特許第6334508号(P6334508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6334508-粘性洗浄剤組成物 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334508
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】粘性洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20180521BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 1/10 20060101ALI20180521BHJP
   C11D 1/18 20060101ALI20180521BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20180521BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20180521BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20180521BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20180521BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20180521BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20180521BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   C11D17/08
   C11D3/37
   C11D3/20
   C11D1/04
   C11D1/29
   C11D1/10
   C11D1/18
   A61Q19/10
   A61Q5/02
   A61K8/36
   A61K8/46
   A61K8/44
   A61K8/73
   A61K8/34
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-501367(P2015-501367)
(86)(22)【出願日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】JP2014051327
(87)【国際公開番号】WO2014129257
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2016年9月6日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2013/054540
(32)【優先日】2013年2月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 順也
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−014710(JP,A)
【文献】 特開2011−057979(JP,A)
【文献】 特開2012−180384(JP,A)
【文献】 特開2007−176800(JP,A)
【文献】 特開2001−181178(JP,A)
【文献】 特開2004−075596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 17/08
A61K 8/34
A61K 8/36
A61K 8/44
A61K 8/46
A61K 8/73
A61Q 5/02
A61Q 19/10
C11D 1/04
C11D 1/10
C11D 1/18
C11D 1/29
C11D 3/20
C11D 3/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)〜(C):
(A)アニオン性界面活性剤 7〜20質量%
(B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2質量%
(C)IOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下のエタノール及びIOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下の多価アルコール 3〜20質量%
を含有する粘性洗浄剤組成物(3倍以上に水希釈して用いるものを除く)。
【請求項2】
前記多価アルコールが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、液状のポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上である請求項記載の粘性洗浄剤組成物(3倍以上に水希釈して用いるものを除く)。
【請求項3】
前記成分(B)におけるセルロースの水酸基の水素原子が、水酸基を有していてもよいアルキル基及び/又は水酸基を有してもよいアルキル−オキシアルキレン基と置換されているものである請求項1又は2に記載の粘性洗浄組成物(3倍以上に水希釈して用いるものを除く)。
【請求項4】
前記成分(B)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜の何れか一項記載の粘性洗浄組成物(3倍以上に水希釈して用いるものを除く)。
【請求項5】
前記成分(A)が、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸アミン塩及びN−アシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜の何れか一項記載の粘性洗浄組成物(3倍以上に水希釈して用いるものを除く)。
【請求項6】
前記成分(A)が、高級脂肪酸塩であり、当該高級脂肪酸の炭素数が12〜22である請求項1〜の何れか一項記載の粘性洗浄組成物(3倍以上に水希釈して用いるものを除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプーや洗顔料、ハンドソープ等の洗浄剤組成物は、洗浄料と起泡性や使用後の使用感を得るために、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤をはじめ、様々な種類の洗浄剤の配合について検討がなされている。
また、液状の洗浄剤組成物を使用する際に、適度な粘性を有する洗浄剤組成物の方が、取り扱いが容易であり、洗浄効果や起泡性も良好となるので、洗浄剤組成物の粘性の調整も検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、従来のアニオン性界面活性剤を主成分とした洗浄料では、洗いあがりのサッパリ感やベタツキ感等で十分と言えず、また起泡性や保存安定性も十分でなかったことが記載されている。そして、特許文献1には、これを解決するため、長鎖アシル低級アルキルタウリン塩を0.05〜5重量%とタルクを0.01〜0.5重量%を含有する皮膚洗浄料が提案されている。
また、特許文献2には、起泡性に優れ、皮膚に対して低刺激で透明ないし半透明のゲル状皮膚洗浄料として、親水性ポリグリセリン脂肪酸エステル、アクリル系ポリマーの一種以上、アルキルポリグルコシドを含有する透明ないし半透明のゲル状皮膚洗浄料が提案されている。
使用者にとって、使用する際に適度な粘度があり、また泡立ち及び泡持ちが良好であり、洗浄後の使用感も良好である洗浄剤組成物が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−55320号公報
【特許文献2】特開2003−73255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、使用する際に適度な粘度があり、また泡立ち及び泡持ちが良好であり、かつ洗浄後の使用感も良好である粘性洗浄剤組成物を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、一般的に粘性や起泡性を低下させると考えられているエタノール又は多価アルコールを使用しても、アニオン性界面活性剤及びノニオン性セルロース誘導体とを特定量組み合わせることで、飛躍的に粘性が増大することを見出し、本発明を完成させた。さらに、本発明者は、アニオン性界面活性剤の使用量を減らしても使用する際に適度な粘度があり、また泡立ち及び泡持ちが良好であり、かつ洗浄後の使用感も良好である粘性洗浄剤組成物を得ることができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、成分(A)アニオン性界面活性剤 3〜25質量%、成分(B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2.5質量%、成分(C)エタノール及び/又は多価アルコール 3〜20質量%、を含有する粘性洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、使用する際に適度な粘度があり、また泡立ち及び泡持ちが良好であり、かつ洗浄後の使用感も良好である粘性洗浄剤組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の粘性洗浄剤組成物及び従来の洗浄剤組成物の50〜5℃の温度範囲における粘度変化を示す図である。なお、試験例5(比較品)の5℃の粘度は測定上限値2,000,000を超える高粘度であった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示について詳細に説明する。
本開示は、成分(A)アニオン性界面活性剤、成分(B)ノニオン性セルロース誘導体、成分(C)エタノール及び/又は多価アルコールを含有する粘性洗浄剤組成物である。
【0011】
従来、洗浄剤組成物に使用に適した粘性を付与させるために、界面活性剤の濃度を高くして脂肪酸析出や界面活性剤同士のイオン的構造形成による増粘技術が用いられている。また、流動性のあるボディーソープのように比較的界面活性剤濃度が低い洗浄料では、水溶性高分子を多量に配合することで、増粘剤を補うことが一般的である。
しかしながら、界面活性剤の濃度が高い場合には、使用者は、すすぎ後に、肌残りやスカム付着によるツッパリ感、膜感を感じる。また、増粘性の水溶性高分子を配合した場合には、使用者は、ヌルツキや肌残りを感じる。このような肌残り感、肌のツッパリ感、ヌルツキ感等は不快な使用感であるので、できるだけ軽減できることが望ましい。
これらの不快な使用感を軽減するために種々の試みがなされているが、界面活性剤濃度を低くすると洗浄剤組成物の粘性が低下し、保存安定性が損なわれるだけではなく、泡立ち、泡持ちも低下する。
一方、エタノール及び多価アルコールのようなアルコールは、粘性を低下させたり、消泡する働きがあることは当業者にとって周知である。このことから、当業者であれば、アルコールを、洗浄剤組成物の粘性を増粘させるための技術に使用したり、洗浄剤組成物の泡立ちや泡持ちの低下を抑制するために使用することは着想できない。
ところが、粘性の低下又は消泡の原因とされるエタノール又は多価アルコールと、アニオン性界面活性剤と、ノニオン性セルロース誘導体とを特定量組み合わせることで、全く意外にも粘性が相乗効果的に増大することを見出した。しかも、この組み合わせの洗浄剤組成物は、アニオン性界面活性剤の含有量を少なくしても使用時に適度な粘性を有すること、また洗浄後の使用感も良好であることも見出した。
【0012】
すなわち、本開示の粘性洗浄剤組成物は、前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)を組み合わせると共に、これら各成分を特定量にすることが重要である。前記成分(A)の含有量3〜25質量%、前記成分(B)の含有量1〜2.5質量%、前記成分(C)の含有量3〜20質量%とすることが好適である。
これにより、本開示の粘性洗浄剤組成物は、通常使用者が使用する温度帯において、安定的で適度な粘度にすることができる。使用する際に適した粘度に調整可能な点は、従来の洗浄剤組成物は特に30℃以下で使用するときには必要以上に粘度が高くなりやすいことからすると、本開示の粘性洗浄剤組成物の利点と言える。
本開示の粘性洗浄剤組成物の粘度は、5℃において、1,000,000mPa・s以下、より900,000mPa・s以下に調整でき、また5,000mPa・s以上に調整できる。
また、本開示の粘性洗浄剤組成物の粘度は、30℃において、1,000mPa・s以上、より2,000mPa・s以上に調整でき、また200,000mPa・s以下に調整できる。
また、本開示の粘性洗浄剤組成物の5℃の粘度/30℃の粘度の粘度比は、3.0〜5.6の範囲にするのが好適である。
また、本開示の粘性洗浄剤組成物の粘度は、5〜50℃の温度帯において、1,000〜900,000mPa・sの範囲内に調整することが可能である。さらに好ましくは2,000〜500,000mPa・sの範囲、より好ましくは5,000〜400,000Pa・sの範囲に調整するのが好適である。
しかも、本開示の粘性洗浄剤組成物は、良好な泡立ち及び泡持ちを有し、良好な洗浄後の使用感を有する。
【0013】
本開示における「粘度」は、特定の温度に調整した恒温槽に24時間放置したものを単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、ローターやその回転数、及び測定時間を適宜調節しながら適性粘度域にて測定した値である。
【0014】
本開示に用いられる成分(A)アニオン性界面活性剤は、特に限定されず、以下に示すアニオン性界面活性剤の例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。
前記成分(A)として、例えば、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルタウリン塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルフォン化脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。また対塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルチニン、オキシリジン等が挙げられる。このうち、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシルメチルタウリン塩が好適である。
【0015】
前記成分(A)に用いられる高級脂肪酸塩は、特に限定されないが、例えば、飽和若しくは不飽和の脂肪酸が挙げられ、また直鎖若しくは分岐鎖の脂肪酸が挙げられる。
また、高級脂肪酸塩の脂肪酸の炭素数は、好ましくは8〜22であり、より好ましくは12〜22である。
前記高級脂肪酸塩における「脂肪酸」は単一脂肪酸の他、混合脂肪酸が挙げられるが、この例示として、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、リチノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノエライジン酸及びリノレン酸等の単一脂肪酸;ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸及びパーム核油脂肪酸等の混合脂肪酸が挙げられる。このうち、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸及びパーム核油脂肪酸である。
【0016】
前記高級脂肪酸は塩基であらかじめ中和されたものを用いることができるが、製造時に別々に配合することで中和して用いる等いずれの場合においても可能である。
このような中和する塩基(以下、「対塩基」ともいう。)としては、特に限定されず、無機塩基性塩又は有機塩基性塩の何れでもよい。
無機塩基性塩として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基;水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩基等が挙げられる。
有機塩基性塩として、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。
前記高級脂肪酸塩における対塩基のうち、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩である。
【0017】
上述した高級脂肪酸塩は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
前記成分(A)に用いられるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、特に限定されない。
付加重合される酸化エチレンのモル数は、好ましくは1モル以上、より好ましくは1〜30モル、さらに好ましくは、洗浄力、起泡力の点から1〜10モルである。
また、アルキル基は、直鎖又は分岐鎖の何れでもよく、当該アルキル基の炭素数は、好ましくは8〜22であり、より好ましくは12〜22である。当該アルキル基の例示として、例えば、ラウリル、ミスチル、パルミチル、ステアリル、ヤシ油等が挙げられ、このうちラウリルが好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸は塩基であらかじめ中和されたものを用いることができるが、製造時に別々に配合することで中和して用いるなどいずれの場合においても可能である。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩における「対塩基」としては、前記高級脂肪酸塩と同様の「対塩基」が例示できるが、好ましくは、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩及びアンモニウム塩である。
【0019】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の例示として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸マグネシウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸モノエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸トリエタノールアミン及びポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸アンモニウム等が挙げられる。このうち、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウムが好ましい。
【0020】
上述したポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
前記成分(A)に用いられるN−アシルアミノ酸塩は、特に限定されない。
N−アシルアミノ酸塩における「N−アシルアミノ酸」としては、N−アシルグルタミン酸、N−アシルアスパラギン酸、N−アシル−DL−アラニン、N−アシル−N−メチル−β−アラニン、N−アシルサルコシン及びN−アシルグリシン等が挙げられる。
前記「N−アシルアミノ酸」における「N−アシル」は炭素数8〜22の長鎖のものが好適である。当該「N−アシル」として、炭素数8〜22の飽和の脂肪酸が良好に使用でき、単一のアシル基、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸等から誘導されるアシル基、又はそれらの混合物でもよい。
前記「N−アシルアミノ酸」における「N−アシル」の例示として、例えば、N−ラウロイル、N−ミリストイル、N−パルミトイル、N−ステアロイル、N−オレオイル及びN−ヤシ油脂肪酸アシル(N−ココイルともいう)が挙げられる。このうち、N−ラウロイル及びN−ヤシ油脂肪酸アシルが好ましい。
【0022】
前記N−アシルアミノ酸塩における「対塩基」として、前記高級脂肪酸塩と同様の「対塩基」が例示できる。
前記N−アシルアミノ酸塩における「対塩基」のうちの「有機塩基性塩」として、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩;アルギニン、リジン及びヒスチジン等のアミノ酸塩が挙げられる。
N−アシルアミノ酸は塩基であらかじめ中和されたものを用いることができるが、製造時に別々に配合することで中和して用いるなどいずれの場合においても可能である。
【0023】
前記N−アシルアミノ酸塩のうち、N−アシルグルタミン酸塩が好ましい。
前記N−アシルグルタミン酸塩の例示として、例えば、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン等が挙げられる。
前記N−アシルアミノ酸塩のうち、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸等のN−長鎖アシルグルタミン酸のトリエタノールアミン塩が、十分な洗浄効果を有しつつ、刺激感が少なく好ましい。
【0024】
上述したN−アシルアミノ酸塩は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0025】
前記成分(A)に用いられるN−アシルメチルタウリン塩は、特に限定されない。
前記N−アシルメチルタウリン塩における「Nーアシル」として、前記N−アシルアミノ酸塩と同様の「Nーアシル」が例示できる。N−アシルメチルタウリン塩において、N−ミリストイルが好ましい。
前記N−アシルメチルタウリン塩の例示として、例えば、N−ラウロイルメチルタウリン塩、N−ミリストイルメチルタウリン塩、N−パルミトイルメチルタウリン塩、N−ステアロイルメチルタウリン塩、N−オレオイルメチルタウリン塩、N−ヤシ油メチルタウリン塩等が挙げられる。
前記N−アシルメチルタウリン塩における「対塩基」として、前記高級脂肪酸塩と同様の「対塩基」が例示できる。この対塩基のうち、ナトリウム塩、カリウム塩及びトリエタノールアミン塩が、洗浄効果に加えて洗浄後の肌のつっぱり感を低減する点で、より好ましい。
N−アシルメチルタウリン塩は塩基であらかじめ中和されたものを用いることができるが、製造時に別々に配合することで中和して用いるなどいずれの場合においても可能である。
さらに、前記N−アシルメチルタウリン塩の例示として、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリンカリウム及びN−ミリストイルメチルタウリントリエタノールアミンが、肌のつっぱり感を低減する効果が高いので、より好ましい。
【0026】
上述したN−アシルメチルタウリン塩は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0027】
本開示の成分(A)アニオン性界面活性剤の含有量は、粘性洗浄剤組成物中、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは、5〜25質量%、よりさらに好ましくは、7〜20質量%である。
【0028】
本開示の成分(A)〜(C)を組み合わせることで、粘度、泡立ち及び泡持ちが低下することなく、アニオン性界面活性剤を25質量%以下に低減することが可能となる。アニオン性界面活性剤の含有量を低減できることは、洗浄後の使用感が良好となるので、本開示の粘性洗浄剤組成物の大きな利点である。
【0029】
本開示に用いられる成分(B)ノニオン性セルロース誘導体は、特に限定されず、以下に示すノニオン性セルロース誘導体の例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。
前記ノニオン性セルロース誘導体の分子量は特に限定されないが、分子量は、好ましくは2万〜100万、より好ましくは4万〜70万、さらに好ましくは10万〜50万である。当該分子量は、GPC−MALLSにて測定可能である。
前記成分(B)ノニオン性セルロース誘導体は、セルロースの水酸基の水素原子が、水酸基を有していてもよいアルキル基、及び/又は水酸基を有してもよいアルキル−オキシアルキレン(アルキル−(OA)n−)基〔Oは酸素、Aはアルキレン基、nは付加モル数〕と置換されているものが好適である。このような水酸基を有していてもよいアルキル基及び/又は水酸基を有してもよいアルキル−オキシアルキレン基で置換されているノニオン性セルロール誘導体を、本開示では「ヒドロキシアルキルセルロース」という。
当該置換度は、好ましくは0.2〜3.0、より好ましくは0.5〜2.5、さらに好ましくは1.0〜2.0である。なお、この置換度は、日本薬局方 ヒプロメロース定量法を参考に測定可能である。
前記アルキル基は直鎖、分岐鎖又は環状の何れでもよいが、好ましくは直鎖及び分岐鎖である。また、前記アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のもの、より好ましくは1〜6のものが好適である。
前記アルキレン基は、炭素数1〜6のものが好適であり、このうちエチレン基が好ましい。前記nは、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4である。
前記ヒドロキシアルキルセルロースの粘度(cps、1.0重量%水溶液)は、200〜20,000程度が好ましい。
【0030】
前記ヒドロキシアルキルセルロースのうち、ヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースが好適である。このヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、前記「オキシアルキレン基」が付加されているものも含む意味である。
当該ヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースとして、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等が挙げられる。このうち、HPMC、HECを用いるのが好適である。
前記ヒドロキシアルキルセルロースは、公知の製造方法にて得ることも可能であり、また市販品を用いればよい。市販品として、例えば、HPMC(メトローズ65SH-15000;信越化学工業社製)、HEC(NATROSOL250HHR;ハークレス社製)、MEHEC(STRUCTURE CEL 8000M;AkzoNobel社製)、EHEC(STRUCTURE CEL 4400E;AkzoNobel社製)等が挙げられる。
【0031】
本開示の(B)ノニオン性セルロース誘導体の含有量は、粘性洗浄剤組成物中、好ましくは1〜2.5質量%、より好ましくは1〜2質量%である。
【0032】
水溶性高分子の増粘剤として、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)等のセルロース誘導体及びキサンタンガムがよく知られているが、これらを洗浄剤組成物に含有させても、使用時の適度な粘度が得られなかった。しかし、セルロース誘導体のなかでもノニオン性セルロース誘導体であれば、成分(A)及び成分(C)と組み合わせることで、ノニオン性セルロース誘導体が少量であっても、飛躍的に粘度を上昇させることが可能である。セルロース誘導体が少量であればスカム付着等が低減できるので洗浄後の使用感も良好であり、また使用時の洗浄剤組成物の粘度も適度であることは、本開示の粘性洗浄剤組成物の大きな利点である。
【0033】
本開示に用いられる成分(C)は、エタノール及び/又は多価アルコールであり、以下に示すアルコール類の例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。
本開示に用いられる成分(C)は、エタノール及び/又は多価アルコールは、IOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下のものが好適である。IOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下のアルコールとして、例えば、エタノール(2.5)、プロピレングリコール(3.3)、ジプロピレングリコール(1.8)、1,3−ブチレングリコール(2.5)、1,2−ペンタンジオール(2.0)、PEG−8(MW400)(2.3)が挙げられる(参考文献1:藤田穆の有機概念図:「化学の領域」Vol.11,No.10(1957)719−725参照)。
【0034】
本開示に用いられる成分(C)の多価アルコールは、特に限定されない。
多価アルコールとして、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコール等が挙げられる。
本開示に用いられる成分(C)のうち、1〜2価アルコールであるのが好適であり、さらに、エタノール、並びに、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及び1,2−ペンタンジオールが好ましい。また、多価アルコールのうちで、ジプロピレングリコールが、増粘効果が高く、感触的にさらっとしたしっとり感で、べたつき感が少ないので、好ましく、また、多価アルコールのうちで、ポリエチレングリコールが、量による粘度変化が少ないので、好ましい。
また、成分(C)のうちで、エタノールが好ましい。
【0035】
本開示の成分(C)エタノール及び/又は多価アルコールの含有量は、粘性洗浄剤組成物中、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは3〜18質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。当該成分(C)のアルコール中に、エタノールを好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上含むことが望ましい。また、エタノール:多価アルコールの含有量比は、好ましくは1:0.1〜10、より好ましくは1:0.2〜5である。
【0036】
エタノール及び多価アルコールのようなアルコールは、一般的に洗浄剤組成物の粘性を低下させたり、消泡する働きがあることが知られている。特にエタノールは強い粘性低下作用及び消泡作用があるため、粘性向上のためにエタノールを洗浄剤組成物に含有させることは当業者にとって思いつかないことである。
しかしながら、本発明の洗浄剤組成物のように、エタノールと、成分(A)及び成分(B)の3成分を組み合わせた場合には、逆に粘度が飛躍的に向上し、使用に適した粘性洗浄剤組成物に調整することが可能である。しかも、エタノールを含有させ、成分(A)を少量化しても、泡立ち及び泡持ちの面でも良好であり、ツッパリ感やぬめり感がないので素肌感が良好である。
また、本開示の洗浄剤組成物のように、界面活性剤を少量にした際に、多価アルコールを使用し、多価アルコールと、成分(A)及び成分(B)の3成分を組み合わせた場合には、逆に粘度が飛躍的に向上し、泡立ち、泡持ちの面でも良好となる。これにより、界面活性剤を少量にした場合でも、系の粘度保持、泡立ち、泡持ちの面で良好であり、しっとり感といった使用感でも良好である。
この成分(C)のうち、使用後の素肌感を高める場合にはエタノールを用いるのがより好適であり、使用後のしっとり感を高める場合には多価アルコールを用いるのがより好適である。
また、本開示の成分(C)を特定の数値範囲にすることにより、経時的安定性及び泡立ちがより良好になるので好適である。
【0037】
本開示の粘性洗浄剤組成物には、上記成分(A)〜(C)の他に、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分を、本技術の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
当該成分として、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等)、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、粉体、パール光沢付与剤、皮膜形成剤、樹脂、塩類、pH調整剤、キレート剤、有機酸、紫外線吸収剤、清涼剤、抗菌剤、香料、消臭剤、保湿剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類等が挙げられる。
【0038】
成分(A)以外の界面活性剤として、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が挙げられるが、これらを必要に応じて本開示の粘性洗浄剤組成物に含有させることができる。
【0039】
両性界面活性剤として、例えば、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型;硫酸エステル型;スルホン酸型;リン酸エステル型のもの等が挙げられる。
両性界面活性剤のより具体的な例示として、例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、リン脂質等を例示することができ、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0040】
ノニオン性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を例示することができ、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、パルミチン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステルが、好ましい。
【0041】
カチオン性界面活性剤として、例えば、モノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩またはエチレンオキサイド付加型の第4級アンモニウム塩、ジココイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩等を例示することができ、必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
なお、「長鎖アルキル」及び「エチレンオキサイド」として、上述したものを挙げることができる。
【0042】
本開示において成分(D)液状〜半固形状油剤を用いることが好ましく、当該成分(D)としては、炭化水素油類、エステル油類、油脂類、シリコーン類等の油性成分を使用できる。
例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ワセリン等の炭化水素類;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類;パーム油、パーム核油、オリーブ油、サフラワー油,大豆油、綿実油等に代表される植物油脂、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油等の油脂類;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等のシリコーン類等が挙げられる。これらを必要に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
成分(D)油剤を含有量は、本開示の粘性洗浄剤組成物中、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましく0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
【0043】
本開示において、キレート剤及び有機酸を用いることが、前記成分(A)高級脂肪酸塩を使用したときに増粘性が向上するので、好適である。
キレート剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン五酢酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられ、また、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、バリウム塩等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜使用することができる。
このうち、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、エチレンジアミン四酢酸三カリウム、エチレンジアミン四酢酸四カリウム、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸カリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0044】
前記キレート剤の含有量は、本開示の粘性洗浄剤組成物中、好ましくは0.001〜3質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。
【0045】
前記有機酸として、例えば、炭素数10以下の有機酸が好ましい。当該有機酸として、例えば、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の炭素数10以下の短鎖アルキル基を有する酸;L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳香族酸;ヒドロキシ酸等が挙げられる。
前記ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜使用することができる。
このうち、ヒドロキシ酸(より好適にはクエン酸)が好ましい。
【0046】
前記有機酸の含有量は、本開示の粘性洗浄剤組成物中、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。
【0047】
本開示の粘性洗浄剤組成物の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、上記成分(A)〜(C)及び必要に応じ上記任意成分を加え、これを混合することにより調製することができる。
前記混合には、パドルミキサーやアジディスパー等の混合攪拌機器を用いることで製造できる。また、前記混合温度は40〜90℃(好適には40〜70度)で行うのが好ましい。
【0048】
斯くして得られる本開示の粘性洗浄剤組成物は、使用する際に適度な粘度があり、また泡立ち及び泡持ちが良好であり、かつ洗浄後の使用感も良好であるので、頭髪や皮膚の洗浄に好適であり、シャンプー、ハンドソープ、ボディシャンプー、洗顔料等としてボトル容器、ポンプ容器、チューブ容器等の容器に入れて使用することができる。また、本開示の粘性洗浄剤組成物の粘性はほとんどpHに依存していないという利点がある。
本開示の粘性洗浄剤組成物の形態は、特に限定されないが、本開示の粘性洗浄剤組成物は使用時の温度帯において概ね安定的な粘度の範囲にあることから、ディスペンサー付きポンプ容器、チューブ容器を用いての使用が好ましい。
【0049】
なお、本技術は、以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕 成分(A)〜(C):
(A)アニオン性界面活性剤 3〜25質量%
(B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2.5質量%
(C)エタノール及び/又は多価アルコール
3〜20質量%
を含有する粘性洗浄剤組成物。
〔2〕 前記成分(C)が、IOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下のものである前記〔1〕記載の粘性洗浄剤組成物。
〔3〕 前記成分(C)が、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、液状のポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上である前記〔1〕又は〔2〕記載の粘性洗浄剤組成物。
〔4〕 前記成分(C)がエタノールである前記〔1〕〜〔3〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
さらに、多価アルコールを含んでもよく、このうち、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、液状のポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好適である。
〔5〕 前記成分(B)におけるセルロースの水酸基の水素原子が、水酸基を有していてもよいアルキル基及び/又は水酸基を有してもよいアルキル−オキシアルキレン基で置換されているものである前記〔1〕〜〔4〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
〔6〕 前記成分(B)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)から選ばれる1種又は2種以上である前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
〔7〕 前記成分(A)が、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸アミン塩及びN−アシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上である前記〔1〕〜〔6〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
〔8〕 前記成分(A)が、少なくとも高級脂肪酸塩を含有するものであり、当該高級脂肪酸の炭素数が12〜22である前記〔1〕〜〔7〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
〔9〕 前記成分(A)が、さらにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を含有するものである前記〔1〕〜〔8〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
〔10〕 前記粘性洗浄剤組成物の粘度が、5〜50℃において、1,000〜1,000,000mPa・sである前記〔1〕〜〔9〕の何れか1項記載の粘性洗浄組成物。
【実施例】
【0050】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0051】
試験例1−3:洗顔料
表1に示す組成の洗顔料を下記の製造方法により調製し、単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、粘度を測定し、結果を併せて表1に示した。
【0052】
〔製造方法〕
1. No.1〜3を70℃で加熱溶解後、あらかじめNo.4とNo.10を混合溶解し70℃に加熱したものを添加し、中和する。これらにNo.7,8を添加し、溶解する。
2. No.5を70℃にて1にゆっくりと分散させ、5分攪拌する。
3. 2の後冷却しながら、攪拌を継続し、40℃まで攪拌する。
4. 3の後40℃にてNo.6を添加し、粘性が出るまで攪拌する。
5. 4にNo.9を添加混合後、取り出して容器に充填し、洗顔料を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
試験例4−5
本開示の粘性洗浄剤組成物と、従来の洗浄剤組成物における各温度と粘度との関係を、単一円筒回転式粘度計にて測定し、その結果を図1及び表2に示す。
実施品の主たる構成;脂肪酸13%、HPMC 1.6%、EtOH 8%
比較品の主たる構成;脂肪酸30%、HPMC 1%、1,3−BG 0.77%
【0055】
【表2】
【0056】
試験例1−3に示すように、アニオン性界面活性剤及びノニオン性セルロース誘導体に、エタノールを含有させたことで、粘性洗浄剤組成物の飛躍的に粘度が上昇することが認められた。さらに、試験例4−5に示すように、この3成分を組み合わせて含有させた粘性洗浄組成物は、50〜5℃の温度帯において、安定的で適度な粘度にできることが確認できた。このように、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含有する粘性洗浄組成物は、使用する際に適度な粘度を有するものである。
【0057】
実施例1−31及び比較例1−9:洗顔料
表3〜5に示す組成の洗顔料を下記の製造方法により調製し、「泡立ち・泡質」、「溶け」、「洗浄後のヌルつきの無さ」、「洗浄後の肌のツッパリ感の無さ」、「洗浄後の肌のしっとり感」の項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表3〜5に示した。
なお、表3〜5中の、HPMC、HEC、MEHEC、EHEC、(注1)〜(注9)、NDは以下のとおりである。また、HPMC、HEC、MEHEC、EHECの分子量は、GPC−MALLSにて、10万〜50万の範囲であった。これらの置換度の範囲は、1.0〜2.0であった。
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
HEC:ヒドロキシエチルセルロース
MEHEC:メチルヒドロキシエチルセルロース
EHEC:エチルヒドロキシエチルセルロース
(注1)アルスコープTH−330K 東邦化学工業社製 純分27% POE3モル付加
(注2)アミノサーファクトACMT−L 旭化成ケミカルズ社製 純分30%
(注3)ネオスコープCN−30−SF 東邦化学工業社製 純分30%
(注4)メトローズ65SH−15000 信越化学工業社製
(注5)NATROSOL250HHR ハークレス社製
(注6)STRUCTURE CEL 8000M AkzoNobel社製
(注7)STRUCTURE CEL 4400E AkzoNobel社製
(注8)PEG−8
(注9)KF−96−100CS 信越化学工業社製 分子量約7000
ND:No Data 比較例1〜3は液状の低粘度、比較例5の5℃は高粘度のため、測定不能であった。
また、アルコールのIOB値(無機性値/有機性値)は、エタノール(2.5)、プロピレングリコール(3.3)、ジプロピレングリコール(1.8)、1,3−ブチレングリコール(2.5)、1,2−ペンタンジオール(2.0)、PEG−8(MW400)(2.3)、グリセリン(5.0)、ジグリセリン(3.5)である(参考文献1参照)。
【0058】
<GPC−MALLS>
・装置
送液ポンプ:Shodex DS-4 昭和電工(株)
光散乱検出器(MALLS):DAWN DSP Wyatt Technology Corporation
濃度検出器:Shodex RI-71 昭和電工(株)
・測定条件
カラム:Shodex SB-806MHQ 40℃
溶離液:0.1M NaNO3 1.0ml/min
溶媒:0.1M NaNO3(溶離液と同じ)
注入量:200μl
【0059】
〔製造方法〕
1. No.1〜3を70℃で加熱溶解後、あらかじめNo.7とNo.28を混合溶解し70℃に加熱したものを添加し、中和する。溶液状に調製済みのNo.4〜6は、70℃まで加熱する。これらにNo.23,24を添加し、溶解する。
2. No.8〜14を70℃にて1にゆっくりと分散させ、5分攪拌する。
3. 2の後冷却しながら、攪拌を継続し、40℃まで攪拌する。
4. 3の後40℃にてNo.15〜22を添加し、粘性が出るまで攪拌する。その後No.25〜27を添加混合する。
5. 取り出して容器に充填し、洗顔料を得た。
【0060】
〔評価方法〕
化粧品評価専門パネル20名に、前記発明品及び比較品の洗顔料を使用してもらい、「泡立ち・泡質」、「溶け」、「洗浄後のヌルつきの無さ」、「洗浄後の肌のツッパリ感の無さ」、「洗浄後の肌のしっとり感」の各項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し洗顔料毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果]:[評 点]
非常に良好:5点
良好:4点
普通:3点
やや不良:2点
不良:1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満:○
1.5以上〜3.5未満:△
1.5未満 :×
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
「粘度」は、特定の調整した恒温槽に24時間放置したものを単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、ローターやその回転数、及び測定時間を適宜調節しながら適性な粘度域にて測定した。
「経時安定性」は各洗顔料を50℃に設定した恒温槽に1ヶ月間セットした後、目視にて以下の基準により評価判定した。
評価基準:
[評価結果]:[判定]
分離、あるいはパールの沈降がなく、均一である:○
分離、あるいはパールの沈降が認められる :×
【0065】
実施例1−31及び比較例1−9の結果より、粘性洗浄剤組成物を得る際には、(A)アニオン性界面活性剤 3〜25質量%、(B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2.5質量%、(C)エタノール及び/又は2価アルコール 3〜20質量%であることが好ましい。
また、この粘性洗浄剤組成物の粘度(5℃)は、6,000〜900,000Pa・sであり、この粘性洗浄剤組成物の粘度(30℃)は、1,000〜200,000Pa・sであった。また、この粘性洗浄剤組成物の粘度は、5〜50℃の温度帯において、1,000〜900,000mPa・sであった。粘性洗浄剤組成物の5℃の粘度/30℃の粘度の粘度比は、3.0〜5.6の範囲であった。
また、多価アルコールのうちで、ジプロピレングリコールは、増粘効果が高く、感触的にさらっとしたしっとり感で、べたつき感が少なかった。
また、多価アルコールのうちで、ポリエチレングリコールは、粘度が低めであり、成分量による粘度変化が少ない傾向であった。このため、比較的低粘度の方が、使用面で好適なボディーソープ製剤において、定量的なブレが生じず、安定的に低粘度の性状が得られた。また、感触的につるっとした滑らかな感触であった。
【0066】
実施例32:シャンプー
(成分) (質量%)
1 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(注1)
20
2 ラウリル硫酸トリエタノールアミン 4
3 N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン
0.9
4 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 2
5 ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.3
6 ジステアリン酸エチレングリコール 1
7 ヒドロキシプロピルメチルセルロース (注4) 1
8 エデト酸二ナトリウム 0.2
9 安息香酸ナトリウム 0.5
10 クエン酸 0.5
11 プロピレングリコール 8
12 ポリクオタニウム−7 0.25
13 精製水 残量
14 エタノール 1
15 香料 0.3
16 メントール 0.2
*アニオン性界面活性剤として10.9質量%
【0067】
<製法>
A. No.1〜6、No.13の一部を70℃で加熱後、No.7を分散し10分間攪拌する。
B. Aの後、冷却しながら、攪拌を継続し、40℃まで攪拌する。
C. あらかじめ、No.13に溶解しておいた、No.8〜12をBの後で添加し、5分攪拌する。
D. Cの後にNo.14〜16を添加し、粘性が出るまで攪拌する。
E. Dの後、取り出して容器に充填し、シャンプーを得た。
<評価>
実施例32のシャンプーは、使用に適した粘性を持ち、経時での安定性に優れ、溶けも良く、泡立ち・泡質にも優れ、洗浄後の使用感においては、しっとりとした洗い上がりであり、ぬるつきやツッパリ感が無いという全ての項目において優れた粘性液状のシャンプーであった。
【0068】
実施例33:シャンプー
実施例32:シャンプーの「11 プロピレングリコール」を「11 ジプロピレングリコール」に代えた以外は上記実施例32に準じて、実施例33:シャンプーを得た。実施例33:シャンプーは、実施例32:シャンプーと比較して、増粘効果が高く、感触的にさらっとしたしっとり感で、べたつき感が少なかった。
【0069】
実施例34:ボディーソープ
(成分) (質量%)
1 ラウリン酸 6
2 ミリスチン酸 10
3 パルミチン酸 5
4 ジステアリン酸エチレングリコール 1
5 アスタキサンチン (注10) 0.01
6 ヒドロキシエチルセルロース 1.5
7 水酸化カリウム 5.2
8 エデト酸二ナトリウム 0.2
9 精製水 残量
10 精製水 2
11 ポリクオタニウム−7 0.25
12 グリコシルトレハロース 2
13 香料 1
14 1,3−ブチレングリコール 8
15 1,2−ペンタンジオール 1
(注10)アスタキサンチン−5c (オリザ油化株式会社製)
【0070】
<製法>
A. No.1〜6を70℃で加熱後に、70℃まで加熱したNo.7〜9を加え、中和し10分間攪拌する。
B. Aの後に冷却しながら、攪拌を継続し、40℃まで攪拌する。
C. あらかじめ、No.10に溶解しておいた、No.11〜15をBの後で添加し、粘性が出るまで攪拌する。
D. Cの後に取り出して容器に充填し、ボディーソープを得た。
<評価>
実施例34のボディーソープは、使用に適した粘性を持ち、経時での安定性に優れ、溶けも良く、泡立ち・泡質にも優れ、洗浄後の使用感においては、しっとりとした洗い上がりであり、ぬるつきやツッパリ感が無いという全ての項目において優れた粘性液状のボディーソープであった。
【0071】
実施例35:ボディーソープ
実施例34:ボディーソープの「14 1,3−ブチレングリコール」を「14 ポリエチレングリコール(注8)」に代えた以外は上記実施例34に準じて、実施例35:ボディーソープを得た。実施例35:ボディーソープは、実施例34:ボディーソープと比較して、比較的低粘度であり、定量的なブレが生じず、安定的に低粘度の性状が得られた。また、実施例35:ボディーソープは、感触的につるっとした滑らかな感触であった。
図1