(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の遮断器ユニット、遮断器用のベースユニット、及びスイッチギアを、図面を参照して説明する。なおここで、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向、及びZ方向を定義する。+X方向は、後述の配線用遮断器11において、1次側から2次側に向かう方向(例えば1次側端子21から2次側端子22に向かう方向)である。−X方向は、+X方向の反対方向である。+Y方向は、+X方向とは交差した(例えば略直交した)方向であり、例えば配線用遮断器11から後述のベースユニット18に向かう方向である。−Y方向は、+Y方向の反対方向である。Z方向は、+X方向及び+Y方向とは交差した(例えば略直交した)方向であり、例えば複数の配線用遮断器11が並ぶ方向である。
【0008】
+X方向は、「第1方向」の一例である。+Y方向は、「第2方向」の一例である。なお以下に説明する一例では、+X方向は、略鉛直方向で下向きの方向であり、+Y方向は、略水平方向(奥行き方向)であり、Z方向は、略水平方向(配線用遮断器11の幅方向)である。なお、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向、及びZ方向は、これら特定の方向に限られるものではない。
【0009】
また本明細書において「…方向において、…の間に位置する」とは、その方向における並び順を示すものであり、それらの部材が一つの直線上に位置することに限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るスイッチギア1の全体を示す。本実施形態に係るスイッチギア1は、「配電盤」、「低圧盤」及び「低圧スイッチギア」のそれぞれ一例であり、例えば各種機器用の電源配線と外部電源との間の開閉器として機能する。スイッチギア1は、筐体2と、該筐体2に収容された例えば複数の遮断器ユニット3を有する。
【0011】
図1に示すように、筐体2は、例えば金属製であり、立方体状の箱型に形成される。本実施形態では、複数の遮断器ユニット3は、筐体2の内部で+X方向に並べられる。
【0012】
図2乃至
図4は、遮断器ユニット3の一例を示す。各遮断器ユニット3は、配線用遮断器(MCCB:Molded case circuit Breaker)11、配線用遮断器11の1次側に接続された複数の1次側導体12、これら1次側導体12に接続された複数の母線13、母線13を支持する複数の支持部材(絶縁サポート)14、配線用遮断器11の2次側に接続された複数のケーブル15、これらケーブル15が通される零相変流器16、ケーブル15の先端に設けられた端子部17、並びに、配線用遮断器11及び端子部17を保持するベースユニット18を備える。なお本実施形態では、各遮断器ユニット3は、複数(例えば4つ)の配線用遮断器11を有する。複数の配線用遮断器11は、例えばZ方向に並べられる。
【0013】
各配線用遮断器11は、いわゆるブレーカであり、複数の1次側端子21と、複数の2次側端子22と、スイッチ23とを含む。1次側端子21は、配線用遮断器11の第1端部(例えば−X方向の端部)に設けられる。2次側端子22は、配線用遮断器11の第2端部(例えば+X方向の端部)に設けられる。スイッチ23は、1次側端子21と2次側端子22との間の電気的な接続を開閉する。配線用遮断器11は、所定よりも過大な電流が流れたときに、1次側端子21と2次側端子22との間の電気的接続を遮断する。また配線用遮断器11は、上記スイッチ23が復帰動作されることで、1次側端子21と2次側端子22との間の電気的接続を回復させる。
【0014】
1次側導体(第1導体、第1接続導体)12は、配線用遮断器11の1次側端子21に接続される。1次側導体12は、1次側端子21から−X方向に延びるとともに、+Y方向に折り曲げられ、母線13まで延びている。各1次側導体12の端部は、それぞれ対応する母線13の側面に沿うように+X方向に折り曲げられ、母線13の側面に接続される。これにより、1次側導体12と母線13とが電気的に接続される。
【0015】
複数の母線13は、互いに略平行に延びている。複数の母線13は、例えば+Y方向に並ぶとともに、それぞれZ方向に延びている。各母線13は、筐体2内に設けられる主母線に電気的に接続され、外部電源から電力の供給を受ける。各母線13は、複数の配線用遮断器11の背後に亘って延びている。
【0016】
複数の支持部材14は、例えばZ方向に互いに分かれて配置され、複数の母線13をそれぞれ支持する。各支持部材14は、+X方向と−X方向から母線13を挟む第1サポート14aと第2サポート14bとを含む。第1サポート14a及び第2サポート14bの各々は、+Y方向に延びている。第1サポート14a及び第2サポート14bの各々には、母線13が係合する切欠き部66が設けられる。このような支持部材14が設けられることで、母線13が安定して支持される。
【0017】
複数のケーブル15は、配線用遮断器11の2次側端子22に接続される。詳しく述べると、各ケーブル15は、該ケーブル15の先端にL字形の接続金具25を有する。この接続金具25が2次側端子22に固定されることで、ケーブル15と配線用遮断器11とが電気的に接続される。
図4に示すように、ケーブル15の少なくとも一部は、配線用遮断器11の+X方向側に位置する。本実施形態では、ケーブル15は、その全長に亘って配線用遮断器11の+X方向側に位置する。ケーブル15は、配線用遮断器11の2次側端子22から+Y方向に延びている。
【0018】
零相変流器(ZCT:Zero-phase current Transformer)16は、地絡検出用(漏電検出用)の部品である。零相変流器16は、リング状に形成される。零相変流器16の内部には、複数のケーブル15が通される。なお本実施形態の遮断器ユニット3には、変流器(CT:Current Transformer)は設けられていない。
【0019】
端子部17は、ケーブル15の先端に設けられる。端子部17は、配線(例えば外部配線)31(
図1参照)が接続可能である。詳しく述べると、端子部17の一例は、端子台32を有する。端子台32は、第1端子33、第2端子34、導体部35、及び仕切り36を有する。第1端子33には、ケーブル15が接続される。第2端子34には、配線31が接続可能である。導体部35は、第1端子33と第2端子34とを電気的に接続する。仕切り36は、絶縁性を有し、隣り合うケーブル15同士の間を仕切る。
【0020】
次に、ベースユニット(保持具、保持部材、取付部材、治具)18について説明する。ベースユニット18は、配線用遮断器11、ケーブル15、零相変流器16、及び端子部17を一体に保持する。すなわち、ベースユニット18は、配線用遮断器11、ケーブル15、零相変流器16、及び端子部17を一体として筐体2内に取り付け可能な部材である。なお、ベースユニット18は、遮断器ユニット3に含まれる複数(例えば4つ)の配線用遮断器11と、これに付随するケーブル15及び端子部17を一体に保持する。
【0021】
図2乃至
図4に示すように、ベースユニット18は、配線用遮断器11を保持するベース部材41と、端子部17を保持する保持部42とを有する。
ベース部材41は、配線用遮断器11及び零相変流器16を保持する棚板44と、この棚板44に連結された複数の起立板45とを含む。棚板44は、例えば複数(例えば4つ)の配線用遮断器11に亘る大きさを有する。棚板44は、第1板部51、第2板部52、及び第3板部53を有する。
【0022】
第1板部(第1起立部、遮断器支持板)51は、+X方向に延び、配線用遮断器11の背後に位置する。第1板部51は、「第1部分」の一例である。第1板部51は、取付板55を介して配線用遮断器11を保持する。第1板部51は、例えば複数の配線用遮断器11を一体に保持する。また第1板部51は、筐体2に設けられた支持部材(支持構造体)56(
図1参照)に取り付けられる。第1板部51が支持部材56に固定されることで、遮断器ユニット3が筐体2内で支持される。
【0023】
第2板部(基部、ZCT取付板)52は、第1板部51の+X方向の端部から+Y方向に延びている。第2板部52は、「第2部分」の一例である。第2板部52は、第1板部51と保持部42との間を+Y方向に延び、第1板部51と保持部42とを連結する。第2板部52は、その全長に亘り、ケーブル15の上方に位置する。
この第2板部52には、零相変流器16が取り付けられる。本実施形態では、零相変流器16とは別の変流器は、第2板部52には取り付けられない。このため、零相変流器16は、例えば棚板44の第2板部52の略中央部(例えば+Y方向における略中央部)に取り付けられる。
【0024】
第3板部(第2起立部、保持部取付板)53は、第2板部52の+Y方向の端部から−X方向に起立している。第3板部53には、保持部42が取り付けられる。
【0025】
起立板(補強板)45は、例えば側面板であり、少なくとも棚板44の第2板部52のZ方向の両端部にそれぞれ設けられる。また起立板45は、棚板44の第2板部52のZ方向の中間に設けられてもよい。複数の起立板45の各々は、「第3部分」の一例である。起立板45は、+X方向及び+Y方向に延びるとともに、棚板44の第1板部51と、第2板部52との両方に連結される。
【0026】
詳しく述べると、棚板44の第2板部52は、−Y方向の端部である第1端部52aと、+Y方向の端部である第2端部52bとを有する。第1端部52aは、棚板44の第1板部51に接続される。第2端部52bは、第1端部52aとは反対側に位置し、棚板44の第3板部53に接続される。
図4に示すように、第1端部52aには、起立板45を固定するための第1固定部61が設けられる。同様に、第2端部52bには、第2固定部62が設けられる。
【0027】
一方で、起立板45は、+X方向の端部である第1端部45aと、−X方向の端部である第2端部45bとを有する。第1端部45aは、棚板44の第2板部52に連結される。第2端部45bは、第1端部45aとは反対側に位置する。棚板44の第1板部51は、起立板45の第2端部45bに対応する位置に、起立板45を固定するための第3固定部63を有する。
【0028】
棚板44の第1乃至第3の固定部61,62,63の各々は、例えばねじのような固定部材64が取り付けられる取付部(例えばねじ穴)である。起立板45は、第1乃至第3の固定部61,62,63に対応する位置に、取付部(例えばねじ挿通穴)を有する。起立板45は、固定部材64によって棚板44の第1乃至第3の固定部61,62,63に固定される。
【0029】
図3に示すように、起立板45の第2端部45bは、複数の支持部材14を支持する。詳しく述べると、各起立板45の第2端部45bには、支持部材14を支持する支持部67が設けられる。支持部67の一例は、起立板45の第2端部45bをZ方向に沿うように折り曲げた折曲部である。支持部材14は、起立板45の支持部67に固定される。
【0030】
次に、端子部17を保持する保持部42について説明する。
図3及び
図4に示すように、保持部42は、端子部17を保持する固定部71と、固定部71をベース部材41に連結する連結部72とを有する。固定部71は、ベース部材41の+X方向側に位置する。固定部71の一例は、+X方向に対して斜めに交差する方向に傾いている。固定部71は、例えば斜め下方に傾いている。これにより、固定部71に取り付けられた端子部17は、固定部71と同様に傾いた姿勢に保持される。
【0031】
連結部72は、固定部71とベース部材41との間に配置される。連結部72は、固定部71とベース部材41(例えば棚板44)との間に延びている。連結部72の一例は、固定部71の端部から−X方向に延びている。すなわち、連結部72は、棚板44の第2板部52とは交差した方向(例えば略直交した方向)に延びている。連結部72には、複数(例えば3つ)のケーブル15が纏めて通される挿通部(挿通穴、開口)73が設けられる。
【0032】
挿通部73は、+Y方向に開口している。このため、ケーブル15は、例えば+Y方向で挿通部73に挿通可能である。
図4に示すように、挿通部73は、ベース部材41の+X方向側に位置する。これにより、ケーブル15は、ベース部材41の+X方向側で挿通部73に通され、端子部17まで達する。
【0033】
また本実施形態では、連結部72は、+X方向において複数の支持部材14の間の領域によって覆われる位置に設けられる。連結部72は、例えば、複数の支持部材14の間の領域の下方に位置する。
【0034】
図5に示すように、本実施形態に係る保持部42は、ベース部材41とは別体に形成され、ベース部材41に取り付け可能である。すなわち、保持部42は、ベース部材41とは異なる板材で形成され、ベース部材41に固定される。なおこれに代え、保持部42は、ベース部材41(例えば棚板44)と一体に形成されてもよい。
【0035】
連結部72の一例は、いわゆる馬蹄形であり、一対の取付部74a,74bと、この取付部74a,74bの間に設けられた切欠き部75とを有する。取付部74a,74bは、固定部71から延びる。取付部74a,74bの各々は、例えばねじのような固定部材76(
図4参照)が通される穴77を有し、固定部材76によって棚板44の第3板部53に固定される。
【0036】
切欠き部75の一例は、連結部72が棚板44に取り付けられた状態で、−X方向が開放された切欠き部である。本実施形態では、この切欠き部75が挿通部73となる。なお、挿通部73は、切欠き部75に限らず、連結部72に設けられた貫通穴でもよい。
【0037】
以上説明したベースユニット18は、棚板44、起立板45、及び保持部42が予め組み立てられた状態で筐体2に対して取り付け可能である。さらに言えば、本実施形態に係る遮断器ユニット3は、配線用遮断器11、ケーブル15、零相変流器16、及び端子部17をベースユニット18に取り付け、これらが一体となった状態で筐体2内に取り付け可能である。
【0038】
このような構成の遮断器ユニット3、遮断器用のベースユニット18、及びスイッチギア1によれば、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1の小型化を図ることができる。
【0039】
ここで、棚板、側面板(起立板)、及び保持部(保持板)がそれぞれ個別に筐体内の支持構造に取り付けられることで組み立てられる遮断器ユニットについて考える。上記保持部は、端子部を保持する。この保持部は、例えば棚板の後端部に接続されている。このような構成では、端子部の重さが作用する棚板の後端部が不安定になりやすく、棚板の後端部を筐体に固定するための固定部が必要になる。そのためこのような構成では、遮断器ユニット及びスイッチギアは、奥行き寸法が大きくなりやすい場合がある。また上記構成では、構成部品が各々独立しているため、構造が複雑化して遮断器ユニット及びスイッチギアが大型化するとともに、筐体内への各構成部品の組み込み作業にどうしても時間がかかる。
【0040】
また上記構成において、棚板の水平部に、ケーブルが通される貫通穴を設ける場合について考える。このような構成では、貫通穴に通すためにケーブルを大きく曲げる必要がある。すなわち、棚板の水平部に対してケーブルを下方から上方に通すとともに、棚板の水平部を上方に通したケーブルを再び端子部に向けて曲げる必要がある。このため、貫通穴と端子部との間に一定以上の距離が必要になり、棚板の奥行き寸法が大きくなる場合がある。また、例えば棚板の水平部に、変流器と零相変流器との両方を取り付ける場合、棚板の奥行き寸法が大きくなる場合がある。
【0041】
一方で、本実施形態に係る遮断器ユニット3は、配線用遮断器11と、ケーブル15と、端子部17と、ベース部材41と、保持部42とを備える。ケーブル15は、配線用遮断器11に電気的に接続され、少なくとも一部が配線用遮断器11の+X方向側に位置する。端子部17は、ケーブル15の先端に設けられ、配線31を接続可能である。ベース部材41は、配線用遮断器11を保持する。保持部42は、端子部17を保持する。保持部42は、端子部17が固定される固定部71と、固定部71とベース部材41との間に配置された連結部72とを備える。連結部72は、ベース部材41の+X方向側でケーブル15が通される挿通部73が設けられる。
【0042】
このような構成によれば、まず、ベース部材41の+X方向側に挿通部73が設けられる。このため、少なくとも一部が配線用遮断器11の+X方向側に配置されたケーブル15を、+X方向または−X方向に大きく曲げることなく配線用遮断器11から端子部17まで導くことができる。これにより、配線用遮断器11と保持部42との間の距離を小さくすることができ、棚板44の+Y方向の寸法(奥行き寸法)を小さくすることができる。これにより、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1の小型化(例えば奥行き寸法の短縮)を図ることができる。
【0043】
また、配線用遮断器11と保持部42との間の距離を小さくすることができると、端子部17の重さが作用しても棚板44の後端部(第2端部52b)が不安定になりにくい。その結果、棚板44の後端部を筐体2に固定するための固定部を省略または小さくすることができる。上記固定部を省略または小さくすることができると、棚板44の+Y方向の寸法をさらに小さくすることができる。その結果、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1のさらなる小型化を図ることができる。例えば、本実施形態の遮断器ユニット3は、棚板44の第1板部51を筐体2の支持部材56に固定するだけで、遮断器ユニット3を筐体2内に支持可能である。またこのような構成によれば、組立時の作業性の向上も図ることができる。
【0044】
本実施形態では、ベース部材41は、配線用遮断器11を保持した第1板部51と、第1板部51と保持部42との間で+Y方向に延びた第2板部52とを有する。連結部72は、ベース部材41の第2板部52とは交差した方向に延びている。このような構成によれば、配線用遮断器11と端子部17との間におけるケーブル15の曲げをさらに小さくすることができる。これにより、棚板44の+Y方向の寸法をさらに小さくすることができる。
【0045】
本実施形態では、保持部42は、ベース部材41とは別体に形成され、ベース部材41に取り付け可能である。このような構成によれば、ケーブル15を挿通部73に先に通した状態で保持部42をベース部材41に取り付けたほうが作業面で有利な場合などに、柔軟に対応することができる。これにより、組立時の作業性をさらに向上させることができる。
【0046】
本実施形態では、連結部72は、固定部71から延びてベース部材41に固定される一対の取付部74a,74bを有する。挿通部73は、一対の取付部74a,74bの間に設けられた切欠き部75である。このような構成によれば、上述したようなケーブル15を挿通部73に先に通した状態で保持部42をベース部材41に取り付けたほうが作業面で有利な場合などに、ケーブル15を挿通部73にさらに通しやすくなる。また切欠き部75によって挿通部73が設けられると、貫通穴によって挿通部が設けられえる場合に比べて部品の軽量化を図ることができる。
【0047】
本実施形態では、配線用遮断器11は、複数の支持部材14をさらに備える。この複数の支持部材14は、Z方向に分かれて配置され、複数の母線13をそれぞれ支持する。連結部72は、+X方向において複数の支持部材14の間の領域によって覆われる位置に設けられる。このような構成によれば、配線用遮断器11と連結部72とが比較的近くに配置されるため、棚板44の+Y方向の寸法がさらに小さくなりやすい。これにより、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1のさらなる小型化を図ることができる。
【0048】
本実施形態では、ベース部材41は、+X方向に延びて配線用遮断器11を保持した棚板44の第1板部51と、第1板部51から+Y方向に延びた第2板部52と、棚板44の第1板部51と第2板部52との両方に連結された起立板45とを有する。このような構成によれば、棚板44の第1板部51と第2板部52との相対変位が起立板45によって規制され、ベース部材41の剛性が高まる。このため、棚板44の後端部を筐体2に固定するための固定部の必要性がさらに小さくなる。その結果、棚板44の後端部を筐体2に固定するための固定部の省略または小型化を通じて、遮断器ユニット3、ベースユニット18及びスイッチギア1のさらなる小型化を図ることができる。
【0049】
本実施形態では、変流器を省略し、零相変流器16のみを有する。これにより、棚板44の+Y方向の寸法を小さくすることができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態では、挿通部73の位置が第1の実施形態とは異なる。本実施形態では、挿通部73は、棚板44の第2板部52に設けられる。なお第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は同一の符号を付してその説明を省略する。なお以下に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0051】
図6乃至
図9は、第2の実施形態に係る遮断器ユニット3を示す。遮断器ユニット3は、第1の実施形態と同様に、筐体2に収容されてスイッチギア1の一部を構成する。
【0052】
図6及び
図7に示すように、本実施形態に係る遮断器ユニット3は、第1配線用遮断器11aと、第2配線用遮断器11bと含む。第1配線用遮断器11aは、第1の実施形態の配線用遮断器11と同じである。第2配線用遮断器11bは、第1配線用遮断器11aに比べて大容量の遮断器である。
【0053】
第2配線用遮断器11bには、
図8に示すようにケーブル15に代えて2次側導体(第2導体、第2接続導体)81が接続される。2次側導体81は、金属部材であり、2次側端子22から+Y方向に直線状に延びている。本実施形態では、2次側導体81は、3本設けられている。3本の2次側導体81は、纏めて零相変流器16に通される。なお2次側導体81の先端には、端子部17が設けられていない。2次側導体81には、例えば他の接続導体(外部接続導体)が直接に接続可能である。
【0054】
図7乃至
図9に示すように、本実施形態に係る保持部42は、棚板44の第2板部52と一体に形成される。具体的には、保持部42の固定部71は、棚板44の第2板部52の第2端部52bに直接に接続される。すなわち、保持部42の固定部71は、棚板44の第2板部52の第2端部52bから、+X方向とは斜めに交差した方向に延びている。固定部71は、例えば、第2端部52bから斜め下方に延びている。
【0055】
本実施形態では、ケーブル15が通される挿通部73は、棚板44の第2板部52に設けられる。本実施形態では、挿通部73は、+Y方向において、第1配線用遮断器11aと、第2固定部62との間に位置する。換言すれば、挿通部73は、+Y方向において、第1固定部61と、第2固定部62との間に位置する。さらに換言すれば、起立板45は、挿通部73と保持部42との間の位置で、棚板44の第2板部52に連結される。
【0056】
遮断器ユニット3は、第1の実施形態と同様に、複数の支持部材14を有する。この複数の支持部材14は、Z方向に分かれて配置され、複数の母線13をそれぞれ支持する。本実施形態では、挿通部73は、+X方向において複数の支持部材14の間の領域によって覆われる位置に設けられる。ケーブル15は、例えば、複数の支持部材14の間の領域の下方で挿通部73に通され、棚板44の第2板部52を下方から上方に導かれて端子部17に達する。
【0057】
以上説明した第2の実施形態では、遮断器ユニット3は、配線用遮断器11aと、ケーブル15と、端子部17と、保持部42と、棚板44と、起立板45とを有する。ケーブル15は、配線用遮断器11aに電気的に接続される。端子部17は、ケーブル15の先端に設けられ、配線31を接続可能である。保持部42は、端子部17を保持する。棚板44は、配線用遮断器11aを保持する第1板部51と、第1板部51と保持部42との間に配置された第2板部52とを含む。第2板部52は、ケーブル15が通される挿通部73が設けられる。起立板45は、棚板44の第1板部51に連結されるとともに、挿通部73と保持部42との間の位置で棚板44の第2板部52に連結される。
【0058】
このような構成の遮断器ユニット3、遮断器用のベースユニット18、及びスイッチギア1によれば、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1の小型化を図ることができる。すなわち本実施形態では、棚板44の第2板部52において挿通部73よりも後方に位置した第2端部52bが、起立板45によって保持される。このため、棚板44の後端部が安定しやすく、棚板44の後端部を筐体2に固定するための固定部を省略または小さくすることができる。これにより、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1の小型化(例えば奥行き寸法の短縮)を図ることができる。なお、第2板部52の第2端部52bを起立板45によって保持することで、棚板44の後端部を筐体2に固定するための固定部を省略または小さくすることができ、これにより遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1の小型化(例えば奥行き寸法の短縮)を図ることができる点については、第1の実施形態の構成においても同様である。
【0059】
本実施形態では、遮断器ユニット3は、母線13をそれぞれ支持する複数の支持部材14をさらに備える。挿通部73は、+X方向において複数の支持部材14の間の領域によって覆われる位置に設けられる。このような構成によれば、棚板44の+Y方向の寸法が短くなるため、棚板44の後端部がさらに安定しやすい。このため、棚板44の後端部を筐体2に固定するための固定部の省略またはさらなる小型化を通じて、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1のさらなる小型化を図ることができる。
【0060】
本実施形態では、上記構成を通じて第1配線用遮断器11aと端子部17とが比較的近くに配置される。このため、2次側導体81に対応した第2配線用遮断器11bと、ケーブル15に対応した第1配線用遮断器11aとを並置することができる。これは、遮断器ユニット3、ベースユニット18、及びスイッチギア1の設計の自由度を向上させることができる。
【0061】
以上、第1及び第2の実施形態に係る構成について説明したが、実施形態の構成は上記例に限られない。各実施形態の構成は互いに組み合わせて適用可能である。例えば第1の実施形態の構成において、ケーブル15に対応した第1配線用遮断器11aと、2次側導体81に対応した第2配線用遮断器11bとを並置してもよい。また第2実施形態の構成において、全ての配線用遮断器11が、ケーブル15に対応した配線用遮断器11aであってもよい。また「第1方向側」は、下方側に限らず、他の方向側でもよい。
【0062】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、例えば棚板の後端部を筐体に固定するための固定部を省略または小さくすることができ、遮断器ユニット、遮断器用のベースユニット、及びスイッチギアの小型化(例えば奥行き寸法の短縮)を図ることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。