特許第6334407号(P6334407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334407組織を撮像及びアブレーションするためのカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334407
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】組織を撮像及びアブレーションするためのカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20180521BHJP
   A61B 18/08 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   A61B17/00 700
   A61B18/08
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-543622(P2014-543622)
(86)(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公表番号】特表2015-501703(P2015-501703A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】US2012066840
(87)【国際公開番号】WO2013082143
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2014年11月28日
【審判番号】不服2016-14323(P2016-14323/J1)
【審判請求日】2016年9月26日
(31)【優先権主張番号】61/563,935
(32)【優先日】2011年11月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508286762
【氏名又は名称】アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ケンドール アール.ウォーターズ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シー.ムーア
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ゼレンカ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード バウティスタ
【合議体】
【審判長】 長屋 陽二郎
【審判官】 内藤 真徳
【審判官】 関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−500911(JP,A)
【文献】 特開2011−67591(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0057072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/12, 18/04-18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波カテーテルであって、
長手方向の寸法、遠位端、及びイメージングコア管腔を有する細長い本体;
軟組織をアブレーションするようにそれぞれが構成されている第一及び第二のアブレーション要素;
超音波トランスデューサを有するイメージングコア;
超音波トランスデューサの近位で細長い本体に固定された第一の軸受;及び
超音波トランスデューサの遠位で細長い本体に固定された第二の軸受
を具備し、ここで、第一及び第二の軸受は細長い本体内に超音波トランスデューサの長手方向の変位を制限するように構成されている、上記超音波カテーテル。
【請求項2】
超音波トランスデューサが、細長い本体に対して回転することができる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
イメージングコアと、第一及び第二のアブレーション要素が、イメージングコアにより撮像された治療領域がアブレーションされる組織を含むように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
第一及び第二のアブレーション要素が、無線周波数アブレーション要素であり、第一および第二のアブレーション要素がそれぞれ第一および第二の電極を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
第一及び第二の電極が、互いに電気的に接続されておらず、独立して制御される、請求項に記載のカテーテル。
【請求項6】
超音波トランスデューサが、
10MHz以上の撮像周波数、及び
撮像電力レベル
で撮像するために撮像信号を生成するように構成され、
ここで、第一及び第二の電極は1MHz以下のアブレーション周波数でアブレーションするように構成され、
第一及び第二の電極が、撮像周波数で撮像するときに超音波トランスデューサと干渉する干渉周波数、及び干渉電力レベルを有し、アブレーション中に干渉信号を生成し、
干渉電力レベルが撮像電力レベルの50%以下である、請求項に記載のカテーテル。
【請求項7】
第一及び第二の電極が、それぞれ導電性材料の固体片を含む、請求項に記載のカテーテル。
【請求項8】
第一及び第二の電極が、それぞれ細長い本体上に導電層を含む、請求項に記載のカテーテル。
【請求項9】
第一及び第二のアブレーション要素が、灌注ポートを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
第一のアブレーション要素が、超音波トランスデューサに対して近位に固定され、第二のアブレーション要素が、超音波トランスデューサに対して遠位に固定されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
細長い本体が、細長い本体の遠位端の操縦を可能にするための偏向部をさらに具備する、請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[1]本出願は、2011年11月28日に出願された米国仮特許出願61/563,935号の優先権を主張し、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
[2]本書は、一般に、超音波イメージングカテーテルに関する。本書は、より具体的には、撮影機能を集積したアブレーションカテーテルに関する。本書は、また撮影機能を集積した無線周波数(RF)アブレーションカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[3]無線周波数カテーテルアブレーションは、心不整脈を治療するために使用することができる。通常は、心筋細胞は洞結節と呼ばれる特殊な細胞の領域に由来する電気インパルスによって刺激される。洞結節からの電気インパルスは心臓の伝導繊維に沿って動き、均一で規則的に収縮する心筋を刺激し、心拍を生成する。
【0004】
[4]心臓の不整脈は、洞結節の外側にある心臓の他の細胞がアクティブになり、異常な電気インパルスを発生させる際に発生する可能性がある。これらの異常なインパルスは洞結節から生じるインパルスと競合し、又は圧倒し、それによって、不均一あるいは不規則に収縮させる心筋を引き起こす。不整脈はまた、異常な経路、又はルートが洞結節から生じる電気インパルスの定期的な経路短絡を心臓の中に効果的に形成する際にも発生することがある。これらの状況では、心拍が不規則になって、心不整脈を生じさせる。
【0005】
[5]心臓の構造のアブレーションのための低侵襲性心臓内のRFアブレーションカテーテルは心臓不整脈を治療するために使用することができる。RFアブレーションは、異常な電気インパルスを発生させ、又は異常な通路に沿って電気インパルスを行う心臓組織を損傷するために使用することができる。損傷を受けた組織はもはや発生しない、又は電気インパルスを行わない、そして、通常の心拍は復元される。心臓の中のRFアブレーションは、軟部組織の心エコーの撮影、特に心臓の構造によって支援されることが可能。心臓アブレーションの撮影ガイダンスは、手順の安全性と有効性を向上させることができる。
【発明の概要】
【0006】
[6]本出願の一実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、2つのアブレーション電極と超音波トランスデューサを有することができる。カテーテルは、超音波画像への干渉を最小限に抑える撮像周波数とアブレーション周波数を有するように構成され得る。カテーテルはさらに、イメージングコンソールに電気的に接続することができ、これは治療領域のアブレーションにおいて個体を補助するように構成されたグラフィカルユーザーインターフェースを含んでもよい。
【0007】
[7]一実施形態では、超音波カテーテルが提供される。カテーテルは、長手方向の寸法、遠位端、及びイメージングコア管腔を有する細長い本体を含むことができる。カテーテルは第一及び第二のアブレーション要素を含んでもよく、各々が軟組織を切除するように構成される。カテーテルは、超音波トランスデューサを有するイメージングコアを含んでもよい。
【0008】
[8]そのような超音波カテーテルは、さまざまな特性を含むことができる。一部の実施形態では、超音波トランスデューサが細長い本体に対して回転することができる。一部の実施形態では、イメージングコアは、さらに、細長い本体に対して回転することができるミラーを含むことができる。そのような実施形態では、超音波トランスデューサが細長い本体に対して回転できるように固定されてもよい。一部の実施形態では、カテーテルは、細長い本体内に超音波トランスデューサの長手方向の変位を制限する軸受を少なくとも一つ含んでもよい。そのような実施形態では、少なくとも一つの軸受は、超音波トランスデューサに近位の細長いハウジングの近位に固定されてもよい。一部の実施形態では、少なくとも一つの軸受は、細長い本体に固定され得る第一及び第二の軸受を含むことができる。そのような実施形態では、第一の軸受は超音波トランスデューサの近位に配置され、第二の軸受は超音波トランスデューサの遠位に配置され得る。一部の実施形態では、イメージングコアと第一及び第二のアブレーション要素は、イメージングコアにより撮影された治療領域がアブレーションされる組織を含むように構成されてもよい。一部の実施形態では、第一及び第二のアブレーション要素は、無線周波数アブレーション要素であってもよい。そのような実施形態では、第一及び第二のアブレーション要素は、それぞれ第一の電極と第二の電極を含む。一部の実施形態では、第一及び第二の電極は電気的に接続しされなくてもよい。一部の実施形態では、第一及び第二の電極は独立して制御され得る。一部の実施形態では、超音波トランスデューサが10MHz以上の撮影周波数で撮像されるように構成され、第一及び第二の電極が1MHz以下の周波数でアブレーションするように構成され得る。そのような実施形態では、アブレーション周波数によって生じる干渉は撮影周波数の電力レベルの50%以下であり得る。一部の実施形態では、第一及び第二の電極がそれぞれ導電性材料の固体片を含んでもよい。一部の実施形態では、第一及び第二の電極がそれぞれ細長い本体上に導電層を含んでもよい。一部の実施形態では、第一及び第二のアブレーション要素は、少なくとも一つの灌注ポートを含むことができる。一部の実施形態では、第一のアブレーション要素は超音波トランスデューサの近位に配置され、第二のアブレーション要素は超音波トランスデューサの遠位に配置され得る。一部の実施形態では、細長い本体はさらに、細長い本体の遠位端の操縦を可能にするように偏向部を備えることができる。
【0009】
[9]一実施形態では、超音波カテーテルが提供され得る。カテーテルは、長手方向の寸法を有する細長い本体、遠位端、及びイメージングコア管腔を含むことができる。カテーテルは、1MHz以下のアブレーション周波数で軟組織をアブレーションするように構成されるRFのアブレータを含むことができる。カテーテルは、10MHz以上の撮影周波数で撮像するように構成される超音波トランスデューサを備えるイメージングコアを含むことができ、アブレーション周波数によって生じる干渉は、撮影周波数の電力レベルの50%以下である。
【0010】
[10]そのような超音波カテーテルは、さまざまな特性を含むことができる。一部の実施形態では、超音波トランスデューサの撮像周波数は10〜20MHzであり得る。一部の実施形態では、超音波トランスデューサの撮像周波数は20〜30MHzであり得る。一部の実施形態では、超音波トランスデューサの撮像周波数は30〜40MHzであり得る。一部の実施形態では、超音波トランスデューサの撮像周波数は40〜50MHzであり得る。一部の実施形態では、超音波トランスデューサの撮像周波数は50〜60MHzであり得る。一部の実施形態では、アブレーション周波数によって生じる干渉は、撮影周波数の電力レベルの40〜50%の間であり得る。一部の実施形態では、アブレーション周波数によって生じる干渉は、撮影周波数の電力レベルの30〜40%の間であり得る。一部の実施形態では、アブレーション周波数によって生じる干渉は、撮影周波数の電力レベルの20〜30%の間であり得る。一部の実施形態では、アブレーション周波数によって生じる干渉は。撮影周波数の電力レベルの10〜20%の間であり得る。一部の実施形態では、アブレーション周波数によって生じる干渉は、撮影周波数の電力レベルの1〜10%の間であり得る。一部の実施形態では、超音波トランスデューサが細長い本体に対して回転することができる。一部の実施形態では、イメージングコアは、さらに、細長い本体に対して回転することができるミラーを含むことができる。そのような実施形態では、超音波トランスデューサが細長い本体に対して回転できるように固定されてもよい。一部の実施形態では、カテーテルは、細長い本体内にイメージングコアの長手方向の変位を制限する軸受を少なくとも一つ含んでもよい。このような実施形態では、少なくとも一つの軸受は、超音波トランスデューサの近位で細長い体に固定されてもよい。一部の実施形態では、少なくとも一つの軸受は、細長い本体に固定される第一及び第二の軸受を含むことができる。そのような実施形態では、第一の軸受は超音波トランスデューサの近位に配置され、第二の軸受は超音波トランスデューサの遠位に配置されてもよい。一部の実施形態では、イメージングコアとRFアブレータは、イメージングコアにより撮影された治療領域がアブレーションされる組織を含むように構成されてもよい。一部の実施形態では、RFアブレータは、さらに電極を含み、電極が導電性材料の固体片を含む。一部の実施形態では、RFアブレータは、さらに電極を含み、電極が細長い本体上に導電層を含む。一部の実施形態では、RFアブレータは、少なくとも一つの灌注ポートを含んでもよい。一部の実施形態では、RFアブレータは、さらに超音波トランスデューサの近位に第一の電極を含み、超音波トランスデューサの遠位に第二の電極を含むことができる。一部の実施形態では、細長い本体はさらに、細長い本体の遠位端の操縦を可能にするように偏向部を備えることができる。
【0011】
[11]一実施形態では、超音波カテーテル装置が提供され得る。カテーテル装置は、軟組織をアブレーションするように構成される一つのアブレータを備える超音波カテーテルと、超音波トランスデューサを含むことができる。カテーテル装置は、コンピュータプロセッサを用いて表示されたグラフィカルユーザーインターフェースを含むことができる。このインターフェースは、治療領域と超音波カテーテルを表示する画像を含むことができ、画像がリアルタイムで更新される。インターフェースは、時間の関数としてアブレーションを表示するチャートを含むことができ、チャートがリアルタイムで更新される。
【0012】
[12]そのような超音波カテーテル装置は、さまざまな特性を含むことができる。一部の実施形態では、画像は更に治療領域内の超音波カテーテルのための期待されたアブレーション領域を表示する。一部の実施形態では、画像はアブレーションベクトルを表示することができ、アブレーションベクトルが超音波カテーテルに始まり、治療領域内に延びる。一部の実施形態では、チャート内のアブレーションは、アブレーションベクトルに沿った画像の明るさとして表示することができる。一部の実施形態では、チャートはアブレーションベクトルの大きさを表示することができる。一部の実施形態では、アブレータはRFアブレータであり得る。そのような実施形態では、チャートは、時間の関数としてRFアブレータの電力を表示してもよい。一部の実施形態では、グラフィカルユーザーインターフェースは、治療領域を表示する静止画像を含むことができる。一部の実施形態では、グラフィカルユーザーインターフェースは、選択可能なアイコンを含むことができる。そのような実施形態では、選択可能なアイコンは、グラフィカルユーザーインターフェースと超音波カテーテルを制御するためにユーザーによって選択することができる。
【0013】
[13]以下の図面は、本発明のいくつかの特定の実施形態を例示しており、従って本発明の範囲を限定するものではない。図面は、(記載がない限り)縮尺通りに描かれておらず、以下の詳細な説明における記載と併せた用途を目的とする。いくつかの実施形態では、以下添付の図面と併せて説明され、同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は一実施形態に係るイメージングカテーテルの断面図である。
図2図2は一実施形態に係るイメージングカテーテルの断面図である。図2AはラインA−Aに沿った図2のイメージングカテーテルの断面図である。
図3図3は一実施形態に係るイメージング機能を統合したアブレーションカテーテルの断面図である。
図4図4は一実施形態に係るイメージング機能を統合したアブレーションカテーテルの断面図である。
図5図5は一実施形態に係るイメージング機能を統合したアブレーションカテーテルの断面図である。
図6図6は一実施形態に係るイメージング機能を統合した操縦可能なアブレーションカテーテルの断面図である。図6AはラインA−Aに沿った図6の操縦可能なアブレーションカテーテルの断面図である。
図7図7は一実施形態に係るイメージングコンソールのグラフィカルユーザーインターフェースである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[23]以下の詳細説明は、本質的に例示であり、決して本発明の範囲、適用性、又は構成を限定するものではない。むしろ、以下の説明は、本発明の幾つかの実施形態を実現するためのいくつかの実用的な例示を提供する。構造、材料、寸法、及び製造プロセスの例は、選択された要素、そして本発明の分野において通常の知識を有する者に知られている他のすべての要素のために提供される。当業者は、注意例の多くが様々の適切な選択肢を持っていることを理解する。
【0016】
[24]例示の目的のためにのみ、本書はイメージング機能を統合した心内アブレーションカテーテルに対して適切ないくつかの例を提供している。記載の実施例は、本発明の適用を制限せず、イメージング機能を統合した心内アブレーションカテーテルのみに適用される。
【0017】
[25]図1は一実施形態に係るイメージングカテーテル1の断面図である。この例では、イメージングカテーテル1は骨幹中部10、イメージングコア管腔11、撮影窓12、遠位端20、近位軸受120、そして遠位軸受122幹を含む。カテーテルの長さは一般に100〜150cmであってよく、より好ましくは110〜120cmである。骨幹中部10と撮影窓12の外径は6F〜10Fであってよく、例として約7Fである。骨幹中部10は、高密度ポリエチレン、他の熱可塑性ポリマー、又は編組ポリウレタンのような強化ポリマーなど、生体適合性の可撓性材料で形成することができる。撮影窓12は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度及び低密度ポリエチレンとのブレンド、ポリメチルペンテン、又は音響損失を最小化する他の熱可塑性ポリマーなど、生体適合性の可撓性材料で形成することができる。遠位端20は、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))、Pebax63Dや40DなどPebaxグレードのブレンドなど、ローデュロメーター材料で形成することができる。
【0018】
[26]イメージングコア管腔11は、イメージングコア100を収容するのに十分な大きさの直径を有し、0.05”〜0.125”の間であってよい。イメージングコアルー100はトルクコイル102、伝送線路110、変換器ハウジング130、そして超音波トランスデューサ190を含むことができる。近位軸受120と遠位軸受122は、撮影窓12に対して変換器ハウジング130の長手方向の位置と超音波トランスデューサ190を制御する。近位軸受120と遠位軸受122は、超高分子量プラスチック、金属、あるいはRulon(登録商標)などの他の高分子材料から形成することができる。近位軸受120と遠位軸受122は、接着剤、押し金具、又は軸受120、122と撮影窓12を流すことによって撮影窓12に対して縦位置に固定されてもよい。
【0019】
[27]変換器ハウジング130は、近位ジャーナル131と遠位ジャーナル132を含むことができる。近位ジャーナル31は近位軸受120以内で回転する。遠位ジャーナル132は遠位軸受122内に回転する。変換器ハウジング130は、ステンレス鋼などの剛性材料から構成されてもよい。変換器ハウジング130は、レーザ切断や溶接の組み合わせを用いて機械加工又は製造され得る。近位ジャーナル131は、トルクコイル102が回転するとき、変換器ハウジング130の回転を可能にするため、トルクコイル102に結合することができる。例示的なボンディング技術は、はんだ付け、ろう付け、溶接などが挙げられる。上述のように、トルクコイル102、そしてトランスデューサハウジング130は、骨幹中部10と撮影窓12で囲まれてもよい。この構成は、他にはトルクコイル102と変換器ハウジング130の回転によって引き起こされる患者への外傷を防止する。
【0020】
[28]イメージングコア100は、電気的及び機械的にイメージングコンソールに接続され得る。電気的接続は、伝送線110に沿って超音波トランスデューサ190へ電気信号の送受信を可能にする。機械的接続は、イメージングコア100の回転を可能にする。トルクコイル102は、0.020”〜0.100”の範囲におけるコイル外径を有するステンレス鋼ラウンドワイヤコイルから形成されてもよい。トルクコイル102は、イメージングコア100の不均一な回転を最小限にするように構成されてもよい。イメージングコア100の不均一な回転は、近位軸受120及び遠位軸受122をイメージングコア100の回転中心付近に整列させ、各軸受をカテーテルに固定することにより最小限にされ得る。
【0021】
[29]超音波トランスデューサ190は、少なくとも一つの圧電層を含むことができる。超音波トランスデューサ190は、導電層、少なくとも一つの整合層、及びバッキング層を含むことができる。超音波トランスデューサ190は、レンズを含むことができる。この例では、超音波トランスデューサ190は、形状が実質的に矩形であり得るが、他の例では、正方形、円形、楕円形など、他の形状に構成されてもよい。超音波トランスデューサ190は、薄い金属電極層を含み、圧電体層の電気的興奮を容易にするために、例えば金又はクロムから形成することができる。超音波トランスデューサは、一般に、5〜60MHzまでの周波数範囲にわたって動作する。イメージングカテーテル用の超音波トランスデューサの設計及び製造は、当業者に知られている。
【0022】
[30]超音波トランスデューサ190は、イメージングカテーテル1のナビゲートにおいて個人を支援するために、遠位端20に向かって角度を付けることができる。超音波トランスデューサ190の角度は、カテーテルシースとカテーテルシースからの屈折を通じて撮影周波数の移動経路を最小化するように選択することができる。角度はまた、撮影窓12を通じて超音波エネルギーから生じ得る潜在的な干渉を最小化することによって画像品質を改善することができる。一実施例では、角度は、カテーテル軸に対して4〜10度の間であってもよい。
【0023】
[31]伝送線路110は、トルクコイル102内に配置され、シールドリード112及び中心導体114を含むことができる。シールドリード112及び中心導体114は、示すように、超音波トランスデューサ190を横切ってに接続されてもよい。伝送線路110は、トランスデューサに撮像窓12のイメージングコア管腔11内に圧力場を発生させるため、電気エネルギーを超音波トランスデューサ190に接続する。超音波トランスデューサ190は、トランスデューサを電気的に励起するために、信号発生器に電気的に接続されてもよい。超音波トランスデューサ190は、圧力場を検出するために受信機に電気的に接続され、この圧力場が周囲の組織から反射され、トランスデューサによって電気信号に変換され得る。
【0024】
[32]イメージングコア管腔11は、好ましくは、生理食塩水などフラッシング流体で充填されることができる。フラッシング流体は、カテーテルの近位端からカテーテルの遠位端20まで流れ、超音波エネルギーをシースに、そして周囲の組織に効率的に結合するのに役立つ。軸受120、122は、フラッシング流体の流れを容易にするパススルーチャネルを有してもよい。フラッシング流体は、フラッシング出口ポート22を通ってイメージングカテーテル1から出てもよい。
【0025】
[33]イメージングカテーテル1は、撮影窓12に対して長手方向の位置に固定され得る、機械的に回転する超音波トランスデューサ190を含むことができる。長手方向の位置に固定された超音波トランスデューサを含むイメージングカテーテルは、超音波トランスデューサが、心腔内のような対象解剖学的部位にイメージングカテーテル送達するためのアクセスルートのねじれの関係なく、カテーテルに対して実質的に同じ縦位置で撮影することを確保する。
【0026】
[34]図2と2Aは一実施形態に係るイメージングカテーテル2の断面図である。イメージングカテーテル2は骨幹中部10、イメージングコア管腔11、撮影窓12、伝送線路管腔13、遠位端24、そして軸受124を含むことができる。イメージングカテーテル2はイメージングコア101を含むことができ、イメージングコア101はトルクコイル102、伝送線路111、変換器ハウジング133、回転ミラー170、及び超音波トランスデューサ192を含むことができる。
【0027】
[35]超音波トランスデューサ192は、トランスデューサハウジング133によって撮影窓12に対する位置に固定することができる。変換器ハウジング133は、超高分子量プラスチック、金属、又はエポキシで形成されてもよい。変換器ハウジング133は、接着剤、押し金具、又は変換器ハウジング133と遠位端24を流すことによって撮影窓12に対して縦位置に固定されてもよい。
【0028】
[36]伝送線路111は、伝送線路管腔13内に実質に配置され、シールドリード113及び中心導体115を含むことができる。シールドリード113及び中心導体115は、示すように、超音波トランスデューサ192を横切って接続される。伝送線路111は、超音波トランスデューサ192に撮像窓12のイメージングコア管腔11内に圧力場を発生させるため、電気エネルギーをトランスデューサに接続する。圧力波は、回転ミラー170によってイメージングカテーテル2の外に周囲の組織へ向けることができる。
【0029】
[37]回転ミラー170は、研磨されたステンレス鋼などの高音響インピーダンスと高反射率の材料で構成されてもよい。回転ミラー170は、図示のように平坦な面を有し、超音波トランスデューサ192によって生成された圧力場のフォーカシングを可能にする成形面を有する。回転ミラー170はジャーナル172を含むことができる。回転ミラー170とジャーナル172は、機械加工及びボンディングの組み合わせを使用して機械加工又は製造することができる。ジャーナル172は、トルクコイル102が回転するとき、回転ミラー170の回転を可能にするため、トルクコイル102に結合することができる。例示的なボンディング技術は、はんだ付け、ろう付け、溶接などが挙げられる。上述のように、トルクコイル102、そして回転ミラー170は、それぞれ骨幹中部10と撮影窓12で囲まれてもよい。この構成は、他には、トルクコイル102と回転ミラー170の回転によって引き起こされる患者への外傷を防止する。
【0030】
[38]回転ミラー170は、超音波トランスデューサ192によって外側に関連組織へ放出された超音波エネルギーを向けるように角度を付けることができる。超音波トランスデューサ192の撮影領域は、カテーテルのナビゲートにおいて個人を支援するために、遠位端24に向かって角度を付けることができる。回転ミラー170が超音波エネルギーを向ける角度は、カテーテルシースとカテーテルシースからの屈折を通じて撮影周波数の移動経路を最小化するように選択することができる。角度はまた、撮影窓12を通じて超音波エネルギーから生じる潜在的な干渉を最小化することによって画像品質を改善することができる。一例では、回転ミラー170が超音波エネルギーを向ける角度は、カテーテル軸に対して4〜10度の間であることができる。
【0031】
[39]ジャーナル172は、軸受124内で回転することができる。軸受124は、回転ミラー170の撮影窓12に対する長手方向の位置を制限する。軸受124は、超高分子量プラスチック、金属、あるいはRulon(登録商標)などの他の高分子材料から形成することができる。軸受124は、接着剤、押し金具、又は軸受124と撮影窓12を流すことによって撮影窓12に対して縦位置に固定されてもよい。
【0032】
[40]イメージングカテーテル2は、撮影窓に対して長手方向の位置に固定される超音波トランスデューサと機械的に回転するミラーを有するイメージングコアを含むことができる。長手方向の位置に固定された回転ミラーを含むイメージングカテーテルは、イメージングコアが、イメージングカテーテル送達するためのアクセスルートのねじれ関係になく、カテーテルに対して実質的に同じ縦位置で撮影することを確保する。また、非回転超音波トランスデューサを有することは非回転システムを回転トランスデューサに接続することを回避する。
【0033】
[41]図1図2図2Aに示されるように固定された撮影面を有するカテーテルは医療処置に有用である可能性があり、適用療法中にリアルタイムだ軟組織の視覚化を提供することに利点があり得る。
【0034】
[42]図3は一実施形態に係るイメージング機能を統合した無線周波数(RF)アブレーションカテーテルの断面図である。RFアブレーションカテーテル3は、骨幹中部10、撮影窓12、及び遠位先電極200を含むことができる。RFアブレーションカテーテル3は、イメージングコア管腔11、リードワイヤ管腔15、近位軸受120及び遠位軸受122を含むことができる。RFアブレーションカテーテル3は、イメージングコア105を含んでもよく、イメージングコア105はトルクコイル102、伝送線路110、変換器ハウジング134、及び超音波トランスデューサ194を含むことができる。
【0035】
[43]RFアブレーションカテーテル3の長さは一般に100〜150cmであってよく、より好ましくは110〜120cmである。撮影窓12及び遠位端電極200を含むRFアブレーションカテーテル3の遠位部の外径は6F〜10Fの間であり得る。
【0036】
[44]遠位端電極200は、心臓組織をアブレーションするように設計されることができる。遠位端電極200は、血栓形成又は血液凝固の危険性を最小限に抑えることができるオープン灌漑設計を含んでもよい。遠位端電極200は、一般的に円筒形の形状であり得る。遠位端電極200の長さは、少なくとも3mmであり、より好ましくは約4mmである。遠位端電極200は、白金、イリジウム、ステンレス鋼、又はそれらの混合物など導電性材料からなることができる。遠位端電極200は、オープン洗浄ポート部204a、204b、変換器ハウジング134、ジャーナル穴206、及びリード線穴208を含むことができる。リードワイヤー210は、はんだ付けや溶接などリードワイヤー穴208を接合することによって電気的に遠位端電極200に接続することができる。リードワイヤー210の近位端は、心臓組織に病変をアブレーションするための電極にRFエネルギーを供給するRF発生器に接続することができる。遠位端電極200は、遠位端電極200の周囲に等距離に離間される追加のオープン洗浄ポートを含んでもよい。カテーテルは、灌注流体フローシステムに取り付けることができ、灌注流体は生理食塩水などである。
【0037】
[45]近位軸受120と遠位軸受122は、撮影窓12に対して超音波トランスデューサ194と変換器ハウジング134の長手方向の位置を制限する。変換器ハウジング134と超音波トランスデューサ194は、実質的に、撮影窓12と遠位端電極200に対する長手方向の位置に固定されてもよい。超音波トランスデューサ194の表面は、カテーテル軸に対して非平行角度で配向することができる。超音波トランスデューサ194の表面の非平行角度は、遠位端電極200によって治療される組織の実質的な部分が撮影されることを確保する。超音波トランスデューサ194の角度は、カテーテルシースとカテーテルシースからの屈折を通じて撮影周波数の移動経路を最小化するように選択することができる。角度はまた、撮影窓12を通じて超音波エネルギーから生じる潜在的な干渉を最小化することによって画像品質を改善することができる。角度はまた、治療される組織の実質的な部分が撮影されるように超音波トランスデューサ194の撮影面にアブレーション病変に対してセンタリングすることができる。一実施例では、角度は、カテーテル軸に対して4〜10度であってもよい。
【0038】
[46]超音波トランスデューサ190の特定の撮影周波数と遠位端電極200のアブレーション周波数は、多数の要因に照らし合わせて選択することができる。これらの要因は、アブレーション周波数によって引き起こされ得る超音波イメージングへの干渉を最小限に抑え、超音波画像内のアブレーションされた組織の相対と非アブレーションされた組織、解像度とイメージング周波数の深さの浸透との間のコントラストを高めることなどを含み得る。特定の治療又は用途に適した撮影周波数及びアブレーション周波数を決定する際にこれらの要因を考慮することができる。
【0039】
[47]RFアブレーション及び超音波イメージングを同時に行う場合には、例えば統合されたイメージング機能を有するRFアブレーションカテーテルにおいて、RFアブレーションは、超音波イメージングと干渉し、超音波画像にノイズパターン又は静的を含有させてもよい。干渉は、RFアブレーションによって生成された高調波周波数によって引き起こされ得る。一般に、干渉の程度は、撮影周波数の電力レベルに対して、干渉の相対的な電力レベルによって特徴付けることができる。例えば、アブレーション周波数による干渉の電力レベルが超音波画像の撮影周波数の5%とするとき、超音波画像に対する干渉は最小限になる。逆に、干渉の電力レベルが撮影周波数の電力レベルの95%であり得るとき、超音波画像に実質的な干渉がある。干渉と撮影周波数との間の電力レベル差はデシベル(dB)によって特徴付けることができる。一般的に、RFアブレーションによる干渉の電力レベルが撮影周波数の電力レベルの50%を超える場合、干渉は画像品質に影響を与える可能性がある。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの50%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの40%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの30%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの20%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの10%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの20〜50%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの10〜40%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの20〜40%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、アブレーション周波数からの干渉電力レベルが撮影周波数の電力レベルの10〜50%未満である場合、撮影周波数及びアブレーション周波数を選択することは超音波画像への干渉を最小化することができる。
【0040】
[48]RFアブレーションは、一般的に1MHz以下の周波数で行われ、超音波イメージングは、一般に1〜60MHzで行われる。撮影周波数は干渉の程度と反比例に相関させてもよい。撮影周波数が増加すると、干渉の電力レベルは、撮影周波数の電力レベルと比較して減少する。したがって、RFアブレーション中に、より高いイメージング周波数で超音波撮影を実行することは下方撮像周波数より干渉の少ない超音波画像を生成する。一部の実施形態では、10〜60MHzの周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、20〜50MHzの周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、30〜40MHz間の周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、10MHz以上の周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、20MHz以上の周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、30MHz以上の周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。一部の実施形態では、40MHz以上の周波数で画像に超音波トランスデューサを構成することは超音波画像への干渉を最小化することができる。
【0041】
[49]撮像周波数とアブレーション周波数を選択する際に考慮すべき要因は、アブレーションと後アブレーション中の超音波画像でのアブレーションの組織と非アブレーションの組織間のコントラストである。アブレーションの組織及び非アブレーションの組織は、撮影周波数に応じて、超音波画像において互いに相対輝度が変化する。RFアブレーション中に、アブレーションの組織は、RFエネルギーがガス抜きに組織を引き起こして組織を加熱するので一般的に非アブレーションの組織に相対的に明るく表示される。組織における脱出ガス泡は、超音波画像において明るく表示される領域を生じさせる超音波を散乱させるように作用することができる。アブレーション周波数が増加するにつれて、脱気のレートはまた増加し、アブレーション領域の超音波画像をより迅速に明るくするように生じる。アブレーションの後、アブレーション組織は、一般的に、超音波画像のアブレーション組織より暗く表示し得る。撮影周波数が増加するとアブレーション後のアブレーション組織と非アブレーション組織間の明るさ、むしろコントラストの差は増加し得る。撮影周波数が増加するにつれて、アブレーション組織は、非アブレーション組織と比べてますますより暗く表示され得る。アブレーション中とアブレーション後のアブレーションの組織と非アブレーション組織との間のコントラストはアブレーション周波数と撮影周波数を選択する際に考慮することができる。組織のコントラストは、RFアブレーションカテーテルの使用者を、アブレーションの程度を決定すること、治療された組織を未処置組織から区別することに役に立つ。
【0042】
[50]考慮すべき因子は、特定のアプリケーションに適切な解像度と深度浸透で撮影周波数を有している。より高い撮影周波数は深さの浸透の費用でより高い空間解像度を可能にし、より低い撮像周波数は、空間解像度の費用で深さの浸透を可能にする。様々な手順及び治療法が特定の空間解像度又は特定の深さの浸透のために呼び出すことが理解できる。
【0043】
[51]これらの要因を考慮して、撮影周波数及びRFアブレーション周波数は、実行される特定の治療又は手順に応じて変化する。
【0044】
[52]図4は、一実施形態に係るイメージング機能を統合したRFアブレーションカテーテル4の断面図である。RFアブレーションカテーテル4は、骨幹中部10、撮影窓12、遠位電極220、及び近位電極240を含むことができる。RFアブレーションカテーテル3は、イメージングコア管腔11、第一のリードワイヤ管腔17、近位軸受120及び遠位軸受122を含むことができる。RFアブレーションカテーテル4は、イメージングコア107を含み、イメージングコア107はトルクコイル102、伝送線路110、変換器ハウジング137、及び超音波トランスデューサ190を含むことができる。
【0045】
[53]近位電極240は、オープン洗浄チャネル244a、244b、変換器ハウジングジャーナルパススルーチャネル246、リードワイヤー穴248、接続ワイヤ穴252を含むことができる。リード線250は、例えば、はんだ付けや溶接などリードワイヤー穴248を接合することによって電気的に近位端電極240に接続することができる。近位電極240は、近位電極240の周囲に等距離で離間する追加オープン洗浄チャネルを含んでもよい。
【0046】
[54]接続リードワイヤー230は近位電極240及び遠位電極220を電気的に接続する。電気的に接続された近位電極240と遠位電極220は単一の分散電極として動作することができる。リードワイヤー250の近位端は、アブレーション心臓組織のため電気的に接続される近位電極と遠位電極240、220にRFエネルギーを供給するRF発生器に接続することができる。別の例では、RFアブレーションカテーテル4は、近位電極240と遠位電極220が異なるリードワイヤーを有するように、複数のリード線を有することができる。そのような例では、近位電極240と遠位電極220は、電気的に接続されておらず、互いに独立して作動することができる。これは、RFアブレーションカテーテル4は、三つ以上の電極を有し、これらの電極は任意の組み合わせで電気的に接続する又は接続しないこがあることが理解できる。RFアブレーションカテーテル4は、各電極への複数のリードワイヤーを有し、電極は、組み合わせて、又は任意の組み合わせで独立して制御されてもよい。
【0047】
[55]上記の通り、及び図3に示すように、超音波トランスデューサ190の角度は、カテーテルシースとカテーテルシースからの屈折を通じて撮影周波数の移動経路を最小化するように選択することができる。角度はまた、撮影窓12を通じて超音波エネルギーから生じる潜在的な干渉を最小化することによって画像品質を改善することができる。角度はまた、治療される組織の実質的な部分が撮影されるように超音波トランスデューサ190の撮影面にアブレーション病変に対してセンタリングすることができる。例えば、角度は、カテーテル軸に対して4〜10度であり得る。この例では、電気的に接続された近位及び遠位電極240、220は、既に実質的に超音波トランスデューサ190の撮像面内の中央に配置されるアブレーション病変を生成する。その結果、超音波トランスデューサ190の角度は、遠位電極220によって引き起こされる干渉を最小にするように構成されてもよい。
【0048】
[56]図5は、一実施形態に係るイメージング機能を統合したRFアブレーションカテーテル5の断面図である。RFアブレーションカテーテル5は、骨幹中部10、イメージングコア管腔11、撮影窓12、遠位端26、近位軸受120、遠位軸受122、及び遠位先端電極260を含むことができる。遠位先端電極260は、薄い導電層262、オープン洗浄ポート部264a、264b、及びリードワイヤー270を含むことができる。遠位電極260は、近位電極260の周囲に等距離で離間する追加オープン洗浄ポートを含んでもよい。RFアブレーションカテーテル5は、フラッシング流体がカテーテルを出すことができるフラッシング出口ポートを含んでもよい。薄い導電層262は、白金、イリジウム、ステンレス鋼、又はそれらの混合物などの導電性材料からなることができる。薄い導電層262は、材料を機械加工又はレーザーカットをし、次いで撮像窓12と遠位端26に接着する。あるいは、薄い導電層262は、スパッタ蒸着等の蒸着法を用いて撮影窓12と遠位端26上に堆積させることができる。薄い導電層262は、実質的に、音響的に透明である。撮影窓上に薄いアブレーション電極を有するRFアブレーションカテーテルの利点は、アブレーション電極リードワイヤー又は接続ワイヤーによるイメージングアーチファクトが回避されることである。
【0049】
[57]図6と6Aは、一実施形態に係るイメージング機能を統合された操縦可能なアブレーションカテーテル6の断面図である。操縦可能なアブレーションカテーテル6は、撮像窓12、遠位電極220、近位電極240、及び偏向部300を含んでもよい。偏向部300は、偏向部シース302、プルワイヤー管腔304、306、補強コイル308、ステアリングリング310、そしてプルワイヤーを含む。偏向部シース302、編組ポリウレタンなど強化ポリマーで形成され得る。プルワイヤーの遠位端は、一般的に溶接、ろう付け、又ははんだ付けによって操舵輪310に結合されてもよい。プルワイヤーの近位端は、偏向制御機構に結合され、操縦可能なアブレーションカテーテル6が偏向部300に曲がることを確保する。操縦可能なセクションを有するRFアブレーションカテーテルの利点はカテーテルが、操縦可能なシース又は他の案内装置を必要とせず、より容易に治療の対象となる解剖学的部位に導かれることである。
【0050】
[58]図7は、一実施形態に係るイメージングコンソールのグラフィカルユーザーインターフェースである。この例では、コンソールはそれぞれ伝送線路によりカテーテルのイメージングコアとRFアブレータリードワイヤーに電気的に接続することができる。コンソールは、カテーテルの操作者にアブレータを制御させ、イメージングコアによって撮影された画像を見せることができる。図7は、治療領域401のカテーテルのイメージングコアによって撮影されたベースライン画像400を示している。治療領域401は、カテーテル402に対して示されており、一般的に血液で満たされる心室403、及び心臓組織406を含むことができる。カテーテル402は、心臓組織406の心内膜表面404に接触するように示されている。ベースライン画像400は、(破線の半円として示される)標的アブレーション領域407を表示し得る。ベースライン画像400は、カテーテル402に始め、標的アブレーション領域407を通って心臓組織406内に延びるアブレーションベクトル408を含むことができる。標的アブレーション領域407及びアブレーションベクトル408の両方は、コンピュータプロセッサを用いて、ベースライン画像400に計算され、重畳され得る。
【0051】
[59]図7は、治療領域411の現在の画像410を示す。治療領域411は、カテーテル402に対して示され、そして心室413、心臓組織416、表面414、標的アブレーション領域417及びアブレーションベクトル418を含むことができる。現在の画像410は、アブレーション領域419を含むことができる。現在の画像410の治療領域411は、ベースライン画像400の治療領域401に対応し得る。治療領域401、411が対応すると、それぞれの心室403、413、心臓組織406、416、標的アブレーション領域407、417、表面404、414とアブレーションベクトル408、418も同様に対応し得る。
【0052】
[60]一般的には、心臓組織のアブレーションは心臓組織を損傷し、正常心臓組織と異なる物理的性質を有するようにさせる。画像化されると、損傷した心臓組織は正常心臓組織とは異なる明るさを持つことになる。この例では、ベースライン画像400は、アブレーションの前に治療領域401の撮影画像であり、現在の画像410は治療領域411に対応するリアルタイムで更新された画像である。図7に示すように、アブレーション領域419の領域は、ベースライン画像400内の同じ領域と比べて現在の画像410と異なる明るさを有する。イメージングコンソール40のユーザーは、アブレーションの程度を決定するための基準としてベースライン画像400を使用するとき、アブレーションをガイドするため現在の画像410を使用することができる。一般的には、ベースライン画像400は、治療領域401、411が対応するとき、現在の画像410の参照として有用であり得る。
【0053】
[61]イメージングコンソール40は、チャート430を含む。チャート430は、リアルタイムで更新することができる。一部の実施形態では、チャート430は、治療領域のアブレーションにおいて、イメージングコンソール40のユーザを支援するために、任意の静的又はリアルタイムメトリックをチャート化してもよい。この例では、チャート430は、経過時間432の関数としてアブレーションの深さ434を示し、アブレーションの深さ434は、アブレーションベクトル418に沿って現在の画像410に示すように心臓組織416の明るさに対応する。図7では、チャート430は、30秒の治療期間にわたり、現在の画像410のアブレーションベクトル418に沿って明るさを示している。アブレーションの5秒後に、アブレーションベクトル418に沿った明るさの変化はなかった。アブレーションの20秒後に、アブレーションベクトル418に沿った明るさの変化は、約2mmの深さまで起こる。アブレーションの30秒後に、アブレーションベクトル418に沿った明るさの変化は、約4mmの深さまで起こる。30秒後のアブレーションベクトル418の明るさは、最後のデータ点であり、そのため現在の画像410に示すアブレーションベクトル418に沿ってコントラストに対応する。この例では、カテーテル402は、RFアブレータを含んでもよく、チャート430はアブレータの電力436を時間の関数として示す。チャート430は、経時的にアブレーションのレートを示すことにより、治療領域411のイメージングコンソール40のユーザーに支援することができる。上述したように、チャート430は、それが表示できるデータの種類が限定されない。チャート430のデータが、異なる治療分野、アブレータ、又はイメージングコアに関連するように変更することを理解することができる。
【0054】
[62]図7は、選択可能なアイコンの複数を含むインターフェースを示している。インターフェースは、イメージングコアと、カテーテル402のアブレータとイメージングコンソール40の表示を制御するためにユーザーによって使用され得る。この例では、選択可能なアイコンは、アイコン460、470、480の3つのグループに分割される。アイコンの第一のグループ460は、イメージングコンソール40の制御に関連したアイコンを含み、アイコンの第二のグループ470は、カテーテル402のイメージングコアの制御に関連したアイコンを含み、そしてアイコンの第三のグループ480は、カテーテルのアブレータの制御に関連したアイコンを含む。これは、アイコンとそれぞれの機能、そしてアイコンのグループ化は異なる場合、又は異なるユーザー、治療法や機器に設定可能であることを理解することができる。
【0055】
[63]したがって、本発明の実施形態が開示されている。本発明は、開示された特定の実施形態を参照してかなり詳細に説明したが、開示された実施形態は、例示の目的で提示され、限定ではなく、本発明の他の実施形態も可能である。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく本発明の様々な修正形態及び変更形態が、当業者には、明らかとなろう。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図6A
図7