の実施形態)
本実施形態は、出発駅(第1地点の一例)から終着駅(第2地点の一例)までの複数の境界(通過地点の一例)に対し、列車の通過順に、列車が境界を通過可能な通過速度と当該境界より前の境界までの通過速度との各組合せについて、当該組合せに基づく列車の運転曲線候補に従った列車の走行時間と、運転曲線候補に従って列車を走行させた場合における、線形データおよび列車データに基づく列車の消費エネルギーとを含む解候補を求める処理を実行し、最後の境界について求めた各解候補のうち、消費エネルギーが最も少ない解候補に対応する組合せに基づく列車の運転曲線候補を、省エネ運転曲線として生成する例である。
言い換えると、本実施形態は、複数の減速対象範囲の各境界における通過速度を、駅間を最速で走行した場合、駅間を許容される最大走行時間で走行させた場合、そして最速および最大走行時間の間であって列車データに基づいた場合の、各条件についてそれぞれ求め、求めた通過速度に基づいて、第1の境界とこの第1の境界の次に通過する第2の境界における通過速度の組み合わせを求めるとともに、第2の境界の通過速度およびこの第2の境界までの走行時間が同一の組み合わせが複数ある場合は、消費エネルギーが最も少ない1つの組み合わせを選択し、求め及び選択した各境界における複数の通過速度の組み合わせを利用し、線形データおよび列車データを用いて求めた駅間の消費エネルギーが最小となる組み合わせを選択し、この選択した組み合わせに基づいて省エネ運転曲線を生成する例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0048】
まず、
図12および
図13を用いて、本実施形態にかかる運転曲線生成装置90による省エネ運転曲線の生成処理の概略の流れについて説明する。
図12は、第5の実施形態にかかる運転曲線生成装置を有する運転曲線生成システムの構成を示すブロック図である。
図13は、第5の実施形態にかかる運転曲線生成装置による省エネ運転曲線の生成処理の流れの概略を示すフローチャートである。
【0049】
本実施形態では、運転曲線生成装置90は、
図12に示すように、運転曲線分割部91と、最低速度算出部92と、解候補算出部93と、解候補選択部94と、最小エネルギー解決定部95と、を有している。運転曲線分割部91は、省エネ運転曲線の生成が指示されると、第1データベース10から最大全走行時間、線形データおよび列車データを取得する。さらに、運転曲線分割部91は、最速運転曲線生成装置11により生成された最速運転曲線を取得する。
【0050】
次いで、運転曲線分割部91は、駅間を複数の区間に分割する(ステップS1301)。本実施形態では、運転曲線分割部91は、第1の実施形態と同様に、駅間を、所定距離毎の複数の区間に分割する。または、運転曲線分割部91は、第1の実施形態と同様に、最速運転曲線で列車が走行した場合における所定走行時間毎の走行区間である複数の区間に駅間を分割しても良い。
【0051】
最低速度算出部92は、最大全走行時間で駅間を列車が走行した場合における、複数の区間の各境界(通過地点の一例)における列車の速度である最低速度を算出する(ステップS1302)。本実施形態では、複数の区間の境界を通過地点としているが、出発駅(第1地点の一例)から終着駅(第2地点の一例)までの通過地点であれば、これに限定するものではなく、例えば、出発駅から終着駅までの予め設定された地点を通過地点としても良い。
【0052】
解候補算出部93および解候補選択部94は、出発駅から終着駅までの複数の境界のうち列車の通過順に以下の処理(ステップS1303,ステップS1304)を行う。解候補算出部93(処理部の一例)は、まず、最速運転曲線に従って列車が走行した場合における1つ目の境界における列車の速度である最高速度を算出する(ステップS1303)。また、解候補算出部93は、1つ目の境界について、出発駅から1つ目の境界までに加速可能な列車の通過速度である区間境界速度を求める(ステップS1303)。本実施形態では、解候補算出部93は、1つ目の境界の最高速度以下かつ最低速度以上の複数の区間境界速度を求める。
【0053】
さらに、解候補算出部93は、求めた区間境界速度毎に、出発駅から1つ目の境界までに列車の速度を区間境界速度まで変化させた場合の出発駅から1つ目の境界までの運転曲線の候補である運転曲線候補を求める。次いで、解候補算出部93は、線形データおよび列車データに基づいて、求めた運転曲線候補に従って出発駅から1つ目の境界まで列車を走行させた場合における列車の消費エネルギー(以下、積算エネルギーと言う)および走行時間を求める(ステップS1303)。そして、解候補算出部93は、1つ目の境界の区間境界速度毎に、当該区間境界速度について求めた積算エネルギーと走行時間とを含む解候補を求める処理を実行する(ステップS1303)。本実施形態では、解候補算出部93は、1つ目の境界の区間境界速度毎に求めた各解候補に、当該各解候補に対応する区間境界速度を含める。
【0054】
そして、解候補選択部94は、1つ目の境界について求められた複数の解候補の全てを、省エネ運転曲線の生成に用いる解候補(以下、前回解候補)とする(ステップS1304)。
【0055】
次いで、解候補算出部93は、出発駅を基準とする次の境界(ここでは、2つ目の境界)について、1つ前の境界(ここでは、1つ目の境界)の各前回解候補の区間境界速度から2つ目の境界までに変化可能な列車の速度であり、2つ目の境界の最高速度以下かつ最低速度以上の複数の区間境界速度を求める(ステップS1303)。
【0056】
さらに、解候補算出部93は、各前回解候補が含む区間境界速度と2つ目の境界の区間境界速度との各組合せについて、当該組合せに基づく出発駅から2つ目の境界までの運転曲線候補を求める。そして、解候補算出部93は、線形データおよび列車データに基づいて、求めた運転曲線候補に従って出発駅から2つ目の境界まで列車を走行させた場合における列車の積算エネルギーおよび走行時間を求める(ステップS1303)。そして、解候補算出部93は、各前回解候補に含まれる区間境界速度と2つ目の境界の区間境界速度との組合せ毎に、積算エネルギーと走行時間とを含む複数の解候補を求める処理を実行する(ステップS1303)。本実施形態では、解候補算出部93は、2つ目の境界について求めた各解候補に、当該各解候補に対応する組合せ(ここでは、前回解候補に含まれる区間境界速度と2つ目の境界の区間境界速度との組合せ)を含める。
【0057】
そして、解候補選択部94(選択部の一例)は、次の境界について解候補を求める処理に先立って、2つ目の境界(すなわち、最後に解候補を求める処理を実行した境界)について求められた複数の解候補を、省エネ運転曲線の生成に用いる前回解候補とする(ステップS1304)。その際、解候補選択部94は、2つ目の境界(最後に当該処理を実行した境界)における区間境界速度が同一の組合せに対応しかつ同一の走行時間を含む解候補が複数求められた場合、当該複数の解候補のうち、最も少ない積算エネルギーを含む解候補のみを前回解候補とする。
【0058】
すなわち、解候補選択部94は、次の境界について解候補を求める処理に先立って、最後に解候補を求める処理を実行した境界における区間境界速度が同一の組合せに対応しかつ同一の走行時間を含む解候補が複数求められた場合、最も少ない積算エネルギーを含む解候補に対応する組合せ以外の組合せを、次の境界以降の境界について解候補を求める処理の実行対象から除外する。これにより、次の境界について解候補を求める処理の実行対象となる組合せの数を減らすことができるので、解候補を求める処理による運転曲線生成装置90の処理負荷を軽減することができる。
【0059】
解候補算出部93および解候補選択部94は、出発駅を基準として最後の境界について解候補を求めるまで、ステップS1303およびステップS1304に示す処理を繰り返す。
【0060】
そして、最小エネルギー解決定部95(生成部の一例)は、最後の境界について求められた複数の解候補のうち、積算エネルギーが最も少ない解候補に対応する区間境界速度の組合せに従った運転曲線候補を選択する(ステップS1305)。そして、最小エネルギー解決定部95は、選択した運転曲線候補を、省エネ運転曲線(運転曲線の一例)として生成する。
【0061】
次に、
図14を用いて、本実施形態にかかる運転曲線生成装置90が有する解候補算出部93による解候補を求める処理について説明する。
図14は、第5の実施形態にかかる運転曲線生成装置が有する解候補算出部による解候補を求める処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
解候補算出部93は、解候補を求める境界(以下、現在の境界と言う)が、出発駅から1つ目の境界である場合には、出発駅での列車の速度を取得する。一方、解候補算出部93は、現在の境界が、出発駅から2つ目以降の境界である場合には、前回解候補を取得する。
【0063】
次いで、解候補算出部93は、現在の境界が出発駅から1つ目の境界である場合、1つ目の境界について求めた最高速度以下かつ最低速度以上の速度であり、出発駅での列車の速度から、1つ目の境界までに到達可能な最高の速度および最低の速度を求める(ステップS1401)。一方、解候補算出部93は、現在の境界が出発駅から2つ目以降の境界である場合、2つ目の境界について最高速度以下かつ最低速度以上の速度であり、前回解候補に含まれる1つ前の境界の区間境界速度から、現在の境界までに到達可能な最高の速度および最低の速度を求める。
【0064】
解候補算出部93は、求めた最高の速度と最低の速度との間の区間境界速度を求める(ステップS1402)。さらに、解候補算出部93は、前回解候補に含まれる区間境界速度の組合せと当該求めた区間境界速度との組合せ毎に、当該組合せに基づく出発駅から現在の境界まで列車の運転曲線候補を求める。そして、解候補算出部93は、求めた運転曲線候補に従った出発駅から現在の境界まで列車の走行時間を求める(ステップS1402)。
【0065】
解候補算出部93は、求めた走行時間が最大全走行時間以下である場合(ステップS1403:No)、線形データおよび列車データに基づいて、運転曲線候補に従って出発駅から現在の境界まで列車を走行させた場合における列車の積算エネルギーを求める(ステップS1404)。これにより、解候補算出部93は、前回解候補に含まれる区間境界速度の組合せと現在の境界の区間境界速度との組合せ、走行時間および積算エネルギーを含む解候補を求める。
【0066】
一方、解候補算出部93は、求めた走行時間が最大全走行時間を超えている場合(ステップS1403:Yes)、求めた区間境界速度を破棄し、ステップS1402に戻り、破棄した区間境界速度とは異なる区間境界速度を求める。解候補算出部93は、現在の境界について所定の回数、ステップS1402〜ステップS1404の処理を繰り返す。
【0067】
解候補算出部93は、駅間の他の境界についてもステップS1401〜ステップS1404に示す処理を実行する。
【0068】
次に、
図15および
図16を用いて、本実施形態にかかる運転曲線生成装置90が有する解候補選択部94による解候補の選択処理について説明する。
図15は、第5の実施形態にかかる運転曲線生成装置が有する解候補選択部による解候補の選択処理の流れを示すフローチャートである。
図16は、第5の実施形態にかかる運転曲線生成装置が有する解候補算出部により求められた各境界の区間境界速度の一例を示す図である。
【0069】
図16(a)は、最大全走行時間T内における所定走行時間毎(各境界)の区間境界速度の一例を示す図である。
図16(b)は、駅間を所定距離毎に分割した複数の区間の境界の区間境界速度の一例を示す図である。そして、
図16(a)および
図16(b)において、符号C1,C2,C3で示す運転曲線(最速運転曲線)における各境界の区間境界速度は、各境界における最高速度である。また、
図16(a)および
図16(b)において、符号C4,C5で示す運転曲線における各境界の区間境界速度は、駅間を列車が最大全走行時間かけて走行した場合の最低速度である。
【0070】
解候補選択部94は、前回解候補が含む区間境界速度(例えば、1つ目の境界の区間境界速度V1,V2)と現在の境界(例えば、2つ目の境界の区間境界速度V3〜V6)との組合せを含む複数の解候補が求められると、当該複数の解候補のいずれか(例えば、区間境界速度V1と区間境界速度V5との組合せを含む解候補)を取得する。次いで、解候補選択部94は、取得した解候補を、現在の境界について求めた他の解候補と比較する(ステップS1501)。
【0071】
そして、解候補選択部94は、取得した解候補が含む組合せにおける現在の境界の区間境界速度V5が同一の組合せを含みかつ当該取得した解候補が含む走行時間と同一の走行時間を含む他の解候補(例えば、区間境界速度V2と区間境界速度V5との組合せを含む解候補)がある場合(ステップS1501:Yes)、当該他の解候補および取得した解候補のうち、積算エネルギーが大きい解候補(例えば、当該他の解候補)を削除する(ステップS1502)。
【0072】
解候補選択部94は、現在の境界について求めた複数の解候補の中に、現在の境界について求めた区間境界速度が同一かつ同一の走行時間を含む解候補が無くなるまで、ステップS1501およびステップS1502に示す処理を繰り返す。これにより、解候補選択部94は、次の境界について解候補を求める処理に先立って、現在の境界における区間境界速度が同一の組合せを含みかつ同一の走行時間を含む解候補が複数求められた場合、最も少ない積算エネルギーを含む解候補に対応する組合せ以外の組合せを、次の境界以降の境界について解候補を求める処理の実行対象から除外する。
【0073】
その後、最小エネルギー解決定部95は、全ての境界について解候補が求められると、最後の境界について求められた複数の解候補のうち、最も積算エネルギーが小さい解候補が含む組合せ(区間境界速度V1,V3,V7,V8,V9,V10,V11,V12)に基づく列車の運転曲線候補を、省エネ運転曲線C6として生成する。または、最小エネルギー解決定部95は、全ての境界について解候補が求められると、最後の境界について求められた複数の解候補のうち、最も積算エネルギーが小さい解候補が含む組合せ(区間境界速度V1,V3,V7,V8,V9,V10)に基づく列車の運転曲線候補を、省エネ運転曲線C7として生成する。
【0074】
このように第5の実施形態にかかる運転曲線生成装置90によれば、各境界の解候補を求める処理の過程において、次の境界について解候補を求める処理の実行対象となる区間境界速度の組合せの数を減らすことができるので、解候補を求める処理による運転曲線生成装置90の処理負荷を軽減することができる。
【0075】
以上説明したとおり、第1〜4の実施形態によれば、駅間において省エネ感度が高い区間において列車を減速させて消費エネルギーを削減できるので、十分な省エネルギー化を図ることができる。また、第5の実施形態によれば、解候補を求める処理による運転曲線生成装置90の処理負荷を軽減することができる。
【0076】
本実施形態の運転曲線生成装置12,90で実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の運転曲線生成装置12,90で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0077】
さらに、本実施形態の運転曲線生成装置12,90で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の運転曲線生成装置12,90で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0078】
本実施形態の運転曲線生成装置12,90で実行されるプログラムは、上述した各部(減速省エネ範囲検出部120,繰返実行部121,運転曲線更新部122)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、減速省エネ範囲検出部120,繰返実行部121,運転曲線更新部122が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。