特許第6334457号(P6334457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334457
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】電流測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 21/06 20060101AFI20180521BHJP
   G08C 25/00 20060101ALI20180521BHJP
   G08C 17/02 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   G01R21/06 F
   G08C25/00 F
   G08C17/02
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-99436(P2015-99436)
(22)【出願日】2015年5月14日
(65)【公開番号】特開2016-217747(P2016-217747A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】391009372
【氏名又は名称】ミドリ安全株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 俊二
(72)【発明者】
【氏名】花岡 治
(72)【発明者】
【氏名】等々力 英夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 清治
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−055356(JP,A)
【文献】 特開2014−055831(JP,A)
【文献】 特開2015−031582(JP,A)
【文献】 実開平02−150575(JP,U)
【文献】 米国特許第05428342(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/06
G08C 17/02
G08C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線に設置される変流器と、
前記変流器から得られるエネルギーを電源用エネルギーに変換する変換部と、
キャパシタに前記電源用エネルギーを蓄積する蓄積部と、
前記変流器で測定された電流及び電流波形のデータ処理を行う計測・変換部と、
前記蓄積部に蓄積された電源用エネルギーを使って、前記計測・変換部の出力を無線で発信する発信部と、
を具備するセンサー装置と、
前記センサー装置からの無線通信を受信する受信部を具備する受信装置とから構成される電流測定システムであって、
前記計測・変換部は、前記変流器からの二次電流を電圧に変換する負荷抵抗と、この負荷抵抗からの電流を実効値に変換してアナログ値とする実効値変換回路と、前記実効値変換回路をバイパスするバイパス回路とを具備し、前記負荷抵抗からの電流を前記バイパス回路を介して電流波形データとして前記発信部へ出力する波形出力状態と、前記負荷抵抗からの電流を前記実効値変換回路で実効値に変換して電流データとして前記発信部へ出力する電流出力状態とを切り替えるスイッチを具備することを特徴とする電流測定システム。
【請求項2】
前記計測・変換部は、前記波形出力状態と、前記電流出力状態とが交互に切り替えられるように構成されていることを特徴とする請求項記載の電流測定システム。
【請求項3】
前記受信装置は、前記受信部が受信したデータを蓄積するメモリを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の電流測定システム。
【請求項4】
前記計測・変換部は、前記負荷抵抗が可変抵抗であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の電流測定システム。
【請求項5】
前記計測・変換部は、基準時間発生手段を具備し、前記基準時間発生手段からの基準時間信号を前記発信部に出力することを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の電流測定システム。
【請求項6】
前記蓄積部がキャパシタに前記電源用エネルギーを蓄積する蓄積状態と、前記キャパシタに蓄積された電源用エネルギーを使って、前記発信部が前記計測・変換部の出力を無線で発信する発信状態とを切り替える切替手段を具備し、前記切替手段は、前記キャパシタに蓄積される電源用エネルギーが所定量蓄積された際に前記蓄積状態から前記発信状態に切り替えられることを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の電流測定システム。
【請求項7】
前記計測・変換部は、前記蓄積状態の期間の前記計測・変換部の出力を格納する不揮発性メモリを具備し、前記発信部は、前記発信状態の期間に前記不揮発性メモリに格納されたデータを発信することを特徴とする請求項記載の電流測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電流測定システムに関し、特に一戸建てやマンションなどの電気設備の異常をできるだけ早い段階で検出する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、一戸建てやマンションの各家庭における電気設備の消費エネルギーやビル全体で消費されるエネルギーを正確に把握するために、例えば、電力線に設置された変流器(Current Transformer、以下CTという)により、電流計測、電源供給を可能としたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のものは、スタンバイ状態においては測定・電源部出力をエネルギー蓄積部のキャパシタの充電に利用し、発信実施時はエネルギー蓄積部に蓄積されたキャパシタから給電を受けることによって、測定部の出力を発信するようにしたので、外部からの電源供給を必要とせず動作する自己電源型のセンサーを実現するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010―55356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したセンサーを用いると、測定箇所で消費されるエネルギーは正確に把握することができるが、電気設備の異常を検出するには不十分なものであった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑み、電気設備の異常をできるだけ早い段階で検出することができる電流測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、電力線に設置される変流器と、前記変流器から得られるエネルギーを電源用エネルギーに変換する変換部と、キャパシタに前記電源用エネルギーを蓄積する蓄積部と、前記変流器で測定された電流及び電流波形のデータ処理を行う計測・変換部と、前記蓄積部に蓄積された電源用エネルギーを使って、前記計測・変換部の出力を無線で発信する発信部と、を具備するセンサー装置と、前記センサー装置からの無線通信を受信する受信部を具備する受信装置とから構成される電流測定システムであって、前記計測・変換部は、前記変流器からの二次電流を電圧に変換する負荷抵抗と、この負荷抵抗からの電流を実効値に変換してアナログ値とする実効値変換回路と、前記実効値変換回路をバイパスするバイパス回路とを具備し、前記負荷抵抗からの電流を前記バイパス回路を介して電流波形データとして前記発信部へ出力する波形出力状態と、前記負荷抵抗からの電流を前記実効値変換回路で実効値に変換して電流データとして前記発信部へ出力する電流出力状態とを切り替えるスイッチを具備することを特徴とする電流測定システムにある。
【0008】
かかる態様の電流測定システムによれば、CTの設置箇所の電流波形データが発信部から受信部へ送信されるので、受信装置の受信部から電流波形のデータを得ることができるので、電流波形の歪みなどから電気設備の異常、例えば、冷蔵庫の初期漏電や、漏電につながる配線の接触不良等を把握することができる。なお、電流データは、電流波形データを解析することにより得ることができる。
【0011】
本発明の第の態様は、前記計測・変換部は、前記波形出力状態と、前記電流出力状態とが交互に切り替えられるように構成されていることを特徴とする第の態様記載の電流測定システムにある。
【0012】
かかる態様では、電流波形データと電流データとが交互に発信部へ送信され、電流波形データと電流データとの両者を容易に把握することができる。
【0015】
本発明の第の態様は、前記受信装置は、前記受信部が受信したデータを蓄積するメモリを具備することを特徴とする第1又は2の態様記載の電流測定システムにある。
【0016】
かかる態様では、受信部が受信したデータがメモリに蓄積されるようになっているので適宜なタイミングで受信装置からデータを取り出すことができる。
【0019】
本発明の第の態様は、前記計測・変換部は、前記負荷抵抗が可変抵抗であることを特徴とする第1〜3の何れかの態様記載の電流測定システムにある。
【0020】
かかる態様では、負荷抵抗を変化させることにより、CTの飽和特性のばらつきを制御することができる。
【0023】
本発明の第の態様は、前記計測・変換部は、基準時間発生手段を具備し、前記基準時間発生手段からの基準時間信号を前記発信部に出力することを特徴とする第1〜の何れかの態様記載の電流測定システムにある。
【0024】
かかる態様では、基準時間信号を出力することにより、基準時間信号と共に電流波形データ等を受信できるので、データ解析を比較的容易に行うことができる。
【0025】
本発明の第の態様は、前記蓄積部がキャパシタに前記電源用エネルギーを蓄積する蓄積状態と、前記キャパシタに蓄積された電源用エネルギーを使って、前記発信部が前記計測・変換部の出力を無線で発信する発信状態とを切り替える切替手段を具備し、前記切替手段は、前記キャパシタに蓄積される電源用エネルギーが所定量蓄積された際に前記蓄積状態から前記発信状態に切り替えられることを特徴とする第1〜の何れかの態様記載の電流測定システムにある。
【0026】
かかる態様では、キャパシタに電源用エネルギーが蓄積された際に、発信部が発信状態に切り替わり、電流波形データ等を送信する。
【0027】
本発明の第の態様は、前記計測・変換部は、前記蓄積状態の期間の前記計測・変換部の出力を格納する不揮発性メモリを具備し、前記発信部は、前記発信状態の期間に前記不揮発性メモリに格納されたデータを発信することを特徴とする第の態様記載の電流測定システムにある。
【0028】
かかる態様では、キャパシタに電源用エネルギーを蓄積している期間の電流波形データ等が不揮発性メモリに格納され、発信状態になった際に送信されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態1に係る電流測定システムのブロック図である。
図2】本発明の実施形態1の受信装置のブロック図である。
図3】本発明の実施形態2に係る電流測定システムのブロック図である。
図4】本発明の実施形態3に係る電流測定システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、各図において、同一部分には、同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0031】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る電流測定システムを示すブロック図、図2は、受信装置のブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の電流測定システムは、例えば、配電盤に設置されるセンサー装置1と、適宜の場所に設置される受信装置2とを具備する。
【0032】
センサー装置1は、センサー本体10と、配電盤内の電力線を挿通するように配置されるCT(変流器)11とからなり、センサー本体10は、CT11から得られるエネルギーを電源用エネルギーに変換する変換部12、変換部12が変換した電源用エネルギーを蓄積する蓄積部13と、CT11の二次側に接続され、CT11を介して電流波形データの検出等を行う計測・変換部14と、計測・変換部14に接続される発信部15とを具備する。ここで、変換部12及び蓄積部13と、計測・変換部14及び発信部15とは、切り換え回路16に接続され、相互に切り換えられるようになっている。
【0033】
蓄積部13には電源監視回路17が接続され、蓄積部13が所定の電源エネルギーを蓄積した際に、切り換え回路16を制御し、変換部12及び蓄積部13から、計測・変換部14へ切り換えるように制御する。また、電源監視回路17にはレギュレータ18が接続され、蓄積部13で蓄積した電源エネルギーをレギュレータ18を介して計測・変換部14及び発信部15に供給するようになっている。
【0034】
ここで、変換部12、蓄積部13、計測・変換部14の具体的構成の一例を説明するが、これに限定されるものではないことはいうまでもない。
変換部12は、CT11からの交流を全波整流するダイオードブリッジ12Aと、ダイオードブリッジ12Aが全波整流した全波整流波を平滑して直流とする平滑回路21Bとを具備する。また、蓄積部13は、電気を蓄積するスーパーキャパシタ13Aと、スーパーキャパシタ13Aの電気チャージをコントロールするスーパーキャパシタコントローラ13Bとを具備する。また、計測・変換部14は、CT11からの二次電流を電圧に変換する負荷抵抗14Aを具備し、負荷抵抗14Aは、スイッチ14Bを介して実効値変換回路14Cに接続されている。実効値変換回路14Cは、負荷抵抗14Aからの電流を実効値に変換してアナログ値とする回路であり、出力を発信部15に出力する。なお、実効値変換回路14Cは、サンプリング周波数が高くとれれば、A/D変換回路などでもよい。
【0035】
スイッチ14Bは、実効値変換回路14Cをバイパスして負荷抵抗14Aと発信部15とを直接接続する回路と、実効値変換回路14Cを経由して負荷抵抗14Aと発信部15とを接続する回路とを切り換えるものである。ここで、実効値変換回路14Cをバイパスして負荷抵抗14Aと発信部15とを直接接続する回路に切り換えられた場合には、発信部15には、電流波形データが出力され、実効値変換回路14Cを経由して負荷抵抗14Aと発信部15とを接続する回路に切り換えられた場合には、発信部15には、電流データが出力される。なお、このスイッチ14Bの切換は、外部からの指令信号などにより切り換え制御できるようにしてもよいが、本実施形態では、センサー本体10に設けられた物理的な図示しない切換スイッチを介して切り換えられるようになっている。
【0036】
一方、受信装置2は、図2に示すように、発信部15から発信されたデータを受信する受信部21と、受信部21で受信したデータを受けるCPU22と、CPU22に接続されるメモリ23と、無線モジュール24と、LANモジュール25とを具備する。受信装置2は、センサー装置1の発信部15から送信されたデータを受信部21を介して受信し、受信したデータを、無線モジュール24かLANモジュール25を介してパソコン3等に出力するための中継器である。
【0037】
このような電流測定システムでは、以下の手順で電流波形データや電流データの計測を行うことができる。
【0038】
配電盤などの電力線にCT11を介して取り付けられたセンサー装置1は、まず、CT11から得られるエネルギーを電源エネルギーとして蓄積する蓄積状態となり、変換部12により変換された電源用エネルギーは蓄積部13のスーパーキャパシタ13Aに蓄積される。電源監視回路17は、スーパーキャパシタ13Aへの蓄積状態を監視し、所定の閾値以上蓄積された際にトリガー信号を出力し、切り換え回路16を変換部12から計測・変換部14へ切り換え、発信状態となる。
【0039】
発信状態では、レギュレータ18を介して発信部15に電源エネルギーを供給し、発信部15をウェイクアップさせる。また、レギュレータ18からの電源エネルギーを計測・変換部14に供給し、CT11の二次電流から得られるデータを発信部15に出力し、発信部15は入力されたデータを発信する。
【0040】
発信部15から発信されたデータは、受信装置2の受信部21で受信され、CPU22を介してメモリ23に格納される。また、LANモジュール25を介してパソコン3が接続されている場合には、受信部21で受信したデータをパソコン3にも出力する。
【0041】
本実施形態では、発信部15から送信されるデータは、計測・変換部14のスイッチ14Bの切り換え状態によって、電流波形データか電流データかの何れかとなる。実効値変換回路14Cを介してデータが送信される場合には、電流データであり、実効値変換回路14Cをバイパスしてデータが送信される場合には、電流波形データである。
【0042】
電流データが送信されている場合には、消費電力の他、完全に漏電している場合などが検出される。一方、電流波形データが送信されている場合には、電流波形が正常な波形か、歪みなどが生じた波形かなどが判断でき、例えば、冷蔵庫などに将来の漏電につながるような異常が発生した場合には、波形の歪みとして検出できることになり、従来では不可能であった、漏電の予防などの措置が可能となる。
【0043】
使用方法としては、通常は、電流データを出力するようにし、例えば、地震発生の後、電流波形データを出力するように切り換え、電流波形データに歪み等がないかを検出するようにする。
【0044】
また、電流波形データは、パソコン3に取り込めば、電流データに容易に変換できるので、常に電流波形データを出力するようにしてもよい。
【0045】
なお、スイッチ14Bの切り換えは、本実施形態では物理的なスイッチにより切り換えるようにしたが、パソコン3からの制御により切り換えられるようにしてもよいし、CPUなどを設けて一定期間毎に切り換えが行われるようにしてもよい。
【0046】
また、受信装置2がメモリ23を具備しているので、受信部21が受信したデータはメモリ23に格納されるので、必要に応じてパソコン3を接続してデータを取り出せばよいが、常にパソコン3が接続されるような環境の場合には、メモリ23は必ずしも設ける必要はない。
【0047】
なお、発信部15と受信部21とを無線接続するための規格は特に限定されず、小電力無線、無線LAN、WiFi、ブルートゥースなど、特に限定されず、環境や接続距離などにより選定すれば良い。
【0048】
また、受信装置2の無線モジュール24の規格も特に限定されず、無線LAN、WiFi、ブルートゥースなどであればよい。
【0049】
(実施形態2)
図3は本発明の実施形態2に係る電流測定システムを示すブロック図である。
図3に示す電流測定システムは、計測・変換部14がCPU14Dを具備し、また、CPU14Dに基準時間信号を出力するGPSモジュール19をセンサー本体10に設けた以外は、実施形態1と同様であるので、同一の構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0050】
本実施形態では、実効値変換回路14Cをバイパスして負荷抵抗14Aと発信部15とを直接接続する回路と、実効値変換回路14Cを経由して負荷抵抗14Aと発信部15とを接続する回路とを切り換える切換手段であるスイッチ14Bを、CPU14Dを介して制御できるようにし、所定期間毎に定期的にスイッチ14Bを切り換えたり、発信部15を介して受信した制御信号に基づいてスイッチ14Bを切り換えるようにすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、GPSモジュール19が受信した基準時間信号を電流波形データや電流データと共に発信部15から送信するものである。これにより、受信装置2やパソコン3(図2参照)では基準時間信号と共に電流波形データや電流データを受信できるので、より正確な解析を行うことができる。
なお、基準時間信号を取得する手段はGPSモジュール19に限定されず、例えば、標準電波を受信するモジュールであってもよいし、内蔵時計であってもよい。
【0052】
(実施形態3)
図4は本発明の実施形態3に係る電流測定システムを示すブロック図である。
図4に示す電流測定システムは、計測・変換部14が不揮発性のメモリ14Eを具備する以外は、実施形態2と同様であるので、同一の構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0053】
本実施形態では、蓄積状態の際にも計測・変換部14が動作するようにし、計測したデータをメモリ14Eに格納しておき、発信状態に切り替わった後、メモリ14Eに格納されていたデータを発信部15から送信するようにしたものである。上述した実施形態1、2では、蓄積状態の期間の電流波形データや電流データは取得できなかったが、本実施形態では、蓄積状態の期間のデータも取得することができるものである。
【0054】
(その他の実施形態)
上記実施形態において電流センサは変流器で形成したが、必ずしもこれに限定する必要はない。また、電源手段も変流器に限定する必要はなく、電源手段としては、他に、電磁誘導方式、環境磁界発電方式、太陽光エネルギー方式による電源を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は低電圧送電を行う電力業界や、この種の低電圧送電線の保守・点検等を行う産業分野において有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 センサー装置
2 受信装置
10 センサー本体
11 CT
12 変換部
13 蓄積部
14 計測・変換部
15 発信部
16 切り換え回路
17 電源監視回路
18 レギュレータ
19 GPSモジュール
21 受信部
図1
図2
図3
図4