特許第6334408号(P6334408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6334408耐火性照明ウェブ、耐火性照明構造体、それらの製造方法及びそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334408
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】耐火性照明ウェブ、耐火性照明構造体、それらの製造方法及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20180521BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20180521BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20180521BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20180521BHJP
   E04F 13/07 20060101ALI20180521BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20180521BHJP
【FI】
   F21V8/00 355
   G02B6/00 331
   G02B6/44 301A
   G02B6/44 316
   F21V8/00 242
   F21S2/00 412
   E04F13/07 B
   F21Y115:20
【請求項の数】30
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-546619(P2014-546619)
(86)(22)【出願日】2012年12月17日
(65)【公表番号】特表2015-512115(P2015-512115A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(86)【国際出願番号】FR2012052955
(87)【国際公開番号】WO2013088094
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年11月17日
(31)【優先権主張番号】1161827
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1253298
(32)【優先日】2012年4月11日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】314014494
【氏名又は名称】サン−ゴバン プラコ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100193404
【弁理士】
【氏名又は名称】倉田 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】モー サラン−フォレスティ
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/125339(WO,A2)
【文献】 特表2010−506369(JP,A)
【文献】 特開昭57−029454(JP,A)
【文献】 特開2003−206581(JP,A)
【文献】 特開2011−131504(JP,A)
【文献】 特開2007−169146(JP,A)
【文献】 特開平01−215851(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0281155(US,A1)
【文献】 特開平03−011501(JP,A)
【文献】 特開2005−111971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 1/00−15/04
G02B 6/00− 6/44
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ウェブのバルク中に含浸されており、及び/又は照明ウェブの少なくとも1つの面上の被覆に含まれている難燃性組成物により難燃性であること、
前記難燃性組成物が照射面の発光を有意に損なわないようなものであること、並びに
発光面に対して垂直に測定される前記難燃性組成物に起因する前記照明ウェブの輝度の損失が30%未満であること
を特徴とする、照明ウェブ。
【請求項2】
縦織及び/又は横織の光ファイバーであって、該ファイバーの長手方向の軸に対して側方に光を発することができる光ファイバーを含むテキスタイルウェブから成ることを特徴とする、請求項1に記載の照明ウェブ。
【請求項3】
前記難燃性組成物が、前記照明ウェブの少なくとも1つの面上の難燃性被覆中に含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の照明ウェブ。
【請求項4】
前記難燃性被覆が、1つ又は複数の難燃性ワニス層の形態で提供されることを特徴とする、請求項3に記載の照明ウェブ。
【請求項5】
前記難燃性組成物が、100〜350g/m2の量で存在することを特徴とする、請求項3又は4に記載の照明ウェブ。
【請求項6】
発光面に対して垂直に測定される前記難燃性組成物に起因する前記照明ウェブの輝度の損失が10%未満であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
【請求項7】
前記難燃性組成物が、リン含有化合物、ハロゲン含有化合物及び無機充填剤から選択された少なくとも1種の難燃剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
【請求項8】
前記難燃性組成物が膨張性であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
【請求項9】
前記難燃性組成物が、少なくとも1種のヒドロキシル含有化合物、少なくとも1種のリン含有化合物及び少なくとも1種の発泡剤を含む組成物から成る少なくとも1種の膨張剤を含むことを特徴とする、請求項8に記載の照明ウェブ。
【請求項10】
前記難燃性組成物がアルミニウム粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
【請求項11】
硬質又は半硬質の支持体に付加されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の照明ウェブを含む照明構造体であって、該照明ウェブのバルク中に含浸されており、及び/又は該照明ウェブの自由面上の被覆中に含まれている難燃性組成物により該照明ウェブが難燃性である、照明構造体。
【請求項12】
前記照明ウェブと前記硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている補間難燃性被覆を含むことを特徴とする、請求項11に記載の照明構造体。
【請求項13】
前記補間難燃性被覆が、1つ又は複数の塗料層又はワニス層の形態で、前記硬質又は半硬質の支持体に面している前記照明ウェブの面上に適用されたことを特徴とする、請求項12に記載の照明構造体。
【請求項14】
前記照明ウェブと前記硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている、編織又は不織の補間テキスタイルウェブを含むこと、及び前記補間難燃性被覆が該補間テキスタイルウェブのある面上に適用されたことを特徴とする、請求項12に記載の照明構造体。
【請求項15】
前記補間難燃性被覆が1つ又は複数の難燃性塗料層の形態で提供されることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項16】
前記補間難燃性被覆が80超のアルベドを示すことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項17】
前記補間難燃性被覆が50〜300g/m2の量で存在することを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項18】
前記補間難燃性被覆がリン含有化合物、ハロゲン含有化合物及び無機充填剤から選択された少なくとも1種の難燃剤を含むことを特徴とする、請求項12〜17のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項19】
前記補間難燃性被覆が膨張性であることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項20】
前記補間難燃性被覆が、少なくとも1種のヒドロキシル含有化合物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の発泡剤を含む組成物から成る少なくとも1種の膨張剤を含むことを特徴とする、請求項19に記載の照明構造体。
【請求項21】
前記照明ウェブが、ケイ酸塩、シリコーン、ポリエステル又はポリ(ビニルアセテート)から選択された化合物に基づく接着剤を用いて直接的に又は間接的に前記硬質又は半硬質の支持体に貼り付けられていることを特徴とする、請求項11〜20のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項22】
前記照明ウェブが、少なくとも1種の難燃剤を含む接着剤を用いて直接的に又は間接的に前記硬質又は半硬質の支持体に貼り付けられていることを特徴とする、請求項11〜21のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項23】
アルミニウム粒子を含むことを特徴とする、請求項11〜22のいずれか1項に記載の照明構造体。
【請求項24】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の照明ウェブ又は請求項11〜23のいずれか1項に記載の照明構造体の製造方法であって、照明ウェブのバルク中に及び/又は少なくとも1つの面上に難燃性組成物を適用して、照明ウェブのバルク中に及び/又は面上に難燃性組成物を含む難燃性照明ウェブを得る適用段階を含み、該照明ウェブは、他の面を介して硬質又は半硬質の支持体に付加することができ、該照明ウェブを硬質又は半硬質の該支持体に付加した場合には該照明構造体が得られることを特徴とする、方法。
【請求項25】
前記照明ウェブを構成する材料と親和性であるように選択された溶媒中で前記難燃性組成物を適用することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
周囲温度で測定される粘度が10〜7000mPa・sである難燃性組成物を適用することを特徴とする、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
適用した前記難燃性組成物が放射線照射の下で架橋することができること、及び前記適用段階の後に、前記難燃性組成物を架橋させるために、前記照明構造体に放射線照射することを特徴とする、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の照明ウェブの、塗装用キャンバス若しくは延伸された布帛としての、又はその構成要素としての使用。
【請求項29】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の照明ウェブを含む、塗装用キャンバス又は延伸された布帛。
【請求項30】
請求項11〜23のいずれか1項に記載の照明構造体の、建物における隔壁、内張り又は天井としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装用キャンバス若しくは延伸された布帛として、又はその構成要素として使用することができる照明ウェブ、及び照明構造体、特に建物において隔壁として又は天井として使用することができる照明パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
照明布帛は、技術水準において公知の技術である。仏国特許出願公開第2859737号明細書は、特にジャガード柄を形成するように織り合わされている一束の光ファイバーから成る布帛であって、該光ファイバーの全てが同一の光源に接続されている、布帛を記載している。そのような布帛は魅力的な光学特性及び魅力的な外観を有する。
【0003】
これらの照明布帛を建物又は自動車の構造体要素、例えば建物又は車の隔壁又は天井において組み込むことが特に有利である。この観点から、仏国特許出願公開第2907194号明細書は、織り合わせて綴じ糸に結び付けられた光ファイバーのウェブを含む照明複合体を記載している。当該ウェブは、接着接合手段を用いて硬質支持体に適用される。仏国特許出願公開第2907194号明細書は、ポリカーボネート芯材を有する光ファイバーと、難燃性でかつ硬質金属支持体に接着接合されたポリエステル製の地糸とから成る布帛の例を特に記載している。このように形成された照明構造体は、仏国規格NF P 92501及びP 92502に従い、火に対する挙動についてのM1として分類される。
【0004】
火に対する反応についての欧州規格EN 13501の発効は、仏国規格と比較して主要な変化を導入している。その欧州規格は厳格なエネルギー基準、例えば熱発生率、又は燃焼試験を通して放出された全エネルギーを含む。これらの新たな基準は、これまで仏国規格により高い等級を有していた幾つかの製品の格下げをもたらす可能性がある。これは、有意な割合の有機物を含む製品に特に当てはまる。仏国特許出願公開第2907194号明細書に記載されている照明構造体は、実際に大量の有機物を、特にプラスチック製の光ファイバー並びに地糸及び綴じ糸中に含む。それゆえ、そのような構造体は欧州規格を満足するには適していないことを示すことができる。
【発明の概要】
【0005】
それゆえ、火に対する反応に関して公知の構造体と比較して向上した性能を示す、照明布帛に基づく新規な照明構造体を設計することが重要である。これらの新規な構造体は、特に規格EN 13501を満足することができ、特にこの規格においてA又はB階級を得るようにするに違いない。
【0006】
それゆえ、本発明の主題は、照明ウェブのバルクに含浸されており、及び/又は照明ウェブの少なくとも1つの面上の被覆に含まれている難燃性組成物により難燃性であることを特徴とする、照明ウェブである。
【0007】
照明ウェブは、テキスタイル又はノンテキスタイルであることができる。
【0008】
ノンテキスタイル照明ウェブは、例えば少なくとも部分的に有機である材料製の照明ウェブ、発光有機膜、有機発光ダイオード(OLED)を含むウェブ、又は発光性の膜である。
【0009】
照明ウェブは、編織又は不織のテキスタイルウェブであることもできる。
【0010】
照明テキスタイルウェブは、照明布帛としても知られており、特に縦織及び/又は横織の光ファイバーであって、該ファイバーの長手方向の軸に対して側方に光を放出することができる光ファイバーを含むテキスタイルウェブである。それは、例えば仏国特許出願公開第2859737号明細書及び同第2907194号明細書に記載されているそれらのタイプである。このテキスタイルウェブは、他の糸、例えばテキスタイルの骨格を形成する地糸、及びその地糸をテキスタイル繊維に結び付けることを可能とする綴じ糸を含むこともできる。
【0011】
「難燃性組成物」という語は、難燃特性を有する組成物、すなわち、下地材が過剰な熱にさらされた場合に当該下地材の着火を妨げること又は遅らせること、及び/又は当該下地材中の火の伝播を減速させることを可能とする組成物を意味するものと理解される。
【0012】
本発明の照明ウェブは、公知のウェブと比較して火に対する反応における向上した性能、特により低い着火時間、より低い熱発生率、より一般的には燃焼におけるより低い熱エネルギーの放出を示す。
【0013】
さらに、本発明の難燃性組成物は、防音特性を害しないことを可能とし、これは、ウェブが建物における照明隔壁又は照明天井において使用される場合に特に有利であることがわかる。
【0014】
難燃性組成物は、好ましくは照明ウェブの少なくとも1つの面上の難燃性被覆中に含まれ、特に1つ又は複数の難燃性ワニス層の形態で提供される。
【0015】
難燃性組成物は、有利には100〜350g/m2、好ましくは200〜300g/m2の量で存在する。
【0016】
難燃性組成物は、ワニス、例えば商業的に入手可能なワニス、例えばIris VerniciからChar17の呼称の下で入手可能な膨張性ワニス、又はFlame SealからFX−100 Fire Protective Coatingの呼称の下で入手可能な膨張性ワニスを適用することにより堆積させることができ、当該ワニスは好ましくは硬化剤、例えば硬化剤T50(メラミン樹脂)との混合物として使用される。
【0017】
有利には、難燃性組成物は、照射面の発光を有意に損なわないようなものであり、発光面に対して垂直に測定される被覆に起因する輝度の損失は、特に30%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満である。この結果は特に、当該組成物がワニスの形態である場合にはワニスの指数特性を適応させることにより得られる。
【0018】
それゆえ、ウェブは光学特性に関して有利である。この照明性能は、放出された輝度及び放出された全光束に関して保持される。ウェブが定着している場合、ウェブの全体の外観も保持される。
【0019】
難燃性組成物は、リン含有化合物、ハロゲン含有化合物及び無機充填剤から選択された少なくとも1種の難燃剤を含む。さらに、それは有利には膨張性であり、少なくとも1種のヒドロキシル含有化合物、少なくとも1種のリン含有化合物及び少なくとも1種の発泡剤、例えば窒素含有化合物を含む組成物から成る少なくとも1種の膨張剤を特に含む。それはアルミニウム粒子を含んでもよい。難燃剤及び膨張剤並びにアルミニウム粒子に関するこれらの特徴的性質についての詳細を、補間難燃性被覆の記載を参照して下に示す。
【0020】
本発明の別の主題は、硬質又は半硬質の支持体に付加されている上に定義したような照明ウェブを含む照明構造体であって、該照明ウェブのバルク中に含浸されており、及び/又は該照明ウェブの自由面上の被覆中に含まれている難燃性組成物により該照明ウェブが難燃性である、照明構造体である。
【0021】
照明ウェブの自由面は、前面としても知られており、照明空間を向いている面、例えば建物の隔壁又は天井として使用される場合に照らされている部屋を向いている面である。背面は硬質又は半硬質の支持体に面している面である。
【0022】
硬質又は半硬質の支持体は、照明構造体の使用のために適した任意の支持体であることができる。構造体が建物の一部を形成することを意図としている場合、それは特に建築材料から成ることができる。それゆえ、好ましくは、良好な音響特性及び火に対する反応の良好な特性を有する支持体が使用される。支持体は特に、吊り天井のタイルとして使用することができる石膏ボード若しくは少なくとも部分的に無機の材料のボード、又はミネラルウールに基づく支持体、例えばグラスウール若しくはロックウールに基づく支持体であることができる。
【0023】
特定の実施態様において、照明構造体は、照明ウェブと硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている補間難燃性被覆を含む。
【0024】
補間難燃性被覆は特に、1つ又は複数の塗料層又はワニス層の形態で、硬質又は半硬質の支持体に面している照明ウェブの面上に適用されていてもよい。
【0025】
代替的な形態において、照明構造体は、照明ウェブと硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている、編織又は不織の補間テキスタイルウェブを含むことができ、かつ、補間難燃性被覆が当該補間テキスタイルウェブのある面上に適用されていてもよい。
【0026】
補間難燃性被覆は、好ましくは1つ又は複数の難燃性塗料層の形態で提供される。
【0027】
補間難燃性被覆は、好ましくは80超のアルベドを示す。特に好ましくは、補間難燃性被覆は白い塗料である。
【0028】
このように、発光性布帛により放出される光の補間難燃性被覆による吸収は最小化され、これにより、照明強度を上昇させること、及び/又は電気エネルギーの消費量を低減させることが可能となる。
【0029】
補間難燃性被覆は、50〜300g/m2、好ましくは150〜250g/m2の量で存在することができる。
【0030】
膨張性被覆は、リン含有化合物、ハロゲン含有化合物又は無機充填剤から選択された少なくとも1種の難燃剤を含むことができる。
【0031】
リン含有化合物は、特にホスフェート、ホスホネート又はホスフィネート基を含む化合物から、例えばホスフェート、ポリホスフェート、ホスホネート、ポリホスホネート、ホスフィネート又はポリホスフィネート塩から選択される。それらは有機リン化合物、例えばトリアルキルホスフェート、特にトリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、若しくはトリブトキシエチルホスフェートから選択されるトリアルキルホスフェート、又はアリールホスフェート、特にトリクレジルホスフェート、ジアリールアルキルホスフェート、若しくはトリアリールホスフェートから選択されるアリールホスフェートから選択されてもよい。
【0032】
ハロゲン含有化合物は、特に臭素含有化合物、例えばアルミニウムブロミド若しくはポリブロモジフェニルエーテル、又は塩素含有化合物、例えば塩化亜鉛から選択される。
【0033】
無機充填剤は、特に金属水酸化物、例えばアルミニウム水酸化物、特にアルミニウムモノヒドロキシド又はアルミニウムトリヒドロキシド、及びマグネシウム水酸化物、例えばマグネシウムジヒドロキシドから選択される。
【0034】
補間難燃性被覆は、特に10wt%〜40wt%、好ましくは20wt%〜30wt%の無機充填剤を含む。
【0035】
特定の実施態様において、補間難燃性被覆は膨張性であり、少なくとも1種のヒドロキシル含有化合物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の発泡剤、例えば窒素含有化合物を含む組成物から成る少なくとも1種の膨張剤を特に含む。
【0036】
「膨張性」という語は、組成物又は被覆が過度の熱に暴露された場合に膨張を起こすことができることを意味すると理解される。
【0037】
ヒドロキシル含有化合物は、特にソルビトール又は多価アルコール、例えばペンタエリトリトール若しくはジペンタエリトリトールから選択される。
【0038】
リン含有化合物は、特にアンモニウムホスフェート、例えばアンモニウムポリホスフェートから選択される。
【0039】
窒素含有化合物は、特にメラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド又は尿素から選択される。メラミン誘導体は、特にメラミンホスフェート、例えばメラミンモノホスフェート、メラミンピロホスフェート、又はメラミンポリホスフェートである。
【0040】
照明ウェブは、接着剤を用いて直接的に又は間接的に硬質又は半硬質の支持体に貼り付けることができる。
【0041】
有利には、接着剤は良好な難燃特性を示す。それは、ケイ酸塩、シリコーン、ポリエステル又はポリ(ビニルアセテート)から選択される化合物に基づくことができる。
【0042】
接着剤は、特に商業的に入手可能な接着剤、例えばPromatから入手可能なPromacol接着剤、Simsonから入手可能なFireseal接着剤、又はReichholdから入手可能なDion Fr接着剤であることができる。
【0043】
特定の実施態様において、接着剤は、少なくとも1種の難燃剤を含み、当該難燃剤は好ましくは無機充填剤から選択され、特にアルミニウム水酸化物、例えばアルミニウムトリヒドロキシド又はアルミニウムモノヒドロキシド、及びマグネシウム水酸化物、例えばマグネシウムジヒドロキシドから選択される。
【0044】
接着剤は、特に10wt%〜40wt%、好ましくは20wt%〜30wt%の無機充填剤を含む。
【0045】
接着剤中の難燃剤、特に無機充填剤の存在は、照明構造体の火に対する反応の特性を強化することを可能とする。驚くべきことに、難燃剤、例えば無機充填剤の接着剤への添加は、火に対する反応に関し、照明ウェブ上の被覆に含まれている、及び/又は照明ウェブに含浸している難燃性組成物との相乗効果を有する。難燃剤の添加は、照明ウェブの背面に適用されている補間難燃性被覆と組み合わせた場合にも相乗効果を有する。
【0046】
照明構造体は、アルミニウム粒子を含むこともできる。アルミニウム粒子は、例えば補間難燃性被覆のバルク及び/又は接着剤のバルク中で混合することにより補間難燃性被覆中及び/又は接着剤中に組み込まれる。アルミニウム粒子は、補間難燃性被覆及び/又は中間接着層の適用後に、補間難燃性被覆及び/又は中間接着層に分散していてもよい。
【0047】
上記の種々の実施態様は、当業者により組み合わせることができることに留意すべきである。一例として、照明構造体は、照明ウェブに含浸している、及び/又は照明ウェブの前面上の被覆に含まれる難燃性組成物、照明ウェブの背面上の補間難燃性被覆、及び難燃剤、例えば無機充填剤を、照明ウェブと硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている接着層中に同時に含むことができる。
【0048】
本発明は、上に定義したような照明ウェブ又は上で定義したような照明構造体の製造方法であって、硬質又は半硬質の支持体に付加される照明ウェブのバルク中に及び/又は少なくとも1つの面上に難燃性組成物を適用して、照明ウェブのバルク中に及び/又は面上に難燃性組成物を含む難燃性照明ウェブを得る適用段階を含み、該照明ウェブは、他の面を介して硬質又は半硬質の支持体に付加することができ、その場合には照明構造体が得られることを特徴とする、方法にも関する。
【0049】
当該照明ウェブは、この特許出願に記載されている種々のタイプであることができる。それは特に縦織及び/又は横織の光ファイバーであって、該ファイバーの長手方向の軸に対して側方に光を放出することができる光ファイバーを含む照明テキスタイルウェブであることができる。
【0050】
照明ウェブのバルクに含浸することにより、難燃性組成物を適用することが可能である。当業者に従来知られている液体組成物の任意の堆積方法に従い、特にパディング、ディッピング、乾燥、被覆、スプレーにより、ブラシ又はロールを用いて、難燃性組成物を被覆として適用することが可能である。
【0051】
特に、照明ウェブを構成する材料と親和性であるように選択された溶媒中で難燃性組成物を適用することが可能である。「親和性」という語は、溶媒が照明ウェブを実質的に害してはならないこと、特にそれが照明ウェブの光学特性を実質的に害してはならないことを意味するものと理解される。この溶媒は、周囲温度での構造体の乾燥中に、又は加熱されることにより気化する。
【0052】
それゆえ、テキスタイルウェブの光ファイバーがプラスチック製、例えばポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)製の被覆を有する場合、溶媒はこのプラスチックと親和性であるように選択される。
【0053】
溶媒は特に水である。
【0054】
有利には、周囲温度でBrookfieldレオメータを用いて測定される粘度が10〜7000mPa・sである難燃性組成物を適用する。
【0055】
難燃性組成物は、好ましくは組成物の全質量の5%〜95%を表す固形分を有する。
【0056】
特定の実施態様において、難燃性組成物を放射線照射の下で架橋することができ、適用段階の後に照明構造体は、難燃性組成物を架橋させるために放射線照射される。
【0057】
放射線照射は、紫外線の下で、赤外線の下で、又は電子ビームにより実施することができる。
【0058】
別の実施態様において、難燃性組成物を、特に被覆の形態で適用した後に周囲温度で又は100℃未満の温度で乾燥する。
【0059】
本発明の別の主題は、上に定義したような照明ウェブ、又は上に定義したような方法により製造された照明ウェブの、塗装用キャンバス若しくは延伸された布帛としての、又はその構成要素としての使用である。
【0060】
本発明は、上に定義したような照明ウェブ、又は上に定義したような方法により製造された照明ウェブを含む塗装用キャンバス又は布帛にも関する。
【0061】
本発明は、上に記載したような照明ウェブであって、塗装用キャンバス若しくは延伸された布帛として、又はその構成要素として使用することが意図され、壁又は天井の被覆として使用することができ、該壁又は天井を形成する硬質又は半硬質表面に付加される、照明ウェブにも関する。塗装用キャンバスは一般に、被覆すべき壁面に接着接合される。延伸された布帛は、必要に応じてそれ自体で知られている機械的な貼付手段及び引張手段により、延伸されて織り端を介して天井に吊るされているか、又は壁に沿って延伸されている布帛である。
【0062】
本発明による照明構造体の主な適用分野は、建設業の分野、特に住宅の分野にある。
【0063】
それゆえ、本発明は、上に定義したような照明構造体、又は上で定義したような方法により製造された照明構造体の、建物における隔壁、内張り又は天井としての使用に関する。
【0064】
当該構造体は、火に対する反応についての現行の規格、特に欧州規格EN 13501に適合する。
【0065】
さらに、当該構造体は、特に不透明な保護体を発光性布帛の前面に出している構造体と比較して、有利な照明性能を示し、また構造体が設置された部屋をより良好に照らすこと及び/又は所望の照明を提供するためのエネルギー消費をより少なくすることを可能とする。
【0066】
当該構造体はまた、防音に適した支持体を組み込む場合、良好な音響特性を有する。
【0067】
本発明の主題をより良く説明するため、その特定の実施例を、添付図面を参照しながら以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】火炎伝播試験後の非難燃性対照照明構造体(A)及び本発明による照明構造体(B)を示す。
図2】火炎伝播試験後の非難燃性対照照明構造体(A)及び本発明の別の実施態様による照明構造体(B)を示す。
【0069】
次の例は、本発明の範囲を更に制限することなく、本発明を説明する。
【0070】
[例1:グラスウール製の支持体についての火炎伝播試験]
本発明による照明構造体のサンプルを、1.5cm×10cmの寸法を有するパネルの形態で作製した。支持体は、40mmの厚さ及び55kg/m3の密度を有する、グラスウールに基づくEcophon壁パネルである。
【0071】
グラスファイバーとともに織られ、PMMAで被覆されている光ファイバーで形成された照明布帛を、支持体に接着接合(Gludan 654接着剤)させる。
【0072】
2つのサンプル、すなわち、照明布帛がIris Verniciからの難燃性ワニスChar17(200g/m2)で前面上を被覆されている試験サンプル、及び非難燃性対照サンプルを調製した。
【0073】
火炎伝播試験は、各サンプルをシガレットライターの火に10秒間暴露することにある。40秒後、図1に示したように、サンプル上の火の伝播を観察する。
【0074】
難燃性被覆がない場合、対照サンプルは火に暴露してから10秒後に着火する(図1A)。燃焼は、当該サンプルの表面上を急速に伝播し、また深さ方向においてはグラスウール製の支持体の中に侵入する。
【0075】
難燃性被覆によって、本発明のサンプルは火への暴露の時間を20秒にした場合でも着火しない(図1B)。
【0076】
このように、難燃性被覆はサンプルの燃焼を効果的に抑制する。
【0077】
[例2:石膏製の支持体についての火炎伝播試験]
この例は、グラスウール製の支持体の代わりに13mmの厚さを有する石膏製の支持体を使用したことを除き、前の例と同様の方法で実施する。
【0078】
各サンプルをシガレットライターの火に10秒間暴露する。40秒後、図2に示したように、サンプル上の火の伝播を観察する。
【0079】
石膏製の支持体は、グラスウール製の支持体よりも良好な火に対する反応を示す。それゆえ、難燃性被覆がない場合、燃焼はグラスウール製の支持体を含むサンプルについてよりも弱い。非難燃性石膏製の対照サンプルはそれでもなお、残りの火炎の存在(○で囲んだ箇所、図2A)に見られるように、火に暴露してから10秒後に着火する。
【0080】
前の例と同様に、難燃性被覆の効果は明らかであり、本発明によるサンプルの燃焼がないことに反映される(図2B)。
【0081】
[例3:ミネラルウール製の支持体についてのコーン熱量計試験]
この試験を、グラスウールに基づく支持体から成り、40mmの厚さ及び55kg/m3の密度を有する10×10cmのサンプルであって、PMMAで被覆されている光ファイバーで形成され、グラス/シリコーン繊維とともに織られたある厚さの照明布帛が接着接合(Gludan 654接着剤、200g/m2)されているサンプルについて実施する。
【0082】
サンプル1〜5は、ミネラルウール製の支持体を含む。
【0083】
比較サンプル1は、照明布帛上のいかなる被覆も、また接着剤中のいかなる添加剤も有しない。
【0084】
比較サンプル2は、照明布帛上のいかなる被覆も有さず、接着剤中にAl(OH)3無機充填剤(接着剤の全質量に対して20wt%)を含む。
【0085】
サンプル3は、透明難燃性ワニスChar17(200g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されている。
【0086】
サンプル4は、透明難燃性ワニスChar17(200g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されており、接着剤中にAl(OH)3無機充填剤(接着剤の全質量に対して20wt%)を含む。
【0087】
サンプル5は、透明難燃性ワニスChar17(200g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されており、また難燃性塗料(Nullifireから入手可能なS707−60、140g/m2)で照明布帛のミネラルウール支持体に接触している面上が被覆されている。
【0088】
各サンプルをコーン熱量計に設置し、50kW/m2の放射熱源にさらす。この測定法は、ISO 5660−1及びISO 5660−2規格に対応する。熱の放出は、時間の関数として測定し、それにより熱の放出のピーク値を得ることが可能となる。また、サンプルの着火時間を、熱の適用の初期から開始して測定する。
【0089】
各サンプルについてのピーク熱放出値及び着火時間を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
このように、本発明による照明構造体は、コーン熱量計試験の間にわたって低減したピーク熱放出、及び当該照明構造体のうちの幾つかについては低減した着火時間を示す。
【0092】
接着剤中の無機充填剤の使用は、Char17の被覆と組み合わせない場合には熱の放出に対して有意には作用しない(サンプル2)。
【0093】
他方、接着剤中の無機充填剤と、発光性布帛の前面上のChar17の被覆との組み合わせは、驚くべきことにサンプルの熱の放出及び着火時間の両方に対する相乗効果を有する(サンプル4)。
【0094】
2つの被覆、すなわち前(自由)面上の難燃性ワニスと、発光性布帛の背面上の難燃性塗料との組み合わせもまた、驚くべきことにサンプルの熱の放出及び着火時間に対する相乗効果を有する(サンプル5)。
【0095】
[例4:石膏製の支持体についてのコーン熱量計試験]
サンプル6〜8は、支持体が13mmの厚さを有する石膏ボードであることを除き、サンプル1、3及び5と同一のベース構造を有する。
【0096】
サンプル6は、照明布帛上のいかなる被覆も、また接着剤中のいかなる添加剤も有しない。
【0097】
サンプル7は、透明難燃性ワニスChar17(200g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されている。
【0098】
サンプル8は、透明難燃性ワニスChar17(200g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されており、また難燃性塗料(Nullifireから入手可能なS707−60、140g/m2)で照明布帛の石膏支持体に接触している背面上が被覆されている。
【0099】
サンプルを、コーン熱量計で前の例についてと同一の条件の下で試験する。
【0100】
各サンプルについてのピーク放熱値を表2に示す。
【0101】
【表2】
【0102】
このように、本発明による照明構造体は低減したピーク熱放出を示す。
【0103】
2つの被覆、すなわち前面上の難燃性ワニスと、発光性布帛の背面上の難燃性塗料との組み合わせもまた、驚くべきことにサンプルの熱の放出に対する相乗効果を有する(サンプル8)。
【0104】
2つの被覆、すなわち前面上の難燃性ワニスと、発光性布帛の背面上の難燃性塗料との組み合わせもまた、驚くべきことにサンプルの熱の放出に対する相乗効果を有する(サンプル8)。
【0105】
[例5:ミネラルウール製の支持体についてのSBI試験(NF EN 13823規格)]
比較例9は、照明布帛上のいかなる被覆も、また接着剤中のいかなる添加剤も有しない。
【0106】
サンプル10は、透明難燃性ワニスChar17(250g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されている。
【0107】
サンプル11は、透明難燃性ワニスChar17(250g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されており、また難燃性塗料(Nullifireから入手可能なS707−60、140g/m2)で照明布帛のミネラルウール支持体に接触している面上が被覆されている。
【0108】
【表3】
【0109】
[例6:石膏製の支持体についてのSBI試験(NF EN 13823規格)]
比較サンプル12は、照明布帛上のいかなる被覆も、また接着剤中のいかなる添加剤も有しない。
【0110】
サンプル13は、透明難燃性ワニスFX100(176g/m2)で照明布帛の自由面上が被覆されている。
【0111】
【表4】
本発明の実施態様の一部を以下の項目〈1〉−〈28〉に記載する。
〈1〉 照明ウェブのバルク中に含浸されており、及び/又は照明ウェブの少なくとも1つの面上の被覆に含まれている難燃性組成物により難燃性であることを特徴とする、照明ウェブ。
〈2〉 縦織及び/又は横織の光ファイバーであって、該ファイバーの長手方向の軸に対して側方に光を発することができる光ファイバーを含むテキスタイルウェブから成ることを特徴とする、項目1に記載の照明ウェブ。
〈3〉 前記難燃性組成物が、照明ウェブの少なくとも1つの面上の難燃性被覆中に含まれ、特に1つ又は複数の難燃性ワニス層の形態で提供されることを特徴とする、項目1又は2に記載の照明ウェブ。
〈4〉 前記難燃性組成物が、100〜350g/m2の量で存在することを特徴とする、項目3に記載の照明ウェブ。
〈5〉 前記難燃性組成物が照射面の発光を有意に損なわないようなものであることを特徴とする、項目1〜4のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
〈6〉 発光面に対して垂直に測定される前記組成物に起因する前記照明ウェブの輝度の損失が30%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満であることを特徴とする、項目5に記載の照明ウェブ。
〈7〉 前記難燃性組成物が、リン含有化合物、ハロゲン含有化合物及び無機充填剤から選択された少なくとも1種の難燃剤を含むことを特徴とする、項目1〜6のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
〈8〉 前記難燃性組成物が膨張性であり、特に少なくとも1種のヒドロキシル含有化合物、少なくとも1種のリン含有化合物及び少なくとも1種の発泡剤を含む組成物から成る少なくとも1種の膨張剤を含むことを特徴とする、項目1〜7のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
〈9〉 前記難燃性組成物がアルミニウム粒子を含むことを特徴とする、項目1〜8のいずれか1項に記載の照明ウェブ。
〈10〉 硬質又は半硬質の支持体に付加されている項目1〜9のいずれか1項に記載の照明ウェブを含む照明構造体であって、該照明ウェブのバルク中に含浸されており、及び/又は該照明ウェブの自由面上の被覆中に含まれている難燃性組成物により該照明ウェブが難燃性である、照明構造体。
〈11〉 前記照明ウェブと前記硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている補間難燃性被覆を含むことを特徴とする、項目10に記載の照明構造体。
〈12〉つ又は複数の塗料層又はワニス層の形態で、前記硬質又は半硬質の支持体に面している前記照明ウェブの面上に適用されたことを特徴とする、項目10又は11に記載の照明構造体。
〈13〉 前記照明ウェブと前記硬質又は半硬質の支持体との間に挿入されている、編織又は不織の補間テキスタイルウェブを含むこと、及び前記補間難燃性被覆が該補間テキスタイルウェブのある面上に適用されたことを特徴とする、項目10又は11に記載の照明構造体。
〈14〉 前記補間難燃性被覆が1つ又は複数の難燃性塗料層の形態で提供されることを特徴とする、項目11〜13のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈15〉 前記補間難燃性被覆が80超のアルベドを示し、特に白い塗料であることを特徴とする、項目11〜14のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈16〉 前記補間難燃性被覆が50〜300g/m2の量で存在することを特徴とする、項目11〜15のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈17〉 前記補間難燃性被覆がリン含有化合物、ハロゲン含有化合物及び無機充填剤から選択された少なくとも1種の難燃剤を含むことを特徴とする、項目10〜16のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈18〉 前記補間難燃性被覆が膨張性であり、少なくとも1種のヒドロキシル含有化合物、少なくとも1種のリン含有化合物、及び少なくとも1種の発泡剤を含む組成物から成る少なくとも1種の膨張剤を特に含むことを特徴とする、項目10〜17のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈19〉 前記照明ウェブが、ケイ酸塩、シリコーン、ポリエステル又はポリ(ビニルアセテート)から選択された化合物に基づく接着剤を用いて直接的に又は間接的に前記硬質又は半硬質の支持体に貼り付けられていることを特徴とする、項目10〜18のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈20〉 前記照明ウェブが、少なくとも1種の難燃剤、例えば無機充填剤を含む接着剤を用いて直接的に又は間接的に前記硬質又は半硬質の支持体に貼り付けられていることを特徴とする、項目10〜19のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈21〉 アルミニウム粒子を含むことを特徴とする、項目10〜20のいずれか1項に記載の照明構造体。
〈22〉 項目1〜9のいずれか1項に記載の照明ウェブ又は項目10〜21のいずれか1項に記載の照明構造体の製造方法であって、照明ウェブのバルク中に及び/又は少なくとも1つの面上に難燃性組成物を適用して、照明ウェブのバルク中に及び/又は面上に難燃性組成物を含む難燃性照明ウェブを得る適用段階を含み、該照明ウェブは、他の面を介して硬質又は半硬質の支持体に付加することができ、その場合には該照明構造体が得られることを特徴とする、方法。
〈23〉 前記照明ウェブを構成する材料と親和性であるように選択された溶媒中で前記難燃性組成物を適用することを特徴とする、項目22に記載の方法。
〈24〉 周囲温度で測定される粘度が10〜7000mPa・sである難燃性組成物が適用されることを特徴とする、項目22又は23に記載の方法。
〈25〉 前記難燃性組成物が放射線照射の下で架橋することができること、及び前記適用段階の後に前記照明構造体が、前記難燃性組成物を架橋させるために放射線照射されることを特徴とする、項目22〜24のいずれか1項に記載の方法。
〈26〉 項目1〜9のいずれか1項に記載の照明ウェブ、又は項目22〜25のいずれか1項に記載の方法により製造された照明ウェブの、塗装用キャンバス若しくは延伸された布帛としての、又はその構成要素としての使用。
〈27〉 項目1〜9のいずれか1項に記載の照明ウェブ、又は項目22〜25のいずれか1項に記載の方法により製造された照明ウェブを含む、塗装用キャンバス又は延伸された布帛。
〈28〉 項目10〜21のいずれか1項に記載の照明構造体、又は項目22〜25のいずれか1項に記載の方法により製造された照明構造体の、建物における隔壁、内張り又は天井としての使用。
図1A
図1B
図2A
図2B