特許第6334327号(P6334327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334327
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】紙葉類集積装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 3/02 20060101AFI20180521BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20180521BHJP
   B65H 7/08 20060101ALN20180521BHJP
【FI】
   B07C3/02
   B65H29/60 C
   !B65H7/08
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-176164(P2014-176164)
(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公開番号】特開2016-49492(P2016-49492A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 利紀
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−292350(JP,A)
【文献】 特開平11−138105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 3/02
B65H 29/60
B65H 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を集積する集積部と、
前記集積部に向かい前記紙葉類の搬送路を切り替える切替部と、
前記紙葉類の搬送方向において前記切替部よりも上流側の位置で前記紙葉類の到達を検知する第1センサと、
前記紙葉類の搬送方向において前記第1センサよりも上流側の位置で前記紙葉類の位置ずれ状態を検知する第2センサと、
前記第2センサにより前記紙葉類の位置ずれ状態が検知されていない場合に、前記第1センサによる前記紙葉類の検知を契機として前記紙葉類に設定されている区分情報に応じて前記切替部の駆動を制御する第1制御モード及び、
前記第2センサにより前記紙葉類の位置ずれ状態が検知されている場合に、前記第1センサによる前記紙葉類の検知を契機とする前記切替部の駆動を禁止するとともに、前記紙葉類の搬送方向において前記紙葉類に先行する先行紙葉類に対して設定される前記切替部の状態を前記紙葉類に対して維持する第2制御モード、を実行する制御部と、
を備え
前記制御部は、
前記第2センサにより前記紙葉類の位置ずれ状態が検知されている場合に、前記第1センサによる前記紙葉類の検知を契機とするよりも早期に、前記紙葉類に設定されている区分情報に応じて前記切替部の駆動を制御する第3制御モードと、前記第2制御モードとのうちの何れか一方を選択して実行する際に、
前記先行紙葉類が前記切替部を通過完了してから前記紙葉類が前記切替部に到達するまでの期間が所定時間以上であるか否かを判定し、
前記期間が前記所定時間以上である場合に前記第3制御モードを実行し、前記期間が前記所定時間未満である場合に前記第2制御モードを実行する、
紙葉類集積装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2制御モードを実行する際に、前記第1センサによる前記先行紙葉類の検知を契機として前記先行紙葉類に対する前記切替部の駆動を禁止する、
請求項1に記載の紙葉類集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類を集積する集積部に向かい紙葉類の搬送を振り分けるゲートと、ゲートの上流側において紙葉類の通過を検出するセンサと、センサにより検知される紙葉類に設定されている区分情報に応じてゲートを駆動する制御部とを備える紙葉類集積装置がある。しかしながら紙葉類にスキューなどの位置ずれが生じている場合には、ゲートの駆動タイミングが適正とならずにジャムなどの搬送障害が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−292350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、紙葉類を区分集積する際に搬送障害が発生することを防止することができる紙葉類集積装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の紙葉類集積装置は、集積部と、切替部と、第1センサと、第2センサと、制御部とを持つ。集積部は、紙葉類を集積する。切替部は、集積部に向かい紙葉類の搬送路を切り替える。第1センサは、紙葉類の搬送方向において切替部よりも上流側の位置で紙葉類の到達を検知する。第2センサは、紙葉類の搬送方向において第1センサよりも上流側の位置で紙葉類の位置ずれ状態を検知する。制御部は、第2センサにより紙葉類の位置ずれ状態が検知されていない場合に、第1センサによる紙葉類の検知を契機として紙葉類に設定されている区分情報に応じて切替部の駆動を制御する第1制御モードを実行する。制御部は、第2センサにより紙葉類の位置ずれ状態が検知されている場合に、第1センサによる紙葉類の検知を契機とする切替部の駆動を禁止するとともに、紙葉類の搬送方向において紙葉類に先行する先行紙葉類に対して設定される切替部の状態を紙葉類に対して維持する第2制御モードを実行する。さらに、制御部は、第2センサにより紙葉類の位置ずれ状態が検知されている場合に、第1センサによる紙葉類の検知を契機とするよりも早期に、紙葉類に設定されている区分情報に応じて切替部の駆動を制御する第3制御モードと、第2制御モードとのうちの何れか一方を選択して実行する際に、先行紙葉類が切替部を通過完了してから紙葉類が切替部に到達するまでの期間が所定時間以上であるか否かを判定し、期間が所定時間以上である場合に第3制御モードを実行し、期間が所定時間未満である場合に第2制御モードを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の紙葉類処理装置の構成を示す図。
図2】実施形態の紙葉類集積装置の構成を示す図。
図3】実施形態の紙葉類集積装置のトリガーセンサおよび切替部を模式的に示す側面図。
図4】実施形態の紙葉類集積装置のスキューセンサを模式的に示す側面図。
図5】実施形態の紙葉類集積装置のスキューセンサを模式的に示す側面図であり、(A)は位置ずれ状態の紙葉類と正常姿勢の紙葉類とが重なって通過する状態を示し、(B)は位置ずれ状態の紙葉類が通過する状態を示す図。
図6】実施形態の紙葉類集積装置の第1制御モードでの切替部の動作の変化を示す図。
図7】実施形態の紙葉類集積装置の第2制御モードでの切替部の動作の変化を示す図。
図8】実施形態の紙葉類集積装置の第3制御モードでの切替部の動作の変化を示す図。
図9】実施形態の変形例に係る紙葉類集積装置の第2制御モードでの切替部の動作の変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の紙葉類集積装置を、図面を参照して説明する。
【0008】
実施形態の紙葉類集積装置10は、例えば郵便物などの紙葉類を区分集積する。実施形態の紙葉類集積装置10は、例えば、図1に示す紙葉類処理装置1に備えられている。
実施形態の紙葉類処理装置1は、図1に示すように、供給部2と、取出部3と、前処理部4と、排除集積部5と、読取認識部6と、印字部7と、区分集積部8と、制御部9と、を備えている。
供給部2は、操作者によって収集される書状などの複数の紙葉類を、水平面に対してほぼ垂直に立った立位状態で積層配置して保持するとともに、積層方向に移動させることによって積層方向先端側に存在する取出部3に供給する。
取出部3は、供給部2によって供給される複数の紙葉類のうちから積層方向における最先端の紙葉類を順次取り出して、前処理部4に向かう搬送路(図示略)に送り出す。
前処理部4は、取出部3によって取り出される複数の紙葉類のうちから排除対象の紙葉類を検出して、排除集積部5に向かう搬送路(図示略)に送り出すとともに、排除対象以外の紙葉類を読取認識部6に向かう搬送路(図示略)に送り出す。
排除集積部5は、前処理部4によって検出される排除対象の紙葉類を集積する。
読取認識部6は、前処理部4によって検出される排除対象以外の紙葉類に付与されている区分情報を取得し、この区分情報を印字部7および区分集積部8に出力する。
印字部7は、読取認識部6から出力される区分情報に応じて排除対象以外の紙葉類に所定情報を印字する。
区分集積部8は、読取認識部6から出力される区分情報に応じて排除対象以外の紙葉類を区分集積する。
【0009】
実施形態の紙葉類集積装置10は、区分集積部8と、制御部9と、を備えている。
区分集積部8は、例えば、紙葉類Pの搬送路21と、複数の集積部22と、複数の切替部23と、複数のトリガーセンサ24と、スキューセンサ25と、を備えている。
搬送路21は、例えば、紙葉類Pを厚さ方向の両側から挟み込んで搬送する一対の搬送ベルト21aを備えている。
【0010】
複数の集積部22の各々は、例えば、スタッカ22aと、搬送路21からスタッカ22aに向かい紙葉類を搬送する集積搬送路22bとを備えている。複数の集積部22は、例えば、第1集積部221、第2集積部222、および第3集積部223を備えている。
【0011】
複数の切替部23は、搬送路21と複数の集積搬送路22bとの接続部に配置されている。複数の切替部23の各々は、図3に示すように、制御部9によって駆動されるゲートであり、搬送路21の紙葉類Pに接触することによって紙葉類Pを搬送路21から集積搬送路22bに移送する。複数の切替部23は、例えば、紙葉類Pの搬送を搬送路21から第1集積部221に向かい分岐させる第1切替部231と、紙葉類Pの搬送を搬送路21から第2集積部222に向かい分岐させる第2切替部232と、を備えている。
複数の切替部23の各々は、初期設定においてオフ状態(つまり紙葉類Pの搬送を搬送路21から各集積部22に向かい分岐させない状態)とされている。複数の切替部23の各々は、制御部9から出力される切替信号に応じてオン状態(つまり紙葉類Pの搬送を搬送路21から各集積部22に向かい分岐させる状態)とオフ状態とを切り替える。
【0012】
複数のトリガーセンサ24の各々は、搬送路21における紙葉類Pの搬送方向において各切替部23よりも上流側の位置に配置されている。各トリガーセンサ24は、搬送路21を横切るようにして対向配置された発光部および受光部(図示略)を備えている。発光部から出力された照射光は、遮蔽物の無い状態で受光部により受光可能、かつ搬送路21を搬送される紙葉類Pによって一時的に遮蔽可能となるように設定されている。これにより各トリガーセンサ24は、受光部による照射光の受光が中断された場合に、発光部から出力された照射光の光軸上を紙葉類Pの搬送方向先端が通過したことを示すON信号を出力する。一方、受光部による照射光の受光が再開された場合に、発光部から出力された照射光の光軸上を紙葉類Pの搬送方向後端が通過したことを示すOFF信号を出力する。
【0013】
各トリガーセンサ24は制御部9に接続されている。各トリガーセンサ24から出力されるON信号およびOFF信号は制御部9に入力されている。これにより制御部9は、各トリガーセンサ24の光軸上に紙葉類Pが到達したタイミングを検知する。複数のトリガーセンサ24は、例えば、第1切替部231の上流側に配置される第1トリガーセンサ241と、第2切替部232の上流側に配置される第2トリガーセンサ242と、を備えている。
【0014】
スキューセンサ25は、搬送路21における紙葉類Pの搬送方向において複数のトリガーセンサ24よりも上流側の位置に配置されている。スキューセンサ25は、搬送方向の直交方向における2つの異なる位置(例えば、鉛直方向における高さが異なる2つの位置)に配置される第1センサ部25aおよび第2センサ部25bを備えている。第1センサ部25aおよび第2センサ部25bの各々は、搬送路21を横切るようにして対向配置された一対の発光部および受光部(図示略)を備えている。第1センサ部25aは、図4に示すように、搬送ベルト21aの幅方向の第1方向側(つまり、搬送方向の直交方向における第1方向側であって、例えば、搬送ベルト21aに対して鉛直方向の上方側)に配置されている。第2センサ部25bは、図4に示すように、搬送ベルト21aの幅方向の第2方向側(つまり、搬送方向の直交方向における第2方向側であって、例えば、搬送ベルト21aに対して鉛直方向の下方側)に配置されている。
第1センサ部25aおよび第2センサ部25bの各々が備える各一対の発光部および受光部において、発光部から出力された照射光は、遮蔽物の無い状態で受光部により受光され、搬送路21を搬送される紙葉類Pによって一時的に遮蔽される。これにより各センサ部25a,25bは、受光部による照射光の受光が中断された場合に、発光部から出力された照射光の光軸上を紙葉類Pの搬送方向先端が通過したことを示すON信号を出力する。一方、受光部による照射光の受光が再開された場合に、発光部から出力された照射光の光軸上を紙葉類Pの搬送方向後端が通過したことを示すOFF信号を出力する。
【0015】
第1および第2センサ部25a,25bは制御部9に接続されている。各センサ部25a,25bから出力されるON信号およびOFF信号は制御部9に入力されている。これにより制御部9は、第1および第2センサ部25a,25bの各々の光軸上を紙葉類Pが通過するタイミングの差に基づいて、紙葉類Pが位置ずれ状態であるか否かを検知する。制御部9は、第1および第2センサ部25a,25bの各々の光軸上を紙葉類Pが通過するタイミングの差が所定時間未満であれば、紙葉類Pが正常姿勢であると判断する。制御部9は、第1および第2センサ部25a,25bの各々の光軸上を紙葉類Pが通過するタイミングの差が所定時間以上であれば、紙葉類Pが位置ずれ状態であると判断する。制御部9は、例えば図5(A)に示すように、正常姿勢の紙葉類P1に対して搬送方向および搬送方向の直交方向にずれた位置で重なる位置ずれ状態の紙葉類P2の存在を検知する。制御部9は、例えば図5(B)に示すように、搬送方向の直交方向に対して斜めに傾く位置ずれ状態の紙葉類P3の存在を検知する。
【0016】
制御部9は、紙葉類Pに設定されている区分情報に応じて紙葉類Pを複数の集積部22に振り分けて集積する。制御部9は、紙葉類Pに設定されている区分情報に加えて、複数のトリガーセンサ24およびスキューセンサ25の各々から出力される信号に応じて、複数の切替部23の駆動を制御する。
【0017】
制御部9は、スキューセンサ25により紙葉類Pの位置ずれ状態が検知されていない場合に、各トリガーセンサ24による紙葉類Pの検知を契機として紙葉類Pに設定されている区分情報に応じて各切替部23の駆動を制御する第1制御モードを実行する。
例えば図6に示すように、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている紙葉類Pに対して、スキューセンサ25により紙葉類Pの位置ずれ状態が検知されていない場合、制御部9は第2切替部232を区分情報に応じて制御する。制御部9は、第2トリガーセンサ242による紙葉類Pの検知を契機として、第2切替部232をオン状態にすることによって紙葉類Pを第2集積部222に向かい移送する。
【0018】
制御部9は、スキューセンサ25により紙葉類Pの位置ずれ状態が検知された場合に、紙葉類Pの区分情報に応じて駆動される切替部23に対して、先行紙葉類P0が通過完了してから紙葉類Pが到達するまでの期間(到達期間)を算出する。制御部9は、算出した到達期間が所定時間以上であるか否かを判定する。制御部9は、所定時間を切替部23の駆動に要する時間よりも長い時間としている。制御部9は、算出した到達期間が所定時間未満である場合には第2制御モードを実行し、算出した到達期間が所定時間以上である場合には第3制御モードを実行する。なお、制御部9は、算出した到達期間が所定時間以上である場合として、先行紙葉類P0が存在しない場合を含んでいる。
【0019】
例えば図7に示すように、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている紙葉類Pに対して、制御部9は、第2制御モードでは、紙葉類Pを第3集積部223に区分集積するように区分情報を更新する。さらに、制御部9は、各トリガーセンサ24による紙葉類Pの検知を契機とする紙葉類Pに設定されている区分情報に応じた各切替部23の駆動を禁止する。さらに、制御部9は、紙葉類Pの搬送方向において紙葉類Pに先行する先行紙葉類P0に対して設定される各切替部23の状態を紙葉類Pに対して維持する。つまり、制御部9は、紙葉類Pを先行紙葉類P0に追従させるように各切替部23を制御する。さらに、制御部9は、各トリガーセンサ24による先行紙葉類P0の検知を契機とする先行紙葉類P0に設定されている区分情報に応じた各切替部23の駆動を禁止する。例えば、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている先行紙葉類P0に対して、制御部9は、第2トリガーセンサ242による先行紙葉類P0の検知を契機とする第2切替部232の駆動(オン状態にする駆動)を禁止する。これにより制御部9は、スキューセンサ25により位置ずれ状態が検知された紙葉類Pと、紙葉類Pの先行紙葉類P0とを、先行紙葉類P0の区分情報に応じた第2集積部222ではなく、紙葉類Pの更新した区分情報に応じた第3集積部223に集積する。
【0020】
例えば図8に示すように、制御部9は、紙葉類Pと紙葉類Pの先行紙葉類P0との間隔が搬送時間に換算して所定時間以上である場合、先行紙葉類P0に対して第1制御モードを実行する。これにより制御部9は、例えば、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている先行紙葉類P0に対して、第2トリガーセンサ242による先行紙葉類P0の検知を契機とする第2切替部232の駆動(オン状態にする駆動)を実行する。
制御部9は、例えば、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている紙葉類Pに対して、スキューセンサ25により位置ずれ状態が検知された場合、第3制御モードでは、紙葉類Pを第3集積部223に区分集積するように区分情報を更新する。さらに、制御部9は、各トリガーセンサ24による紙葉類Pの検知を契機とするよりも早期に、紙葉類Pが更新した区分情報に応じて駆動される切替部23に到達するより前に切替部23の駆動が完了するように、各切替部23の駆動を制御する。例えば、制御部9は、第2トリガーセンサ242による紙葉類Pの検知を契機とするよりも早期に、紙葉類Pに設定されている区分情報に応じて第2切替部232の駆動(オフ状態にする駆動)を制御する。これにより制御部9は、スキューセンサ25により位置ずれ状態が検知された紙葉類Pを、更新した区分情報に応じた第3集積部223に集積する。
【0021】
以上説明した実施形態によれば、位置ずれ状態の紙葉類Pが区分情報に応じて駆動される切替部23に到達するまでの到達期間に応じて第2制御モードまたは第3制御モードを実行する制御部9を持つことにより、搬送障害の発生を防止することができる。
さらに、第2制御モードの実行時に、位置ずれ状態の紙葉類Pの検知を契機とする各切替部23の駆動を禁止する制御部9を持つことにより、各切替部23において紙葉類Pのジャムなどが発生することを防止することができる。さらに、第2制御モードの実行時に、先行紙葉類P0に設定される各切替部23の状態を位置ずれ状態の紙葉類Pに維持する制御部9を持つことにより、先行紙葉類P0が各切替部23を通過した後に各切替部23において紙葉類Pのジャムなどが発生することを防止することができる。さらに、第2制御モードの実行時に、各トリガーセンサ24による先行紙葉類P0の検知を契機とする先行紙葉類P0の区分情報に応じた各切替部23の駆動を禁止する制御部9を持つことにより、位置ずれ状態の紙葉類Pを所望に区分集積することができる。
さらに、第3制御モードの実行時に、各トリガーセンサ24による位置ずれ状態の紙葉類Pの検知を契機とするよりも早期に、各切替部23の駆動を制御する制御部9を持つことにより、各切替部23において紙葉類Pのジャムなどが発生することを防止することができる。さらに、位置ずれ状態の紙葉類Pおよび先行紙葉類P0の各々を所望に区分集積することができる。
【0022】
以下、変形例について説明する。
上述した実施形態では、制御部9は、第2制御モードでは、位置ずれ状態の紙葉類Pに対して更新した区分情報と、先行紙葉類P0の区分情報とのうち、紙葉類Pの区分情報を優先させるように各切替部23を制御するとしたが、これに限定されない。つまり、上述した実施形態では、位置ずれ状態の紙葉類Pを各切替部23の駆動を禁止した状態で第3集積部223に集積するために、先行紙葉類P0に対する各切替部23の駆動を禁止するとしたが、これに限定されない。
制御部9は、第2制御モードでは、位置ずれ状態の紙葉類Pに対して更新した区分情報と、先行紙葉類P0の区分情報とのうち、先行紙葉類P0の区分情報を優先させるように各切替部23を制御してもよい。つまり制御部9は、各トリガーセンサ24による先行紙葉類P0の検知を契機とする先行紙葉類P0に設定されている区分情報に応じた各切替部23の駆動を実行してもよい。
【0023】
例えば図9に示すように、制御部9は、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている紙葉類Pに対して、第2制御モードでは、紙葉類Pを第3集積部223に区分集積するように区分情報を更新する。さらに、制御部9は、各トリガーセンサ24による紙葉類Pの検知を契機とする紙葉類Pに設定されている区分情報に応じた各切替部23の駆動を禁止する。さらに、制御部9は、紙葉類Pの搬送方向において紙葉類Pに先行する先行紙葉類P0に対して設定される各切替部23の状態を紙葉類Pに対して維持する。つまり、制御部9は、紙葉類Pを先行紙葉類P0に追従させるように各切替部23を制御する。さらに、制御部9は、各トリガーセンサ24による先行紙葉類P0の検知を契機とする先行紙葉類P0に設定されている区分情報に応じた各切替部23の駆動を実行する。例えば、区分情報によって第2集積部222に区分集積することが示されている先行紙葉類P0に対して、制御部9は、第2トリガーセンサ242による先行紙葉類P0の検知を契機とする第2切替部232の駆動(オン状態とする駆動)を実行する。これにより制御部9は、スキューセンサ25により位置ずれ状態が検知された紙葉類Pと、紙葉類Pの先行紙葉類P0とを、紙葉類Pの更新した区分情報に応じた第3集積部223ではなく、先行紙葉類P0区分情報に応じた第2集積部222に集積する。
【0024】
以上説明した変形例によれば、第2制御モードの実行時に、各トリガーセンサ24による先行紙葉類P0の検知を契機とする先行紙葉類P0の区分情報に応じた各切替部23の駆動を実行する制御部9を持つことにより、先行紙葉類P0を所望に区分集積することができる。
【0025】
以下、他の変形例について説明する。
上述した実施形態では、制御部9は、スキューセンサ25により紙葉類Pの位置ずれ状態が検知された場合に到達期間を算出し、到達期間が所定時間以上であるか否かに応じて第2制御モードまたは第3制御モードを実行するとしたが、これに限定されない。
制御部9は、スキューセンサ25により紙葉類Pの位置ずれ状態が検知された場合には、到達期間を算出すること無しに第2制御モードを実行してもよい。
【0026】
以上説明した他の変形例によれば、到達期間を算出すること無しに第2制御モードを実行する制御部9を持つことにより、演算負荷を低減することができるとともに、位置ずれ状態の紙葉類Pを迅速に区分集積することができる。
【0027】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、位置ずれ状態の紙葉類Pの検知を契機とする各切替部23の駆動を禁止し、先行紙葉類P0に設定される各切替部23の状態を位置ずれ状態の紙葉類Pに対して維持する制御部9を持つことにより、搬送障害の発生を的確に防止することができる。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0029】
1…紙葉類処理装置、8…区分集積部、9…制御部、10…紙葉類集積装置、21…搬送路、22…集積部、22b…集積搬送路、23…切替部、24…トリガーセンサ、25…スキューセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9