【実施例1】
【0019】
(本発明の方法に係るフローチャート)
先ず、
図1のフローチャートを参照しながら本発明の設置方法の各ステップS1〜S6を詳細に説明する。また、
図2は本発明の設置方法の各ステップの概要及び流れを三次元的に示した図である。
図3及び4は本発明の設置方法の各ステップの概要及び流れを二次元的に示した図である。なお、これらの図では、一回の方法の処理で、2台のプロテクタ1,1を積載・運搬・設置した例を示しているが、その台数は1台でも3台以上でも構わない。もちろん、その台数が多い程、運搬効率は飛躍的に向上する。
【0020】
(組立ステップ S1)
先ず、本発明の最初のステップとして、既設トンネル5から一般道路(図示せず)を介して離れた製造工場(図示せず)にて、変形自在又は着脱自在な寸法調節部11を有したプロテクタ1を組み立てる(組立ステップS1
図1参照)。このステップS1の実行により、従来の方法で必要であった組立ヤード(図示せず)を現場近くに確保する必要がなく、そのヤードで組立作業の為のクレーン等の重機も不要となる。また、本発明のプロテクタ1は製造条件や製造環境が管理・徹底され易い工場にて製造されるため、従来の方法で製造されるものよりも品質・精度の向上を図ることができる。
【0021】
(好適なプロテクタの構造)
次に、この組立ステップS1で製造され、かつ、その後の運搬に適したプロテクタ1について説明する。プロテクタ1は、天板部12と、この天板部12を挟んで設けられた一対の側部13,13とを備える。ここで、(1)寸法調節部11をプロテクタ1の側部13,13に設けることがさらに好ましい。
図2〜
図4に示す例では、寸法調節部11は、側部13,13が高さ方向の上下に分割され、その分割位置に、下部材14を上部材15に向けて折り曲げ(折り畳み)可能なヒンジ(図示せず)及び固定手段(図示せず)が設けられている。これにより、側部13,13の高さを変更(短縮又は伸展)した状態を作り出すことができる。なお、寸法調節部11は、図示のヒンジ構造に限定されず、その他の公知の構造で代替してもよい。例えば、側部13,13の長さが上下に短縮及び伸展可能にスライドでき各状態で固定できるスライド構造(図示せず)を寸法調節部として採用してもよいし、側部13,13の下部材14を着脱・固定できる接続機構(図示せず)を採用してもよい。
【0022】
(好適なプロテクタの寸法)
また、上記構造を有した本発明のプロテクタ1の寸法は、一時的又は恒久的に、汎用大型車両2の積載許容寸法以内に入ることが好ましい。より好ましくは、(2)プロテクタ1の奥行きDpを幅Wpよりも小さくし(例えば、
図2(b)の例では幅Wpが4.5mに対して奥行きDpが2.35m)、かつ、(3)奥行きDp及び幅Wpをそれぞれ、汎用大型車両2の積載幅Wc及び積載長さLc以下にすること(汎用大型車両2が15t積載用トラックの場合を例にとると、その積載幅Wcは2.35mであるからプロテクタ1の奥行きDp2.35mはWcと同じであり、一方、その積載長さLcは9.6mであるからプロテクタ1の幅Wp4.5mはLcより遥かに小さい)、(4)プロテクタ1が専用架台3に搭載された際にその側部13,13の高さHpが汎用大型車両2の積載高さHc2.6m以下(車両積載状態で地上高さ3.8m以下)に変形(縮小)できることが好ましい。このように組立て・寸法取りすることで、後述のステップS4〜S6にてプロテクタ1の好適な積載・運搬・設置を実現できる。
【0023】
(汎用大型車両の搬入ステップ S2)
次に、この工場内又は近郊に汎用大型車両2を搬入する(搬入ステップS2)。汎用大型車両2の例としては、積載許容重量が10トン用や15トン用の大型トラックが挙げられるが、道路交通法の一般道路の通行基準を順守しながらプロテクタ1を工場から既設トンネル5の現場まで運搬できる車両であれば、上記例示に必ずしも限定されない。
【0024】
(専用架台の搭載ステップ S3)
次に、
図2(a)及び
図3(a)に示すように、プロテクタ1を積載可能な専用架台3を汎用大型車両2に搭載する(搭載ステップS3)。ここで、専用架台3にはプロテクタ1を保持しながら上下に昇降できる昇降機構31を備えることが好ましい。専用架台3は、プロテクタ1を水平に回転可能な回動機構32が設けられていることがさらに好ましい。加えて、この専用架台3が複数設けられるとともに、専用架台3,3同士の離間距離を調節可能なスライド機構33がさらに設けられることがさらに好ましい。これにより、後述のステップS4〜S6でプロテクタ1の好適な積載(姿勢変更を含む。)・運搬・設置を実現できる。なお、図示のスライド機構33は、専用架台3の下面に設置された複数の車輪と、これらの車輪を受けて車両2の前後方向に案内するレールによって構成された例を示すが、この構成は一例に過ぎず、これに限定されない。専用架台3を上記前後方向に摺動・移動させる公知の移動手段を採用しても良く、例えば、プロテクタ1を磁気浮上させて移動させるようにしても良い。
【0025】
(プロテクタの積載ステップ S4)
次に、汎用大型車両2上の専用架台3にプロテクタ1を積載する(積載ステップS4)。この積載ステップS4では、プロテクタ1を汎用大型車両2の積載許容範囲内に積載可能な第1状態P1に置くよう寸法調節部11を操作する。例えば、寸法調節部11の操作(折り畳み)により、
図2(b)及び
図3(b)に示すように、側部13,13の高さHpが汎用大型車両2の積載高さHc以下になるよう一時的に縮小されかつこれらの側部13,13が汎用大型車両2の進行方向の前後に配置された状態を第1状態P1とすることが好ましい。これにより、汎用大型車両2の積載許容空間内にプロテクタ1を好適に配置することができる。
【0026】
(プロテクタの運搬ステップ S5)
汎用大型車両2を用いて、上述の第1状態P1にあるプロテクタ1を製造工場から既設トンネル5まで運搬する(運搬ステップS5)。これにより、プロテクタ1の運搬に汎用大型車両2を利用でき、従来の設置方法で利用しなければならなかったトレーラ、フォークリフト等の大型特殊車両を利用する必要が無いため、プロテクタ1の運搬期間は一般車両を全面通行止めにする必要が無く、交通規制期間を大幅に短縮することができるようになる。
【0027】
(既設トンネルの現場でのプロテクタの設置ステップ S6)
次に、汎用大型車両2が既設トンネル5の現場に到着したら、現場の所望位置にプロテクタ1を設置する(設置ステップS6)。この設置ステップS6では、プロテクタ1を既設トンネル5に施工される状態(第2状態P2)に置くよう寸法調節部11を操作することに留意されたい。つまり、第1状態P1ではプロテクタ1が汎用大型車両2での運搬に適するように折り畳まれていたが、第2状態P2ではプロテクタ1が実際の施工に適した状態に変形される。
【0028】
(プロテクタの水平回転及び伸展ステップ S6−1及びS6−2)
この設置ステップS6では、好ましくは、
図2(c)及び
図3(c)に示すように、専用架台3の回動機構32を用いて第1状態P1のプロテクタ1を水平方向に回転(さらに好ましくは90°回転)させる(水平回転ステップS6−1)。つまり、側部13,13が汎用大型車両2の左右両側に配置された状態になる。そして、寸法調節部11を操作して、
図2(d)及び
図3(d)に示すように、側部13,13の高さが伸展された状態(第2状態P2)にする(伸展ステップS6−2)。これにより、汎用大型車両2を前後進させるなどの単純な操作だけで、既設トンネル5の現場の所望位置へプロテクタ1を高精度に及び効率良く設置させ易くなる。
【0029】
(隣接プロテクタの接続ステップ S6−3)
さらに、複数の専用架台3,3及びスライド機構33が好適に設けられていた場合、積載ステップS4にてプロテクタ1,1を複数積載し、かつ、設置ステップS6ではこのスライド機構33を操作してプロテクタ1,1同士が近づくように離間距離を縮めることが好ましい(接続ステップS6−3)。具体的には、
図3及び
図4の例では、積載ステップS4での専用架台3,3のピッチPtを5mに設定してプロテクタ1,1同士を離し(
図3(b)及び(c)参照)、この接続ステップS6−3において専用架台3,3のピッチPtを2.35mまで近づけ、水平回転後のプロテクタ1,1同士を接続する(
図2(e)及び
図4(a)参照)。
【0030】
(プロテクタの昇降ステップ S6−4)
その後、一体になったプロテクタ1,1を地面上に昇降(図示の例では下降)させる(昇降ステップS6−4
図4(b)参照)。この昇降ステップS6−4を終えプロテクタ1,1を地面に設置した汎用大型車両2は現場を去り(
図4(c)参照)、この車両2又は同様の車両2が上記ステップS2〜S6−4を繰り返す。このようにして、既設トンネル5の防護に必要な台数からなるプロテクタ1が現場に連続して設置されることになる(
図4(d)参照)。
【0031】
なお、
図4の例では、ステップS6−4において隣り合うプロテクタ1,1を下降させる際に、プロテクタ1,1の下端を地面上に直接下ろさずに、レール上を走行する台車に載せるようにしている。これにより、車両2が既設トンネル5内に入ることが出来ず、かつ、車両2の停車位置から既設トンネル5内の設置位置までの距離が長い場合でも、容易かつ迅速にプロテクタ1,1を移動させることができる。一方、
図2の例では、プロテクタ1,1を直接、地面に下ろした例を示す。この場合は、プロテクタ1,1の運搬・設置の為に、レール等の追加部材を用意する必要が無い。従って、現場の状況に適宜併せて、プロテクタ1,1の下降・設置方法を選択すれば良い。
【0032】
これにより、
図2〜
図4に示すが如く、本発明の方法により同時運搬された複数のプロテクタ1,1が接続され、これらが一体になった状態で一度に設置を完了することができ、設置時間及び一般車両8の全面通行止め期間を飛躍的に短縮することが可能になる。