(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で用いる「消費者製品」は、特に断らない限り、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は変性を意図しない、物品、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック、及び/又は飲料製品若しくは装置を意味する。そのような製品には、布地軟化剤、布地強化剤、洗濯添加剤、コンディショナー、毛髪着色剤、ボディソープ、シャンプー、液体食器洗剤、及び脱色、着色、染色、コンディショニング、洗髪、スタイリングを含む毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)を処理するための強洗浄用洗剤製品及び/又はそれに関連する方法、防臭剤及び制汗剤、パーソナルクレンジング、化粧品、消費者用のクリーム、ローション、及び他の局所塗布製品の塗布を含むスキンケア、並びに髭剃り製品、空気ケア、車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング(柔軟化を含む)、洗濯洗浄、洗濯及びすすぎ添加剤及び/又はケア、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者用又は業務用の他の洗浄を含む、布地及びホームケアの分野の布地、硬質面及び任意の他の表面処理に関連した製品及び/又は方法、練り歯磨き、歯科用ジェル、歯科用リンス、義歯接着剤、歯のホワイトニングを含む口腔ケアに関連する製品及び/又は方法、鎮咳薬及び感冒薬、鎮痛剤、ペットヘルス及び栄養補給、並びに水浄化を含む一般市販薬ヘルスケア、サラダドレッシング、スポーツ飲料及び乳製品代用品を含む加工食品製品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄組成物及び/又は処理組成物」には、特に明記しない限り、洗濯洗剤、液体、ゲル又はペースト形態の多目的洗剤、特にいわゆる重質液体型洗剤、液体高級布地用(fine-fabric)洗剤、手洗い用食器洗剤又は軽質食器用洗剤、特に泡立ちの良いタイプの洗剤、家庭用又は業務用の各種の液体、及びすすぎ補助型を含む食器洗浄機用洗剤、抗菌手洗い用、洗濯石鹸、マウスウォッシュ、義歯用洗剤、自動車又はカーペット用シャンプー、浴室洗剤を含む液体洗浄及び消毒剤、毛髪用シャンプー及び毛髪用リンス、シャワージェル及び泡風呂(foam bath)及び金属洗剤、並びに漂白添加剤及び「しみとりスティック」又は予備処理型などの洗浄助剤が挙げられる。
【0008】
本明細書で使用されるとき、「ベシクル」は、界面活性剤、脂質、又はそれらの混合物を含む1つ以上のメンブレンによってそれぞれ個別に取り囲まれた溶媒コアで構成された球形粒子である。多数のメンブレンがある場合、各メンブレンは、典型的には、溶媒の薄層によって分離される。
【0009】
本明細書で使用されるとき、「コアセルベート」は、貧溶媒親和性の巨大分子溶液を含む高密度液相である。そのような巨大分子を多く含む流体は、典型的には、高分子電解質を、逆極性に帯電した高分子電解質、界面活性剤、脂質又はコロイド粒子で合成することにより得られる。
【0010】
本明細書で使用されるとき、用語「部位(situs)」には、紙製品、布地、衣服、及び硬質表面が含まれる。
【0011】
本明細書で使用されるとき、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、1以上の請求又は記載されるものを意味するものと理解される。
【0012】
本明細書で使用されるとき、「1(unity)」は、単位(即ち、ppm、重量パーセントなど)にかかわらず濃度の尺度で整数1を意味する。
【0013】
本明細書で使用されるとき、電荷は、ミリボルトで表されることがある。
【0014】
特に記載がない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0015】
割合(%)及び比率は全て、特記のない限り重量で計算される。百分率及び比率は全て、別途記載のない限り組成物全体を基準にして計算される。
【0016】
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大の数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、そうしたより小さい数値限定が恰も本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
【0017】
消費者製品及び製造方法
実施例を含む本明細書によって教示されるように、本明細書に開示されたプロセスは、消費者製品を設計し、消費者製品に使用する構成要素を選択するために使用されてもよい。
【0018】
一態様では、消費者製品を作製するプロセスであって、
a)ポリマーを二相系に添加して、前記二相系が、溶媒相と、別個粒子として前記溶媒相に分散された活性物質とを含むようにすること、又は
b)溶媒にポリマーを加え、前記溶媒ポリマー複合物を組み合わせ、前記溶媒ポリマー複合物中に離散的活性物質粒子を形成する活性物質を分散さることによって二相系を形成することを含み、
前記ポリマーは、前記離散的粒子と実質的に等しいか中立の電荷を有し、次の式に関して、
Y=bX
a
式中、
Xは、溶媒ポリマー溶液中のポリマー濃度であり、
Yは、0.01 1/sの剪断速度におけるポリマー溶媒溶液粘度であり、
bは、Xが1に外挿され、指数aが、適合度の範囲にわたって4以上のときの外挿溶媒ポリマー溶液粘度であり、
ポリマーは、指数aが、4以上、約4〜約50、約4.5〜約50、約4.5〜約20、約5〜約20、約5〜約10、約5〜約7になるように選択され、
Xの範囲の少なくとも0.1%超え、少なくとも0.2%、0.2%〜約1%、更には0.2%〜約0.5%が、0.001重量%〜25重量%のポリマーであるプロセスが開示される。
【0019】
別の態様では、消費者製品を作製するプロセスであって、
変数Y、X、b及びaを含む式を使用して、前記変数が、ポリマーを選択するために次の式の順序で配列され、
Y=bX
a
式中、
Xは、溶媒ポリマー溶液中のポリマー濃度であり、
Yは、0.01 1/sの剪断速度におけるポリマー溶媒溶液粘度であり、
bは、Xが1に外挿され、指数aが、適合度の範囲において4を超えるときの外挿溶媒ポリマー溶液粘度であり、
前記ポリマーは、指数aが、4以上、約4〜約50、約4.5〜約50、約4.5〜約20、約5〜約20、約5〜約10、約5〜約7になるように選択され、
Xの範囲の少なくとも0.1%超え、少なくとも0.2%、0.2%〜約1%、更には0.2%〜約0.5%が、0.001重量%〜25重量%ポリマーと等しく、
a)前記ポリマーを二相系に加えることであって、前記二相系が、溶媒相と、前記溶媒相に離散的粒子として分散された活性物質であることと、又は、
b)溶媒にポリマーを加え、前記溶媒ポリマー複合物を組み合わせ、前記溶媒ポリマー複合物中に離散的活性物質粒子を形成する活性物質を分散させることによって二相系を形成することを含み、
前記ポリマーが、前記離散的粒子と実質的に等しいか中立の電荷を有する、プロセスが開示される。
【0020】
別の態様では、消費者製品を作製するプロセスであって、
a)ポリマーを二相系に加えて、前記二相系が、溶媒相と、前記溶媒相中に離散的粒子として分散された活性物質とを含むこと、又は、
b)溶媒にポリマーを加え、前記溶媒ポリマー複合物を組み合わせ、前記溶媒ポリマー複合物中に離散的活性物質粒子を形成する活性物質を分散させることによって二相系を形成することとを含み、
前記ポリマーが、前記離散的粒子と実質的に等しいか中立の電荷を有し、次の式に関して、
Y=bX
a
式中、
Xは、前記二相系内のポリマー濃度であり、
Yは、0.01 1/sの剪断速度における前記二相系の粘度であり、
bは、Xが1に外挿され、指数aが、適合度の範囲にわたって4以上のときの外挿二相系粘度であり、
ポリマーは、指数aが、4以上、約4〜約50、約4.5〜約50、約4.5〜約20、約5〜約20、約5〜約10、約5〜約7になるように選択され、
Xの範囲の少なくとも0.1%超え、少なくとも0.2%、0.2%〜約1%、更には0.2%〜約0.5%が、0.001重量%〜25重量%ポリマーと等しい、プロセスが開示される。
【0021】
別の態様では、消費者製品を作製するプロセスであって、
a)前記選択されたポリマーを二相系に加え、前記二相系が、溶媒相と、前記溶媒相に離散的粒子として分散された活性物質とを含むこと、又は、
b)前記選択された溶媒にポリマーを加え、前記溶媒ポリマー複合物を組み合わせ、前記溶媒ポリマー複合物中に離散的活性物質粒子を形成する活性物質を分散させることによって二相系を形成することを含み、
前記ポリマーが、前記離散的粒子と実質的に等しいか中立の電荷を有し、前記ポリマーが、変数X、Y、b及びaを含む式を使用して選択され、前記変数が、次の式の順序で配列され、
Y=bX
a
式中、
Xは、前記二相系中のポリマー濃度であり、
Yは、0.01 1/sの剪断速度における二相系粘性であり、
bは、Xが1に外挿され、指数aが、適合度の範囲にわたって4以上のときの外挿二相系粘度であり、
前記ポリマーは、指数が、4以上、約4〜約50、約4.5〜約50、約4.5〜約20、約5〜約20、約5〜約10、約5〜約7になるように選択され、Xの範囲の少なくとも0.1%超え、少なくとも0.2%、0.2%〜約1%、更には0.2%〜約0.5%が、0.001重量%〜25重量%ポリマーと等しいプロセスが開示される。
【0022】
前述のプロセスの一態様では、コンピュータを使用して、式Y=bX
aを使用する前述のステップに関する計算を行なう。
【0023】
一態様では、そのようなコンピュータは、パソコンなどのポータブルコンピュータでよい。
【0024】
また、前述のプロセスのいずれかにより作製された消費者製品である二相系を含む二相系も開示される。
【0025】
二相系の好適な材料
溶媒−本発明に任意の好適な溶媒システムを使用することができる。一態様では、溶媒相は、分散相が無極性のときに有極性である。別の態様では、溶媒は、分散相が有極性のときに無極性であるか、溶媒は、分散相が固体のときに有極性又は無極性である。
【0026】
無極性溶媒−本発明に使用される無極性溶媒には、任意の好適な脂肪族又は芳香族溶剤又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されず、そのような混合物は、単一連続相になるという条件がある。好適な無極性溶剤の例には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
有極性溶媒−有極性溶媒には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、グリセリン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ギ酸、酢酸、アセトン、及びこれらの混合物を含む任意の好適な極性溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。特定の消費者製品(例えば、布地強化剤)の分野では、好適な溶媒には、水が挙げられるが、これに限定されない。
【0028】
分散用の活性物質
固体ポリマー粒子−ラテックスとポリエチレンのような固体ポリマー粒子(一態様では10マイクロメートル未満)は、溶媒相で分散されてもよい。ラテックスは、天然ゴムでも合成でもよい。一般に入手可能な合成ラテックスには、ニトリルゴム、ポリクロロプレン、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、及びブレンドが挙げられる。ポリエチレン粒子は、ドイツ、フランクフルトアムマインのHOECHST株式会社から商品名VELUSTROLで入手可能である。
【0029】
脂肪、油及びワックス−分散相は、脂肪、油及びワックスを含むことができる。脂肪の非限定的な例には、植物油、牛脂、豚油、魚油、合成油、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪は、分留されてもよく、部分的又は完全に水素化されてもよく、及び/又はエステル交換されてもよい。油の植物源には、ココヤシ、トウモロコシ、綿の実、ブドウ種子、ピーナッツ、オリーブ、パーム、菜種、ゴマ、大豆、及びヒマワリが挙げられる。脂肪の例は、ミルク、バター、ワセリン、パラフィン、ラノリン及びシリコン油である。使用されることがあるワックスは、サイポールワックス(sipol wax)、ラノリンワックス、みつろう、キャンデリラろう、ミクロクリスタリンワックス、及びシリコーンワックスである。
【0030】
香料−分散相は、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、及び2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、β−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンソゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサンオン、及びβ−ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロオール、及びジヒドロミルセノールなどの香料からなる群から選択された材料を含む香料を含むことができる。
【0031】
カプセル剤−分散相は、カプセル剤を含んでもよい。好適なカプセル剤には、コアを封入するシェルを含む香料マイクロカプセル剤が挙げられる。前記コアは、1つ以上の有益剤を含む。前記有益剤には、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、及び2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、β−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンソゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−セク−ブチルシクロヘキサンオン、及びβ−ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロオール、及びジヒドロミルセノールなどの香料;シリコーン油、ポリエチレンワックスなどのワックス;ペトロラタムなどの炭化水素;魚油、ジャスミン、ショウノウ、ラベンダなどの芳香油;メントール、乳酸メチルなどの皮膚冷却剤;ビタミンAやEなどのビタミン;日焼け止め;グリセリン;マンガン触媒や漂白触媒などの触媒;過ホウ酸塩などの漂白粒子;二酸化ケイ素粒子;制汗活性物質;カチオンポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択された材料が挙げられる。好適な有益剤は、米国ニュージャージー州のGivaudan Corp.of Mount Olive、米国ニュージャージー州のInternational Flavors & Fragrances Corp.of South
Brunswick、又はオランダ国のQuest Corp.of Naardenから得ることができる。前記シェルは、1つ以上のアミンと1つ以上のアルデヒドとの反応生成物、例えば、ホルムアルデヒド又はグルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋した尿素、ホルムアルデヒドと架橋したメラミン、任意にグルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋したゼラチン−ポリリン酸塩コアセルベート、ゼラチン−アラビアゴムコアセルベート、架橋シリコーン流体、ポリイソシアネートと反応したポリアミン、アクリレート、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。
【0032】
一態様では、前記カプセル剤は、前記シェルを封入する被覆を含んでもよい。前記被覆は、カプセル剤及び/又はカプセル剤の有益剤の付着特性を強化することを含む追加の利点を提供する。一態様では、前記被覆は、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド及びポリアリルアミン並びにこれらのコポリマーからなる群から選択された1つ以上の高効率ポリマーを含んでもよい。一態様では、前記カプセル剤は、メラミンホルムアルデヒド及び/又はアクリレートを含むシェルと、香料を含むコアとを有する香料マイクロカプセルでもよい。前記香料マイクロカプセルは、前述のオプションの被覆を含んでもよい。
【0033】
布地柔軟化活性化合物
第1のタイプの布地柔軟化活性剤は、主要活性物質として、次の化学式の化合物を含み、
{R
(4−m)−N
+−[(CH
2)
n−Y−R
1]
m}X
− (1)
式中、各R置換基は、水素、短鎖C
1〜C
6、一態様ではC
1〜C
3アルキル又はヒドロキシアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル等、ポリ(C
2〜3アルコキシ)一態様では、ポリエトキシ、ベンジル又はこれらの混合物、各mは、2又は3であり、各nは、1〜約4、一態様では2であり、各Yは、−O−(O)C−、−C(O)−O、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、各R
1内の炭素の合計数(ただし、Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−のときはプラス1)、C
12〜C
22、一態様ではC
14〜C
20、各R
1がヒドロカルビル、又はヒドロカルビル基の場合、X
−は、任意の柔軟剤適合性アニオン、一態様ではクロリド、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸塩、及び硝酸塩、一態様ではクロリド又は硫酸メチルである。
【0034】
第2のタイプの布地柔軟化活性剤は、次の一般式を有する。
[R
3N
+CH
2CH(YR
1)(CH
2YR
1)]X
−
式中、Y、R、R
1及びX
−はそれぞれ、上記と同じ意味を有する。このような化合物には、次式を有するものが挙げられる:
[CH
3]
3N
(+)[CH
2CH(CH
2O(O)CR
1)O(O)CR
1]C1
(−) (2)
式中、各Rはメチル又はエチル基であり、一実施形態では、各R
1は、C
15〜C
19の範囲である。本明細書で使用するとき、ジエステルが明記される場合、それは存在するモノエステルを包含することができる。
【0035】
これらの種類の剤及びこれらを製造する一般的方法は、米国特許番号第4,137,180号(Naikら、1979年1月30日発行)に開示され、該当案件は参照として本明細書に組み込まれる。好適なDEQA(2)の例は、式1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリドを含む「プロピル」エステル四級アンモニウム布地柔軟化活性剤である。
【0036】
第3のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、次式を有する:
[R
4−m−N
+−R
1m]X
− (3)
式中、R、R
1、及びX
−はそれぞれ、上記と同じ意味を有する。
【0037】
第4のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、次式を有する:
【0038】
【化1】
(式中、各R、R
1、及びA
−は上記で与えられた定義を有し、各R
2はC
1〜6アルキレン基、一態様では、エチレン基であり、及びGは酸素原子又は−NR−基である)。
【0039】
第5のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、次式を有する:
【0040】
【化2】
式中、R
1、R
2及びGは上記のように定義される。
【0041】
第6のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、脂肪酸とジアルキレントリアミンとの、例えば、分子量比約2:1での縮合反応生成物であり、この反応生成物は次式の化合物を含有する:
R
1−C(O)−NH−R
2−NH−R
3−NH−C(O)−R
1 (6)
式中、R
1、R
2は上記のように定義され、各R
3は、C
1〜6アルキレン基であり、一態様では、エチレン基であり、反応生成物は所望により硫酸ジメチルなどのアルキル化剤の添加によって四級化されてもよい。そのような四級化反応生成物は、1994年3月22にUphuesらに発行され、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,296,622号に更に詳細に述べられている。
【0042】
第7のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、次式を有する:
[R
1−C(O)−NR−R
2−NR
2−R
3−NR−C(O)−R
1]
+A
−
(7)
式中、R、R
1、R
2、R
3及びA
−は上記のように定義される。
【0043】
第8のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの分子量比約2:1の反応生成物であり、この反応生成物は次式の化合物を含有する:
R
1−C(O)−NH−R
2−N(R
3OH)−C(O)−R
1 (8)
式中、R
1、R
2及びR
3は、上記のように定義される。
【0044】
第9のタイプの好適な布地柔軟化活性剤は、次式を有する:
【0045】
【化3】
式中、R、R
1、R
2、及びA
−は、上記のように定義される。
【0046】
化合物(1)の非限定的な例は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タローイル−オキシ−エチル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルスルフェートである。
【0047】
化合物(2)に非限定的な例は、1,2ジ(ステアロイル−オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリドである。
【0048】
化合物(3)の非限定的な例は、塩化ジカノラジメチルアンモニウム、塩化ジ(硬化)牛脂ジメチルアンモニウム、硫酸メチルジカノラジメチルアンモニウム、塩化2−エチルヘキシルステアリルジメンチルアンモニウムなどのジアルキレンジメチルアンモニウム塩である。本発明に使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Evonic(Witco)Corporationから商品名Adogen(登録商標)472として入手可能なジオレイルジメチルアンモニウムクロリド、及びAkzo Nobel Arquad 2HT75から入手可能なジ硬化タロージメチルアンモニウムクロリドである。
【0049】
化合物(4)の非限定的な例は、1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウムメチルスルファート(式中、R
1は非環式脂肪族C
15〜C
17炭化水素基であり、R
2はエチレン基であり、GはNH基であり、R
5はメチル基であり、A−はメチルスルフェートアニオンである)であり、Evonick(Witco)Corporationより商標名Varisoft(登録商標)として市販されている。
【0050】
化合物(5)の非限定的な例は、1−タローイルアミドエチル−2−タローイルイミダゾリンであり、式中、R
1は、非環式脂肪族C
15〜C
17炭化水素基であり、R
2はエチレン基であり、GはNH基である。
【0051】
化合物(6)の非限定的な例は、脂肪酸とジエチレントリアミンとのモル比約2:1での反応生成物であり、この反応生成物の混合物は次式のN,N”−ジアルキルジエチレントリアミンを含有する:
R
1−C(O)−NH−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−NH−C(O)−R
1
式中、R
1−C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物を供給源として得られた市販の脂肪酸のアルキル基であり、R
2及びR
3は二価のエチレン基である。
【0052】
化合物(7)の非限定例は、次式を有するジ脂肪アミドアミン系布地柔軟化剤である:
[R
1−C(O)−NH−CH
2CH
2−N(CH
3)(CH
2CH
2OH)−CH
2CH
2−NH−C(O)−R
1]
+CH
3SO
4−
式中、R
1−C(O)は、Evonik(Witco)Corporationから例えば商標名Varisoft(登録商標)222LT)として市販されているアルキル基である。
【0053】
化合物(8)の例は、脂肪酸とN−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミンとのモル比約2:1での反応生成物であり、この反応生成物の混合物は次式の化合物を含有する:
R
1−C(O)−NH−CH
2CH
2−N(CH
2CH
2OH)−C(O)−R
1
式中、R
1−C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物を供給源として得られた市販の脂肪酸のアルキル基である。
【0054】
化合物(9)の例は次式を有するジ四級化合物である:
【0055】
【化4】
式中、R
1は脂肪酸から得られ、化合物はWitco Companyから入手可能である。
【0056】
本明細書に開示される柔軟化活性剤の組み合わせが、本明細書で使用するのに好適であることが理解されよう。
【0057】
アニオンA
本明細書のカチオン性窒素系塩において、アニオンA
−は、柔軟剤に相溶性のある任意のアニオンであり、電気的中性を与える。ほとんどの場合、これらの塩において電気的中性をもたらすために使用されるアニオンは、強酸由来のものであり、特に、塩化物、臭化物、又はヨウ化物のようなハロゲン化物由来のものである。しかし、硫酸メチル、硫酸エチル、酢酸、ギ酸、硫酸、炭酸等の他のアニオンを使用してもよい。塩化物及び硫酸メチルは、アニオンAとして、本明細書では好適であるアニオンは、また二重荷電を有することができ、その場合、A
−は半分の基を表すが、あまり好ましくない。
【0058】
アニオンポリマー−本発明では、アニオンポリマーは、正味アニオン電荷を有するアニオン又は両性ポリマーであり、即ち、これらのポリマー上の全アニオン電荷は、全カチオン電荷を超える。ポリマーのアニオン電荷密度は、典型的には、約0.05ミリ当量/g〜約23ミリ当量/gの範囲である。電荷密度は、繰り返し単位当りの正味電荷数を繰り返し単位の分子量で除算して計算される。負電荷は、ポリマーの主鎖又はポリマーの側鎖上に存在することができる。アニオン又は両性ポリマーの非限定的な例には、多糖類、タンパク質及び合成ポリマーが挙げられる。
【0059】
使用できるアニオンポリマーの非限定的な例は、カルボン酸、スルホン酸又はリン酸から誘導され、約10,000〜5,000,000の分子量を有する基を含むポリマーである。
【0060】
カルボン酸部分は、次の化学式のものなどの一酸及び二酸不飽和カルボン酸モノマーから選択されてもよく、
【0061】
【化5】
式中、
Nが、0〜10の整数であり、
Aは、必要に応じて、nが1を超えるとき、酸素やイオウなどのヘテロ原子を介して、不飽和部分の炭素原子又は隣接メチレン部分に結合される、メチレン部分であり、
R16は、水素、フェニル部分、及びベンジル部分から選択され、
R17は、水素、低級アルキル部分、及びカルボキシル部分から選択され、
R18は、水素、低級アルキル部分、及−CH2−COOH、フェニル部分、及びベンジル部分から選択される。
【0062】
例えば、化学式(XI)では、低級アルキル部分は、1〜4個の炭素原子を含んでもよく、例えば、メチル及びエチル部分でもよい。
【0063】
使用できるカルボン酸部分を有するアニオンポリマーの非限定的な例には、次のものが挙げられる。
A)例えば、ALLIED COLLOIDによって商品名VERSICOL(登録商標)E又はK、BASFによってULTRAHOLD(登録商標)で市販されている製品、HERCULESによって商品名RETEN(登録商標)421,423又は425としてナトリウム塩で販売されているアクリル酸及びアクリルアミドコポリマー、並びにポリヒドロキシカルボン酸ナトリウム塩などの、アクリル酸及びメタクリル酸ホモ及びコポリマー、並びにその塩。
B)エチレン、スチレン及びビニルエステル、アクリル酸及びメタクリル酸エステルなど、モノエチレンモノマーを含み、必要に応じてポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフト重合され、必要に応じて架橋されたアクリル酸及びメタクリル酸コポリマー。このタイプのコポリマーは、その鎖に、必要に応じて、AMERICAN CYANAMIDによって商品名QUADRAMER(登録商標)で市販されている製品のような、N−アルキル化及び/又はヒドロキシアルキレート化されたアクリルアミド単位を含んでもよい。更に他の非限定的な例は、BASFによって商品名LUVIMER(登録商標)MAEXで市販されているアクリル酸及びC1〜C4メタクリル酸アルキルコポリマー、及びメタクリル酸及びアクリル酸エチルコポリマーである。
C)酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニル単位をその鎖の形態で含むようなクロトン酸誘導コポリマーと、任意にアリル及びメタリルエステルなどの他のモノマー、少なくとも5個の炭素原子を含むような直鎖又は分岐炭化水素長鎖飽和カルボン酸のビニルエーテル及びビニルエステル(これらのポリマーは、必要に応じてグラフト結合又は架橋される)、α又はβ−環状カルボン酸のビニル、アリル及びメタリルエステル。そのようなポリマーは、NATIONAL STARCHによって販売され、このクラスに属する市販製品の非限定的な例である。
D)マレイン酸、フマル酸、又はイタコン酸、又はビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アクリル酸及びこれらのエステルを含む無水物類から誘導されたポリマー。これらのポリマーは、エステル化されてもよい。非限定的な例には、ISPによって商品名GANTREZ(登録商標)AN又はESで市販されているポリマーが挙げられる。
またこのクラスに属するポリマーには、マレイン酸、シタコン酸(citaconic)、イタコン酸無水物、及びアリル酸又はメタリル酸エステルのコポリマーが挙げられ、必要に応じて、アクリルアミド又はメタクリルアミド部分、α−オレフィン、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリル酸又はメタクリル酸又はビニルピロリドンをその鎖で含み、無水物官能基は、モノエステル化又はモノアミド化されてもよい。
E)カルボキシラート部分を含むポリアクリルアミド。
【0064】
前述のように、アニオンポリマーは、スルホン酸誘導基からのポリマーでもよい。
【0065】
スルホン部分を含むポリマーの非限定的な例には、ビニルスルホン、スチレンスルホン、ナフテン−スルホン(napthtlene-sulfone)、及びアクリルアミド−アルキル−スルホン単位を含むものが挙げられる。
【0066】
この組成物は、糖類系材料から誘導されたアニオンポリマーを含んでもよい。糖類系材料は、天然でも合成でもよく、誘導体と改質糖類を含む。好適な糖類系材料には、セルロース、ゴム、アラビナン、ガラクタン、シード及びこれらの混合物が挙げられる。糖類誘導体には、アミノ酸、カルボン酸、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩及びこれらの混合物で改質された糖類が挙げられる。
【0067】
この組成物は、カルボキシメチルセルロースや硫酸セルロースなどのセルロース誘導体を含んでもよい。
【0068】
カチオンポリマー−本発明では、カチオンポリマーは、カチオン又は正味カチオン電荷を有する両性ポリマーであり、即ち、これらのポリマー上の全カチオン電荷が、全アニオン性電荷を超える。ポリマーのカチオン電荷密度は、典型的には、約0.05ミリ当量/g〜約23ミリ当量/gの範囲である。電荷密度は、繰り返し単位当りの正味電荷数を繰り返し単位の分子量で除算して計算される。正電荷は、ポリマーの主鎖又はポリマーの側鎖上に存在することができる。カチオン又は両性ポリマーの非限定的な例には、多糖類、タンパク質、及び合成ポリマーが挙げられる。
【0069】
a.カチオン性多糖類
カチオン性多糖類には、それらに限定されないが、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。カチオン性多糖は、約20,000〜約2,000,000、一態様では約100,000〜約1,500,000の分子量を有する。
【0070】
カチオン性多糖類の一群は、下記のような構造式Iで示される:
【0072】
ポリマーの糖類環上のアルキル置換の範囲は、ポリマー物質の糖類単位1つ当たり約0.01%〜5%、より好ましくはグルコース単位1つ当たり約0.05%〜2%である。
【0073】
構造式Iの場合、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立してH,C
1〜24アルキル(直鎖又は分岐)
【0074】
【化7】
である。nは約0〜約10であり、RxはH、C
1〜24アルキル(直鎖又は分岐)又は
【0075】
【化8】
又はこれらの混合物であり、Zは、水溶性アニオン、一態様では、塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、水酸化物、リン酸塩、硫酸塩、硫酸メチル及び酢酸塩であり、R
5は、H、又はC
1〜C
6アルキル若しくはこれらの混合物から選択され、R
7、R
8及びR
9は、H、又はC
1〜C
28アルキル、ベンジル若しくは置換ベンジル、又はこれらの混合物から選択される。
R
4は、H若しくは−(P)
m−H、又はこれらの混合物であり、ここでPは、カチオン性モノマーにより形成された付加ポリマーの反復単位である。
【0076】
カチオン性多糖類には、カチオンヒドロキシアルキルセルロースが挙げられる。カチオン性ヒドロキシアルキルセルロースの例としては、INCI名Polyquaternium10(商品名Ucare Polymer JR 30M、JR 400、JR 125、LR 400及びLK 400ポリマーとして市販)、Polyquaternium 67(商品名Softcat SK(商標)として市販)(これらの全てはAmerchol Corporation(Edgewater NJ)により市販)、並びにPolyquaternium 4(商品名Celquat H200及びCelquat L−200としてNational Starch and Chemical Company(Bridgewater,NJ)から入手可能)が挙げられる。他の好適な多糖としては、グリシジルC
12〜C
22アルキルジメチルアンモニウムクロリドで四級化されたヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。そのような多糖類の例としては、INCI名Polyquaternium 24(商品名Quaternium LM 200で市販)、PG−Hydroxyエチルcellulose Lauryldimonium Chloride(商品名Crodacel LMで市販)、PG−Hydroxyエチルcellulose Cocodimonium Chloride(商品名Crodacel QMで市販)、PG−Hydroxyエチルcelluloseステアリルdimonium Chloride(商品名Crodacel QSで市販)及びアルキルジメチルアンモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロースが挙げられる。
【0077】
本発明の1つの態様において、カチオン性ポリマーは、カチオン性デンプンを含む。これらは、米国特許第7,135,451号、カラム2の33行からカラム4の67行に記載されている。もう1つの態様において、本発明のカチオン性デンプンは、カチオン性デンプンの約0重量%〜約70重量%の濃度でアミロースを含有する。更に別の実施形態では、カチオン性デンプンがカチオン性メイズデンプンを含むとき、該カチオン性デンプンは、カチオン性デンプンの約25重量%〜約30重量%のアミロースを含む。上記の実施形態における残りのポリマーは、アミロペクチンを含む。
【0078】
好適な多糖類の第3の群は、カチオン性グアーガム又はカチオン性イナゴマメゴムなどのカチオン性ガラクトマンナンである。カチオン性グアーガムの例は、ヒドロキシプロピルグアーの第四級アンモニウム誘導体であり、Rhodia,Inc(Cranburry NJ)から入手可能な商品名Jaguar C13及びJaguar Excel、並びに、Aqualon(Wilmington,DE)によるN−Hanceとして市販されている。
【0079】
b.カチオン性合成ポリマー
一般にカチオン性ポリマー及びその製造方法は、文献において知られている。これらのポリマーの分子量は、約2,000〜約5,000,000の範囲にある。
【0080】
1つの態様において、カチオン性モノマーは、式:
【0081】
【化9】
を有するメタクリルアミドトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジアリルアンモニウムから選択され、この化合物は、次の式:
【0082】
【化10】
Z’は、水溶性アニオン、好ましくは塩化物、臭化物ヨウ化物、水酸化物、リン酸塩硫酸塩、硫酸メチル及び酢酸塩、又はこれらの混合物であり、繰り返し単位は、約10〜約50,000である。
【0083】
i.追加のポリマー
合成ポリマーとしては、限定するものではないが、次の一般化学構造式を有するポリマーが挙げられる:
【0084】
【化11】
式中、R
1、R
2、及びZは本明細書において以下に定義される。一態様では、直鎖ポリマーユニットは、直線的に重合するモノマーから形成される。線形に重合するモノマーは、本明細書では、標準的重合条件下、直鎖又は枝分かれ鎖を生じるモノマー、又は代替的に、重合を線形的に伝播するモノマーと定義される。本発明の直鎖重合モノマーは、次の式:
【0085】
【化12】
但し、当業者であれば、多くの有用な直鎖モノマー単位、とりわけ、ビニルアミン単位、ビニルアルコール単位が、直鎖重合モノマーを介さずに、間接的に導入されることは理解されるであろう。例えば、主鎖に一旦導入された酢酸ビニルモノマーが、加水分解されてビニルアルコール単位を形成する。本発明の目的のために、直鎖ポリマー単位は直接的に(即ち、直鎖重合単位を介して)組み込まれても、又は間接的に(即ち、上記のビニルアルコールの場合は前駆体を介して)組み込まれてもよい。
各R
1は個々に、水素、C
1〜C
12アルキル、置換又は未置換のフェニル、置換又は未置換のベンジル、−OR
a、あるいは−C(O)OR
aであり、ここでR
aは、水素、及びC
1〜C
24アルキル並びにこれらの混合物から選択される。一態様では、R
1は、水素、C
1〜C
4アルキル、又は−OR
a、又は−C(O)OR
aであり、 各R
2は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1〜C
12アルキル、−OR
a、置換又は未置換のフェニル、置換又は非置換のベンジル、炭素環式、複素環式、及びこれらの混合物である。一態様では、R
2は、水素、C
1〜C
4アルキル、及びこれらの混合物である。
各Zは、独立して、水素、ハロゲン、直鎖又は分岐のC1〜C30アルキル、ニトリロ、N(R
3)
2−C(O)N(R
3)
2、−NHCHO(ホルムアミド)、 −OR
3、−O(CH
2)
nN(R
3)
2、−O(CH
2)
nN
+(R
3)
3X
−、−C(O)OR
4;−C(O)N−(R
3)
2
−C(O)O(CH
2)
nN(R
3)
2、−C(O)O(CH
2)
nN
+(R
3)
3X
−、−OCO(CH
2)
nN(R
3)
2、−OCO(CH
2)
nN
+(R
3)
3X
−、 −C(O)NH−(CH
2)
nN(R
3)
2、−C(O)NH(CH
2)
nN
+(R
3)
3X
−、−(CH
2)
nN(R
3)
2、−(CH
2)
nN
+(R
3)
3X
−であり、 各R
3は、独立して、水素、C
1〜C
24アルキル、C
2〜C
8ヒドロキシアルキル、ベンジル;置換ベンジル及びそれらの混合物であり、
各R
4は、独立して、水素又はC
1〜C
24アルキルであり、
【0086】
【化13】
Xは、水溶性アニオンであり;インデックスnは、1〜6である。
R
5は、独立して、水素、C
1〜C
6アルキル、 及びこれらの混合物である。
Zは、四級アンモニウムイオンを含む非芳香族窒素複素環、N−オキシド部分を含む複素環、窒素原子のうちの1つ以上が四級化されている芳香族窒素含有複素環、少なくとも1つの窒素がN−オキシドである芳香族窒素含有複素環、又はこれらの混合物から選択されることもできる。複素環式Z単位を含有する追加の重合性モノマーの非限定例としては、1−ビニル−2−ピロリジノン、1−ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド、並びに2−ビニルピリジン、2−ビニルピリジンN−オキシド、4−ビニルピリジン4−ビニルピリジンN−オキシドが挙げられる。
【0087】
カチオン電荷をその場で形成するように作製可能なZ単位の非限定的な例としては、−NHCHO単位、ホルムアミドが挙げられる。配合者は、一部が次プロセスで加水分解されてビニルアミン等価物を形成するホルムアミド単位を含むポリマー又はコポリマーを調製できる。
【0088】
本発明のポリマー及びコポリマーは、カチオン電荷を有するZ単位を含む、又はカチオン電荷をその場で形成する単位をもたらすZ単位を含む。本発明のコポリマーが、1を超えるZ単位、例えば、Z
1、Z
2、...Z
n単位を含む場合、コポリマーを含むモノマーの少なくとも約1%はカチオン単位を含む。
【0089】
本発明のポリマー類又はコポリマー類は、環状重合モノマーから誘導された1以上の環状ポリマー単位を含有してもよい。環状重合モノマーは、本明細書において、標準的な重合条件下で環状ポリマー残基を生じ、並びに直鎖に重合を拡大するように働くモノマーとして定義される。本発明の好適な環状重合モノマー類は、式:
【0090】
【化14】
式中、各R
4はそれぞれ独立して、重合を拡大可能で、更に隣接するR
4単位と環状残基を形成可能なオレフィン含有単位であり、R
5はC
1〜C
12の直鎖又は分岐鎖アルキル、ベンジル、置換ベンジル、及びこれらの混合物であり、Xは水溶性アニオンである。
【0091】
R
4単位の非限定的な例としては、アリル及びアルキル置換アリル単位が挙げられる。
一態様では、結果として得られる環状残基は、第四級窒素原子を含有する6員環である。
【0092】
R
5は、一態様では、C
1〜C
4アルキル、一態様では、メチルである。
【0093】
周期的に重合するモノマーの一例は、次式を有するジメチルジアリルアンモニウムである:
【0094】
【化15】
を有するメタクリルアミドトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジアリルアンモニウムから選択され、この化合物は、次の式:
【0095】
【化16】
式中、一態様では、繰り返し単位の数は、約10〜約50,000である。
【0096】
ポリマーは、架橋されてもよい。架橋モノマーの例には、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本発明による好適なポリマーの非限定的な例には、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、四級N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルレート、四級N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、四級N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、四級N,N−ジアルアリルアミノアルキルメタクリルアミド、ビニルアミンとその誘導体、アリルアミンとその誘導体、ビニルイミダゾール、四級ビニルイミダゾール、及びジアリルジアルキル塩化アンモニウムからなる群から選択される、1つ以上のカチオンのモノマーから作製されたコポリマーが挙げられる。
【0098】
また所望により、第2のモノマーは、アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C
1〜C
12アルキルアクリレート、C
1〜C
12ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアルキレングリオールアクリレート、C
1〜C
12アルキルメタクリレート、C
1〜C
12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、及び誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)並びにそれらの塩からなる群から選択される。
【0099】
ポリマーは、場合により架橋されていてもよい。架橋モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブタジエンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0100】
好適なカチオン性モノマーには、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2−(メタクリロイルアミノ)エチル]トリ−メチルアンモニウムクロリド(QDMAM)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、四級化ビニルイミダゾール、及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0101】
好適な第二モノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、C1〜C4アルキルアクリレート、C1〜C4ヒドロキシアルキルアクリレート、ビニルホルムアミド、ビニルアセテート、及びビニルアルコールが挙げられる。一態様では、好適な非イオン性モノマーは、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート及びこれらの誘導体である。
【0102】
別の態様では、好適な合成ポリマーには、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド−コ−アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−コ−アクリル酸)である。
【0103】
ii.ポリエチレンイミン及び誘導体
これらは、BASF AG(Ludwigschaefen,Germany)から商品名Lupasolで市販されている。一実施形態において、ポリエチレン誘導体は、商品名Lupoasol SKで販売されている、ポリエチレンイミンのアミド誘導体である。更に包含されるのは、アルコキシル化ポリエチレンイミン、アルキルポリエチレンイミン及び四級化ポリエチレンイミンである。
【0104】
iii.ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸との縮合生成物である、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂。最も一般的なPAE樹脂は、ジエチレントリアミンとアジピン酸との縮合と、後続のエピクロロヒドリンとの反応による生成物である。これらはHercules Inc.(Wilmington DE)から商品名Kymeneとして、又はBASF A.G.から商品名Luresinとして市販されている。
【0105】
本発明の安定組成物を表すポリマーには、Rheovis CDE(BASF)とFlosoft 222(SNF Floerger)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0106】
非イオン性ポリマー
本発明の組成物は、非イオン性ポリマーを含んでもよい。パーソナルケア組成物に使用される非イオン性ポリマーの非限定的な例には、メチルヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、アルヒネート(alhinate)多糖類ゲランガム(CP Kelcoから入手可能なKelcogel)、多糖類ゴム、ヒドロキシプロピルセルロース(Down/Amercholから入手可能なMethocel)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Herculesから入手可能なKlucel)、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアルキレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。特に有用な非イオン性ポリマーには、多糖類ゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0107】
消費者製品のための添加物質
本発明の目的には必須ではないが、以下に例示されている添加剤の非限定的なリストは、当該組成物中で使用するのに適しており、例えば、洗浄性能を補助若しくは向上させるために、洗浄すべき基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、本発明の特定の実施形態に組み込むのが望ましい場合がある。そのような添加物が、出願人の組成物の染料共役及び任意の色抜き剤成分に加わることを理解されたい。このような追加成分の明確な性質及びそれらを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及びそれが使用される洗浄作業の性質に依存する。好適な添加剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、布地柔軟化剤、キャリア、構造剤、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記開示に加えて、このような他の補助の好適な例、及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見られ、これらは参照により組み込まれる。
【0108】
上述の如く、補助成分は、本出願人らの組成物には必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態には、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟化剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料などの補助剤物質の1つ以上が含まれていない。しかし、1つ以上の補助剤を存在させる場合、このような1つ以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在させることも可能である。
【0109】
漂白剤−漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予め形成された過酸が挙げられる。好適な漂白剤の例には、無水過ホウ酸ナトリウム(モノ又はテトラ水和物)、無水過炭酸ナトリウム、テトラアセチルエチレンジアミン、ノナノイルオキシベンゼンスルフォナート、スルホン化亜鉛フタロシアン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0110】
漂白剤が使用されるとき、本発明の組成物は、対象となる洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更に約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでもよい。
【0111】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでもよく、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択されてよい。
【0112】
界面活性剤は、典型的には、標記組成物の約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%、又は更に約5重量%〜約40重量%の濃度で存在する。
【0113】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含んでもよい。ビルダーが使用される場合、対象組成物は、通常、対象組成物の少なくとも約1重量%、約5重量%〜約60重量%又は更に約10重量%〜約40重量%のビルダーを含む。
【0114】
ビルダーには、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属の炭酸塩、アルミノケイ酸塩ビルダー及びポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、並びに、例えば、メリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びにこれらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
キレート剤−本明細書の組成物は、キレート剤を含有することができる。好適なキレート剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0116】
キレート剤を使用する場合、組成物は、対象となる組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更に約3.0重量%〜約10重量%のキレート剤を含んでもよい。
【0117】
移染防止剤−本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
移染防止剤は、対象組成物に存在する場合、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%又は更に約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してもよい。
【0119】
分散剤−本発明の組成物はまた、分散剤を含むことができる。好適な水溶性有機物質としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はそれらの塩が挙げられ、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0120】
酵素−組成物は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼをアミラーゼと共に含む酵素カクテルである。
【0121】
上述の添加酵素は、洗浄組成物に存在する場合、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質の濃度で存在してよい。
【0122】
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤で使用する酵素を安定化させることができる。
本明細書に用いられる酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を改善するために、可逆性蛋白質分解酵素阻害剤を添加することができる。
【0123】
触媒金属錯体−本出願人らの組成物は、触媒金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンのような、定義された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムのカチオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全くもたない補助金属カチオン、並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して定義された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0124】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物を用いて触媒可能である。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0125】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載される。このようなコバルト触媒は、例えば、米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0126】
本明細書における組成物は、「MRL」と略される大多環状の剛性配位子の遷移金属錯体も好適に含み得る。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び方法は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、通常、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更に約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0127】
本明細書の遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えば、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0128】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。
【0129】
消費者製品の製造プロセス
本発明の洗浄組成物は、任意の好適な形態に処方されることができ、配合者によって選択される任意の方法によって調製されることができ、その非限定的な具体例は、出願者の例と、全て本明細書に参考として組み込まれる米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号に記載されている。
【0130】
使用方法
本発明の消費者製品は、いかなる従来の方法で使用されてもよい。要するに、消費者製品は、従来の方法及びプロセスによって設計され作製された消費者製品と同じように使用されてもよい。例えば、本発明の洗浄及び/又は処理組成物を使用して、部位、特に表面又は布地を洗浄し及び/又は処理することができる。典型的には、部位の少なくとも一部分が、適切な形態又は洗濯液で薄められた出願人の組成物の一実施形態と接触され、次に部位は、必要に応じて、洗浄され及び/又はすすがれる。本発明の目的に関して、洗浄としては、限定するものではないが、こすり洗い及び機械的撹拌が挙げられる。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯され得る任意の布地を含んでもよい。開示された洗浄組成物を含む洗浄液は、典型的には、約5〜約10.5のpHを有する。こうした組成物は、典型的には溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水温は、典型的には、約5℃〜約90℃であり、部位が布地を含む場合、水と布地との重量割合は、典型的には、約1:1〜約100:1である。
【0131】
本発明の消費者製品は、布地に塗布される液体の布地強化剤として使用されてもよく、次に、布地は、自然乾燥及び/又は自動乾燥機によって乾燥される。
【0132】
品質管理方法
一態様では、品質管理プロセスは、変数Y、X、b、及びaを含む式を使用することを含み、前記変数は、ポリマーが二相系に使用できるかどうかを決定するために、次の式の順序で配列され:
Y=bX
a
式中、
Xは、溶媒ポリマー溶液のポリマー濃度であり、
Yは、0.01 1/sの剪断速度におけるポリマー溶媒溶液粘度であり、
bは、Xが1に外挿され、指数aが、適合度の範囲にわたって4以上のときの外挿溶媒ポリマー溶液粘度であり、
指数aが、4以上のときに、Xの範囲の少なくとも0.1%超え、少なくとも0.2%、0.2%〜約1%、更には0.2%〜約0.5%が、0.001重量%〜25重量%ポリマーと等しい前記ポリマーを適格にする、品質管理プロセスが開示される。
【実施例】
【0133】
溶媒相は、約0.1ppmの塩酸を脱イオン水に加えることによって重量測定法により調製された。一連のポリマー溶媒溶液は、対数的にポリマー溶媒溶液の0.01〜1ポリマー重量パーセントの間になるように調製された。各ポリマー溶媒溶液は、重量測定法で、ポリマーと溶媒を、SpeedMixer DAC 150 FVZ−K(サウスカロライナ州ランドラムのFlackTek Inc.によって作製された)によって、」最大60又は最大100カップ内で2,500RPMで1分間、ポリマー溶媒溶液の目標ポリマー重量パーセントに混合することによって調製された。粘度は、各ポリマー溶媒溶液の剪断速度の関数として、DSR 301測定ヘッド及び同心シリンダ形状を有するAnton Paarレオメータを使用して、40の異なる剪断速度で測定された。各測定値の時間微分は、180及び10秒の範囲の対数であり、測定値の剪断速度範囲は、0.001〜500 1/sであった(低剪断速度から高剪断速度まで得た測定値)。
【0134】
【表1】
#0.01 1/sの剪断速度における粘度
【0135】
0.01 1/sの剪断速度における粘度は、ポリマー溶媒溶液のポリマー重量パーセントの関数として、式Y=bX
aを使用して適合され、Xは、溶媒ポリマー溶液中のポリマー濃度であり、Yは、溶媒ポリマー溶液粘度であり、bは、Xが1に外挿され、指数aが、指数aが最高値の場合にポリマー濃度範囲にわたるポリマー濃度粘度の換算累乗(scaling power)のときの外挿ポリマー溶媒溶液粘度である。
【0136】
【表2】
* ポリマーIはドイツ国ルートウィックスハーフェンのBASF Corp.によって供給され、ポリマーIIはフランス国SNF Floerger 42163 Andrezieux Cedexによって供給され、ポリマーIIIはアメリカ合衆国コンビトンのAshland Inc.によって供給された。
【0137】
二相溶液の組成を表3に示す。これらの二相溶液は、次のように調製される。
1.溶媒相を約70℃に加熱し、
2.消泡剤、防腐剤及びDTPAを溶媒相に加えて第1の混合物を作製し、
3.布地柔軟化活性剤を低分子量アルコールと共に約70℃で共溶融させ、
4.高剪断混合を使用して柔軟化活性剤を第1の混合物に加えて溶融柔軟化活性剤を分散させて第2の混合物を作製することによって調製される。
5.塩化カルシウム溶液を加え、冷却コイル内に循環された冷水を使用して二相溶液を25℃に冷却する。
6.オーバーヘッドミキサを使用して、香料、カプセル化香料、PDMSエマルジョン及び染料を加える。
【0138】
【表3】
a N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド。
b DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)
c Dowから入手可能なKoralone(商標)B−119
d DC2310の商品名でDow Corning(登録商標)から入手可能なシリコーン消泡剤
e Dow Corning(登録商標)から商品名DC346で入手可能なポリジメチルシロキサンエマルション。
【0139】
4より大きい値を有するポリマーを室温でオーバーヘッド混合しながら二相溶液に加えて、安定した二相ポリマー混合物を形成する。4より小さい指数値を有するポリマーを含む二相溶液は、不安定であり、相分離し、消費者製品には不適格である。4より大きい値を有するポリマーを含む二相溶液は、安定しており、単相であり続ける。
【0140】
【表4】
【0141】
ポリマーI及び/又はIIを含む二相溶液は、布地強化製品として使用される。消費者は、すすぎサイクル中に約25gを衣類洗浄機に投入する。これは、洗浄水に直接加えられてもよく、又は自動布地柔軟化剤小出し装置に注入されてもよい。衣類は、自然乾燥又は機械乾燥される。溶液を含むこれらの二相ポリマーを使用することにより、衣類に満足できる柔軟性が提供される。
【0142】
実施例2品質管理
溶媒相は、脱イオン水である。同じポリマーの3つのバッチが考慮される。一連のポリマー溶媒溶液が、ポリマーロットごとに、0.01〜1ポリマー重量パーセントの対数的な範囲のポリマー溶媒溶液に調製される。各ポリマー溶媒溶液は、重量測定法で、ポリマーと溶媒を、SpeedMixer DAC 150 FVZ−K(サウスカロライナ州ランドラムのFlackTek Inc.によって作製された)によって、Max 60又はMax 100カップ内で2,500RPMで1分間、ポリマー溶媒溶液の目標ポリマー重量パーセントに混合することによって調製される。粘度は、各ポリマー溶媒溶液の剪断速度の関数として、DSR 301測定ヘッド及び同心シリンダ形状を有するAnton Paarレオメータを使用して、40の異なる剪断速度で測定された。各測定値の時間微分は、180及び10秒の範囲の対数であり、測定値の剪断速度範囲は、0.001〜500 1/sである(低剪断速度から高剪断速度まで行われた測定値)。
【0143】
0.01 1/sの剪断速度における粘度は、ポリマー溶媒溶液のポリマー重量パーセントの関数として、式Y=bX
aを使用して適合され、式中、Xは、溶媒ポリマー溶液中のポリマー濃度であり、Yは、ポリマー溶媒溶液粘度であり、bは、Xが1に外挿され、指数「a」が最大値の場合に指数「a」がポリマー濃度範囲にわたるポリマー濃度粘度の換算累乗であるときの外挿溶媒ポリマー溶液粘度である。ポリマーロットL1及びL2は、4より大きい指数「a」を有し、L3は、4未満の指数を有する。
【0144】
二相溶液の組成は、S4の表3としてリストされる。組成物は、次のように調製される。
1.溶媒相を約70℃に加熱する。
2.消泡剤、防腐剤及びDTPAを溶媒相に加えて第1の混合物を作製する。
3.布地柔軟化活性剤を低分子量アルコールと共に約70℃まで共溶融する。
4.高剪断混合を使用して柔軟化活性剤を第1の混合物に加えて溶融柔軟化活性剤を分散させて第2の混合物を作製する。
5.塩化カルシウム溶液を加え、冷却コイル内に循環された冷水を使用して二相溶液を25℃に冷却する。
6.オーバーヘッドミキサを使用して、香料、カプセル化香料、PDMSエマルジョン及び染料を加える。
【0145】
ポリマーロットL1及びL2は、室温でオーバーヘッド混合により二相溶液に加えられて、安定した二相ポリマー混合物が作製される。ポリマーロットL3を含む二相溶液は不安定で相分離しており、これは、消費者製品には不適格である。4より大きい指数「a]を有するポリマーロットを含む二相溶液は、安定しており、単相であり続ける。これにより、二相混合物を含むポリマーが作製される前に、ポリマーの品質が二相混合物中で安定することが保証される。
【0146】
ポリマーロットL1及び/又はL2を含む二相溶液は、布地強化製品として使用される。消費者は、すすぎサイクル中に約35gを布洗浄機に投入する。これは、洗浄水に直接加えられてもよく、自動布地柔軟化剤小出し装置内に注入されてもよい。衣類は、自然乾燥されてもよく、機械乾燥されてもよい。二相ポリマーを含むこれらの溶液を使用することにより、衣類に適した柔軟性が提供される。
【0147】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0148】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書における用語に与えられた意味又は定義が適用される。
【0149】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。