(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ジエン系ゴムと反応する官能基が、ポリスルフィド基、チオール基、ヒドラジド基及びヒドラゾン基から選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
前記化合物Aが、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−ジスルファンジイルエタンアミン、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミド、ビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファン、ビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファン、2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジド、及び2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトヒドラジドから選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミド、ビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファン、ビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファン、ビス[2−(2,3−ジフェニルグアニジノ)エチル]ジスルファン及び2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジドから選ばれる少なくとも1つである、請求項8に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム50質量%以上からなるゴム成分100質量部に対して、充填材を20〜150質量部、下記の式(I)で表されるグアニジン構造を有し、かつ該ジエン系ゴムと反応する官能基を有する化合物Aを0.05〜30質量部配合してなることを特徴とする。
【0009】
【化2】
上記の式(I)で表されるグアニジン構造は充填材と効果的に反応し、ジエン系ゴムと反応する官能基と協働して、充填材とゴム成分との化学的相互作用を高め、ゴム組成物の高い弾性率と低いtanδとを同時に得ることができる。
【0010】
[化合物A]
本発明に係る化合物Aは、上記の式(I)で表されるグアニジン構造を有し、かつジエン系ゴムと反応する官能基を有する。
このグアニジン構造は、下記式(II-1)又は(II-2)で表される複素環を形成することが好ましい。
【0011】
【化3】
グアニジン構造は、上記式(II-1)又は(II-2)で表される複素環を形成することにより、芳香族性を有するので、カーボンブラック骨格との親和性が高まり、化合物Aとカーボンブラックとの化学的相互作用がより高くなる。これにより、ゴム組成物の高弾性率と低tanδとの両立がさらに高度に改良されることとなる。この芳香族性の観点から、上記式(II-1)又は(II-2)のアミジン構造に芳香環が縮合して多環構造を形成してもよい。ここで、芳香環としては、4〜7員環が挙げられ、5員環及び6員環が好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係るグアニジン構造は、グアニジン構造内の窒素原子に直接カルボニル基が結合してなる、下記式(III)で表されるアミド構造を有することが好ましい。このような構造をとることにより、未加硫ゴム組成物のスコーチタイムが長くなり、より良好な未加硫ゴム組成物の作業性が得られる。
【0014】
本発明に係る化合物Aは、上記のグアニジン構造と共に、ジエン系ゴムと反応する官能基を有することを特徴とする。このジエン系ゴムと反応する官能基としては、ポリスルフィド基、チオール基(メルカプト基とも称される)、ヒドラジド基及びヒドラゾン基から選ばれる少なくとも1つであることが、ジエン系ゴムと効率的に反応し、ゴム組成物のより強固な補強層を形成する観点から好ましい。
また、本発明に係る化合物Aは、下記の式(A1)で表される化合物及び(A2)で表される化合物から選ばれる化合物であることが、ジエン系ゴムと効率的に反応し、ゴム組成物の高い弾性率と低いtanδとを同時に得る観点からより好ましい。
【0015】
【化5】
[式中、X
1は炭素数1〜7のアルキレン基を表す。mは1又は2、nは0又は1の整数を表す。Qは下記のQ1乃至Q7のいずれかの官能基を表す。Q1乃至Q7において、R
1はフェニル基を表し、R
2は水素原子又はフェニル基を表し、R
3及びR
4は同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。但し、QがQ5であって、R
2が水素原子、X
1がエチレン基、mが2及びnが0である化合物を除く。]
【0017】
【化7】
[式中、Qは前記の式(A1)で表される化合物と同じであるQ1乃至Q7のいずれかの官能基を表す。X
2は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。Yは下記の官能基(Y1)又は下記の官能基(Y2)を表す。官能基(Y1)において、R
6及びR
7は、同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す。官能基(Y2)において、R
8及びR
9は同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。R
8及びR
9は互いに結合して炭素数2〜7のアルキレン基を形成してもよい。但し、QがQ3であって、R
3及びR
4が水素原子、X
2がメチレン基である化合物を除く。]
【0019】
本明細書において示される各基は、次の通りである。
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば前記炭素数1〜4のアルキル基で例示した置換基に加えて、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基を挙げることができる。これらアルキレン基は、置換基を有していてもよく、任意の炭素原子が窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる一種以上の原子と置換されていてもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、−CH
2NHCH
2−、−CH
2NHCH
2CH
2−、−CH
2OCH
2CH
2−、−CH
2SCH
2CH
2−等が挙げられる。
炭素数1〜7のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基を挙げることができる。これらアルキレン基は、置換基を有していてもよく、任意の炭素原子が窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる一種以上の原子と置換されていてもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、−CH
2NHCH
2−、−CH
2NHCH
2CH
2−、−CH
2NHNHCH
2−、−CH
2CH
2NHCH
2CH
2−、−CH
2NHNHCH
2CH
2−、−CH
2NHCH
2NHCH
2−、−CH
2CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
2−、−CH
2OCH
2CH
2−、−CH
2CH
2OCH
2CH
2−、−CH
2SCH
2CH
2−、−CH
2CH
2SCH
2CH
2−等が挙げられる。
炭素数2〜7のアルキレン基としては、前記炭素数1〜7のアルキレン基で例示したものからメチレン基を除いたものが挙げられる。
本発明の一般式(A1)又は(A2)で表される化合物は、その構造式中に炭素−炭素二重結合又は炭素−窒素二重結合に由来する幾何異性体が存在する場合には、本発明は各々の幾何異性体及びそれらが任意の割合で含まれる混合物をも全て包含するものである。
【0020】
本発明において、式(A1)で表される化合物の中でも、QがQ1、Q3、Q5及びQ6から選ばれる化合物が、ゴム組成物の高い弾性率と低いtanδとを同時に得る観点からさらに好ましく、QがQ1、Q3及びQ5から選ばれる化合物が特に好ましい。但し、式(A1)で表される化合物から、R
2が水素原子であり、X
1がエチレン基であり、mが2であり、かつnが0である化合物を除くことが望ましい。
さらに、式(A1)で表される化合物の中で、QがQ1である場合は、R
1及びR
3の少なくとも1つがフェニル基である化合物がゴム組成物の高い弾性率と低いtanδとを同時に得る観点から好ましい。
式(A1)で表される化合物の中で、nが1である化合物が好ましく、mが2である化合物が好ましい。また、式(A1)で表される化合物の中で、X
1がメチレン基、エチレン基、トリメチレン、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、及び基−CH
2CH
2OCH
2CH
2−等の炭素数1〜5のアルキレン基から選ばれる基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、及び基−CH
2CH
2OCH
2CH
2−から選ばれる基であることがより好ましい。
式(A1)で表される化合物の中で、QがQ3である場合は、R
3がフェニル基である化合物が好ましく、R
3及びR
4が水素原子である化合物が好ましく、R
3及びR
4がメチル基である化合物が好ましく、R
3がメチル基であり、かつR
4がフェニル基である化合物が好ましい。
式(A1)で表される化合物の中で、QがQ5であって、R
2がフェニル基、R
4が水素原子である化合物が好ましい。
式(A1)で表される化合物の中で、QがQ5である場合は、nが0であり、かつR
2がフェニル基である化合物が好ましく、nが0であり、かつX
1が基−CH
2CH
2OCH
2CH
2−である化合物が好ましく、nが1である化合物が好ましい。
【0021】
本発明において、式(A2)で表される化合物の中で、QがQ1、Q3及びQ5から選ばれる基である化合物が好ましい。
式(A2)で表される化合物の中で、QがQ1である化合物がより好ましい。式(A2)で表される化合物の中で、QがQ1であって、R
1及びR
3の少なくとも1つがフェニル基である化合物がさらに好ましい。
また、式(A2)で表される化合物の中でも、QがQ3である化合物が好ましい。但し、R
3及びR
4が水素原子、X
2がメチレン基である化合物を除く。
式(A2)で表される化合物の中で、R
1及びR
3がフェニル基であって、Yが官能基(Y1)である化合物が好ましい。
式(A2)で表される化合物の中で、QがQ5であって、Yが官能基(Y1)である化合物が好ましく、更にはR
6及びR
7が水素原子である化合物がより好ましい。
式(A2)で表される化合物の中で、QがQ5であって、Yが官能基(Y2)である化合物が好ましく、更にはR
8がメチル基、R
7がイソブチル基である化合物がより好ましい。
式(A2)で表される化合物の中で、X
2がメチレン基又はエチレン基であることがより好ましい。
【0022】
本発明の式(A1)で表される化合物及び式(A2)で表される化合物は、下記の反応式−1、反応式−2、反応式−3、反応式−4、反応式−5又は反応式−6に示す方法により製造される。
【0023】
【化9】
[反応式中、Q及びX
1は、前記の式(A1)で表される化合物におけるQ及びX
1と同じである。]
【0024】
反応式−1によれば、2分子の式(1)で表されるチオール化合物を溶媒中で酸化的に結合させることにより、式(A1−1)で表される化合物を製造することができる。
反応式−1の反応で使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、水、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(1)で表されるチオール化合物1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0025】
反応式−1の反応で使用する酸化剤としては、過酸化水素、ヨウ素、臭素、過マンガン酸カリウム、硫酸銅、二酸化鉛、Fe
3+錯体、NO、N
2O
4、NO
2等の窒素酸化物、ジメチルスルホキシド、ジアリールセレノキシド、2−ポリビニルピリジン-臭素の 1:1付加体、ビピリジンとCu(II)、Cr(II)の金属錯体等を挙げることができる。また、ビス[ベンジルトリエチルアンモニウム]ジクロマート、テトラブチルアンモニウムクロマートを用いた相関移動反応によっても合成することができる。
このような酸化剤は、式(1)で表されるチオール化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0026】
反応式−1の反応は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0027】
【化10】
[式中、R
1、R
2、R
3、X
1及びmは、前記と同じである。]
【0028】
反応式−2によれば、式(2)で表されるカルボジイミド化合物と式(3)で表されるジアミン化合物又はそれらの塩とを溶媒中で、塩基の存在下又は非存在下で縮合させることにより、式(A1−2)で表される化合物を製造することができる。
【0029】
反応式−2の反応で使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(2)で表されるカルボジイミド化合物1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0030】
反応式−2の反応で、式(3)で表されるジアミン化合物の塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩、又は、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸塩をあげることができる。
このようなジアミン化合物又はそれらの塩は、塩基存在下、式(2)で表されるカルボジイミド化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0031】
反応式−2の反応で用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、若しくは炭酸水素カリウム等の無機塩基を挙げることができる。このような塩基は、式(3)で表されるジアミン又はそれらの塩に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0032】
反応式−2の反応は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0033】
【化11】
[式中、Q、X
1及びmは前記と同じである。Zは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]
【0034】
反応式−3によれば、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩と式(5)で表されるジ酸ハロゲン化物とを溶媒中で、塩基の存在下又は非存在下で縮合させることにより、式(A1−3)で表される化合物を製造することができる。
【0035】
反応式−3の反応で使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0036】
反応式−3の反応において、式(4)で表されるアミン化合物の塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩、又は、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸塩を挙げることができる。
このようなジアミン又はそれらの塩は、式(5)で表されるジ酸ハロゲン化物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜2.5当量となるような量で使用すればよい。
なお、反応式−3の反応において、式(4)で表されるアミン化合物のQがQ2、Q3又はQ4で表される基であって、それらの基の置換基R
3又はR
4が水素原子である場合は、当該水素原子が結合する窒素原子をtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセチル基、ピバロイル基等のアシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等の保護基で保護していてもよい。保護基による保護又は脱保護の方法は一般に行われる方法を適用すればよい。
【0037】
反応式−3の反応で用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基を挙げることができる。このような塩基は、式(4)で表されるアミン又はそれらの塩に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0038】
反応式−3の反応は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0039】
【化12】
[式中、Q、X
1及びmは前記と同じである。]
【0040】
反応式−4によれば、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩と式(6)で表されるジカルボン酸化合物を溶媒中で、塩基の存在下又は非存在下で、縮合剤を用いて縮合させることにより、式(A1−3)で表される化合物を製造することができる。
【0041】
反応式−4の反応で使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0042】
反応式−4の反応において、式(4)で表されるアミン化合物の塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩をあげることができる。
このようなジアミン又はそれらの塩は、式(6)で表されるジカルボン酸化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜2.5当量となるような量で使用すればよい。
【0043】
なお、反応式−4の反応において、式(4)で表されるアミン化合物のQが、前記の式(A1)で表される化合物と同じのQ2、Q3又はQ4で表される基であって、それらの基の置換基R
3又はR
4が水素原子である場合は、当該水素原子が結合する窒素原子をtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセチル基、ピバロイル基等のアシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等の保護基で保護していてもよい。保護基による保護又は脱保護の方法は一般に行われる方法を適用すればよい。
【0044】
反応式−4の反応に用いられる縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物、カルボジイミダゾール等が挙げられる。このような縮合剤は、式(6)で表されるジカルボン酸に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは2〜2.5当量となるような量で使用すればよい。
【0045】
反応式−4の反応で用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基を挙げることができる。このような塩基は、式(4)で表されるアミン又はそれらの塩に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0046】
反応式−4の反応においては、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0047】
【化13】
[式中、X
2及びYは前記と同じである。Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
【0048】
反応式−5によれば、式(7)で表されるフェニレンジアミン又はその塩と式(8)で表されるイソチオシアナートカルボン酸エステル化合物を溶媒中で、塩基の存在下又は非存在下で、縮合剤を用いて縮合させる(工程1)ことにより式(9)で表されるエステル化合物を製造させ、得られた式(9)で表されるエステル化合物にヒドラジン化合物を溶媒中又は無溶媒下で、塩基の存在下又は非存在下で反応させることにより式(A2−1)で表される化合物を製造することができる。
【0049】
反応式−5の工程1で使用される溶媒としては、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(8)で表されるイソチオシアナートカルボン酸エステル化合物1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0050】
反応式−5の工程1において使用される式(7)で表されるフェニレンジアミンの塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩をあげることができる。
フェニレンジアミン又はその塩の使用量としては、式(8)で表されるイソチオシアナートカルボン酸エステル化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜2.5当量となるような量で使用すればよい。
【0051】
反応式−5の工程1において用いられる縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物、カルボジイミダゾール等が挙げられる。このような縮合剤は、式(8)で表されるイソチオシアナートカルボン酸エステル化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは2〜2.5当量となるような量で使用すればよい。
【0052】
反応式−5の工程1において用いられる塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基を挙げることができる。このような塩基は、式(7)で表されるフェニレンジアミン又はその塩に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0053】
反応式−5の工程1は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0054】
反応式−5の工程2において使用される溶媒としては、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等のアルコール等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(9)で表されるエステル化合物1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0055】
反応式−5の工程2において使用されるヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1−メチル−1−(1−メチルエチル)ヒドラジン等のモノ置換又は1,1−ジ置換ヒドラジンを挙げることができ、それらの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩を挙げることができる。
これらのヒドラジン化合物は、式(9)で表されるエステル化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜2.5当量となるような量で使用すればよい。
【0056】
反応式−5の工程2において使用される塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基を挙げることができる。
このような塩基は、ヒドラジン化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0057】
反応式−5の工程2は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0058】
また、反応式−5の工程2は、式(9)で表されるエステル化合物とヒドラジン(反応においてはヒドラジン一水和物を用いるのが好ましい)との反応で得られる式(A2−1)で表されるヒドラジド化合物(Y=NH
2)に、アルデヒド化合物又はケトン化合物を反応させる工程を包含する。
アルデヒド化合物又はケトン化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、ペンタナール(バレルアルデヒド)、ヘキサナール(カプロンアルデヒド)、ヘプタナール等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキルアルデヒド化合物、ベンズアルデヒド等のアリールアルデヒド化合物、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキルケトン化合物、シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等の炭素数3〜8の環状アルキルケトン化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のアリールケトン化合物が挙げられる。
アルデヒド化合物又はケトン化合物は式(A2−1)で表されるヒドラジド化合物(Y=NH
2)に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.1当量となるような量で使用すればよい。
【0059】
反応式−5の工程2において使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等のアルコール等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、ヒドラジド化合物1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0060】
【化14】
[式中、Q、R、X
2、Y及びZは前記と同じである。]
【0061】
反応式−6によれば、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩と式(10)で表される2−ハロカルボン酸エステル化合物を溶媒中で、塩基の存在下又は非存在下で縮合させることにより、式(11)で表されるエステル化合物を製造し(工程1)、得られた式(11)で表されるエステル化合物にヒドラジン化合物を溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下又は非存在下で反応させることにより、式(A2−2)で表される化合物を製造することができる(工程2)。
また、式(A2−2)で表される化合物は、溶媒中又は無溶媒で、式(11)で表されるエステル化合物とヒドラジン一水和物との反応で得られたヒドラジド化合物とアルデヒド又はケトン化合物との縮合反応によっても製造することができる。
【0062】
反応式−6の工程1において使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等のアルコール等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0063】
反応式−6の工程1において使用される式(4)で表されるアミン化合物の塩としては、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩、又は、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸塩をあげることができる。
このような式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩は、式(10)で表される2−ハロカルボン酸エステル化合物に対して、通常0.01〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは0.9〜1.1当量となるような量で使用すればよい。
なお、反応式−6の反応において、式(4)で表されるアミン化合物のQがQ2、Q3又はQ4で表される基であって、それらの基の置換基R
3又はR
4が水素原子である場合は、当該水素原子が結合する窒素原子をtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセチル基、ピバロイル基等のアシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等の保護基で保護していてもよい。保護基による保護又は脱保護の方法は一般に行われる方法を適用すればよい。
【0064】
反応式−6の工程1において使用される塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N,N―ジメチル−4−アミノピリジン等の有機塩基又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基を挙げることができる。
このような塩基は、式(4)で表されるアミン化合物又はそれらの塩に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.5当量となるような量で使用すればよい。
【0065】
反応式−6の工程1は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0066】
また、反応式−6の工程2は、式(11)で表されるエステル化合物とヒドラジン(反応においてはヒドラジン一水和物を用いるのが好ましい)との反応で得られる式(A2−2)で表されるヒドラジド化合物の内、Y=NH
2で表されるヒドラジド化合物を製造上の中間体として用い、そのヒドラジド化合物に、アルデヒド化合物又はケトン化合物を反応させて最終的な式(A2−2)で表されるヒドラジド化合物を得る工程を包含する。
これらのアルデヒド化合物又はケトン化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、ペンタナール(バレルアルデヒド)、ヘキサナール(カプロンアルデヒド)、ヘプタナール等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキルアルデヒド化合物、ベンズアルデヒド等のアリールアルデヒド化合物、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキルケトン化合物、シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等の炭素数3〜8の環状アルキルケトン化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のアリールケトン化合物が挙げられる。
アルデヒド化合物又はケトン化合物は、製造上の中間体としてのY=NH
2である式(A2−2)で表されるヒドラジド化合物に対して、通常0.1〜100当量、好ましくは0.5〜5当量、より好ましくは1〜1.1当量となるような量で使用すればよい。
【0067】
また、反応式−6の工程2において使用される溶媒は、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができ、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族もしくは脂環式炭化水素系溶媒、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N'−ジメチルイミダゾリノン等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等のアルコール等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、ヒドラジド化合物1重量部に対して、通常1〜500重量部程度、好ましくは5〜100重量部程度使用すればよい。
【0068】
また、反応式−6の反応は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、通常−10〜50℃程度、好ましくは室温付近とすればよい。
反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、通常0.5〜24時間程度で該反応は完結する。
【0069】
上記の各反応等により製造される、式(A1)又は(A2)で表される化合物は、通常行われている単離手段、例えば有機溶媒抽出法、クロマトグラフィー法、再結晶法等により、反応混合物から容易に単離され、更に通常の精製手段により精製することができる。
【0070】
本発明に係る化合物Aとしては、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−ジスルファンジイルエタンアミン、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミド、ビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファン、ビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファン、ビス[2−(2,3−ジフェニルグアニジノ)エチル]ジスルファン、2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジド、2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトヒドラジド、ビス[2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファン、ビス[2−(2−ジメチルアミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファン、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−N,N’−ジメチル−2,2’−ジスルファンジイルジエタンアミン、及びN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−[ジスルファンジイルビス(エチレンオキシ)]ジエタンアミンから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
さらに、本発明に係る化合物Aが、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−ジスルファンジイルエタンアミン、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミド、ビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファン、ビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファン、ビス[2−(2,3−ジフェニルグアニジノ)エチル]ジスルファン、2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジド及び2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトヒドラジドから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
ここで、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−ジスルファンジイルエタンアミンは、下記の式(IV)で表される化合物aである。
【0071】
【化15】
また、N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミドは、下記の式(V)で表される化合物bである。
【0072】
【化16】
ビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファンは、下記の式(VI)で表される化合物cである。
【0073】
【化17】
そして、ビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファンは、下記の式(VII)で表される化合物dである。
【0074】
【化18】
また、ビス[2−(2,3−ジフェニルグアニジノ)エチル]ジスルファンは、下記の式(VIII)で表される化合物eである。
【0075】
【化19】
そして、2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジドは、下記の式(IX)で表される化合物fである。
【0076】
【化20】
さらに、2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトヒドラジドは、下記の式(X)で表される化合物gである。
【0077】
【化21】
ビス[2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファンは、下記
(XI)で表される化合物hである。
【0078】
【化22】
ビス[2−(2−ジメチルアミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファンは、下記
(XII)で表される化合物iである。
【0079】
【化23】
N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−N,N’−ジメチル−2,2’−ジスルファンジイルジエタンアミンは、下記(XIII)で表される化合物jである。
【0080】
【化24】
N,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−[ジスルファンジイルビス(エチレンオキシ)]ジエタンアミンは、下記(XIV)で表される化合物kである。
【0082】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、化合物Aを0.05〜30質量部配合することを特徴とするが、0.1〜30質量部配合することが好ましく、0.1〜20質量部配合することがより好ましく、0.1〜10質量部配合することがさらに好ましく、0.1〜5質量部配合することが特に好ましい。
【0083】
[充填材]
本発明のゴム組成物に配合される充填材としては、カーボンブラックが好ましいが、カーボンブラックと無機充填材とを併用してもよい。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、充填材を20〜150質量部配合することを特徴とするが、ゴム成分100質量部に対し、充填材として、カーボンブラック20〜150質量部及び無機充填材0〜130質量部を配合することが好ましい。充填材として、カーボンブラック20〜149質量部及び無機充填材1〜130質量部を配合することがより好ましく、カーボンブラック20〜148質量部及び無機充填材2〜130質量部を配合することがさらに好ましく、カーボンブラック20〜145質量部及び無機充填材5〜130質量部を配合することが特に好ましい。
カーボンブラックを単独配合すれば、カーボンブラックのより強固な補強層が増加し、耐摩耗性や耐破壊性が向上する観点から好ましく、カーボンブラックと無機充填材とを併用して配合すれば、カーボンブラックのみならず無機充填材の補強層も増加し、ウェット性能と耐摩耗性や耐破壊性のバランスが向上する観点から好ましい。
【0084】
(カーボンブラック)
本発明のゴム組成物に用いられる充填材としてのカーボンブラックは、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N
2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m
2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0085】
(無機充填材)
本発明のゴム組成物に用いられる無機充填材としては、シリカが好ましい。このシリカとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m
2/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m
2/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m
2/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積 =205m
2/g)、「ニップシールKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m
2/g)等の市販品を用いることができる。
本発明のゴム組成物にシリカを配合することにより、高弾性率及び低発熱性を維持しつつ、タイヤのウェット性能を向上させることができる。
【0086】
本発明のゴム組成物に用いられる無機充填材として、下記一般式(XV)で表される無機化合物の1種以上を、シリカに加えて又は無機化合物単独で用いることができる。
dM
1・xSiO
y・zH
2O ・・・(XV)
ここで、一般式(XV)中、M
1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(XV)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
【0087】
前記一般式(XV)で表わされる無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al
2O
3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al
2O
3・H
2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)
3]、炭酸アルミニウム[Al
2(CO
3)
2]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)
2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、タルク(3MgO・4SiO
2・H
2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO
2・9H
2O)、チタン白(TiO
2)、チタン黒(TiO
2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)
2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al
2O
3)、クレー(Al
2O
3・2SiO
2)、カオリン(Al
2O
3・2SiO
2・2H
2O)、パイロフィライト(Al
2O
3・4SiO
2・H
2O)、ベントナイト(Al
2O
3・4SiO
2・2H
2O)、ケイ酸アルミニウム(Al
2SiO
5 、Al
4・3SiO
4・5H
2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg
2SiO
4、MgSiO
3等)、ケイ酸カルシウム(Ca
2・SiO
4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al
2O
3・CaO・2SiO
2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO
4)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)
2・nH
2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO
3)
2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などを使用できる。また、前記一般式(XV)中のM
1がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
前記一般式(XV)で表される無機化合物の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
【0088】
本発明のゴム組成物に、シリカなどの無機充填材を配合する場合は、シランカップリング剤を配合することが、無機充填材の補強性を高める観点から好ましく、ゴム加工時の作業性に更に優れると共に、より耐摩耗性の良好なタイヤを与えることができる。このシランカップリング剤の配合量は、質量比{シランカップリング剤/無機充填材}が(1/100)〜(20/100)であることが好ましい。(1/100)以上であれば、ゴム組成物の低発熱性向上の効果をより好適に発揮することとなり、(20/100)以下であれば、ゴム組成物のコストが低減し、経済性が向上するからである。更には質量比(3/100)〜(20/100)であることがより好ましく、質量比(4/100)〜(10/100)であることが特に好ましい。
【0089】
本発明のゴム組成物に用いられるシランカップリング剤は、限定されないが、下記の化合物からなる群から1種以上選択される化合物であることが好ましい。
シランカップリング剤の具体例として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等のアルコキシアルキルポリスルフィド類;3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン{Momentive Performance Materials社製、商品名「NXTシラン」(登録商標)}、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等のアルカノイルチオアルキルトリアルコキシシラン類;Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Low−V Silane」(登録商標);Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Ultra Low−V Silane」(登録商標); Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT−Z」(登録商標)などを挙げることができる。
【0090】
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、ジエン系ゴム50質量%以上からなることを要し、ジエン系ゴム100質量%であることが好ましい。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。 上記の合成ジエン系ゴムとしては、ゴムを構成するモノマーの少なくとも一部としてジエンモノマーを含有するゴムであればよく限定されない。具体的には、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム{塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等}、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
ジエン系ゴム以外のゴム成分としては、エチレン-プロピレン共重合体ゴム(EPM)、アクリルゴム(ACM)、塩素化ポリエチレン(CM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)などが挙げられる。
【0091】
本発明のゴム組成物において、通常、ゴム組成物に配合されるステアリン酸、樹脂酸、亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤、軟化剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において配合される。また、混練の最終段階において、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などが配合される。
本発明のゴム組成物の製造に配合される混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。
【実施例】
【0092】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、動的弾性率E’指数及びtanδ指数を下記の方法により評価した。
【0093】
動的弾性率E’指数及びtanδ指数
上島製作所製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%で測定し、得られた動的弾性率E’又はtanδの数値を、それぞれ比較例1又は2の動的弾性率E’又はtanδの数値を100として下記式にて指数表示した。動的弾性率E’においては、指数値が大きい程、動的弾性率E’が高いことを示す。一方、tanδ指数においては、指数値が小さい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
動的弾性率E’指数={(供試加硫ゴム組成物の動的弾性率E’)/(比較例1又は2の加硫ゴム組成物の動的弾性率E’)}×100
tanδ指数={(供試加硫ゴム組成物のtanδ)/(比較例1又は2の加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
【0094】
製造例1
2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゾイミダゾール10.3gにクロロホルム80mL、塩化チオニル13.8gを加え6時間加熱還流した。減圧留去を行い乾固させクロロエチル体17.3gを得た。得られたクロロエチル体15.1gを水60mL、チオ尿素8.7gを加え90℃に加温し1日間反応を行った。3N水酸化ナトリウム水溶液30mLを加え30分反応を行った後、冷却し室温とした。不溶物をろ過後、濾液に水50mL及び35%過酸化水素水1.0gを加えた。析出物を脱液、減圧乾燥することにより上記式(IV)で表される化合物aであるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−ジスルファンジイルエタンアミンを7.99g得た。
性状:白色固体
融点:240℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6,δppm):3.0(t,2H),3.6(t,2H),6.9(m,3H),7.1(d,2H),10.8(br ,1H)
【0095】
製造例2
アルゴン雰囲気下、1−tert−ブトキシカルボニル−2−アミノベンゾイミダゾール37.8g、脱水テトラヒドロフラン160mlを加え、この懸濁溶液中に4−ジメチルアミノピリジン0.4gを追加した。0℃に冷却した後、3,3’−ジチオビス(プロピオニルクロライド)8g/脱水トルエン8mlをゆっくりと滴下した後に室温に戻し、加熱環流させ3時間撹拌した。反応液を1/2に濃縮後、原料の1−tert−ブトキシカルボニル−2−アミノベンゾイミダゾールをろ過し、濾液に酢酸エチル150mlを加え、水200mlと飽和食塩水150mlで分液後、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮し、黄色の固体を得た。得られた固体にテトラヒドロフラン1g/10ml、トリフルオロ酢酸10当量(クルードを目的物と換算して)を加え、室温で30分撹拌後、水をテトラヒドロフランと同量加え、6M水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、中和した。晶析した固体をろ過し、水、2−プロパノールで洗浄後、減圧下で乾燥を行なうことにより上記式(V)で表される化合物bであるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミドを5.27g得た。
性状:白色固体
融点:233.3℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6 ,δppm):2.90(t,4H),3.08(t,4H),7.07−7.08(m,4H),7.43−7.44(m,4H),11.62(brs,2H),12.03(brs,2H)
【0096】
製造例3
2−アミノベンゾイミダゾール13.3g、脱水テトラヒドロフラン100mlを氷冷下にて冷却した後に3,3’−ジチオビスプロピオニルクロライド(88.9質量%)を 6.17gゆっくりと滴下した後に室温に戻し、2時間撹拌した。水500ml を滴下することで晶析させ、結晶をろ過した後にアセトン 40mlにて解砕洗浄し、結晶をろ過後、減圧下40℃で乾燥することにより上記式(VI)で表される化合物cであるビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファンを8.66g得た
性状:白色固体
融点:228℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6 ,δppm):3.2(t、4H)、3.6(t、4H)、7.0(t、2H)、7.2(t、2H)、7.2(d、2H)、7.4(brs、4H)、7.6(d、2H)
【0097】
製造例4
アルゴン雰囲気下、6,6’−ジチオヘキサン酸5g、2−アミノベンズイミダゾール5.0g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩7.8g、4−ジメチルアミノピリジン415mg及びジクロロメタン50mlの混合物を還流で、3時間反応を行った。室温に冷却後、析出物をろ過、洗浄を行った。析出物に2−プロパノール40mlを加え洗浄後、析出物をろ過、洗浄、減圧下で乾燥を行うことで、上記式(VII)で表される化合物dであるビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファンを7.0g得た。
性状:白色固体
融点:139℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6,δppm):1.5(dt,4H),1.7〜1.8(m,8H),2.7(t,4H),3.1(t,4H),7.0(dd,2H),7.1〜7.2(m,4H),7.4(s,4H),7.6(d,2H),12.0(s,2H)
【0098】
製造例5
シスタミン2塩酸塩0.5g、脱水テトラヒドロフラン5mlの混合物にトリエチルアミン0.45gを加え室温で撹拌した。氷冷し4℃とした後、ジフェニルカルボジイミド0.86g少量ずつ滴下した。ジフェニルカルボジイミドを加え終わった後室温まで昇温し2時間反応を行った。得られた反応液に脱イオン水10mlを加え5分撹拌した。酢酸エチル10mlにて2回分液抽出し有機層を分離した。有機層に無水硫酸ナトリウム約10gを加え脱水した。ろ過後溶媒を留去し、減圧下、40℃で乾燥を行うことにより上記式(VIII)で表される化合物eであるビス[2−(2,3−ジフェニルグアニジノ)エチル]ジスルファンを1.2g得た。
性状:白色非晶質固体
融点:48〜56℃
1H−NMR(300MHz,CDCl
3 ,δppm):2.9(t,4H),3.6(d,4H),4.5(brs,2H),5.7(brs,2H),7.0(brm,12H),7.3(dd,8H)
【0099】
製造例6
イソチオシアナト酢酸エチル25gに脱水テトラヒドロフランを320ml、1,2−フェニレンジアミン19.3gを添加した。60℃で6時間撹拌した後に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩51.44gを添加して70℃にて16時間撹拌した。反応液を氷冷後、炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和し、酢酸エチルにて分液、硫酸ナトリウムにて脱水した後に溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサン:酢酸エチル=2:3の溶媒を添加して結晶化させた後に結晶をろ過し真空ポンプにて一晩乾燥した。中間体15.9gにエタノール300ml、100%ヒドラジン一水和物を10.9g添加し、50℃にて6時間撹拌した。結晶をろ過、エタノールにて洗浄し、真空ポンプにて一晩乾燥することにより上記式(IX)で表される化合物fである2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジドを5.4g得た。
性状:白色固体
融点:253℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6,δppm):3.9(brs、2H)、4.2(brs、2H)、6.7(brs、1H)、6.9(m、2H)、7.1(m、2H)、9.1(brs、1H)、10.8(brs、1H)
【0100】
製造例7
2−アミノベンゾイミダゾール28gにエタノール300mlを加え、室温にてブロモ酢酸エチルを35.12g滴下した。50℃にて3日間撹拌した後に溶媒を減圧留去し、アセトン110mlを加えて結晶をろ過した。ろ液を減圧下濃縮して得られた残渣にメタノール200ml、100%ヒドラジン一水和物を17g加えた後に40℃にて撹拌し、結晶をろ過、メタノール洗浄した後に真空ポンプにて一晩乾燥することにより上記式(X)で表される化合物gである2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトヒドラジドを8.96g得た。
性状:白色固体
融点:252℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6 ,δppm):4.3(brs、2H)
、4.6(brs、2H)、6.4(brs、2H)、6.8(t、1H)、6.9(t、1H)、7.0(d、1H)、7.1(d、1H)、9.4(brs、1H)
【0101】
製造例8
2−アミノ−1−ヒドロキシエチルベンゾイミダゾール10.0gに脱水テトラヒドロフラン80ml及び塩化チオニル8.2mlを加えて14時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して乾固させた後、得られたクロロエチル体に水60ml、チオ尿素8.6gを加え90℃に加温し62時間反応を行った。3N水酸化ナトリウム水溶液60mlを加え、60℃で2.5時間反応を行った後、冷却し室温とした。不溶物を濾過して除いた後、ろ液に氷冷下で35%過酸化水素水2.7gを加えた。析出物をろ過してとり、減圧下で乾燥を行うことで上記式(XI)で表される化合物hであるビス[2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファンを6.18g得た。
性状:白色固体
融点:233℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6,δppm):3.0(t,2H),4.2 (t,2H),6.4(s,2H),6.9(dt,2H),7.1(m,2H)
【0102】
製造例9
2−ジメチルアミノベンゾイミダゾール23.2g、エチレンカルボナート15.2g(1.2当量)及びジメチルホルムアミド100mlの混合液を150℃で発泡が終了するまで約15時間撹拌した。得られた反応液を室温に戻し、脱イオン水300mlを加えて5分間撹拌した後、酢酸エチル100mlで2回抽出した。得られた有機層を合わせて無水硫酸ナトリウム約20g上で脱水した。有機層を濾過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣を、減圧下40℃で乾燥を行い結晶性の1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ジメチルアミノベンゾイミダゾール18.4gを得た。
得られた1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ジメチルアミノベンゾイミダゾール18g及びクロロホルム100mlの混合液を室温で撹拌し、塩化チオニル12.5gを滴下した後、加熱還流し1時間撹拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を水200mlに溶かし、チオ尿素40gを加えて80℃で20時間反応させた。反応液を冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液300mlに室温で滴下して加え、そのまま室温で16時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液に過酸化水素5gを滴下して加えた。析出物をろ過してとり、減圧下で乾燥を行うことにより上記式(XII)で表される化合物iであるビス[2−(2−ジメチルアミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファンを9.3g得た。
性状: 白色結晶
融点:111℃
1H−NMR(300MHz,DMSO−D
6,δppm):2.9(s,12H),3.1(t,4H),4.3(t,4H),7.1(m,4H),7.3(m,4H)
【0103】
製造例10
2−(N−メチル−2−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゾイミダゾール9.0gにクロロホルム80ml及び塩化チオニル6.8mlを加えて2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して乾固させた後、得られたクロロエチル体に水80ml及びチオ尿素9.0gを加えて90℃に加温し63時間反応を行った。3N水酸化ナトリウム水溶液80mlを加え、60℃で2時間反応を行った後、冷却し室温とした。不溶物を濾過して除いた後、ろ液に氷冷下にて35%過酸化水素水2.3gを加えた。析出物をろ過してとり、減圧下で乾燥を行うことにより上記式(XIII)で表される化合物jであるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−N,N’−ジメチル−2,2’−ジスルファンジイルジエタンアミンを7.4g得た。
性状:白色固体
融点:112℃
1H−NMR(300MHz,DMSO−D
6,δppm):3.1(t,4H),3.1(s,6H),3.8(t,4H),6.9(s,4H),7.1(m,4H),11.2(brs,2H )
【0104】
製造例11
2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]ベンゾイミダゾール10.0gにクロロホルム80ml及び塩化チオニル6.6mlを加えて4時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して乾固させた後、得られたクロロエチル体に水80ml及びチオ尿素6.9gを加えて90℃に加温し64時間反応を行った。3N水酸化ナトリウム水溶液80mlを加え、60℃で1.5時間反応を行った後、室温に戻した。不溶物を濾過して除いた後、ろ液に氷冷下にて35%過酸化水素水2.2gを加えた。クロロホルムで抽出を行った後に溶媒を減圧留去し、減圧下、40℃で乾燥を行うことで上記式(XIV)で表される化合物kであるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−[ジスルファンジイルビス(エチレンオキシ)]ジエタンアミンを10.4g得た。
性状:非晶質固体
1H−NMR(300MHz,DMSO−D
6,δppm):2.9(t,4H),3.4(dd,4H),3.6(t,4H),3.7(t,4H),6.5(t,2H),6.8(m,4H),7.1(m,4H),10.7(brs,2H)
【0105】
製造例12
上記製造例6で製造した2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジド(化合物f)4.52gにメチルイソブチルケトン13.2g及びメタノール90mlを加え、60℃で2.5時間攪拌した。TLCにて反応終了確認した後に溶媒を減圧留去し、イソプロピルエーテル50mlにて解砕洗浄、ろ過した後に減圧下、40℃で一晩乾燥し、次式で表される化合物を6,01g得た。
【0106】
【化26】
性状:白色固体
融点:147℃
1H−NMR(500MHz,DMSO−D
6,δppm):0.7〜1.0(m,6H),1.8〜2.3(m,6H),4.0(s,0.8H),4.3(s,1.2H),6.5(s,0.6H),6.9(m,2.4H),7.1(m,2H),10.3(s,0.6H),10.5(s,0.4H),10.8(brs,1H)
上記製造例の何れかの方法に準じて、下記表1及び表2に記載の化合物を製造した。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
実施例1〜22並びに比較例1及び2
第3表及び第4表に示す配合処方により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも160℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、混練の最終段階に老化防止剤 TMQ、亜鉛華、加硫促進剤 TBBS及び硫黄を加えて混練し、24種類のゴム組成物を調製した。その後、各ゴム組成物の加硫を温度145℃で行った。加硫時間はt
c(90)値(分)×1.5倍で規定した{JIS K 6300−2:2001において規定されたt
c(90)値}であった。得られた24種類の加硫後のゴム組成物の動的弾性率E’指数及びtanδ指数を上記の方法により評価した。結果を第3表及び第4表に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
[注]
下記の*1〜*18は、第3表及び第4表に共通するものである。
*1: RSS#1
*2: 旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*3: 化合物a: 製造例1で得られた、式(IV)で表されるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−ジスルファンジイルエタンアミン
*4: 化合物b: 製造例2で得られた、式(V)で表されるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3’−ジスルファンジイルジプロパンアミド
*5: 化合物c: 製造例3で得られた、式(VI)で表されるビス[3−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−3−オキソプロピル]ジスルファン
*6: 化合物d: 製造例4で得られた、式(VII)で表されるビス[6−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−6−オキソヘキシル]ジスルファン
*7: 化合物e: 製造例5で得られた、式(VIII)で表されるビス[2−(2,3−ジフェニルグアニジノ)エチル]ジスルファン
*8: 化合物f: 製造例6で得られた、式(IX)で表される2−[(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)アミノ]アセトヒドラジド
*9: 化合物g: 製造例7で得られた、式(X)で表される2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトヒドラジド
*10:化合物h: 製造例8で得られた、式(XI)で表されるビス[2−(2−アミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファン
*11:化合物i: 製造例9で得られた、式(XII)で表されるビス[2−(2−ジメチルアミノ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ジスルファン
*12:化合物j: 製造例10で得られた、式(XIII)で表されるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−N,N’−ジメチル−2,2’−ジスルファンジイルジエタンアミン
*13:化合物k: 製造例11で得られた、式(XIV)で表されるN,N’−ジ−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2’−[ジスルファンジイルビス(エチレンオキシ)]ジエタンアミン
*14: 化合物l: 3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド(特許文献1、合成例2参照)
*15: 富士興産株式会社製「アロマックス#3」
*16: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*17: 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック224」
*18: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
*19:JSR株式会社製、商品名「JSR BR01」
*20: 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET表面積205m
2/g)
*21: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
【0113】
第3表及び第4表から明らかなように、実施例1〜11のゴム組成物は比較例1のゴム組成物と比較して、実施例12〜22のゴム組成物は比較例2のゴム組成物と比較して、より高い動的弾性率E’指数と、より低いtanδ指数とを同時に得ることができた。
製造例12〜19で製造された各化合物についても、製造例1〜11で製造された化合物a〜kと同様の効果を確認することができた。