(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球が所定の始動口へ入球したことを契機に乱数情報を記憶することにより、該乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームの実行を保留可能であり、連続する複数回の図柄変動ゲームの実行期間中に特定演出を実行可能な遊技機において、
第1制御部と、第2制御部と、を備え、
前記第1制御部は、
遊技球が前記所定の始動口へ入球したときに、該入球を契機として記憶される乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームに関する保留情報を生成する保留情報生成処理を実行し、
前記第2制御部は、
保留中の図柄変動ゲームに対応付けて所定の情報を記憶できるようになっており、
遊技球が前記所定の始動口へ入球したときに前記保留情報が生成されたことを契機として、該保留情報に対応する図柄変動ゲームの実行期間中に前記特定演出を実行可能であるかを特定可能な特定情報を生成し、該生成した特定情報を、前記所定の情報として、保留中の図柄変動ゲームに対応付けて記憶する特定情報生成処理と、
前記特定演出を実行可能な期間に関する期間情報を生成する期間情報生成処理と、
前記期間情報に基づいて、前記特定演出を実行させる演出実行処理と、を実行し、
前記期間情報生成処理においては、
保留中の図柄変動ゲームのうち、最後に保留された図柄変動ゲームから、最先に保留された図柄変動ゲームまでの保留順序にしたがって、保留中の図柄変動ゲームに対応付けて記憶している特定情報を参照することにより、連続して特定演出の実行が許容されている図柄変動ゲームの回数である許容回数を特定し、
前記許容回数分の図柄変動ゲームに前記最先に保留された図柄変動ゲームが含まれている場合であって、実行中の図柄変動ゲームがあるときには、該実行中の図柄変動ゲームの実行期間中における前記特定演出の実行が許容されているかを特定し、
特定した前記許容回数と、前記実行中の図柄変動ゲームの実行期間中における特定演出の実行が許容されているかと、を特定可能となるように、前記期間情報を生成するようになっており、
前記特定演出には、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数の図柄変動ゲームの実行期間中に実行可能な第1種特定演出と、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数の図柄変動ゲームの実行期間中、及び実行中の図柄変動ゲームの実行期間中に実行可能な第2種特定演出と、があり、
前記演出実行処理において、
前記第1種特定演出を実行させるときには、前記図柄変動ゲームを保留可能な最大回数の図柄変動ゲーム分の前記第1種特定演出の演出内容を対応付けた内容情報を決定し、該決定した内容情報に対応付けられた演出内容のうち、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数の図柄変動ゲーム分の演出内容を抽出することにより、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数が、前記図柄変動ゲームを保留可能な最大回数に等しいときには、決定した前記内容情報に対応付けられた演出内容のうち全ての演出内容が抽出される一方で、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数が、前記図柄変動ゲームを保留可能な最大回数未満であるときには、決定した前記内容情報に対応付けられた演出内容のうち一部の演出内容であって、且つ、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数の図柄変動ゲーム分の演出内容が抽出されるようになっており、
前記演出実行処理において、
前記抽出した演出内容の第1種特定演出を、前記期間情報を用いて特定可能な許容回数の図柄変動ゲームの実行期間中に実行させることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
図1に示すように、遊技機に相当するパチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、遊技者からみて前面側に、遊技球が流下される遊技領域YBaを備えている。パチンコ遊技機10は、機前面側に、遊技者が操作可能な発射ハンドルHDを備えている。この実施形態のパチンコ遊技機10では、発射ハンドルHDを回動操作することにより、遊技媒体に相当する遊技球を発射させたり、その発射強度を調節したりできる。
【0015】
パチンコ遊技機10は、機前面側に、装飾ランプSLを備えている。装飾ランプSLは、図示しない発光体(例えば、LEDなど)を備えている。装飾ランプSLは、遊技に関する演出(以下、遊技演出と示す)の1つとして、発光体を発光、点滅、及び消灯させる演出(以下、発光演出と示す)を実行可能に構成されている。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、遊技演出の1つとして、効果音や楽曲といった各種の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能に構成されている。
【0016】
パチンコ遊技機10は、第1特別図柄表示器11を備えている。第1特別図柄表示器11は、図柄を変動表示させるとともに、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させて行う第1特別図柄変動ゲームを実行可能な装置である。以下の説明では、単に「第1変動ゲーム」と示す場合、第1特別図柄変動ゲームを指している。この明細書における「変動表示」とは、表示される図柄の種類が変化している状態を指している。この明細書における「確定停止表示」とは、図柄が確定停止している状態を指している。
【0017】
パチンコ遊技機10は、第2特別図柄表示器12を備えている。第2特別図柄表示器12は、図柄を変動表示させるとともに、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させて行う第2特別図柄変動ゲームを実行可能な装置である。以下の説明では、単に「第2変動ゲーム」と示す場合、第2特別図柄変動ゲームを指している。特別図柄表示器11,12は、遊技者が視認可能となるように、遊技盤YBに配設されている。以下、第1特別図柄を「特
図1」と示し、第2特別図柄を「特
図2」と示す場合がある。
【0018】
第1特別図柄及び第2特別図柄は、特別図柄の当りか否かの内部抽選(後述する特別図柄の当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。この明細書において、単に「当り抽選」と示す場合、特別図柄の当り抽選を指し、単に「当り」と示す場合、特別図柄の当りを指している。なお、この実施形態における当りは、所謂「大当り」である。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを区別しないときには、まとめて「特別図柄」又は「特図」と示す場合がある。また、第1変動ゲームと第2変動ゲームとを区別しないときには、まとめて単に「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0019】
第1特別図柄表示器11では、第1変動ゲームの開始と同時に図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄表示器11では、第1変動ゲームの終了と同時に第1特別図柄が確定停止表示される。第2特別図柄表示器12では、第2変動ゲームの開始と同時に図柄の変動表示が開始される。第2特別図柄表示器12では、第2変動ゲームの終了と同時に第2特別図柄が確定停止表示される。
【0020】
変動ゲームでは、当り抽選の結果に応じた図柄(表示結果)が確定停止表示(導出)される。変動ゲームにおいて確定停止表示される図柄には、当り抽選に当選した場合に表示される当り図柄(当り表示結果)と、当り抽選に当選しなかった場合に表示されるはずれ図柄(はずれ表示結果)と、がある。
【0021】
パチンコ遊技機10は、演出表示器13を備えている。演出表示器13は、遊技盤YBの略中央において、その画像表示領域GHが遊技者から視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示器13は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、及び有機ELなどであり、これらの組合せであってもよい。演出表示器13は、遊技演出の1つとして、各種の画像を画像表示領域GHに表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能に構成された装置である。
【0022】
演出表示器13が実行可能な表示演出には、複数種類の飾り図柄を複数列(この実施形態では3列)で変動表示させるとともに、最終的に飾り図柄を確定停止表示させる演出(以下、飾り図柄変動ゲームと示す)がある。飾り図柄は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄(演出図柄)である。飾り図柄変動ゲームは、変動ゲームの期間中に行われる図柄変動演出である。
【0023】
演出表示器13では、変動ゲームの開始と同時に、全列の飾り図柄の変動表示が開始される。演出表示器13では、変動ゲームの終了前に、遊技者から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順番で、飾り図柄が一旦停止表示される。演出表示器13では、変動ゲームの終了と同時に飾り図柄が確定停止表示される。この明細書における「一旦停止表示」とは、例えばゆれ変動状態など、図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態を指している。
【0024】
飾り図柄変動ゲームでは、変動ゲームで導出される図柄に応じた図柄(表示結果)が表示される。即ち、変動ゲームにおいて、当り図柄(当り表示結果)が確定停止表示される場合、演出表示器13にも、当り図柄(当り表示結果)が確定停止表示される。この実施形態において、飾り図柄による当り図柄は、例えば演出表示器13に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一の図柄組合せである。
【0025】
変動ゲームにおいて、はずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合、演出表示器13にも、はずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。この実施形態において、飾り図柄によるはずれ図柄は、例えば演出表示器13に確定停止表示された全列の飾り図柄のうち少なくとも一部の図柄が異なる図柄組合せである。
【0026】
飾り図柄変動ゲームでは、リーチを形成して行うリーチ演出が行われ得る。リーチとは、演出表示器13において、全図柄列のうち、特定列(この実施形態では左列と右列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示されており、且つ特定列以外の列(この実施形態では中列)の飾り図柄が引き続き変動表示されている状態である。
【0027】
リーチ演出は、飾り図柄変動ゲームにおいてリーチが形成されてから、最終的に図柄組合せが一旦停止表示される迄の間に、飾り図柄変動ゲームの一部として実行される演出である。リーチ演出には、例えばノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出に比して当り期待度が高いスーパーリーチ演出と、がある。この明細書において、「当り期待度」と示す場合、特別図柄の当り抽選に当選している期待度を指している。この実施形態における当り期待度は、所謂「大当り期待度」である。
【0028】
パチンコ遊技機10は、始動部としての第1始動入賞部15を備えている。第1始動入賞部15は、遊技領域YBaに開口しており、遊技球が入球可能な第1入球口14を備えている。第1始動入賞部15は、第1入球口14へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備えている(
図3に示す)。この実施形態では、遊技球が第1始動センサSE1で検知されると、第1変動ゲームの始動条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0029】
パチンコ遊技機10は、始動部としての第2始動入賞部17を備えている。第2始動入賞部17は、始動部のうち特定の始動部に相当する。第2始動入賞部17は、遊技領域YBaに開口しており、遊技球が入球可能な第2入球口16を備えている。第2始動入賞部17は、第2入球口16へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備えている(
図3に示す)。この実施形態では、遊技球が第2始動センサSE2で検知されると、第2変動ゲームの始動条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0030】
第2始動入賞部17は、開閉部材18を備えている。開閉部材18は、遊技球が第2入球口16へ入球し易い開状態と、遊技球が第2入球口16に入球し難い、又は入球できない閉状態と、に動作可能である。第2始動入賞部17は、開閉部材18を開状態と閉状態とに動作させる第1アクチュエータA1を備えている(
図3に示す)。
【0031】
パチンコ遊技機10は、第1大入賞部20を備えている。第1大入賞部20は、遊技盤YBにおいて、遊技者から見て演出表示器13の右方に配設されている。第1大入賞部20は、遊技領域YBaに開口しており、遊技球が入球可能な第1大入賞口19を備えている。第1大入賞部20は、第1大入賞口扉21を備えている。第1大入賞口扉21は、遊技球が第1大入賞口19へ入球可能な開状態と、遊技球が第1大入賞口19へ入球不能な閉状態と、に動作可能である。
【0032】
第1大入賞部20は、第1大入賞口扉21を開状態と閉状態とに動作させる第2アクチュエータA2(
図3に示す)を備えている。第1大入賞部20は、第1大入賞口19へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3(
図3に示す)を備えている。この実施形態では、遊技球が第1カウントセンサSE3で検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0033】
パチンコ遊技機10は、第2大入賞部23を備えている。第2大入賞部23は、遊技盤YBにおいて、遊技者から見て演出表示器13の下方に配設されている。第2大入賞部23は、遊技領域YBaに開口しており、遊技球が入球可能な第2大入賞口22を備えている。第2大入賞部23は、第2大入賞口扉24を備えている。第2大入賞口扉24は、遊技球が第2大入賞口22へ入球可能な開状態と、遊技球が第2大入賞口22へ入球不能な閉状態と、に動作可能である。
【0034】
第2大入賞部23は、第2大入賞口扉24を開状態と閉状態とに動作させる第3アクチュエータA3を備えている(
図3に示す)。第2大入賞部23は、第2大入賞口22へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備えている(
図3に示す)。この実施形態では、遊技球が第2カウントセンサSE4で検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0035】
この実施形態のパチンコ遊技機10では、当り抽選に当選すると、変動ゲームにおいて当り図柄が確定停止表示されるとともに、該変動ゲームの終了後に、当り遊技が付与される。当り遊技では、大入賞口19,22の何れかが開放され、遊技球の入球が可能になる。このため、当り遊技の期間中は、遊技者が賞球の払出条件を成立させるチャンスを得ることができる。この明細書において、単に「当り遊技」と示す場合、特別図柄の当り抽選に当選したことを契機とし、大入賞口が開放される当り遊技を指している。この実施形態における当り遊技は、所謂「大当り遊技」である。
【0036】
パチンコ遊技機10は、第1特別保留表示器26を備えている。第1特別保留表示器26は、遊技者が視認可能となるように、遊技盤YBに配設されている。第1特別保留表示器26は、実行が保留されている第1変動ゲームの回数(以下、第1特別図柄保留数と示す)を表示可能な装置である。この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1変動ゲームを、予め定めた上限回数(この実施形態では4回)を超えない範囲で、その実行を順次保留できる。第1特別図柄保留数は、始動条件が成立したが、実行条件が成立していない第1変動ゲームの回数である。以下の説明では、第1特別図柄保留数を、単に「第1保留数」と示す。
【0037】
パチンコ遊技機10は、第2特別保留表示器27を備えている。第2特別保留表示器27は、遊技者が視認可能となるように、遊技盤YBに配設されている。第2特別保留表示器27は、実行が保留されている第2変動ゲームの回数(以下、第2特別図柄保留数と示す)を表示可能な装置である。この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1変動ゲームとは別に、第2変動ゲームを、予め定めた上限回数(この実施形態では4回)を超えない範囲で、その実行を順次保留できる。第2特別図柄保留数は、始動条件が成立したが、実行条件が成立していない第2変動ゲームの回数である。以下の説明では、第2特別図柄保留数を、単に「第2保留数」と示す。
【0038】
図2に示すように、この実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示器13にも、遊技者が保留数を認識できるように画像が表示される。演出表示器13の画像表示領域GHには、実行中の第1変動ゲームに対応している情報画像Gaを表示するための第1表示領域Ra0と、保留中の第1変動ゲームに対応している情報画像Gaを表示するための4つの第1表示領域Ra1〜Ra4と、が設定されている。以下、実行中の変動ゲームを「保留0の変動ゲーム」と示す場合がある。また、保留中の変動ゲームのうち、最先に保留されたものを「保留1の変動ゲーム」と、2番目に古くに保留されたものを「保留2の変動ゲーム」と、3番目に古くに保留されたものを「保留3の変動ゲーム」と、4番目に古くに保留されたものを「保留4の変動ゲーム」と示す場合がある。
【0039】
第1表示領域Ra1は、保留1の第1変動ゲームに対応している情報画像Gaを表示するための領域である。第1表示領域Ra2は、保留2の第1変動ゲームに対応している情報画像Gaを表示するための領域である。第1表示領域Ra3は、保留3の第1変動ゲームに対応している情報画像Gaを表示するための領域である。第1表示領域Ra4は、保留4の第1変動ゲームに対応している情報画像Gaを表示するための領域である。
【0040】
この明細書において、「第1変動ゲームの保留順序」と示す場合、保留中の第1変動ゲームのうち、1番目に新しく(最後に)保留された第1変動ゲーム→2番目に新しく保留された第1変動ゲーム→3番目に新しく保留された第1変動ゲーム→最先に保留された第1変動ゲームの順番を指している。即ち、第1変動ゲームの保留順序は、第1保留数=4の場合、保留4の変動ゲーム→保留3の変動ゲーム→保留2の変動ゲーム→保留1の変動ゲームの順序である。
【0041】
演出表示器13の画像表示領域GHには、実行中の第2変動ゲームに対応している情報画像Gbを表示するための第2表示領域Rb0と、保留中の第2変動ゲームに対応している情報画像Gbを表示するための4つの第2表示領域Rb1〜Rb4と、が設定されている。第2表示領域Rb1は、保留1の第2変動ゲームに対応している情報画像Gbを表示するための領域である。第2表示領域Rb2は、保留2の第2変動ゲームに対応している情報画像Gbを表示するための領域である。第2表示領域Rb3は、保留3の第2変動ゲームに対応している情報画像Gbを表示するための領域である。第2表示領域Rb4は、保留4の第2変動ゲームに対応している情報画像Gbを表示するための領域である。
【0042】
この明細書において、「第2変動ゲームの保留順序」と示す場合、保留中の第2変動ゲームのうち、1番目に新しく(最後に)保留された第2変動ゲーム→2番目に新しく保留された第2変動ゲーム→3番目に新しく保留された第2変動ゲーム→最先に古くに保留された第2変動ゲームの順番を指している。即ち、第2変動ゲームの保留順序は、第2保留数=4の場合、保留4の変動ゲーム→保留3の変動ゲーム→保留2の変動ゲーム→保留1の変動ゲームの順序である。
【0043】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、普通図柄表示器28を備えている。普通図柄表示器28は、遊技者が視認可能となるように、遊技盤YBに配設されている。普通図柄表示器28は、図柄を変動表示させるとともに、最終的に普通図柄を確定停止表示させて行う普通図柄変動ゲームを実行可能な装置である。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(後述する普通図柄の当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
【0044】
普通図柄表示器28では、普通図柄変動ゲームの開始と同時に普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄表示器28では、普通図柄変動ゲームの終了と同時に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄変動ゲームでは、普通図柄の当り抽選の結果に応じた図柄(表示結果)が確定停止表示(導出)される。普通図柄変動ゲームにおいて確定停止表示される図柄には、普通図柄の当り抽選に当選した場合に表示される当り図柄(当り表示結果)と、普通図柄の当り抽選に当選しなかった場合に表示されるはずれ図柄(はずれ表示結果)とがある。
【0045】
この実施形態のパチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通図柄変動ゲームにおいて当り図柄が確定停止表示されるとともに、該普通図柄変動ゲームの終了後に、普通当り遊技が付与される。普通当り遊技では、開閉部材18が開状態に動作され、遊技球が入球可能又は入球容易になる。このため、普通当り遊技の期間中は、第2変動ゲームの始動条件と賞球の払出条件とを成立させるチャンスを得ることができる。
【0046】
パチンコ遊技機10は、作動ゲート29を備えている。作動ゲート29は、入球(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE6を備えている(
図3に示す)。この実施形態では、遊技球がゲートセンサSE6で検知されることにより、普通図柄変動ゲームの始動条件が成立し得る。
【0047】
パチンコ遊技機10は、普通保留表示器30を備えている。普通保留表示器30は、遊技者が視認可能となるように、遊技盤YBに配設されている。普通保留表示器30は、実行が保留されている普通図柄変動ゲームの回数(以下、普通図柄保留数と示す)を表示可能な装置である。この実施形態のパチンコ遊技機10は、普通図柄変動ゲームを、予め定めた上限回数(この実施形態では4回)を超えない範囲で、その実行を順次保留できる。普通図柄保留数は、始動条件が成立したが、実行条件が成立していない普通図柄変動ゲームの回数である。
【0048】
この実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の確率変動機能を備えている。パチンコ遊技機10では、特別図柄の確率変動機能が作動することにより、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態に比して、特別図柄の当り抽選に当選する確率が高確率へ変動される遊技状態が付与される。以下の説明では、単に「確率変動状態」と示す場合、特別図柄の当り確率が高確率に変動されている遊技状態を指すとともに、単に「非確率変動状態」と示す場合、特別図柄の当り確率が高確率に変動されていない遊技状態を指している。また、「確率変動状態」を「確変状態」と略し、「非確率変動状態」を「非確変状態」と略して示す場合がある。確変状態は、非確変状態に比して、特別図柄の当り抽選に当選し易くなるため、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0049】
この実施形態のパチンコ遊技機10は、入賞容易化機能(入球率向上機能)を備えている。パチンコ遊技機10では、入賞容易化機能が作動することにより、入賞容易化機能が作動していない遊技状態に比して、第2始動入賞部17への遊技球の入賞が容易になる遊技状態が付与される。以下の説明では、単に「入賞容易状態(入球容易状態)」と示す場合、第2始動入賞部17への遊技球の入賞が容易になっている遊技状態を指すとともに、単に「非入賞容易状態(非入球容易状態)」と示す場合、第2始動入賞部17への遊技球の入賞が容易になっていない遊技状態(入賞が困難な遊技状態)を指している。即ち、入賞容易状態は、所謂「電サポあり」の遊技状態である。
【0050】
入賞容易状態は、第2入球口16への遊技球の入球率が向上されている入球率向上状態としても把握できるとともに、非入賞容易状態は、第2入球口16への遊技球の入球率が向上されていない非入球率向上状態としても把握できる。このように、入賞容易状態は、非入賞容易状態に比して、第2変動ゲームの始動条件が成立し易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。この実施形態では、非入賞容易状態が第1遊技状態に相当し、入賞容易状態が第2遊技状態に相当する。
【0051】
入賞容易化機能は、普通図柄の確率変動機能を備えることにより実現してもよい。パチンコ遊技機10では、普通図柄の確率変動機能が作動することにより、普通図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態に比して、普通図柄の当り抽選に当選する確率が高確率へ変動される遊技状態が付与される。また、入賞容易化機能は、普通図柄の変動時間短縮機能を備えることにより実現してもよい。パチンコ遊技機10では、普通図柄の変動時間短縮機能が作動することにより、普通図柄の変動時間短縮機能が作動していない遊技状態に比して、普通図柄変動ゲームの平均の変動時間が短縮され得る遊技状態が付与される。
【0052】
入賞容易化機能は、開放時間延長機能を備えることにより実現してもよい。パチンコ遊技機10では、開放時間延長機能が作動することにより、開放時間延長機能が作動していない遊技状態に比して、1回の普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく第2入球口16の合計開放時間が延長され得る遊技状態が付与される。なお、第2入球口16の合計開放時間を延長するには、開閉部材18が開状態に動作する回数を増加させる制御や、開閉部材18が開状態に動作する1回の動作時間を延長する制御を採用できる。
【0053】
また、入賞容易状態は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び開放時間延長機能のうち、複数の機能を組合せて作動させることにより実現してもよい。
なお、パチンコ遊技機10は、特別図柄の変動時間短縮機能を備えていてもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の変動時間短縮機能が作動することにより、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない遊技状態に比して、変動ゲームの平均の変動時間が短縮され得る遊技状態が付与される。この特別図柄の変動時間短縮機能は、入賞容易化機能の作動時に作動するとよい。
【0054】
次に、特別図柄に関する当り及び当り遊技について説明する。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の当り図柄として、複数種類(例えば100種類)の当り図柄を備えているとともに、複数種類の当り図柄には、当り遊技の種類、及び当り遊技の終了後に付与する遊技状態がそれぞれ対応付けられている。特別図柄の当り図柄は、当り図柄Zaと、当り図柄Zbと、に分類されている。なお、この実施形態のパチンコ遊技機10では、当り図柄Za,Zbに対して、同一の当り遊技が対応付けられている。
【0055】
当り遊技は、当り図柄が確定停止表示される当りの変動ゲームの終了後に開始される。当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング時間にわたって、当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。当り遊技では、オープニング演出の終了後に、大入賞口19,22の何れかを開放するラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めたラウンド上限回数(例えば16回)を上限として行われる。1回のラウンド遊技において、大入賞口19,22は、入球上限個数(例えば9個)の遊技球が入球する第1終了条件、又は上限時間(例えば25秒)が経過する第2終了条件が成立する迄の間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間にわたって、当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。当り遊技は、エンディング演出の終了に伴って終了される。
【0056】
また、当り図柄Zaに分類されている当り図柄には、当り遊技の終了後に付与する遊技状態として、次回の当り遊技が付与される迄の間の確変状態と、次回の当り遊技が付与される迄の間の入賞容易状態と、が対応付けられている。当り図柄Zbに分類されている当り図柄には、当り遊技の終了後に付与する遊技状態として、非確変状態と、予め定めたゲーム上限回数(例えば100回)の変動ゲームが終了される迄の間、又はゲーム上限回数の変動ゲームが終了される前に当り遊技が付与される迄の間の入賞容易状態と、が対応付けられている。この実施形態において、当り遊技、確変状態、及び入賞容易状態は、遊技者にとって有利な特典となる。そして、特別図柄の当り図柄は、遊技者に付与する特典を定めた当りの種類として把握できる。
【0057】
この実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技演出の1つとして、連続する複数回の変動ゲームの期間中に特定演出を実行可能に構成されている。特定演出は、始動条件が成立したときに該始動条件の成立に基づいて実行される変動ゲームの内容を事前判定し、該事前判定の結果に基づいて行われる演出(所謂、先読み連続演出)である。以下の説明において、変動ゲームの実行が保留されたときに、該変動ゲームの内容を事前判定することを「先読み」と示す場合がある。
【0058】
この実施形態のパチンコ遊技機10が実行可能な特定演出には、複数の系統(種類)がある。即ち、特定演出は、複数種類あるとともに複数のグループに分類されている。以下、パチンコ遊技機10において実行可能な特定演出に関して、その一部について説明する。
【0059】
パチンコ遊技機10は、特定演出の1系統として、第1表示領域Ra0〜Ra4に表示する情報画像Gaや、第2表示領域Rb0〜Rb4に表示する情報画像Gbの表示態様を変化させる演出(以下、保留系演出と示す)を実行可能に構成されている。保留系演出では、情報画像Ga,Gbの変化後の表示態様によって、該表示態様が変化された情報画像に対応している保留中の変動ゲームに関する当り期待度が報知される。
【0060】
この実施形態では、情報画像Ga,Gbの表示態様として、透明な球体を模した表示態様H0、白色の球体を模した表示態様H1、紫色の球体を模した表示態様H2、緑色の球体を模した表示態様H3、赤色の球体を模した表示態様H4、及び虹色の球体を模した表示態様H5が設定されている。透明な球体を模した表示態様H0は、保留系演出の非実行時に使用される画像である。表示態様H0〜H5には、H0<H1<H2<H3<H4<H5の順に、高い当り期待度が設定されている。
【0061】
この実施形態の保留系演出において、情報画像Ga,Gbの表示態様が変化し得るタイミングには、第1変化タイミングt1から第4変化タイミングt4まで、最大で4回の変化タイミングが設定されている。変化タイミングは、第1変化タイミングt1が始動入賞部15,17への入球時に、第2変化タイミングt2が1回目の変動ゲームの開始時に、第3変化タイミングt3が2回目の変動ゲームの開始時に、第4変化タイミングt4が3回目の変動ゲームの開始時に設定される場合がある。また、変化タイミングは、第1変化タイミングt1が1回目の変動ゲームの開始時に、第2変化タイミングt2が2回目の変動ゲームの開始時に、第3変化タイミングt3が3回目の変動ゲームの開始時に設定される場合がある。
【0062】
また、この実施形態において、保留系演出では、情報画像Ga,Gbの表示態様が変化するときに、付随演出を伴う場合がある。即ち、付随演出は、保留系演出の一部を構成している。付随演出は、例えば情報画像Ga,Gbが回転する様子を表示する演出や、情報画像Ga,Gbに向かって弓矢が射掛けられる様子を表示する演出である。付随演出には、6秒の演出時間にかけて行われる第1付随演出と、12秒の演出時間にかけて行われる第2付随演出とがある。この実施形態では、情報画像Ga,Gbの表示態様と付随演出との組合せにより、特定演出の演出内容が構成されている。
【0063】
パチンコ遊技機10は、特定演出の1系統として、飾り図柄変動ゲームにおいて予め定めたキャラクタを模した画像(以下、キャラ画像と示す)を表示する演出(以下、キャラ系演出と示す)を実行可能に構成されている。キャラ系演出には、単にキャラ画像を表示して行うキャラA系演出がある。キャラA系演出に用いられるキャラ画像の表示態様には1種類の表示態様がある。この実施形態のキャラA系演出は、保留中の変動ゲームの何れかにおいて、保留系演出が開始される可能性があることを報知する演出である。
【0064】
また、キャラ系演出には、予め定めた台詞(セリフ)を示す台詞画像とキャラ画像とを組み合わせた台詞付きキャラ画像を表示して行うキャラB系演出がある。キャラB系演出に用いられるキャラ画像の表示態様には、キャラクタが異なる複数種類の表示態様がある。また、キャラB系演出に用いられる台詞画像の表示態様には、キャラ画像(キャラクタ)の種類ごとに、色調や台詞の内容が異なる複数の表示態様がある。この実施形態のパチンコ遊技機10では、台詞画像の表示態様として、色調が白色である表示態様D1、色調が紫色である表示態様D2、色調が赤色である表示態様D3、及び色調が金色である表示態様D4がある。なお、台詞画像に示される台詞は、キャラ画像(キャラクタ)の種類に応じて異なっている。キャラB系演出の演出時間は、何れの表示態様であっても2秒に設定されている。
【0065】
パチンコ遊技機10は、特定演出の1系統として、変動ゲームが実行されるごとに、飾り図柄変動ゲームにおいて予め定めた文字を模した画像(以下、文字画像と示す)を表示する演出(以下、文字系演出と示す)を実行可能である。文字系演出は、最大で4回の変動ゲームに跨って実行され得る。文字系演出は、予め定めた四文字単語(この実施形態では「毘沙門天」)を構成する文字の一部又は全部について、変動ゲームが実行されるごとに「毘」→「沙」→「門」→「天」の順序で一文字ずつ、又は複数文字ずつ表示する態様で行われる。文字系演出において表示され得る単語の文字数は、保留可能な変動ゲームの上限回数に等しい。四文字系演出の演出時間は、何れの表示態様であっても2秒に設定されている。
【0066】
パチンコ遊技機10は、特定演出の1系統として、演出表示器13に表示される背景画像を通常背景画像から予め定めた特別背景画像に変化させる演出(以下、背景系演出と示す)を実行可能に構成されている。背景画像は、飾り図柄変動ゲームにおいて変動表示される飾り図柄の背後に重ね合わせた状態で表示される画像である。特別背景画像は、通常背景画像とは異なる画像である。
【0067】
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技演出の1つとして、パチンコ遊技機10の遊技状態を報知するモード演出を実行可能に構成されている。モードには、遊技状態が「非確変状態+非入賞容易状態」である場合に実行できるノーマルモードNMがある。モードには、遊技状態が「非確変状態+入賞容易状態」である場合、及び「確変状態+入賞容易状態」である場合の何れであっても実行できるチャンスモードCMがある。モードには、遊技状態が「確変状態+入賞容易状態」である場合にのみ実行できる確変モードSMがある。
【0068】
チャンスモードCMは、当り図柄Zaに基づく当り遊技の終了後、及び当り図柄Zbに基づく当り遊技の終了後に実行される。ノーマルモードNMは、当り図柄Zbに基づく当り遊技の終了後、ゲーム上限回数分の変動ゲーム(入賞容易状態)の終了に伴って、チャンスモードCMから移行される。確変モードSMは、当り図柄Zaに基づく当り遊技の終了後、ゲーム上限回数分の変動ゲームの終了に伴って、チャンスモードCMから移行される。なお、確変モードSMへは、当り図柄Zaに基づく当り遊技の終了後から移行されてもよく、チャンスモードCMを経由して移行されてもよい。
【0069】
モードNM,CM,SMでは、例えば、背景画像、飾り図柄のデザイン、飾り図柄の変動方向(スクロール方向)など、飾り図柄変動ゲームの実行態様が異ならされている。したがって、遊技者は、飾り図柄変動ゲームの実行態様から、何れのモードが実行されているかを認識できる。
【0070】
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10は、機裏側に、主基板40を備えている。主基板40は、遊技の進行に関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて制御コマンドを出力する。パチンコ遊技機10は、機裏側に、統括副基板41を備えている。統括副基板41は、主基板40から入力した制御コマンドに基づいて各種の処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて制御コマンドを出力する。
【0071】
パチンコ遊技機10は、機裏側に、表示副基板42を備えている。表示副基板42は、統括副基板41から入力した制御コマンドに基づいて表示演出に関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて演出表示器13を制御する。パチンコ遊技機10は、機裏側に、音声副基板43を備えている。音声副基板43は、統括副基板41から入力した制御コマンドに基づいて音声演出に関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じてスピーカSPを制御する。パチンコ遊技機10は、機裏側に、ランプ副基板44を備えている。ランプ副基板44は、統括副基板41から入力した制御コマンドに基づいて発光演出に関する処理を実行するとともに、該処理の結果に応じて装飾ランプSLを制御する。
【0072】
この実施形態では、主基板40によって、主制御部(主制御手段、遊技制御部)MCが構成されている。また、統括副基板41、表示副基板42、音声副基板43、及びランプ副基板44の副基板群によって、副制御部(副制御手段、演出制御部、演出制御手段)SCが構成されている。また、演出表示器13、スピーカSP、及び装飾ランプSLの演出装置群によって、演出実行部(演出手段)EPが構成されている。この実施形態の副制御部SCは、主には演出実行部EPにおいて実行する遊技演出を総合して制御する機能を有している。なお、この実施形態において、主制御部MCと副制御部SCとの通信形態は、主制御部MCから副制御部SCへの一方向通信である。
【0073】
以下、各基板41〜44について、その具体的な構成を説明する。
図3に示すように、主基板40は、CPU40aを備えている。この実施形態のCPU40aは、第1制御部(第1制御手段)に相当する。CPU40aは、パチンコ遊技機10における遊技の進行に関する処理を実行する。CPU40aは、センサSE1〜SE5と接続されている。CPU40aは、特別図柄表示器11,12、特別保留表示器26,27、普通図柄表示器28、普通保留表示器30、及びアクチュエータA1〜A3と接続されている。
【0074】
主基板40は、ROM40bを備えている。ROM40bは、CPU40aと接続されている。ROM40bは、CPU40aが処理を実行するためのプログラムや、遊技の進行に関する判定に用いるテーブルや判定値などを記憶している。
【0075】
この判定値には、特別図柄の当り抽選(当り判定)に用いられる当り判定値がある。確変状態用の当り判定値の個数は、非確変状態用の当り判定値の個数より多い。確変状態用の当り判定値には、非確変状態用の当り判定値として設定された値の全てを含んでいる。以下、確変状態及び非確変状態で用いる当り判定値として、共通して設定された値を「低確判定値」と示し、確変状態用としてのみ設定された値を「高確判定値」と示す。また、判定値には、普通図柄の当り抽選(当り判定)に用いられる当り判定値がある。また、判定値には、リーチ演出の実行を許容するか否かのリーチ判定に用いられるリーチ判定値が記憶されている。リーチ判定は、リーチ抽選としても把握できる。
【0076】
ROM40bは、変動ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、変動ゲームの変動時間中に実行される遊技演出(飾り図柄変動ゲーム)の演出内容を決定する基礎となるものである。
【0077】
ここで、
図4を参照し、変動パターンについて説明する。
図4には、一部の変動パターンが示されている。なお「演出内容の概略」の欄には、飾り図柄変動ゲームの演出内容の概略が示されている。複数種類の変動パターンには、当り演出用の変動パターンがある。当り演出は、リーチ演出を経て最終的に当りの図柄組合せを確定停止表示するように、飾り図柄変動ゲームが展開される演出である。
【0078】
複数種類の変動パターンには、はずれ演出用の変動パターンがある。はずれ演出用の変動パターンには、はずれリーチ演出用の変動パターンと、完全はずれ演出用の変動パターンと、がある。はずれリーチ演出は、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組合せを確定停止表示するように、飾り図柄変動ゲームが展開される演出である。はずれリーチ演出用の変動パターンは、例えば変動パターン番号4〜17の変動パターンである。
【0079】
完全はずれ演出は、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組合せを確定停止表示するように、飾り図柄変動ゲームが展開される演出である(図中において「完全はずれ」と示す)。
【0080】
完全はずれ演出用の変動パターンは、例えば変動パターン番号1〜3,363,364の変動パターンである。このうち、変動パターン番号1〜3の変動パターンは、非入賞容易状態用の第1変動グループを構成している。変動パターン番号1の変動時間は2秒であり、変動パターン番号2の変動時間は6秒であり、変動パターン番号3の変動時間は12秒である。即ち、第1変動グループには、第1変動パターン(例えば変動パターン番号2)と、第1変動パターンとは変動時間が異なる第2変動パターン(例えば変動パターン番号3)と、を含む複数種類の変動パターンが分類されている。
【0081】
また、変動パターン番号363,364の変動パターンは、入賞容易状態用の第2変動グループを構成している。変動パターン番号363の変動時間は5秒であり、変動パターン番号364の変動時間は2.4秒である。第2変動グループに分類されている変動パターンの変動時間は、前述した特定演出のうち、キャラB系演出、四文字系演出、及び背景系演出を実行できる時間に設定されている。
【0082】
この実施形態において、当り演出用、及びはずれリーチ演出用の変動パターンは、複数の変動系統(グループ)に分類されている。変動系統は、例えば変動ゲームに伴う遊技演出(飾り図柄変動ゲーム)の演出内容を基準に分類されていてもよく、遊技演出の演出内容に設定される当り期待度の高低を基準として分類されていてもよい。
【0083】
図3に示すように、主基板40は、RAM40cを備えている。RAM40cは、CPU40aと接続されている。RAM40cは、CPU40aの処理結果として生成される情報(例えば乱数値、タイマ値、及びフラグなど)を記憶する。RAM40cに記憶される情報には、例えば、遊技状態を確変状態及び非確変状態の何れに制御するかを特定可能な確変フラグや、遊技状態を入賞容易状態及び非入賞容易状態の何れに制御するかを特定可能な入球率向上フラグなどがある。
【0084】
また、この実施形態の主基板40では、遊技の進行に関する判定に用いる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、CPU40aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。
【0085】
主基板40で生成される乱数には、特別図柄の当り乱数、特別図柄乱数、リーチ乱数、第1変動振分乱数、第2変動振分乱数、及び普通図柄の当り乱数がある。特別図柄の当り乱数は、特別図柄の当り抽選(当り判定)に用いる乱数である。特別図柄乱数は、特別図柄を決定するときに用いる乱数である。リーチ乱数は、リーチ抽選(リーチ判定)に用いる乱数である。第1変動振分乱数及び第2変動振分乱数は、変動パターンを決定するときに用いる乱数である。普通図柄の当り乱数は、普通図柄の当り抽選(当り判定)に用いる乱数である。
【0086】
次に、統括副基板41について説明する。
統括副基板41は、CPU41aを備えている。この実施形態のCPU41aは、第2制御部(第2制御手段)に相当する。CPU41aは、主基板40から入力した制御コマンドに基づいて、遊技演出の実行に関する処理を実行する。統括副基板41では、主基板40と同様にして、演出乱数がハードウェア乱数やソフトウェア乱数として生成される。統括副基板41は、ROM41bを備えている。ROM41bは、CPU41aと接続されている。ROM41bは、CPU41aが処理を実行するためのプログラムや、遊技演出の実行に関する判定に用いるテーブルや判定値などを記憶している。
【0087】
統括副基板41は、RAM41cを備えている。RAM41cは、CPU41aと接続されている。RAM41cは、CPU41aの処理結果として生成される情報(例えば乱数値、タイマ値、及びフラグなど)を記憶する。
【0088】
図5に示すように、この実施形態のRAM41cには、実行中の変動ゲーム、及び保留中の変動ゲームに関する情報を記憶するための保留バッファが設定されている。なお、
図5に示す「シフト値」は、一連の保留バッファが始まる先頭のメモリアドレスからの増加分(シフト分)を示している。
【0089】
RAM41cには、第1変動ゲーム(特
図1)の保留バッファとして、保留0の第1変動ゲームに対応する保留0バッファZ100〜Z10C、及び保留1の第1変動ゲームに対応する保留1バッファZ110〜Z11Cが設定されている。RAM41cには、第1変動ゲームの保留バッファとして、保留2の第1変動ゲームに対応する保留2バッファZ120〜Z12C、保留3の第1変動ゲームに対応する保留3バッファZ130〜Z13C、及び保留4の第1変動ゲームに対応する保留4バッファZ140〜Z14Cが設定されている。第1変動ゲームの保留バッファは、それぞれ先頭アドレスから連続したアドレスに設定されている。
【0090】
RAM41cには、第2変動ゲーム(特
図2)の保留バッファとして、保留0の第2変動ゲームに対応する保留0バッファZ200〜Z20C、及び保留1の第2変動ゲームに対応する保留1バッファZ210〜Z21Cが設定されている。RAM41cには、第2変動ゲームの保留バッファとして、保留2の第2変動ゲームに対応する保留2バッファZ220〜Z22C、保留3の第2変動ゲームに対応する保留3バッファZ230〜Z23C、及び保留4の第2変動ゲームに対応する保留4バッファZ240〜Z24Cが設定されている。第2変動ゲームの保留バッファは、それぞれ先頭アドレスから連続したアドレスに設定されている。
【0091】
図6及び
図7に示すように、この実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が入賞容易状態であるか、非入賞容易状態であるかに応じて、保留バッファのうち、使用される保留バッファと、該使用される保留バッファに格納される情報とが異なっている。
【0092】
図6に示すように、非入賞容易状態である場合、第1変動ゲームの保留バッファZ1x0〜Z1xC(但しx=1〜4)のうち、シフト値[+0000H]〜[+0008H]に対応する保留バッファZ1x0〜Z1x8のみが使用される。また、遊技状態が非入賞容易状態である場合、第2変動ゲームの保留バッファZ2x0〜Z2xC(但しx=1〜4)のうち、シフト値[+0006H]〜[+0008H]に対応する保留バッファZ2x6〜Z2x8のみが使用される。詳しくは後述するが、非入賞容易状態である場合、保留バッファZ1x0〜Z1x8,Z2x6〜Z2x8には、一部の保留バッファを除いて、表示副基板42に演出の実行を指示する制御コマンドの値そのものではく、特定演出の系統や演出内容を特定可能な情報(フラグなど)が格納される。
【0093】
図7に示すように、入賞容易状態である場合、第1変動ゲームの保留バッファZ1x0〜Z1xCのうち、シフト値[+0006H]〜[+0008H]に対応する保留バッファZ1x6〜Z1x8のみが使用される。また、入賞容易状態である場合、第2変動ゲームの保留バッファZ2x0〜Z2xCのうち、シフト値[+0000H]〜[+000CH]に対応する保留バッファZ2x0〜Z2xCの全てが使用される。詳しくは後述するが、入賞容易状態である場合、保留バッファZ1x6〜Z1x8,Z2x0〜Z2xCには、一部の保留バッファを除いて、表示副基板42(CPU41a)に演出の実行を指示する制御コマンドの値そのものが格納される。
【0094】
次に、表示副基板42について説明する。
図3に示すように、表示副基板42は、CPU42aを備えている。CPU42aは、統括副基板41から入力した制御コマンドに基づいて、表示演出の実行に関する処理を実行する。CPU42aには、演出表示器13が接続されている。表示副基板42は、ROM42bを備えている。ROM42bは、CPU42aと接続されている。ROM42bは、CPU42aが処理を実行するためのプログラムや、表示演出の実行に関する判定に使用するテーブルや判定値などを記憶している。また、ROM42bは、例えば飾り図柄、文字画像、背景画像、台詞画像、及びキャラ画像など、表示演出の実行に用いるデータを記憶している。表示副基板42は、RAM42cを備えている。RAM42cは、CPU42aと接続されている。RAM42cは、CPU42aの処理結果として生成される情報(例えば乱数値、タイマ値、及びフラグなど)を記憶する。また、表示副基板42では、主基板40と同様にして、表示演出の実行に関する判定に用いられる乱数がハードウェア乱数やソフトウェア乱数として生成される。
【0095】
次に、音声副基板43について説明する。
音声副基板43は、CPU43aを備えている。CPU43aは、統括副基板41から入力した制御コマンドに基づいて、音声演出の実行に関する処理を実行する。CPU43aには、スピーカSPが接続されている。音声副基板43は、ROM43bを備えている。ROM43bは、CPU43aと接続されている。ROM43bは、CPU43aが処理を実行するためのプログラムや、音声演出の実行に関する判定に使用するテーブルや判定値などを記憶している。また、ROM43bは、例えば楽曲や効果音など、音声演出の実行に用いるデータを記憶している。音声副基板43は、RAM43cを備えている。RAM43cは、CPU43aと接続されている。RAM43cは、CPU43aの処理結果として生成される情報(例えば乱数値、タイマ値、及びフラグなど)を記憶する。また、音声副基板43では、主基板40と同様にして、音声演出の実行に関する判定に用いられる乱数がハードウェア乱数やソフトウェア乱数として生成される。
【0096】
次に、ランプ副基板44について説明する。
ランプ副基板44は、CPU44aを備えている。CPU44aは、統括副基板41から入力した制御コマンドに基づいて、発光演出の実行に関する処理を実行する。CPU44aには、装飾ランプSLが接続されている。ランプ副基板44は、ROM44bを備えている。ROM44bは、CPU44aと接続されている。ROM44bは、CPU44aが処理を実行するためのプログラムや、発光演出の実行に関する判定に使用するテーブルや判定値などを記憶している。また、ROM44bは、装飾ランプSLの発光、点滅、及び消灯のタイミングなどを特定できる発光パターンなど、発光演出の実行に用いるデータを記憶している。ランプ副基板44は、RAM44cを備えている。RAM44cは、CPU44aと接続されている。RAM44cは、CPU44aの処理結果として生成される情報(例えば乱数値、タイマ値、及びフラグなど)を記憶する。また、ランプ副基板44では、主基板40と同様にして、発光演出の実行に関する判定に用いられる乱数がハードウェア乱数やソフトウェア乱数として生成される。
【0097】
以下、各基板40〜44が実行する処理を説明する。
主基板40のCPU40aは、以下に説明するように、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を、所定の制御周期(例えば4ミリ秒)ごとに実行する。
【0098】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図8に示すように、CPU40aは、遊技球が第1始動入賞部15へ入球したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の処理において、CPU40aは、第1始動センサSE1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。遊技球が第1始動入賞部15へ入球していない場合(ステップS101:NO)、CPU40aは、ステップS106の処理へ移行する。一方、遊技球が第1始動入賞部15へ入球した場合(ステップS101:YES)、CPU40aは、RAM40cに記憶されている第1保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS102)。第1保留数が上限数未満ではない場合(ステップS102:NO)、CPU40aは、ステップS106の処理へ移行する。
【0099】
第1保留数が上限数未満である場合(ステップS102:YES)、CPU40aは、第1保留数に1加算し、第1保留数の値を更新する(ステップS103)。ステップS103の処理において、CPU40aは、更新後の第1保留数を表示するように、第1特別保留表示器26を制御する。ステップS103の処理において、CPU40aは、更新後の第1保留数を特定可能な第1メイン保留数コマンドを生成し、統括副基板41に出力する。
【0100】
続いて、CPU40aは、各乱数の値を取得するとともに、該取得した各乱数の値を、RAM40cに記憶させる(ステップS104)。ステップS104の処理において、CPU40aは、主基板40内で生成している当り乱数、特別図柄乱数、リーチ乱数、第1変動振分乱数、及び第2変動振分乱数の各値を取得する。CPU40aは、取得した各乱数の値を、該各乱数の値を記憶させた順序と、第1変動ゲームの実行に用いる乱数の値であることとが特定可能となるように、RAM40cに記憶させる。
【0101】
この実施形態において、ステップS104の処理で取得する各乱数の値は、第1変動ゲームの実行に用いられる乱数情報となる。この実施形態のパチンコ遊技機10では、第1入球口14へ入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知され、且つそのときの第1保留数が4未満であることで、予め定めた条件、即ち第1変動ゲームの始動条件が成立する。そして、この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1変動ゲームの始動条件の成立を契機として乱数の値(乱数情報)を記憶することにより、該乱数の値を用いて行う第1変動ゲームを保留可能である。
【0102】
次に、CPU40aは、ステップS104の処理で取得した各乱数の値に基づいて、該各乱数の値を用いて実行される将来の第1変動ゲームの内容を特定可能な先読みコマンドを生成し、出力するコマンド設定処理を実行する(ステップS105)。即ち、コマンド設定処理は、各乱数の値(乱数情報)を用いて行う第1変動ゲームに関する情報である保留情報としての先読みコマンドを生成する処理に相当する。主基板40のCPU40aは保留情報生成手段に相当する。コマンド設定処理の詳細については後述する。ステップS105の処理を終了すると、CPU40aは、ステップS106の処理へ移行する。
【0103】
ステップS106の処理において、CPU40aは、遊技球が第2始動入賞部17へ入球したか否かを判定する。ステップS106の処理においてCPU40aは、第2始動センサSE2が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。遊技球が第2始動入賞部17へ入球していない場合(ステップS106:NO)、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0104】
一方、遊技球が第2始動入賞部17へ入球した場合(ステップS106:YES)、CPU40aは、RAM40cに記憶されている第2保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS107)。第2保留数が上限数未満ではない場合(ステップS107:NO)、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0105】
一方、第2保留数が上限数未満である場合(ステップS107:YES)、CPU40aは、第2保留数に1加算し、第2保留数の値を更新する(ステップS108)。ステップS108の処理において、CPU40aは、更新後の第2保留数を表示するように、第2特別保留表示器27を制御する。ステップS108の処理において、CPU40aは、更新後の第2保留数を示す第2メイン保留数コマンドを生成し、統括副基板41に出力する。
【0106】
続いて、CPU40aは、各乱数の値を取得するとともに、該取得した各乱数の値を、RAM40cに記憶させる(ステップS109)。ステップS109の処理において、CPU40aは、主基板40内で生成している当り乱数、特別図柄乱数、リーチ乱数、第1変動振分乱数、及び第2変動振分乱数の各値を取得する。CPU40aは、取得した各乱数の値を、該各乱数の値を記憶させた順序と、第2変動ゲームの実行に用いる乱数の値であることとが特定可能となるように、RAM40cに記憶させる。
【0107】
この実施形態において、ステップS109の処理で取得する各乱数の値は、第2変動ゲームの実行に用いられる乱数情報となる。この実施形態のパチンコ遊技機10では、第2入球口16へ入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知され、且つそのときの第2保留数が4未満であることで、予め定めた条件、即ち第2変動ゲームの始動条件が成立する。そして、この実施形態のパチンコ遊技機10は、第2変動ゲームの始動条件の成立を契機として各乱数の値(乱数情報)を記憶することにより、該各乱数の値を用いて行う第2変動ゲームを保留可能である。
【0108】
次に、CPU40aは、ステップS109の処理で取得した各乱数の値に基づいて、該各乱数の値を用いて実行される将来の第2変動ゲームの内容を特定可能な先読みコマンドを生成し、出力するコマンド設定処理を実行する(ステップS110)。即ち、主基板40のCPU40aは、各乱数の値(乱数情報)を用いて行う第2変動ゲームに関する情報である保留情報としての先読みコマンドを生成する処理を実行する。その後、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0109】
次に、特別図柄開始処理について説明する。この実施形態において、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理のあとに実行される。
図9に示すように、CPU40aは、変動ゲームの実行条件(開始条件)が成立しているか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の処理において、CPU40aは、変動ゲームの実行中ではなく、且つ当り遊技中ではない場合に肯定判定する一方で、変動ゲームの実行中、又は当り遊技中である場合に否定判定する。変動ゲームの実行条件が成立していない場合(ステップS201:NO)、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0110】
一方、変動ゲームの実行条件が成立している場合(ステップS201:YES)、CPU40aは、RAM40cから第2保留数を読み出す(ステップS202)。次に、CPU40aは、読み出した第2保留数が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。第2保留数が0(零)よりも大きくない場合(ステップS203:NO)、即ち第2保留数が0である場合、CPU40aは、第1保留数を読み出す(ステップS204)。次に、CPU40aは、第1保留数が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ステップS205)。第1保留数が0(零)よりも大きくない場合(ステップS205:NO)、即ち第1保留数が0である場合、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0111】
一方、第1保留数が0(零)よりも大きい場合(ステップS205:YES)、CPU40aは、RAM40cに記憶されている特別図柄変動処理フラグに、第1変動ゲームを実行することを示す値(情報)を設定する(ステップS206)。次に、CPU40aは、第1保留数を1減算し、第1保留数の値を更新する(ステップS207)。ステップS207の処理において、CPU40aは、更新後の第1保留数を表示するように第1特別保留表示器26を制御する。また、ステップS207の処理において、CPU40aは、更新後の第1保留数を示す第1メイン保留数コマンドを生成し、統括副基板41に出力する。続いて、CPU40aは、RAM40cに記憶されている第1変動ゲームの実行に用いる各乱数の値(乱数情報)のうち、最先に記憶された各乱数の値を取得する(ステップS208)。
【0112】
次に、
図10に示すように、CPU40aは、第1特別図柄の当り判定を行う(ステップS209)。ステップS209の処理において、CPU40aは、ステップS208の処理において取得した当り乱数の値が当り判定値と一致するか否かを判定する。ステップS209の処理において、CPU40aは、確変フラグに設定された値を読み出すとともに、該読み出した確変フラグの値をもとに確変状態であるか否かを特定する。そして、CPU40aは、前述のステップS208において取得した当り乱数の値が、現在の遊技状態における当り判定値と一致する値か否かを判定する。
【0113】
当り判定で肯定判定された場合(ステップS209:YES)、CPU40aは、前述のステップS208において取得した特別図柄乱数の値に基づいて、特別図柄の当り図柄の中から第1特別図柄表示器11にて確定停止表示させる当り図柄を決定する(ステップS210)。この実施形態では、特別図柄の当り図柄に対して、特別図柄乱数の値が、該乱数の値の取り得る数値の中から所定個数ずつ振り分けられている。CPU40aは、取得した特別図柄乱数の値が振り分けられている当り図柄を決定する。前述のように、当り図柄には、付与する当り遊技の種類と、当り遊技の終了後に付与する遊技状態とが対応付けられている。このため、ステップS210の処理は、当りの種類を決定する処理として把握することが可能である。
【0114】
次に、CPU40aは、前述のステップS208において取得した第1変動振分乱数の値、及び第2変動振分乱数の値をもとに、当り演出用の変動パターンを決定する(ステップS211)。この実施形態では、複数の変動系統に対して、第1変動振分乱数の値が、該第1変動振分乱数の値の取り得る数値の中から所定個数ずつ振り分けられている。ステップS211の処理において、CPU40aは、取得した第1変動振分乱数の値が振り分けられている1つの変動系統を決定する。このように、この実施形態では、第1変動振分乱数の値に対して、1つの変動系統が特定可能に対応付けられている。即ち、変動系統を決定する処理は、変動パターンの1次振分として位置付けられる。
【0115】
さらに実施形態では、複数の変動系統ごとに、分類されている変動パターンに対して、第2変動振分乱数の値が、該第2変動振分乱数の値の取り得る数値の中から所定個数ずつ振り分けられている。ステップS211の処理において、CPU40aは、第1変動振分乱数の値を用いて決定した変動系統に分類されている変動パターンの中から、取得した第2変動振分乱数の値が振り分けられている1つの変動パターンを決定する。このように、この実施形態では、第2変動振分乱数の値に対して、変動系統ごとに1つの変動パターンが特定可能に対応付けられている。即ち、変動パターンを決定する処理は、変動パターンの2次振分として位置付けられる。
【0116】
ステップS211の処理を終了すると、CPU40aは、ステップS212の処理へ移行する。一方、当り判定で否定判定された場合(ステップS209:NO)、CPU40aは、リーチ演出の実行を許容するか否かのリーチ判定を行う(ステップS213)。ステップS213の処理において、CPU40aは、前述のステップS208において取得したリーチ乱数の値が、リーチ判定値に一致するか否かを判定する。なお、この実施形態のリーチ判定(リーチ抽選)は、はずれの場合における変動パターンの0次振分として把握できる。
【0117】
リーチ判定で肯定判定された場合(ステップS213:YES)、CPU40aは、第1特別図柄表示器11にて確定停止表示させる最終停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS214)。次に、CPU40aは、前述のステップS208において取得した第1変動振分乱数の値、及び第2変動振分乱数の値をもとに、はずれ演出(はずれリーチ演出又は完全はずれ演出)用の変動パターンを決定する(ステップS215)。その後、CPU40aは、ステップS212の処理へ移行する。
【0118】
一方、リーチ判定で否定判定された場合(ステップS213:NO)、CPU40aは、第1特別図柄表示器11にて確定停止表示させる最終停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS216)。次に、CPU40aは、前述のステップS208において取得した第1変動振分乱数の値、及び第2変動振分乱数の値をもとに、完全はずれ演出用の変動パターンを決定する(ステップS217)。
【0119】
ステップS217の処理において、CPU41aは、非入賞容易状態である場合、第1変動グループに分類されている変動パターン(この実施形態では、変動パターン番号1〜3)の中から、保留中の変動ゲームの回数に応じた確率となるように変動パターンを決定する。例えば、CPU41aは、第1保留数と第2保留数とを合算した保留数が第1数(例えば0〜2)である場合、第2数(例えば3以上)であるときに比して、平均の変動時間が長くなるように、完全はずれ演出用の変動パターンを決定する。
【0120】
また、ステップS217の処理において、CPU41aは、入賞容易状態である場合、第2変動グループに分類されている変動パターン(この実施形態では、変動パターン番号363,364)の中から、保留中の変動ゲームの回数に応じた確率となるように変動パターンを決定する。例えば、CPU41aは、第2保留数が第3数(例えば0,1)である場合、第4数(例えば2,3)であるときに比して、平均の変動時間が長くなるように、完全はずれ演出用の変動パターンを決定する。
【0121】
即ち、この実施形態のパチンコ遊技機10では、保留数に応じて、変動ゲームの変動時間が変化する可能性がある。なお、平均の変動時間を異ならせるには、保留数に応じて変動パターンを抽選するための抽選テーブルを異ならせるとともに、該抽選テーブルにおける変動振分乱数の値の振分態様(数)を異ならせるとよい。また、抽選テーブルを異ならせる基準となる保留数は、非入賞容易状態においては第1保留数のみであってもよく、入賞容易状態においては第1保留数と第2保留数との合算の保留数であってもよい。その後、CPU40aは、ステップS212の処理へ移行する。
【0122】
そして、ステップS211,S215,S217から移行したステップS212の処理において、CPU40aは、統括副基板41に対し、所定の制御コマンドを生成し、所定のタイミングで出力する等、第1変動ゲームに関する処理を実行する。CPU40aは、決定した変動パターンと、飾り図柄変動ゲームの開始と、を特定可能な第1メイン変動コマンドを出力する。CPU40aは、特別図柄を変動開始するように第1特別図柄表示器11を制御する。また、CPU40aは、決定した変動パターンから特定可能な第1変動ゲームの変動時間の計測を開始する。CPU40aは、決定した特別図柄の最終停止図柄を特定可能な特別図柄コマンドを出力する。そして、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0123】
一方、
図9に示すように、第2保留数が0(零)よりも大きい場合(ステップS203:YES)、CPU40aは、特別図柄変動処理フラグに第2変動ゲームを実行することを示す値(情報)を設定する(ステップS218)。次に、CPU40aは、第2保留数を1減算し、第2保留数の値を更新する(ステップS219)。ステップS219の処理において、CPU40aは、更新後の第2保留数を表示するように第2特別保留表示器27を制御する。また、ステップS219の処理において、CPU40aは、更新後の第2保留数を示す第2メイン保留数コマンドを生成し、統括副基板41に出力する。続いて、CPU40aは、RAM40cに記憶されている第2変動ゲームの実行に用いる各種乱数の値のうち、最先に記憶された各種乱数の値を取得する(ステップS220)。
【0124】
以下、
図10に示すように、CPU40aは、第1変動ゲームを開始させるときと同様にして、ステップS209〜S217の処理を実行する。即ち、CPU40aは、第2特別図柄表示器12にて確定停止表示させる最終停止図柄や、第2変動ゲームの変動パターンを決定する。なお、ステップS212の処理において、CPU40aは、決定した変動パターンと、飾り図柄変動ゲームの開始と、を特定可能な第2メイン変動コマンドを出力する。この実施形態において、第2変動ゲームに関するステップS220より後の処理は、第1変動ゲームに関するステップS208より後の処理と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0125】
そして、特別図柄開始処理とは別の処理において、CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した変動パターンから特定可能な変動時間が終了すると、決定している最終停止図柄を確定停止表示するように特別図柄表示器11,12を制御する。また、CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した変動パターンから特定可能な変動時間が終了すると、飾り図柄変動ゲームの終了を特定可能なメイン終了コマンドを出力する。
【0126】
この実施形態において、特別図柄開始処理におけるステップS211、S215,S217の処理は、変動ゲームが開始されるときに、変動ゲームの変動時間を特定可能な変動パターンを決定する処理に相当する。また、ステップS213の処理においてリーチ判定で否定判定されることにより、予め定めた決定条件が成立する。予め定めた決定条件が成立した場合であって、第1遊技状態としての非入賞容易状態であるときには、CPU41aは、第1変動グループに分類されている変動パターンの中から、保留数(保留中の変動ゲームの回数)に応じた確率となるように変動パターンを決定している(ステップS217)。その一方で、CPU41aは、第2遊技状態としての入賞容易状態であるときには、第2変動グループに分類されている変動パターンの中から変動パターンを決定する。
【0127】
次に、主基板40のCPU40aが出力可能な先読みコマンドについて説明する。先読みコマンドは、特別図柄入力処理におけるコマンド設定処理において生成され、出力される。即ち、先読みコマンドは、変動ゲームの始動条件が成立したことを契機として、換言すれば、始動入賞部15,17への入球が検知されたときに生成され、出力される。
【0128】
図11に示すように、先読みコマンドは、上位コマンドと下位コマンドとの組合せにより構成されている。以下、先読みコマンドのうち、上位コマンドを「CMD1」と示す場合があり、下位コマンドを「CMD2」と示す場合がある。この実施形態の先読みコマンドには、D0H系〜D7H系の全8系統の先読みコマンドがある。
【0129】
上位コマンドの値がD0HであるD0H系の先読みコマンドは、特別図柄の当り図柄(当りの種類)を特定可能な先読みコマンドである。D0H系の先読みコマンドの下位コマンドには、特別図柄の当り図柄を特定可能な値が設定される。D0H系の先読みコマンドは、変動ゲームの種別に関係なく共用されている。例えば、D0H系の先読みコマンドのうち、先読みコマンドD001Hは、当り図柄Zbを特定可能である。
【0130】
上位コマンドがD1HであるD1H系の先読みコマンドは、リーチ乱数を特定可能な先読みコマンドである。D1H系の先読みコマンドの下位コマンドには、リーチ乱数の取り得る数値(例えば、0〜238)のうち、一部の値(例えば、0〜127)を直接的に示す値が設定される。上位コマンドがD2HであるD2H系の先読みコマンドは、リーチ乱数を特定可能な先読みコマンドである。D2H系の先読みコマンドの下位コマンドには、リーチ乱数の取り得る数値(例えば、0〜238)のうち、D1H系の先読みコマンドで特定可能な値を除いた値(例えば、128〜238)を直接的に示す値が設定される。例えば、D1H系,D2H系の先読みコマンドのうち、コマンドD201Hは、リーチ乱数=129であることを特定可能である。このように、D1H系,D2H系の先読みコマンドは、リーチ乱数の値と1対1で対応付けられている。D1H系,D2H系の先読みコマンドは、変動ゲームの種別に関係なく共用されている。
【0131】
上位コマンドがD3HであるD3H系の先読みコマンドは、第1変動振分乱数を特定可能な先読みコマンドである。D3H系の先読みコマンドの下位コマンドには、第1変動振分乱数の取り得る数値(例えば、0〜240)のうち、一部の値(例えば、0〜127)を直接的に示す値が設定される。上位コマンドがD4HであるD4H系の先読みコマンドは、第1変動振分乱数を特定可能な先読みコマンドである。D4H系の先読みコマンドの下位コマンドには、第1変動振分乱数の取り得る数値(例えば、0〜240)のうち、D3H系の先読みコマンドで特定可能な値を除いた値(例えば、128〜240)を直接的に示す値が設定される。例えば、D3H系,D4H系の先読みコマンドのうち、コマンドD401Hは、第1変動振分乱数=129であることを特定可能である。このように、D3H系,D4H系の先読みコマンドは、第1変動振分乱数の値と1対1で対応付けられている。D3H系,D4H系の先読みコマンドは、変動ゲームの種別に関係なく共用されている。
【0132】
上位コマンドがD5HであるD5H系の先読みコマンドは、第2変動振分乱数を特定可能な先読みコマンドである。D5H系の先読みコマンドの下位コマンドには、第2変動振分乱数の取り得る数値(例えば、0〜250)のうち、一部の値(例えば、0〜127)を直接的に示す値が設定される。上位コマンドがD6HであるD6H系の先読みコマンドは、第2変動振分乱数を特定可能な先読みコマンドである。D6H系の先読みコマンドの下位コマンドには、第2変動振分乱数の取り得る数値(例えば、0〜250)のうち、D5H系の先読みコマンドで特定可能な値を除いた値(例えば、128〜250)を直接的に示す値が設定される。例えば、D5H系,D6H系の先読みコマンドのうち、先読みコマンドD601Hは、第2変動振分乱数=129であることを特定可能である。このように、D5H系,D6H系の先読みコマンドは、第2変動振分乱数の値と1対1で対応付けられている。D5H系,D6H系の先読みコマンドは、変動ゲームの種別に関係なく共用されている。
【0133】
上位コマンドがD7HであるD7H系の先読みコマンドは、変動ゲームの種別と、保留数と、を特定可能な先読みコマンドである。D7H系の先読みコマンドは、特別図柄の当り抽選に当選するか否かを特定可能な先読みコマンドである。D7H系の先読みコマンドは、特別図柄の当り抽選に当選する場合に、当り乱数の値が高確判定値及び低確判定値のうち何れと一致する当りであるかを特定可能な先読みコマンドである。
【0134】
例えば、D7H系の先読みコマンドのうち、先読みコマンドD700Hは、第1変動ゲームに関する情報であり、第1保留数=1であること、及びはずれとなることが特定可能である。D7H系の先読みコマンドのうち、先読みコマンドD703Hは、第1変動ゲームに関する情報であり、第1保留数=2であること、及びはずれとなることが特定可能である。先読みコマンドD704Hは、第1変動ゲームに関する情報であり、第1保留数=2であること、及び確変状態かを問わずに当り抽選に当選すること(低確判定値当り)が特定可能である。先読みコマンドD705Hは、第1変動ゲームに関する情報であり、第1保留数=2であること、及び確変状態であるときにのみ当り抽選に当選すること(高確判定値当り)が特定可能である。
【0135】
次に、第1変動ゲームに関する先読みコマンドを生成するためのコマンド設定処理について説明する。第1変動ゲームに関するコマンド設定処理は、特別図柄入力処理のステップS105において実行される。なお、このコマンド設定処理で使用される乱数の値は、特別図柄開始処理におけるステップS104の処理で取得された乱数の値である。
【0136】
図12に示すように、CPU40aは、D0H系の先読みコマンドを生成し、統括副基板41へ出力する(ステップS301)。ステップS301の処理において、CPU40aは、取得した特別図柄乱数の値が当り図柄Za,Zbの何れに振り分けられた乱数値であるかに基づいて、D0H系の先読みコマンドを生成する。
【0137】
次に、CPU40aは、取得したリーチ乱数の値を特定可能なD1H系又はD2H系の先読みコマンドを生成し、統括副基板41へ出力する(ステップS302)。次に、CPU40aは、取得した第1変動振分乱数の値を特定可能なD3H系又はD4H系の先読みコマンドを生成し、統括副基板41へ出力する(ステップS303)。次に、CPU40aは、取得した第2変動振分乱数の値を特定可能なD5H系又はD6H系の先読みコマンドを生成し、統括副基板41へ出力する(ステップS304)。
【0138】
続けて、CPU40aは、D7H系の先読みコマンドを生成し、統括副基板41へ出力する(ステップS305)。ステップS305の処理において、CPU40aは、取得した当り乱数の値が、低確判定値、又は高確判定値に一致する値か否かを特定する。また、CPU40aは、RAM40cに記憶されている第1保留数を読み出して特定する。そして、CPU40aは、第1変動ゲーム用のD7H系の先読みコマンドD700H〜D70BHのうち、第1保留数、当り抽選に当選するか否か、及び当選する場合に低確判定値当り及び高確判定値当りの何れであるかについて特定した結果に適合するD7H系の先読みコマンドを生成する。その後、CPU40aは、コマンド設定処理を終了する。
【0139】
この実施形態において、第2変動ゲームに関する先読みコマンドを生成するためのコマンド設定処理は、第1変動ゲームに関する先読みコマンドを生成するためのコマンド設定処理と同様の処理であるので、詳細な説明を省略する。第2変動ゲームに関するコマンド設定処理は、特別図柄入力処理のステップS110において実行される。第2変動ゲームに関するコマンド設定処理で使用される乱数の値は、特別図柄開始処理におけるステップS109の処理で取得された乱数の値である。
【0140】
次に、CPU40aが実行する当り遊技処理について説明する。
当り遊技処理において、CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した特別図柄の当り図柄(即ち、当りの種類)に基づいて、付与する当り遊技の種類を特定する。CPU40aは、当りの変動ゲームの終了後、特定した当り遊技を付与する制御を開始するとともに、統括副基板41に対して、当り遊技中の遊技演出を実行させるための制御コマンドを出力する。
【0141】
即ち、CPU40aは、当りの変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを統括副基板41に出力する。CPU40aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、CPU40aは、当り遊技に設定された開放態様(開放パターン)にしたがって、大入賞口19,22のうち何れかの大入賞口を開放するように、大入賞口アクチュエータA2,A3を制御し、ラウンド遊技を開始する。CPU40aは、ラウンド遊技を開始した後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、開放中の大入賞口が閉鎖されるように大入賞口アクチュエータA2,A3を制御し、ラウンド遊技を終了する。CPU40aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、ラウンド上限回数のラウンド遊技が行われるまで繰り返し行う。また、CPU40aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド演出の実行を指示するラウンドコマンドを統括副基板41に出力する。CPU40aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを統括副基板41に出力する。CPU40aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0142】
次に、CPU40aが実行する遊技状態処理について説明する。
CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した特別図柄の当り図柄(即ち、当りの種類)に基づいて、当り遊技の終了後に付与する遊技状態を特定する。CPU40aは、非確変状態の付与を特定した場合、当り遊技を終了するときに、非確変状態に制御することを特定可能な値を確変フラグに設定する。CPU40aは、確変状態の付与を特定した場合、当り遊技を終了するときに、確変状態に制御することを特定可能な値を確変フラグに設定するとともに、確変状態であることを特定可能な確変状態コマンドを統括副基板41に出力する。
【0143】
CPU40aは、非入賞容易状態の付与を特定した場合、当り遊技を終了するときに、非入賞容易状態に制御することを特定可能な値を入球率向上フラグに設定する。CPU40aは、入賞容易状態の付与を特定した場合、当り遊技を終了するときに、入賞容易状態に制御することを特定可能な値を入球率向上フラグに設定するとともに、入賞容易状態であることを特定可能な入賞容易状態コマンドを統括副基板41に出力する。CPU40aは、ゲーム上限回数を定めた入賞容易状態の付与を特定した場合、ゲーム上限回数をRAM40cに記憶させる。
【0144】
CPU40aは、変動ゲームが実行される毎に、RAM40cに記憶されているゲーム上限回数を1減算し、該ゲーム上限回数が0となった場合、ゲーム上限回数が0となった変動ゲームの終了に伴って、非入賞容易状態に制御することを特定可能な値を入球率向上フラグに設定する。即ち、CPU40aは、入賞容易状態を終了させ、非入賞容易状態へ移行させる。
【0145】
CPU40aは、当り遊技が付与された場合、非確変状態に制御することを特定可能な値を確変フラグに設定するとともに、非入賞容易状態に制御することを特定可能な値を入球率向上フラグに設定する。CPU40aは、非確変状態に制御することを特定可能な値を確変フラグに設定すると、非確変状態であることを特定可能な非確変状態コマンドを統括副基板41に出力する。CPU40aは、非入賞容易状態に制御することを特定可能な値を入球率向上フラグに設定すると、非入賞容易状態であることを特定可能な非入賞容易状態コマンドを統括副基板41に出力する。
【0146】
次に、CPU40aが実行する普通図柄入力処理について説明する。
CPU40aは、作動ゲート29に遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートセンサSE6が出力する検知信号を入力した場合、RAM40cに記憶されている普通図柄保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるか否かを判定する。CPU40aは、普通図柄保留数が上限数に達している場合、上限数を超える普通図柄保留数の更新を行わないとともに、普通図柄の当り乱数の値を取得することなく、普通図柄入力処理を終了する。
【0147】
一方、CPU40aは、普通図柄保留数が上限数未満である場合、普通図柄保留数を1加算し、普通図柄保留数を更新する。このとき、CPU40aは、更新後の普通図柄保留数を表示するように普通保留表示器30を制御する。次に、CPU40aは、主基板40内で生成している普通図柄の当り乱数の値を取得する。またこのとき、CPU40aは、取得した当り乱数の値を、該当り乱数の値を記憶させた順序を特定可能となるように、RAM40cに記憶させる。その後、CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0148】
次に、CPU40aが実行する普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、CPU40aは、普通図柄変動ゲームの実行条件(開始条件)が成立しているか否かを判定する。CPU40aは、普通図柄変動ゲームの実行中ではなく、且つ普通当り遊技中ではない場合に肯定判定する一方で、普通図柄変動ゲームの実行中、又は普通当り遊技中である場合に否定判定する。普通図柄変動ゲームの実行条件が成立していない場合、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0149】
一方、普通図柄変動ゲームの実行条件が成立している場合、CPU40aは、RAM40cに記憶されている普通図柄保留数が0(零)よりも大きいか否かを判定する。普通図柄保留数が0(零)よりも大きくない場合、即ち普通図柄保留数が0の場合、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通図柄保留数が0よりも大きい場合、CPU40aは、普通図柄保留数を1減算し、普通図柄保留数を更新する。このとき、CPU40aは、更新後の普通図柄保留数を表示するように普通保留表示器30を制御する。
【0150】
次に、CPU40aは、RAM40cに記憶されている普通図柄の当り乱数の値のうち、最先に記憶された普通図柄の当り乱数の値を取得する。次に、CPU40aは、普通図柄の当り判定を行う。即ち、CPU40aは、普通図柄の当り抽選を行う。詳しく説明すると、CPU40aは、取得した普通図柄の当り乱数の値が、ROM40bに記憶されている普通図柄の当り判定値と一致するか否かを判定する。普通図柄の当り判定の判定結果が肯定の場合(普通当りの場合)、CPU40aは、普通図柄の当り図柄の中から普通図柄表示器28にて確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。
【0151】
次に、CPU40aは、複数種類の普通図柄用の変動パターンの中から1つの普通図柄用の変動パターンを決定する。その後、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。また、普通図柄の当り判定の判定結果が否定の場合(普通はずれの場合)、CPU40aは、普通図柄のはずれ図柄の中から普通図柄表示器28にて確定停止表示させる最終停止図柄を決定する。次に、CPU40aは、複数種類の普通図柄用の変動パターンの中から1つの普通図柄用の変動パターンを決定する。その後、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0152】
また、普通図柄開始処理とは別の処理で、CPU40aは、普通図柄の変動表示が開始するように普通図柄表示器28を制御する。また、CPU40aは、普通図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。そして、CPU40aは、普通図柄開始処理で決定した変動パターンから特定可能な変動時間が終了すると、決定している最終停止図柄を確定停止表示するように普通図柄表示器28を制御する。
【0153】
次に、CPU40aが実行する普通当り遊技処理について説明する。
普通図柄の当り判定において肯定判定した場合、CPU40aは、普通図柄変動ゲームの終了後(普通当り図柄の確定停止表示後)、開閉部材18が遊技状態に応じた開放パターンで開閉するように、第1アクチュエータA1を制御し、普通当り遊技を付与する。
【0154】
次に、統括副基板41のCPU41aが各種の遊技演出を実行させるための処理について説明する。
最初に、第1入力処理について説明する。第1入力処理は、非入賞容易状態である場合に、CPU41aが実行する処理である。
【0155】
図13に示すように、CPU41aは、D0系の先読みコマンド及びD7系の先読みコマンドを入力すると、該入力した先読みコマンドを保留バッファに格納する(ステップS1001)。ステップS1001の処理において、CPU41aは、入力したD7H系の先読みコマンドに基づいて、変動ゲームの種別と、保留数と、を特定する。次に、CPU41aは、特定した変動ゲームの種別と、保留数とに対応付けられた保留バッファの先頭アドレスを特定する。
【0156】
次に、CPU41aは、特定した先頭アドレスから[+0007H]だけシフトした保留バッファ(Z1x7又はZ2x7)に、入力したD7H系の先読みコマンドの下位コマンドの値を格納する。当該保留バッファに格納された値を参照することにより、CPU41aは、特別図柄の当り抽選に当選するか否か、及び特別図柄の当り抽選に当選する場合における、当り乱数の値が高確判定値及び低確判定値のうち何れと一致する当りであるかを特定可能になる。
【0157】
同様に、CPU41aは、特定した先頭アドレスから[+0006H]だけシフトした保留バッファ(Z1x6又はZ2x6)に、入力したD0H系の先読みコマンドの下位コマンド値を格納する。当該保留バッファに格納された値を参照することにより、CPU41aは、特別図柄の当り抽選に当選する場合における、特別図柄の当り図柄(当りの種類)を特定可能になる。
【0158】
次に、CPU41aは、第1変動ゲームのD7H系の先読みコマンドを入力しているか否かを判定する(ステップS1002)。第1変動ゲームのD7H系の先読みコマンドではない場合(ステップS1002:NO)、即ち第2変動ゲームに関するコマンドである場合、CPU41aは、第1入力処理を終了する。この場合、CPU41aは、表示態様H0で情報画像Gbを表示することを特定可能な第2入賞時コマンドを生成し、表示副基板42へ出力する。
【0159】
第1変動ゲームのD7H系の先読みコマンドである場合(ステップS1002:YES)、CPU41aは、第1変動ゲームの開始時ではないかを判定する(ステップS1003)。第1変動ゲームの開始時である場合(ステップS1003:NO)、CPU41aは、第1入力処理を終了する。即ち、CPU41aは、第1メイン変動コマンドの入力と、D7H系の先読みコマンドの入力とが同じ制御周期で重複する場合、次回以降の制御周期まで、特定演出の実行に関するS1004以降の処理を行わない。
【0160】
第1変動ゲームの開始時ではない場合(ステップS1003:YES)、CPU41aは、チャンスモードCMからノーマルモードNMへ移行してから5回の第1変動ゲームが終了しているか否かを判定する(ステップS1004)。5回の第1変動ゲームが終了していない場合(ステップS1004:NO)、CPU41aは、第1入力処理を終了する。即ち、CPU41aは、ノーマルモードNMへ移行してから5回の第1変動ゲームが終了する迄、特定演出の実行に関するS1005以降の処理を行わない。
【0161】
ノーマルモードNMへ移行してから5回の第1変動ゲームが終了している場合(ステップS1004:YES)、CPU41aは、第1禁則処理を実行する(ステップS1005)。第1禁則処理は、特定演出を実行可能であるかに関する情報である特定情報としての「先読み可否フラグ」を、保留中の変動ゲームのうち、対応している変動ゲームを特定可能な状態で記憶するための処理である。先読み可否フラグに設定され得る値には、特定演出の実行が許容されていることを特定可能な値(00H)と、特定演出の実行が禁止されていることを特定可能な値(01H)とがある。この実施形態の先読み可否フラグは、特定した先頭アドレスからシフトなし(+0000H)の保留バッファZ1x0に格納される。第1禁則処理の詳細については、後述する。
【0162】
次に、CPU41aは、第1期間情報生成処理を実行する(ステップS1006)。第1期間情報生成処理において、CPU41aは、主基板40から入力した先読みコマンドに基づいて、第1変動ゲームの保留順序において、連続して特定演出の実行が許容されている第1変動ゲームの回数である許容回数(n連)を特定する。そして、CPU41aは、特定した許容回数を特定可能となるように先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する。先読みn連フラグは、特定演出を実行可能な変動ゲームの回数に関する情報である回数情報に相当する。なお、この実施形態における許容回数は、特定演出を実行可能な期間として把握することも可能である。
【0163】
前述のように、保留順序は、保留4の変動ゲーム→保留3の変動ゲーム→保留2の変動ゲーム→保留1の変動ゲームの順序である。CPU41aは、先読みn連フラグの値を参照することにより、第1変動ゲームの保留順序において、連続して特定演出の実行が許容されている変動ゲームの回数である許容回数を特定できる。以下の説明では、許容回数=1回を「1連」、許容回数=2回を「2連」、許容回数=3回を「3連」、許容回数=4回を「4連」と示す場合がある。
【0164】
例えば、許容回数が1回(1連)である場合には、最後に保留された変動ゲームにおいてのみ、特定演出を実行可能である。許容回数が2回(2連)である場合には、最後に保留された変動ゲーム(2連目)と、2番目に古くに保留された変動ゲーム(1連目)と、において特定演出を実行可能である。許容回数が3回(3連)である場合には、最後に保留された変動ゲーム(3連目)と、2番目及び3番目に古くに保留された変動ゲーム(1連目及び2連目)と、において特定演出を実行可能である。許容回数が4である場合には、最後に保留された変動ゲーム(4連目)と、2番目〜4番目に古くに保留された変動ゲーム(1連目〜3連目)と、において特定演出を実行可能である。
【0165】
また、第1期間情報生成処理において、CPU41aは、特定した許容回数分の第1変動ゲームに、最先に保留された第1変動ゲームが含まれている場合であって、実行中の第1変動ゲームがあるときには、該実行中の第1変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかを特定する。そして、CPU41aは、実行中の第1変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶する。CPU41aは、入賞時演出可否フラグの値を参照することにより、実行中である保留0の第1変動ゲームにおいて特定演出を実行可能であるか、即ち入賞時に特定演出を実行可であるかを特定できる。以下の説明では、「入賞時に特定演出を実行可」であることを「入賞時演出可能」と示し、「入賞時に特定演出を実行不可」であることを「入賞時演出不能」と示す場合がある。
【0166】
第1期間情報生成処理の詳細については、後述する。この実施形態において、先読みn連フラグと、入賞時演出可否フラグとは、特定演出を実行可能な期間に関する情報である期間情報に相当する。そして、第1期間情報生成処理は、統括副基板41のCPU41aが期間情報を生成する処理に相当する。また、統括副基板41のCPU41aは期間情報生成手段に相当する。
【0167】
次に、CPU41aは、変動パターン解析処理を実行する(ステップS1007)。ステップS1007の処理において、CPU41aは、入力した先読みコマンドを解析し、変動パターンフラグを算出する。即ち、CPU41aは、D1H系〜D7H系の先読みコマンドによって特定可能な第1変動ゲームの変動内容に適合する変動パターンフラグを算出する。
【0168】
図14に示すように、この実施形態において、D7H系の先読みコマンドは遊技状態ごとに当りか否かを特定可能であり、D1H系及びD2H系の先読みコマンドはリーチ乱数の値を特定可能である。D3H系及びD4H系の先読みコマンドは第1変動振分乱数の値を特定可能であり、D5H系及びD6H系の先読みコマンドは第2変動振分乱数の値を特定可能である。即ち、この実施形態のCPU41aは、先読みコマンドによって、該先読みコマンドに対応する変動ゲームが実行されるときに、特別図柄開始処理において必要とされる情報のうち、該変動ゲームの開始時点における保留数を除いた全ての情報を取得できる。
【0169】
例えば、CPU41aは、先読みコマンドD700H,D001H,D122H,D37FH,D572Hを入力している場合、第1変動ゲームの変動内容に関する情報として「第1保留数=1、はずれ、(当り図柄Zb)、リーチ乱数=34、第1変動振分乱数=127、第2変動振分乱数=114」を特定可能である。この場合、CPU41aは、
図14において上から3段目に例示されているように、これら第1変動ゲームに関する情報に基づいて、変動パターン番号4(Nリーチ)が分類されている変動パターンフラグ3を算出する。
【0170】
このような、変動パターンフラグを算出する処理(方法)としては、例えば主基板40のCPU40aが実行する特別図柄開始処理と同じ処理を実行することにより、当り判定、リーチ判定、及び変動パターン判定を行い、該判定結果に適合する変動パターンフラグを算出する処理(方法)を採用してもよい。また、変動パターンフラグを算出する処理としては、先読みコマンドから特定可能な情報の組合せをもとに、ROM41bに記憶されたテーブルを検索し、上記情報の組合せに適合する変動パターンフラグを抽出することにより算出する処理(方法)を採用してもよい。
【0171】
図13に示すように、CPU41aは、ステップS1007の処理において算出した変動パターンフラグを、特定した先頭アドレスから[+0003H]だけシフトした保留バッファ(Z1x3又はZ2x3)に格納する(ステップS1008)。当該保留バッファZ1x3,Z2x3に格納された値を参照することにより、CPU41aは、変動パターンフラグを特定可能になる。この実施形態において、変動パターンフラグは、少なくとも当りか否か、当りの場合の当り図柄(当りの種類)、及び変動パターンを特定可能な情報である。
【0172】
次に、CPU41aは、特定演出の第1系統抽選処理を実行し、特定演出の系統を決定する(ステップS1009)。この実施形態のパチンコ遊技機10では、非入賞容易状態において、保留系演出、キャラA系演出、及び背景系演出を含む、複数系統の特定演出を実行できる。ここで、第1系統抽選処理について詳しく説明する。
【0173】
図15に示すように、CPU41aは、入力しているD7H系の先読みコマンドから特定可能な第1保留数と、先読みn連フラグから特定可能な許容回数と、入賞時演出可否フラグから特定できる入賞時演出可能であるか否か、とに基づいて、複数の系統テーブルの中から系統テーブルを選択する。この実施形態では、第1系統テーブルTb10と、第2系統テーブルTb11と、第3系統テーブルTb12と、がある。例えば、CPU41aは、第1保留数=4、許容回数=4、且つ入賞時演出可能である場合、第1系統テーブルTb10を選択する。この実施形態において、第1系統テーブルTb10は、許容回数が3回以上の場合にのみ選択される。第2系統テーブルTb11は、許容回数が2回の場合にのみ選択される。第3系統テーブルTb12は、許容回数が1回の場合にのみ選択される。
【0174】
図16〜
図18に示すように、系統テーブルTb10〜Tb12には、変動パターンフラグの値ごとに、特定演出の非実行を定めた「非当選」の抽選結果フラグ00Hと、特定演出の実行を定めた抽選結果フラグ01H〜0DHとが決定可能となるように、演出乱数の値が、該乱数の取り得る数値の中から振り分けられている。なお、特定演出の実行を定めた抽選結果フラグ01H〜0DHは、実行させる特定演出の系統を特定可能である。
【0175】
そして、CPU41aは、ステップS1009の処理において、演出乱数の値を取得するとともに、該値をもとに、上述のように選択した系統テーブルを参照することにより、特定演出を実行するか否かを決定している。同様に、CPU41aは、ステップS1009の処理において、特定演出の系統を決定している。例えば、CPU41aは、第1系統テーブルTb10を選択し、且つ変動パターンフラグ=2の場合、61/101の確率で「非当選(00H)」を、30/101の確率で「保留系(01H)」を、10/101の確率で「保留系+キャラA系(04H)」を決定する。なお、抽選結果フラグ=04Hである「保留系演出+キャラA系演出」は、両系統の特定演出を複合して実行することを特定可能である。
【0176】
系統テーブルTb10〜Tb12における演出乱数の値の振分態様によれば、系統テーブルTb10,Tb11では、「背景系演出」が決定され得る一方で、系統テーブルTb12では、「背景系演出」が決定され得ない。したがって、CPU41aは、許容回数が第1回数としての「2回」以上であることを条件として、第1特定演出としての「背景系演出」を実行させることができる。また、系統テーブルTb10〜Tb12における演出乱数の値の振分態様によれば、第1系統テーブルTb10では、「保留系演出+キャラA系演出」が決定され得る一方で、系統テーブルTb11,Tb12では、「保留系演出+キャラA系演出」が決定され得ない。したがって、CPU41aは、許容回数が第1回数である「2回」より多い第2回数としての「3回」以上であることを条件として、第2特定演出としての「保留系演出+キャラA系演出」を実行させることができる。第3系統テーブルTb12における演出乱数の値の振分態様によれば、「保留系演出」が決定され得る。即ち、CPU41aは、許容回数が1回の場合であっても特定演出を実行させることができる。
【0177】
図13に示すように、CPU41aは、ステップS1009の処理で決定した抽選結果フラグが00H(非当選)ではないかを判定する(ステップS1010)。抽選結果のフラグが00Hである場合(ステップS1010:NO)、CPU41aは、第1入力処理を終了する。この場合、CPU41aは、特定演出の実行に関する情報を、保留バッファに格納することがない。
【0178】
その一方で、ステップS1009の処理で決定した抽選結果フラグが00Hではない場合(ステップS1010:YES)、CPU41aは、先読み可否フラグとして、特定演出の実行が禁止されていることを特定可能な値(情報)を、特定した先頭アドレスからシフトなし(+0000H)の保留バッファZ1x0に格納する。即ち、CPU41aは、特定演出の実行を決定した場合(先読みを行っている時)に、重複して特定演出の実行を決定しないように禁則処理を行う。
【0179】
次に、CPU41aは、第1特定演出設定処理を実行し、特定演出の演出内容を決定するとともに、該決定結果にしたがって予め定めた情報をRAM41cに格納する(ステップS1012)。
【0180】
まず、単独の保留系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定している場合に行われる処理について詳しく説明する。
図19に示すように、ステップS1009の処理において抽選結果フラグ=01Hを決定した場合、CPU41aは、保留系演出における情報画像Gaの最終表示態様を決定する。即ち、CPU41aは、統括副基板41内で生成している演出乱数の値を取得するとともに、該取得した演出乱数の値をもとに、最終保留変化テーブルTb21を参照することにより、保留系演出における情報画像Gaの最終表示態様を決定する。最終保留変化テーブルTb21には、変動パターンフラグの値ごとに、最終表示態様としての表示態様H1〜H5を各別に定めた最終保留変化フラグ01H〜05Hの何れかが決定可能となるように、演出乱数の値が、該乱数の取り得る数値の中から振り分けられている。
【0181】
なお、
図19及び
図20において、「白(最終保留変化フラグ=01H)」は表示態様H1を、「紫(最終保留変化フラグ=02H)」は表示態様H2を、「緑(最終保留変化フラグ=03H)」は表示態様H3を、「赤(最終保留変化フラグ=04H)」は表示態様H4を、「虹(最終保留変化フラグ=05H)」は表示態様H5を示している。
【0182】
CPU41aは、例えば変動パターンフラグ=3の場合、81/251の確率で「紫色の球体を模した表示態様H2(02H)」を、170/251の確率で「緑色の球体を模した表示態様H3(03H)」を決定する。最終保留変化テーブルTb21は、表示態様がH1<H2<H3<H4<H5である順に、当り演出用の変動パターンに対応する変動パターンフラグのときの決定割合と、はずれ演出用の変動パターンに対応する変動パターンフラグのときの決定割合との合算割合に占める、大当りのときの決定割合が高くなるようにしてある。
【0183】
次に、
図20(a)〜(d)に示すように、CPU41aは、先読みn連フラグから特定可能な許容回数(n連)と、入賞時演出可否フラグから特定可能である入賞時演出可能であるか否か、とに基づいて、複数の保留変化パターンテーブルの中から保留変化パターンテーブルを選択する。
【0184】
保留変化パターンテーブルTb22〜Tb25には、保留変化パターンを各別に特定可能な複数の保留変化パターンフラグが対応付けられている。この実施形態における保留変化パターンでは、保留系演出における変化タイミングt1〜t4において、情報画像Gaの表示態様を変化させるか否かと、変化させる場合における変化先の表示態様と、を特定可能である。なお、図中において、「第1」は第1変化タイミングt1を、「第2」は第2変化タイミングt2を、「第3」は第3変化タイミングt3を、「第4」は第4変化タイミングt4を示している。詳しくは後述するが、この実施形態では、第1変化タイミングt1が「入賞時」に設定される場合と、保留1の第1変動ゲームの開始時に設定される場合と、がある。
【0185】
例えば、保留変化パターンフラグ0は、第1変化タイミングt1において、表示態様H1(白)で情報画像Gaを表示させ、その後の変化タイミングt2〜t4において、表示態様を変化させないことが特定可能である。例えば、保留変化パターンフラグ124は、変化タイミングt1,t2において、表示態様H0(透明)で情報画像Gaを表示させ、第3変化タイミングt3において表示態様H2(紫)に変化させ、さらに第4変化タイミングt4において表示態様H5(虹)に変化させることが特定可能である。
【0186】
第1保留変化パターンテーブルTb22には、変化タイミングt1〜t4(第1〜第4)の4つのタイミングを定めた保留変化パターンフラグが対応付けられている。即ち、第1保留変化パターンテーブルTb22は、4連の保留系演出用のテーブルである。第2保留変化パターンテーブルTb23には、変化タイミングt1〜t3(第1〜第3)の3つのタイミングを定めた保留変化パターンフラグが対応付けられている。即ち、第2保留変化パターンテーブルTb23は、3連の保留系演出用のテーブルである。
【0187】
第3保留変化パターンテーブルTb24には、変化タイミングt1,t2(第1,第2)の2つのタイミングを定めた保留変化パターンフラグが対応付けられている。即ち、第3保留変化パターンテーブルTb24は、2連の保留系演出用のテーブルである。第4保留変化パターンテーブルTb25には、第1変化タイミングt1の1つのタイミングを定めた保留変化パターンフラグが対応付けられている。即ち、第4保留変化パターンテーブルTb25は、1連の保留系演出用のテーブルである。
【0188】
CPU41aは、「許容回数=4、且つ入賞時演出可能」である場合、4連の保留系演出用である第1保留変化パターンテーブルTb22を選択する。CPU41aは、「許容回数=4、且つ入賞時演出不能」、又は「許容回数=3、且つ入賞時演出可能」である場合、3連の保留系演出用である第2保留変化パターンテーブルTb23を選択する。CPU41aは、「許容回数=3、且つ入賞時演出不能」、又は「許容回数=2、且つ入賞時演出可能」である場合、2連の保留系演出用である第3保留変化パターンテーブルTb24を選択する。CPU41aは、「許容回数=2、且つ入賞時演出可能」、又は「許容回数=1、且つ入賞時」である場合、1連の保留系演出用である第4保留変化パターンテーブルTb25を選択する。
【0189】
保留変化パターンテーブルTb22〜Tb25には、最終保留変化フラグの値ごとに、何れかの保留変化パターンフラグが決定可能となるように、演出乱数の値が、該乱数の取り得る数値の中から振り分けられている。保留変化パターンテーブルTb22〜Tb25には、最終保留変化フラグの値から特定可能な情報画像Gaの最終表示態様と一致する最終表示態様を特定可能な保留変化パターンフラグが決定可能となるように、演出乱数の値が振り分けられている。例えば、最終保留変化フラグ=03H(緑)の場合、情報画像Gaの表示態様が変化し得る変化タイミングのうち、最終回の変化タイミングにおいて、表示態様H3(緑)へ変化させることを特定可能な保留変化パターンのみが決定可能となっている。
【0190】
なお、
図20に示す保留変化パターンテーブルTb22〜Tb25には、演出乱数の値が振り分けられていない保留変化パターンフラグが存在しているが、これらは、ここで説明する処理とは異なる処理において、選択される可能性がある保留変化パターンフラグである。
【0191】
次に、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドから特定可能な第1保留数と、決定した保留変化パターンフラグと、先読みn連フラグから特定可能な許容回数と、入賞時演出可否フラグから特定可能な入賞時演出可能であるかと、に基づいて、第1特別図柄用の保留バッファに保留系演出の実行に関する情報(フラグ)を格納する。ここで、保留系演出の実行に関する情報を格納する保留バッファと、格納する情報とについて、詳しく説明する。
【0192】
図21(a)〜(d)に示すように、第1特別図柄用の保留バッファのうち先頭アドレスから[+0004H]だけシフトした保留バッファZ1x4には、対応する第1変動ゲームが実行される時点において、何れの情報画像Gaを変化させるかを特定可能な変化場所フラグが格納される(図中において「変化場所」の欄に示す)。
【0193】
変化場所フラグは、その値が01Hである場合には、第1保留数=1に対応する情報画像Ga、即ち第1表示領域Ra1に表示されている情報画像Gaを変化させることを特定可能である。変化場所フラグは、その値が02Hである場合には、第1保留数=2に対応する情報画像Ga、即ち第1表示領域Ra2に表示されている情報画像Gaを変化させることを特定可能である。変化場所フラグは、その値が03Hである場合には、第1保留数=3に対応する情報画像Ga、即ち第1表示領域Ra3に表示されている情報画像Gaを変化させることを特定可能である。変化場所フラグは、その値が04Hである場合には、第1保留数=4に対応する情報画像Ga、即ち第1表示領域Ra4に表示されている情報画像Gaを変化させることを特定可能である。
【0194】
第1特別図柄用の保留バッファのうち先頭アドレスから[+0005H]だけシフトした保留バッファZ1x5には、対応する第1変動ゲームが実行される時点において、変化場所フラグに示される情報画像Gaを何れの表示態様に変化させるかを特定可能な変化色フラグが格納される(図中において「変化色」の欄に示す)。変化色フラグは、その値が01Hである場合には表示態様H1(白)を、02Hである場合には表示態様H2(紫)を、03Hである場合には表示態様H3(緑)を、04Hである場合には表示態様H4(赤)を、05Hである場合には表示態様H5(虹)を示している。
【0195】
第1特別図柄用の保留バッファのうち先頭アドレスから[+0008H]だけシフトした保留バッファZ1x8には、対応する第1変動ゲームが実行される時点において、該第1変動ゲームに対応する情報画像Gaが変化している表示態様(即ち、最終表示態様)を特定可能な最終色フラグが格納される(図中において「最終色」の欄に示す)。
【0196】
そして、CPU41aは、「入賞時演出可能」である場合は、第1変化タイミングt1を入賞時(実行中である保留0の第1変動ゲーム)に設定する。そして、CPU41aは、第2変化タイミングt2以降の変化タイミングを定めた保留変化パターンフラグを決定している場合、第1保留数から1減算した保留数の第1変動ゲームから、保留順序にしたがって、許容回数から1減算した回数分の第1変動ゲームの開始時を変化タイミングとして設定する。なお、前述のように、保留順序は、保留4の変動ゲーム→保留3の変動ゲーム→保留2の変動ゲーム→保留1の変動ゲームの順序である。
【0197】
その一方で、CPU41aは、「入賞時演出不能」である場合は、第1変化タイミングt1を保留1の第1変動ゲームに設定する。そして、CPU41aは、第2変化タイミングt2以降の変化タイミングを定めた保留変化パターンフラグを決定している場合、第1保留数から1減算した保留数の第1変動ゲームから、保留順序にしたがって、許容回数から1減算した回数分の第1変動ゲームの開始時を変化タイミングとして設定する。
【0198】
ここで、第1保留数=4である場合の例について説明する。CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=4、且つ入賞時演出可能」である場合には、第1変化タイミングt1として入賞時(実行中である保留0の第1変動ゲーム)を設定する。この場合、CPU41aは、残る第2変化タイミングt2として保留1の第1変動ゲームの開始時を、第3変化タイミングt3として保留2の第1変動ゲームの開始時を、第4変化タイミングt4として保留3の第1変動ゲームの開始時を設定する。また、CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=4、且つ入賞時演出不能」である場合には、第1変化タイミングt1として保留1の第1変動ゲームの開始時を設定する。この場合、CPU41aは、残る第2変化タイミングt2として保留2の第1変動ゲームの開始時を、第3変化タイミングt3として保留3の第1変動ゲームの開始時を設定する。
【0199】
同様に、CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=3、且つ入賞時演出可能」である場合には、第1変化タイミングt1として入賞時(実行中である保留0の第1変動ゲーム)を設定し、残る変化タイミングt2,t3として、保留2,保留3の順にそれぞれの第1変動ゲームの開始時を設定する。CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=3、且つ入賞時演出不能」である場合には、第1変化タイミングt1として保留2の第1変動ゲームを設定し、残る第2変化タイミングt2として、保留3の第1変動ゲームの開始時を設定する。
【0200】
CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=2、且つ入賞時演出可能」である場合には、第1変化タイミングt1として入賞時(実行中である保留0の第1変動ゲーム)を設定し、残る第2変化タイミングt2として、保留3の第1変動ゲームの開始時を設定する。CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=2、且つ入賞時演出不能」である場合には、第1変化タイミングt1として保留3の第1変動ゲームを設定する。CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=1、且つ入賞時演出可能」である場合には、第1変化タイミングt1として入賞時(実行中である保留0の第1変動ゲーム)を設定する。なお、第1保留数=1〜3の場合についても、同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0201】
次に、CPU41aは、第1保留数と、保留変化パターンフラグと、許容回数(n連)と、入賞時演出可能であるかと、に基づいて、上述のように変化タイミングとして設定した第1変動ゲームに対応する保留バッファZ1x4,Z1x5,Z1x8に格納する値(情報)を生成する。以下の説明では、保留バッファZ1x4,Z1x5,Z1x8に格納する値の組合せを、情報組合せ[X,Y,Z]と示す(但し、Xは保留バッファZ1x4に格納される値、Yは保留バッファZ1x5に格納される値、Zは保留バッファZ1x8に格納される値を示す)。
【0202】
例えば、CPU41aは、「第1保留数=4、保留変化パターンフラグ=1、許容回数(n連)=4回、且つ入賞時演出可能」である場合、保留1バッファZ114,Z115,Z118に格納する情報組合せ[03H,01H,−]、保留2バッファZ124,Z125,Z128に格納する情報組合せ[02H,−,−]を生成する。さらに、CPU41aは、保留3バッファZ134,Z135,Z138に格納する情報組合せ[01H,−,−]、保留4バッファZ144,Z145,Z148に格納する情報組合せ[−,−,01H]を生成する。
【0203】
保留系演出に関する情報組合せを生成する処理(方法)としては、例えば、第1保留数と、保留変化パターンフラグと、許容回数と、入賞時演出可能であるか否かという、情報の組合せに基づいて、ROM41bに記憶されたテーブルを検索し、情報の組合せに適合する情報組合せを抽出する処理(方法)を採用してもよい。また、保留系演出に関する情報組合せを抽出する処理(方法)としては、第1保留数と、保留変化パターンフラグの値と、許容回数と、入賞時演出可能であるか否かと、を順次判定し、該判定結果に適合する情報組合せを算出する処理(方法)を採用してもよい。
【0204】
この実施形態において、保留バッファZ1x4,Z1x5,Z1x8に格納する情報組合せ[X,Y,Z]は、特定演出の種類を特定可能な情報である種類情報に相当する。CPU41aは、先読みコマンドが生成されたことを契機として、特定演出の種類としての情報画像Gaの表示態様を決定している。そして、CPU41aは、種類情報を、保留中の変動ゲームに対応付けて記憶していると把握できる。なお、情報組合せ[X,Y,Z]は、保留系演出を実行させるためのコマンドそのものとは異なる情報である。
【0205】
また、CPU41aは、第1保留数と、保留変化パターンフラグの値と、入賞時演出可能であるか、とに適合する第1入賞時コマンドを生成し、表示副基板42へ出力する。CPU41aは、D7H系の先読みコマンドから特定可能な変動ゲームの種別、及び情報画像を表示させる表示領域と、保留変化パターンフラグの値から特定可能な入賞時における情報画像の表示態様と、を特定可能となるように、第1入賞時コマンドを生成する。
【0206】
例えば、CPU41aは、第1保留数=4、保留変化パターンフラグ=1、入賞時演出可能である場合、第1入賞時コマンドE130Hを生成する。この第1入賞時コマンドE130Hからは、保留4の第1変動ゲームに対応する第1表示領域Ra4に、表示態様H0(透明)による情報画像Gaを表示することが特定可能である。例えば、CPU41aは、第1保留数=1、保留変化パターンフラグ=204、入賞時演出可能である場合、第1入賞時コマンドE105Hを生成する。この第1入賞時コマンドE105Hからは、保留1の第1変動ゲームに対応する第1表示領域Ra1に、表示態様H5(虹)による情報画像Gaを表示することが特定可能である。
【0207】
次に、保留系演出とキャラA系演出の複合(抽選結果フラグ=04H)を決定した場合に行われる処理について詳しく説明する。上述のように、この実施形態のパチンコ遊技機10では、許容回数が3回(3連)以上の場合にのみ、即ち第1保留数が3以上である場合に、保留系演出とキャラA系演出との複合が行われ得るようになっている。
【0208】
CPU41aは、最終保留変化テーブルTb21をもとに、保留系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定したときと同様の処理を実行し、最終保留変化フラグ01H〜05Hのうち、何れかの最終保留変化フラグを決定する。即ち、CPU41aは、保留系演出における情報画像Gaの最終表示態様を決定する。
【0209】
次に、CPU41aは、先読みn連フラグから特定可能な許容回数(n連)と、入賞時演出可否フラグから特定可能である入賞時演出可能であるか、とに基づいて、複数の保留変化パターンテーブルの中から保留変化パターンテーブルを選択する。
【0210】
詳しく説明すると、CPU41aは、「許容回数=4、且つ入賞時演出可能」又は「許容回数=4、且つ入賞時演出不能」である場合、2連の保留系演出用である第3保留変化パターンテーブルTb24を選択する。CPU41aは、「許容回数=3、且つ入賞時演出可能」、又は「許容回数=3、且つ入賞時演出不能」である場合、1連の保留系演出用である第4保留変化パターンテーブルTb25を選択する。即ち、CPU41aは、保留系演出とキャラA系演出の複合を決定した場合、単独の保留系演出を決定したときよりも、1回少ない回数の第1変動ゲームに跨った保留系演出の実行を決定すると把握できる。そして、CPU41aは、選択した保留変化パターンテーブルをもとに、保留系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定したときと同様の処理を実行し、保留変化パターンフラグを決定する。
【0211】
次に、
図22(a)及び(b)に示すように、CPU41aは、保留系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定したときと同様の処理を実行し、第1特別図柄用の保留バッファZ1x4,Z1x5,Z1x8に、保留系演出の実行に関する情報組合せを格納する。このとき、CPU41aは、入賞時演出可否フラグの値に関わらず、入賞時演出不能であるものとして、変化タイミングを設定する。即ち、CPU41aは、第1保留数=4である場合、第1変化タイミングt1として保留2の第1変動ゲームを設定し、変化タイミングt2として、保留3の第1変動ゲームを設定する。CPU41aは、第1保留数=3である場合、第1変化タイミングt1として保留2の第1変動ゲームを設定する。CPU41aは、保留1バッファZ114,Z115,Z118に、情報画像Gaの表示態様の非変化を示す情報組合せ[−,−,−]を必ず格納することになる。
【0212】
また、CPU41aは、保留系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定したときと同様の処理を実行し、第1入賞時コマンドを生成し、表示副基板42へ出力する。この処理において、CPU41aは、第1保留数=4の場合、第1表示領域Ra4に、表示態様H0(透明)による情報画像Gaを表示することが特定可能な第1入賞時コマンドE130Hを生成する。CPU41aは、第1保留数=3の場合、第1表示領域Ra3に、表示態様H0(透明)による情報画像Gaを表示することが特定可能な第1入賞時コマンドE120Hを生成する。即ち、この実施形態において、保留系演出とキャラA系演出とが複合する場合、入賞時には情報画像の表示態様が変化しないようになっている。
【0213】
次に、CPU41aは、第1特別図柄用の保留バッファに、キャラA系演出の実行に関する情報(フラグ)を格納する。この実施形態において、第1特別図柄用の保留バッファのうち先頭アドレスから[+0002H]だけシフトした保留バッファZ1x2には、対応する第1変動ゲームが実行される時点において、キャラA系演出を実行させることを特定可能なキャラAフラグが格納される。
【0214】
また、CPU41aは、保留系演出とキャラA系演出の複合(抽選結果フラグ=04H)を決定している場合、情報画像の表示態様が変化される変化タイミングよりも、先に実行される第1変動ゲームに対応した保留バッファに、キャラAフラグを格納する。この実施形態では、CPU41aは、必ず保留1バッファZ112にキャラAフラグを格納する。したがって、この実施形態では、キャラA系演出が行われた第1変動ゲームの後、1回目、又は2回目の第1変動ゲームの期間中において、情報画像Gaの表示態様が変化され得る。
【0215】
次に、背景系演出(抽選結果フラグ=0CH)を決定した場合に行われる処理について詳しく説明する。
CPU41aは、第1特別図柄用の保留バッファに、背景系演出の実行に関する情報(フラグ)を格納する。この実施形態において、第1特別図柄用の保留バッファのうち先頭アドレスから[+0002H]だけシフトした保留バッファZ1x2には、対応する第1変動ゲームが実行される時点において、背景系演出を実行させることを特定可能な背景フラグが格納される。背景フラグは、第1変動ゲームの開始時に、特別背景画像を表示することを特定可能な情報である。
【0216】
即ち、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドに対応する第1変動ゲームを含み、該第1変動ゲームから保留順序にしたがって、許容回数分の第1変動ゲームのそれぞれに対応している保留バッファZ1x2に、背景フラグを格納する。例えば、CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=4」である場合、保留1〜保留4バッファZ1x2に背景フラグを格納する。例えば、CPU41aは、「第1保留数=4、許容回数=2」である場合、保留3,保留4バッファZ1x2に背景フラグを格納する。
【0217】
以上、
図13に示すように、CPU41aは、ステップS1012における第1特定演出設定処理を実行することにより、特定演出の演出内容を決定するとともに、決定結果にしたがって予め定めた情報をRAM41cに格納する。その後、CPU41aは、第1入力処理を終了する。このように、この実施形態のパチンコ遊技機10において、統括副基板41のCPU41aは、特定演出の系統(グループ)を決定するとともに、決定した系統に分類されている演出内容(特定演出)の中から演出内容を決定し、決定した演出内容の特定演出を実行させるようになっている。
【0218】
次に、第1禁則処理について説明する。第1禁則処理は、第1入力処理のステップS1005において実行される。
図23に示すように、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドとともに第1メイン保留数コマンドを入力すると、D7H系の先読みコマンドから特定可能な第1保留数と、第1メイン保留数コマンドから特定可能な第1保留数とが一致しているか否かを判定する(ステップS1101)。第1保留数が一致していない場合(ステップS1101:NO)、CPU41aは、特定した先頭アドレスからシフトなし(+0000H)の保留バッファZ1x0に、特定演出の実行禁止を特定可能な値(01H)を格納する(ステップS1105)。その後、CPU41aは、第1禁則処理を終了する。
【0219】
第1保留数が一致している場合(ステップS1101:YES)、CPU41aは、先読みコマンドに欠落がないかを判定する(ステップS1102)。先読みコマンドに欠落がある場合(ステップS1102:NO)、CPU41aは、ステップS1105の処理を行い、その後に第1禁則処理を終了する。先読みコマンドに欠落がない場合(ステップS1102:YES)、CPU41aは、第1禁則処理を終了する。即ち、保留バッファZ1x0には、特定演出の実行禁止を特定可能な値(01H)が格納されないことから、特定演出の実行が許容される。
【0220】
次に、第1期間情報生成処理について説明する。第1期間情報生成処理は、第1入力処理のステップS1006において実行される。
図24に示すように、CPU41aは、入力したD7H系の先読みコマンドから特定可能な第1保留数が4であるか否かを判定する(ステップS1201)。第1保留数=4である場合(ステップS1201:YES)、CPU41aは、保留3バッファZ130に格納されている先読み可否フラグの値が「先読み可」を示す00Hであるか否かを判定する(ステップS1202)。保留3バッファZ130に先読み可否フラグ00Hが格納されていない場合(ステップS1202:NO)、CPU41aは、許容回数として1回(1連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1203)。CPU41aは、S1203の処理において、入賞時演出不能であることを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶する。その後、CPU41aは、第1期間情報生成処理を終了する。
【0221】
保留3バッファZ130に先読み可否フラグ00Hが格納されている場合(ステップS1202:YES)、CPU41aは、保留をひとつ遡って、保留2バッファZ120に格納されている先読み可否フラグの値が00Hであるか否かを判定する(ステップS1204)。保留2バッファZ120に先読み可否フラグ00Hが格納されていない場合(ステップS1204:NO)、CPU41aは、許容回数として2回(2連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1205)。CPU41aは、S1205の処理において、入賞時演出不能であることを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶する。その後、CPU41aは、第1期間情報生成処理を終了する。
【0222】
保留2バッファZ120に先読み可否フラグ00Hが格納されている場合(ステップS1204:YES)、CPU41aは、さらに保留をひとつ遡って、保留1バッファZ110に格納されている先読み可否フラグの値が00Hであるか否かを判定する(ステップS1206)。保留1バッファZ110に先読み可否フラグ00Hが格納されていない場合(ステップS1206:NO)、CPU41aは、許容回数として3回(3連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1207)。CPU41aは、S1207の処理において、入賞時演出不能であることを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶する。その後、CPU41aは、第1期間情報生成処理を終了する。
【0223】
保留1バッファZ110に先読み可否フラグ00Hが格納されている場合(ステップS1206:YES)、CPU41aは、第1変動ゲームを実行中であるか否かを判定する(ステップS1208)。第1変動ゲームを実行中である場合(ステップS1208:YES)、CPU41aは、さらに保留をひとつ遡って、保留0、即ち実行中の第1変動ゲームの保留バッファZ100に格納されている先読み可否フラグの値が00Hであるか否かを判定する(ステップS1209)。保留0バッファZ100に先読み可否フラグ00Hが格納されていない場合(ステップS1209:NO)、CPU41aは、許容回数として4回(4連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1210)。CPU41aは、S1210の処理において、入賞時演出不能であることを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶する。
【0224】
保留0バッファZ100に先読み可否フラグ00Hが格納されている場合(ステップS1209:YES)、CPU41aは、許容回数として4回(4連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1211)。次に、CPU41aは、入賞時演出可能であることを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1212)。その後、CPU41aは、第1期間情報生成処理を終了する。また、第1変動ゲームを実行中ではない場合(ステップS1208:NO)、CPU41aは、ステップS1210の処理へ移行する。
【0225】
図25に示すように、第1保留数=4ではない場合(ステップS1201:NO)、CPU41aは、第1保留数=3であるか否かを判定する(ステップS1221)。第1保留数=3である場合(ステップS1221:YES)、CPU41aは、第1保留数=4のときにおける保留0〜保留2バッファを対象としたステップS1204〜S1212の処理と同様にして、保留0〜保留2バッファを対象としてステップS1224〜S1232の処理を実行する。なお、第1保留数=3の場合におけるステップS1224〜S1232の処理は、1回少ない許容回数が特定される点を除いて、第1保留数=4である場合におけるステップS1204〜S1212の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0226】
図26に示すように、第1保留数=3ではない場合(ステップS1221:NO)、CPU41aは、第1保留数=2であるか否かを判定する(ステップS1241)。第1保留数=2である場合(ステップS1241:YES)、CPU41aは、第1保留数=4のときにおける保留0,保留1バッファを対象としたステップS1206〜S1212の処理と同様にして、保留0,保留1バッファを対象としてステップS1246〜S1252の処理を実行する。なお、第1保留数=2の場合におけるステップS1246〜S1252の処理は、2回少ない許容回数が特定される点を除いて、第1保留数=4である場合におけるステップS1206〜S1212の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0227】
また、第1保留数=2ではない場合(ステップS1241:NO)、CPU41aは、第1保留数=4のときにおける保留0バッファを対象としたステップS1208〜S1212の処理と同様にして、保留0バッファを対象としてステップS1268〜S1272の処理を実行する。なお、第1保留数=1の場合におけるステップS1268〜S1272の処理は、3回少ない許容回数が特定される点を除いて、第1保留数=4である場合におけるステップS1208〜S1212の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0228】
以上のように、第1期間情報生成処理において、CPU41aは、特定演出を連続して実行できる許容回数(n連)を特定し、該特定した許容回数を特定可能となるように先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する。より詳しく言えば、CPU41aは、保留順序にしたがって、保留中の第1変動ゲームに対応している入賞時演出可否フラグ(特定情報)を参照することにより、許容回数を特定している。
【0229】
また、第1期間情報生成処理において、CPU41aは、保留中の第1変動ゲームの全てにおいて特定演出の実行が許容されている場合であって、実行中の第1変動ゲームがあるときには、該実行中の第1変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかを特定する。より詳しく言えば、CPU41aは、実行中の第1変動ゲームに対応している入賞時演出可否フラグ(特定情報)を参照することにより、実行中の第1変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかを特定している。そして、CPU41aは、実行中の第1変動ゲームにおいて特定演出の実行が許容されているかを特定可能となるように入賞時演出可否フラグを生成し、RAM41cに記憶させる。
【0230】
図27(a)〜(c)に示すように、上記のような第1期間情報生成処理によれば、例えば以下のように許容回数と、入賞時演出可能か否かが特定される。例えば、保留4の第1変動ゲームが保留された場合であって、保留0〜保留4バッファZ1x0に00Hが記憶されているときには、許容回数=4が特定されるとともに、入賞時演出可能であると特定される(
図27(a)に示す)。例えば、保留4の第1変動ゲームが保留された場合であって、保留1〜保留4バッファZ1x0に00Hが記憶されており、且つ保留0バッファZ100に01Hが記憶されているときには、許容回数=4が特定されるとともに、入賞時演出不可であると特定される(
図27(b)に示す)。例えば、保留4の第1変動ゲームが保留された場合であって、保留3バッファZ130に00Hが記憶されており、且つ保留2バッファZ120に01Hが記憶されているときには、許容回数=2が特定されるとともに、入賞時演出不可であると特定される(
図27(c)に示す)。
【0231】
次に、第2入力処理について説明する。第2入力処理は、入賞容易状態である場合に、CPU41aが実行する処理である。
図28に示すように、CPU41aは、D0H系の先読みコマンド及びD7H系の先読みコマンドを入力すると、該入力した先読みコマンドを保留バッファに格納する(ステップS1301)。ステップS1301の処理において、CPU41aは、入力したD7H系の先読みコマンドに基づいて、変動ゲームの種別と、保留数と、を特定する。CPU41aは、特定した変動ゲームの種別と、保留数とに対応付けられた保留バッファの先頭アドレスを特定する。CPU41aは、特定した先頭アドレスから[+0007H]だけシフトした保留バッファZ1x7に、入力したD7H系の先読みコマンドの下位コマンドの値を格納する。同様に、CPU41aは、特定した先頭アドレスから[+0006H]だけシフトした保留バッファZ1x6に、入力したD0H系の先読みコマンドの下位コマンド値を格納する。
【0232】
次に、CPU41aは、第2変動ゲームのD7H系の先読みコマンドD710H〜D71BHを入力しているか否かを判定する(ステップS1302)。第2変動ゲームのD7H系の先読みコマンドではない場合(ステップS1302:NO)、CPU41aは、第2入力処理を終了する。この場合、CPU41aは、表示態様H0で情報画像Gbを表示することを特定可能な第1入賞時コマンドを生成し、表示副基板42へ出力する。
【0233】
第2変動ゲームのD7H系の先読みコマンドである場合(ステップS1302:YES)、CPU41aは、第2禁則処理を実行する(ステップS1303)。第2禁則処理は、特定演出を実行可能であるかに関する情報となる禁則フラグを設定するための処理である。禁則フラグに設定される値には、特定演出の実行が許容されていることを特定可能な値(許容値)と、特定演出の実行が禁止されていることを特定可能な値(禁止値)と、がある。なお、この実施形態における禁則フラグは、第1禁則処理で生成される先読み可否フラグに類似した情報を特定するフラグであるが、先読み可否フラグのように保留バッファに記憶されることがなく、保留バッファとは異なる記憶領域に記憶される。第2禁則処理の詳細については、後述する。
【0234】
次に、CPU41aは、変動パターン解析処理を実行する(ステップS1304)。ステップS1304の処理において、CPU41aは、入力した先読みコマンドを解析し、変動パターンフラグを算出する。即ち、CPU41aは、D1H系〜D7H系の先読みコマンドによって特定可能な第2変動ゲームの変動内容に適合する変動パターンフラグを算出する。なお、ステップS1304の処理は、第1入力処理におけるステップS1007の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。次に、CPU41aは、ステップS1304の処理において算出した変動パターンフラグを、特定した先頭アドレスから[+0008H]だけシフトした保留バッファZ2x8に格納する(ステップS1305)。
【0235】
次に、CPU41aは、特定演出の実行が許容されているか否かを判定する(ステップS1306)。ステップS1306の処理において、CPU41aは、RAM41cに記憶されている禁則フラグに許容値が設定されているか否かを判定する。特定演出の実行が禁止されている場合(ステップS1306:NO)、CPU41aは、第2入力処理を終了する。即ち、CPU41aは、特定演出を実行させない。
【0236】
その一方で、特定演出の実行が許容されている場合(ステップS1306:YES)、CPU41aは、第2期間情報生成処理を実行する(ステップS1307)。第2期間情報生成処理において、CPU41aは、主基板40から入力した先読みコマンドに基づいて、第2変動ゲームの保留順序において、連続して特定演出の実行が許容されている第2変動ゲームの回数である許容回数(n連)を特定する。そして、CPU41aは、特定した許容回数を特定可能となるように先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する。第2期間情報生成処理の詳細については、後述する。
【0237】
次に、CPU41aは、特定演出の第2系統抽選処理を実行し、特定演出の系統を決定する(ステップS1308)。この実施形態のパチンコ遊技機10では、入賞容易状態において、キャラB系演出、文字系演出、及び背景系演出を含む、複数系統の特定演出を実行できる。前述のように、入賞容易状態において実行ができるキャラB系演出及び文字系演出は、演出時間として、第2変動グループに分類されている何れの変動パターンの変動時間よりも短い時間が設定されている。また、その他の特定演出についても同様に、第2変動グループに分類されている何れの変動パターンの変動時間であっても実行可能とされている。即ち、CPU41aは、入賞容易状態においては、第2変動グループに分類されている何れの変動パターンの変動時間であっても実行可能な演出内容を決定するようになっている。以下、第2系統抽選処理について詳しく説明する。
【0238】
CPU41aは、統括副基板41内で生成している演出乱数の値を取得するとともに、該取得した演出乱数の値と、変動パターンフラグの値と、をもとに、第4系統テーブルTb30を参照することにより、実行する特定演出の系統を決定する。
【0239】
図29に示すように、第4系統テーブルTb30には、変動パターンフラグの値ごとに、特定演出の実行を定めた抽選結果フラグ01H〜0DHの何れかが決定可能となるように、演出乱数の値が、該乱数の取り得る数値の中から振り分けられている。なお、特定演出の実行を定めた抽選結果フラグ01H〜09Hは、実行させる特定演出の系統を特定可能である。例えば、CPU41aは、変動パターンフラグ=2の場合、10/101の確率で「キャラB系(01H)」を、10/101の確率で「四文字系(02H)」を、61/101の確率で「背景系(03H)」を決定する。
【0240】
次に、
図28に示すように、CPU41aは、第2特定演出設定処理を実行し、特定演出の演出内容を決定するとともに、該決定結果にしたがって予め定めた情報をRAM41cに格納する(ステップS1309)。
【0241】
まず、キャラB系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定している場合に行われる処理について詳しく説明する。
図30に示すように、ステップS1308の処理において抽選結果フラグ=01H(キャラB系演出)を決定した場合、CPU41aは、キャラB系演出における台詞画像の最終表示態様を決定する。即ち、CPU41aは、統括副基板41内で生成している演出乱数の値を取得するとともに、該取得した演出乱数の値と、変動パターンフラグの値と、をもとに、最終表示態様の抽選テーブルを参照することにより、キャラB系演出における台詞画像の最終表示態様を決定する。
【0242】
図示はしないが、最終表示態様の抽選テーブルには、変動パターンフラグの値ごとに、ガセのキャラB系演出の実行を定めた最終台詞フラグ00H、及び最終表示態様としての表示態様D1〜D4を各別に定めた最終台詞フラグ01H〜04Hの何れかが決定可能となるように、演出乱数の値が、該乱数の取り得る数値の中から振り分けられている。
【0243】
最終表示態様の抽選テーブルは、表示態様がD1<D2<D3<D4である順に、当り演出用の変動パターンに対応する変動パターンフラグのときの決定割合と、はずれ演出用の変動パターンに対応する変動パターンフラグのときの決定割合との合算割合に占める、大当りのときの決定割合が高くなるようにしてある。
【0244】
最終表示態様の抽選テーブルでは、最終台詞フラグ00H(ガセ)は、変動パターンフラグ=1の場合、即ち完全はずれ演出用の変動パターンである場合にのみ決定され得るように、演出乱数の値が振り分けられている。最終表示態様の抽選テーブルでは、最終台詞フラグ01H〜04Hは、変動パターンフラグ=1以外の場合、即ち当り演出用の変動パターンや、はずれリーチ演出用の変動パターンである場合にのみ決定され得るように、演出乱数の値が振り分けられている。
【0245】
次に、CPU41aは、統括副基板41内で生成している演出乱数の値を取得するとともに、該取得した演出乱数の値と、決定した最終台詞フラグ00H〜04H(最終表示態様)と、をもとに台詞パターンテーブルTb40を参照し、キャラB系演出の演出内容(展開)を特定可能な台詞パターンの中から台詞パターンを決定する。
【0246】
図30に示すように、台詞パターンテーブルTb40には、台詞パターンを各別に特定可能な複数種類の台詞フラグ01H〜42Hが対応付けられている。この実施形態の台詞フラグは、特定回数(この実施形態では3回又は4回)の第2変動ゲーム分のキャラB系演出の演出内容を対応付けた内容情報に相当するとともに、統括副基板41のROM41bは、内容情報としての台詞フラグを記憶している。
【0247】
図31に示すように、キャラB系演出の演出内容は、キャラ画像の表示態様と、台詞画像の表示態様とを含んで構成されている。台詞パターン(台詞フラグ)には、特定回数の第2変動ゲームのそれぞれで表示するキャラB系演出の演出内容を特定可能な出力情報としてのコマンドの値が対応付けられている。キャラB系演出の演出内容を特定可能なコマンドを、以下の説明では「キャラBコマンド」と示す。
【0248】
この実施形態の台詞パターン(台詞フラグ)には、第2変動ゲームを保留可能な最大回数(上限回数)に等しい1回目から4回目までの計4回(第1回数)の第2変動ゲームのそれぞれで表示する演出内容を特定可能な通常台詞パターン(通常台詞フラグ)がある。また、台詞パターン(台詞フラグ)には、第2変動ゲームを保留可能な最大回数より少ない1回目から3回目までの計3回(第2回数)の第2変動ゲームのそれぞれで表示する演出内容と、4回目の第2変動ゲームにおけるキャラB系演出の非実行とを特定可能な特殊台詞パターン(特殊台詞フラグ)がある。
【0249】
例えば、台詞フラグ(通常台詞パターン)=05Hは、1回目(1連目)の第2変動ゲームにおいて出力するキャラBコマンドとして、キャラxを模したキャラ画像と、「き、きた…」の台詞を含む白色の台詞画像の表示を特定可能な値が対応付けられている。台詞フラグ05Hは、2回目(2連目)の第2変動ゲームにおいて出力するキャラBコマンドとして、キャラxを模したキャラ画像と、「き、きたきた…」の台詞を含む白色の台詞画像の表示を特定可能な値が対応付けられている。台詞フラグ05Hは、3回目(3連目)の第2変動ゲームにおいて出力するキャラBコマンドとして、キャラxを模したキャラ画像と、「うわわわぁぁ」の台詞を含む白色の台詞画像の表示を特定可能な値が対応付けられている。台詞フラグ05Hは、4回目(4連目)の第2変動ゲームにおいて出力するキャラBコマンドとして、キャラxを模したキャラ画像と、「旦那のためなら わしだって!!!」の台詞を含む金色の台詞画像の表示を特定可能な値が対応付けられている。
【0250】
台詞パターンテーブルTb40には、最終台詞フラグの値ごとに、何れかの台詞パターンフラグが決定可能となるように、演出乱数の値が、該乱数の取り得る数値の中から振り分けられている。台詞パターンテーブルTb40には、最終台詞フラグ=01H〜04Hである場合、最終台詞フラグの値から特定可能な台詞画像の最終表示態様と一致する最終表示態様を特定可能な通常台詞フラグが決定可能となるように、演出乱数の値が振り分けられている。台詞パターンテーブルTb40には、最終台詞フラグ=00H(ガセ)である場合、特殊台詞フラグのみが決定可能となるように、演出乱数の値が振り分けられている。例えば、最終台詞フラグ=03H(赤)の場合、保留中の第2変動ゲームのうち、最終回の第2変動ゲームにおいて、表示態様D3(赤)へ変化させることを特定可能な台詞フラグのみが決定可能となっている。
【0251】
次に、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドから特定可能な第2保留数と、決定した台詞パターンフラグと、先読みn連フラグから特定可能な許容回数と、に基づいて、第2特別図柄用の保留バッファにキャラB系演出の実行に関する情報を格納する。ここで、キャラB系演出の実行に関する情報を記憶する保留バッファと、格納する情報(値)とについて、詳しく説明する。
【0252】
図32(a),(b)及び
図33(a),(b)に示すように、先頭アドレスからシフトなし(+0000H)の第2特別図柄用の保留バッファZ2x0には、対応する第2変動ゲームが実行される時点において、キャラ画像と台詞画像の表示態様を特定可能なキャラBコマンドのうち、上位コマンド値が格納される。また、先頭アドレスから[+0001H]だけシフトした保留バッファZ2x1には、対応する第2変動ゲームが実行される時点において、キャラ画像と台詞画像の表示態様を特定可能なキャラBコマンドのうち、下位コマンド値が格納される。
【0253】
そして、CPU41aは、台詞フラグ(台詞パターン)を決定すると、該決定した台詞フラグに対応付けられたキャラBコマンドの値のうち、先読みn連フラグから特定可能な許容回数の第2変動ゲーム分のキャラBコマンドの値を抽出する。上述のように、キャラBコマンドの値は、キャラ画像及び台詞画像の表示態様、即ちキャラB系演出の演出内容を特定可能である。
【0254】
この実施形態の台詞フラグには、該台詞フラグごとに、キャラB系演出の演出内容に優先度が設定されている。この実施形態においては、1回目の第2変動ゲームにおける演出内容、2回目の第2変動ゲームにおける演出内容、3回目の第2変動ゲームにおける演出内容、及び4回目の第2変動ゲームにおける演出内容の順に、高い優先度が設定されている。したがって、CPU41aは、最終台詞フラグから特定可能な台詞画像の最終表示態様が、最も高い優先度が設定された演出内容として対応付けられた台詞フラグを決定しているといえる。
【0255】
そして、CPU41aは、決定した台詞フラグに対応付けられたキャラB系演出の演出内容のうち、最も高い優先度が設定された演出内容から最も低い優先度が設定された演出内容までの優先順位にしたがって、先読みn連フラグから特定可能な許容回数の第2変動ゲーム分の演出内容(キャラBコマンド)を抽出する。言い換えれば、CPU41aは、台詞フラグ(台詞パターン)から特定可能な演出内容のうち、優先度の低い演出内容を省略し、優先度の高い演出内容に詰めるようにして、キャラB系演出の演出内容を決定する。なお、CPU41aは、特殊台詞パターンを特定している台詞フラグを決定している場合、4回目の第2変動ゲームに対応する保留4バッファZ240,Z241に、キャラBコマンドを格納しない。
【0256】
例えば、CPU41aは、台詞フラグ=01H、第2保留数=4であり、且つ許容回数=4である場合、台詞フラグ01Hから特定可能な1回目〜4回目の第2変動ゲーム用のキャラBコマンドを保留4バッファZ240,Z241に格納する。即ち、CPU41aは、保留4バッファZ140,Z141に4回目用のコマンド値を、保留3バッファZ130,Z131に3回目用のコマンド値を、保留2バッファZ120,Z121に2回目用のコマンド値を、保留1バッファZ110,Z111に1回目用のコマンド値を格納する。
【0257】
例えば、CPU41aは、台詞フラグ=01H、第2保留数=4であり、且つ許容回数=3である場合、台詞フラグ01Hから特定可能な2回目〜4回目の第2変動ゲーム用のキャラBコマンドを保留4バッファZ240,Z241に格納する。即ち、CPU41aは、保留4バッファZ240,Z241に4回目用のコマンド値を、保留3バッファZ230,Z231に3回目用のコマンド値を、保留2バッファZ220,Z221に2回目用のコマンド値を格納する。
【0258】
この実施形態において、上述のような、キャラB系演出(抽選結果フラグ=01H)を決定している場合に行われる処理は、出力情報としてのキャラBコマンドを生成する処理に相当する。そして、CPU41aは、生成したキャラBコマンドを保留中の第2変動ゲームに対応付けて記憶させている。
【0259】
次に、四文字系演出(抽選結果フラグ=02H)を決定している場合に行われる処理について詳しく説明する。この実施形態のCPU41aは、第2系統抽選処理において四文字系演出を決定したことを第3条件の成立として、以下に説明するように、予め定めた演出としての四文字系演出を実行させる処理を行うことになる。この実施形態において、四文字系演出は特定演出の1つである。
【0260】
CPU41aは、ステップS1308の処理において抽選結果フラグ=02H(四文字系演出)を決定した場合、許容回数の第2変動ゲームで実行する四文字系演出の演出内容を特定可能な内容パターンを決定する。即ち、CPU41aは、統括副基板41内で生成している演出乱数の値を取得するとともに、該取得した演出乱数の値と、変動パターンフラグの値と、許容回数と、をもとに、内容パターンの抽選テーブルを参照することにより、内容パターンを特定可能な内容フラグを決定する。
【0261】
図示はしないが、文字パターンの抽選テーブルには、許容回数(1回〜4回)ごとに対応付けられた抽選テーブルがあるとともに、抽選テーブルには、対応付けられた許容回数の第2変動ゲームごとに実行する四文字系演出の演出内容を特定可能な内容フラグが対応付けられている。即ち、CPU41aは、許容回数に対応付けられた抽選テーブルを選択するとともに、該選択した抽選テーブルに対応付けられた内容フラグを決定する。
【0262】
具体的に、
図34及び
図35(a)に示すように、この実施形態において、内容フラグ01H,02Hは、許容回数=4の場合に決定可能な値であり、1回目〜4回目の第2変動ゲームのそれぞれで実行させる四文字系演出の演出内容を特定可能なコマンド値が対応付けられている。以下の説明では、四文字系演出の演出内容を特定可能なコマンドを「四文字コマンド」と示す。この実施形態における四文字コマンドには、文字画像を表示することを特定可能な四文字コマンドDD05H〜DD0BHと、四文字系演出において表示した文字画像を消去する(非表示とする)ことを特定可能な四文字コマンドDD0CHと、がある。
【0263】
内容フラグ03H,04Hは、許容回数=3の場合に決定可能な値であり、1回目〜3回目の第2変動ゲームのそれぞれで実行させる四文字系演出の演出内容を特定可能なコマンド値が対応付けられている。内容フラグ05H,06Hは、許容回数=2の場合に決定可能な値であり、1回目,2回目の第2変動ゲームのそれぞれで実行させる四文字系演出の演出内容を特定可能なコマンド値が対応付けられている。内容フラグ07Hは、許容回数=1の場合に決定可能な値であり、1回目の第2変動ゲームで実行させる四文字系演出の演出内容を特定可能なコマンド値が対応付けられている。
【0264】
例えば、内容フラグ02Hには、4回の第2変動ゲームのうち1回目の第2変動ゲームで第1文字「毘」を表示(DD05H)→2回目の第2変動ゲームで第2文字「沙」を表示(DD06H)→3回目の第2変動ゲームで第3文字「門」を表示(DD07H)→4回目の第2変動ゲームで第4文字「天」を表示(DD08H)することが特定されている。内容フラグ01Hには、4回の第2変動ゲームのうち、1回目の第2変動ゲームで第1文字「毘」を表示(DD05H)→2回目の第2変動ゲームで第2文字「沙」を表示(DD06H)→3回目の第2変動ゲームで第3文字「門」を表示(DD07H)→4回目の第2変動ゲームで表示済みの「毘沙門」を消去することが特定されている(DD0CH)。
【0265】
CPU41aは、決定した内容フラグの値と、D7H系の先読みコマンドから特定可能な第2保留数と、先読みn連フラグから特定可能な許容回数と、に基づいて、第2特別図柄用の保留バッファに四文字系演出の実行に関する情報を格納する。ここで、四文字系演出の実行に関する情報を記憶する保留バッファと、格納する情報(値)とについて、詳しく説明する。
【0266】
図35(a)〜(d)に示すように、先頭アドレスからシフトなし(+0000H)の第2特別図柄用の保留バッファZ2x0には、対応する第2変動ゲームにおいて実行する四文字系演出の演出内容を特定可能な四文字コマンドのうち、下位コマンド値が格納される。また、先頭アドレスから[+0001H]だけシフトした保留バッファZ2x1には、対応する第2変動ゲームにおいて実行する四文字系演出の演出内容を特定可能な四文字コマンドのうち、上位コマンド値が格納される。
【0267】
そして、CPU41aは、内容フラグ(内容パターン)を決定すると、該決定した内容フラグに対応付けられた四文字コマンドの値を、許容回数分の第2変動ゲームにそれぞれ対応付けられた保留バッファZ2x0,Z2x1に格納する。即ち、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドに対応する第2変動ゲームを含み、該第2変動ゲームから保留順序にしたがって、許容回数分の第2変動ゲームのそれぞれに対応している保留バッファZ2x0,Z2x1に、背景フラグを格納する。例えば、CPU41aは、内容フラグ04Hを決定した場合、保留1バッファZ210,Z211には四文字コマンドを格納せず、保留2バッファZ220,Z221にはDD09Hを格納し、保留3バッファZ230,Z231にはDD07Hを格納し、保留4バッファZ240,Z241にはDD08Hを格納する。
【0268】
次に、背景系演出(抽選結果フラグ=03H)を決定した場合に行われる処理について詳しく説明する。
CPU41aは、第2特別図柄用の保留バッファに、背景系演出の実行に関する情報を格納する。この実施形態において、第2特別図柄用の保留バッファのうち、特定した先頭アドレスから[+0001H]だけシフトした保留バッファZ2x1には、対応する第2変動ゲームが実行される時点において、背景系演出を実行させることを特定可能な背景コマンドのうち上位コマンド値が格納される。この実施形態において、第2特別図柄用の保留バッファのうち、特定した先頭アドレスからシフトなし保留バッファZ2x0には、対応する第2変動ゲームが実行される時点において、背景コマンドのうち下位コマンド値が格納される。
【0269】
即ち、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドに対応する第2変動ゲームを含み、該第2変動ゲームから保留順序にしたがって、許容回数分の第2変動ゲームのそれぞれに対応している保留バッファZ2x0,Z2x1に、背景コマンドを格納する。例えば、CPU41aは、「第2保留数=4、許容回数=4」である場合、保留1〜保留4バッファに背景コマンドを格納する。なお、CPU41aは、保留バッファZ2x2〜Z2x5,Z2x9〜Z2xCについても、上述した特定演出とは別の特定演出を実行するためのコマンド値を格納するようになっている。
【0270】
以上、
図28に示すように、CPU41aは、ステップS1309の処理において、第2特定演出設定処理を実行し、特定演出の演出内容を決定するとともに、決定結果にしたがって予め定めた情報をRAM41cに格納する。その後、CPU41aは、第2入力処理を終了する。
【0271】
次に、第2禁則処理について説明する。第2禁則処理は、第2入力処理のステップS1303において実行される。
図36に示すように、CPU41aは、当りの第2変動ゲームが保留されていないかを判定する(ステップS1405)。ステップS1405の処理において、CPU41aは、D7H系の先読みコマンドから特定可能な第2保留数より小さい第2保留数に対応付けられた保留バッファZ2x7に、現在の遊技状態において当りとなることを示す値が格納されていないかを判定する。
【0272】
当りの第2変動ゲームが保留されていない場合(ステップS1405:YES)、CPU41aは、第1変動ゲームを実行中であり、且つ該第1変動ゲームが当り演出であるか否かを判定する(ステップS1406)。ステップS1406の処理において、CPU41aは、第1メイン変動コマンドを入力している場合であって、該コマンドから特定可能な変動パターンが当り演出用の変動パターンであるときに肯定判定する一方、それ以外の場合に否定判定する。
【0273】
第1変動ゲームを実行中ではない場合、又は第1変動ゲームを実行中であるが当り演出ではない場合(ステップS1406:NO)、CPU41aは、復電してから9回の変動ゲームが終了したかを判定する(ステップS1407)。復電してから9回の変動ゲームが終了している場合(ステップS1407:YES)、CPU41aは、RAM41cに記憶されている禁則フラグに許容値を設定し、第2禁則処理を終了する。
【0274】
その一方で、当りの第2変動ゲームが保留されている場合(ステップS1405:NO)、CPU41aは、RAM41cに記憶されている禁則フラグに禁止値を設定(ステップS1408)し、その後に第2禁則処理を終了する。当り演出である第1変動ゲームを実行中である場合(ステップS1406:YES)、CPU41aは、RAM41cに記憶されている禁則フラグに禁止値を設定(ステップS1408)し、その後に第2禁則処理を終了する。
【0275】
復電してから9回の変動ゲームが終了していない場合(ステップS1407:NO)、CPU41aは、RAM41cに記憶されている禁則フラグに禁止値を設定(ステップS1408)し、その後に第2禁則処理を終了する。このように、この実施形態のパチンコ遊技機10では、禁則フラグに禁止値が設定されていないことが、特定演出の実行を許容するための予め定めた第1条件の一部となる。即ち、第1条件には、当りの第2変動ゲームが保留されていないこと、当り演出である第1変動ゲームを実行中ではないこと、及び復電してから9回の変動ゲームが終了していないことが含まれる。禁則フラグは、第1条件が成立しているかを特定可能な情報である特定情報に相当する。
【0276】
次に、第2期間情報生成処理について説明する。第2期間情報生成処理は、第2入力処理のステップS1307において実行される。
図37に示すように、CPU41aは、入力したD7H系の先読みコマンドから特定可能な第2保留数が4であるか否かを判定する(ステップS1501)。第2保留数=4である場合(ステップS1501:YES)、CPU41aは、保留3バッファZ231に格納されている値が初期値に相当する00Hであるか否かを判定する(ステップS1502)。この実施形態において、保留バッファZ2x1に格納される00Hは、特定演出の演出内容を特定していない値である。即ち、保留バッファZ2x1に格納される00H以外の値は、特定演出が実行されることを特定可能な値として把握できる。
【0277】
保留3バッファZ231に初期値である00Hが格納されていない場合(ステップS1502:NO)、CPU41aは、保留3バッファZ230,Z231に四文字コマンドDD0CHが格納されているか否かを判定する(ステップS1503)。既に説明したように、この実施形態の四文字コマンドDD0CHは、四文字系演出において、表示中の文字画像を消去することを特定する値である。保留3バッファZ230,Z231に四文字コマンドDD0CHが格納されている場合(ステップS1503:YES)、CPU41aは、許容回数として1回(1連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1504)。即ち、CPU41aは、保留3に対応する第2変動ゲームを許容回数に含めないようになっている。その後、CPU41aは、第2期間情報生成処理を終了する。
【0278】
保留3バッファZ230,Z231に四文字コマンドDD0CHが格納されていない場合(ステップS1503:NO)、CPU41aは、第2期間情報生成処理を終了する。即ち、CPU41aは、保留3の第2変動ゲームに加えて、保留4に対応する第2変動ゲームも許容回数に含めないようになっている。即ち、CPU41aは、特定演出の非実行を決定する。なお、保留バッファZ2x0,Z2x1に四文字コマンドDD0CHが格納されていない場合(ステップS1503:NO)は、例えば四文字系演出の他の演出内容を特定可能なコマンド値や、他の特定演出の演出内容を特定可能なコマンド値が格納されている場合である。
【0279】
保留3バッファZ231に初期値である00Hが格納されている場合(ステップS1502:YES)、CPU41aは、保留をひとつ遡って、保留2バッファZ221に初期値である00Hが格納されているか否かを判定する(ステップS1505)。保留2バッファZ221に初期値である00Hが格納されていない場合(ステップS1505:NO)、CPU41aは、保留2バッファZ220,Z221に四文字コマンドDD0CHが格納されているか否かを判定する(ステップS1506)。保留2バッファZ220,Z221に四文字コマンドDD0CHが格納されている場合(ステップS1506:YES)、CPU41aは、許容回数として2回(2連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1507)。即ち、CPU41aは、保留2に対応する第2変動ゲームを許容回数に含めないようになっている。その後、CPU41aは、第2期間情報生成処理を終了する。
【0280】
保留2バッファZ220,Z221に四文字コマンドDD0CHが格納されていない場合(ステップS1506:NO)、CPU41aは、ステップS1504の処理へ移行する。即ち、CPU41aは、保留2の第2変動ゲームに加えて、保留3に対応する第2変動ゲームも許容回数に含めないようになっている。保留2バッファZ221に初期値である00Hが格納されている場合(ステップS1505:YES)、CPU41aは、保留をひとつ遡って、保留1バッファZ211に初期値である00Hが格納されているか否かを判定する(ステップS1508)。保留1バッファZ211に初期値である00Hが格納されていない場合(ステップS1505:NO)、CPU41aは、保留1バッファZ210,Z211に四文字コマンドDD0CHが格納されているか否かを判定する(ステップS1509)。保留1バッファZ210,Z211に四文字コマンドDD0CHが格納されている場合(ステップS1509:YES)、CPU41aは、許容回数として3回(3連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1510)。即ち、CPU41aは、保留1に対応する第2変動ゲームを許容回数に含めないようになっている。その後、CPU41aは、第2期間情報生成処理を終了する。
【0281】
保留1バッファZ210,Z211に四文字コマンドDD0CHが格納されていない場合(ステップS1509:NO)、CPU41aは、ステップS1507の処理へ移行する。即ち、CPU41aは、保留1の第2変動ゲームに加えて、保留2に対応する第1変動ゲームも許容回数に含めないようになっている。保留1バッファZ211に初期値である00Hが格納されている場合(ステップS1508:YES)、CPU41aは、保留をひとつ遡って、保留0バッファZ201に初期値である00Hが格納されているか否かを判定する(ステップS1511)。保留0バッファZ201に初期値である00Hが格納されていない場合(ステップS1511:NO)、CPU41aは、保留0バッファZ200,Z201に四文字コマンドDD0CHが格納されているか否かを判定する(ステップS1512)。保留0バッファZ200,Z201に四文字コマンドDD0CHが格納されている場合(ステップS1512:YES)、CPU41aは、許容回数として4回(4連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1513)。その後、CPU41aは、第2期間情報生成処理を終了する。
【0282】
保留0バッファZ200,Z201に四文字コマンドDD0CHが格納されていない場合(ステップS1512:NO)、CPU41aは、ステップS1510の処理へ移行する。即ち、CPU41aは、保留1に対応する第1変動ゲームを許容回数に含めないようになっている。その一方で、保留0バッファZ201に初期値である00Hが格納されている場合(ステップS1511:YES)、CPU41aは、許容回数として4回(4連)を特定可能となるように、先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する(ステップS1514)。
【0283】
図38に示すように、第2保留数=4ではない場合(ステップS1501:NO)、CPU41aは、第2保留数=3であるか否かを判定する(ステップS1521)。第2保留数=3である場合(ステップS1521:YES)、CPU41aは、第2保留数=4のときにおける保留0〜保留2バッファを対象としたステップS1505〜S1514の処理と同様にして、保留0〜保留2バッファを対象としてステップS1525〜S1534の処理を実行する。なお、第2保留数=3の場合におけるステップS1525〜S1534の処理は、1回少ない許容回数が特定される点を除いて、第2保留数=4である場合におけるステップS1505〜S1514の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0284】
図39に示すように、第2保留数=3ではない場合(ステップS1521:NO)、CPU41aは、第2保留数=2であるか否かを判定する(ステップS1541)。第2保留数=2である場合(ステップS1541:YES)、CPU41aは、第2保留数=4のときにおける保留0,保留1バッファを対象としたステップS1508〜S1514の処理と同様にして、保留0,保留1バッファを対象としてステップS1548〜S1554の処理を実行する。なお、第2保留数=2の場合におけるステップS1548〜S1554の処理は、2回少ない許容回数が特定される点を除いて、第2保留数=4である場合におけるステップS1508〜S1514の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0285】
また、第2保留数=2ではない場合(ステップS1541:NO)、CPU41aは、第2保留数=4のときにおける保留0バッファを対象としたステップS1511〜S1514の処理と同様にして、保留0バッファを対象としてステップS1571〜S1574の処理を実行する。なお、第2保留数=1の場合におけるステップS1571〜S1574の処理は、3回少ない許容回数が特定される点を除いて、第2保留数=4である場合におけるステップS1511〜S1514の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0286】
以上のように、第2期間情報生成処理において、CPU41aは、特定演出を連続して実行できる許容回数(n連)を特定し、該特定した許容回数を特定可能となるように先読みn連フラグを生成し、RAM41cに記憶する。この実施形態において、保留バッファZ2x1に記憶されるコマンドの値は、特定演出を実行可能であるかに関する情報である特定情報に相当する。CPU41aは、許容回数を特定するに際して、保留バッファZ2x1に記憶されるコマンドの値を参照することにより、許容回数を特定する。この実施形態では、保留バッファZ2x1に記憶されるコマンドの値が00Hであること、即ち特定演出が実行されていないことが、予め定めた第1条件に含まれている。なお、この実施形態のCPU41aは、第2期間情報生成処理(入賞容易状態)において、入賞時演出可否フラグを生成しない。
【0287】
この実施形態のパチンコ遊技機10では、入賞容易状態における特定演出(キャラB系演出、四文字系演出、及び背景演出)が、予め定めた演出に相当する。上述のように、CPU41aは、保留バッファZ2x0,Z2x1に四文字コマンドDD0CHが格納されている場合、該保留バッファに対応する第2変動ゲームを許容回数に含めていない。即ち、CPU41aは、許容回数を特定するに際し、第1条件が成立しており且つ連続している変動ゲームのうち、最先に保留された変動ゲームについては、当該変動ゲームの実行に関連して四文字系演出が終了する第2条件が成立しているかを特定し、第2条件の成立が特定されたときには許容回数に含めないようになっている。保留バッファZ2x0,Z2x1に格納される四文字コマンドDD0CHは、第2条件が成立しているかを特定可能な情報である終了情報に相当する。CPU41aは、四文字コマンドDD0CHを参照することにより、第2条件が成立しているかを特定する。
【0288】
図40(a)〜(c)に示すように、上記のような第2期間情報生成処理によれば、例えば以下のように許容回数が特定される。例えば、保留4の第2変動ゲームが保留された場合であって、保留0〜保留3バッファZ2x1に00Hが格納されているときには、許容回数=4が特定される(
図40(a)に示す)。例えば、保留4の第2変動ゲームが保留された場合であって、保留2,保留3バッファZ2x0に00Hが格納されており、且つ保留1バッファZ2x0,Z2x1にDD0CH(四文字系演出を終了する四文字コマンド)が格納されているときには、許容回数=3が特定される(
図40(b)に示す)。例えば、保留4の第2変動ゲームが保留された場合であって、保留2,保留3バッファZ2x0に00Hが格納されており、且つ保留1バッファZ2x0,Z2x1にDD08H(四文字系演出を実行する四文字コマンド)が格納されているときには、許容回数=2が特定される(
図40(c)に示す)。
【0289】
次に、保留バッファに関するシフト処理について説明する。
CPU41aは、第1メイン変動コマンドを入力すると、第1特別図柄用の保留バッファのシフト処理を実行する。即ち、CPU41aは、保留nバッファZ1x0〜Z1xC(但しx=n)に格納されている各情報(値)を、保留n−1バッファZ1x0〜Z1xC(但しx=n−1)のうち同じシフト値が設定された保留バッファへと、それぞれにシフトさせる。例えば、CPU41aは、保留4バッファZ140(+0000H)に格納された情報を保留3バッファZ130(+0000H)へシフトさせ、保留4バッファZ141(+0001H)に格納された情報を保留3バッファZ131(+0001H)へシフトさせる。このとき、CPU41aは、保留4バッファZ140〜Z14Cに初期値(この実施形態では00H)をそれぞれ格納し、リセット(消去)する。
【0290】
なお、このシフト処理としては、複数通りの処理(手法)のうち何れかを採用できる。例えば、保留バッファの先頭アドレスと、第1保留数とを1対1で固定的に対応付ける場合には、保留nバッファに格納されている情報(値)を、保留n−1バッファへ複写したのち、保留nバッファに格納されている情報(値)を消去又は上書きする処理(手法)が採用できる。また、例えば保留バッファの先頭アドレスと、第1保留数とを対応付けるための情報を別に記憶する場合には、保留nに対応付けている情報を、保留n−1に対応付ける情報に上書きする処理(手法)が採用できる。このように、この明細書における「シフト処理」は、第1特別図柄用の保留バッファに格納された情報(値)が、処理前より1少ない第1保留数に対応付けられるものであればよく、必ずしも物理的なメモリアドレスの変更を伴わなくてもよい。即ち、保留0〜保留4バッファは、メモリアドレスが固定されていてもよく、可変であってもよい。
【0291】
同様に、CPU41aは、第2メイン変動コマンドを入力すると、第2特別図柄用の保留バッファのシフト処理を実行する。即ち、CPU41aは、保留nバッファZ2x0〜Z2xC(但しx=n)に格納されている各情報(値)を、保留n−1バッファZ2x0〜Z2xC(但しx=n−1)のうち同じシフト値が設定された保留バッファへと、それぞれにシフトさせる。
【0292】
次に、遊技演出処理について説明する。遊技演出処理は、CPU41aが飾り図柄変動ゲームを含む遊技演出を実行するために行う処理である。遊技演出処理は、上述したシフト処理の後に実行される。
【0293】
CPU41aは、第1メイン保留数コマンドを入力すると、入力した第1メイン保留数コマンドから特定可能な第1保留数と同じ第1保留数を特定可能な第1サブ保留数コマンドを生成し、副基板42〜44へ出力する。CPU41aは、第2メイン保留数コマンドを入力すると、入力した第2メイン保留数コマンドから特定可能な第2保留数と同じ第2保留数を特定可能な第2サブ保留数コマンドを生成し、副基板42〜44へ出力する。なお、CPU41aは、上述した第1入力処理や第2入力処理の実行に伴って、各サブ保留数コマンドとともに、入賞時コマンドを出力する場合がある。
【0294】
また、CPU41aは、メイン変動コマンドを入力すると、メイン変動コマンドに対応付けられたサブ変動コマンドを生成し、副基板42〜44へ出力する。CPU41aは、メイン変動コマンドと1対1で対応付けられたサブ変動コマンドを生成してもよい。また、CPU41aは、メイン変動コマンドに対応付けられた複数のサブ変動コマンドの中からサブ変動コマンドを生成してもよい。即ち、CPU41aは、飾り図柄変動ゲームの複数ある演出内容の中から、メイン変動コマンドから特定可能な変動時間内において実行可能な演出内容を決定し、該決定した演出内容を特定可能なサブ変動コマンドを生成してもよい。この実施形態のサブ変動コマンドは、CPU40aが決定した変動ゲームの変動時間内で実行する飾り図柄変動ゲームの演出内容を特定可能なコマンドである。
【0295】
CPU41aは、特別図柄コマンドを入力すると、該コマンドから特定可能な最終停止図柄に基づいて、演出表示器13に確定停止表示させる飾り図柄の図柄組合せを決定する。CPU41aは、特別図柄コマンドから特定可能な最終停止図柄が当り図柄である場合、当りの図柄組合せを決定する。CPU41aは、特別図柄コマンドから特定可能な最終停止図柄がはずれ図柄である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU41aは、メイン変動コマンドから特定可能な変動パターンが、はずれリーチ演出用の変動パターンである場合、はずれの図柄組合せの中でも、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。CPU41aは、メイン変動コマンドから特定可能な変動パターンが、完全はずれ演出用の変動パターンである場合、はずれの図柄組合せの中でも、リーチを含まない完全はずれの図柄組合せを決定する。
【0296】
そして、CPU41aは、飾り図柄の図柄組合せを決定すると、該決定した飾り図柄の図柄組合せを特定可能な飾り図柄コマンドを生成し、表示副基板42へ出力する。CPU41aは、メイン終了コマンドを入力すると、飾り図柄変動ゲームの終了を特定可能なサブ終了コマンドを生成し、副基板42〜44へ出力する。
【0297】
次に、変動ゲームの開始に伴って、特定演出を実行するために行う開始時処理について説明する。
まず、非入賞容易状態である場合について説明する。CPU41aは、第1メイン変動コマンドを入力すると、上述したシフト処理を実行した後、第1特別図柄用の保留0バッファに格納されている情報に基づいて、各種の特定演出を実行する処理を行う。以下、詳しく説明する。
【0298】
最初に、単独の保留系演出の実行に関する処理について説明する。
CPU41aは、保留0バッファZ104,Z105,Z108を参照するとともに、これらの保留バッファに格納されている情報(値)に基づいて、第1保留変化コマンドを生成し、副基板42〜44へ出力する。即ち、CPU41aは、保留0バッファZ104に変化場所フラグが格納されており、且つ保留0バッファZ105に変化色フラグが格納されている場合、両フラグの値から特定可能な情報画像Gaの表示態様や変化場所を特定可能となるように、第1保留変化コマンドを生成する。例えば、CPU41aは、保留0バッファZ104に変化場所フラグ=03Hが格納されており、且つ保留0バッファZ105に変化色フラグ=05Hが格納されている場合、保留3に対応する第1表示領域Ra3において、表示態様H5により情報画像Gaを表示することを特定可能となるように、第1保留変化コマンドを生成する。
【0299】
このとき、CPU41aは、第1メイン変動コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、付随演出の実行可否を決定する。CPU41aは、変動時間が6秒以上である変動パターンが特定可能である場合(例えば、変動パターン番号2,3)、付随演出の実行を決定する一方で、変動時間が6秒未満である変動パターン(例えば、変動パターン番号1)が特定可能である場合、付随演出の非実行を決定する。
【0300】
CPU41aは、変動時間が6秒以上12秒未満である変動パターン(例えば、変動パターン番号2)が特定可能である場合、第1付随演出の実行を決定する。CPU41aは、変動時間が12秒以上である変動パターン(例えば、変動パターン番号3)が特定可能である場合、第2付随演出の実行を決定する。そして、CPU41aは、付随演出の実行を決定した場合、決定した種類の付随演出の実行を特定可能な出力情報としての付随演出コマンドを生成し、副基板42〜44へ出力する。
【0301】
このように、CPU41aは、第1変動パターン(変動パターン番号2)が決定されている場合、第1変動パターンの変動時間で実行可能な演出内容として、第1付随演出を決定する。CPU41aは、第2変動パターン(変動パターン番号3)が決定されている場合、第2変動パターンの変動時間で実行可能な演出内容として、第2付随演出を決定する。
【0302】
この実施形態では、第1始動入賞部15への入賞時に、情報画像Gaの変化場所と、変化先の表示態様とが決定される一方で、第1変動ゲームの開始時に、該第1変動ゲームの変動時間内で実行可能な付随演出の演出内容が決定される。即ち、保留系演出の演出内容は、第1変動ゲームの開始時に至らなければ、完全には決定されないようになっている。このため、この実施形態のパチンコ遊技機10では、第1保留数に応じて変化し得る第1変動ゲームの変動時間に適合した演出内容により、保留系演出を実行することが可能となる。
【0303】
以上のように、CPU41aは、保留中の変動ゲームが開始されることを契機として、開始される変動ゲームに対応付けて記憶している種類情報としての情報組合せ[X,Y,Z]から特定可能な特定演出の種類に基づいて、開始される変動ゲームの変動時間で実行可能な演出内容として、付随演出を決定する。そして、CPU41aは、決定した付随演出を特定可能な付随演出コマンドを生成し、出力する。
【0304】
次に、保留系演出とキャラA系演出の複合に関する処理について説明する。
なお、情報画像Gaの表示態様を変化させるための処理内容は、単独の保留系演出を実行するときと同様である。CPU41aは、保留0バッファZ102を参照し、キャラAフラグが格納されているか否かを判定する。キャラA系フラグが格納されている場合、CPU41aは、飾り図柄変動ゲームの開始に伴って、キャラA系演出の実行を特定可能なキャラAコマンドを生成し、副基板42〜44に出力する。
【0305】
次に、背景系演出の実行に関する処理について説明する。
CPU41aは、保留0バッファZ102を参照し、背景フラグが格納されているか否かを判定する。背景フラグが格納されている場合、CPU41aは、飾り図柄変動ゲームの開始に伴って、背景系演出の実行を特定可能な特別背景コマンドを生成し、副基板42〜44に出力する。即ち、特別背景コマンドは、背景画像として特別背景画像の表示を特定可能なコマンドである。背景フラグが格納されていない場合、CPU41aは、飾り図柄変動ゲームの開始に伴って、背景系演出の非実行を特定可能な通常背景コマンドを生成し、副基板42〜44に出力する。即ち、通常背景コマンドは、背景画像として通常背景画像の表示を特定可能なコマンドである。
【0306】
なお、CPU41aは、非入賞容易状態において、第2メイン変動コマンドを入力した場合であって、実行中の特定演出があるときには、該特定演出の演出内容を維持したまま継続させる。CPU41aは、非入賞容易状態において、第2メイン変動コマンドを入力した場合であって、実行中の特定演出がないときには、新たに特定演出を開始させない。
【0307】
次に、入賞容易状態である場合について説明する。CPU41aは、第2メイン変動コマンドを入力すると、上述したシフト処理を実行した後、第2特別図柄用の保留0バッファに格納されている情報に基づいて、特定演出(キャラB系演出、四文字系演出、及び背景系演出)を実行する処理を行う。以下、詳しく説明する。
【0308】
CPU41aは、保留0バッファZ200,Z201に格納されているコマンド値を読み出すとともに、読み出したコマンドを副基板42〜44に出力する。即ち、CPU41aは、第2変動ゲームの開始時においては、新たに特定演出を実行するためのコマンドを生成する処理を行わない。
【0309】
例えば、CPU41aは、保留0バッファZ200,Z201に終了情報としての四文字コマンドDD0CHが格納されている場合、四文字コマンドDD0CHを第2変動ゲームの開始に伴って出力する。即ち、CPU41aは、終了情報が対応付けて記憶された変動ゲームの開始に伴って、予め定めた演出としての四文字系演出を終了させる処理を実行する。
【0310】
以上のように、この実施形態のパチンコ遊技機10において、統括副基板41のCPU41aは、第1入力処理や第2入力処理、及び上述した開始時処理を実行することにより、期間情報(先読みn連フラグ及び入賞時演出可否フラグ)に基づいて特定演出を実行させるためのコマンドを生成し、副基板42〜44に対して出力している。即ち、CPU41aは、特定演出を実行させる処理を行うようになっている。そして、CPU41aは、保留中の変動ゲームが開始されることを契機として、該開始される変動ゲームに対応付けて記憶しているコマンド(出力情報)を、特定演出を実行させる処理を実行することにより出力する。即ち統括副基板41のCPU41aは演出実行手段に相当する。
【0311】
次に、表示副基板42のCPU42aが実行する処理について説明する。
CPU42aは、サブ変動コマンドを入力すると、全ての図柄列において、飾り図柄の変動表示を開始するように、演出表示器13を制御する。即ち、CPU42aは、飾り図柄変動ゲームを開始させる。CPU42aは、サブ変動コマンドから特定可能な演出内容で、飾り図柄変動ゲームを表示するように、演出表示器13を制御する。
【0312】
CPU42aは、サブ終了コマンドを入力すると、全ての図柄列において、飾り図柄を確定停止表示するように、演出表示器13を制御する。即ち、CPU41aは、飾り図柄変動ゲームを終了させる。CPU41aは、飾り図柄の確定停止表示に際しては、飾り図柄コマンドから特定可能な飾り図柄の図柄組合せを確定停止表示させる。このように、この実施形態において、統括副基板41のCPU41aと、表示副基板42のCPU42aとは、主基板40のCPU40aが行う当り抽選の結果に応じた内容の飾り図柄変動ゲームを表示するように、協働して演出表示器13を制御する。
【0313】
また、CPU42aは、第1保留数が増加する第1サブ保留数コマンドと、第1入賞時コマンドと、を入力すると、第1サブ保留数コマンドから特定可能な第1保留数に対応する第1表示領域に、第1入賞時コマンドから特定可能な表示態様で情報画像Gaを表示するように、演出表示器13を制御する。即ち、CPU42aは、第1始動入賞部15への入賞時に、所定の表示態様で情報画像Gaを表示させる。
【0314】
CPU42aは、第2保留数が増加する第2サブ保留数コマンドと、第2入賞時コマンドと、を入力すると、第2サブ保留数コマンドから特定可能な第2保留数に対応する第2表示領域に、第2入賞時コマンドから特定可能な表示態様で情報画像Gbを表示するように、演出表示器13を制御する。即ち、CPU42aは、第2始動入賞部17への入賞時に、所定の表示態様で情報画像Gbを表示させる。
【0315】
CPU42aは、第1保留数が減少する第1サブ保留数コマンドを入力すると、減少後の第1保留数に対応する第1表示領域に、情報画像Gaを表示するように、演出表示器13を制御する。このとき、CPU42aは、第1保留変化コマンドを入力すると、該第1保留変化コマンドから特定可能な第1表示領域において、第1保留変化コマンドから特定可能な表示態様で情報画像Gaを表示するように、演出表示器13を制御する。即ち、CPU42aは、第1変動ゲームの開始時に、情報画像Gaの表示態様を変化させ得る。
【0316】
なお、CPU42aは、第1保留変化コマンドから特定可能な第1表示領域以外の第1表示領域については、表示態様H0で情報画像Gaを表示するように、演出表示器13を制御する。また、CPU42aは、第2保留数が減少する第2サブ保留数コマンドを入力すると、減少後の第2保留数に対応する第2表示領域に、情報画像Gbを表示するように、演出表示器13を制御する。
【0317】
CPU42aは、特別背景コマンドを入力すると、背景画像として特別背景画像を表示するように、演出表示器13を制御する。CPU42aは、通常背景コマンドを入力すると、背景画像として通常背景画像を表示するように、演出表示器13を制御する。
【0318】
CPU42aは、キャラBコマンドを入力すると、該コマンドから特定可能な表示態様により、キャラ画像とセリフ画像とを表示するように、演出表示器13を制御する。
CPU42aは、DD0CH以外の四文字コマンドを入力すると、該コマンドから特定可能な文字画像を表示するように、演出表示器13を制御する。CPU42aは、四文字コマンドDD0CHを入力すると、表示させている文字画像を全て消去するように、演出表示器13を制御する。
【0319】
非入賞容易状態に関して、「特定演出に関する決定を行う処理」は、第1期間情報生成処理や第1特定演出設定処理を含む第1入力処理と、第1メイン変動コマンドの入力を契機として、保留バッファに格納された情報に基づいて、特定演出を実行させるためのコマンドを出力する処理と、が相当する。
【0320】
「特定演出を実行させる処理」は、第1メイン変動コマンドの入力を契機とした開始時処理において、特定演出を実行させるためのコマンドを出力する処理が相当する。「出力情報を生成する処理」は、第1メイン変動コマンドの入力を契機として、保留バッファに格納された種類情報に基づいて、特定演出を実行させるためのコマンドを生成する処理が相当する。特に、単独の保留系演出に関する第1特定演出設定処理は、特定演出に関する決定を行う処理のうち、第1処理に相当する。また、単独の保留系演出の実行に関する開始時処理は、特定演出に関する決定を行う処理のうち、第2処理に相当する。
【0321】
一方、入賞容易状態に関して、「特定演出に関する決定を行う処理」は、第2期間情報生成処理や第2特定演出設定処理を含む第2入力処理と、第2メイン変動コマンドの入力を契機として、保留バッファに格納された情報に基づいて、特定演出を実行させるためのコマンドを出力する処理と、が相当する。「特定演出を実行させる処理」は、第2メイン変動コマンドの入力を契機とした開始時処理において、特定演出を実行させるためのコマンドを出力する処理が相当する。CPU41aが実行する「出力情報を生成する処理」は、第2入力処理における第2特定演出設定処理が相当する。
【0322】
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10における特定演出の具体的な実行態様の一例について説明する。
最初に、非入賞容易状態における保留系演出の例について説明する。
【0323】
図41(a)〜(e)には、新たに保留4の第1変動ゲームが保留された状態において、許容回数=4、且つ入賞時演出可能が特定されており、且つ保留変化パターンフラグ=122が決定された状況における、演出表示器13の表示内容が略示されている。
【0324】
この場合、入賞時には、保留4に対応している第1表示領域Ra4に、表示態様H1による情報画像Gaが表示される(
図41(a)に示す)。その後に、1回目(1連目)の第1変動ゲームが開始されると、第1表示領域Ra0に表示されていた情報画像Gaが消去されるとともに、第1表示領域Ran(n=1〜4)に表示されていた情報画像Gaが、1少ない第1保留数に対応している第1表示領域にそれぞれシフト表示される(
図41(b)に示す)。
【0325】
次に、2回目(2連目)の第1変動ゲームが開始されると、第1表示領域Ra0に表示されていた情報画像Gaが消去されるとともに、第1表示領域Ran(n=1〜3)に表示されていた情報画像Gaが、1少ない第1保留数に対応している第1表示領域にそれぞれシフト表示される(
図41(c)に示す)。このとき、第1表示領域Ra2に表示されている情報画像Gaは、変動時間が2秒であることから、付随演出を伴わないで、表示態様H1(白)から表示態様H2(紫)へと変化される。
【0326】
次に、3回目(3連目)の第1変動ゲームが開始されると、第1表示領域Ra0に表示されていた情報画像Gaが消去されるとともに、第1表示領域Ran(n=1,2)に表示されていた情報画像Gaが、1少ない第1保留数に対応している第1表示領域にそれぞれシフト表示される(
図41(d)に示す)。このとき、第1表示領域Ra1に表示されている情報画像Gaは、変動時間が12秒であることから、第2付随演出を伴って、表示態様H2(紫)から表示態様H5(虹)へ変化される。
【0327】
その後、4回目(4連目)の第1変動ゲームが開始されると、第1表示領域Ra0に表示されていた情報画像Gaが消去されるとともに、第1表示領域Ra1に表示されていた情報画像Gaが、1少ない第1保留数に対応している第1表示領域Ra0にシフト表示される(
図41(e)に示す)。
【0328】
次に、入賞容易状態におけるキャラB系演出の例について説明する。
図42には、第2保留数=4、且つ台詞フラグ=04Hが決定された状況における、演出表示器13の表示内容が略示されている。
図42(a)に示すように、許容回数=4が特定されている場合、1回目(1連目)の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラxを模したキャラ画像と、「き、きた…」の台詞を含む白色の台詞画像と、が表示される。2回目(2連目)の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラxを模したキャラ画像と、「き、きたきた…」の台詞を含む白色の台詞画像と、が表示される。3回目(3連目)の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラzを模したキャラ画像と、「いくぞ!!キャラx!」の台詞を含む赤色の台詞画像と、が表示される。4回目(4連目)の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラzを模したキャラ画像と、「我ら 修羅とならん!!!」の台詞を含む金色の台詞画像と、が表示される。
【0329】
図42(b)に示すように、許容回数=2が特定されている場合、1回目及び2回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラB系演出が表示されない。そして、3回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラzを模したキャラ画像と、「いくぞ!!キャラx!」の台詞を含む赤色の台詞画像と、が表示される。4回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラzを模したキャラ画像と、「我ら 修羅とならん!!!」の台詞を含む金色の台詞画像と、が表示される。
【0330】
図42(c)に示すように、許容回数=3が特定されている場合、1回目〜3回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラB系演出が表示されない。そして、4回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、キャラzを模したキャラ画像と、「我ら 修羅とならん!!!」の台詞を含む金色の台詞画像と、が表示される。
【0331】
次に、入賞容易状態における四文字系演出と背景系演出の例について説明する。
図43(a)には、保留1〜保留4の保留バッファZ2x1に初期値00Hが記憶されている状況が示されている。この場合、保留中の第2変動ゲームのうちの全てについて、特定演出の実行が許容されることから、許容回数として4回が特定される。この場合において、背景系演出の実行が決定されると、1回目〜4回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、特別背景画像が表示される。
【0332】
図43(b)に示すように、保留1バッファZ210,Z211に四文字コマンドDD0AHが格納されており、保留2バッファZ220,Z221に四文字コマンドDD0BHが格納されている状況が示されている。この場合、保留中の第2変動ゲームのうち、1回目及び2回目の第2変動ゲームに加えて、3回目の第2変動ゲームの期間中における特定演出の実行が規制される。その結果、4回目の第2変動ゲームでのみ、特定演出の実行が許容されることから、許容回数として1回が特定される。
【0333】
この場合において、背景系演出の実行が決定されると、1回目及び2回目の第2変動ゲーム期間中、演出表示器13では、それぞれ四文字系演出が表示される。なお、2回目の第2変動ゲームの期間中における四文字系演出は、例えば、飾り図柄変動ゲームにおいて一部の図柄列で飾り図柄が一旦停止表示されるタイミングなど、飾り図柄変動ゲームの開始時とは異なるタイミングで文字画像が非表示とされることで終了する。3回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、特定演出が表示されない。そして、4回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、背景系演出が表示される。
【0334】
図43(c)に示すように、保留1バッファZ210,Z211に四文字コマンドDD0AHが格納されており、保留2バッファZ220,Z221に四文字コマンドDD0CHが格納されている状況が示されている。この場合、保留中の第2変動ゲームのうち、1回目の第2変動ゲームに加えて、2回目の第2変動ゲームの期間中における特定演出の実行が規制される。その結果、3回目及び4回目の第2変動ゲームでのみ、特定演出の実行が許容されることから、許容回数として2回が特定される。
【0335】
この場合において、背景系演出の実行が決定されると、1回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、四文字系演出が表示される。2回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、飾り図柄変動ゲームの開始に伴って、文字画像が非表示とされる様子が表示される。即ち、四文字系演出は、2回目の第2変動ゲームの開始タイミングにおいて終了される。そして、3回目及び4回目の第2変動ゲームの期間中、演出表示器13では、背景系演出が表示される。
【0336】
この実施形態のパチンコ遊技機10は、以下のような効果を有する。
(1)パチンコ遊技機10では、連続して特定演出の実行が許容されている変動ゲームの回数である許容回数と、実行中の変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかと、を特定して期間情報(先読みn連フラグ及び入賞時演出可否フラグ)が生成され、該期間情報に基づいて、特定演出が実行される。このため、特定演出をより厳密に行うことが可能になる。したがって、連続する複数回の変動ゲームの期間中に特定演出が実行されることにより、遊技者の興趣が向上できるようになる。
【0337】
(2)統括副基板41のCPU41aは、先読み可否フラグを保留中の変動ゲームや実行中の変動ゲームに対応付けて記憶できる。したがって、パチンコ遊技機10では、保留中及び実行中の変動ゲームにおける特定演出の実行に関して、許容回数と、入賞時演出可能であるかと、をさらに厳密に特定できるようになる。
【0338】
(3)パチンコ遊技機10では、許容回数が1回の場合であっても特定演出が実行され得ることから、特定演出が跨って実行される変動ゲームの回数が1回の場合と、複数回の場合とが生じる。したがって、特定演出の実行態様のバリエーションを増やし、遊技者の興趣が向上される。
【0339】
(4)パチンコ遊技機10では、許容回数が2回(第1回数)及び3回(第2回数)の何れであるかに応じて、異なる特定演出が実行され得る。したがって、特定演出の実行態様のバリエーションを増やし、遊技者の興趣を向上できる。
【0340】
(5)パチンコ遊技機10では、複数の系統(グループ)に分類可能な特定演出によって、その実行態様のバリエーションを増やし、遊技者の興趣を向上できる。
(6)キャラB系演出に関しては、台詞フラグ(内容情報)に対応付けられた4回(特定回数)の変動ゲーム分のキャラBコマンド(演出内容)のうち、許容回数の変動ゲーム分の演出内容が抽出され、その演出内容で特定演出が実行できる。したがって、許容回数として取り得る回数ごとに台詞フラグを設ける構成や、特定演出の演出内容を変動ゲームごとに順次決定する構成と比較して、特定演出を実行させるための処理を簡略化できる。したがって、連続する複数回の変動ゲームの期間中に特定演出を実行させるときに、制御的な負担が増加することを抑制できる。
【0341】
(7)統括副基板41のCPU41aは、台詞フラグに対応付けられたキャラB系演出の演出内容のうち、優先順位にしたがって許容回数の変動ゲーム分の演出内容を抽出する。したがって、パチンコ遊技機10では、仮に4回(特定回数)に許容回数が満たない場合であっても、高い優先度が設定された演出内容のキャラB系演出を優先的に出現させることができる。したがって、制御的な負担が増加することを抑制しつつ、遊技者の興趣を向上できる。
【0342】
(8)統括副基板41のCPU41aは、最後に保留された変動ゲームで実行させるキャラB系演出の演出内容(最終台詞フラグ)を決定し、該決定した演出内容が、最も高い優先度の演出内容として設定された台詞フラグ(台詞パターン)を決定する。したがって、最後に保留された変動ゲーム(所謂、特定演出を伴う最終回の変動ゲーム)で実行させる特定演出の演出内容を基準に台詞フラグが決定されるため、特定演出の展開を制御し易くできる。
【0343】
(9)台詞フラグには、変動ゲームを保留可能な最大回数分の演出内容が特定可能である。即ち、パチンコ遊技機10では、許容回数として取り得る最大回数の変動ゲーム分の演出内容が1つの台詞フラグに対応付けられていることから、特定演出の展開ごとに複数の台詞フラグを設ける必要がなくなり、さらに制御的な負担が増加することを抑制できる。
【0344】
(10)第1条件の成立により特定演出の実行が許容されており、且つ連続している変動ゲームであっても、このうち最先に保留された変動ゲームについては、四文字系演出が終了する第2条件が成立している場合、特定演出を実行できる許容回数に含まれない。このため、四文字系演出が実行された直後から、次に特定演出が実行されてしまうことを回避できる。即ち、両演出が恰も何らかの関連性をもって実行されたかのように見えてしまい、演出として理解し難くなることを抑制できる。したがって、連続する複数回の図柄変動ゲームの期間中に特定演出を実行することにより、遊技者の興趣を向上できる。
【0345】
(11)統括副基板41のCPU41aは、四文字系演出が終了する第2条件が成立しているかを示す四文字コマンドDD0CH(終了情報)を保留中の変動ゲームに対応付けて記憶させることが可能である。このため、保留中の変動ゲームにおける特定演出の実行に関して、許容回数をさらに厳密に特定し、四文字系演出と他の特定演出とが何らかの関連性をもって実行されたかのように見えてしまうことを、さらに抑制できるようになる。
【0346】
(12)四文字系演出は、変動ゲームの開始に伴って終了される場合がある。仮に、このような変動ゲームにおいて特定演出を実行する場合には、四文字系演出と特定演出とが極めて関連して実行されたかのように見えてしまう。この実施形態のパチンコ遊技機10では、このような状況が発生することを回避できるため、遊技者の興趣が低下することを好適に抑制できる。
【0347】
(13)四文字系演出が特定演出のひとつであるため、2つの特定演出が関連性をもって実行されたかのように見え易くなる。この実施形態のパチンコ遊技機10では、このような状況が発生することを回避し、遊技者の興趣が低下することを抑制している。
【0348】
(14)非入賞容易状態(第1遊技状態)においては、変動ゲームが保留されると、CPU41aの処理によって、特定演出の種類(系統)が決定されるとともに情報組合せ(種類情報)が記憶される。即ち、例えば実行規制などといった特定演出の制御に有益な情報を生成できる。そして、保留中の変動ゲームが開始される際には、記憶している情報組合せから特定可能な特定演出の種類に基づいて、実際に開始される変動ゲームの変動時間で実行可能な付随演出(演出内容)を決定できる。このため、変動ゲームの変動時間に応じて、特定演出の演出内容を再決定しなければならない状況が生じることを抑制できる。したがって、連続する複数回の図柄変動ゲームの期間中に特定演出を実行させるときに、制御的な負担が増加することを抑制できる
(15)統括副基板41のCPU41aは、入賞容易状態(第2遊技状態)においては、先読みコマンドの入力(生成)を契機として、特定演出の演出内容を決定し、該決定した演出内容を特定可能なコマンド値を生成するとともに保留中の変動ゲームに対応付けて記憶しておき、該変動ゲームの開始時に出力する。このため、変動ゲームの変動時間の影響を受けない状況下においては、特定演出の演出内容まで決定してしまうことで、さらに制御的な負担を軽減できる。
【0349】
(16)主基板40のCPU40aは、非入賞容易状態においては、変動時間が異なる変動パターンがある第1変動グループの変動パターンから、第1保留数に応じた確率となるように変動パターンを決定する。統括副基板41のCPU41aは、決定された変動パターンの変動時間で実行可能な付随演出(演出内容)を決定するようになっている。このため、変動パターンの変動時間が保留中の変動ゲームの回数に応じて変化し得る状況においても、特定演出の再決定が必要となることを抑制し、制御的な負担を軽減できる。
【0350】
(17)パチンコ遊技機10では、非入賞容易状態(第1遊技状態)では、変動時間の影響を受ける演出内容の特定演出を行う一方で、入賞容易状態(第2遊技状態)では、変動時間の影響を受けない演出内容の特定演出を行うことで、各遊技状態の演出に特色を持たせることができる。
【0351】
(18)入賞容易状態においては、第2始動入賞部17への入球率が向上されることに伴って、第2変動ゲームが連続して行われ易くなり、遊技者の興趣が向上される。このような遊技状態において、非入賞容易状態とは、演出時間において異なる特徴を有する特定演出を実行することで、遊技者の興趣をより一層高めることができる。
【0352】
上述した実施形態は、例えば以下に示すように変更してもよい。
・保留系演出に関するフラグの構成を変更してもよい。例えば、変化場所、変化色、及び最終色のうち、任意に選択される複数の事項について、単一のフラグから特定可能としてもよい。また、CPU41aは、情報画像Gaの変化色について、第1変動ゲームが開始されるごとに決定してもよい。
【0353】
・第1変動ゲームごとの保留バッファの数、及び第2変動ゲームごとの保留バッファの数を変更してもよい。保留バッファの数は、特定演出の実行態様に応じて保持すべき情報(フラグ)の数に応じて変更できる。
【0354】
・保留バッファに格納する情報は、フラグでなくてもよい。例えば、抽選テーブルを選択する演算を行うためのオフセット値であってもよい。
・各種のフラグは、複数のフラグの機能を統合したフラグとして構成されていてもよい。例えば、先読みn連フラグと、入賞時演出可否フラグとは、1つのフラグとして構成されていてもよい。
【0355】
・統括副基板41のCPU41aは、第1入力処理において、実行中の第1変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかを特定しなくてもよい。即ち、非入賞容易状態において、入賞時演出可否フラグを生成しなくてもよい。
【0356】
・統括副基板41のCPU41aは、第2入力処理において、実行中の第2変動ゲームの期間中における特定演出の実行が許容されているかを特定してもよい。即ち、入賞容易状態において、入賞時演出可否フラグを生成してもよい。
【0357】
・統括副基板41のCPU41aは、複数種類の特定演出を並行して実行させてもよい。この場合における複数種類の特定演出は、同一系統の特定演出であってもよく、異なる系統の特定演出であってもよい。この構成によれば、複数種類の特定演出が並行して実行され得ることから、遊技者の興趣をより向上できる。
【0358】
・四文字系演出は、特定演出の1つでなくてもよい。即ち、予め定めた演出は、先読みコマンドに基づいて行われる演出でなくてもよい。例えば、予め定めた演出は、特定の変動パターンが決定されたことを第3条件の成立として開始されるミッション演出や、チャンスゾーン演出であってもよい。また、予め定めた演出は、連続する複数回の変動ゲームの期間中に実行される演出であることが好ましいが、1回の変動ゲームの期間中に行われる演出であってもよい。
【0359】
・上述した実施形態における特定演出の実行態様は何れも例示に過ぎず、適宜変更できる。例えば、保留系演出で表示する情報画像は、人間を模した画像であってもよく、その表示態様として、子供、母親、及び父親を設定してもよい。
【0360】
・統括副基板41のCPU41aは、入賞容易状態であるときには第2変動ゲームを対象として第1入力処理を実行し、非入賞容易状態であるときには第1変動ゲームを対象として第2入力処理を実行してもよい。この場合には、入賞容易状態が第1遊技状態に相当し、非入賞容易状態が第2遊技状態に相当する。
【0361】
・統括副基板41のCPU41aは、非確変状態であるときには第1変動ゲームを対象として第1入力処理を実行し、確変状態であるときには第2変動ゲームを対象として第2入力処理を実行してもよい。この場合には、非確変状態が第1遊技状態に相当し、確変状態が第2遊技状態に相当する。
【0362】
・また逆に、統括副基板41のCPU41aは、確変状態であるときには第2変動ゲームを対象として第1入力処理を実行し、非確変状態であるときには第1変動ゲームを対象として第2入力処理を実行してもよい。この場合には、確変状態が第1遊技状態に相当し、非確変状態が第2遊技状態に相当する。
【0363】
・統括副基板41のCPU41aは、先読みコマンドに基づいて、当り遊技中に特定演出を実行させてもよい。
・特別図柄の当りの種類を変更してもよい。即ち、当り遊技に関して、ラウンド上限回数、入球上限個数、ラウンド遊技の上限時間、及び1回のラウンド遊技における開放回数は、適宜変更できる。また、当り遊技が終了した後の遊技状態に関して、入賞容易状態の有無、入賞容易状態のゲーム上限回数、確変状態の有無、確変状態を付与する上限となる変動ゲームの回数などは、適宜変更できる。
【0364】
・特別図柄の当りの種類は、1種類でもよく、3種類以上であってもよい。
・入賞容易状態や確変状態は、上述した実施形態とは異なる条件が成立したときに付与されてもよい。例えば、入賞容易状態や確変状態は、大入賞口の内部に設定された特定領域を遊技球が通過したことを条件として、当り遊技が終了した後に付与してもよい。
【0365】
・先読みコマンドの構成を変更してもよい。例えば、主基板40のCPU40aは、特別図柄入力処理のステップS104やステップS109の処理で取得した乱数の値の全てについて、該乱数の値を特定可能な先読みコマンドを統括副基板41に出力してもよい。また、主基板40のCPU40aは、リーチ判定及び変動パターン判定の結果を先読みし、該先読みした結果である変動パターンを特定可能な先読みコマンドを統括副基板41へ出力してもよい。
【0366】
・先読みコマンドの一部を省略してもよい。即ち、特定演出によって遊技者に報知する変動内容に応じて、出力する先読みコマンドを選択できる。例えば、単に当り期待度のみを特定演出によって報知するのであれば、当り図柄に関するD0H系の先読みコマンドは省略できる。飾り図柄変動ゲームの演出内容を報知しないのであれば、D1H〜D6H系の先読みコマンドは省略できる。
【0367】
・演出実行部EPを構成する演出装置の数は、適宜変更できる。例えば、複数の演出表示器13を備えていてもよく、スピーカSPや装飾ランプSLを省略してもよい。
・副制御部SCを構成する副基板の数は、任意に選択される副基板の機能を統合して1〜3としてもよい。即ち、上記実施形態で説明したCPU41aの機能を含め、各副基板の機能は、単一の基板上に設けられた1つのCPUによって、又は単一の基板上に設けられた複数のCPUによって実現してもよい。
【0368】
・また、副制御部SCを構成する副基板の数は、任意に選択される副基板の機能を分割して5つ以上としてもよい。即ち、上記実施形態で説明したCPU41aの機能を含め、副基板の機能は、複数の基板ごとに設けられたCPUを協働させて実現してもよい。
【0369】
・主制御部MCには、例えば払出基板が含まれていてもよい。また、主制御部MCには、中継基板が含まれていてもよい。
・また、制御部MC,SCは、単一の制御基板上に構成されていてもよい。即ち、上記実施形態で説明したCPU40aの機能、及びCPU41aの機能は、単一の基板上に設けられた1つのCPUによって、又は単一の基板上に設けられた複数のCPUによって実現してもよい。
【0370】
・主基板40のCPU40aは、第1変動ゲームと第2変動ゲームとを、保留された順番に実行してもよい。また、主基板40のCPU40aは、第1変動ゲームと第2変動ゲームとを同時に並行して実行してもよい。
【0371】
・第1変動ゲーム及び第2変動ゲームのうち一方を省略したパチンコ遊技機10であってもよい。
・演出表示器13に特別図柄変動ゲームを表示し、飾り図柄変動ゲームを表示しないパチンコ遊技機10であってもよい。
【0372】
・パチンコ遊技機10は、特別図柄の確率変動機能を備えていなくてもよい。パチンコ遊技機10は、入賞容易化機能を備えていなくてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0373】
(イ)予め定めた条件の成立を契機として乱数情報を記憶することにより、該乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームを保留可能であり、連続する複数回の図柄変動ゲームの期間中に特定演出を実行可能な遊技機において、前記乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームに関する情報である保留情報を生成する保留情報生成手段と、前記保留情報に基づいて、前記特定演出を実行可能な期間に関する情報である期間情報を生成する期間情報生成手段と、前記期間情報に基づいて、前記特定演出を実行させる演出実行手段と、を備え、前記期間情報生成手段は、保留中の図柄変動ゲームのうち、最後に記憶された乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームから、最先に記憶された乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームまでの保留順序において、連続して特定演出の実行が許容されている図柄変動ゲームの回数である許容回数を特定し、前記許容回数分の図柄変動ゲームに前記最先に記憶された乱数情報を用いて行う図柄変動ゲームが含まれている場合であって、実行中の図柄変動ゲームがあるときには、該実行中の図柄変動ゲームの期間中における前記特定演出の実行が許容されているかを特定し、特定した前記許容回数と、前記実行中の図柄変動ゲームの期間中における前記特定演出の実行が許容されているかと、を特定可能となるように、前記期間情報を生成することを特徴とする遊技機。