(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分離構造は、前記第2の部分が前記第1の供給ローラから離間した状態において、前記第2の端部が前記開口または前記凹部から脱離するまで前記第1の方向へスライド可能に構成されている
請求項2記載の印刷媒体供給装置。
前記第1の供給ローラは、自らの両端が前記第1の支持部および前記第2の支持部により支持された軸部と、前記第1の支持部と前記第2の支持部との間において前記軸部の外周面を覆う弾性層とを有する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の印刷媒体供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
ピックアップ用の給紙ローラと、搬送用の給紙ローラとを個別に設けた印刷媒体供給装置を備えた画像形成装置。
2.変形例
【0011】
<1.実施の形態>
[概略構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成例を表す模式図である。画像形成装置1は、例えば用紙などの印刷媒体(記録媒体、転写材ともいう。)2に対して画像(例えばモノクロ画像)を形成する、電子写真方式のプリンタである。
【0012】
画像形成装置1は、筐体10の内部に、例えば印刷媒体2に対して画像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3の上流に位置し、画像形成部3へ印刷媒体2を供給する印刷媒体供給部とを備える。なお、本明細書では、印刷媒体が搬送される方向において、任意の位置から見て印刷媒体2の供給源となる給紙トレイ11(後出)に近い位置を上流といい、給紙トレイ11から遠い位置を下流という。さらに、画像形成部3は、本発明の「画像形成部」の一具体例に対応している。また、本明細書では、印刷媒体2が進行する方向を搬送方向といい、この搬送方向と直交する方向(
図1の紙面に垂直な方向)を横方向Sという。また、本明細書では、横方向Sにおける寸法を幅と呼ぶ。
【0013】
(印刷媒体供給部の構成)
印刷媒体供給部は、給紙トレイ11、給紙ローラ12、給紙サブローラ(ピックアップローラ)13、分離ローラ14、中間搬送ローラ15、ピンチローラ16、レジストローラ17、プレッシャローラ18、給入センサ19および書き出しセンサ20を有する。
【0014】
給紙トレイ11は、複数の印刷媒体2を積層した状態で収納する部材であり、用紙カセットとも呼ばれる。給紙トレイ11は、例えば画像形成装置1の下部に着脱自在に装着されている。
【0015】
給紙ローラ12、給紙サブローラ13および分離ローラ14は、給紙トレイ11に収納されている複数の印刷媒体2のうち、最上層に位置する印刷媒体2を1枚ずつ分離して順次取り出し、中間搬送ローラ16へ向けて繰り出す部材(給紙機構)である。なお、給紙ローラ12および分離ローラ14の下流に分離片14Aをさらに設けてもよい。給紙トレイ11の最上層に位置する印刷媒体2を、その下層に位置する他の印刷媒体2から確実に分離することができるからである。
【0016】
中間搬送ローラ15およびピンチローラ17は、給紙ローラ12、給紙サブローラ13および分離ローラ14から繰り出された印刷媒体2を対になって挟持して下流へ搬送する部材である。また、レジストローラ17およびプレッシャローラ18は、中間搬送ローラ15およびピンチローラ17から搬送された印刷媒体2を対になって挟持し、その印刷媒体2の斜行を修正しつつ下流へ搬送する部材である。
【0017】
レジストローラ17およびプレッシャローラ18の上流には、印刷媒体2の位置を検知する給入センサ19が設けられている。レジストローラ17およびプレッシャローラ18の下流には、印刷媒体2へ画像を形成するタイミングを画像形成部3に対し指示する際、印刷媒体2の位置を検知する書き出しセンサ20が設けられている。
【0018】
(画像形成部3の構成)
これらの画像形成部3は、例えば黒色のトナー(現像剤)を用いて、印刷媒体2上に黒色の画像(トナー像)を形成するものである。なお、トナーおよびトナー像の色は黒色に限定されるものではなく、任意の各色を用いることができる。また、複数色のトナー(現像剤)を用いて、印刷媒体2上に各色の画像(トナー像)を形成するようにしてもよい。
【0019】
このようなトナーは、例えば、所定の着色剤、離型剤、帯電制御剤および処理剤等を含んで構成されており、これらの各成分が適宜混合され、あるいは表面処理されることによって製造されるようになっている。これらのうち、着色剤、離型剤および帯電制御材はそれぞれ、内部添加剤として機能する。外部添加剤としては、例えばシリカや酸化チタン等が用いられ、結着樹脂としては例えばポリエステル樹脂等が用いられる。また、着色剤としては、染料や顔料等を単独、もしくは、複数種併用して使用することができる。
【0020】
図1に示したように、この画像形成部3は、トナーカートリッジ(現像剤収容容器)21、イメージドラム(感光ドラムまたは像担持体ともいう。)22、露光ヘッド23、転写ローラ24および定着ユニット25を有する。
【0021】
トナーカートリッジ21は、所定の色のトナーが収容されている容器である。すなわち、この画像形成部3の例では、トナーカートリッジ21内にはブラックトナーが収容されている。
【0022】
イメージドラム22は、静電潜像を表面(表層部分)に担持する部材であり、感光体(例えば有機系感光体)を用いて構成されている。具体的には、イメージドラム22は、導電性支持体と、その外周(表面)を覆う光導電層とを有している。導電性支持体は、例えば、アルミニウムからなる金属パイプにより構成されている。光導電層は、例えば、電荷発生層および電荷輸送層を順に積層した構造を有している。なお、このようなイメージドラム22は、所定の周速度で回転するようになっており、トナーカートリッジ21から例えばブラックトナーが供給される。したがって、イメージドラム22には、静電潜像にブラックトナーが付着した黒色の画像(トナー像)が形成されるようになっている。
【0023】
露光ヘッド23は、イメージドラム22の表面に照射光を照射してイメージドラム22の表面を露光することにより、イメージドラム22の表面(表層部分)に静電潜像を形成する装置である。露光ヘッド23は、例えば、照射光を発する複数の光源と、この照射光をイメージドラム22の表面に結像させるレンズアレイとを含んで構成されている。なお、これらの各光源としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザ素子等が挙げられる。
【0024】
転写ローラ24は、イメージドラム22と対向配置され、イメージドラム22で形成された例えば黒色の画像(トナー像)を、印刷媒体2上に静電的に転写するための部材である。転写ローラ24は、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。
【0025】
定着ユニット25は、転写ローラ24から搬送された印刷媒体2上のトナー(トナー像)に対して熱および圧力を付与して定着させるための部材である。定着ユニット25は、ヒートローラ26および加圧ローラ27を含んで構成されている。
【0026】
ヒートローラ26は、その内部にハロゲンランプ等の加熱ヒータ26Aを含んで構成されており、印刷媒体2上のトナーに対して熱を付与する。
【0027】
加圧ローラ27は、ヒートローラ26との間に圧接部が形成されるように配置されており、印刷媒体2上のトナーに対して圧力を付与するための部材(加圧ローラ)である。
【0028】
画像形成装置1は、画像形成部3の下流に、排出センサ28、排出ローラ29,30、ピンチローラ31,32、排出トレイ33をさらに備えている。
【0029】
排出センサ28は、定着ユニット25から排出される印刷媒体2を検知するものである。排出ローラ29,30は、それぞれピンチローラ31,32と対向して配置され、定着ユニット25によってトナーが定着された印刷媒体2を挟持し、画像形成装置1の外部である排出トレイ33へ排出するための部材である。
【0030】
[要部構成]
(給紙ユニット40の構成)
次に、
図2などを参照して、印刷媒体供給部の要部である、給紙ローラ12および給紙サブローラ13を含む給紙ユニット40の構成について説明する。
図2は、画像形成装置1の要部を拡大して表す斜視図である。
【0031】
給紙ユニット40は、本発明の「印刷媒体供給装置」の一具体例に対応する。給紙ユニット40は、互いに隣り合うように配置された給紙ローラ12および給紙サブローラ13のほか、給紙シャフト41、給紙フレーム42、給紙サブフレーム43などを有している。
【0032】
給紙シャフト41は、走査方向へ延在する、例えば金属製の筒状部材である。給紙シャフト41は、給紙ユニット40の本体に立設する1対のフレーム44,45に取り付けられた1対の軸受46,47により、回転可能に支持されている。給紙シャフト41の一端には、ギヤ12Gと、給紙ローラ12とが固定されている。給紙シャフト41の他端には、本発明の「駆動源」としてのモータ41Mが直接的または間接的に接続されている。このため、給紙ローラ12は、モータ41Mからの駆動力により、給紙シャフト41およびギヤ12Gと共に矢印12Rの方向へ回転するようになっている。
【0033】
給紙ローラ12は、本発明の「第2の供給ローラ」の一具体例に対応するものである。給紙ローラ12は、給紙サブローラ13の回転によりピックアップされた印刷媒体2を一枚ずつ分離ローラ14との間に挟持し、矢印12Rの方向へ回転することによりその印刷媒体2を下流へ繰り出すように機能する。給紙ローラ12は、一端が給紙シャフト41に固定された略円筒状または略円柱状の軸部121と、その軸部121の周囲を回転方向において連続して覆う弾性層122とを有する。軸部121は例えば樹脂からなり、弾性層122は例えば合成ゴムなどの弾性材料からなる。給紙ローラ12は、その一端のみが支持され、他端が開放された片持ち構造となっている。このため、使用に伴う弾性層122の摩耗などの劣化による給紙ローラ12の交換が容易に可能である。なお、金属製の給紙シャフト41は、分離ローラ14の付勢力に対抗できる程度の十分な強度を有している。また、給紙シャフト41を金属製としつつ、給紙ローラ12の軸部121を樹脂製として軽量化を図ることにより、給紙ローラ12の偏心(軸ブレ)も抑制されている。1対のフレーム44,45についても金属製とするとその強度が向上し、給紙ローラ12の偏心をよりいっそう抑制することができる。
【0034】
図1および
図2に加えて
図3〜
図6を参照して、給紙サブローラ13、給紙フレーム42および給紙サブフレーム43の詳細な構成について説明する。
図3は、給紙サブローラ13およびその近傍を拡大して表す断面図である。また、
図4Aおよび
図4Bは、いずれも、給紙サブフレーム43を拡大して表す斜視図である。
図5Aおよび
図5Bは、いずれも、給紙フレーム42および給紙サブフレーム43を拡大して表す側面図である。また、
図6は、給紙サブローラ13を除去したときの給紙フレーム42を表す斜視図である。
【0035】
給紙サブローラ13は、本発明の「第1の供給ローラ」の一具体例に対応するものである。給紙サブローラ13は、給紙ユニット40の本体の一部を構成する給紙フレーム42と、給紙サブフレーム43とによって、横方向に伸びる回転軸13Jにおいて矢印13Rの方向へ回転可能に両端支持されている。給紙サブローラ13は、略円筒状または略円柱状をなす樹脂製の軸部131と、その軸部131の周囲を回転方向において連続して覆う弾性層132とを有する。弾性層132は例えば合成ゴムなどの弾性材料からなり、その外周面が印刷媒体2と接するものである。軸部131は、本発明の「軸部」の一具体例に対応し、弾性層132は、本発明の「弾性層」の一具体例に対応する。給紙サブローラ13は、回転軸13J(
図1)において回転することにより印刷媒体2を一枚ずつピックアップし、その印刷媒体2を給紙ローラ12へ受け渡す部材である。給紙サブローラ13における弾性層132の表面は、給紙トレイ11に収納された複数の印刷媒体2のうち、最上層に位置する一枚の印刷媒体2の上面と当接した状態となっている。
【0036】
軸部131の一端部131Aは、第1の支持部44Aにより回転可能に支持されている。一端部131Aは、本発明の「第1の端部」の一具体例に対応するものである。第1の支持部44Aは、給紙サブローラ13の径方向において互いに分離可能に構成された給紙フレーム42の一部と給紙サブフレーム43の一部とからなる分離構造を含んでいる。すなわち、給紙フレーム42と給紙サブフレーム43とは、給紙サブローラ13の径方向において互いに分離可能な構造となっている。ここでいう「分離」とは、給紙フレーム42と給紙サブフレーム43とが物理的に接触のない、完全に離間した状態とすることに限定されない。すなわち「分離」とは、給紙フレーム42の一部と給紙サブフレーム43の一部とが接触しつつ、給紙フレーム42の他の一部と給紙サブフレーム43の他の一部とが離間した状態とすることをも含む意である。具体的には、例えば
図5Aおよび
図5Bに示したように、給紙サブフレーム43は、横方向Sに伸びる回動軸432を中心として給紙フレーム42に対して回動可能に構成されている。本明細書では、
図5Aに示したように、軸部131の一端部131Aから給紙サブフレーム43が離れている状態を開状態という。一方、
図5Bに示したように、一端部131Aが給紙フレーム42と給紙サブフレーム43との間に挟持されている状態を閉状態という。
【0037】
給紙フレーム42は、横方向Sと実質的に直交する回転面内において給紙サブローラ13の外周面に沿って略U形状に湾曲する軸受部421を有している(
図5Bおよび
図6参照)。また、給紙サブフレーム43は、上記の回転面内において給紙サブローラ13の外周面に沿って略U形状に湾曲すると共に横方向Sにおいて軸受部421の位置と異なる位置に軸受部431を有している(
図3,
図5B参照)。例えば、軸受部431は、横方向Sにおいて軸受部421と弾性層132との間に位置している。給紙サブローラ13の一端部131Aは、これらの軸受部421および軸受部431により回転可能に挟持されている。ここで、
図5Bに示したように、第1の支持部44Aは、横方向Sに眺めた場合に、軸受部421の両端と軸受部431の両端とが重なり合った状態で給紙サブローラ13の一端部131Aを回転可能に支持している。
【0038】
なお、給紙フレーム42は本発明の「分離構造」における「第1の部分」の一具体例に対応し、給紙サブフレーム43は本発明の「分離構造」における「第2の部分」の一具体例に対応する。また、軸受部421は本発明の「第1の湾曲部」の一具体例に対応し、軸受部431は本発明の「第2の湾曲部」の一具体例に対応する。
【0039】
一方、軸部131の他端部131Bは、給紙フレーム42の軸受部422からなる第2の支持部44Bにより回転可能に支持されている(
図3参照)。給紙フレーム42における軸受部422は、例えば、軸部131の他端部131Bが挿入される、円形の平面形状を有する開口である(
図6参照)。なお、他端部131Bは、本発明の「第2の端部」の一具体例に対応するものである。
【0040】
また、軸部131の外周面のうち、弾性層132により覆われた部分と他端部131Bとの間にはギヤ131Gが形成されている。給紙ローラ12および給紙サブローラ13は、いずれも、横方向Sに延在する回転軸12J,13Jを中心として、互いに同期して同方向へ回転するように構成されている。例えばモータ41Mの駆動力が、ギヤ12Gから複数のアイドルギヤ34を介してギヤ131Gへ伝達されるようになっている。
【0041】
給紙フレーム42は、係止部423をさらに有し、その係止部423が給紙サブフレーム43におけるレバー433の突起434と係合するようになっている。レバー433は、例えば横方向Sに平行な面において湾曲するU形状の部分であり、外力を印加することにより矢印435の方向において可逆的に変位する。
【0042】
図4A,4Bに示したように、給紙サブフレーム43は、印刷媒体2と対向する対向面436Sを含む本体部436をさらに有している。横方向Sにおいて、本体部436の一端部にはレバー433が設けられ、本体部436の他端部には軸受部431が設けられている。印刷動作時において、本体部436は給紙フレーム42と印刷媒体2との間に位置することとなる。本体部436は、回動軸432を中心として、給紙フレーム42から離れるように回動可能に構成されている。
【0043】
さらに、給紙フレーム42および給紙サブフレーム43は、軸受部431が給紙サブローラ13から離間した開状態において、給紙サブローラ13の他端部131Bが軸受部422から脱離するまで横方向Sへスライド可能に構成されている。すなわち、
図3に示したように、軸受部422へ挿入される他端部131Bの幅W1よりも、一端部131Aにおける最大の遊び部分の幅W2が大きい。幅W2は、軸受部421と、軸部131の外周面上に設けられた突起部131Tとの間隔である。このため、例えば
図5Aおよび
図7に示したように、給紙サブフレーム43を回動させて軸受部431を一端部131Aから離間させた状態(開状態)であれば、横方向Sに沿って矢印Y13の方向へ給紙サブローラ13をスライドさせることができる。その際、
図8Aに示したように、突起部131Tが軸受部421に当接するまで給紙サブローラ13をスライドさせると、他端部131Bは軸受部422から抜けることとなる。よって、
図8Bに示したように給紙サブローラ13の取り外しができる。一方、幅W3は、幅W2よりも狭い(
図3)。よって、給紙フレーム42および給紙サブフレーム43が一端部131Aを挟持した状態(閉状態)では、他端部131Bが軸受部422から抜ける前に突起部131Tが軸受部431に当接するので、給紙サブローラ13が外れてしまうことはない。
【0044】
[作用・効果]
(A.基本動作)
この画像形成装置1では、以下のようにして、印刷媒体2に対してトナー像が転写される。
【0045】
具体的には、
図1に示したように、まず、給紙トレイ11に収納されている印刷媒体2が、給紙サブローラ13によって最上部から1枚ずつピックアップされ、下流の給紙ローラ12の方向へ繰り出される。次いで、給紙サブローラ13から繰り出された印刷媒体2は、給紙ローラ12および分離ローラ14によってその斜行が矯正されたのち、中間搬送ローラ15およびピンチローラ16へ向かう。印刷媒体2は、中間搬送ローラ15およびピンチローラ17を経由してレジストローラ17およびプレッシャローラ18に到達したのち、これらレジストローラ17およびプレッシャローラ18により斜行が矯正されつつ下流の画像形成部3へ搬送される。画像形成部3では、以下のようにして、トナー像が印刷媒体2上に転写される。
【0046】
画像形成部3では、以下の電子写真プロセスによって、黒色のトナー像が形成される。すなわち、
図1に示したように、まず、イメージドラム22は、所定の印加電圧が供給される帯電ローラ(図示せず)、その表面(表層部分)が一様に帯電させられる。次いで、イメージドラム22の表面に向けて露光ヘッド23から照射光が照射されて露光されることで、印刷パターンに応じた静電潜像がイメージドラム22上に形成される。さらに、イメージドラム22上の静電潜像に対して、図示しない現像ローラからトナーが付着される。イメージドラム22上のトナー(トナー像)は、転写ローラ24との間の電界によって、印刷媒体2上に転写される。
【0047】
そののち、印刷媒体2上のトナー(トナー像)は、定着ユニット25において熱および圧力が付与されることで定着させられる。そして、排出ローラ29,30などによって、トナーが定着された印刷媒体2が画像形成装置1の外部の排出トレイ33へ排出される。
【0048】
(B.給紙サブローラ13の交換作業について)
ここで、本実施の形態の画像形成装置1における、給紙サブローラ13の交換方法について説明する。給紙サブローラ13を交換する際には、まず、本体の電源を落としたのち、給紙トレイ11を筐体10から完全に抜き出す。これにより、
図2に示したように、外部から給紙サブローラ13が視認できるようになる。そののち、
図7に示したように、回動軸432を中心として給紙サブフレーム43を回動させ、第1の支持部44Aを開状態とする。続いて、矢印Y13の方向へ給紙サブローラ13をスライドさせる。その際、
図8Aに示したように突起部131Tを軸受部421に当接するまで給紙サブローラ13をスライドさせる。これにより、他端部131Bを軸受部422から抜くことができ、
図8Bに示したように給紙サブローラ13を取り外すことができる。
【0049】
(C.効果)
このように、本実施の形態では、給紙サブローラ13の一端部131Aを回転可能に支持する第1の支持部44Aが、給紙サブローラ13の径方向において互いに分離可能な給紙フレーム12と給紙サブフレーム43との分離構造を有するようにした。これにより、印刷動作時における印刷媒体2の適切な送り出し動作と、給紙サブローラ13の容易な交換作業との両立が実現されている。これは、給紙サブローラ13を両端支持することにより、片端支持の場合よりも給紙サブローラ13を安定して支持することができるからである。そのうえ、第1の支持部44Aにおける分割構造の採用により、給紙サブローラ13を簡便に取り外すと共に簡便に装着できるからである。
【0050】
さらに、給紙サブローラ13を両端支持するようにしたので、その軸部131を樹脂などの低比重の材料を用い、かつ、より小径化することで、給紙サブローラ13の小型化・軽量化を図ることができる。給紙サブローラ13を片端支持する場合には、軸部の変形や撓みに起因する偏心(軸ブレ)を抑制するため、軸部を金属などの高剛性材料により、より大きな径を有するように構成することが好ましい。しかし、本実施の形態のように給紙サブローラ13を両端支持することにより、軸部131に印加される荷重は一端部131Aと他端部131Bとに分散させることができる。このため、軸部131を小径化し、かつ、樹脂製にすることでその剛性を低下させても回転軸13Jの位置を適切に保持することができ、印刷媒体2の斜行などを防ぐことができる。
【0051】
また、本実施の形態では、給紙フレーム42の軸受部421と給紙サブフレーム43の軸受部431とを、横方向Sにおいて互いに異なる位置に設け、互いに逆方向から給紙サブローラ13の一端部131Aを挟持するようにした。ここで、軸受部421および軸受部431は、いずれも給紙サブローラ13の外周面に沿って略U形状に湾曲している。さらに、横方向Sに眺めた場合に、軸受部421の両端と軸受部431の両端とが重なり合うようにした。このため、第1の支持部44Aにより、給紙サブローラ13の一端部131Aを、より安定して支持することができる。その結果、給紙サブローラ13のガタつきを十分に抑え、印刷媒体2の、より安定した走行を実現できる。特に、弾性層132と、他端部131Bを支持する軸受部422を含む給紙フレーム42の軸受部421との間に軸受部431を配置するようにしたので、給紙サブローラ13のガタつきを効果的に抑えることができる。
【0052】
一方で、給紙サブローラ13の他端部131Bを、開口である軸受部422からなる第2の支持部44Bにより回転可能に支持するようにしたので、構成部品点数を削減しつつ、他端部131Bを、より安定して支持することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、レバー433の突起434を給紙フレーム42の係止部423に係止させたり、その係止を解除させたりすることにより、給紙サブフレーム43の開閉動作を行うようにした。このため、給紙サブローラ13の取り外しおよび装着を容易に行うことができる。ここで、レバー433は横方向Sに可逆的に変位するものである。すなわち、レバー433は、軸受部431が湾曲する面(給紙サブローラ13の回転面)と直交する方向に変位するので、軸受部431の形状の変化に与える影響が小さい。よって、軸受部431の形状を損なうことがないので、給紙サブフレーム43の開閉動作を繰り返し行ったとしても、軸受部431は給紙サブローラ13を安定して支持できる。
【0054】
さらに、本実施の形態では、給紙サブフレーム43における本体部436が、閉状態において給紙フレーム42と印刷媒体2との間に位置するようにした。このため、印刷動作時には、印刷媒体2と当接する給紙サブローラ13に付加される荷重は、主に、給紙ユニット40の本体に設けられた給紙フレーム42の軸受部421,422に付加される。よって、印刷動作時における印刷媒体2の、より安定した走行が実現される。
【0055】
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、黒色のトナー像のみを転写し、モノクロ画像を形成する画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばカラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。その場合、各色のトナーを用いて各色のトナー像を形成する画像形成部を複数備えるようにする。また、上記実施の形態では、1次転写方式の画像形成装置1について説明したが、本発明は2次転写方式にも適用されうる。
【0056】
また、上記実施の形態では、給紙フレーム42における軸受部422を、軸部131の他端部131Bが挿通する開口(貫通孔)としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば
図9に示したように、凹部からなる軸受部422Aとし、軸部131の他端部131Bの一部が軸受部422Aに収まるようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施の形態では、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを個別に設けるようにしたが、両者の機能を1つの給紙ローラに持たせるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施の形態では、第1の支持部44Aのみにおいて分離構造を採用し、第2の支持部44Bを開口からなる軸受部422により構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば第2の支持部44Bが分離構造を有するようにしてもよいし、第1の支持部44Aおよび第2の支持部44Bの双方において分離構造をそれぞれ採用するようにしてもよい。さらに、上記実施の形態では、第1の支持部44Aおよび第2の支持部44Bの双方に共通の給紙フレーム42を用いるようにしたが、別々のフレームにより構成してもよい。
【0059】
また、上記実施の形態では、光源として発光ダイオードを有するLEDヘッドを露光部として用いるようにしたが、例えばレーザ素子等を光源として用いてもよい。
【0060】
さらに、上記実施の形態では、本発明における「画像形成装置」の一具体例として、印刷機能を有する画像形成装置について説明したが、これには限られない。すなわち、そのような印刷機能に加え、例えば、スキャン機能やファックス機能を有する複合機として機能する画像形成装置においても、本発明を適用することが可能である。