(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電池管理装置は、複数の前記セル監視装置に対し、前記セル監視装置が前回の測定データに対して変化があった測定データを前記送信データを用いて変化が無かった測定データよりも優先して送信することを許可する変化分送信許可データを前記通信線を介して送信する、
請求項1記載の蓄電池装置。
複数の電池セルを備えた対応するセルモジュールの状態測定を行い、測定データを送信する複数のセル監視装置と、複数の前記セル監視装置と通信線を介して接続され、前記測定データを受信して前記複数のセル監視装置の管理を行う電池管理装置と、を備えた蓄電池装置で実行される方法であって、
前回の測定データに対して変化があった測定データを、全測定データを送信可能な容量よりも少ない容量の固定長データである送信データを生成するために抽出する過程と、
前記生成した送信データを前記通信線を介して前記電池管理装置に送信する過程と、
を備え、
さらに所定容量の前記送信データを生成するに際し、前記変化があった測定データの全容量に対し、前記送信データが送信可能な測定データの容量が余っている場合に、当該余った容量部分に、全ての測定データのうちから所定の順番で、当該容量に含めることが可能な測定データを格納して送信するとともに、複数の前記送信データにまたがって前記全ての測定データを前記電池管理装置に順次送信する過程を備えた、
方法。
複数の電池セルを備えた対応するセルモジュールの状態測定を行い、測定データを送信する複数のセル監視装置と、複数の前記セル監視装置と通信線を介して接続され、前記測定データを受信して前記複数のセル監視装置の管理を行う電池管理装置と、を備えた蓄電池装置をコンピュータにより制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前回の測定データに対して変化があった測定データを、全測定データを送信可能な容量よりも少ない容量の固定長データである送信データを生成するために抽出する手段と、
前記生成した送信データを前記通信線を介して前記電池管理装置に送信する手段と、
して機能させ、
さらに所定容量の前記送信データを生成するに際し、前記変化があった測定データの全容量に対し、前記送信データが送信可能な測定データの容量が余っている場合に、当該余った容量部分に、全ての測定データのうちから所定の順番で、当該容量に含めることが可能な測定データを格納して送信するとともに、複数の前記送信データにまたがって前記全ての測定データを前記電池管理装置に順次送信する手段を備えた、
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に図面を参照して、実施形態の蓄電池装置について詳細に説明する。
図1は、実施形態の蓄電池装置を備えた蓄電池システムの概要構成ブロック図である。
蓄電池システム10は、大別すると、電力を蓄える蓄電池装置11と、蓄電池装置11から供給された直流電力を所望の電力品質を有する交流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置(PCS:Power Conditioning System)12と、を備えている。
【0008】
蓄電池装置11は、大別すると、複数の電池盤21−1〜21−N(Nは自然数)と、電池盤21−1〜21−Nが接続された電池端子盤22と、を備えている。
電池盤21−1〜21−Nは、互いに並列に接続された複数の電池ユニット23−1〜23−M(Mは自然数)と、ゲートウェイ装置24と、後述のBMU(Battery Management Unit:電池管理装置)及びCMU(Cell Monitoring Unit:セル監視装置)に動作用の直流電源を供給する直流電源装置25と、を備えている。
【0009】
ここで、電池ユニットの構成について説明する。
電池ユニット23−1〜23−Mは、それぞれ、高電位側電源供給ライン(高電位側電源供給線)LH及び低電位側電源供給ライン(低電位側電源供給線)LLを介して、出力電源ライン(出力電源線;母線)LHO、LLOに接続され、主回路である電力変換装置12に電力を供給している。
【0010】
電池ユニット23−1〜23−Mは、同一構成であるので、電池ユニット23−1を例として説明する。
電池ユニット23−1は、大別すると、複数(
図1では、24個)のセルモジュール31−1〜31−24と、セルモジュール31−1〜31−24にそれぞれ設けられた複数(
図1では、24個)のCMU32−1〜32−24と、サービスディスコネクト33と、電流センサ34と、コンタクタ35と、を備え、複数のセルモジュール31−1〜31−24、サービスディスコネクト33、電流センサ34及びコンタクタ35は、直列に接続されている。
【0011】
ここで、セルモジュール31−1〜31−24は、電池セルを複数、直並列に接続されて組電池を構成している。そして、複数の直列接続されたセルモジュール31−1〜31−24で組電池群を構成している。
【0012】
さらに電池ユニット23−1は、BMU36を備え、各CMU32−1〜32−24の通信ライン、電流センサ34の出力ラインは、BMU36に接続されている。
BMU36は、ゲートウェイ装置24の制御下で、電池ユニット23−1全体を制御し、各CMU32−1〜32−24との通信結果(後述する電圧データ及び温度データ)及び電流センサ34の検出結果に基づいてコンタクタ35の開閉制御を行う。
【0013】
次に電池端子盤の構成について説明する。
電池端子盤22は、電池盤21−1〜21−Nに対応させて設けられた複数の盤遮断器41−1〜41−Nと、蓄電池装置11全体を制御するマイクロコンピュータとして構成されたマスタ(Master)装置42と、を備えている。
【0014】
マスタ装置42には、電力変換装置12との間に、電力変換装置12のUPS(Uninterruptible Power System)12Aを介して供給される制御電源線51と、イーサネット(登録商標)として構成され、制御データのやりとりを行う制御通信線52と、が接続されている。
【0015】
ここで、セルモジュール31−1〜31−24、CMU32−1〜32−24およびBMU36の詳細構成について説明する。
【0016】
図2は、セルモジュール、CMU及びBMUの詳細構成説明図である。
セルモジュール31−1〜31−24は、それぞれ、直列接続された複数(
図2では、10個)の電池セル61−1〜61−10を備えている。
【0017】
CMU32−1〜32−24は、対応するセルモジュール31−1〜31−24を構成している電池セルの電圧及び所定箇所の温度を測定するための電圧温度計測IC(Analog Front End IC:AFE-IC)62と、それぞれが対応するCMU32−1〜32−24全体の制御を行うMPU63と、BMU36との間でCAN通信を行うためのCAN(Controller Area Network)規格に則った通信コントローラ64と、セル毎の電圧に相当する電圧データ及温度データを格納するメモリ65と、を備えている。
【0018】
以下の説明において、セルモジュール31−1〜31−24のそれぞれと、対応するCMU32−1〜32−24と、を合わせた構成については、電池モジュール37−1〜37−24と呼ぶものとする。例えば、セルモジュール31−1と対応するCMU32−1を合わせた構成を電池モジュール37−1と呼ぶものとする。
【0019】
また、BMU36は、BMU36全体を制御するMPU71と、CMU32−1〜32−24との間でCAN通信を行うためのCAN規格に則った通信コントローラ72と、CMU32−1〜32−24から送信された電圧データ及び温度データを格納するメモリ73と、を備えている。
【0020】
次に実施形態の動作を説明する。
以下の説明において、BMU36の起動時等の初期状態においては、BMU36のメモリ73に格納されるセルモジュール31−1〜31−24のデータの全部または一部が、取り込めていない状態(初期状態)にあるものとする。
【0021】
まず、BMU36は、各電池ユニット23−1〜23−M内の全体の状態を把握する必要がある。
このため、CMU32−1〜32−24は、すべての計測データ(電圧データ及び温度データ)をBMU36へ送信する。
【0022】
この場合、CMU32−1〜32−24の数が多く、通信の負荷が大きくなるため、CMU32−1〜32−24は、計測データである電圧データ及び温度データをサンプリングするためのサンプリング周期及びBMU36へデータを送信する(通知する)伝送周期を通常動作時よりも低減させて(低くして)、通信線(伝送路)である通信バス81におけるデータの輻輳を防止する。
【0023】
図3は、CMUが計測データの送信を開始してから所定時間経過後のBMUのメモリにおけるデータ格納状態の説明図である。
そして、所定時間が経過すると、
図3に示すように、BMU36のメモリ73にCMU32−1〜32−24の全ての計測データが保存されている状態となる。
【0024】
すなわち、領域DG1〜DG24には、CMU32−1〜CMU32−24の計測データ群MD1〜MD24がそれぞれ格納される。より具体的には、例えば、領域DG1には、CMU32−1の計測データ群MD1が格納され、領域DG23には、CMU32−23の計測データ群MD23が格納される。
【0025】
そこで、BMU36のMPU71は、CMU32−1〜32−24に対して、セルモジュール31−1〜31−24の状態を送信する際に、変化が見られた計測データを優先して送信するように要求するため、変化分送信許可データSVを同報通知形式にて、CMU32−1〜32−24に対して送信する。
【0026】
ここで、変化分送信許可データSVについて説明する。
図4は、変化分送信許可データのデータフォーマットの一例の説明図である。
図4においては、説明の容易のため、各測定データにIDを割り振っている。例えば、電池セル61−1〜61−10の電圧データ(DV1〜DV10)については、ID=C1〜C10を割り当てている。また電池モジュール37−1〜電池モジュール37−24の温度データ(DT1〜DT6)については、ID=T1〜T6を割り当てている。
【0027】
変化分送信許可データSVは、CMU32−1〜32−24のそれぞれ(CMUID=01〜24)に対して、全ての計測データのうち変化が見られた計測データのみ(変化分のみ)の送信を許可するか、あるいは、許可しないか(=全ての計測データを送信させる)のいずれかを指示するために、各CMU32−1〜32−24のそれぞれに対応するデータが「許可」あるいは「不許可」となっている。具体的には、変化分送信許可データSVは、少なくともCMUの台数分のビット数を有し、許可の場合には対応するビットを“1”とし、不許可の場合には対応するビットを“0”とするようにすればよい。
【0028】
図5は、測定データと送信データの関係説明図である。
図6は、実施形態のCMUの処理フローチャートである。
ところで、CMU32−1〜32−24のMPU63は、対応する電圧温度計測IC62により、セルモジュール31−1〜31−24を構成している電池セル61−1〜61−10のそれぞれの電圧を計測し、電圧計測の結果である電圧データDV1〜DV10及び所定箇所(
図5の例では、6箇所)の温度を計測し、温度計測の結果である温度データDT1〜DT6と、をメモリ65に格納する(ステップS11)。
【0029】
より詳細には、
図5の左側に示すように、電池セル61−1〜61−10に対応するID=C1〜C10となっており、電池セル61−1〜61−10にそれぞれ対応する今回の電圧データDV1〜DV10がメモリ65に格納される。
【0030】
また、メモリ65には、温度測定の所定箇所を特定するID=T1〜T6にそれぞれに対応する今回の温度データDT1〜DT6が格納される。
さらに、メモリ65には、電池セル61−1〜61−10にそれぞれ対応する前回の電圧データDVP1〜DVP10が格納されており、温度測定の所定箇所のそれぞれに対応する前回の温度データDTP1〜DTP6が格納されている。
【0031】
そこで、CMU32−1〜32−24のMPU63は、同一IDの前回の電圧データと今回の電圧データを比較し、同一IDの前回の温度データと今回の温度データを比較し、それぞれ差異があるか否かを判別する(ステップS12)。例えば、ID=C2の電圧データの場合には、前回の電圧データDVP2と、今回の電圧データDV2と、を比較し差異があるか否かを判別する。また、ID=T3の温度データの場合には、前回の温度データDTP3と、今回の温度データDT3と、を比較し、差異があるか否かを判別する。
ここで、差異があるというのは、所定の閾値以上の差が生じているという意味で有り、所定の閾値が0である場合(=計測限界値以上の差がある場合)を含んでもよい。
【0032】
ステップS12の判別において、同一IDの計測データについて前回データDPと今回データDNとの間に差異があった場合には(ステップS12;Yes)、CMU32−1〜32−24のMPU63は、変化フラグVFをセットし(=“1”とする)(ステップS13)、処理をステップS15に移行する。
ステップS12の判別において、差異が無かった場合には(ステップS12;No)変化フラグVFをリセットする(=“0”とする)(ステップS14)。
続いて、CMU32−1〜32−24のMPU63は、全ての前回データDPと今回データDNとの比較が終わったか否かを判別する(ステップS15)。
ステップS15の判別において、未だ全ての前回データDPと今回データDNとの比較が終わっていない場合には(ステップS15;No)、CMU32−1〜32−24のMPU63は、再び処理をステップS12に移行して以下同様の処理を繰り返す。
【0033】
ステップS15の判別において、全ての前回データDPと今回データDNとの比較が終わった場合には(ステップS15;Yes)、CMU32−1〜32−24のMPU63は、変化分送信許可データSVを参照し、それぞれ自己に対応するビットの状態を確認し、全ての計測データのうち変化が見られた計測データの優先的な送信が許可されているか否かを判別する(ステップS16)。例えば、CMU32−3は、MSB側から3ビット目の状態を確認して、計測データの優先的な送信が不許可であると判別する。
【0034】
ステップS16の判別において、自己が全ての計測データのうち変化が見られた計測データの優先的な送信が許可されていないCMU(
図4の例では、CMU32−3、CMU32−4、CMU32−23、CMU32−24)の場合には(ステップS16;No)、CMU32−1〜32−24のMPU63は、全測定データの一部を送信データDSとして送信し(ステップS21)、処理を終了する。
【0035】
このように変化が見られた計測データの優先的な送信を許可しない構成によれば、特定のCMUの制御下にあるセルモジュールが故障した場合等には、当該セルモジュールについては、常にすべての測定データの送信を行わせることができ、容易に状況を把握でき、早急に対処することが可能となる。
【0036】
ステップS16の判別において、自己が全ての計測データのうち変化が見られた計測データの優先的な送信が許可されているCMU(
図4の例の場合、CMU32−1、CMU32−2)の場合には(ステップS16;Yes)、CMU32−1〜32−24のMPU63は、変化フラグVFを参照し、変化フラグVFがセットされている(=“1”となっている)今回データDNを送信データDSを優先的に構成するデータとして抽出する(ステップS17)。
【0037】
ここで、送信データDSの容量は、固定容量となっており、通信バス81においてCMU32−1〜32−24のMPU63が順次送信データDSの送信を行っても、次回の測定データの送信データDSの送信に影響を与えないような容量となっており、
図5に示すように、全測定データの記憶領域ALDの容量よりも送信データDSの容量が少なく設定されている。換言すれば、全ての測定データを1回の送信データDSでは、送信できない容量となっている。
【0038】
送信データDSは、具体的には、
図5の例の場合、ID=C2に対応する今回データDNである電圧データDV2、ID=C5に対応する今回データDNである電圧データDV5、ID=C10に対応する今回データDNである電圧データDV10及びID=T1に対応する今回データDNである温度データDT1を送信データDSを優先的に構成するデータとして抽出する。
【0039】
そして、CMU32−1〜32−24のMPU63は、
図5に示すように、抽出した今回データDNの合計容量(=優先データ記憶領域ADの容量)と、送信データDSの最大許容容量との差に相当する伝送路余裕領域AFが存在するか否かを判別する(ステップS18)。
【0040】
ステップS18の判別において、抽出した今回データDNの合計容量(=優先データ記憶領域ADの容量)と、送信データDSの最大許容容量との差に相当する伝送路余裕領域AFが存在する場合には(ステップS18;Yes)、当該伝送路余裕領域AFの容量で送信可能な範囲で全データを複数の送信データDSにわたって順次伝送するように今回データDNを送信する(ステップS19)。
【0041】
ステップS18の判別において、抽出した今回データDNの合計容量(=優先データ記憶領域ADの容量)と、送信データDSの最大許容容量との差に相当する伝送路余裕領域AFが存在しない場合には(ステップS18;No)、優先データのみを送信データDSとして送信し(ステップS20)、処理を終了する。
【0042】
図7は、連続する送信タイミングにおける送信データの一例の説明図である。
具体的には、
図7に示すように、第n送信タイミングにおいて、未だ全データについては、送っていないかあるいは、第(n−1)送信タイミングにおいて、温度データDT6まで送信していた場合には、伝送路余裕領域AFの先頭から電圧データDV1→電圧データDV2→電圧データDV3→…のように順次格納し、伝送路余裕領域AFの容量で送信可能な範囲で電圧データDV6まで格納して送信を行う。
【0043】
そして、第(n+1)送信タイミングにおいて、ID=C1に対応する今回データDNである電圧データDV1、ID=C7に対応する今回データDNである電圧データDV7、ID=C10に対応する今回データDNである電圧データDV10及びID=T5に対応する今回データDNである温度データDT5が送信データDSを構成するデータとして抽出された場合には、伝送路余裕領域AFの容量で送信可能な範囲で、第n送信タイミングに送信した電圧データDV6の次のデータである電圧データDV7〜DV10及び温度データDT1〜DT3が格納されて送信が行われることとなる。
【0044】
この結果、BMU36のMPU71は、
図3に示したように、CMU32−1〜32−24から順次受信した測定データをメモリ73の領域DG1〜DG24には、CMU32−1〜CMU32−24の計測データ群MD1〜MD24がそれぞれ格納される。
そして、BMU36は、所定の手順で起動が完了すると、コンタクタ状態通知をゲートウェイ装置24に対して行い、ゲートウェイ装置24は、マスタ装置42に対し、起動電池盤を構成する電池ユニット23−1〜23−Mをその運転状態(正常運転状態、要充電状態、停止状態等)毎に電池ユニット数を通知し、電力変換装置12は、負荷への電力供給を行うこととなる。
【0045】
以上の説明のように、本実施形態によれば、CMUの数が増大しても、BMU36が送信するデータを、全データを送信する場合と比較して低減することができ、伝送量を抑制でき、一つのBMUに対し、より多くの数のCMUが接続可能となる。
【0046】
また、この方法によると、BMU36のメモリの測定データ格納領域AR1〜AR24に格納すべき測定データが未だ格納されていない場合であっても、BMU36のMPU71は、変化分送信許可データSVを送信することが可能となり、BMU36のメモリ73の状態によらず、より多くの通信ネットワーク上のデータトラフィックを削減可能となる。
【0047】
以上の説明では、変化分が抽出されたデータと、伝送路余裕領域AFに格納されるデータとで同一のデータが重複して送信されていたが、同一のデータについては、重複して伝送路余裕領域AFに格納することなく、別のデータを送信するように構成することも可能である。
【0048】
さらに、変化分が抽出されたデータのみを送信する構成、すなわち、全ての計測データに変化が無い場合には、計測データをCMU32−1〜32−24より全く送信しないように構成することも可能である。この場合においては、送信する計測データが全く無い旨を通知するようにすれば、計測データに変化が無いのか、通信異常なのかを容易にBMU側で検知することが可能となる。これにより、CMUの数が増大しても、実際に、BMU36へ信号を送信するのはCMUの一部に絞られ、伝送量が軽減可能となり、一つのBMU36に対し、より多くの数のCMUが接続可能となる。
【0049】
以上の説明においては、BMU36が、変化分送信許可データSVにより変化があった測定データを優先的に送信するように指示を与える場合について説明したが、逆に原則的には、変化があった測定データを優先的(=変化があった測定データのみ、あるいは、送信データの容量の範囲内で変化があった測定データを含める)に送信するようにしておき、全データを送信するようにBMU36が指示するように構成することも可能である。
【0050】
以上の説明においては、電圧データDV1〜DV10と、温度データDT1〜DT6のそれぞれのデータ容量については詳細に述べなかったが、同一データ容量(たとえば、同一ビット数)であっても良いし、異なるデータ容量(たとえば、ビット数が異なる)のいずれであっても同様に適用が可能である。したがって、例えば、電圧データのビット数が温度データのビット数の3/2倍であった場合には、同一の伝送路余裕領域AFに対して、温度データは、3/2倍格納可能となる。変化があった測定データの格納容量についても同様である。
【0051】
以上の説明においては、測定データとして、電圧データ及び温度データについてのみ説明したが、所定箇所の電流データ等他のデータを測定データに含めるように構成することも可能である。
【0052】
本実施形態の蓄電池装置は、MPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成を備えている。
【0053】
本実施形態の蓄電池装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0054】
また、本実施形態の蓄電池装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の蓄電池装置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の蓄電池装置の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0055】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0056】
例えば、本実施形態では各電池ユニットは1並列多直列のユニットを用いているが、多並列多直列であっても良い。電池ユニットが多並多直列で接続されている場合、並列に接続されている複数の単セルを1つの単セルとみなして各構成要素が処理を実行することにより本実施形態の課題解決手段を利用することができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。